JP4462848B2 - 植物伸長方法及び植物伸長装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物にLEDを照射してその伸長を促進する植物伸長方法及び植物伸長装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、外的要因(天候、気候、害虫など)による影響を受けにくい、人工光源を利用した植物育成工場の実用化が進められている。主要な人工光源としては、高圧ナトリウムランプ、低圧ナトリウムランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、蛍光ランプ及びマイクロ波ランプなどが知られているが、近時、特許文献1に示すように、熱放射が少なく寿命等の点でも有利なLEDを用いた人工光源が開発されつつある。
【0003】
一方、植物の生長、分化に及ぼす光質(例えば光スペクトル等)の影響は、これまでこの種の人工光源から、特定の波長域を除去するフィルムなどを用いてスペクトルを修正することにより検討されている。
【0004】
この方法であると、含まれる波長領域が200nmにも及ぶことがあり、どの波長領域の光が、どの植物の生長、分化に大きな影響を及ぼすのかを高い精度で知ることが難しい。また、植物工場で育成されている植物の品種は現在のところそれほど多くはなく、このようなことから従来は、赤色系の光が植物の伸長促進に寄与すると大まかに考えられており、逆に青色系の光は伸長抑制効果を有すると認識されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平09−252651号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、植物育成工場が実用化段階に入りつつあり、育成対象となる植物の種類も増加しつつある現在、人工光源の光質による植物生育への影響をより明確化することは、効率的な植物育成やコスト削減の観点から今後重要な課題になってくると考えられる。
【0007】
さらに、同じ光質であっても、その及ぼす影響が植物の部位によってどのように異なるのかを明確化することも、同様の理由から極めて重要である。
【0008】
そこで本発明は、従来、深く検討されてこなかった、光質による植物の成長、分化への影響をより明確化するとともに、さらに詳細には植物の部位毎の光質影響を明確化することが、今後の植物育成において極めて重要なものになるという新たな課題認識を踏まえた上で、効率的な植物育成や育成コスト削減、植物出荷時期制御などをできるようにすることをその主たる所期課題としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明にかかる植物伸長方法は、複数のLEDを有した光射出部から光を植物に照射し、伸長させるものであって、照射対象となる植物が特定種類のものである場合には、その植物の伸長を促進させる際に、前記光射出部から射出される光のスペクトルを青色又は青緑色が優勢なものにすることを特徴とする。
【0010】
このようなものであれば、赤色系の光では伸長が促されない特定の植物についても、青色又は青緑色の光で生育を促進することができるため、今後の多品種化が予想される人工光源を用いた植物育成における効率化や低コスト化、出荷時期制御等に、大きく寄与することができる。しかしてこのことは、従来のように赤色系の光が植物伸長促進に寄与するとの認識にはあてはまらないことであり、植物によっては伸長促進に赤色系光以外の光が寄与する可能性がある点、及びそのことを明らかにすることが今後の人工光源を用いた植物育成においてその効率化、実用化等に大きな意義を有するという点に、本願発明者が課題を見いだして初めて為し得たことである。なお、ここで「青色」とは約470nm±15nm程度の波長の光を言い、「青緑」とは500nm±15nm程度のピーク波長の光を言う。
【0011】
また、LEDは他の光源でみられる輝線スペクトルの混入や紫外及び赤外域の放射がなく、フィルタ等を用いずともスペクトル半値幅の小さい単色光を照射することが可能であるうえ、比較的廉価であり、さらには赤外、赤色、橙色、黄色、緑色、青緑色、青色、紫色など、ほぼ自由に発光色を選択することができるため、光を、青色又は青緑色系の光の中でも、植物の種類に応じた最も生育効率のよい波長域の光となるように設定することが無理なくできる。もちろん、他の光源に比べ発光効率がよい点や、熱放射に係る問題点が少ない点、寿命が長い点等の効果をも同時に奏し得る。
【0012】
