JP3468783B2 - 全方向推進型飛行船 - Google Patents

全方向推進型飛行船

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JP3468783B2 JP22144692A JP22144692A JP3468783B2 JP 3468783 B2 JP3468783 B2 JP 3468783B2 JP 22144692 A JP22144692 A JP 22144692A JP 22144692 A JP22144692 A JP 22144692A JP 3468783 B2 JP3468783 B2 JP 3468783B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64BLIGHTER-THAN AIR AIRCRAFT
    • B64B1/00Lighter-than-air aircraft
    • B64B1/02Non-rigid airships
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B64AIRCRAFT; AVIATION; COSMONAUTICS
    • B64BLIGHTER-THAN AIR AIRCRAFT
    • B64B1/00Lighter-than-air aircraft
    • B64B1/06Rigid airships; Semi-rigid airships
    • B64B1/24Arrangement of propulsion plant
    • B64B1/30Arrangement of propellers
    • B64B1/34Arrangement of propellers of lifting propellers

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は空間の任意の方向にむ
かって推進可能な飛行船に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の飛行船は気室に空気より比重の小
さいガス体を充填し、水平方向の推進手段を搭載して飛
行するのみであった。垂直方向の推進手段を別に備えた
飛行船も提案されているが、未だ実用に至っていない。
【0003】これら従来の飛行船は前進飛行が主で、上
昇、下降、後退がきわめて困難であり、垂直推進手段を
備えた飛行船にあっても、たとえば前進から上方向への
変更には一方の推進手段を停止し、他方の推進手段を始
動しなければならない等の操縦上の困難さが伴なう。
【0004】本発明者は先に、これら従来飛行船の不具
合を解決するため、前後、上下の範囲にわたって推進方
向を瞬時に転換できる起倒式推進手段を備えた飛行船と
して特願昭62−156478号(特開昭64−169
4号)他を提案した。
【0005】その飛行船によれば、推進手段の駆動を停
止することなく起倒(回転)することによって飛行方向
に見て前後上下面内の全範囲にわたって方向を選択でき
るという著しい利点があるが、ただ左右移動を推進手段
によってのみでは行なえないという改良の余地を残して
いた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】記従来の飛行船には
解決すべき次の課題があった。即ち、従来の飛行船で
は、機軸に対し、水平、垂直の推進手段を別々に有する
ものにあってはそれぞれの駆動手段を方向変換の都度、
発・停する必要があり、狭隘地点への着陸がきわめて困
難という問題があった。
【0007】また、機軸に対し、前後上下面の全範囲に
わたって推進方向を選択できる起倒式推進手段を備えた
飛行船は一つの推進手段を所望の向きに起倒して飛行船
の空間位置を微調整できるので狭隘地点等に対する離着
陸性能は格段に向上したものの、左右方向の微調整に改
善すべき点があった。
【0008】本発明は記問題点を解決するため、前
後、上下、左右の3次元空間にわたって任意の方向に推
