JP4461635B2 - 記録媒体認識方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状記録媒体のデータ領域の記録状態を認識する記録媒体認識方法及び装置に関し、詳しくは、ディスク状記録媒体の所定の領域からデータを検出できるかどうかによりディスク状記録媒体のデータ領域の記録状態を認識する記録媒体認識方法及び装置。
【0002】
【従来の技術】
ソニー株式会社とフィリップス株式会社は、1980年のCD−DA(Compact Disk Digital Audio)に次いで、1983年にCD−ROM(CD Read Only Memory)を発表した。CD−ROMには、記憶容量が大きく、非接触でデータが読み出されるため摩耗及び損傷等がない利点がある。また、CD−ROMには、接触型の磁気テープ等の記録媒体と比べて、ヘッドクラッシュを起こすことがない利点もある。このようにCD−ROMは、他のメディアと比べて優れた光ディスクである。
【0003】
ここで、CD−DAの規格書であるRed Bookについて述べる。Red Bookでは、光ディスク上に「リードイン(Lead In)情報領域」、「プログラム領域(Program Area)」及び「リードアウト(Lead Out)情報領域」というセグメントが形成されることを規定している。このリードイン情報からリードアウト情報までをYellow Book(CD−ROMの規格書)では、セッションと呼んでいる。プログラム領域には、光ディスクの中でコンピュータデータ及びデジタルオーディオデータ(以下、データと呼ぶ。)が実際に含まれている。Red Bookでは、このデータを最高99のトラックに分割することが可能で、各トラックの間に約2秒のギャップを入れることを規定している。リードインには、トラックのインデックス情報であるTOC(Table Of Contents)が含まれている。
【0004】
CDに関するすべての仕様では、データをセクタという単位に区切ってディスク上に配置するように決められている。1セクタのサイズは、2352bytesである。1セクタには、2048bytesのデータ領域と、セクタのヘッダ、サブヘッダ及びエラー検出コード等が含まれている。データ領域は、論理ブロックとしても扱われるが、通常は、2048bytesのユーザー領域として扱われる。各セッション内では、各論理ブロックに一連の論理的なアドレスが付けられている。光ディスクからデータを再生する装置は、この論理ブロック番号(LBN、Logical Block Number)を使用して各セクタにアクセスする。
【0005】
近年において、データの追記録が可能な光ディスクであるCD−R(CD Recordable)及び書き換えが可能な光ディスクであるCD−RW(CD Rewritable)が登場した。CD−Rは、記録層が有機系の光反応色素膜でできており、この記録層に高温のレーザ光を照射してデータの記録が行われる光ディスクである。CD−Rは、データを記録した後、新規なデータの追記録が可能であり、また、書き換えができないライトワンス(Write Once)方式であるため、物理データ・トラックが複数のセッションに分かれている、いわゆるマルチセッション追記記録によりデータが記録される。CD−RWは、例えば、記録層がAg−In−Sb−Teの相変化材料でできており、この記録層に高温のレーザ光を照射してデータの記録が行われる光ディスクである。CD−RWは、具体的には、結晶質と非結晶質との物理的移転である相変化反応によりデータが記録されている。
【0006】
また、CD−ROM等の光ディスクでは、ディスクの内側から外側に向けて、連続的に螺旋状(スパイラル)にデータが記録される。このような記録方法をシーケンシャルライト方法と呼ぶ。シーケンシャルライト方法には、DAO(Disk At Once)、TAO(Track At Once)及びパケットライトがある。DAOは、ディスク一枚分のデータを一気に記録し、後でデータの追記録が不可能な記録方法である。TAOは、トラック単位でデータを記録し、後でデータの追記録が可能な記録方法である。パケットライトは、TAOのトラックより更に小さな単位でデータを記録することができ、後でデータの追記録が可能な記録方法である。TAOは、上述のRed Bookの規定により最大99トラックまでしか記録できないが、パケットライトは、パケット数に制限がなく、使用上扱いやすい記録方法である。上述したシーケンシャルライト方式は、例えば、CD−Rにデータを記録する際の記録方式である。
【0007】
また、ディスク全体に離散的にデータを記録するランダムライト方式いう記録方法がある。ランダムライト方式は、パケット毎にデータの書込みと消去とを可能にする記録方法である。ランダムライト方式によるデータの記録では、シーケンシャルライト方式によるデータの記録とは異なり、データを記録する際に使用する記録用ソフト、いわゆるライティングソフトを不要とする利点がある。一般的には、CD−RWにデータを記録する際には、ランダムライト方式が採用されるが、シーケンシャルライト方式を採用してもよい。
【0008】
