JP4463257B2 - 工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法 - Google Patents

工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法 Download PDF

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本発明は、工具が装着された主軸をX軸、Y軸、Z軸方向へ移動してワーク取付台に取り付けられた航空機部品等の大形のワークを加工する工作機械、パレット交換システム、及びパレット交換方法、すなわち主軸がX軸、Y軸、Z軸方向へ移動可能に構成された主軸支持側構造体と、主軸支持側構造体に対向して設けられ、2つのパレットを装着し、そのパレットのワーク取付面を所望の位置に回転割り出し可能に支持したパレット取付台とを具備したマシニングセンタ等の工作機械であって、大形ワークでも高効率で、しかも高速且つ高精度な加工が行え、且つ設置面積をコンパクトにできる新規の工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法に関するものである。
従来、航空機の機体の構成部品は細分化して加工し、それらをボルトやリベット等で接合して機体を形成する方法がとられてきた。しかしながら、近年、これらの部品をできる限り一体化し、接合部分を少なくする傾向がある。そのため、加工する部品が大形化、複雑形状化してきており、このような部品を加工するための新規の工作機械が要求されるようになってきている。
こうした工作機械に要求される固有の性能は、加工する大形ワークを取り付けることが可能なテーブルを備えること、大形ワークを加工するのに十分な送り軸ストロークを備えること、大形で複雑な形状の部品のあらゆる箇所及び形状の加工を全て一回の段取りで行うことが可能になっていることである。さらには、こうした部品の加工を効率よく、しかも高速且つ高精度に行える必要がある。また、加工するワークのサイズは工作機械のユーザ毎に異なるので、各ユーザの要求するサイズの工作機械を適時にしかも迅速に製造して工場に設置できることが好ましい。
ところで、大形ワークを固定するためには工作機械のテーブルを大形にせざるを得ないが、この大形テーブルをX軸、Y軸、Z軸の直交送り軸に沿った方向やA軸、B軸、C軸の回転送り軸に沿った方向に移動可能な構成にすることは、高速、高精度加工を行う観点からは不利となることを考慮する必要がある。すなわち、通常の工作機械と異なり、大形ワークを加工するための工作機械は、加工時にテーブルを固定(静止状態)にしてワークを加工することを可能にするために、工具を把持して回転する主軸側が直交送り手段や回転送り手段を備え、各直交送り軸の方向及び各回転送り軸の方向に移動可能になっていることが要求される。
ここで、X軸及びY軸は垂直平面内で互いに直交し、ぞれぞれ水平方向及び垂直方向に延び、Z軸はX軸及びY軸に対して垂直に水平方向に延びているものとする。また、A軸、B軸、C軸方向とは、それぞれ、X軸、Y軸、Z軸を中心とした回転方向を指すものとする。
さらに、ワークが大形化してワークの段取り作業の効率が悪化する傾向があることから、ワークの交換を自動で行う手段を設けて段取り作業の効率及び工作機械の稼働率を向上させることが要求される。
一般的に、マシニングセンタ等の工作機械で所望の形状にワークを加工する場合は、パレットにワークを取り付け、テーブルなどを含む工作機械のワーク取付台とパレットストッカとの間でパレット交換を行いながら、効率よく所望のワークの加工を行うようにしている。
このような効率的なパレット交換を行うためには、段取り作業を行うための段取りステーションとしてのパレットストッカ、ワークが取り付けられたパレットを授受、搬送して交換するためのパレット交換手段、ワークが取り付けられた複数のパレットを収納するためのパレットマガジン、及びパレットマガジンとパレットストッカとの間でパレットの転送を行うためのパレット転送手段等の構成要素が必要となる。したがって、比較的大形のワークが取り付けられたパレットを取り扱う大形の工作機械では、上記構成要素の配置を工夫しないと工作機械全体の設置面積がいたずらに大きくなってしまう。
また、このような大形ワークは、バキューム方式でパレットに取り付けられることが多く、パレットを垂直状態で搬送すると、パレットからワークが外れ、最悪の場合には作業者に危害を加える恐れがある。加えて、垂直状態のパレットは搬送時のバランスも悪く、パレットに取り付けられたワークの形状によっては、パレットが傾いてしまい工作機械のワーク取付台へのパレットの装着が非常に困難となってしまう。したがって、大形ワークが取り付けられたパレットは水平状態で扱うのが望ましい。
さらに、大形ワークを加工する場合には、そのワークをパレットに取り付ける段取り作業とパレットの交換作業とにかかる時間が、工作機械を作動させて実際にそのワークを加工する時間とほぼ同じ程度になることが多い。したがって、段取り時間やパレット交換時間が1つのワークを加工するのに必要とされる時間の相当な割合を占めており、段取り時間やパレット交換時間を短くすることが高速加工及び機械稼働率の向上の実現に直結する。
上記の要求の実現に利用可能な第1の従来技術として、特許文献1に開示されている対称多軸リニアモータ工作機械がある。この工作機械は、上下に対向するフレーム上をX軸方向に移動可能な垂直ガントリと、垂直ガントリ上をY軸方向に移動可能なサドルと、サドル上をZ軸方向に移動するラムと、ラムの前端部に設けられ工具を装着する主軸を回転支持する主軸頭と、フレームの前方に固定されワークを載置するテーブルとを具備し、X軸、Y軸、及びZ軸方向の各送り方向にはリニアモータによって駆動される構成になっている。また、垂直ガントリはフレームに対して上部と下部の2カ所で案内されてリニアモータによって駆動され、そのリニアモータの固定子及び移動子は、固定子の移動子に対する吸引力が上下で互いに相殺されるように、上下対称に取り付けられている。
また、上記要求の実現に利用可能な第2の従来技術として、特許文献2に開示されている工作機械がある。この工作機械は、正面視中央に貫通穴を有する矩形枠状の垂直ベッドと、垂直ベッドの前面をX軸方向に移動可能で、正面視中央に貫通穴を有する矩形枠状のXスライドと、Xスライドの貫通穴内で支持、案内されY軸方向に移動可能なYスライドと、Yスライドに支持、案内されZ軸方向に移動可能なZスライドと、Zスライドの前端部に設けられ工具を装着する主軸を回転支持する主軸頭と、垂直ベッドの前方に固定されワークを載置するテーブルとを具備し、X軸、Y軸、及びZ軸方向の各送り方向には、それぞれ、一対のレール状ガイドで案内され、一対のリニアモータによって駆動される構成になっている。
さらに、利用可能な第3の従来技術として、特許文献3に開示されているワークパレット交換方法がある。ここに開示されているパレット交換装置付きの工作機械は、工具を装着する主軸を回転支持する主軸頭とワークを載置するテーブルとの間でX軸、Y軸、及びZ軸方向の相対移動を行い、ワークを加工する機械本体と、機械本体に隣接して設けられ、テーブルとの間でパレットを授受交換するパレット交換装置とから構成されている。また、このパレット交換装置はパレットを取り付ける面が複数個あり、水平な回転軸線を中心として回転して、パレット交換位置、待機位置、又はワーク洗浄位置に割り出しされる構造になっている。
さらに、利用可能な第4の従来技術として、特許文献4に開示されているパレット交換装置がある。このパレット交換装置は、所望の加工終了後、工作機械のテーブルからパレットストッカへシャトル式のパレット交換装置により加工済みのワークが取り付けられたパレットを搬出した後に、パレットストッカから工作機械のテーブルへ上記パレット交換装置により段取り済みの新しいワークが取り付けられたパレットを搬入するものである。パレットへのワークの取り付け・取り外しの際には、パレットに取り付けられたイケールを90度旋回させて水平状態にしてからクレーン等により加工済みのワークを取り外し、その後に段取り済みの新しいワークをイケールに取り付けるようにしている。
さらに、利用可能な第5の従来技術として、特許文献5に開示されている空中搬送装置がある。この搬送装置は、工作機械の上方に設けられた搬送用のレールの長手方向、上下方向、及びこれらの方向に直交する方向に移動可能な移動装置と、移動装置に懸架されワークが取り付けられたパレットを保持する保持装置とを具備し、保持装置で保持したパレットが工作機械の所定位置に搬送されるようにしたものである。
さらに、利用可能な第6の従来技術として、特許文献6に開示されている自動加工装置がある。この自動加工装置は、工作機械の前方に設置された立体倉庫と段取りステーションとしての搬入台との間、及び立体倉庫と工作機械のワーク交換装置との間でワークを搬送する搬送台車と、ホイストクレーンとを具備し、搬送台車が故障した場合には、ホイストクレーンにより、立体倉庫と段取りステーションとしての搬入台との間、及び立体倉庫と工作機械のワーク交換装置との間で、ワークを搬送するようにしたものである。
特開平8−318445公報 特開平9−262727公報 特開昭60−29261公報 特開平10−128640公報 実開昭60−120751公報 実開平4−57358公報
上述したように、大形部品を加工するための大形工作機械、例えば航空機部品加工用工作機械では、一般的に、加工の際、大形ワークを取り付けるワーク取付台が静止しているので、工具を装着して回転する主軸側が直交送り手段や回転送り手段を備え、X軸、Y軸及びZ軸方向の移動、A軸、B軸及びC軸方向の回転が可能となるように構成されている。また、かかる工作機械は、一般的に横形主軸を有し、比較的長いX軸及びY軸方向ストロークを有しているので、背の高い大形のコラムがベッド上の水平X軸方向に沿って案内されて移動し、主軸を回転支持した主軸頭がコラム上をY軸方向に移動するように構成されている。
主軸支持側構造体の移動体がこのように大形且つ大重量となる前述の問題点を解決する方法としては、第1及び第2の従来技術のように、基台を枠状構造にしてその上下の2カ所にX軸方向ガイドを設け、同様に枠状構造にしたX軸スライダをその上下のガイドで案内して移動させることが考えられる。上下2カ所で案内、駆動すれば移動体は片持ち状態とはならないので、移動体に対して要求される剛性が低くなり、移動体を比較的軽量としながらも必要な剛性を確保することが可能となる。また、移動体の送り駆動手段としてリニアモータを使用すれば、高速送りも実現可能となる。
しかしながら、通常の工作機械と比較して長いX軸方向ストロークを必要とする工作機械に特有の新たな問題が発生する。それは、X軸方向のストロークが長くなるに伴って、ワークの加工により発生した切屑から保護するために、X軸方向のガイドや送り機構を覆うテレスコピック式や巻き取り式の可動カバーも長くならざるを得ず、この可動カバーの故障が発生しやすくなることである。