進できる推進手段を備えると共に、安全性及び強度が優
れた全方向推進型飛行船を提供しようとするものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、ガス体を密封
可能な気室をなす中胴、ガス体を密封可能な気室をなし
前記中胴の左右に間隔をおいて配置された1対の外胴、
前記中胴と外胴の気室内に充填された空気より比重の小
さいガス体、前記中胴と外胴とを連結すると共に揚力を
発生可能な水平翼、前記中胴の両側において前記水平翼
にジンバル状に支持されて空間の任意の方向に向けて推
進可能な左右の推進装置、及び人・貨物等を搭載可能な
区画とを備え、前記左右の推進装置は側方より見て船体
の重心と 空力中心との間に配置されていることを特徴と
する全方向推進型飛行船に係る。
【0010】また本発明は、前記の全方向推進型飛行船
において、水平翼をデルタ翼としたことを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明では、中胴と左右の外胴の気室に空気よ
り比重の小さいガス体が充填されており、また人・貨物
等を搭載可能な区画を備えているので、人や貨物等を搭
載して容易に空中へ浮揚することができる。
【0012】更に、ジンバル状に水平翼に支持され、空
間の任意の方向に向けて推進可能な推進装置と揚力を発
生可能な水平翼を備えているので、前後、上下、左右の
空間内の全方向の任意の方向にむけて船体を移動するこ
とができる。しかも、その方向変換を推進装置によって
行なうので迅速に方向変換移動を行なうことができ
る。
【0013】また、空気より比重の小さいガス体は気室
をなす中胴と同中胴の左右に間隔をおいて配置された1
対の気室をなす外胴に充填されており、かつ、中胴の両
側においてジンバル状に水平翼に支持された左右の推進
装置を備えているので、中胴の両側にガス体による浮力
及び推進装置による推進力が発生し空間内の任意の方向
へ安定した飛行が可能である。
【0014】更に、左右の推進装置は側方より見て船体
の重心と空力中心との間に配置されているので、飛行船
の上昇時においては、上昇力の生ずる推進装置を通る鉛
直線に対して重心に作用する重力のモーメント(下向
き)と空力中心に作用する空気力のモーメント(下向
き)とは相殺し合い、飛行船は前後方向に格別の傾きを
生ずることがなく、船体の安定した飛行を行なうことが
でき、かつ、乗員に不快感を与えることがない。
【0015】また更に、前記のように水平翼をデルタ翼
とした場合には、翼面積を大きくして揚力を増大するこ
とができて安定した飛行を可能にし、かつ、強度を十分
にとることができて外胴と推進装置とを確実に支持する
ことができる。
【0016】
【実施例】本発明の一実施例を図1〜図4により説明す
る。図1は本実施例の全方向推進型飛行船を前方から俯
瞰した斜視図、図2は上記実施例の正面図、図3は図1
左側の推進装置6の拡大図、図4は図3のジンバル9の
内枠10と外枠11の動きの関係を、外枠11を水平翼
3に沿って静止した状態で内枠10のみ動かして示した
模式的斜視図で、(a)は内枠10が外枠11に垂直、
即ちプロペラ7が水平飛行の向きでかつ、飛行船の向き
と一致した状態を、(b)は内枠10が外枠11に沿っ
た状態を、(c)は内枠10が外枠11に斜傾した状態
をそれぞれ示す図である。
【0017】図1及び図2において、1は飛行抵抗が小
さくなるよう飛行方向に沿い涙滴をなして設けられた
中胴で、内部は適宜の軽量骨格で構成され、後述する水
平翼3、キャビン14等と所要の接続をなし、外皮は耐
候・耐油性のゴム系塗布剤で気密処理を施されたプラス
チック繊維布で空気より比重の小さいガス体であるヘリ
ウムガスを充填する気室をなしている。なお、金属貫通
部等には所要のシールが施され、ガスの漏洩を遮断して
いる。
【0018】2は中胴1の左右に適切な間隔をおいて配
置さ空気より比重の小さいガス体であるヘリウムガス
を充填する気室をなす1対の外胴で、その大きさは中胴
1より小さいものの、形状、構成は中胴1とほぼ相似形
の涙滴で内部は水平翼3と連続する軽量骨格を有し、