CD−R及びCD−RWの再生及び/又は記録に関わる規格として、OSTA(Optical Storage Technology Association)は、上述のランダムライト方式でデータの記録を可能とするUDF(Universal Disk Format)ファイルシステムを策定した。
【0009】
ここで、UDFについて説明する。UDFに準拠した光ディスクは、CD−R/RW Official Guide Book(オレンジフォーラム著、(株)エクシード・プレス発行)に記載されているとおり、データの書き込みを行う際、パケットライティングを使用している。パケットライティングに使われるパケットには、固定長と可変長の2つのタイプがある。データが、例えば、CD−Rに書かれるとき、1つのパケットに対して、1つのリンクブロックと、4つのランインブロックと、1つのデータと、2つのランアウトブロックとの4つの異なるタイプの情報が連続してCD−R上に記録される。また、固定長と可変長のパケットの違いは、データセグメント部が固定サイズか、可変サイズかという点での相違である。
【0010】
UDFでは、ディレクトリ及びファイルの管理情報を実際の記録位置として直接管理する代わりに、ファイル識別子(FID、File Identifier Descriptor)、仮想割り当てテーブル(VAT、Virtual Allocation Table)、ファイルエントリICB(File Entry Information Control Block)等を用いて間接的に管理している。
【0011】
VATとは、シーケンシャルライト方式の光ディスクを仮想的にランダムリードライト方式の光ディスクのごとくに扱う技術であり、ファイルが実際に記録されている論理アドレスと、上記論理アドレスに対応する仮想アドレスとを対応テーブルとして管理するものである。
【0012】
従って、UDFのファイルシステムでは、間接的にディレクトリ及びファイルの位置情報を参照している。VATの位置は、パケット構造の中で自由に配置できるが、VATを指し示している仮想割り当てテーブルICB(VAT ICB)は、光ディスク上に記録されている最終セクタからリンキングエリア(Linking Area)分だけ戻ったところに必ず配置されるように決められている。リンキングエリアとは、隣接パケット間の7ブロックの接合領域のことである。
【0013】
UDFに準拠したファイルシステムでは、ディスクの最終アドレス位置からリンキングエリアとして用意されている7ブロック分だけ戻った位置に、必ず最新のVAT ICBが記述されている。そのためUDFでは、まず最初に、このVAT ICBが指し示すVATを読み込むことによって、仮想アドレスを実アドレスに変換することができる。
【0014】
上述のようにデータを記録するファイルシステムの規格に基づいて、データ記録再生装置は、光ディスクの所定の場所からデータの記録を始める。したがって、光ディスクの所定の場所からデータを検出した場合には、データ記録再生装置は、上記光ディスクをデータ記録済みディスクと認識する。また、光ディスクの所定の場所からデータが検出できなかった場合には、データ記録再生装置は、上記光ディスクをデータ全消去済みディスクと認識する。
【0015】
データ記録再生装置は、上述したとおり、ランダムライト方式又はシーケンシャルライト方式の一方を採用して書き換え可能な光ディスクに対してデータの記録及び消去を行う。ランダムライト方式を採用した場合には、データ記録再生装置は、データを記録するのに、光ディスクの複数の箇所の書き換えが必要なので、データを逐次的に高速度に記録することができない。また、シーケンシャルライト方式を採用した場合には、データ記録再生装置は、データを記録するのに、光ディスクの一カ所の書き換えで済むので、データを逐次的に高速度に記録することが可能である。したがって、データ記録再生装置は、データを逐次的に高速度に記録する場合には、シーケンシャルライト方式を採用する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
一方、シーケンシャルライト方式を採用したデータ記録再生装置は、データを消去する際、ディスク全周に渡ってデータ領域の最内周から最外周まで一気にシーケンシャルにデータの全消去を行う必要がある。このディスク全周に渡るデータの全消去には、多くの時間を要するので、データの全消去をしている最中に停電等により電源の供給が遮断されることがある。上述のようなことが起こると、光ディスクは、データ領域の最内周からある領域まではデータが消去され、ある領域から以降のデータが消去されずにそのまま残存した状態になる。上記光ディスクをデータの全消去が中断されたデータ全消去中断ディスクと呼ぶ。従来のデータ記録再生装置では、上記データ全消去中断ディスクをデータ全消去済みディスクであると認識することがある。
【0017】
実際はデータ全消去中断ディスクであるのにデータ全消去済みディスクと認識された光ディスクは、データ記録再生装置により通常のデータ記録が行われる。データ記録再生装置は、上記光ディスクに新規データをシーケンシャルに記録し、上記新規データに対応した新規管理情報を記録する。このとき上記光ディスクに新管理情報より外周側に旧管理情報が残存している場合、以下の問題が生じる。
