JP4462703B2 - 飛行船 - Google Patents

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JP4462703B2 JP2000090548A JP2000090548A JP4462703B2 JP 4462703 B2 JP4462703 B2 JP 4462703B2 JP 2000090548 A JP2000090548 A JP 2000090548A JP 2000090548 A JP2000090548 A JP 2000090548A JP 4462703 B2 JP4462703 B2 JP 4462703B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飛行船に関し、特に浮揚気体が収納される気嚢の形状を可変制御する飛行船に関する。
【0002】
【従来の技術】
飛行船は、大きな滑走路や飛行場を必要とせず、騒音等の発生が比較的少なく、低速飛行及び長時間の飛行が可能であることから、広告宣伝、イベント中継、監視、警戒警備、輸送や観光用等に主に使用されている。
【0003】
飛行船は、一般に例えばヘリウムガス等の浮揚気体を収納する気嚢を有し、気嚢内の前部及び後部に設けられた各バロネットの容積を変えることによって気嚢内の浮揚気体の容積を可変制御して浮力を調整するように構成されている。
【0004】
気嚢の下面には、装備品やペイロード等の搭載及び搭乗するためのゴンドラが吊索によって吊り下げ支持されると共に、船体の左舷及び右舷に推進装置が設けられ、船体の後部に方向制御用のラダー及び上昇下降制御用のエレベータが設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、飛行船は気嚢内に収納された浮揚気体の浮力によって浮揚するので必然的にその容積が大きく、その大きな船体に影響する空気抵抗によって、向かい風中で飛行する際に航続距離が極端に低下すると共に、最高飛行速度が抑制されて、例えば最高速度が150km/h程度と他の航空交通手段と比較して遅い。
【0006】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、飛行時の空気抵抗を減らすことによって高速飛行が可能でかつ風の影響を受けることが少ない飛行船を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載の飛行船の発明は、船体外皮によって形成された気嚢内に収納された浮揚気体の容積を可変制御する飛行船において、上記気嚢の中間高さ位置の横方向断面形状を規定する形状保持部材と、該形状保持部材より上方の気嚢容積のみを可変する容積可変機構と、を備え、上記容積可変機構によって上方の気嚢容積のみを可変することで上記気嚢の正面面積を可変としつつ、上記形状保持部材によって飛行船の平面面積を維持する。
ことを特徴とする
【0008】
請求項1の発明によると、容積可変機構によって形状保持部材より上方の気嚢容積のみを減少させることによって、形状保持部材によって飛行船の平面形状を維持した状態での上下方向の短縮により正面面積の減少が図られて空気抵抗の低減が得られる一方、浮揚気体容積の縮小により浮力が減っても対気速度による揚力を併用して飛行高度を維持することが可能になる。
【0009】
この結果、例えば、風の中で停留する場合、風上に向かって飛行船を正対して風による正面面積を減少させると同時に、浮揚気体の浮力に対気速度による揚力を加えることにより飛行船の浮力を確保でき、推進装置の少ない推力で停留可能になる。また、高速飛行中の場合も、正面面積を減少させて空気抵抗を減らし、飛行船の姿勢に迎角を与えることにより対気速度による揚力を加えることによって船体の浮力が維持され、最高飛行速度の増大が可能になる。更に、向かい風での飛行においても航続距離の増大がもたらされる等風の影響を抑制することができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1の飛行船において、上記容積可変機構は、上記形状保持部材より上方において船体外皮の上部下面に沿って前後方向に延在する撓み軸からなる巻取シャフトと、該巻取シャフトの前端及び後端の少なくとも一方に設けられて巻取シャフトを回転駆動する回転駆動装置と、上記船体外皮の一部と巻取シャフトの一部とを結合する結合部とを備え、上記回転駆動装置により回転駆動される巻取シャフトに上記船体外皮を巻き取り気嚢容積を減少せしめると共に、巻取シャフトに巻き取られた船体外皮を繰り出して気嚢容積を増大せしめることを特徴とする。