第1及び第2の従来技術は、X軸方向のストロークが比較的長い工作機械を対象としたものではないことから、この問題が指摘されていない。さらに、X軸スライダが軽量化されたとは言え、Y軸方向ストロークもまた長くなることから、X軸方向ガイドにはある程度の荷重がかかり、その寿命に対する安全率を確保する必要が生じるという問題点もある。
また、ワーク自体が大形になる結果、テーブルへワークを取り付けたり、加工後にワークの切屑を除去したり、取り外したりする段取り作業に時間がかかるようになる。したがって、段取り作業の間、工作機械を停止させることになり、機械の稼働率が低下するという問題が生じる。また、X軸方向に移動する移動体(主軸頭及びコラム)は大形大重量とならざるを得ない。このため、高速送りが困難になり、X軸方向に移動する移動体の重量による摩擦抵抗などによりX軸方向の位置精度を高く維持することが困難になるという問題も生じる。
こうした段取り作業に時間がかかることによる作業効率及び機械の稼働率の低下の問題に対する解決方法としては、第3の従来技術のようなパレット交換装置を工作機械に付属させる方法がある。しかしながら、大形ワークを取り扱う場合には、大きな設置スペースが必要となり大がかりな構成とならざるを得ず、必要とされる費用が相当に高くなるという別の問題を引き起こしてしまう。
パレットのワーク取付面を水平にして段取り作業を行って、段取り作業の効率を向上させ且つその安全性を高めるためには、第4の従来技術を利用することができる。しかしながら、第4の従来技術は、パレット交換装置及びパレットストッカを単に平面内に配置したものであり、大形ワークが取り付けられたパレットの交換を行う場合には、工作機械の設置面積が非常に大きくなってしまうという問題点がある。
さらに、第4の従来技術は、所望の加工が終了した後、加工済みのワークが取り付けられたパレットをシャトル式のパレット交換装置により工作機械のテーブルからパレットストッカに搬出すること、工作機械のテーブルを他のパレットストッカの対面位置に移動させ、段取り済みの新しいワークが取り付けられたパレットをパレット交換装置によりパレットストッカから工作機械のテーブルへ搬入することを順次行わなければならない。このため、第4の従来技術には、パレットの交換時間が非常にかかるという別の問題点もある。
また、第4の従来技術では、加工済みのワークが取り付けられたパレットを工作機械のテーブルから搬出しないと、段取り済みの新しいワークが取り付けられたパレットを工作機械のテーブルに搬入することができない。このため、その間は工作機械における加工を停止せざるを得ず、結果として、1つの加工に要する全体的な時間が長くなるという問題点もある。
さらに、第4の従来技術は、所望の加工終了後、ワークが取り付けられたパレットを平面内で搬送するために、操作者による加工済みワークの確認作業などは、非常に危険を伴い、ワークへの接近性も悪くなる。よって、加工済みのワークの確認作業や洗浄作業を行う上での作業性を低下させ、直接的な段取りができないという問題点もある。
これらの問題点から、工作機械の省スペース化を図るには、パレットを平面内で搬送するのではなく、空間的にパレットを搬送するのが理想的である。
そこで、第5の従来技術を利用すれば、第4の従来技術のようにパレットが平面内で搬送されるのではなく、パレットが工作機械の上方空間を搬送されるようにすることが可能となる。しかしながら、この場合、移動装置に懸架された保持装置に保持したパレットの位置決めが問題となる。これは、吊具で懸架された物体はその移動中に揺動してしまい、所定の位置に位置決めするのは非常に困難となるからである。
さらに、第5の従来技術は、懸架したパレットの工作機械に対する位置決めを工作機械側に設けられた位置決め手段で行うものであり、工作機械側に位置決め手段を設けなければならず、工作機械のコストアップに繋がってしまう。また、工作機械側でパレットの位置決めを行っても、パレットストッカ等に位置決めのための手段を設ける必要があり、その構成が非常に複雑化するという問題点もある。
第6の従来技術は、第5の従来技術と同様に、パレットが工作機械の上方空間を搬送されるものであり、パレットの搬送に特にホイストクレーンを用いている。懸架されたパレットの位置決めが重要な問題であることは上述の通りであるが、第6の従来技術では、ホイストクレーンに懸架されたワークの位置決めについては何らその対策がなされていない。したがって所定の位置にパレットを搬送し、正確に位置決めを行うことは非常に困難であるという問題点がある。
このことから、工作機械の省スペース化を図るために空間的にパレットを搬送するだけでなく、簡単且つ確実に懸垂保持されたパレットの所定の位置への位置決めを行い、高効率且つ高精度な加工を実現することが究極の方法であると言える。
本発明の目的は、上述の問題点を解決することであり、大形ワークを高速且つ高精度で加工することが可能であり、大形ワークの段取り作業を容易にした工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
本発明の他の目的は、機械の稼働率の高い大形ワークの加工のための工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
本発明の他の目的は、設置面積をコンパクトにできる工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ワークの交換時間を短縮して、高効率で加工を行うことができる工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ワークへの接近性を向上させ、直接的な段取りが行える工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ワークの加工中であっても、加工済みワークの確認作業を安全かつ容易に行うことができる工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
本発明の他の目的は、切屑処理の容易な大形ワークのための工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法を提供することである。
上記目的に鑑みて、本発明は、主軸がX、Y、Z軸方向へ移動可能に構成された主軸支持側構造体と、その主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせ2つのパレットを取付け、そのパレットを回転割り出し可能に支持したパレット取付台とを具備した工作機械において、パレット取付台の1つのパレットのワーク取付面を水平状態にした回転位置でパレットを取り付けた後、そのパレットを垂直状態に位置決めしてワークを加工するようにしたものである。
本発明によれば、工具が装着された主軸をX、Y、Z軸方向へ移動してワークを加工する工作機械において、
前記主軸を回転可能に支持し、床面に立設された基台上をX、Y、Z軸方向へ移動可能に設けられた主軸頭を有する主軸支持側構造体と、前記主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせに2つのパレットを取付けるパレット着脱手段を有し、前記X軸方向に平行な軸線を中心として回転割出し可能に支持されたパレット取付台を有するワーク支持側構造体と、前記ワーク支持側構造体に設けられ、パレット交換時には前記パレット取付台に接着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ略水平上向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めし、ワーク加工時には前記パレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ垂直横向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めする回転割出手段と、前記ワーク支持側構造体に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記ワーク支持側構造体のパレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面を略水平上向きにした位置と前記パレットストッカの上面位置との間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段とを具備する工作機械が提供される
また、本発明によれば、工具が装着された主軸をX、Y、Z軸方向へ移動してワークを加工する工作機械において、前記主軸を回転可能に支持し、床面に立設された基台上をX、Y、Z軸方向へ移動可能に設けられた主軸頭を有する主軸支持側構造体と、前記主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせに2つのパレットを取付けるパレット着脱手段を有し、前記X軸方向に平行な軸線を中心として回転割出し可能に支持されたパレット取付台を有するワーク支持側構造体と、前記ワーク支持側構造体に設けられ、パレット交換時には前記パレット取付台に接着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ略水平上向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めし、ワーク加工時には前記パレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ垂直横向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めする回転割出手段と、前記ワーク支持側構造体に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、前記パレットストッカに離間して設けられ、前記パレットを複数個収納するパレットマガジンと、前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記ワーク支持側構造体のパレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面を略水平上向きにした位置と前記パレットストッカの上面位置と前記パレットマガジンのパレット収納位置とのそれぞれの間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段とを具備する工作機械が提供される。
前記パレット交換手段の案内手段は、骨組構造体と、前記骨組構造体に設けられ、前記パレット保持手段を挟んで対向する案内面を有して構成されていることが好ましい。
前記工作機械は、前記主軸支持側構造体と前記ワーク支持側構造体との間に設けられ、加工によって発生した切屑を加工領域外へ排出する切屑排出手段を更に具備することが好ましい。