【0018】
データ記録再生装置は、上記光ディスクの所定の場所からデータを検出するのでデータ記録済みディスクであると認識する。そして、データ記録再生装置は、上記光ディスクのデータ領域の最外側に記録されている旧管理情報を読み出す。したがって、データ記録再生装置は、旧管理情報よりも内周側にある新規管理情報を読み出せないので、新規データを再生することができない問題が生じる。
【0019】
また、従来のデータ記録再生装置により光ディスクがデータ全消去中断ディスクであるかどうかを確認するには、ディスク全周に渡って検査をしなればならず、多くの時間を要する問題がある。
【0020】
そこで、本発明は、上述したような実情に鑑みて提案されたものであり、所定のデータ領域にデータがあるかどうかによりディスク状記録媒体のデータ領域の記録状態を短時間で認識することを可能とする記録媒体認識方法及び装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る記録媒体の認識方法は、上述の課題を解決するために、データの書き換えが可能なディスク状記録媒体に形成されているデータ領域の最内周の領域であるPMAにデータがあるかどうかを検出する第1のデータ検出ステップと、上記第1のデータ検出ステップで上記PMAにデータがあることを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体をデータが記録済みのデータ記録済みディスクであると認識する第1のディスク識別ステップと、上記PMAにデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているリードイン情報領域にデータがあるかどうかを検出する第2のデータ検出ステップと、上記第2のデータ検出ステップで上記リードイン情報領域にデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第2のディスク識別ステップと、上記第2のデータ検出ステップで上記リードイン情報領域にデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているプログラム領域のLBAにデータがあるかどうかを検出する第3のデータ検出ステップと、上記第3のデータ検出ステップで、プログラム領域のLBAにデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第3のディスク識別ステップと、上記第3のデータ検出ステップで、上記プログラム領域のLBAにデータがないことを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が完了した消去済みディスクであると認識する第4のディスク識別ステップとを含むことを特徴とする。
【0024】
本発明に係る記録媒体認識装置は、上述の課題を解決するために、データの書き換えが可能なディスク状記録媒体に形成されているデータ領域の最内周の領域であるPMAにデータがあるかどうかを検出する第1のデータ検出手段と、上記第1のデータ検出手段により上記PMAにデータがあることを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体をデータが記録済みのデータ記録済みディスクであると認識する第1のディスク識別手段と、上記第1のデータ検出手段により上記PMAにデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているリードイン情報領域にデータがあるかどうかを検出する第2のデータ検出手段と、上記第2のデータ検出手段により上記リードイン情報領域にデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第2のディスク識別手段と、上記第2のデータ検出手段により上記リードイン情報領域にデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているプログラム領域のLBAにデータがあるかどうかを検出する第3のデータ検出手段と、上記第3のデータ検出手段により上記プログラム領域のLBAにデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第3のディスク識別手段と、上記第3のデータ検出手段により上記プログラム領域のLBAにデータがないことを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が完了した消去済みディスクであると認識する第4のディスク識別手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】
本発明は、例えば図1に示すようなデータ記録再生装置1に適用される。
【0027】