【0011】
請求項2の発明によると、撓み軸からなる巻取シャフトを回転駆動装置によって回転駆動することによって、船体外皮の上部が巻き取られて気嚢容積の減少がもたらされ、或いは巻き取られた船体外皮が繰り出されて気嚢容積が増大が比較的簡素な装置により効率的に得られる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2の飛行船において、上記巻取シャフトは、上記船体外皮上部下面に前後方向に沿って複数列設されたシャフト挿通部材の挿通孔内を貫通して回転自在に船体外皮の上部下面に支持され、上記回転駆動装置は、上記巻取シャフトの端部に連結されて巻取シャフトを回転駆動するアクチュエータと、該アクチュエータからの回転反力を受け止め、かつアクチュエータを船体外皮の上部下面に沿って前後方向に移動可能に支持する回転駆動装置保持手段と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項3の発明によると、巻取シャフトが船体外皮上面下面にシャフト挿通部材によって回転自在に支持され、回転駆動装置保持部材によって巻取シャフトの端部に取り付けられたアクチュエータが船体外皮の上部下面に沿って移動可能に支持することから、船体外皮の巻き取り或いは繰り出しによって巻取シャフトの曲率変化に伴う巻取シャフトの端部の移動が許容されて円滑な船体外皮の巻き取り及び繰り出し動作が確保される。
【0014】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかの飛行船において、コンプレッサによって気嚢内の浮揚気体を高圧ボンベに圧縮供給して貯留すると共に、圧力センサにより検出された気嚢内の浮揚気体圧力に基づいて高圧ボンベ内の浮揚気体を気嚢内に放出して気嚢内圧力を一定に保持する気嚢内圧保持手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明によると、コンプレッサによって気嚢内の浮揚気体を高圧ボンベに圧縮供給して貯留すると共に、圧力センサにより検出された気嚢内の浮揚気体圧力に基づいて高圧ボンベ内の浮揚気体圧力が一定に保持され、風圧による気嚢の変形が回避され、安定した対気速度による揚力が確保される。
【0016】
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかの飛行船において、飛行船の後尾部を中心として後部が上下方向に回転可能でかつ、付勢手段によって下端縁が船体外皮の上面に圧接するように付勢された垂直尾翼を有することを特徴とする。
【0017】
請求項5の発明によると、垂直尾翼を上下方向に回転可能に支持すると共に、船体外皮の上面に付勢手段によって下端縁が圧接するように付勢することから、船体外皮上面の変化に追従して垂直尾翼が揺動して最適な状態に維持される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による飛行船の実施の形態を図によって説明する。
【0023】
図1は本実施の形態における飛行船1の概要を示す側面図、図2は概要を示す図1のI−I線断面図、図3は概要を示す平面図であり、矢印Fは前方方向を示している。
【0024】
飛行船1は、ヘリウムガス等の浮揚気体が収容される気嚢10を有している。気嚢10は下部船体外皮11と、該下部船体外皮11の外周上縁に外周下縁が連続する上部船体外皮12とによって前後方向に長なる風船状に形成され、気嚢10内の下部前方及び後方にバロネット13、14が設けられている。
【0025】
一方、気嚢10の中間高さ位置となる下部船体外皮11の外周上縁と上部船体外皮12の外周下縁の連続部分は、その高さ位置における気嚢10の横方向断面形状を規定する形状保持部材15によって支持されている。
【0026】
形状保持部材15より下方の下部船体外皮11は、下方への張り出しの少ない流線形の船底形状を維持する一方、上部船体外皮12は下部船体外皮11に比較して大きな容積を持ち、かつ可撓性を有する薄膜によって形成されている。
【0027】
