JP4463070B2 - カーボンナノチューブ精製方法、精製装置、及び精製キット - Google Patents
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「真空」第42巻8号(1999年)722-726頁
上記の実施例の場合と同様に、カーボンナノチューブを含む炭素化合物に0.1M Tris‐HClバッファー(10mM CaCl2、pH8.2)1.0 mL を加え、超音波により懸濁して分散した。カーボンナノチューブが分散した溶液にマイクロディスペンサーを用いて、グラミシジンS誘導体溶液を100 μL(1mg/mL)加えて、37℃、1時間放置した。使用したグラミシジンS誘導体は、図4(b)に示した2量体型のグラミシジンSの誘導体で付加部分のアミノ酸配列は、Gly-Gly-Phe-Gly-Gly-Glyである。本実施例では、付加部分をアミノ酸としたが、-Phe-Gly-以外の部分を炭素鎖(-CH2-)、あるいは塩基を用いても問題ない。その際、鎖の数はアミノ酸に対して塩基の場合は同数、炭素鎖の場合は約2倍を目安にすれば同じ分級効果(カーボンナノチューブを直径で分ける性能)が得られる。溶液槽と回収槽の間は内径100μm、長さ10cmのキャピラリーを介して接続されている。溶液槽と回収槽の間に100V/cmの電圧を印加して、電気泳動法により可溶化したカーボンナノチューブ複合体のみを回収槽に泳動し、可溶化したカーボンナノチューブ複合体と不溶物とを分離した。その後、回収槽にα‐キモトリプシン溶液(1mg/mL)を 50 μL 加えて、37℃、1時間反応させた。α‐キモトリプシン処理により不溶化したカーボンナノチューブは、ろ過して捕集し、蒸留水、エタノール洗浄後、乾燥して得ることができた。
上記の実施例の場合と同様に、カーボンナノチューブを含む炭素化合物に50 mM リン酸バッファー(pH 7.8)1.0 mL を加え、超音波により懸濁して分散した。カーボンナノチューブが分散した溶液にマイクロディスペンサーを用いて、グラミシジンS誘導体溶液を100 μL(1mg/mL)加えて、37℃、1時間放置した。使用したグラミシジンS誘導体は、図4(b)に示した2量体型のグラミシジンSの誘導体で付加部分のアミノ酸配列は、Gly-Gly-Gly-Gly-Glu-Gly-Gly-Gly-Gly-Glyである。溶液槽と回収槽の間は内径100μm、長さ10cmのキャピラリーを介して接続されている。溶液槽と回収槽の間に100V/cmの電圧を印加して、電気泳動法により可溶化したカーボンナノチューブ複合体のみを回収槽に泳動し、可溶化したカーボンナノチューブ複合体と不溶物とを分離した。その後、回収槽にV8プロテアーゼ溶液(1mg/mL)を 50 μL 加えて、37℃、1時間反応させた。V8プロテアーゼ処理により不溶化したカーボンナノチューブは、ろ過して捕集し、蒸留水、エタノール洗浄後、乾燥して得ることができた。その際の精製されたカーボンナノチューブのラマン散乱法と透過型電子顕微鏡の評価結果は、図10及び図11に示す結果とほぼ同じであった。
最初、カーボンナノチューブを含む炭素化合物に0.1M Tris‐HClバッファー(10mM CaCl2、pH8.2)1.0 mL を加え、超音波により懸濁して分散した。その際、煤等の大きな不溶物は遠心分離で取り除いた。カーボンナノチューブが分散した溶液にマイクロディスペンサーを用いて、グラミシジンS誘導体溶液を100 μL(1mg/mL)加えて、37℃、1時間放置した。使用したグラミシジンS誘導体は、図4(a)に示した単量体型のグラミシジンSの誘導体で、付加部分のアミノ酸配列は、Gly-Gly-Gly-Arg-Gly-Gly-Glyである。溶液槽と回収槽の間は内径100μm、長さ10cmのキャピラリーを介して接続されている。溶液槽と回収槽の間に100V/cmの電圧を印加して、電気泳動法により可溶化したカーボンナノチューブ複合体のみを回収槽に泳動し、可溶化したカーボンナノチューブ複合体と不溶物とを分離した。その後、回収槽にトリプシン溶液(1mg/mL)を 50 μL 加えて、37℃、1時間反応させた。トリプシン処理により不溶化したカーボンナノチューブは、ろ過して捕集し、蒸留水、エタノール洗浄後、乾燥して得ることができた。
本実施例で精製したカーボンナノチューブのラマンスペクトルを図14(a)、(b)に示す。その結果、図14(a)に示すように1590cm-1付近に肩付きのピーク141が観測された。さらに図14(b)に示すように200cm-1付近にカーボンナノチューブ特有のピークであるRBMで直径1nmの単層カーボンナノチューブ由来のピーク142、及び直径2nmの2層カーボンナノチューブ由来のピーク143が観測された。本実施例では、直径が数nmのカーボンナノチューブの精製を目的としており、これらの結果は良好に目的のカーボンナノチューブが精製できたことを示している。