また、本発明によれば、工作機械のパレット取付台とパレットストッカとの間でパレットを授受、搬送する工作機械のパレット交換システムにおいて、前記工作機械のパレット取付台に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記パレット保持手段を移動可能に取付ける骨組構造体と、前記骨組構造体に設けられ、前記工作機械のパレット取付台の略水平上向き位置と前記パレットストッカの上面位置との間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を対向する案内面に挟んで案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段とを具備する工作機械のパレット交換システムが提供される。
また、本発明によれば、工作機械のパレット取付台とパレットストッカとの間でパレットを授受、搬送する工作機械のパレット交換システムにおいて、前記工作機械のパレット取付台に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、前記パレットストッカに離間して設けられ、前記パレットを複数個収納するパレットマガジンと、前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記パレット保持手段を移動可能に取付ける骨組構造体と、前記骨組構造体に設けられ、前記工作機械のパレット取付台の略水平上向き位置と前記パレットストッカの上面位置と前記パレットマガジンのパレット収納位置とのそれぞれの間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を対向する案内面に挟んで案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段とを具備する工作機械のパレット交換システムが提供される。
また、本発明によれば、主軸がY、Y、Z軸方向へ移動可能に構成された主軸支持側構造体と、前記主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせに2つのパレットを取付け所望位置に回転割出し可能に支持したパレット取付台と、パレットにワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、前記パレット取付台と前記パレットストッカとの間でパレットの交換を行うパレット交換手段とを具備し、パレットに取付けられたワークを加工し、パレット交換を行う工作機械のパレット交換方法であって、(a)前記パレット取付台の1つのパレット取付面を略水平上向き位置に位置決めしてワークが取付けられたパレットを前記パレット交換手段によって装着する工程、(b)前記ワークの加工終了後に、前記パレット取付台の他のパレット取付面を略水平上向き位置に位置決めして他のワークが取付けられたパレットを前記パレット交換手段によって装着する工程、(c)前記装着したパレットを垂直横向き位置に位置決めして前記ワークを加工する工程、(d)前記他のワークが取付けられたパレットを垂直横向き位置に位置決めして前記他のワークを加工する工程、(e)加工済みのワークが取付けられたパレットを略水平上向き位置に位置決めして前記パレット取付台から該パレットを前記パレット交換手段によって取外す工程、(f)加工済みの他のワークが取付けられたパレットを略水平上向き位置に位置決めして前記パレット取付台から該パレットを前記パレット交換手段によって取外す工程を含む工作機械のパレット交換方法が提供される。
上述したような構成により、主軸支持側構造体においては、静止した基台に対して移動可能な移動体の構成要素の1つであるX軸スライダをその上下縁部で案内、支持することによって、X軸スライダに作用する力(推力及び支持力)が略対称的な箇所に加えられるようになる。したがって、従来の工作機械のような片持ち支持の場合のように回転モーメントの発生による遠位端部の曲がり及び撓みを防止するべくX軸スライダを構造部材で補強する必要がなくなり、軽量化して高速移動させることが可能となる。一般に、工作機械、特に大形ワークを加工するための工作機械では、X軸方向のストロークが長くなるので、X軸方向に移動する移動体を高速移動可能にすることは、工作機械全体の加工速度の高速化及び作業時間の短縮化に大きく寄与し、加工作業の効率を向上させることになる。
さらに、X軸方向の水平軸線を中心として回転割り出し可能に支持されたパレット取付台を具備しているので、装着されたパレットのワーク取付面を上向き又は好ましくは水平にすることができ、ワークがワーク取付面から落下する危険がなくなり作業者の安全性を確保することが可能になり、段取り作業またはパレット交換作業が容易になる。
また、パレット取付の背中合わせの2つのパレット取付面の1つのパレット取付面を回転割出手段により水平状態又は垂直状態に位置決め可能に構成したので、水平状態でパレット交換した後、垂直状態にしてすぐにワークの加工が行え、機械の稼働率を向上させ、ワークの交換時間を短縮して、高能率な加工を行うことができる。
さらに、ワークが取り付けられたパレットの搬送は操作者や作業者の頭上で行われるので、機械の設置面積をコンパクトにでき、作業者のワークへの接近性を向上させ、直接的な段取りを行うことが可能となる。
さらに、切屑排出手段は、加工領域で発生して自然落下した切屑や切削液を所定の場所に排出して切屑除去作業の軽減を図っている。切屑排出手段によって主軸支持側構造体とワーク支持側構造体とが分離した構造となり、大形工作機械の製造、据付けを容易にして、主軸支持側構造体及びワーク支持側構造体のモジュール化を可能とさせる。
以上の構成が奏する効果を組み合わせることによって、本発明の工作機械、パレット交換システム及びパレット交換方法は段取り作業時間及び加工時間を短縮させ、加工作業全体の効率を向上させることを可能としている。
また、前述の従来技術と本発明とを比較対比すると、第1及び第2の従来技術は、X軸方向のストロークが比較的短い工作機械を開示したものであり、本発明の工作機械のように、大形ワークを加工するためにX軸方向のストロークが比較的長い工作機械ではなく、可動カバーの故障やX軸方向ガイドの寿命の問題を何ら解決していない。第3及び第4の従来技術は、パレット交換装置及びパレットストッカを単に平面内に配置したものであるのに対して、本発明の工作機械、パレット交換システムは、パレットを空中搬送するようにしたものであり、機械の設置面積が大きくなるという問題は発生しない。第5の従来技術は空中搬送したパレットの機械に対する位置決めを機械側で行うもの、第6の従来技術はパレットをホイストクレーンにより単に吊下搬送するものであるのに対して、本発明の工作機械は、パレット交換装置側に機械へのパレットの位置決め手段を設けたものであり、工作機械側に何ら細工をする必要がなく、機械の構造を簡素化できる。
図1は本発明の工作機械11の全体構成を示している斜視図であり、図1に示される工作機械11は、主軸支持側構造体13と、ワーク支持側構造体15と、これら主軸支持側構造体13とワーク支持側構造体15との間に設けられた切屑排出手段17とによって構成されている。図2は、図1に示される主軸支持側構造体13の斜視図である。
以下の説明において、特に説明のない限り、前側とは加工機能を有する面側を指し、背面側とは加工機能を有する面とは反対側を指すものとする。また、図1に示されるように、工作機械の長手方向をX軸方向、垂直に延びる方向をY軸方向、X軸及びY軸方向に垂直な方向をZ軸方向として定義する。
図1及び図2を参照すると、主軸支持側構造体13は、床面に立設された基台19と移動体21とを具備する。基台19は、さらに、上部に設けられたビーム23と、下部に設けられたベッド25と、背面側に設けられこれらの間を接続するコラム27とを含んで成り、側面から見てC字形状断面を有している。また、ビーム23とベッド25にはそれぞれその前部にX軸方向に延びる溝状長手空間29が形成されている。好ましくは、上記溝状長手空間29は図1及び図2に示されるように下向きに開放して形成される。
コラム27はビーム23とベッド25を接続し、ビーム23がX軸方向に変形しないよう支持してビーム23の剛性を補っている。しかしながら、ビーム23にX軸方向の変形を生じさせない程度の剛性を保ち得る限りにおいては、図1及び図2に示されるように、開口部分31を設けてコラム27を構成する、若しくは、互いに離間して設けられた複数の柱部材からコラム27を構成してもよい。こうして開口部分31を設けることによって、主軸支持側構造体13の軽量化がなされ得る。もちろん、大きな剛性を得る必要のある場合、開口部分31は不要である。
図2を参照すると、移動体21は、基台19の長手空間29に沿って左右方向であるX軸方向に案内されて移動可能なX軸スライダ33と、X軸スライダ33上を上下方向であるY軸方向に案内されて移動可能なY軸スライダ35と、Y軸スライダ35上を前後方向であるZ軸方向に案内されて移動可能なZ軸スライダ37とを含んで成る。
X軸スライダ33は、正面視中央にY軸方向に細長い貫通開口部39を有した枠形状に形成されており、その上側部分及び下側部分からは基台19の溝状長手空間29へ延びる延長部41a、41bが突出している。X軸送り手段は、この延長部41a、41bを介してX軸スライダ33を長手空間29に沿って移動させる。X軸送り手段は、例えばモータとボールねじの組合せやリニアモータなどである。
図2の基台19の下部(ベッド25)の前端部分の側面図である図3を参照すると、ベッド25の前端部には長手空間29の開放部を挟んで平行してX軸方向に延びる2本のレール状X軸ガイド43が設けられている。X軸スライダ33の延長部41bにはこのX軸ガイド43と係合する転動体を有した複数のX軸滑動子45がZ軸方向に離間して具備されており、これらX軸ガイド43とX軸滑動子45を介してX軸スライダ33がX軸方向に案内される。
一方、延長部41bからベッド25の長手空間29内に延びる部分の先端部にはX軸送り手段であるリニアモータの移動子47が設けられ、ベッド25の長手空間29の内部には移動子47と対向するようにしてリニアモータの固定子49が設けられている。
長手空間29の開放部を挟んで平行して延びるX軸ガイド43を設けることによって、延長部41bが片持ち支持になることを回避し、それによって延長部41bに必要とされる剛性を確保している。
X軸スライダ33の上側部分の延長部41a及び基台19の上部のビーム23に設けられた長手空間29においても、同様にして、X軸ガイド43及びX軸滑動子45とリニアモータの移動子47及び固定子49が設けられている。
上記実施態様においては、長手空間29の開放部を挟んで2本のX軸ガイド43が設けられているが、単一のX軸ガイドのみを設けることも可能である。また、レール状X軸ガイド43に代わって摺動面など他のタイプのガイドを使用することも可能である。さらに、X軸送り手段としては、リニアモータに代えて、モータとボールねじの組合せを使用することも可能である。
このように構成されることによって、移動体21は、ビーム23及びベッド25に設けられたX軸ガイド43に案内、支持されながら、同じく長手空間29内に設けられたX軸送り手段によって駆動されて基台19上をX軸方向に移動することが可能となる。