データ記録再生装置1は、OP(Optical Pickup)10と、RF IC11と、DSP12と、スピンドルドライバ13と、スレッドドライバ14と、フォーカスドライバ15と、トラッキングドライバ16と、スピンドルモータ17と、スレッドモータ18と、CPU(Central Processing Unit)19と、フラッシュROM20と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)21と、カメラシステム部22とを備え、光ディスク23に対してデータの記録、再生及び消去を行う。また、DSP12と、CPU19と、フラッシュROM20と、カメラシステム部22とは、バスAを介して相互に信号の送信又は/及び受信を行う。RF IC11とカメラシステム部22とはバスBを介して相互に信号の送信又は/及び受信を行う。バスAは、メインバスであり、バスBは、シリアルバスである。
【0028】
OP部10は、RF IC11と、DSP12と、フォーカスドライバ15と、トラッキングドライバ16とに接続されている。OP部10は、対物レンズと、レーザダイオードと、レーザダイオードドライバ(LD Driver)と、フォトディテクトIC(PDIC)と、ハーフミラー等を備えており、光信号を検出してRF IC11に供給する。また、OP部10は、光ディスク23にデータを記録する際、ピット形成に必要なレーザの点滅・駆動信号及びレーザ強度と明滅の最適値を示すライトストラテジ信号等がDSP12により供給される。また、OP部10は、フォーカスドライバ15及びトラッキングドライバ16により制御される。
【0029】
RF IC11は、DSPとカメラシステム部22とに接続されている。RF IC11は、OP部10から検出されたビームシグナル、サイド及びメインからなる8系統の信号を、サンプリング及びホールド等の演算処理を行い、8系統の信号のうち所定の信号からフォーカスエラー(FE、Focus Error)信号、トラッキングエラー(TE、Tracking Error)信号、ミラー(MIRR、Mirror)信号、ATIP(Absolute Time In Pregroove)信号及び読み出しメイン信号等の信号を生成する。ATIP信号は、データ記録時のアドレス情報、記録時の回転サーボ用の同期信号、各種制御信号として使用される。RF IC11は、生成した信号のうち、FMDT(Frequency Modulation Data)信号、FMCK(Frequency Modulation Clock)信号、FE信号及びTE信号をDSP12に供給し、試し書きにより検出したレーザ強度の最適値(OPC、Optical Power Calibration)信号及びレーザ点滅・駆動信号をDSP12に供給する。
【0030】
DSP12は、スピンドルドライバ13と、スレッドドライバ14と、フォーカスドライバ15と、トラッキングドライバ16とに接続されており、CPU19により制御されている。DSP12は、RF IC11からFMDT信号、FMCK信号、TE信号及びFE信号が入力され、CPU19により制御されて各種のサーボを制御するサーボ制御信号を生成する。DSP12は、生成したサーボ制御信号からアナログ信号を生成し、上記アナログ信号をスピンドルドライバ13、スレッドドライバ14、フォーカスドライバ15及びトラッキングドライバ16に供給する。
【0031】
また、DSP12は、RF IC11からOPCが供給され、CIRC(Cross Interleaved Reed-Solomon Code)デコード及びエンコード、ライトストラテジ及びADDrデコード等の処理を行う。DSP12は、光ディスク23にデータの記録を行う際、レーザの点滅・駆動信号及びレーザ強度の最適値を示す信号をOP部10に供給する。
【0032】
スピンドルドライバ13は、スピンドルモータ17に接続されており、DSP12から供給される信号に基づいてスピンドルモータ17の回転を制御する。スレッドドライバ14は、スレッドモータ18に接続されており、DSP12から供給される信号に基づいてスレッドモータ18のスレッド動作を制御する。フォーカスドライバ15は、DSP12から供給される信号に基づき、OP部10を光ディスク23に対して垂直方向に移動させ、ビームの焦点位置を制御する。トラッキングドライバ16は、DSP12から供給される信号に基づいてOP部10を揺動し、光ディスク23に照射されるビームスポットの位置を制御する。
【0033】
スピンドルモータ17は、スピンドルドライバ13から供給される信号に基づいて光ディスク23を回転する。スレッドモータ18は、スレッドドライバ14から供給される信号に基づいてOP部10のスレッド動作を行う。
【0034】
CPU19は、バスAを介して、DSP12と、画像信号演算処理部18とを制御する。フラッシュROM20には、光ディスク23に記録されているデータの処理を行うためのプログラムが格納されている。EEPROM21には、OP部10等の調整データが格納されている。
【0035】
