JP4460599B2 - 抜歯工具 - Google Patents

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Description

本発明は、抜歯用の鉗子に関し、特に、梃子式の抜歯工具に関するものである。
抜歯工具には、機械的構造の点から大きく分類すると、いわゆる"やっとこ"式のものと(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)、"梃子"式のものがあり(例えば、特許文献3及び特許文献4参照)、最近では、後者の形式のものが主流となっている。本発明は、この梃子式の抜歯工具に関するものであり、以下、梃子式の抜歯工具について説明する。
特開平11−267136号公報 特開2001−198142号公報 特開2001−204735号公報 特開2002−143310号公報 特開2007−135945号公報
特許文献3に記載の外科装置は、骨切り術や骨切除術や骨形成術のような整形外科手術、第三大臼歯の抜歯やインプラント移植部位の作成のような口腔外科術に特に適すると記載されており、必要に応じて、外科装置のハンドピースに様々な先端部品から選択されたものが取り付けられる(例えば、段落0019、段落0035、図4〜図9参照)。なお、特許文献3の図9に記載の骨内膜起子は、骨の空腔を区画する結合組織(骨内膜)を除去するためのものであり(段落0039参照)、抜歯には用いられない。
一方、特許文献4から既知であるように(段落0004参照)、従来の力学的麻酔兼患部分離装置では、歯科の治療において、力学的麻酔の原理を用いて抜歯を行い、補綴物の除去を行う場合には、術者はかなり大きな力を用いる必要がある。例えば、抜歯の場合には、ハンドピースのケース先端から突出している接触子の先端は扁平形状にして(エレベーターとして機能させる)、術者はその扁平な先端を歯根膜の部分に強く挿入し、歯根膜を切断し歯槽骨から患歯を離すように操作する。そしてその間、振動子に超音波振動を継続させ、接触子を介して患歯に超音波振動が伝達されるようにし、麻酔効果を得るようにしている。
また、特許文献4に記載のように、力学的麻酔兼患部分離装置においては、例えば抜歯を行ったり補綴物の除去を行う場合、当然のこととして術者が力を入れることにより振動子の振幅が減少し、超音波振動が停止してしまうことが多かった。超音波振動が停止してしまうと麻酔効果が消失するので、患者にとっては痛みが発生し好ましくなく、しかも抜歯や補綴物除去手術が中断されるので一層好ましくない。このように超音波振動が停止するのは、力学的麻酔兼患部分離装置に、過度の力が作用して超音波振動の振幅が減少した時にそれを検出するセンサーが設けられていて、そのセンサーからの信号により超音波発振器が作動を停止するように構成されているからである(段落0005参照)。
特許文献4の力学的麻酔兼患部分離装置は、基本的構造が同一の一対のハンドピースを備えており、一方のハンドピースは、他方のハンドピースの先端の患部接触子が届かないところに使用できるような患部接触子をもっており、他方のハンドピースは特に前歯、子供に使用するのに適した患部接触子を備えている(段落0011,0012参照)。そして、ハンドピースは、例えば抜歯の場合、その患部接触子により歯牙と歯槽骨の間にある歯根膜を切削し切断するのに用いられ、それによって、患部である歯牙は歯槽骨から分離される(段落0014参照)。
従って、特許文献3に記載の外科装置が抜歯に使用可能であると仮定しても、その外科装置のハンドピースに様々な先端部品から選択されたものを取り付けねばならないので、選択が面倒であるばかりでなく、多数の先端部品を用意しておく必要があり、コスト上昇を避けられない。
また、特許文献4に記載の力学的麻酔兼患部分離装置は、一対のハンドピースを備えており、一方のハンドピースは、他方のハンドピースの先端の患部接触子が届かないところに使用できるような患部接触子をもっており、用意しなければならない患部接触子の数は少ない。しかし、この患部接触子では、過度の力が関連部分に作用することが知られている。
次に、特許文献5に示される従来の抜歯工具を図10〜14により説明する。
図10は、抜歯工具200の側面図、図11は正面図、図12は軸部3、中間接続部4及び肉薄作業部5の部分を表す正面図、図13は図12の4−4断面図、図14は図10の5−5断面図である。
