JP4460906B2 - シンクロ装置の動作制御装置 - Google Patents
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Description
本発明は、航空機などに搭載されるシンクロ装置の動作を制御する装置に関する。
単発機などの比較的軽量な航空機においては、シンクロ装置(「シンクロ」と略称することもある)と称する計器類が搭載される。近年の航空機では各計器類は電気的に接続され、システム化されている。下記特許文献1には、操船シミュレータにおけるシンクロ指示計の指針を、高価な専用コンピュータを用いることなく、なめらかに且つ近回りに変針させることを可能とする技術が開示される。
モータなどの回転機と同様に、シンクロ装置は固定子と回転子とを有し、これらの各々に巻かれた巻線間の磁気的結合により回転子を回転させるようになっている。すなわちシンクロ装置はシンクロ発信機とシンクロ受信機とを備え、発信機および受信機にそれぞれ備わる回転子が互いに電磁気的に結合される。発信機の回転子が回転すると、受信機の回転子もそれと同じように動く。受信機の回転子には指針が取り付けられ、この指針が示す数値により高度や速度などの情報が操縦者にもたらされる。
ところで、この種の装置に特有の不具合として、固着の発生がある。例えば航空機の振動や指針の引っ掛かりなどにより指針が動かなくなることがあり、このような状態を固着と呼ぶ。固着したシンクロ装置はもはやその機能を発揮することができず、システムから取り外して修理するほかは無い。既存のシンクロ装置においては、一旦固着を生じると、システムの運用下ではその状態から復帰することができないからである。
特開平5−46068号公報
以上述べたように既存のシンクロ装置には、その運用中に固着を生じたとしてもその状態から復帰するすべが無い。よって固着から復帰させるためにはシステムの運用を停止したのちシステム全体を再起動したり、または装置をシステムから外して個別に整備することが必要である。もしも航空機の飛行中に固着を生じるとシステムを再起動することもできず、固着した状態のまま飛行を継続しなければならなくなる。このような事態は非常に危険であるので、何らかの対処が要望されている。
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、運用を停止すること無くシンクロ装置を固着状態から復帰させることができ、これにより便宜の向上を図ったシンクロ装置の動作制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本願発明の一態様によれば、回転子を備え当該回転子の回転により計器情報を示すシンクロ装置の動作を制御する動作制御装置であって、前記計器情報に基づくデータ信号を生成するデータ生成手段と、前記データ信号を前記回転子を回転駆動するための駆動信号に変換して前記シンクロ装置に入力する駆動信号生成手段と、前記シンクロ装置に入力された駆動信号をデータ化してループバック信号を生成するループバック手段と、前記データ信号と前記ループバック信号とを実時間で比較してその差を検出する検出手段と、前記検出手段による比較の結果前記データ信号と前記ループバック信号との差が既定値を超える場合に、前記計器情報と異なるキックバックデータを生成し、このキックバックデータを前記駆動信号生成手段に入力するキックバック処理手段とを具備することを特徴とするシンクロ装置の動作制御装置が提供される。
このような手段を講じることにより、固着が生じると、シンクロ装置に入力される駆動信号とループバック手段によりモニタされる駆動信号との間に、例えばインピーダンス不整合による差異が生じる。そうすると、その旨がデータ信号とループバック信号との差として検出手段に検出される。この差が規定値を超えると、キックバック処理手段は固着の発生を認識し、キックバックデータを生成する。キックバックデータは計器情報と一定の差を持つデータであり、このデータが駆動信号生成手段に入力されることにより駆動信号に変換されて回転子に与えられる。そうすると、回転子は強制的にキックバック駆動され、これにより固着が開放され、例えば回転子に取り付けられた指針は再び自由に動けるようになる。しかも、上記の手順においてシステムを停止する必要が無い。これによりシンクロ装置の運用を停止すること無く固着から復帰させることが可能になる。
本発明によれば、シンクロ装置をその運用を停止すること無く固着状態から復帰させることができるようになり、これにより便宜の向上を図ったシンクロ装置の動作制御装置を提供することができる。
図1は、本発明に係わるシンクロ装置の動作制御装置の実施の形態を示す機能ブロック図である。図1において、動作制御装置としての制御ユニット10は、シンクロ装置3に電磁気的に接続して使用される。制御ユニット10およびシンクロ装置3は、いずれも航空機などに搭載して使用される。制御ユニット10は、制御部1と、ディジタル/シンクロ(D/S)変換器2と、駆動アンプ5と、シンクロ/ディジタル(S/D)変換器4とを備える。
D/S変換器2は、制御部1からディジタル形式で与えられるデータ信号を、シンクロ装置3の回転子を回転駆動するためのシンクロ信号に変換する。このシンクロ信号は駆動アンプ5などのインタフェースを介してシンクロ装置3に入力され、回転子を電磁気的に回転させる。これにより、例えば回転子に取り付けられる指針により計器情報(高度情報、速度情報、昇降率情報など)がパイロットに示される。