カメラシステム部22は、図示しない撮影部及び画像信号演算処理部等を備えている。撮影部は、被写体を取り込むレンズ部と、CCDと、S/H回路部と、A/D変換器とを備えている。CCDは、レンズ部から供給された被写体の画像から画像信号を生成し、生成した画像信号をS/H回路部に供給する。S/H回路部は、上記画像信号をサンプリング及びホールド等の演算処理を行い、A/D変換器に供給する。A/D変換器は、上記画像信号をデジタル画像信号に変換し、画像信号演算処理部に供給する。画像信号演算処理部は、撮影部から供給されたデジタル画像信号に対して、RGB信号から色差・輝度信号への色基準形変換、ホワイトバランス、ガンマ補正及び縮小画像処理等の画像処理を行う。処理されたデジタル画像信号はモニタに供給され、表示される。
【0036】
光ディスク23は、データの記録、再生、消去及び追記録される書き換え可能なCD−RW等の記録媒体である。光ディスク23には、図2(a)に示すとおり、PMA(Program Management Area)、リードイン情報領域、プログラム領域及びリードアウト情報領域がデータ領域にセッション化されている。
【0037】
上述のようにデータ記録再生装置1によりデータが記録されている光ディスク23のデータを全消去するディスク全消去処理について以下に述べる。
【0038】
データ記録再生装置1は、光ディスク23のデータ領域の内側から外側に向けて、連続的に螺旋状(スパイラル)にデータを記録するシーケンシャルライト方式を採用する。データ記録再生装置1は、図2(b)に示すとおり、光ディスク23のプログラム領域の所定の場所からデータを記録し始め、上記データのインデックス情報であるTOC(Table Of Contents)をPMAに記録する。上記所定の場所は、例えばLBA(Logical Blank Address)512とする。なお、PMAに記録されるTOCは、暫定TOCであり、光ディスク23にファイナライズ処理を施した際、上記暫定TOCを正式のTOCとしてリードイン情報領域に書き込む。
【0039】
ここで、ファイナライズ処理について説明する。データがUDFファイルフォーマットで記録されている光ディスクのデータは、一般的なパーソナルコンピュータ(PC、Personal Computer)で再生をすることができない。それは、PCが、UDFファイルフォーマットをサポートしていないためである。そこで、UDFファイルフォーマットされている光ディスクをPCで再生できるようにするために、PCがサポートしているISO 9660等のファイルフォーマットに光ディスクのファイルフォーマットを変換する必要がある。この変換作業をファイナライズ処理という。
【0040】
したがって、光ディスク23は、データ記録再生装置1によりデータが記録され、ファイナライズ処理が施されなければ、図2(b)に示すとおり、PMAとプログラム領域のLBA512以降の領域にデータが記録され、ファイナライズ処理が施されれば、図2(c)に示すとおり、PMA、リードイン情報領域、プログラム領域のLBA512以降の領域及びリードアウト情報領域にデータが記録される。なお、リードアウト情報領域に記録されるデータは、プログラム領域に記録されるデータの最後に記録されるようにしてもよい。この場合は、データ領域にリードアウト情報領域を形成しないこととする。
【0041】
上述のようにデータ記録再生装置1によりデータが記録されている光ディスク23のデータを全消去するディスク全消去処理について図3のフローチャートを用いて以下に述べる。
【0042】
ステップST1において、データ記録再生装置1は、光ディスク23のデータ領域の最内周の領域であるPMAからプログラム領域のLBA512の直前のLBAであるLBA511の領域までのデータを消去する。
【0043】
ステップST2において、データ記録再生装置1は、光ディスク23のプログラム領域のLBA529の領域からデータ領域の最外周の領域までのデータを消去する。
【0044】
ステップST3において、データ記録再生装置1は、LBA512の領域からLBA528の領域までのデータを消去する。
【0045】
なお、本例のデータ記録再生装置1に採用されているUDFファイルフォーマットでは、LBA512を記録開始アドレスとし、LBA512から外周に向かってデータをシーケンシャルに記録することとしている。本例では、上述のUDFファイルフォーマットに応じて、ステップST1におけるデータの消去範囲をPMAからLBA511の領域までとし、ステップST3におけるデータの消去開始位置をLBA512の領域とした。ステップST1のデータの消去範囲とステップST3のデータの消去開始位置は、本例に限定されることなく、UDFファイルーマットにより規定される記録開始アドレスに依存することとする。また、ステップST2におけるデータの消去開始位置のLBA及び、ステップST3におけるデータの消去終了位置のLBAは、データの長さが最短の場合のデータ記録範囲の終了位置のLBAであれば、本例以外のLBAでもよいこととする。
【0046】
次に、上述のディスク全消去処理によりデータの消去を行った光ディスク23のデータ領域の記録状態を認識するディスク認識処理について図4のフローチャートを用いて以下に述べる。
【0047】
ステップST4において、データ記録再生装置1は、光ディスク23のPMAからデータの検出を行う。光ディスク23のPMAからデータを検出できた場合、ステップST5に進み、光ディスク23のPMAからデータを検出できなかった場合、ステップST6に進む。