抜歯工具200は、図10に示すように、一平面上(すなわち、図11の面)において同心に延びる軸線を有する把手部20、軸部30、中間接続部40及び肉薄作業部50を有しており、把手部20は、長手方向に伸びる第1軸線1を有する。図14に示すように、把手部20は、横断面六角形状を有するとともに、軸部30方向に向かうに従って小径となる六角錐状の形状を有している。
軸部30は、把手部20の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる円錐台状である。
中間接続部40は、前記一平面と90度の角度を成して交差する他平面(すなわち、図10の面)に対して第1軸線1と9度以下の角度をなして屈曲する第2軸線10を有しており、軸部30の先端から伸長する柱状又は切頭円錐状の形状を有している。なお、第2軸線10と第1軸線1との成す角度Aは好適値約8.5°である。
肉薄作業部50は、他平面を挟んで中間接続部40とは反対方向に第1軸線1との成す角度が30°以下となるように屈曲する第3軸線12を有しており、中間接続部40の先端から伸長している。肉薄作業部50の第3軸線12と第1軸線1との成す角度Bは好適値約28°である。
図13に示されるように、肉薄作業部50は、把手部20を垂直に立てたときに上を向く面が凹面50aとなる横断面略三日月形の扁平な形状を有しており、凹面50aは、前記他平面に対して左右対称の形状を有している。肉薄作業部50の先端は半円形であるとともに、先端に向かって肉厚が薄くなる刃50bが形成されており、先端の厚みは、周囲歯肉に裂開、切傷を与えない(歯肉を切らない)程度の厚みを持たせ(シャープだと組織を傷つけるため)ているが、歯根歯槽骨間空隙(歯根膜腔という)には刃先が挿入できる程度の厚みとなっている。
肉薄作業部50には、これを歯槽骨と歯牙の間に挿入した際の挿入深度を認知することが可能なレーザ目盛(印)50cが4つ設けられており、これらのレーザ目盛50cは、レーザにより肉薄作業部50に線を形成することにより設けられている。レーザ目盛50cの間隔は刃50bの先端からこれに隣接するレーザ目盛50cまでが4mm、それぞれ隣り合うレーザ目盛50c間の間隔が2mmに設定されている。
次に、図15(a)及び図16を用いて、従来の抜歯工具200を用いた抜歯の方法について説明する。
まず、肉薄作業部50の凹面50aが歯牙16と対面する方向を向けて刃50bを、近心、又は近遠心隅角18の歯根膜腔13(すなわち、歯根15と歯槽骨14の間のわずかな間隙)に挿入する。この際、抜歯工具200にかける力の方向(すなわち、親指で把手部2にかける力の方向)は、刃50bが歯根15面に沿って挿入される方向であることが必要であり、肉薄作業部50の挿入深度は、レーザ目盛50cにより確認しながら行われる。これにより、肉薄作業部50が過剰に深く歯根膜腔に入ることにより生じる骨の破壊を防止することができる。
次に、所望の深度まで肉薄作業部50を挿入した後、把手部20を歯槽骨14側にわずかに倒すことにより、歯槽骨14近辺を支点としたてこの力が歯根15に働き、歯牙16が歯槽骨14から脱臼する。この際、肉薄作業部50の根元は、刃先50bに比べて厚みがある構造のため、脱臼時に肉薄作業部50にかかる力に十分耐えることができる。
肉薄作業部50は刃50b先に向かうにつれて厚さが徐々に薄くなっているため、これを歯根膜腔13に挿入する際、挿入し易くなっている。
また、肉薄作業部50を挿入する位置である近心及び遠心の隅角(図8参照)は、歯槽骨14に最も厚みがある位置であるため、歯牙16をてこの原理で脱臼させる際に支点として用いても比較的丈夫であるとともに、抜歯工具200を傾斜させる方向に障害物が少ないため、最も脱臼効率が良い位置である。肉薄作業部50には、凹面50aが形成されているため、この近心及び遠心隅角に、肉薄作業部50を容易に挿入することができる。
なお、抜歯工具200は、肉薄作業部50が中間接続部40に対して前記角度(約30度)屈曲しているため、全歯牙の頬舌側ともに、歯牙の遠心隅角より近心隅角に挿入するのにより適しており、手にかける力の方向が平行に歯根面の歯根膜腔に作用するものである。特に、小臼歯や大臼歯は頬が邪魔をして抜歯工具の先端が歯根面の歯根膜腔に入りにくいので、これらの抜歯を抜歯工具200により行うことにより、抜歯を行うことができる。
より具体的には、図9に示す歯列図のうち、黒丸部分が、抜歯工具200に適した抜歯対象歯の位置である。
また、この他、米国フェーフレディー社(HUFRIEDY)の抜歯工具(C5E98)がある。
この抜歯工具は、特許文献5と同様に、一平面上において同心に延びる軸線を有する把手部、軸部、中間接続部及び肉薄作業部を有しており、把手部は、長手方向に伸びる第1軸線を有する。