気嚢10の横方向断面形状を規定する形状保持部材15は、気嚢10の横方向断面形状を規定する固定リング16と、固定リング16の左舷側と右舷側とに互いに平行に掛け渡されて固定リング16を補剛する複数のリング固定梁17a、17b、17cによって形成され、中央に架設されたリング固定梁17bからゴンドラ吊索35aによってゴンドラ35が吊り下げられ、かつ中空状に形成されたゴンドラ35の下面は下部船体外皮11の下面に連続して形成されている。
【0028】
この固定リング16の左舷及び右舷側にはエンジンによってファンを回転駆動して推力を得る推進装置19が各々取り付けられると共に、エンジンによって駆動される発電機(図示せず)が設けられている。
【0029】
気嚢10内には、上部船体外皮12を巻き取り、或いはその巻き取られた上部船体外皮12を繰り出すことにより形状保持部材15より上方の気嚢容積を可変する容積可変機構20が設けられている。
【0030】
容積可変機構20は、上部船体外皮12の上部下面に前後方向に離間して複数設けられた可撓性のシャフト挿通部材21の挿通孔21a内に回転自在に挿通されて前後方向に延在する巻取シャフト22を有している。
【0031】
この巻取シャフト22は、軽量のシャフト素子22aを2自由度の接続、例えばユニバーサルジョイント等で連続的に連接した多関節シャフトによって形成された、いわゆる撓み軸であって、その中央部より若干後方付近のシャフト素子22aの1箇所で上部船体外皮12に結合されている。そして、巻取シャフト22の両端に各々取り付けられた回転駆動装置23によって回転駆動されて上部船体外皮12をその結合部22bから巻き取りが開始するように構成されている。なお、巻き取り量を調節するために巻取シャフト22の中心付近のシャフト素子22aを比較的太く、端部に移行するに従って小径に形成されている。
【0032】
回転駆動装置23は、図1のII−II線断面を図4に示すように車輪24が取り付けられた支持台25に設けられて、減速ギヤ等の減速手段を介して巻取シャフト22の端部に連結された電気モータ26等のアクチュエータを有し、上部船体外皮12に圧接する車輪24によって巻取シャフト22の反力を受け止めることによって巻取シャフト22の回転による上部船体外皮12の巻き取り動作を確保している。即ち車輪24及び支持台25によって電気モータ26からの回転反力を受け止め、かつ電気モータ26を上部船体外皮12の下面に沿って移動せしめて巻取シャフト22による上部船体外皮12の巻き取り及び繰り出し動作を確保する回転駆動装置保持手段を形成している。なお、この電気モータ26の電力は推進装置19のエンジンに取り付けられた上記発電機から供給される。
【0033】
気嚢10内の圧力を一定に保つための圧力センサ、コンプレッサ、圧力ボンベ27を有する気嚢内圧保持手段が設けられ、圧力ボンベ27内に浮揚気体を加圧した高圧状態で貯留すると共に、圧力センサによる気嚢10内の浮揚気体の圧力検知に基づいて気嚢10内に放出し、かつコンプレッサによって気嚢10内の浮揚気体を圧力ボンベ27内に戻すように構成されている。
【0034】
更に、水平尾翼31が固定リング16に沿って飛行船1の左右後端に各々取り付けられ、水平尾翼31にエレベータが設けられると共にエレベータアクチュエータを内部に備えられている。また、飛行船1の最後尾部を中心として上下方向に回転可能に垂直尾翼32の後端が固定リング16の後部に取り付けられ、垂直尾翼32はバネ等の付勢手段によって下端縁が上部船体外皮12の上面に圧接するように付勢されている。この垂直尾翼32にラダーが取り付けられ、内部にラダーアクチュエータが設けられている。なお、符号33は下部船体外皮11の下面に設けられた速度センサである。
【0035】
形状保持部材15のリング固定梁17bからゴンドラ吊索35aによって吊り下げられたゴンドラ35は、図5に縦断面を示し、かつ図6に要部平面図を示すように、操縦席36a、複数の乗客席36bが設けられると共に、下面にゴンドラ35からの視界を確保するために飛行船下部全方位を撮影する広角カメラ37等の撮影装置が取り付けられる一方、ゴンドラ35の内部には表示装置となるドーム型スクリーン38が全方向に用意され、広角カメラ37で撮影した映像を複数のプロジェクタ38aにて投影するように構成され、昼間で視界が良好であれば可視光の映像を映し出し、夜間や悪天候においては赤外線の映像に切り替えることにより視界を確保する。更にゴンドラ35には、乗降用の格納式昇降梯子39が配設されている。
【0036】