また、基台19上を移動する移動体21のX軸スライダ33は、上部及び下部の2カ所を支持、案内されて移動するので、1カ所で支持、案内される片持ち支持の場合と異なり、X軸スライダ33に回転モーメントが作用することはなく、X軸スライダ33の剛性を確保しやすくなり、X軸スライダ33の軽量化が達成される。この結果、移動体21の軽量化が達成され、移動体21はX軸方向に高速に移動し得るようになる。
さらに、長手空間29を下向きに開放して形成してその内部にX軸ガイド43やX軸送り手段を含む案内駆動機構部を収容することで、加工領域において発生する切屑やその他の塵埃や切削液がX軸方向の案内駆動機構部に侵入しにくくなる。
ビーム23及びベッド25の前端部に形成された溝状長手空間29を下方に開放させる場合には、図3に示されるように、長手空間29の幅が下方へ行くほど拡がっており、その垂直断面が対称な傾斜面を有する台形形状となっており、長手空間29に位置するX軸スライダ33の延長部41a、41bの先端部もまた同様の台形形状となっていることが好ましい。このとき、延長部41a、41bの台形状先端部の両斜面に沿ってリニアモータの固定子49が配置され、X軸スライダ33に設けられたリニアモータの移動子47がこれと対向するようにして配置される。
このように延長部41a、41bの先端部及び長手空間29の対称な斜面にリニアモータの移動子47及び固定子49が配置されていれば、リニアモータの移動子47と固定子49との間に作用する吸引力によって、X軸スライダ33には重力と反対方向の力が作用する。したがって、X軸スライダ33にはそれに作用する重力と反対方向の力が作用し、X軸スライダ33からそこに設けられたX軸滑動子45を介してベッド25に設けられたX軸ガイド43に作用する荷重が軽減される。このため、X軸滑動子45とX軸ガイド43との間の摩擦抵抗が軽減され、X軸スライダ33はより高速に移動することが可能となる。さらに、位置決め精度が向上する。
また、リニアモータが取り付けられる延長部41a、41bの先端部及び長手空間29の傾斜面の傾斜角度を変えることによって、リニアモータのX軸方向の推力を変えることなく、X軸滑動子45に作用する重力を軽減する力の程度を調節することができる。よって、X軸スライダ33からX軸滑動子45を介してX軸ガイド43に作用する力を適正値にすることも可能となり、またX軸滑動子45の寿命を延ばすことができる。
代替的には、図1及び図2に示されるビーム23の長手空間29のように、ビーム23及びベッド25の長手空間29を方形断面として、X軸スライダ33の延長部41a、41bの先端部もまた同様の方形形状としてもよい。この場合には、長手空間29の頂部表面に沿ってリニアモータの固定子49が配置され、リニアモータの移動子47がこれと対向するようにしてX軸スライダ33上に配置される。このように配置しても、X軸スライダ33にはこれに作用する重力と反対方向の力が作用するので、X軸スライダ33からX軸滑動子45を介してX軸ガイド43に作用する重力方向の力を軽減することが可能となる。
図2のX軸スライダ33及びY軸スライダ35を線IV−IVに沿って切った断面図である図4を参照すると、枠形状のX軸スライダ33の内側には、Y軸送り手段であるモータ(不図示)及びボールねじ55の組合せと、レール状Y軸ガイド51とが設けられている。一方、Y軸スライダ35には、X軸スライダ33に設けられたレール状Y軸ガイド51と係合するY軸滑動子53が左右対称に具備されており、このY軸ガイド51とY軸滑動子53とによってY軸スライダ35がY軸方向に案内される。また、図4を参照すると、Y軸送り手段のボールねじ55が、Y軸スライダ35を貫通して延びる左右対称に配置されたナット部57のねじ穴(図中においてナット部はねじ穴のみが示されている)に螺合している。したがって、モータ(不図示)によってボールねじ55が回転させられると、ボールねじ55の回転がナット部57を介してY軸スライダ35に伝達され、Y軸スライダ35がY軸ガイド51及びY軸滑動子53によって案内され貫通開口部39内をY軸方向に移動することになる。
図2の矢印Vの方向から見たY軸スライダ35の矢視背面図である図5を参照すると、Y軸スライダ35にはZ軸方向に貫通して延びる空間が形成されており、その内部にはZ軸スライダ37が収容されている。また、空間内には、2つのレール状Z軸ガイド59とZ軸送り手段であるZ軸モータ63が固定的に設けられている。
一方、Z軸スライダ37は、Y軸スライダ35の内側の空間内に設けられたZ軸ガイド59と係合するZ軸滑動子61を具備しており、上記Y軸スライダ35と同様に、Y軸スライダ35に取り付けられたZ軸モータ63の回転がボールねじ(不図示)を介して伝達され、Y軸スライダ35の内側の空間内をZ軸方向に移動する。
このようにして、移動体21はX軸、Y軸及びZ軸方向に移動することが可能となる。
なお、Y軸及びZ軸の送り手段はモータとボールねじの組合せとして説明したが、リニアモータを使用することもできる。また、Y軸スライダ35の上下の貫通開口部39はそれぞれテレスコピックカバー(不図示)で覆われており、内部への切屑や切削液の侵入が防止されている。
図6は図3に示されるレール状X軸ガイド43及びX軸滑動子45の構造を説明するための模式図であり、図7は図3に示されるリニアモータの移動子47及び固定子49の構造を説明するための模式図である。
図6及び図7に示されるように、X軸スライダ33のX軸方向の両端部に位置するX軸滑動子45及びリニアモータの移動子47の最外側にはX軸ガイド43又はリニアモータの固定子49上に付着した切屑及び切削液を除去するためのワイパ手段がそれぞれ取り付けられ得る。好ましくは、ワイパ手段はX軸滑動子45又はリニアモータの移動子47の先端部側に配置された非接触ワイパ65、67とその内側に離間して配置された接触ワイパ69、71とを含んで成る。非接触ワイパ65、67はX軸ガイド43又はリニアモータの固定子49と直接的には接触しておらず、それらに付着した大きな切屑を除去する働きをするのに対して、接触ワイパ69、71はX軸ガイド43又はリニアモータの固定子49と直接的に接触してそれらに付着した細かい切屑及び切削液を除去する働きをする。接触ワイパ69、71には例えば潤滑のために油を含浸させたポリウレタンなどの高分子材料などが使用される。非接触ワイパ65、67には適宜の材料が使用される。
係るワイパ手段を各X軸滑動子45及びリニアモータ移動子47の前後両端部に設けることができるのはもちろんである。
また、X軸ガイド43及びリニアモータの固定子49のX軸ストローク端部では、図6及び図7に一点鎖線で示されるように、接触ワイパ69、71がX軸ガイド43又はリニアモータの固定子49の端部まで移動し、非接触ワイパ65、67はX軸ガイド43又はリニアモータの固定子49の端部を通り越した位置まで移動し得るようにしてもよい。このように構成することで、接触ワイパ69、71及び非接触ワイパ65、67によって掃拭されたX軸ガイド43上又はリニアモータの固定子49上の切屑や切削液がそれらの端部から外部へ除去可能となる。
さらに、X軸滑動子45又はリニアモータの移動子47から圧縮空気を噴出させて、X軸ガイド43又はリニアモータの固定子49上に付着した切屑及び切削液を補助的に吹き飛ばすようにしてもよい。
接触ワイパ、非接触ワイパ、圧縮空気の噴出部等のワイパ手段を具備することによって、X軸ガイド43とX軸滑動子45の間又はリニアモータの移動子47と固定子49の間に切屑や切削液が巻き込まれてX軸滑動子45又はリニアモータの移動子47がX軸ガイド43又はリニアモータの固定子49に沿って滑らかに移動することが阻害されることを防止することが可能となり、案内機構又は駆動機構における故障の頻度を低減させ工作機械の稼働率が向上する。
また、従来、X軸方向の案内駆動機構部には切屑侵入防止用の可動カバーが設けられおり、この可動カバーが長期の使用においてはかじりや摩耗等の故障の原因となりやすかった。しかし、上記のような下向きに開放した長手空間内にX軸ガイド43、X軸滑動子45、リニアモータの移動子47及び固定子49を収容してX軸滑動子45及びリニアモータの移動子47に上記ワイパ手段を設けることで、可動カバーは不要になる。したがって、可動カバーを原因とした故障による機械停止が回避され、工作機械の稼働率が向上し得るようになる。また、可動カバーは送り動力の損失の原因となっていたが、この動力損失を軽減する利点も有している。
図2及び図4を参照すると、移動体21のZ軸スライダ37の前端部には工具が装着された主軸75を回転支持する主軸頭73が保持されている。
主軸頭73を含む部分の詳細図である図8に示されるように、主軸頭73は、Z軸方向と垂直な回転軸線77を中心としてA軸方向に回転可能に旋回台79に枢支されており、この旋回台79に固定された旋回モータ81によって歯車83を介して回転させられる。一方、旋回台79はZ軸スライダ37に固定されたC軸モータ85に接続されており、C軸モータ85によって、Z軸方向に延びる回転軸線87を中心としてC軸方向に回転可能となっている。したがって、主軸頭73はA軸及びC軸方向への回転が可能となり、複雑な加工に対応できる。また、歯車83と同じ歯車列が旋回台79の反対側にも設けられ、A軸の回転送り駆動は左右両側で行われており、精度の高い回転送りを可能としている。
主軸頭73は、Z軸スライダ37に固定的に取り付けられ、A軸、B軸、C軸方向のいずれにも回転し得ないようになっていてもよい。また、主軸75が主軸頭73に対してZ軸方向(いわゆるW軸方向)に移動可能となっていてもよい。
次に、ワーク支持側構造体15について説明する。
図9は、図1の線IX−IXに沿ったワーク支持側構造体15の部分断面図である。
図1及び図9を参照すると、ワーク支持側構造体15は、ベース91と、そのX軸方向の両端部にそれぞれ立設された2つの軸支持手段93と、回転軸95を介して軸支持手段93に接続されてX軸方向に延びる水平な回転軸線97を中心として回転可能に支持された略直方体形状のワーク取付台99と、歯車やベルトを含む伝動装置(不図示)を介してワーク取付台99を割り出し可能に回転させる割出モータ100とを含んで成る。請求項に記載のパレット取付台は、このワーク取付台99のことである。ワーク取付台99は割出モータ100や歯付きクラッチ(不図示)などによって複数位置に回転割り出し可能になっている。ここで、割出モータとは、サーボモータに代表される割り出し可能なモータを指す。
ワーク取付台99は、回転軸線97の周りで反対側に配置された2つのパレット取付面103を有している。パレット取付面103とは、装着されるパレット105の底面と対面する面のことであり、本実施形態では、パレット取付面103とパレット105のワーク取付面とは平行である。このパレット取付面103には、直接又はパレット105を介してワーク89が取り付けられる。なお、後述するように、ワーク取付台99のパレット取付面103にはワーク89又はパレット105を解放可能に支持、固定するためのパレット着脱手段106(図12参照)が設けられている。また、説明の簡易化のために、以下の説明ではワーク89を取り付けたパレット105がパレット取付面103に取り付けられるものとして記載されているが、上述したようにパレット取付面103に直接的にワーク89を取り付けることも可能である。