把手部は、長手方向に伸びる第1軸線を有し、前記軸部は、把手部の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、中間接続部は、前記一平面と90度の角度を成して交差する他平面に対して第1軸線と20°の角度βをなして屈曲する第2軸線を有し、軸部の先端から伸長し、肉薄作業部は、前記他平面を挟んで中間接続部とは反対方向に第2軸線との成す角度αが約15°となるように屈曲する第3軸線を有する。
従来の抜歯工具は多種多用で多種角度があるが、どの歯にどの工具を使用するかという適用基準が定まらず使いにくいという問題があった。
昨今の歯科界は歯槽骨の破壊を極力押さえ骨を保存しインプラント(人工歯根)を埋入するために骨量の保存を重要視している。しかしながら、頬側歯槽骨の破壊は舌側の破壊より早く、舌側の歯槽骨は頬側より緻密で硬く吸収が遅い症例が多い。
また、歯を抜歯するにはてこの原理で歯牙を脱臼させる特許文献5のような方法が、侵襲が少なく、かつ比較的短時間で抜歯が可能となることがわかっている。
しかしながら、図16に示すように、特に、最後奥歯に適用した場合、抜歯工具200の把手部20に対して、肉薄作業部50の角度がある程度大きいために、開口角度が制限され、また口唇、舌および頬のために抜歯工具の挿入方向や角度には制限がある。このため、特許文献5の抜歯工具200では、刃先と歯牙根への挿入角度が制限され歯軸に平行な状態で歯根膜に挿入することが困難であった。
このように、特許文献5の従来の抜歯工具は、特に、舌側遠心に使用しにくく、即ち、下顎舌側及び上顎口蓋側遠心の歯根方向に工具を挿入するために、特定の角度が必要であるため、上顎あるいは下顎の前歯群が抜歯工具の肉薄作業部50の先端の動きを制限してしまうという問題点があった。
また、フェーフレディーズ社の抜歯工具も、特許文献5と同様に、把手部に対して、肉薄作業部の角度が大きいために、開口角度の制限があり遠心側の歯の脱臼が困難であり、把手部の力が肉薄作業部に直線的に力が伝達されないため、操作上の安定性に問題があり、特に、奥歯の脱臼が難しいという問題点があった。また、肉薄作業部の先端が尖っていて、丸くなっておらず、非常に鋭利になっているために、歯根腔内への挿入がしにくく、歯の組織を破壊するおそれがあった。さらに、歯根のまるみが不適切で、把手部の挿入角度と厚みが、歯根面と相似でないために、刃先の挿入性に問題があった。また、挿入しても、力の伝達方向が歯根膜にかかりにくく、把持の向きの調整が困難であった。
従って、本発明は、上述した従来の欠点に鑑みて、1つの抜歯工具により少なくとも殆どの部位にある歯を容易に抜くことが可能な安価な抜歯工具を提供することを課題としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、
一平面上において同心に延びる軸線を有する把手部(2)、軸部(3)、中間接続部(4)及び肉薄作業部(5)を有し、
前記把手部(2)は、長手方向に伸びる第1軸線(1)を有し、
前記軸部(3)は、把手部(2)の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、
前記中間接続部(4)は、軸部(3)の先端から同心状に所定の角度をなして伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、
肉薄作業部(5)は、軸部(3)の先端から同心状に所定の角度をなして伸張するとともに、先端がすぼまり、且つ歯との当接側となる側は、歯の外形形状と適合するように凹状となっており、
肉薄作業部(5)の長手方向に伸びる第3軸線(12)と、把手部(2)の第1軸線(1)とのなす角度(α)が、ほぼ平行となるようにし、
第2軸線(10)と軸部(3)との交点(C)と、第2軸線(10)と肉薄作業部(5)との交点(A)を通り第1軸線(1)と平行な線からの垂線との距離を約10mmとしたことを特徴とする。
本発明のうち請求項2記載の発明は、前記肉薄作業部(5)の長手方向に伸びる第3軸線(12)と、把手部(2)の第1軸線(1)とのなす角度(α)は、0〜5°以下であることを特徴とする。
本発明のうち請求項3記載の発明は、肉薄作業部(5)の先端を下顎最後臼歯遠心頬側隅角に当て、把手部(2)が上顎前歯部切端に当たるようにした場合に、上顎切歯部先端と下顎最後臼歯遠心下側隅角を結ぶ線のなす角度がほぼ35〜40°になるようにし、口をほぼ最大に開けたとき、15〜20°程度の余裕があるようにして、肉薄作業部(5)を歯牙と歯槽骨の間に挿入したときに、その15〜20°の移動角度により、歯牙を脱臼するようにしたことを特徴とする。