【0048】
ステップST5において、データ記録再生装置1は、光ディスク23をデータが記録されているデータ記録済みディスクであると認識する。なお、データ記録済みディスクは、例えば図5(a)に示すとおり、データ領域にデータが記録されている状態である。
【0049】
ステップST6において、データ記録再生装置1は、光ディスク23のリードイン情報領域からデータの検出を行う。光ディスク23のリードイン情報領域からデータを検出できた場合、ステップST8に進み、光ディスク23のリードイン情報領域からデータを検出できなかった場合、ステップST7に進む。
【0050】
ステップST7において、データ記録再生装置1は、光ディスク23のプログラム領域のLBA512からデータの検出を行う。光ディスク23のプログラム領域のLBA512からデータの検出ができた場合、ステップST8に進み、光ディスク23のプログラム領域のLBA512からデータの検出ができなかった場合、ステップST9に進む。
【0051】
ステップST8において、データ記録再生装置1は、光ディスク23をデータの全消去が中断されたデータ全消去中断ディスクであると認識する。なお、データ全消去中断ディスクは、例えば図5(b)に示すとおり、データの全消去が中断された状態である。
【0052】
ステップST9において、データ記録再生装置1は、光ディスク23をデータの全消去が完了したデータ全消去済みディスクであると認識する。なお、データ全消去中断ディスクは、例えば図5(c)に示すとおり、データが全消去された状態である。
【0053】
データ記録再生装置1は、ステップST8により光ディスク23がデータ全消去中断ディスクであると認識した場合、自動的にデータの全消去処理を行ってもよい。
【0054】
このように構成されたデータ記録再生装置1は、光ディスク23に記録されているデータを消去する際、プログラム領域のLBA512からLBA528までの領域を残し、LBA512より内周側のデータを消去し、次にLBA528より外周側のデータを消去して、最後にLBA512からLBA528を消去するデータ全消去処理を行うことができる。
【0055】
また、データ記録再生装置1は、光ディスク23のデータ領域にあるPMA、リードイン情報領域及びプログラム領域のLBA512からデータの検出を行えるかどうかにより上記光ディスク23のデータ領域の記録状態を認識できるので、上述のデータ全消去処理が途中で中断されたディスクをデータ全消去中断ディスクであると短時間で認識することができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明に係るデータ消去方法は、データの書き換え可能なディスク状記録媒体のデータ領域の所定の場所より内周側のデータを消去し、上記所定の場所より外周側のデータを消去し、最後に上記所定の場所を消去して上記ディスク状記録媒体のデータの全消去を行うので、データの全消去中に停電等により電源が遮断されデータの全消去が中断されても、データの消去がどの段階で中断されたのかを認識できる消去を行うことを可能とする。
【0057】
本発明に係るデータ消去装置は、制御手段により、ディスク状記録媒体に記録されているデータをデータ領域の所定の場所より内周側を消去し、上記所定の場所より外周側を消去し、最後に所定の場所を消去する消去手段を制御するので、データの全消去中に停電等により電源が遮断されデータの全消去が中断されても、データの消去がどの段階で中断されたのかを認識できる消去を行うことを可能とする。
【0058】
本発明に係る記録媒体認識方法は、データの書き換え可能なディスク状記録媒体に形成されている第1のデータ領域と第2のデータ領域とからデータを検出することができるかどうかにより、上記ディスク状記録媒体のデータ領域の記録状態を認識するので、短時間に上記ディスク状記録媒体が、データ記録済みディスクであるか、データ全消去済みディスクであるか、データ全消去中断ディスクであるかを認識することを可能とする。
【0059】
本発明に係る記録媒体認識装置は、検出手段によりデータの書き換えが可能なディスク状記録媒体に形成されている第1のデータ領域と第2のデータ領域とからデータがあるかどうかを検出し、認識手段により上記検出手段の検出結果から上記ディスク状記録媒体のデータ領域の記録状態を認識するので、短時間に上記ディスク状記録媒体が、データ記録済みディスクであるか、データ全消去済みディスクであるか、データ全消去中断ディスクであるかを認識することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したデータ記録再生装置の構成を示す図である。
【図2】本発明を適用したデータ記録再生装置によりデータが記録される光ディスクのデータ領域の模式図である。
【図3】本発明を適用したデータ記録再生装置により光ディスクのデータ領域にあるデータの全消去処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明を適用したデータ記録再生装置により光ディスクのデータ領域の記録状態を認識するディスク認識処理を示すフローチャートである。