外皮は中胴1と同材質である。但し、中胴1と同圧のヘ
リウムガスを用いるため、その直径に依存することとな
る外皮の引張強度は中胴1より小さいので、重量軽減の
ため、中胴1より、やや厚さの薄い外皮が用いられてい
る。
【0019】3は中胴1と外胴2とを連結すると共に前
進飛行時の揚力の発生用に設けられた水平翼で、勿論、
ロール安定にも寄与する。水平翼3としては、揚力増大
と強度を十分にする目的からデルタ翼を採用し、かつ、
前後に比較的広幅(コードの大きい)ものを用いてい
る。水平翼3の飛行方向に沿ったいわゆる翼断面は一般
的な翼型をなし、前進飛行時にはベルヌーイ則に従っ
て、上面を流れる気流が高速低圧、下面を流れる気流が
低速高圧(一般圧)となるよう構成され、軽金属の複数
の翼型リブを高力アルミの薄板(外皮)で被って所要の
リベット締結を施されている。4は水平翼3の後部の左
右に垂直に立設された垂直尾翼、5は水平翼3の後縁に
設けられた昇降舵である。6は船体全体の重心とその後
方に設定された空力中心との間を通る左右直線上の水平
翼3面に貫通して設けられた穴に装備された左右2基の
推進装置で、その作用の理解を容易にするため図1
図2では左舷のプロペラ7は飛行方向に、右舷のプロ
ペラ7は上方に向いた状態で示してある。
【0020】図3は推進装置6の模式的詳細図で、図1
の左舷の状態をほぼそのまま拡大した姿勢で示してあ
る。推進装置6は空間の全方向に向くことができるよう
プロペラ7とそのエンジン8がジンバル9によって支持
されている。即ち、図3において7はプロペラ、8はプ
ロペラ7を回転駆動するためのエンジン、9はジンバル
で内枠10と外枠11とが中心を通る直交軸で互い違い
に回転可能に支持されてなっている。10はその中心に
桁13によってプロペラ7とエンジン8を支持し、自か
らは飛行方向に直交する向きに、左右2個の内軸10a
によって回転可能に外枠11に枢支された内枠、10a
は内枠10を外枠11に枢支する内軸で、図3では内枠
10に隠れているが桁13の向う側にも設けられてい
る。11はその外側に水平に突設された前後2個の外軸
11aによって回転可能に水平翼3側に枢支され、内側
には記の通り内軸10aによって内枠10を枢支して
いる。即ち、プロペラ7とエンジン8はジャイロコンパ
スのコンパスの如く船体の向きや傾きに拘束されない構
成で水平翼3に支持されている。11aは外枠11を船
体側、即ち水平翼3に枢支する外軸、13は円環状の内
枠10内にその円の中心を通って渡され、両端を内枠1
0に固定されると共にプロペラ7とエンジン8を回転可
能にその中央に固定する桁である。
【0021】なお、図示を省略してあるが、内軸10a
は外枠11に固設した微速強トルクの非可逆式サーボモ
ータの軸に直結しており、パイロットの操縦(制御)に
よって内軸10aは任意の角度回転・停止するが、プロ
ペラ7等をも含めた内枠10側からの反トルクでは回転
しないようになっている。同様に外軸11aも水平翼3
側に固設した非可逆式サーボモータの軸に直結してい
る。従って、図1では外枠11に固設した非可逆式サー
ボモータが通り抜ける切欠が水平翼3に現われることに
なるが煩雑を避けるため、図示を省略してある。また
内軸10aと外軸11aの各非可逆式サーボモータは連
動制御となっており、たとえば前方に向いているプロペ
ラ7(図3の状態)を水平面内で左前方45°にむける
ためには外軸11aを90°回転して外枠11を垂直に
すると同時に内軸10aを45°回転する必要がある
が、これは操縦桿の一元操作で同時に果たされるように
なっている。また、コンピュータと、対気速度、風向そ
の他の外囲条件を検知する諸センサが付設されており、
たとえば重心と空力中心の距離差による横風の利き等、
外乱を補正できるようになっており、従って、同じ水平
前方45°の向きに操縦しても、そのときどきの船体の
姿勢、偏風、その風速等によって内軸10aと外軸11
aの各非可逆式サーボモータの回転割合は相違すること
になる。
【0022】14は人の乗るキャビン、15は陸上移動
用の車輪である。キャビン14に隣接してその前側には