また、照射対象となる植物の種類と、当該植物における主茎長、葉面積、葉柄長等の伸長目的部位との組み合わせに少なくとも基づいて、前記光射出部から射出される光のスペクトルを設定するようにしてもよい。このようなものであれば、植物品種やその育成時期等に応じて、植物の所望の部位毎の形状を制御することができるため、より効率的かつ的確な植物育成が可能となる。
【0013】
具体例を挙げると、光射出部からの光によって、生育のための光を効率的に受けられる形状に制御しておけば、その後はより少ない光で効率的に当該植物を育成することが可能になる。また、園芸植物などで形状制御のために生長促進剤や生長抑制剤などを用いる方法では、効果が生じるまでに日数がかかり、残存薬品の影響等もあって制御が難しいうえ、環境を汚染するおそれもあるが、光を用いた本発明では、園芸植物などを消費者の好みに合わせた形状に容易にすることができ環境にも悪影響を与えない。
【0014】
特に、前記組み合わせが特定のものである場合には、その植物の伸長を促進する際に、前記光のスペクトルを青色又は青緑色が優勢なものにすることが望ましい。
【0015】
具体的な前記特定種類の植物としては、ナス、キャベツ、マリーゴールド、キュウリ、ヒマワリ、カリフラワー、ブロッコリー、コマツナ等を挙げることができる。本願発明者の鋭意検討により明らかになったものである。
【0016】
このような本発明に係る植物伸長方法を省力化して実現する植物伸長装置としては、植物に光を照射する複数のLEDを有した光射出部と、その光射出部に光のスペクトルを変更可能に電力を供給する電力供給部と、光照射対象となる植物の種類を判別する判別部と、その判別部で判別した植物の種類に応じて前記電力供給部を制御し光射出部から射出される光のスペクトルを設定する光スペクトル設定部とを備えてなり、照射対象となる植物が予め定めた特定種類のものである場合には、前記光スペクトル設定部が、その植物の伸長を促進すべく前記光射出部から射出される光のスペクトルを、青色又は青緑色が優勢なものにするものを挙げることができる。
【0017】
植物の部位毎の伸長制御等、よりきめ細やかな形態制御を行うための好適な装置としては、植物に光を照射する複数のLEDを有した光射出部と、その光射出部に対し前記光のスペクトルを変更可能に電力を供給する電力供給部と、光照射対象となる植物の種類及び植物の伸長目的部位を判別する判別部と、その判別部で判別した植物の種類及びその植物における伸長目的部位との組み合わせに少なくとも基づいて前記電力供給部を制御し前記光射出部から射出される光のスペクトルを設定する光スペクトル設定部とを備えたものが好ましい。
【0018】
このような構成において、前記光スペクトル設定部が、植物の種類と、当該植物における主茎長、葉面積、葉柄長等の伸長目的部位との組み合わせに少なくとも基づいて、前記電力供給部を制御し、前記光射出部から照射される光のスペクトルを設定するものであればより好適である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
【0020】
図1は、本実施形態に係る植物伸長装置1を示している。この植物伸長装置1は、植物伸長のための光を射出する光射出部2と、その光射出部2に対し射出される光のスペクトルを変更可能に電力を供給する電力供給部3と、育成対象となる植物6の種類を判別する判別部4と、その判別部4で判別した植物6の種類に応じて前記電力供給部3を制御し前記光のスペクトルを設定する光スペクトル設定部5とを備えたものである。
【0021】
各部を詳述する。光射出部2は、図2に示すように、平板状の基板22の一方の面に異なるスペクトル光を発する複数種類のLED21を多数敷設したもので、LED21から射出される光が植物6の方を向くように設置している。LED21は、例えば砲弾型のものである。
【0022】
電力供給部3は、各LED21乃至各種のLED21毎に、独立して発光強度を変更可能に電力を供給するものである。具体的な電力供給態様として本実施形態では、例えばPWM方式を採用しており、外部制御信号の受信あるいは入力を受け付けることによって、各LED21乃至各種のLED21毎に、供給電力波形におけるデューティ比を設定できるようにしてある。そしてそのデューティ比の設定により、各LED21乃至各種のLED21毎の発光強度を変更し、光射出部2全体から射出される光のスペクトルや光強度を変更できるように構成している。
【0023】
判別部4は、例えばオペレータによる入力により、照射対象植物6の種類を判別するものである。もちろんその他に、例えば植物6にバーコードシート等の種類表示器を付帯させておき、その種類表示を自動読み取りするなどして植物6の種類を自動判別するようにしても構わない。
【0024】