本発明のうち請求項4記載の発明は、一平面上において同心に延びる軸線を有する把手部(2)、軸部(3)、中間接続部(4)及び肉薄作業部(5)を有し、
前記把手部(2)は、長手方向に伸びる第1軸線(1)を有し、
前記軸部(3)は、把手部(2)の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、
前記中間接続部(4)は、前記一平面と90度の角度を成して交差する他平面に対して前記第1軸線(1)と16〜35°以下の角度(β)をなして屈曲する第2軸線(10)を有し、軸部(3)の先端から伸長する柱状又は切頭円錐状の形状を有し、
前記肉薄作業部(5)は、前記他平面を挟んで中間接続部(4)とは反対方向に軸線(1)との成す角度(α)が0〜5°以下となるように屈曲する第3軸線(12)を有し、中間接続部(4)の先端から伸長するとともに、前記把手部(2)を垂直に立てたときに内側を向く面が凹面(5a)となる横断面略三日月形の扁平な形状を有し、
前記肉薄作業部(5)の第3軸線(12)と第2の軸線(10)とのなす角度(γ)が、16〜36°になるようにしたことを特徴とする。
本発明のうち請求項5記載の発明は、前記肉薄作業部(5)の先端部は正面方向からみて半円形であるとともに、先端に向かって限りなく肉厚が薄くなる刃(5b)が形成されており、肉薄作業部(5)を歯根膜腔に差し込んだときに楔力が働くようになっていることを特徴とする。
本発明のうち請求項6記載の発明は、前記肉薄作業部(5)の刃先の厚みがなす先端角度は、約5〜10°であることを特徴とする。
本発明のうち請求項7記載の発明は、前記肉薄作業部(5)の凹面(5a)は、前記他平面に対して左右称の形状を有し、内面(R1)の直径(D1)は、約5〜15mmの曲面をなし、その円周長さが約2〜5mmであることを特徴とする。
本発明のうち請求項8記載の発明は、前記肉薄作業部(5)には、歯との当接面ではない外面側に、これの挿入深度を認知することが可能な少なくとも1つ以上の印(5c)が設けられていることを特徴とする。
本発明のうち請求項9記載の発明は、前記第2軸線(10)と肉薄作業部(5)との交点(A)と、第2軸線(10)と軸部(3)との交点(C)との距離を28〜30mmとし、交点(A)と、交点(C)からの第1軸線(1)への垂線との距離が20〜25mmとなるようにしたことを特徴とする。
本発明のうち請求項10記載の発明は、軸部(3)の長さ(a)は、約33±7mm程度であることを特徴とする。
本発明のうち請求項11記載の発明は、中間接続部(4)の長さ(b)は、約10±5mm程度であることを特徴とする。
本発明のうち請求項12記載の発明は、肉薄作業部(5)の長さ(c)は、約15±4mm程度であることを特徴とする。
本発明によれば、肉薄作業部(5)と把手部(2)の各々の長軸のなす角度が、ほぼ平行になるようにしたことにより、全ての歯の遠心隅角へ抜歯工具を挿入することが可能となり、脱臼が容易になるという効果がある。
また、把手部(2)と肉薄作業部(5)とが、ほぼ平行なため、把手部に力を加える際、力がそのまま肉薄作業部に伝達されるため、手の力と同方向に刃先に力を加えることが可能である。さらに、すみやかな歯根膜腔内への挿入を可能とする。また、前記それぞれの傾斜角度は口腔外から歯牙のあらゆる角度に肉薄作業部を挿入可能な角度であるとともに、肉薄作業部を歯と歯槽骨の間の歯根膜腔に挿入した際、挿入と同時に歯牙を浮き上がらせることが可能である。
すなわち、肉薄作業部(5)の先端を、角度的に抜歯が最も難しい下顎最後臼歯の遠心頬側隅角に当て、歯根膜腔内に刃先を挿入できる角度の限界は対合顎先端である前歯部で34〜40°であり、歯根膜腔内に刃先を挿入できる角度の限界は、対合顎前歯先端である35〜40°である把手部(2)が上顎前歯部切端に当たるようにした場合に、上顎切歯部先端と下顎最後臼歯遠心下側隅角を結ぶ線のなす角度は、ほぼ35〜40°であり、口をほぼ最大に開けたとき、15〜20°程度の余裕があるため、肉薄作業部(5)を歯牙と歯槽骨の間に挿入したときに、その15〜20°の移動角度により、歯根膜腔内に、歯根に沿った力で刃先を挿入可能で、歯牙を脱臼することが可能となる。
また、肉薄作業部の形状及び傾斜角度は、歯牙の近心又は遠心隅角に容易に挿入可能な形状及び角度であり、把手部を操作した際に、くさびの力で、歯牙を歯槽骨から脱臼させることができる。
添付図面を参照して、本発明に係る抜歯工具100について説明する。
図1(a)は、本発明の位置実施形態に係る抜歯工具100の側面図、(b)は正面図である。