操縦室が設けられ、かつ、乗客やパイロットに万一の場
合でも危険の及ばない区画に高圧のヘリウムタンクと高
圧ガスポンプとその他所要の設備が設けられている。飛
行に移る前にはヘリウムタンクから中胴1と外胴2とに
ヘリウムガスを配管を通じて送り、中胴1、外胴2を膨
満させて浮力を自重に近づけ、また、逆に着陸後は中胴
1と外胴2のヘリウムガスを高圧ガスポンプでヘリウム
タンクへ高圧充填する。
【0023】中胴1及び外胴2の膨満圧は外皮を展脹さ
せるに足る程度の、大気圧に等しいかそれより所要圧高
い範囲に留まり、ヘリウムタンク内の圧力は中胴1、外
胴2から回収した大容量のヘリウムガスを小容積内に貯
蔵するのであるから当然に高圧となっている。但し、中
胴1、外胴2内のすべてのヘリウムガスをヘリウムタン
クに収容する必要はなく、浮力が船体の重量を十分に下
まわり、かつ、外皮に引張り疲労やクリープを与えず、
かつ大気圧より高くてヘリウムガスの微漏洩を招くこと
のない程度であればよい。
【0024】次に記構成をもつ本実施例の作用につい
て説明する。
【0025】離陸するには先ず、中胴1、外胴2にヘリ
ウムガスをヘリウムタンクから充填し、浮力が船体重量
に近づいたところで推進装置6をパワーアップする。
【0026】常態では図1の右舷に示すように左右2基
の推進装置6のプロペラ7は上を向いているので、飛行
船はほぼ図1の姿勢で上昇してゆく。その際、推進装置
6は記の通り船体の重心(側面より見て)と空力中心
との間に装備されているので、上昇力の生じるプロペラ
7を通る鉛直線に対し、前側の重心に作用する重力のモ
ーメント(下向き)と後方の空力中心に作用する空気力
のモーメント(下向き)とは相殺し合い、飛行船は前後
方向に格別の傾きを生じない。従って、船体は安定した
飛行を行ない、かつ、乗員に不快感を与えることはな
い。
【0027】所要高度まで上昇するとプロペラ7を前方
に向け前進飛行に移る。勿論、プロペラ7を前方斜め上
にして上昇前進飛行を同時に行なってもよい。この上
昇と前進飛行を同時に行なう場合においても、上昇力の
生じるプロペラ7を通る鉛直線に対し、前方の重心に作
用する重力のモーメント(下向き)と後方の空力中心に
作用する空気力のモーメント(下向き)とは相殺し合
い、飛行船は前後方向に格別の傾きを生じることはな
い。
【0028】に旋回したい場合右舷のプロペラ
7をピッチ0にして推力を無くし左舷のプロペラ7を前
方にむけてもよいが、右舷のプロペラ7を後向きに左舷
のプロペラ7を前向きにすれば一層、迅速に旋回でき
る。左旋回の場合はこの逆操作を行なう。たとえば斜め
左下に移動したい場合は左右のプロペラ7を斜め左下に
向ける。因みにその内枠10と外枠11とは同一平面状
に重なったまま、外枠11が斜めに回転した状態になっ
ている。斜め左下後方に下降後退したい場合はこの状態
から内枠10が稍後方に回転し、プロペラ7を斜め左下
後方に向ける。
【0029】このようにして、プロペラ7は空間の全方
向に自由に向くことができ、船体もその方向に移動す
る。また、左右のプロペラ7を相互に逆に向けることに
よって旋回、ローリング及びそれらの組合わせが自由に
行なえる。その際、旋回、ローリングを除いては移動
姿勢は殆ど変らず、乗客は全く不快を感じることはな
い。
【0030】ヨーイング(旋回)、ローリング以外で
即ち、ピッチ方向で飛行船の向きを変えるには、通常の
航空機のように昇降舵5を操舵する。
【0031】垂直尾翼4は方向安定のため設けてある
が、これを水平面内で回動可能にして方向舵を兼用させ
てもよく、あるいは別に方向舵を設けてもよい。勿論、
これらの操舵と推進装置6による方向変更が併用される
ことは自由である。
【0032】揚力増大と強度上の理由から前後に比較的
広幅の(コードの大きい)水平翼3を用いたので、自重
に対する浮力を小さくしておき、前進飛行時は水平翼3
の揚力で綜合浮力と自重をバランスさせておけば降下を
迅速に行なえること、中胴1外胴2へのヘリウムガス
の給排量を小さくでき、飛行準備が能率化すること等の
利点があるものの、縦の移動やローリングには大きな翼