光スペクトル設定部5は、前記判別部4で判別された照射対象植物6の種類に応じて、前記光のスペクトルを設定するための外部制御信号を生成し、その外部制御信号を前記電力供給部3に送信するものである。具体的には、例えば植物6の種類を示す識別子と外部制御信号の識別子とを対にして格納している制御信号特定データ格納部D1にアクセスし、照射対象植物6の種類に対応する外部制御信号を特定するとともに、その外部制御信号を前記電力供給部3に送信する。
【0025】
なお、前記判別部4、光スペクトル設定部5、制御信号特定データ格納部D1等は、本実施形態では情報処理装置7を利用して構成している。この情報処理装置7は、図3に示すように、CPU101、内部メモリ102、HDD等の外部記憶装置103、モデム等の通信インタフェース104、ディスプレイ105、マウスやキーボードといった入力手段106等を有する。そして、前記内部メモリ102や外部記憶装置103等の所定領域に設定したプログラムにしたがってCPU101やその周辺機器を作動させることにより、前記判別部4、光スペクトル設定部5、制御信号特定データ格納部D1として機能するように構成してある。かかる情報処理装置7は、汎用のコンピュータであっても専用のものであっても構わない。
【0026】
次にこのように構成した本実施形態にかかる植物伸長装置1を用いた植物伸長方法について以下に述べる。
【0027】
まず、オペレータが育成対象となる植物6の種類又はその種類を示す識別子を入力する(図4ステップS1)。
【0028】
すると判別部4が、その入力に基づいて照射対象植物6の種類を判別する(図4ステップS2)。
【0029】
次いで光スペクトル設定部5がその照射対象植物6の種類に応じた光のスペクトルを設定するための外部制御信号を、前記制御信号特定データ格納部D1の内容を参照して特定する(図4ステップS3)。そしてその外部制御信号を、その植物6の伸長を促進させる際に電力供給部3に送信する(図4ステップS4)。
【0030】
その後、電力供給部3がその外部制御信号に基づいて光射出部2に電力を供給し(図4ステップS5)、最後に光射出部2が、その電力供給態様により一意的に定まる所定スペクトルの光を植物6に照射する(図4ステップS6)。
【0031】
しかして本実施形態では、特定種類の植物6(例えばナス、キャベツ、マリーゴールド、キュウリ、ヒマワリ、カリフラワー、ブロッコリー、コマツナ等)については、伸長促進時に赤色系の光ではなく、青色系又は黄色系の光、より具体的にナスの場合であれば、470nm近傍の波長、すなわち青色が優勢なスペクトルの光を照射するようにしている。また例えばヒマワリであれば、500nm近傍の波長、すなわち青緑色が優勢なスペクトルの光を照射するようにしている。
【0032】
これは、図5、図6に示すように、ナス(品種名’黒陽’)やヒマワリ(品種名’ピノチオ’)において、特に主茎長は、赤色光よりも波長の短い青色光での伸長効果が大きいことを本発明者が見いだしたことによる。本発明者は、さらにその他、図7〜図9に示すように、レタス、トマト等の多種の植物6について同様の実験を行っている。
【0033】
なお、これらの実験では、5種の光(主波長470nm=青色光、500nm=青緑色光、525nm=緑色光、660nm=赤色光、680nm=赤色光)を、用土表面で物理的エネルギが均一(6.3W/m^2)となるように植物6に照射している。また、対照用に、白色蛍光灯からの光を照射した植物6を育成し、その生育度を100としている。
【0034】
しかして図9にまとめてあるように、この結果によれば、各植物6の光質(光スペクトル)の違いによる伸長への影響は明らかで、その影響の程度、作用の仕方には大きな種間差があることがわかる。特に従来から青色光の茎伸長抑制効果はよく知られており、そのとおりの性質を示すもの(レタス、トマト、ホウレンソウ等)もあるところ、ナス、キャベツ、マリーゴールド、キュウリ、ヒマワリ、カリフラワー、ブロッコリー、コマツナ等のように、種類によっては逆に茎伸長が促進されるものもある。
【0035】
したがって、本実施形態によれば、赤色系の光では伸長が促されない特定種類の植物6についても、青色系又は黄色系の光で伸長を促進することができ、今後の多品種化が予想される人工光源を用いた植物育成における効率化や低コスト化等に、大きく寄与することができる。また、逆に赤色系の光では伸長が促されない前記特定種類の植物6に赤色光をあて、伸長を抑制することもできるので、出荷時期調整や果実の熟成を行うなど、植物6に応じた種々のきめ細やかな生育制御が可能となる。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。前述した実験結果からも明らかなように、光質の生育促進影響は、同一植物であってもその部位、例えば主茎長、全乾物重、葉面積、葉柄長等によって異なる。したがって、前記判別部において、照射対象となる植物の種類及び植物の伸長目的部位を判別させ、この判別部で判別した植物の種類及び伸長目的部位に基づいて、光スペクトル設定部で光のスペクトルを設定するようにしても構わない。このようなものであれば、植物品種やその育成時期等に応じて、植物の所望の部位毎の伸長を制御することができるため、より効率的かつ的確な植物の形態制御が可能となる。