本実施の形態に係る抜歯工具100は、一平面上(すなわち、図(b)の面)において同心に延びる軸線を有する把手部2、軸部3、中間接続部4及び肉薄作業部5を有しており、把手部2は、長手方向に伸びる第1軸線1を有する。特許文献5の抜歯工具と同様に、図14に示すように、把手部2は、横断面六角形状を有するとともに、軸部3方向に向かうに従って小径となる六角錐状の形状を有している。軸部3は、把手部2の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる円錐台状である。
前記軸部3は、把手部2の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、肉薄作業部5と把手部2の各々の長軸のなす屈曲角度は、ほぼ平行である。具体的には、肉薄作業部5の長手方向に伸びる第3軸線12と、把手部2の第1軸線1とのなす角度αが、ほぼ平行となっている。
図5(a)に示すように、肉薄作業部5の先端を、下顎最後臼歯遠心頬側隅角に当て、把手部2が上顎前歯部切端に当たるようにした場合に、通常開口時には、上顎切歯部先端と下顎最後臼歯遠心下側隅角を結ぶ線のなす角度がほぼ35〜40°になるようにし、口をほぼ最大に開けたとき、15〜20°程度の余裕(抜歯工具が回転可能な移動角度)があるようにして、肉薄作業部5を歯牙と歯槽骨の間に挿入したときに、その15〜20°の移動角度により、歯牙を脱臼するようにしたことを特徴とする。
以下、具体的に、本発明の抜歯工具の構成について説明する。
図1に示すように、中間接続部4は、前記一平面と90度の角度を成して交差する他平面(すなわち、図1の面)に対して第1軸線1と所定の角度βをなして屈曲する第2軸線10を有しており、軸部3の先端から伸長する柱状又は切頭円錐状の形状を有している。第2軸線10と第1軸線1との成す角度βは、好適値約16〜35°であり、さらに好適には、20〜30°である。
肉薄作業部5は、中間接続部4の先端から伸長し、他平面を挟んで中間接続部4とは反対方向に軸線1との成す角度αが0〜5°以下となるように屈曲する第3軸線12を有する。この角度αは、さらに好適には、0〜3°である。
なお、軸部3に対して、中間接続部4及び肉薄作業部5で2回屈曲させているのは、第1軸線1と第3軸線を限りなく平行とするために、α+β=γとする必要があるためである。
肉薄作業部5の第3軸線12と第2軸線10との成す角度γは好適値約16〜36°である。さらに好適には、20〜30°である。
図3に示すように、第2軸線10と軸部3との交点をCとする。第2軸線10と肉薄作業部5との交点をAとする。交点Aを通り第1軸線1と平行な線と、交点Cとの距離は約10mmとなる。また、交点Aと交点Cとの距離は、28〜30mmである。
交点Aと、交点Cからの第1軸線1への垂線との距離は20〜25mmとなるようになっている。
第2軸線10と軸部3との交点Cと、交点Aを通り第1軸線1と平行な線との距離が約10mmとなっているのは、大臼歯の頬舌径に近い距離10mmに適合するようにしているためである。
このような角度及び長さとすることにより、奥歯の遠心隅角に抜歯工具を挿入した場合にも、抜歯工具が頬に当たらない範囲で、且つ通常の口の開口角度で脱臼を行うことが可能となることが臨床上わかっている。
肉薄作業部5は、把手部2を垂直に立てたときに、従来のものとは逆に、内側を向く面(図1中、右側)が凹面5aとなる横断面略三日月形の扁平な形状を有している。凹面5aは、図2(b)に示すように、前記他平面に対して左右対称の形状を有している。肉薄作業部5の先端は半円形であるとともに、先端に向かって肉厚が薄くなる刃5bが形成されており、先端の厚みは、周囲歯肉に裂開、切傷を与えない(歯肉を切らない)程度の厚みを持たせ(シャープだと組織を傷つけるため)ているが、歯根歯槽骨間空隙(歯根膜腔という)には刃先が挿入できる程度の厚みが好適である。
図2(b)に示すように、肉薄作業部5の凹面5aの形状R1は、歯根の外表面形状と適合し、楔力が働くような形状となっている。また、肉薄作業部5の凸面形状R2は、歯肉及び歯槽骨の破壊を少なくするために滑らかな曲面となるように設計されている。具体的には、肉薄作業部5の凹面5aは、他平面に対して左右対称の形状を有しており、内面5aの直径D1は、約5〜15mmの曲面でその円周長さが約2〜5mm程度となっている。凹面の外周長さは、約3〜5mmで、切端から中央に向かって、その厚みが漸増していく形状となっている。具体的には、楔力が働くように、先端より曲部の厚みが1〜4mmに漸増するようになっている。刃先5bの角度は、くさびの原理(まきわりの原理)を応用して、臨床上、脱臼に必要な最少角度を目標として決定されている。好ましくは、刃先5bの厚みがなす角度は、5〜10°が好ましい。