最初、カーボンナノチューブを含む炭素化合物に0.1M Tris‐HClバッファー(10mM CaCl2、pH8.2)1.0 mL を加え、超音波により懸濁して分散した。その際、煤等の大きな不溶物は遠心分離で取り除いた。カーボンナノチューブが分散した溶液にマイクロディスペンサーを用いて、グラミシジンS溶液を100 μL(1mg/mL)加えて、37℃、1時間放置した。使用したグラミシジンSには、構成アミノ酸にオルニチンを有するため、酵素としてトリプシンを使用すれば分子ピンセット、すなわちグラミシジンSを分解可能である。また、オルニチンをアルギニンに置換したグラミシジンS類似体を使用しても良い。溶液槽と回収槽の間は内径100μm、長さ10cmのキャピラリーを介して接続されている。溶液槽と回収槽の間に100V/cmの電圧を印加して、電気泳動法により可溶化したカーボンナノチューブ複合体のみを回収槽に泳動し、可溶化したカーボンナノチューブ複合体と不溶物とを分離した。その後、回収槽にトリプシン溶液(1mg/mL)を 50 μL 加えて、37℃、1時間反応させた。トリプシン処理により不溶化したカーボンナノチューブは、ろ過して捕集し、蒸留水、エタノール洗浄後、乾燥して得ることができた。
図18は、カーボンナノチューブ精製装置の構成例を示す図である。本装置は、カーボンナノチューブを含む試料を収める試料槽181、分子ピンセットを含む試薬を納める試薬槽182を備えたディスペンサー183、分子ピンセットを切断する酵素を含む試薬を納める試薬槽184を備えたディスペンサー185、分子ピンセットで可溶化したカーボンナノチューブ複合体を電気泳動で泳動するキャピラリー186、電気泳動で可溶化したカーボンナノチューブ複合体を回収する回収槽187を備えて構成される。
Claims (5)
- カーボンナノチューブを含む溶液とペブチドを有する化合物の溶液とを混合する工程と、
混合溶液から不溶物を分離し、可溶化したカーボンナノチューブと前記化合物の複合体を含む溶液を得る工程と、
前記工程で得られたカーボンナノチューブと前記化合物の複合体を含む溶液に前記化合物の一部を特異的に切断する酵素を加える工程と、
前記酵素により切断された前記化合物の断片と前記複合体由来のカーボンナノチューブとを含む溶液からカーボンナノチューブを分離する工程とを有することを特徴とするカーボンナノチューブ精製方法。 - カーボンナノチューブ精製のためのキットであって、
カーボンナノチューブを選択的に可溶化するための、ペブチドを有する化合物を含む溶液と、
前記化合物の一部を特異的に切断する酵素を含む溶液と
を有することを特徴とするカーボンナノチューブ精製キット。 - 請求項2記載のカーボンナノチューブ精製キットにおいて、前記ペブチドを有する化合物は、環状ペプチド又は環状ペプチドの構成アミノ酸の側鎖に付加部分を有する誘導体であることを特徴とするカーボンナノチューブ精製キット。
- 請求項2記載のカーボンナノチューブ精製キットにおいて、
前記酵素と前記切断部位の組み合わせが、
(1)酵素:キモトリプシン、切断部位:芳香族アミノ酸(フェニルアラニン、チロシン)、
(2)酵素:トリプシン、切断部位:塩基性アミノ酸(アルギニン、リシン、オルニチン)、又は
(3)酵素:V8プロテアーゼ、切断部位:酸性アミノ酸(グルタミン酸、アスパラギン酸)
であることを特徴とするカーボンナノチューブ精製キット。 - カーボンナノチューブを含む試料を収める第1の試料槽と、
カーボンナノチューブを選択的に可溶化するための、ペプチドを有する化合物からなる第1の試薬を収める第1の試薬槽と、
前記第1の試薬の一部を切断する酵素からなる第2の試薬を収める第2の試薬槽と、
前記第1の試料槽に前記第1の試薬槽から前記第1の試薬を注入する第1の試薬注入手段と、
前記第1の試薬の注入によって可溶化したカーボンナノチューブ複合体を不溶物から分離し第2の試料槽に移す手段と、
前記第2の試料槽に前記第2の試薬槽から前記第2の試薬を注入する第2の試薬注入手段と、
前記第2の試薬が前記第1の試薬の一部を切断することによって不溶化したカーボンナノチューブを回収する手段とを有することを特徴とするカーボンナノチューブ精製装置。
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