図1及び図9に示されているように、ワーク支持側構造体15は、2つのパレット取付面103を有しているので、主軸支持側構造体13と対向して位置する一方のパレット取付面103で加工が行われている間に、他方のパレット取付面103で加工と併行してワーク89の段取り作業を行うことが可能である。
また、ワーク取付台99は、割出モータ100によって、対向して位置する2つのパレット取付面103が水平状態になる位置及び垂直状態になる位置をとることを許容する少なくとも4つの回転位置に位置決めされ得るようになっている。すなわち、ワーク89を加工するときには、パレット取付面103を垂直状態にし、パレット取付面103に対してワーク89が取り付けられたパレット105を脱着するときには、パレット取付面103を水平状態にすることが可能になっている。したがって、ワーク89を垂直方向に支持した状態で加工を行う場合でも、段取り作業の際にはパレット105を水平にして、パレット取付面103に対する(ワーク89を取り付けた)パレット105の脱着作業を含む段取り作業を容易且つ安全に行うことが可能であり、ワーク89の交換時間が短縮され得る。
ところで、加工の際には、主軸支持側構造体13からワーク支持側構造体15に大きな力が作用する。この力の作用点がワーク取付台99の回転軸線97から偏倚(オフセット)しているときには、ワーク取付台99に回転モーメントが発生する。この回転モーメントによるワーク取付台99の回転はワーク89を加工する際の精度を低下させる。しかしながら、ワーク取付台99の回転を阻止する機能を果たすのは、割出モータ100の保持トルク及び歯付きクラッチのみであり、十分とは言えない。
そこで、本発明の工作機械11のワーク支持側構造体15は、加工の際にパレット取付面103が垂直状態になっている回転位置を保持するために、ベース91に設けられた、上方へ延びる伸縮可能な2つのロケートピン102aを備えたロケートピン装置102と、軸支持手段93に設けられた、回転軸95の回転をロックするための軸ロック装置104とをさらに具備している。
ワーク取付台99は、回転軸線97の周りでパレット取付面103に対して垂直な位置に配置された2つの側面に、ロケートピン装置102と対応する2つのロケートブラケット101を備えている。各ロケートブラケット101は、パレット取付面103が垂直になっているときに、ロケートピン装置102の各ロケートピン102aの先端部と対向する位置に設けられており、その先端部にロケートピン102aを受容する穴101aを備えている。好ましくは、穴101aの形状は切頭円錐形であり、対応して、ロケートピン102aの先端部の形状も切頭円錐形となっている。
ロケートピン装置102の作用は、ワーク取付台99の回転割り出しが行われる間は、ロケートピン102aがベース91に向かって後退してワーク取付台99の回転を妨害しないようにする一方、ワーク取付台99を回転割り出しした後、すわなち加工を行う際には、ロケートピン102aがロケートブラケット101の穴101aに嵌挿され、ワーク取付台99の回転を防止する。
ロケートピン102aは、ワーク取付台99に対して上向きの押圧力を付与することによって、ワーク取付台99がX軸方向に長くなると生じやすくなるX軸方向の変形を防止するので、ワーク89に対する高精度の加工を可能にする効果も奏し得る。
ロケートピン装置102でロケートピン102aを伸縮させるための機構としては、シリンダ装置を使用してもよく、サーボモータと歯車やナットやボールねじを利用した機構などを含む他の適宜の機構を使用してもよい。
また、ロケートピン装置102は、図9に示されるように、ベース91の内部に収容されていることが好ましく、ロケートピン装置102に切屑や切削液等が侵入しないように、ロケートピン102aのみが貫通し得るように開口部が設けられたシャッタ102bで覆われていることがさらに好ましい。シャッタ102bが開閉式になっていて、パレット取付面103が垂直状態になったときに閉鎖されるようにしてもよい。
軸ロック装置104は、例えば、軸ロックピン(不図示)と、シリンダ装置、サーボモータと歯車などを組み合わせて構成した適宜のピン駆動機構とを含んで構成される。軸ロックピンを使用する場合、回転軸95には、複数の回転止め穴(不図示)が回転軸線97を中心として離間して設けられ、この穴に軸ロック装置104の軸ロックピン(不図示)が嵌挿される。なお、回転止め穴は、パレット取付面103が少なくとも水平状態になる位置及び垂直状態になる位置でロックされることが可能となるように設けられる。好ましくは、4つの回転止め穴が回転軸線97を中心として90度間隔で設けられる。
軸ロック装置104の上記実施態様の作用は、割出モータ100によってワーク取付台99の回転割り出しが行われる間は、ワーク取付台99の回転を妨害しないように、軸ロック装置104の軸ロックピンは回転軸95の回転止め穴から離脱している。一方、パレット取付面103が水平状態になる位置又は垂直状態になる位置に、ワーク取付台99の回転割り出しが行われると、軸ロック装置104の軸ロックピンが回転止め穴に嵌挿され、ワーク取付台99の回転が防止される。
軸ロック装置104は、電磁式ブレーキなどを含むブレーキ装置として構成されてもよい。
ロケートピン装置102及び軸ロック装置104は、少なくともワーク89の加工中、すなわちワーク取付台99のパレット取付面103が垂直状態になる位置に割り出されたときにのみ作動させるようにしてもよい。
図1及び図9に示される実施態様では、ワーク取付台99の回転を防止するために、構造の簡単性と安定性を考慮して2つのロケートブラケット101及びそれに対応する2つのロケートピン102aを使用しているが、1つのロケートブラケット及びロケートピンや3つ以上のロケートブラケット及びロケートピンを使用してもよい。また、ワーク取付台99にロケートブラケット101を設ける代わりに、ワーク取付台99の側面にロケートピン102aの先端部を受容する穴を直接設けてもよい。同様に、ワーク取付台99にロケートブラケットを設けず、ロケートピン102aの先端の表面をワーク取付台99の側面(パレット取付面103と略直角をなす面)に当接させ、その間に作用する摩擦力でワーク取付台99の回転を防止するように構成することも可能である。
なお、ロケートブラケット101及びロケートピン装置102を使用せず、軸ロック装置104のみを使用している場合には、ワーク加工時にパレット取付面103を垂直にせず、傾斜させて位置決めして、斜め部分の加工を行うことも可能になる。
このように、本発明の工作機械11のワーク支持側構造体15は、割出モータ100と、ロケートブラケット101及びそれと組み合わせたロケートピン装置102と、軸ロック装置104とから構成される回転割出手段を具備しており、パレット取付面103が水平となる位置及び垂直となる位置でワーク取付台99をロックして、高精度の加工を保証している。なお、回転割出手段のうち、ロケットブラケット101及びそれと組み合わせたロケートピン装置102又は軸ロック装置104のいずれか1つを省略することも可能である。
以上で説明した主軸支持側構造体13とワーク支持側構造体15は、図1に示されるように、切屑排出手段17を挟んで設置される。図1に示される実施態様においては、この切屑排出手段17としてリフトアップチップコンベアが使用されており、これが略X軸方向に駆動され、加工領域で発生した切屑を加工領域外へ排出する。なお、リフトアップチップコンベアは公知のものであるので、図中においては簡略化して示されている。
加工領域で発生したワーク89の切屑は切屑排出手段17であるリフトアップチップコンベアの水平走行部上に自然落下した後、持ち上げられて切削液と分離され、加工領域外に順次排出されるので、ワーク89の加工後における加工領域からの切屑の除去作業が軽減される。
また、主軸支持側構造体13とワーク支持側構造体15とは切屑排出手段17を挟んで設置されるので、一体として構成される必要はない。したがって、主軸支持側構造体13とワーク支持側構造体15は、各個、ユニット化することが可能となり、X軸方向に整列して接続すれば、より長いX軸方向のワーク89に対応することが可能となる。
図10は、モジュール化され、個別のユニットから構成された実施態様による本発明の工作機械11′を示している。
この実施態様においては、図1に示される主軸支持側構造体13の単位長さの基台19をX軸方向に複数連接して延長基台19′が構成され、延長基台19′の上部及び下部の延長長手空間29′内に設けられたX軸ガイド43及びリニアモータの固定子49、すなわちX軸スライダ33の軌道がX軸方向に延長される。この延長された軌道に沿って単一の移動体21を移動させるようにすることで、延長主軸支持側構造体13′が構成される。一方、図1に示される単位長さのワーク支持側構造体15をそのワーク取付台99の回転軸線97を整列させてX軸方向に複数連接して延長ワーク支持側構造体15′が構成される。こうして構成された延長主軸支持側構造体13′と延長ワーク支持側構造体15′とを切屑排出手段17を挟んで設置することで、X軸方向に延長された工作機械11′が容易に構成される。なお、切屑排出手段17も水平走行部をユニット化して延長することができるのである。
したがって、工作機械のユーザからの要求に適したサイズの工作機械が容易且つ迅速に製造できるようになり、また1つ1つの工作機械の構成要素がいたずらに大形になることも回避され、工作機械の据え付け作業も容易になる。
なお、図10に示される実施態様においては、複数のユニット化されたワーク取付台99にまたがってワーク89が取り付けられ、軸支持手段93の存在によってワーク89の回転方向が制限されるので、一方のパレット取付面103に取り付けられたワーク89の加工中に他方のパレット取付面103でワーク89の段取り作業を行うことができることによる機械稼働率を向上させる利点が失われてしまう。しかしながら、この問題は、連接するワーク支持側構造体15の最も外側に配置されるもの以外の軸支持手段93を除去し、接続部材によってワーク取付台99を接続し、ロケートピン装置102及びロケートブラケット101をX軸方向に複数箇所設けてたわみ防止を図ることによって解決し得ることである。
次に、図11〜図13を参照して、ワーク89を取り付けたパレット105を工作機械11のワーク取付台99に取り付ける作業を効率良く、簡単且つ迅速に行うために本発明の工作機械11と共に使用するパレット搬送装置111について説明する。
図11〜図13は、ワーク取付台99を具備したワーク支持側構造体15と組み合わせられたパレット搬送装置111を示している。なお、図1に示されている主軸支持側構造体13は、簡単化のために省略されているが、図中左側にワーク支持側構造体15と対向して配置されているものとする。
図11〜図13を参照すると、パレット搬送装置111は、ワーク支持側構造体15と離間して設けられ、パレット105を水平状態で載置するためのパレットストッカ113と、パレット交換手段とを含んで成り、該パレット交換手段は、ワーク支持側構造体15とパレットストッカ113との間に設けられた骨組構造体115と、この骨組構造体115に移動可能に支持されたパレット保持手段117とを含んで成る。