肉薄作業部5には、これを歯槽骨と歯牙の間に挿入した際の挿入深度を認知することが可能なレーザ目盛(印)5cが4つ設けられており、これらのレーザ目盛5cは、レーザにより肉薄作業部5に線を形成することにより設けられている。レーザ目盛5cの間隔は刃5bの先端からこれに隣接するレーザ目盛5cまでが4mmであり、ここから、それぞれ隣り合うレーザ目盛5c間の間隔が2mmずつ3箇所に設定されており、切端より4mmと、2mmずつ、刃先先端から4つの目盛りまでの長さは計10mmとなっている。なお、本実施の形態では、レーザ目盛5cの間隔を上記値に設定したが、この値に限定されるものではない。
図1(b)に示す軸部3の長さaは、約33±7mm 程度である。中間接続部4の長さbは、約10±5mm程度である。肉薄作業部5の長さcは、約15±4mm程度である。なお、把手部2の長さfは、約80±2mm程度である。また、本実施の形態において、軸部3には把手部2側に軸部3aが形成され、その段部3aの長さeは、約12±4mm程度である。また、肉薄作業部5の幅gは、約5±2mm程度、最先端部の幅は、1±0.5mmである。
以下に、抜歯方法について説明する。
下顎側に抜歯工具100を挿入するときには、上顎歯牙が抜歯工具の動きを制限し、上顎側に抜歯工具100を挿入するときには、下顎歯牙が抜歯工具の動きを制限することになる。
図5(a)に示すように、上下顎歯列の最大開口度はおよそ55〜60°で、通常治療時開口度は35〜40°(指3本分が上下前歯間に入る位の幅である約3横指分)である。本発明では、図5(b)に示すように、通常治療時開口度35〜40°の状態で、歯牙と歯槽骨の間へ肉薄作業部5の先端を差込み挿入し、上顎切歯部先端と下顎最後臼歯遠心頬(舌)側隅角を結ぶ線と、下顎咬合平面のなす角度はそれぞれ55〜60°程度の範囲(下顎臼歯部から最大35〜40°把手部を上下、左あるいは右に倒すことにより、最後臼歯の脱臼を可能とするように設計されている。
抜歯工具100の先を下顎最後臼歯遠心頬(舌)側隅角に当て、把手部2が上顎前歯部42に当たるようにした場合の角度はほぼ35〜40°になる。図5(b)中、前歯42が邪魔にならないように途中で屈曲を与え(図5(b)L1参照)、挿入が容易になるように設計されている。屈曲角度βは、ほぼ30°で抜歯工具100の先端と把手部2の長手方向の軸は、ほぼ平行になっている。口をほぼ最大にあけたときには15〜20°の余裕があるため、抜歯工具100の角度をかえて歯牙と歯槽骨の間へ肉薄作業部5の先端を挿入して脱臼する。
次に、図6及び図15(b)を用いて、本発明の抜歯工具100を用いた抜歯の方法について説明する。
まず、肉薄作業部5の凹面5aが歯牙41と対面する方向に向くように、刃5bを、頬又は舌側の遠心隅角の歯根膜腔隙(サルカス)41c(すなわち、歯根41dと歯槽骨41aの間のわずかな間隙)に挿入する。この際、抜歯工具100にかける力の方向(すなわち、把手部2にかける力の方向)は、刃が歯根41d面に沿って挿入される方向であることが必要であり、肉薄作業部5の挿入深度は、レーザ目盛5cにより確認しながら行われる。これにより、肉薄作業部5が過剰に深く歯根膜腔43bに入ることにより生じる骨の破壊を防止することができる。なお、このときの、レーザ目盛りは一目盛以下の範囲である。
脱臼時の力の方向について、より具体的に説明すると、抜歯工具100の肉薄作業部5の先端の凹部5aが、歯牙41側を向くようにして、歯槽骨41aと歯根41dの間の僅かな歯根膜腔隙(サルカス)41cに最少の破壊で挿入される。挿入により、くさびの力で歯牙41が、上方に浮き上がり脱臼することにより、歯牙41がソケットである歯槽窩43より離脱する。抜歯工具100の先端の挿入方向は、歯根膜腔内を歯根壁(周囲の歯槽骨の歯根側)に沿うように、圧下左右に微動させながら、噛合わせ面に垂直に近い角度で挿入されると、くさびの力がかかり、歯根41dは歯槽窩43から上方g方向に脱臼し浮き上がって抜歯される。なお、把持する抜歯工具100の伝達方向は主軸方向が最適である。
次に、所望の深度まで肉薄作業部5を挿入した後、把手部2を歯冠側(図15(b)中、左方向)にわずかに倒すことにより、歯冠近辺を支点としたてこの力が歯根に働き、くさびの力も同時に作用し、歯牙41が脱臼する。この際、肉薄作業部5の根元は、刃先5bに比べて厚みがある構造のため、くさびの力がかかるようになっており、脱臼時に薄肉作業部5にかかる力に十分耐えることができる。