【0037】
さらに、前記情報処理装置に他の種々の機能を付加させて、出荷時期や伸長目標値等のみを入力することにより、あとは全て自動で光の制御を行うように構成してもよい。
【0038】
また逆に情報処理装置を利用せず、作業者が、植物品種や育成目的部位に応じて電力供給部の設定を行い、光射出部から青色系や黄色系の光を射出するようにしてもよい。
【0039】
さらに光射出部が同一種類のLEDからなるものでも構わない。その場合は、互いに異なるスペクトルの光を射出する光射出部を複数用意しておき、作業者が植物又はその育成目的部位に応じて、所望のスペクトル光を射出できる光照射部に都度交換するようにすればよい。
【0040】
またLEDの敷設態様に限定はなく、マトリクス状、千鳥状、同心円状等種々の態様が可能である。LEDは砲弾型に限られず、チップ型のものでももちろん構わない。
【0041】
加えて光射出部を、光ファイバー等の光案内手段をさらに備えたものとして、LEDからの光を前記光案内手段によって植物に導くようにしてもよい。このようにすればLEDを植物から隔離することが可能となるため、その発熱による熱影響を最小限にすることができる。
【0042】
その他本発明は前記図示例に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上に詳述したように、本発明によれば、赤色系の光では伸長が促されない特定の植物についても、青色系又は黄色系の光で伸長を促進することができるため、今後の多品種化が予想される人工光源を用いた植物育成における効率化や低コスト化、出荷時期制御等に、大きく寄与することができる。しかしてこのことは、従来のように赤色系の光が植物伸長促進に寄与するとの認識にはあてはまらないことであり、植物によっては伸長促進に赤色系光以外の光が寄与する可能性がある点、及びそのことを明らかにすることが今後の人工光源を用いた植物育成においてその効率化、実用化等に大きな意義を有するという点に、本願発明者が課題を見いだして初めて為し得たことである。
【0044】
また、LEDは他の光源でみられる輝線スペクトルの混入や紫外及び赤外域の放射がなく、フィルタ等を用いずともスペクトル半値幅の小さい単色光を照射することが可能であるうえ、比較的廉価であり、さらには赤外、赤色、橙色、黄色、緑色、青緑色、青色、紫色など、ほぼ自由に発光色を選択することができるため、光を、青色系又は黄色系の光の中でも、植物の種類に応じた最も生育効率のよい波長域の光となるように設定することが無理なくできる。もちろん、他の光源に比べ発光効率がよい点や、熱放射に係る問題点が少ない点、寿命が長い点等の効果をも同時に奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における植物伸長装置を示す模式的構成図。
【図2】同実施形態における光照射部を示す平面図。
【図3】同実施形態における情報処理装置の機器構成図。
【図4】同実施形態における植物伸長方法を示すフローチャート。
【図5】ナスの一品種の生長に及ぼす単色光照射の影響を示すグラフ。
【図6】ヒマワリの一品種の生長に及ぼす単色光照射の影響を示すグラフ。
【図7】レタスの一品種の生長に及ぼす単色光照射の影響を示すグラフ。
【図8】トマトの一品種の生長に及ぼす単色光照射の影響を示すグラフ。
【図9】各植物の生長パラメータに及ぼす単色光照射の影響についての相対比較表。
【符号の説明】
1・・・植物伸長装置
2・・・光射出部
21・・・LED
3・・・電力供給部
4・・・判別部
5・・・光スペクトル設定部
6・・・植物
Claims (1)
- 複数のLEDを有した光射出部から光を植物に照射し、伸長させる植物伸長方法であって、
ナス、キャベツ、マリーゴールド、キュウリ、ヒマワリ、カリフラワー、ブロッコリーのいずれかの植物に対して、その植物の伸長を促進させる際に、前記光射出部から射出される光のスペクトルを青色又は青緑色が優勢なものにすることを特徴とする植物伸長方法。
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