面積が抵抗体となる不利もあるので、たとえば、乗客に
曲芸飛行等の体験飛行をさせる目的の飛行船の場合は推
進装置6の性能を十分に発揮させるため、水平翼3を
較的小さくするのもよい。それらの選択は自由である。
【0033】また、縦の方向変更を迅速に行なわせる目
的と、地上における自重/浮力を大きくして安定係留を
図る目的とから、船体中央下部、たとえばキャビン14
の底もしくは可及的に縦のモーメント変化を大きくする
ため中胴1下部の前後に海水、池水その他の水を自動的
に給排でき、かつ前後のタンク間で相互に水をやりとり
できる水バラストタンクを設けてもよい。
【0034】これにより、たとえば飛行船を頭上げした
い場合は前のタンクから後のタンクに水を移し、プロペ
ラ7の位置より重心を(空力中心は既に後にある)後に
移してプロペラ7を上に向ければ、昇上力線(鉛直線)
に対し、重心、空力中心、の両モーメントは下向きとな
って船体は頭上げとなる。頭下げの場合はこの逆の操作
を行なう。
【0035】地上係留の場合は前後の両タンクを満杯に
して係留する。水の給排にはポンプ、配管、所要の弁、
ホース等、船体に装備した給排手段を用いてもよく、或
は飛行船の発着地点に予め備えた地上設備を用いてもよ
い。
【0036】あるいはまた、縦の方向変更用に前後に2
個所の推進装置を設け、相互のプロペラピッチを逆にし
て、或はプロペラの向を逆にして、或はプロペラの向き
の逆の仕方に傾きを設け、垂直分力を加減するようにし
て縦の制御を行なってもよい。
【0037】昇時、プロペラ7の上向き推力線に対し
て重心のモーメントと空力中心のモーメントが相殺し合
う範囲は、そのときどきの状態によって変わる。即ち搭
載重量が変れば、当然に作用力が変わり、かつ、重心と
上向き推力点(上昇力点)を通る鉛直線間の距離の変化
もあり得るところから重心に作用する重力のモーメント
が変わり、上昇速度が変われば空力中心に作用する空気
のモーメントも変るところから、上記相殺範囲が変
ることとなる。そのような場合は上述の水バラストを
調整して、もしくは前後の推進装置の向き、又はプロペ
ラピッチを調整して姿勢制御を行なえばよい。
【0038】なお、中胴1、外胴2の外皮をプラスチッ
ク繊維以外の材料に、また水平翼3の外板を高力アルミ
でなく別の軽金属材料、有機質外皮とすることも、更に
それらを気密にしてヘリウムガス等を充填することも自
由である。
【0039】以上の通り、本実施例によれば、飛行船を
空間の全方向に移動できることは勿論、ヨー、ピッチ、
ロール制御も行なうことができるので、いわゆるピンポ
イント離着陸をきわめて容易に行なうことができ、ま
た、横風等があっても推進装置6プロペラ7の向き
を、その横風の力と相殺し合う向きにして、恰も無風状
態下の如く離着陸でき、僻地の狭隘地点、離島等との人
や貨物の大量搬入、搬出を容易に日常化できるという利
点がある。
【0040】また、大空で、上昇、下降、横滑り、後
退、逆転、旋回、錐揉み、その他、あらゆる姿勢、動作
安定した飛行が可能で、遊覧飛行の分野に革新的ジャ
ンルを展くことができるという利点がある。
【0041】また、救助活動等の際、本実施例の飛行船
によれば、ヘリコプタのようにロータによる強い吹き下
しがないので空中に停止したまま疲弊した遭難者を平穏
に救助できるという利点がある。
【0042】また、滑走路を必要とせず、かつ、離発着
が容易なので従来の航空機やヘリコプタに代わり、僻地
間の、或は都会と僻地間の、或は島嶼間の人の移動、物
流に容易に寄与できるという利点がある。
【0043】従って我が国のように平坦地が少なくて広
い道路が作れず、また長い滑走路を必要とする空港を作
れず、海峡や湾に阻まれてバイパスを作れない山岳国
家、島嶼国家にあっては、本実施例の飛行船は最適の大
量物流促進手段となり、通信情報、食文化、人の交流を
も含め、中央と地方との隔差を一挙に短縮する有力な利
器たり得る利点がある。
【0044】
【発明の効果】本発明は、前記のように構成されるので
次の効果を有する。
【0045】即ち、本発明によれば、人や貨物を搭載し
て空間の任意の方向に飛行できるので狭隘な地点に大量