このように、肉薄作業部5は刃先に向かうにつれて厚さが徐々に薄くなっているため、これを歯根膜腔41bに挿入し易くなっている。
また、肉薄作業部5を挿入する位置である遠心舌側隅角は、歯槽骨41aの内では厚みがある位置であるため、歯牙41を梃子の原理で脱臼させる際に支点となる場合も比較的丈夫であるともに、くさびの力を主体として脱臼させるが、抜歯工具100を傾斜させる方向に障害物が少ないため、最も脱臼効率が良い位置である。肉薄作業部5には、凹面5aが形成されているため、この遠心舌側隅角に容易に挿入されることが可能となっている。なお、骨内破壊を許すときには、梃子の力を利用し、骨内破壊を防止するときにはくさびの力を利用するようにする。
なお、図8中、舌側遠心隅角をLD、頬側遠心隅角をBD、舌側近心隅角をLM、頬側近心隅角をBMとする。
本実施の形態の抜歯工具では、基本的には、どの歯でも抜歯可能であるが、特に、上顎歯では、遠心舌及び頬側の隅角LD,BDと、下顎歯では、遠心舌及び頬側の隅角LD,BDの抜歯が適している。特に、最後方の抜歯に適している。
前歯には本発明の工具を舌側に用いると良い。これは、刃先5bの挿入には骨が硬くて厚い舌側からの挿入が適しており、隣在歯側の被抜歯歯槽骨の舌側隅角に挿入すると侵襲が少ないためである。すなわち、頬側は骨が0〜1mm以下のこともあり、薄く粗であることが多く、下顎舌側または上顎口蓋側のほうが硬い。しかも、破壊吸収が頬側よりも少ないため、まず、舌側または口蓋側より脱臼を試み、なるべく頬側より抜歯工具を挿入しないですむように慎重に判断する。
図9に示すように、本発明の抜歯工具100の挿入操作可能な位置は、白丸○の位置である。なお、従来の抜歯工具200では、挿入可能な位置は、近心舌側又は頬側の隅角への挿入が適しており、図中、黒丸●である。
前歯部はいずれの抜歯工具も挿入可能であるが、従来の抜歯工具200では、把手部と肉薄作業部との角度が大きいため、力の伝達角度が直線状とならないため、前歯用としては、操作性に劣る。このため、本発明の実施の形態の抜歯工具では、把手部と肉薄作業部がほぼ平行であるため、力の伝達角度が直線状であり、方向安定性が良く、操作性が勝る。
なお、骨破壊を特に考慮しない場合には、頬側、舌側のいずれにも挿入可能で速やかな抜歯が可能である。
抜歯工具100は、肉薄作業部5が把手部2に対してほぼ平行であるため、全歯牙の頬舌側ともに、歯牙の遠心隅角に挿入するのにより適しており、手にかける力の方向が平行に歯根面の歯根膜腔に作用するものである。特に、小臼歯や大臼歯は頬が邪魔をして抜歯工具の先端が歯根面の歯根膜腔に入りにくいので、これらの抜歯を、本発明の抜歯工具100により行うことにより、良好に抜歯を行うことができる。
従来は、肉薄作業部の刃先と把手部とに角度がついているため、挿入角度を把手部で調節する必要があるが、本発明によれば、肉薄作業部5の刃先と把手部2がほぼ同方向のため、位置の設定が容易であり、確実かつ滑ることがなくため、安全性が高い。このように、本発明に係る抜歯工具100では、把手部2と肉薄作業部5の長軸のなす角度が、ほぼ平行であるため、把手部にかける力の先端部への伝達性が良く、且つ舌側遠心隅角で操作できるよう挿入角度にゆとりをもたせることができるため、歯根面に平行に抜歯工具を挿入し、歯槽骨の破壊を最少に抑えた脱臼が容易にできる。
1つの抜歯工具により、殆どの部位の歯を容易に抜歯することができる安価な抜歯工具を提供することが可能である。
(a)は、本発明の実施の形態にかかる抜歯工具の側面図、(b)は、その抜歯工具の正面図である。 (a)は、軸部、中間接続部及び肉薄作業部の部分を表す正面図、(b)は、図2(a)の4−4断面図である。 図1の抜歯工具の肉薄作業部の背面側からみた拡大概要図である。 (a)は、本発明の実施の形態の抜歯工具の側面図、(b)は従来の抜歯工具の側面図である。 (a)は、抜歯工具の使用方法を説明する概要図であり、通常開口時と最大開口時の説明図、(b)は、抜歯工具と前歯との関係を説明する図である。 抜歯時の歯の構造と力の向きを説明する図である。 歯の噛合平面44を説明する図である。 歯の近心及び遠心と、舌側及び頬側を説明する図である。 歯列図において、従来及び本発明の抜歯工具で抜歯可能な歯の位置の説明図である。 従来の抜歯工具の側面図である。 図10の抜歯工具の正面図である。 軸部、中間接続部及び肉薄作業部の部分を表す正面図である。 図12の4−4断面図である。 図10の5−5断面図である。 (a)は、従来の抜歯工具の使用方法を説明する図、(b)は、本発明の実施の形態の抜歯工具の使用方法を説明する図であり、抜歯の際の歯牙と抜歯工具の状態を示す図である。 従来の抜歯工具の使用例についての説明図である。