パレットストッカ113は段取りステーションを兼てもよく、好ましくは隆起した滑動台やローラなどの滑動を容易にする手段119をその表面に具備している。また、パレットストッカ113とは別に段取りステーションが設けられてもよく、パレットストッカ113を隔離された部屋の中に設け、洗浄ステーションとして使用してもよい。
骨組構造体115には、ワーク支持側構造体15の上方をワーク支持側構造体15とパレットストッカ113との間に延びる水平部分と、この水平部分からそれぞれワーク支持側構造体15及びパレットストッカ113へ向かって下方に延びる垂直部分とを含む2つの案内手段121が対向して設けられている。この対向する案内手段121に沿ってパレット保持手段117がワーク支持側構造体15とパレットストッカ113との間で移動する。案内手段121自体が骨組構造体となっていてもよい。
図11〜図13に示されている実施態様において、パレット保持手段117は、対向する案内手段121に沿って移動する略方形状の搬送ベース123と、搬送ベース123の側面に対向して設けられたパレット105を把持するためのアーム125とを含んで構成されている。
搬送ベース123には歯車(ピニオン)(不図示)と接続された駆動用モータ127(図13参照)が設けられており、この歯車が案内手段121に沿って設置されたラック(不図示)と係合している。こうして、搬送ベース123は案内手段121に沿ってラック・ピニオン方式で移動する。大形ワークを搬送する場合にモータにかかる負荷を軽減するために、各案内手段121に対して1つ駆動用モータ127が設けられることが好ましいが、パレット保持手段117全体で1つの駆動用モータ127を共有してもよい。
パレット保持手段117が停止されるべき場所である案内手段121の両端部には、パレット保持手段117が到達したことを検出するための手段(不図示)が設けられる。さらに、ワーク支持側構造体15の上方の位置(図11においてパレット保持手段117が停止している位置)にもパレット保持手段117が到達したことを検出するための手段が設けられることが好ましい。この検出手段としては、例えば、フォトセンサ、リミットスイッチなどが使用される。検出手段によってパレット保持手段117の到達が検出されると、駆動用モータ127の作動が停止するようになっている。ストッパ等を設けて機械的にパレット保持手段117を停止させたり、骨組構造体115の一部に凹部または凸部を設けてパレット保持手段117の対応部と嵌め合うようにして位置決めを行うこともできる。
パレット105を把持するための各アーム125は、コ字形状(C字形状)の部材によって形成されており、基端部が搬送ベース123に対して旋回可能に支持され、シリンダ装置129の伸縮によってアーム125の先端部が開閉するようになっている。シリンダ装置129が収縮すると、アーム125の先端部間の距離が縮まり、アーム125の先端部がパレット105の下に入ってアーム125の間でパレット105を把持することができる。逆にシリンダ装置129が延伸すると、アーム125の先端部間の距離が拡がり、その間からパレット105を解放することができるようになる。
各アーム125をシリンダ装置などによって搬送ベース123の側面に対して平行移動し、平行状態を保ったままアーム間の間隔を拡張、短縮することもできる。また、アーム125に代えて、搬送ベース123に旋回可能に接続された複数の爪部材を駆動して開閉させ、パレット105を把持するようにしてもよい。このように、上述したパレット保持手段117に代えて、他のタイプのパレット保持手段を使用することも可能である。
また、上記実施態様では、搬送ベース123を移動させるための駆動機構としてモータ127を使用しているが、他の駆動機構を用いることが可能であることは言うまでもない。例えば、シリンダ装置を利用することも可能である。また、モータを骨組構造体115側に設け、チェーンを利用して搬送ベース123を駆動することも可能である。加減速の慣性により発生する揺動を減少させるために、上記駆動機構に加えて、搬送ベース123の移動に関して加速度制御を行ってもよい。
さらに、図11〜図13に示されているように、ワーク支持側構造体15のパレット搬送装置111側(主軸支持側構造体13と反対側)に、フェンス131を設け、ワーク支持側構造体15が回転割り出し動作を行う間、加工済みのワーク89の確認や洗浄等のために作業スペースに人が侵入することを防止するようにしてもよい。例えばワーク支持側構造体15が回転割り出し動作を行う場合には、警報ライト133を点滅させたり、一対のフェンス131間に赤外線センサ等を張るようにしてもよい。また、作業スペースの床面に圧力検出器を設置して、人が作業スペースに居る間は、ワーク支持側構造体15の回転割り出し動作を行えなくしてもよい。このようにすれば、ワーク支持側構造体15付近で作業する際に、作業者の安全性を確保することができる。
図11〜図13に示されているパレット搬送装置111では、パレット105を搬送、保持するためのパレット交換手段として、2つの対向する案内手段121の間に支持されたパレット保持手段117が用いられているが、パレット105の搬送を行うためだけに使用されるのであれば、代わって、1つの案内手段に懸垂保持されたパレット保持手段から構成される従来の一般的なクレーン型パレット交換装置を用いてもよい。
図14は、図11〜図13に示されているパレットストッカ113との間でワーク89が取り付けられたパレット105の供給又は収納を行うための立体パレットマガジン135と、パレットストッカ113と立体パレットマガジン135との間でパレット105を転送するためのパレット転送手段137とをさらに含んだパレット搬送装置111を示している。
立体パレットマガジン135は、パレットストッカ113と離間して設けられており、段取り済みのパレット105又は加工済みのワーク89が取り付けられたパレット105を複数個収納することができるように立体的な多層階構造を有している。各階に収納されたパレット105はスライド台139の上に載置されている。
パレット転送手段137は、パレットストッカ113と立体パレットマガジン135との間に設けられており、設置面に立設された4つの梁部材でその4隅を垂直方向に案内されて、駆動手段(不図示)によって上下方向に移動することが可能になっている。しかしながら、パレット転送手段137の移動は垂直方向に限定されず、例えば、設置面上を水平方向に移動することも可能である。また、パレット転送手段137は、パレット105を搬入、搬出するために駆動ローラなどのパレット移載手段141を具備している。
パレット搬送装置111において、図14に示されている立体パレットマガジン135を横に2つ併設して利用する場合には、1つの転送手段を垂直方向及び水平方向に移動可能となるように構成すればよい。この場合、パレット転送手段137を搬送車として構成することもできる。
また、立体パレットマガジン135に代えて平置きパレットマガジンを組合せてもよい。
図14に示されているように、骨組構造体115とパレット保持手段117とを含むパレット交換手段と、パレットストッカ113と、パレット転送手段137と、立体パレットマガジン135とを含んで成るパレット搬送装置111を併用しているワーク支持側構造体15のパレット交換の流れを以下に説明する。
最初に、立体パレットマガジン135の所定の階層にパレット転送手段137を移動させ、パレット転送手段137に設けられたパレット移載手段141によって、前記階層に収納されていたワーク89が取り付けられたパレット105をパレット転送手段137に搬入する。次に、パレット転送手段137はパレットストッカ113へ向かって(図14では、垂直方向下方に)移動し、パレット移載手段141によってパレット105をパレットストッカ113へ搬入する。
パレットストッカ113を段取りステーションとして機能させる場合、パレットストッカ113上で必要とされる段取り作業が行われる。
次に、パレット保持手段117がパレットストッカ113上のパレット105を保持して、骨組構造体115の案内手段121に沿ってワーク支持側構造体15へ向かって移動する(図11参照)。
この移動の際、パレット105は揺動又は傾斜する可能性があるが、パレット保持手段117は対向する2カ所で案内手段121によって支持されているので、その揺動又は傾斜はパレット保持手段117の支持点を結ぶ旋回軸線周りの回転に限定される。したがって、ワーク89又はパレット105が吊り下げ状態となっていることから多軸の揺動又は傾斜が発生し得る一般のクレーンと比較して、ワーク89又はパレット105のより正確な位置決めを行うことが可能となる。
パレット保持手段117は、ワーク支持側構造体15の上方の図11に示される位置に到達すると、その到達を前述の位置センサによって検出され、その位置で待機させられる。
その後、ワーク取付台99にパレット105が取り付けられていない状態の図15A参照に示される回転位置から、ワーク取付台99が90度回転させられ、パレット取付面103aが上方に向けられ、水平状態になる(図12及び図15B参照)。このとき、ワーク支持側構造体15の軸ロック装置104によって、回転軸95の回転がロックされることが好ましい。
その後、パレット保持手段117が図11に示される位置から下方に移動させられ、パレット保持手段117に保持されるパレット105が、パレット保持手段117のアーム125を開くことによって解放され、パレット取付面103a上に配置される。パレット保持手段117によって保持されるワーク89及びパレット105は、上述したように案内手段121による2つの支持点を通る旋回軸線を中心として傾動している又は傾いていることがあるが、パレット105は、回転割り出しされて水平になったパレット取付面103aに当接することによって、水平状態を回復し、所望の位置に配置される。したがって、パレット105のパレット取付面103への高精度の位置決めが可能となる効果を奏する。軸ロック装置104で回転軸95、すなわちワーク取付台99がロックされることによってこの効果がさらに高められ得ることが分かる。
次に、パレット取付面103aのパレット着脱手段106によって、パレット105がパレット取付面103aに取り外し可能に装着された後、ワーク取付台99が反時計回りに90度回転させられる(図13及び図15C参照)。この回転位置で、ワーク支持側構造体15の軸ロック装置104の軸ロックピンが回転軸95の回転止め穴に嵌挿されることによって、回転軸95がロックされ、ベース91内に設けられたロケートピン装置102の2つのロケートピン102aが上方に延伸して、それぞれワーク取付台99の側面に設けられたロケートブラケット101の穴101aに嵌挿され、ワーク取付台99の回転を防止する。
ワーク取付台99はこうして回転することが防止されるので、ワーク89の加工が開始されて、主軸支持側構造体13がワーク取付台99に回転モーメントを発生させるような力を加えても、ワーク取付台99及びワーク89が回転軸線97を中心として回転することはなく、高精度の加工が行われ得る。