次にこのように構成された飛行船1の作動について説明する。
【0037】
飛行船1は、地上付近における係留状態で気嚢10内に浮揚気体を注入して図1及び図2に示すように最大に膨張展開させると共に、バロネット13、14内に所定圧の空気を供給することによってバネット13、14を膨張展開する。
【0038】
そして、気嚢10内の浮揚気体の圧力は、常にコンプレッサにより気嚢10内の浮揚気体を圧縮ボンベ27内に圧縮供給して貯蔵すると共に、圧力センサにより検出された気嚢10内の浮揚気体圧力に基づいて圧縮ボンベ27から気嚢10内に放出される浮揚気体を調整することによって一定に保たれる。この気嚢10内の浮揚気体圧力は、飛行船1が高速で飛行した際等に、風圧によって気嚢1が潰れ変形しない程度に維持される。
【0039】
飛行船1の上昇は、飛行船1の姿勢バランスを保ちながら前方及び後方のバロネット13、14の空気を排出調節してバロネット13、14の空気容積を減少させ、その減少した空気容積に相応する気嚢10内の浮揚気体の容積を増大せしめて余剰浮力を発生させることによってなされる。
【0040】
所定高度まで上昇すると、バロネット13、14の空気容積変化による気嚢10内の浮揚気体容積を調整して飛行船1の高度制御をすると共に、推進装置19により飛行速度を上昇させる。飛行速度が所定値、例えば60km/h程度に達すると、例えば図7に示す予め設定された飛行速度−巻き取り量の関係を示す制御マップに基づいて作動制御される容積可変機構20の巻取シャフト22に上部気嚢12の上部船体外皮12を巻き取る。
【0041】
この容積可変機構20による上部船体外皮12の巻き取り量は、速度センサ33によって計測された飛行速度に基づいて飛行速度−巻き取り量の関係を制御マップによって決定され、その決定された巻き取り量に従って両電気モータ26が回転駆動され、電気モータ26の回転は減速手段によって減速されて適切なトルクが発生し、このトルクによって巻取シャフト22が回転を始める。
【0042】
巻取シャフト22は、両端側のシャフト素子22aから中央部のシャフト素子22aに向けて順次各シャフト素子22a間のジョイント部等の捻れを含みつつ各シャフト挿通部材21の挿通孔21a内を空回りしながら回転駆動され、その回転が上部船体外皮12が結合されたシャフト素子22aに達すると、上部船体外皮12はその結合部22bから巻取シャフト22への巻き取りが開始される。
【0043】
この巻き取りは、図8(a)に巻き取り開始部分の要部拡大図を模擬的に示す状態から巻取シャフト22の回転に伴って巻取シャフト22と上部船体外皮12の結合部22bより巻き取りが開始され、同図(b)に示すように該部から次第に巻き取りシャフト22の前後方向に巻き取り範囲が拡大され、同図(c)に示すように上部船体外皮12に取り付けられたシャフト挿通部材21も巻き込まれて巻き取られる。
【0044】
ここで、巻取シャフト22の中央部が太くかつ前後端方向が次第に小径に形成されると共に、上部船体外皮12の中央部から巻き取りが開始されることに起因して中央部の巻き取り量が比較的多く設定されることから、巻取シャフト22が上部船体外皮12を巻き取るに従って上部船体外皮12の上面中央の前後方向に沿う、いわゆる背部の曲率が次第に少なくなる。
【0045】
このため巻取シャフト22も上部船体外皮12の巻き取りに応じてシャフト挿通部材21の挿通孔21a内を若干滑りながら曲がりが少なくなり、巻取シャフト22の前端部及び後端部が各々飛行船1の前端及び後端方向に次第に接近移動し、この際、巻取シャフト22の前端及び後端に連結された前後の回転駆動装置23は車輪24を上部船体外皮12の下面を滑り、或いは転動しつつ前方及び後方に押動せしめられる。
【0046】
この上部船体外皮12の巻き込みに際して、形状保持部材15によって下部船体外皮11の上端縁部と上部船体外皮12の下端縁部の形状変化が防止されて下部船体外皮11は変形が抑制されてその外形形状が維持される一方、上部船体外皮12のみが収縮変形されて後方に勾配を持った平坦な翼型の上面形状に次第に移行し、最大巻き込み時には、図1及び図2に上部船体外皮12の形状を二点鎖線12cで示す形状に変形し、飛行船1は上下方向に短く、横方向、即ち幅方向に長く平たい翼型形状となる。
【0047】