【図5】光ディスクのデータ領域に記録されているデータ領域の記録状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 データ記録再生装置、10 OP、11 RF IC、12 DSP、13 スピンドルドライバ、14 スレッドドライバ、15 フォーカスドライバ、16 トラッキングドライバ、17 スピンドルモータ、18 スレッドモータ、19 CPU、20 フラッシュROM、21 EEPROM、22 カメラシステム、23 光ディスク

Claims (4)

  1. データの書き換えが可能なディスク状記録媒体に形成されているデータ領域の最内周の領域であるPMAにデータがあるかどうかを検出する第1のデータ検出ステップと、
    上記第1のデータ検出ステップで上記PMAにデータがあることを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体をデータが記録済みのデータ記録済みディスクであると認識する第1のディスク識別ステップと、
    上記PMAにデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているリードイン情報領域にデータがあるかどうかを検出する第2のデータ検出ステップと、
    上記第2のデータ検出ステップで上記リードイン情報領域にデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第2のディスク識別ステップと、
    上記第2のデータ検出ステップで上記リードイン情報領域にデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているプログラム領域のLBAにデータがあるかどうかを検出する第3のデータ検出ステップと、
    上記第3のデータ検出ステップで、プログラム領域のLBAにデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第3のディスク識別ステップと、
    上記第3のデータ検出ステップで、上記プログラム領域のLBAにデータがないことを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が完了した消去済みディスクであると認識する第4のディスク識別ステップと
    を含む記録媒体の認識方法。
  2. 上記第2のディスク識別ステップ又は上記第3のディスク識別ステップで、ディスク状記録媒体が、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識された場合に、上記ディスク状記録媒体に記録された書き込み済みのデータを消去するデータ消去ステップを
    更に含む請求項1に記載の記録媒体の認識方法。
  3. データの書き換えが可能なディスク状記録媒体に形成されているデータ領域の最内周の領域であるPMAにデータがあるかどうかを検出する第1のデータ検出手段と、
    上記第1のデータ検出手段により上記PMAにデータがあることを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体をデータが記録済みのデータ記録済みディスクであると認識する第1のディスク識別手段と、
    上記第1のデータ検出手段により上記PMAにデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているリードイン情報領域にデータがあるかどうかを検出する第2のデータ検出手段と、
    上記第2のデータ検出手段により上記リードイン情報領域にデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第2のディスク識別手段と、
    上記第2のデータ検出手段により上記リードイン情報領域にデータがないことを検出した場合には、上記ディスク状記録媒体に形成されているプログラム領域のLBAにデータがあるかどうかを検出する第3のデータ検出手段と、
    上記第3のデータ検出手段により上記プログラム領域のLBAにデータがあることを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識する第3のディスク識別手段と、
    上記第3のデータ検出手段により上記プログラム領域のLBAにデータがないことを検出した場合には、当該ディスク状記録媒体を、データを消去するデータ消去処理が完了した消去済みディスクであると認識する第4のディスク識別手段と
    を備える記録媒体認識装置。
  4. 上記第2のディスク識別手段又は上記第3のディスク識別手段により上記ディスク状記録媒体がデータを消去するデータ消去処理が中断された消去処理中断ディスクであると認識された場合に、上記ディスク状記録媒体に記録された書き込み済みのデータを消去するデータ消去手段を
    更に備えた請求項3に記載の記録媒体認識装置。
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