パレット取付面103aに取り付けられたパレット105のワーク89が主軸支持側構造体13によって加工されている間に、パレット保持手段117は、図13に示されているように、パレットストッカ113へ戻り、上記手順と同様にして、次のパレット105を保持して、ワーク支持側構造体15の上方の図11に示される位置に待機する。
ワーク89の加工が終了すると、ワーク取付台99は反時計回りに90度回転させられ、パレット取付面103bが上方に向けられる。このとき、加工済みのワーク89に付着した切屑や切削液が下方へ落下することとなる。次に、パレット保持手段117が図11に示される位置から下方に移動させられ、上記と同様にして、次のパレット105がパレット取付面103bに取り外し可能に装着される(図15D参照)。その後、ワーク取付台99が時計回りに180度回転させられてパレット取付面103aが上方に向けられ、パレット着脱手段106による係合を解いてパレット105を離脱可能な状態にした後、加工済みのワーク89が取り付けられたパレット105がパレット保持手段117によってパレット取付面103aから除去される(図15E参照)。
加工済みワーク89が取り付けられたパレット105が除去された後、ワーク取付台99は時計回りに90度回転させられ、パレット取付面103bが主軸支持側構造体13と対向する位置になり(図15F参照)、パレット取付面103bに取り付けられたパレット105の未加工のワーク89の加工が開始される。なお、図15Fに示される回転位置にワーク取付台99が回転割り出しされた後、加工の開始に先立って、上述したように、ロケートブラケット101及びロケートピン装置102によるワーク取付台99の回転防止と、軸ロック装置104による回転軸95のロックが行われることは言うまでもない。
このようにワークの加工中に段取りが済んだ他のワークをワーク取付台の上方に待機させておくこと及び回転割り出し可能なワーク取付台が2つのパレット取付面を有することにより、ワーク(パレット)交換を短時間で行うことができ、工作機械の稼働率を大幅に向上させることが可能となる。
図16に示されるワーク支持側構造体15の別の実施態様によるワーク取付台99′は半円形状断面をしており、単一のパレット取付面103を有している。パレット取付面103の上面にはパレット着脱手段(図示せず)が設けられる。この場合には、パレット取付面103を水平にしてワーク89が取り付けられたパレット105の段取り作業が行われた後、ワーク取付台99′が90度回転され、図16に一点鎖線で示される加工位置に回転割り出しされる。したがって、パレット105の段取り作業が行いやすくなって、その結果、パレット105の段取り作業に必要とされる時間が短縮され、加工効率の向上に寄与し得るようになる。なお、ワーク89の加工時にパレット取付面103を垂直状態にせず、傾斜状態で位置決めして、斜め部分の加工を行うことも可能である。
また、図16のロケートピン装置102のロケートピンは先端部にローラ107を枢支しており、ワーク取付台99′の半円形状の外周面とこのローラ107を介して常に接触して押圧するようになっている。これは、図16のワーク取付台99′は上述したように90度回転することができればよく、ロケートピン装置102がワーク取付台99′の外周面と常に接触していても、ロケートピン装置102はワーク取付台99′の回転割り出しを妨害することがないからである。
図16にはワーク支持側構造体15のワーク取付台99′にパレット取付面103が1面しかない場合を示しているが、このようなワーク支持側構造体15を有した工作機械に、パレットストッカ113、骨組構造体115、パレット保持手段117、立体パレットマガジン135、パレット転送手段137等で成る本発明のパレット搬送装置111を適宜付属させることもできる。このようにすれば、パレット105を作業者や操作者の頭上で搬送することができ、作業者や操作者の工作機械への接近性や安全性を確保し、さらに工作機械の設置面積をコンパクトにできる。
また、ワーク支持側構造体15のワーク取付台を3つのパレット取付面を有する正三角形断面の三角柱形状に構成することもできる。このようなワーク取付台は、水平面から30度上向きになった第1のパレット取付面においてワークの段取り作業を行い、垂直になった第2のパレット取付面においてワークの加工を行うことができるので、ワークの加工を行っている間に次のワークの段取り作業が行え、また第1のパレット取付面はほぼ上向き面なので段取り作業は比較的容易に行える。さらに、水平面から30度下向きになった第3のパレット取付面でワークの加工後の洗浄を行えば、切屑や切削液を下方へ容易に自然落下させて回収できるという利点を有しており、加工効率はさらに向上される。ワーク取付台が4つ以上のパレット取付面を有する多角柱形状に形成されていてもよく、この場合にもワーク取付台に3つのパレット取付面を有する場合と同様の利点を有し得ることとなる。
このようなワーク支持側構造体15を有した工作機械に、パレットストッカ113、骨組構造体115、パレット保持手段117、立体パレットマガジン135、パレット転送手段137等で成る本発明のパレット搬送装置111を適宜付属させることができることは言うまでもない。
以上、1台の工作機械11に対してパレット搬送装置111を1つ設けた実施態様を説明したが、複数台の工作機械11を併設してそれらの工作機械11にまたがってパレット105の交換が可能な1つのパレット搬送装置111を設けることも可能である。この場合、パレット搬送装置111が故障等何らかのトラブルで使用不可能になったとすると、パレット105の交換作業が一切行えなくなってしまう可能性がある。したがって、複数台の工作機械11を併設する場合には、それぞれの工作機械11に対してパレット搬送装置111を設けることが好ましい。このような構成を採ることにより、あるパレット搬送装置111が使用不可能になったとしても、そのパレット搬送装置111に対応した工作機械11におけるパレット105の交換作業が行えなくなるだけで済み、他の工作機械11におけるパレット105の交換作業には何ら影響を与えない。すなわち一部がダウンしても全体が死なない加工効率の良い加工システムを構築することができる。
また、1台の工作機械と1台のパレット搬送装置とからなるブロックを複数併設し、複数のブロックで単数又は複数の立体パレットマガジン135を共用できるようにした加工システムを構成することも可能である。かかる加工システムの例が図17〜図19に示されている。図17はかかる加工システムの一例を示している斜視図、図18は図17の加工システムの平面図、図19は図17の加工システムの側面図である。
図17を参照すると、本発明による工作機械11″とパレット搬送装置111′とからなるブロックを2つ併設した加工システムが示されている。
図17〜図19に示されている各工作機械11″は、加工液や切屑などの飛散を防止するため及び工作機械を周囲環境から隔離するために、その周囲を壁及び天井によって覆われている点を除いて、図1に示されている工作機械11と同様のものである。
また、各パレット搬送装置111′は、図14に示されているパレット搬送装置111と同様に、パレットストッカ113と、骨組構造体115と、この骨組構造体115に移動可能に支持されたパレット保持手段117と、骨組構造体115と対応させて設けられている立体パレットマガジン135と、上下方向に移動可能なパレット転送手段137とを含んでいる。図17に示されているパレット搬送装置111′は、さらに、パレットストッカ113と立体パレットマガジン135との間に搬送車137′を含んでおり、この搬送車137′は隣接する複数のパレットストッカ113及び立体パレットマガジン135にまたがって延びるレールなどの軌道143に沿って水平方向に移動可能になっている。かかる搬送車137′は公知のものであるのでここでは詳しく説明しない。
上記の上下方向(垂直方向)に移動可能なパレット転送手段137及び水平方向に移動可能な搬送車137′により、1つの立体パレットマガジン135と複数のパレットストッカ113及び複数の工作機械11″との間でワーク89及びパレット105の転送を行うことが可能になる。例えば、1つのブロックの立体パレットマガジン135が異なるブロックの工作機械11″との間でワーク89及びパレット105の供給及び収納を行うことができるようになる。これにより、他の立体パレットマガジン135へのワーク89及びパレット105の移送を伴うことなく、直接的に他のブロックのパレットストッカ113へワークを供給することができる。したがって、加工システムのうちの1台の工作機械11″の作動が停止していても、他の工作機械を用いて加工作業を継続することができ、作業効率の向上が図られる。
また、複数のパレットマガジンと1組のパレットストッカ113及び工作機械11″との間でワーク89及びパレット105の転送を行うことも可能になる。この結果、工作機械11″は、水平方向の複数の異なる位置に設けられた立体パレットマガジン又は平置きのパレットマガジン(水平方向の異なる位置にワークが平置きで載置されているパレットマガジンを含む)を利用することが可能となる。
図17〜図19に示されている加工システムは2組の工作機械及びパレット搬送装置を併設したものであるが、3組以上の工作機械11″及びパレット搬送装置111′を併設させてもよい。また、搬送車137′を設けなくても、上述したようにパレット転送手段137が上下方向のみならず水平方向にも移動できるように構成されていれば、同様の効果が得られるのはもちろんである。
以上、本発明を添付の図面に示す幾つかの実施態様について説明したが、これら実施態様はもっぱら説明上のものであり、制約的なものではない。例えば、本発明のパレット搬送装置は上述した実施態様の工作機械に限定されることはなく、適宜その他の実施態様の工作機械にも採用可能である。また、本発明の範囲は、請求の範囲によって限定されるものであるから、請求の範囲から逸脱することのない修正及び変更が可能である。
本発明の工作機械の全体構成を示している斜視図である。 図1に示される工作機械の主軸支持側構造体に関する斜視図である。 図2に示される主軸支持側構造体の基台下部の前端部分の側面図である。 図2に示される主軸支持側構造体のX軸スライダ及びY軸スライダを線IV−IVで切って上から見た断面図である。 図2の矢印Vの方向から見た主軸支持側構造体のY軸スライダの矢視背面図である。 図3に示されるX軸ガイド及びX軸滑動子の構造を説明するための模式図である。 図3に示されるリニアモータの固定子及び移動子の構造を説明するための模式図である。 図2に示される旋回台及び主軸頭を含む部分の詳細図である。 図1の線IX−IXに沿ったワーク支持側構造体の断面図である。 モジュール化された本発明の工作機械の実施態様を示している斜視図である。 本発明の工作機械のワーク支持側構造体、パレットストッカ、パレット交換手段を示している斜視図であり、ワークの加工時の状態を表したものである。 本発明の工作機械のワーク支持側構造体、パレットストッカ、パレット交換手段を示している斜視図であり、パレットの交換を行うときの状態を表したものである。 本発明の工作機械のワーク支持側構造体、パレットストッカ、パレット交換手段を示している斜視図であり、パレットストッカへパレットを搬出するときの状態を表したものである。 本発明の工作機械のワーク支持側構造体、パレットストッカ、パレット交換手段、立体パレットマガジン、及びパレット転送手段を示している斜視図である。 本発明のパレット交換方法を説明するための模式図である。 本発明のパレット交換方法を説明するための模式図である。 本発明のパレット交換方法を説明するための模式図である。 本発明のパレット交換方法を説明するための模式図である。 本発明のパレット交換方法を説明するための模式図である。 本発明のパレット交換方法を説明するための模式図である。 ワーク支持側構造体のワーク取付台の別の実施態様を示している断面図である。 本発明の工作機械を用いた加工システムの構成の一例を示している斜視図である。 図17の加工システムの平面図である。 図17の加工システムの側面図である。