同時に、上部船体外皮12の巻き取りによる気嚢10内の浮揚気体容積の減少による気嚢10内の圧力の上昇を抑制するために、圧力センサにより気嚢10内の圧力上昇を検知し、常にコンプレッサにより気嚢10内の浮揚気体を圧縮ボンベ27内に圧縮供給して貯蔵すると共に、圧縮ボンベ27から気嚢10内に放出される浮揚気体を調整することによって一定圧力に保たれる。
【0048】
一方、逆に飛行速度を低下せしめる際には、推進装置19により飛行速度を下げる。この飛行船1の減速に伴って、容積可変機構20の巻取シャフト22に巻き取られた上部船体外皮12を繰り出す。
【0049】
この容積可変機構20による上部船体外皮12の繰り出しは速度センサ33によって計測された飛行速度に基づいて図7に示す飛行速度−巻き取り量の関係を制御マップによって巻き取り量が決定され、その決定された巻き取り量に従って両電気モータ26を逆回転駆動することによって、上記速度上昇時と逆の動作が行われ、上部船体外皮12は図1及び図2に実線で示す状態に復帰する。
【0050】
同時に、上部船体外皮12の繰り出しによる気嚢10内の浮揚気体容積の増大による気嚢10内の圧力の低下を回避するために、圧力センサにより圧力上昇を検知してコンプレッサにより気嚢10内の浮揚気体を圧縮ボンベ27内に圧縮供給して貯蔵すると共に、圧縮ボンベ27から気嚢10内に放出される浮揚気体を調整することによって一定圧力に保たれる。
【0051】
また、飛行船1の後尾部に設けられた垂直尾翼31は、最後尾部を中心として上下方向に回転可能でかつ、バネ等の付勢手段によって上部船体外皮12の上面に圧接付勢されることから、上部船体外皮12に圧接した状態で上部船体外皮12の上面の変形に追従して回動して常に有効的な状態に保持される。
【0052】
更に、飛行船1の降下は、飛行船1の姿勢バランスを保ちながら前方及び後方のバロネット13、14の空気容積を増大調節し、その増大した空気容積に相応する気嚢10内の浮揚気体の容積を減少せしめて浮力減少させることによってなされる。
【0053】
従って、このように構成された飛行船1によると、容積可変機構20によって上部船体外皮12を巻き込むことによって気嚢1の正面面積の減少が図られて空気抵抗の低減が得られ、しかも形状保持部材15によって下部船体外皮11の形状、即ち飛行船1の平面面積が常に維持されることから、浮揚気体容積の縮小により浮力が減っても対気速度による揚力を併用して飛行高度を維持することが可能になる。
【0054】
即ち、例えば、風の中で停留する場合、風上に向かって飛行船1を正対し風による正面面積を減少させると同時に、風に対するピッチアップの姿勢をバロネット13、14及び水平尾翼31に設けられたエレベータ等の制御により維持することにより、浮揚気体の浮力に風による揚力を加えることにより飛行船1の浮力を確保でき、推進装置19による少ない推力で停留可能になる。
【0055】
また、高速飛行中の場合も、正面面積を減少させて空気抵抗を減らし、飛行船1の姿勢に迎角を与えることにより対気速度による揚力を加えることによって船体の浮力が維持され、従来に比較して同じ推進装置の推力によって最高飛行速度の増大が可能になる。換言すると、迎い風で飛行しても従来に比較して航続距離の増大がもたらされる等風の影響を抑制することができる。
【0056】
また、ゴンドラ35を気嚢10内に配置することによって、ゴンドラ35が気嚢1から下方に突出ことがなくなり、或いは突出量が抑制されて空気抵抗の低減が得られより飛行速度の高速化がもたらされる。更に、視界を確保するため赤外線広角カメラ37も取り付けられ、夜間及び悪天候時の安全航行が確保できると共に、広角カメラ37で撮影した外界映像をスクリーン38に投影することによって乗客が同時に眺めることができ、ゴンドラ35が気嚢10内に内装されることの閉塞感がなくなり飛行を楽しむことができる。
【0057】
本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、実施の形態では、巻取シャフト22の両端に配設される回転駆動装置23に各々電気モータ26を設けたが、一方の回転駆動装置23の電気モータ26を省略して支持台25に巻取シャフト22の端部を回転自在に支持することも可能である。
【0058】
【発明の効果】
以上説明した本発明の飛行船によると、容積可変機構によって形状保持部材より上方の気嚢容積を減少させることによって、飛行船の平面形状を維持した状態での上下方向の短縮により正面面積の減少が図られて空気抵抗の低減が得られ、かつ対気速度による揚力を併用して飛行高度を維持することが可能になり、推進装置により少ない推力での向かい風の中で停留、飛行最高速度の増大、迎い風での飛行航続距離の増大がもたらされる等風の影響を抑制することができる。