の人や貨物を容易に搬入搬出することができる。また、
空中の一点にも容易に留まることができ、かつ、ヘリコ
プタのような吹き下しがないので、多勢の遭難者を静穏
に救出することができる。更に、横風等に対し、容易に
風力バランスをとることができるので風向に災いされる
ことなく離着陸を行なうことができる。
【0046】また、空間の全方向に移動できることは勿
論、急旋回、急ロールを行なうことができるので、多勢
の乗客に同時に人類未踏の曲芸体験飛行を提供できる。
従ってレジャー分野に大きな変化と拡大をもたらす。
【0047】しかも、本発明においては、空気より比重
の小さいガス体を充填する中胴の左右両側に同じく空気
より比重の小さいガス体を充填する1対の外胴を設け、
これらの中胴と外胴を水平翼で連結し、かつ、中胴の両
側において推進装置を水平翼にジンバル状に支持してい
るので、中胴の両側にガス体による浮力及び推進装置に
よる推進力が発生し飛行船は任意の方向へ安定した飛行
を行なうことができる。かつ、前記推進装置は、側方よ
り見て船体の重心と空力中心との間に配置されているの
で、飛行船の上昇時に、上昇力の生ずる推進装置を通る
鉛直線に対して重心に作用するモーメント(下向き)と
空力中心に作用する空気力のモーメント(下向き)とが
相殺し合い、飛行船の前後方向の傾きの発生を防止し、
安定した飛行が可能になると共に乗船に不快感を与える
ことがない。
【0048】また更に、水平翼をデルタ翼としたものに
あっては、水平翼の翼面積を大きくして揚力を増大する
ことができて安定した飛行を可能にし、かつ、強度を十
分にとることができて外胴と推進装置を確実に支持する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全方向推進型飛行船の斜視
図、
【図2】上記実施例の正面図、
【図3】図1の左舷の推進装置6の模式的拡大図、
【図4】図3のジンバル9の内枠と外枠の動きの関係を
示す斜視図で(a)は内枠が外枠に垂直状態(プロペラ
は水平先方向き)の図、(b)は内枠が外枠に沿った状
態の図、(c)は内枠が外枠に対し、傾斜した状態の図
である。
【符号の説明】
1 中胴(気室) 2 外胴(気室) 3 水平翼 4 垂直尾翼 5 昇降舵 6 推進装置 7 プロペラ 8 エンジン 9 ジンバル 10 内枠 10a 内軸 11 外枠 11a 外軸 13 桁 14 キャビン 15 車輪
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B64B 1/24 - 1/38

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス体を密封可能な気室をなす中胴、ガ
    ス体を密封可能な気室をなし前記中胴の左右に間隔をお
    いて配置された1対の外胴、前記中胴と外胴の気室内に
    充填された空気より比重の小さいガス体、前記中胴と外
    胴とを連結すると共に揚力を発生可能な水平翼、前記中
    胴の両側において前記水平翼にジンバル状に支持されて
    空間の任意の方向に向けて推進可能な左右の推進装置、
    及び人・貨物等を搭載可能な区画とを備え、前記左右の
    推進装置は側方より見て船体の重心と空力中心との間に
    配置されていることを特徴とする全方向推進型飛行船。
  2. 【請求項2】 水平翼はデルタ翼であることを特徴とす
    る請求項1に記載の全方向推進型飛行船。
JP22144692A 1992-08-20 1992-08-20 全方向推進型飛行船 Expired - Fee Related JP3468783B2 (ja)

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US08/108,505 US5383627A (en) 1992-08-20 1993-08-18 Omnidirectional propelling type airship

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