符号の説明
11、11′、11″ 工作機械
13 主軸支持側構造体
13′ 延長主軸支持側構造体
15 ワーク支持側構造体
15′ 延長ワーク支持側構造体
17 切屑排出手段
19 基台
19′ 延長基台
21 移動体
23 ビーム
25 ベッド
27 コラム
29 長手空間
29′ 延長長手空間
31 開口部
33 X軸スライダ
35 Y軸スライダ
37 Z軸スライダ
39 貫通開口部
41a、41b 延長部
43 X軸ガイド
45 滑動子
47 移動子
49 固定子
51 Y軸ガイド
53 Y軸滑動子
55 ボールねじ
57 ナット部
59 Z軸ガイド
61 Z軸滑動子
63 Z軸モータ
65 非接触ワイパ
67 非接触ワイパ
69 接触ワイパ
71 接触ワイパ
73 主軸頭
75 主軸
77 回転軸線
79 旋回台
81 旋回モータ
83 歯車
85 C軸モータ
87 回転軸線
89 ワーク
91 ベース
93 軸支持手段
95 回転軸
97 回転軸線
99 ワーク取付台
99′ ワーク取付台
100 割出モータ
101 ロケートブラケット
101a 穴
102 ロケートピン装置
102a ロケートピン
102b シャッタ
103、103a、103b パレット取付面
104 軸ロック装置
105 パレット
106 パレット着脱手段
107 ローラ
111、111′ パレット搬送装置
113 パレットストッカ
115 骨組構造体
117 パレット保持手段
119 滑動を容易にする手段
121 案内手段
123 搬送ベース
125 アーム
127 モータ
129 シリンダ装置
131 フェンス
133 警報ライト
135 立体パレットマガジン
137 パレット転送手段
137′ 搬送車
139 スライド台
141 パレット移載手段
143 軌道

Claims (7)

  1. 工具が装着された主軸をX、Y、Z軸方向へ移動してワークを加工する工作機械において、
    前記主軸を回転可能に支持し、床面に立設された基台上をX、Y、Z軸方向へ移動可能に設けられた主軸頭を有する主軸支持側構造体と、
    前記主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせに2つのパレットを取付けるパレット着脱手段を有し、前記X軸方向に平行な軸線を中心として回転割出し可能に支持されたパレット取付台を有するワーク支持側構造体と、
    前記ワーク支持側構造体に設けられ、パレット交換時には前記パレット取付台に接着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ略水平上向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めし、ワーク加工時には前記パレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ垂直横向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めする回転割出手段と、
    前記ワーク支持側構造体に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、
    前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記ワーク支持側構造体のパレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面を略水平上向きにした位置と前記パレットストッカの上面位置との間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段と、
    を具備することを特徴とした工作機械。
  2. 工具が装着された主軸をX、Y、Z軸方向へ移動してワークを加工する工作機械において、
    前記主軸を回転可能に支持し、床面に立設された基台上をX、Y、Z軸方向へ移動可能に設けられた主軸頭を有する主軸支持側構造体と、
    前記主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせに2つのパレットを取付けるパレット着脱手段を有し、前記X軸方向に平行な軸線を中心として回転割出し可能に支持されたパレット取付台を有するワーク支持側構造体と、
    前記ワーク支持側構造体に設けられ、パレット交換時には前記パレット取付台に接着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ略水平上向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めし、ワーク加工時には前記パレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面がそれぞれ垂直横向きになるように前記パレット取付台を回転位置決めする回転割出手段と、
    前記ワーク支持側構造体に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、
    前記パレットストッカに離間して設けられ、前記パレットを複数個収納するパレットマガジンと、
    前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記ワーク支持側構造体のパレット取付台に装着されたパレットのワーク取付面を略水平上向きにした位置と前記パレットストッカの上面位置と前記パレットマガジンのパレット収納位置とのそれぞれの間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段と、
    を具備することを特徴とした工作機械。
  3. 前記パレット交換手段の案内手段は、骨組構造体と、前記骨組構造体に設けられ、前記パレット保持手段を挟んで対向する案内面を有して構成された請求項1または2に記載の工作機械。
  4. 前記主軸支持側構造体と前記ワーク支持側構造体との間に設けられ、加工によって発生した切屑を加工領域外へ排出する切屑排出手段を更に具備する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の工作機械。
  5. 工作機械のパレット取付台とパレットストッカとの間でパレットを授受、搬送する工作機械のパレット交換システムにおいて、
    前記工作機械のパレット取付台に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、
    前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記パレット保持手段を移動可能に取付ける骨組構造体と、前記骨組構造体に設けられ、前記工作機械のパレット取付台の略水平上向き位置と前記パレットストッカの上面位置との間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を対向する案内面に挟んで案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段と、
    を具備することを特徴とした工作機械のパレット交換システム。
  6. 工作機械のパレット取付台とパレットストッカとの間でパレットを授受、搬送する工作機械のパレット交換システムにおいて、
    前記工作機械のパレット取付台に離間して設けられ、前記ワークが取付けられるパレットを略水平上向きに載置して前記ワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、
    前記パレットストッカに離間して設けられ、前記パレットを複数個収納するパレットマガジンと、
    前記パレットを吊下げて保持するパレット保持手段と、前記パレット保持手段を移動可能に取付ける骨組構造体と、前記骨組構造体に設けられ、前記工作機械のパレット取付台の略水平上向き位置と前記パレットストッカの上面位置と前記パレットマガジンのパレット収納位置とのそれぞれの間で前記パレット保持手段を移動する際、前記パレット保持手段を対向する案内面に挟んで案内する案内手段と、前記パレット保持手段を前記案内手段に沿って水平方向及び垂直方向に移動させる駆動手段とを有して、前記パレットの授受、搬送を行うパレット交換手段と、
    を具備することを特徴とした工作機械のパレット交換システム。
  7. 主軸がY、Y、Z軸方向へ移動可能に構成された主軸支持側構造体と、前記主軸支持側構造体に対向して設けられ、背中合わせに2つのパレットを取付け所望位置に回転割出し可能に支持したパレット取付台と、パレットにワークの取付け取外しを行うパレットストッカと、前記パレット取付台と前記パレットストッカとの間でパレットの交換を行うパレット交換手段とを具備し、パレットに取付けられたワークを加工し、パレット交換を行う工作機械のパレット交換方法であって、
    (a)前記パレット取付台の1つのパレット取付面を略水平上向き位置に位置決めしてワークが取付けられたパレットを前記パレット交換手段によって装着する工程、
    (b)前記ワークの加工終了後に、前記パレット取付台の他のパレット取付面を略水平上向き位置に位置決めして他のワークが取付けられたパレットを前記パレット交換手段によって装着する工程、
    (c)前記装着したパレットを垂直横向き位置に位置決めして前記ワークを加工する工程、
    (d)前記他のワークが取付けられたパレットを垂直横向き位置に位置決めして前記他のワークを加工する工程、
    (e)加工済みのワークが取付けられたパレットを略水平上向き位置に位置決めして前記パレット取付台から該パレットを前記パレット交換手段によって取外す工程、
    (f)加工済みの他のワークが取付けられたパレットを略水平上向き位置に位置決めして前記パレット取付台から該パレットを前記パレット交換手段によって取外す工程、
    を含むことを特徴とした工作機械のパレット交換方法。
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