【0059】
また、更に、ゴンドラを気嚢内に収納されて空気抵抗の低減が得られ、飛行速度の高速化等がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施の形態の概要を示す飛行船の側面図である。
【図2】同じく、概要を示す図1のI−I線断面図である。
【図3】同じく、概要を示す平面図である。
【図4】同じく、図3のII−II線断面図である。
【図5】同じく、ゴンドラの縦断面図である。
【図6】同じく、ゴンドラの要部平面図である。
【図7】同じく、飛行速度−巻き取り量の関係を示す制御マップ
【図8】同じく、巻取シャフトによる上部船体外皮の巻き取り状態を説明する要部拡大図であり、(a)は巻き取り開始状態を示し、(a)及び(b)は巻き取り途中の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 飛行船
10 気嚢
11 下部船体外皮(船体外皮)
12 上部船体外皮(船体外皮)
15 形状保持部材
16 固定リング16
17a、17b、17c リング固定梁
19 推進装置
20 容積可変機構
21 シャフト挿通部材
21a 挿通孔
22 巻取シャフト
22b 結合部
23 回転駆動装置
24 車輪(回転駆動装置保持手段)
25 支持台(回転駆動装置保持手段)
26 電気モータ(アクチュエータ)
27 圧力ボンベ(気嚢内圧保持手段)
31 水平尾翼
32 垂直尾翼
33 速度センサ
35 ゴンドラ
35a ゴンドラ吊索
37 カメラ(撮影装置)
38 スクリーン(表示装置)
38a プロジェクタ(表示装置)
39 格納式昇降梯子

Claims (5)

  1. 船体外皮によって形成された気嚢内に収納された浮揚気体の容積を可変制御する飛行船において、
    上記気嚢の中間高さ位置の横方向断面形状を規定する形状保持部材と、
    該形状保持部材より上方の気嚢容積のみを可変する容積可変機構と、を備え、
    上記容積可変機構によって上方の気嚢容積のみを可変することで上記気嚢の正面面積を可変としつつ、上記形状保持部材によって飛行船の平面面積を維持することを特徴とする飛行船。
  2. 上記容積可変機構は、
    上記形状保持部材より上方において船体外皮の上部下面に沿って前後方向に延在する撓み軸からなる巻取シャフトと、
    該巻取シャフトの前端及び後端の少なくとも一方に設けられて巻取シャフトを回転駆動する回転駆動装置と、
    上記船体外皮の一部と巻取シャフトの一部とを結合する結合部とを備え、
    上記回転駆動装置により回転駆動される巻取シャフトに上記船体外皮を巻き取り気嚢容積を減少せしめると共に、巻取シャフトに巻き取られた船体外皮を繰り出して気嚢容積を増大せしめることを特徴とする請求項1に記載の飛行船。
  3. 上記巻取シャフトは、
    上記船体外皮上部下面に前後方向に沿って複数列設されたシャフト挿通部材の挿通孔内を貫通して回転自在に船体外皮の上部下面に支持され、
    上記回転駆動装置は、
    上記巻取シャフトの端部に連結されて巻取シャフトを回転駆動するアクチュエータと、
    該アクチュエータからの回転反力を受け止め、かつアクチュエータを船体外皮の上部下面に沿って前後方向に移動可能に支持する回転駆動装置保持手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項2に記載の飛行船。
  4. コンプレッサによって気嚢内の浮揚気体を高圧ボンベに圧縮供給して貯留すると共に、圧力センサにより検出された気嚢内の浮揚気体圧力に基づいて高圧ボンベ内の浮揚気体を気嚢内に放出して気嚢内圧力を一定に保持する気嚢内圧保持手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の飛行船。
  5. 飛行船の後尾部を中心として後部が上下方向に回転可能でかつ、付勢手段によって下端縁が船体外皮の上面に圧接するように付勢された垂直尾翼を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の飛行船。
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