シンクロ装置に出力されるシンクロ信号はその一部がループバックされ、S/D変換器4に入力される。S/D変換器4はシンクロ信号をディジタルデータに変換してループバック信号を生成し、このループバック信号をシステムバス7を介して制御部1に入力する。
制御部1は例えばCPU(Central Processing Unit)を実装する基板として実現されるもので、当該CPUの演算処理を主体として実現される機能としてデータ生成部1aと、検出処理部1bと、キックバック処理部1cと、警報報知部1dとを備える。
データ生成部1aは、航空機外に設置される計測器(図示せず)などにより計測された計器情報からディジタルのデータ信号を生成し、このデータ信号をシステムバス7を介してD/S変換器2に与える。検出処理部1bは、データ生成部1aにより生成されたデータ信号と、S/D変換器4から与えられるループバック信号とをディジタル的に常時比較し、その差を実時間で検出する。
キックバック処理部1cは、検出処理部1bによる比較の結果、データ信号とループバック信号とが既定値を超えて異なっている場合に、シンクロ装置3における固着の発生を認識する。そうするとキックバック処理部1cは、計器情報と異なるキックバックデータを生成してD/S変換器2に入力する。警報報知部1dは、キックバック処理部1cにより固着の発生が認識された場合に、警報信号を発生出力する。警報信号は、外部の処理装置(図示せず)や表示ランプ6に与えられる。表示ランプ6は警報信号が与えられたことに応じて発光し、固着の発生をパイロットに報知する。
図2は、図1の制御部1により処理される制御手順を模式的に示す図である。図1のキックバック処理部1cにおいてデータ信号とループバック信号とが既定値を超えて異なっているとこれはエラーとして検出され、シンクロ装置3における固着の発生が認識される。そうすると、キックバック処理部1cは、計器情報に対して+90°および−90°だけ位相差の異なる2つのキックバックデータを生成する。すなわち、例えば計器情報が0°を示す状態(ニュートラル)にあっては、キックバック処理部1cは、シンクロ装置3の指針が+90°を示す状態に相当するキックバックデータと、−90°を示す状態に相当するキックバックデータとを順次生成してD/S変換器2に入力する。
そうするとシンクロ装置3の回転子は、その時点の指示値および計器情報に拘わらず、その時の状態から+90°および−90°だけ機械的にキックバックされる。すなわち、回転子は強制的かつダイナミックに振られ、これにより指針の引っ掛かりが外れ、固着が開放されてシンクロ装置3は復帰に至る。
このように本実施形態では、シンクロ信号をS/D変換器4にループバックしてディジタル化することによりループバック信号を生成する。このループバック信号と、D/S変換器2に与えられるデータ信号とを比較し、その差に基づいて固着の発生を認識できるようにする。そして、固着の発生を認識した場合にはシンクロ信号を強制的に回転駆動させるためのキックバックデータを生成し、このキックバックデータをD/S変換器2を介してシンクロ装置3に与えるようにしている。
このようにしたので、固着が生じた場合にはシンクロ装置3は強制的にキックバックされ、指針の引っ掛かりなどを機械的に開放することができるようになる。従って、システムを停止する必要なく固着状態を除去して、シンクロ装置3を正常な状態に復帰させることが可能になる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
1…制御部、1a…データ生成部、1b…検出処理部、1c…キックバック処理部、1d…警報報知部、2…ディジタル/シンクロ(D/S)変換器、3…シンクロ装置、4…シンクロ/ディジタル(S/D)変換器、5…駆動アンプ、6…表示ランプ、7…システムバス、10…制御ユニット
Claims (4)
- 回転子を備え当該回転子の回転により計器情報を示すシンクロ装置の動作を制御する動作制御装置であって、
前記計器情報に基づくデータ信号を生成するデータ生成手段と、
前記データ信号を前記回転子を回転駆動するための駆動信号に変換して前記シンクロ装置に入力する駆動信号生成手段と、
前記シンクロ装置に入力された駆動信号をデータ化してループバック信号を生成するループバック手段と、
前記データ信号と前記ループバック信号とを実時間で比較してその差を検出する検出手段と、
前記検出手段による比較の結果前記データ信号と前記ループバック信号との差が既定値を超える場合に、前記計器情報と異なるキックバックデータを生成し、このキックバックデータを前記駆動信号生成手段に入力するキックバック処理手段とを具備することを特徴とするシンクロ装置の動作制御装置。 - 前記キックバックデータは、前記計器情報に対して前記回転子における+90°または−90°のいずれか一方の位相差に相当する量だけ異なることを特徴とする請求項1に記載のシンクロ装置の動作制御装置。
- さらに、前記検出手段による比較の結果前記データ信号と前記ループバック信号との差が既定値を超える場合に警報信号を発生出力する警報手段を具備することを特徴とする請求項1に記載のシンクロ装置の動作制御装置。
- さらに、前記警報信号が与えられ、前記データ信号と前記ループバック信号との差が既定値を超えることを視覚的に表示する表示手段を具備することを特徴とする請求項3に記載のシンクロ装置の動作制御装置。
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