符号の説明
1 第1軸線
2 把手部
3 軸部
4 中間接続部
5 肉薄作業部
5a 凹面
5b 刃
5c レーザ目盛(印)
10 第2軸線
12 第3軸線
100 抜歯工具

Claims (12)

  1. 一平面上において同心に延びる軸線を有する把手部(2)、軸部(3)、中間接続部(4)及び肉薄作業部(5)を有し、
    前記把手部(2)は、長手方向に伸びる第1軸線(1)を有し、
    前記軸部(3)は、把手部(2)の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、
    前記中間接続部(4)は、軸部(3)の先端から同心状に所定の角度をなして伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、
    肉薄作業部(5)は、軸部(3)の先端から同心状に所定の角度をなして伸張するとともに、先端がすぼまり、且つ歯との当接側となる側は、歯の外形形状と適合するように凹状となっており、
    肉薄作業部(5)の長手方向に伸びる第3軸線(12)と、把手部(2)の第1軸線(1)とのなす角度(α)が、ほぼ平行となるようにし、
    第2軸線(10)と軸部(3)との交点(C)と、第2軸線(10)と肉薄作業部(5)との交点(A)を通り第1軸線(1)と平行な線からの垂線との距離を約10mmとしたことを特徴とする抜歯工具。
  2. 前記肉薄作業部(5)の長手方向に伸びる第3軸線(12)と、把手部(2)の第1軸線(1)とのなす角度(α)は、0〜5°以下であることを特徴とする請求項1記載の抜歯工具。
  3. 肉薄作業部(5)の先端を下顎最後臼歯遠心頬側隅角に当て、把手部(2)が上顎前歯部切端に当たるようにした場合に、上顎切歯部先端と下顎最後臼歯遠心下側隅角を結ぶ線のなす角度がほぼ35〜40°になるようにし、口をほぼ最大に開けたとき、15〜20°程度の余裕があるようにして、肉薄作業部(5)を歯牙と歯槽骨の間に挿入したときに、その15〜20°の移動角度により、歯牙を脱臼するようにしたことを特徴とする請求項1又は2記載の抜歯工具。
  4. 一平面上において同心に延びる軸線を有する把手部(2)、軸部(3)、中間接続部(4)及び肉薄作業部(5)を有し、
    前記把手部(2)は、長手方向に伸びる第1軸線(1)を有し、
    前記軸部(3)は、把手部(2)の先端から同心状に伸長するとともに、先端に向かって小径となる形状を有し、
    前記中間接続部(4)は、前記一平面と90度の角度を成して交差する他平面に対して前記第1軸線(1)と16〜35°以下の角度(β)をなして屈曲する第2軸線(10)を有し、軸部(3)の先端から伸長する柱状又は切頭円錐状の形状を有し、
    前記肉薄作業部(5)は、前記他平面を挟んで中間接続部(4)とは反対方向に軸線(1)との成す角度(α)が0〜5°以下となるように屈曲する第3軸線(12)を有し、中間接続部(4)の先端から伸長するとともに、前記把手部(2)を垂直に立てたときに内側を向く面が凹面(5a)となる横断面略三日月形の扁平な形状を有し、
    前記肉薄作業部(5)の第3軸線(12)と第2の軸線(10)とのなす角度(γ)が、16〜36°になるようにしたことを特徴とする抜歯工具。
  5. 前記肉薄作業部(5)の先端部は正面方向からみて半円形であるとともに、先端に向かって限りなく肉厚が薄くなる刃(5b)が形成されており、肉薄作業部(5)を歯根膜腔に差し込んだときに楔力が働くようになっていることを特徴とする請求項4記載の抜歯工具。
  6. 前記肉薄作業部(5)の刃先の厚みがなす先端角度は、約5〜10°であることを特徴とする請求項5記載の抜歯工具。
  7. 前記肉薄作業部(5)の凹面(5a)は、前記他平面に対して左右称の形状を有し、内面(R1)の直径(D1)は、約5〜15mmの曲面をなし、その円周長さが約2〜5mmであることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の抜歯工具。
  8. 前記肉薄作業部(5)には、歯との当接面ではない外面側に、これの挿入深度を認知することが可能な少なくとも1つ以上の印(5c)が設けられていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の抜歯工具。
  9. 前記第2軸線(10)と肉薄作業部(5)との交点(A)と、第2軸線(10)と軸部(3)との交点(C)との距離を28〜30mmとし、交点(A)と、交点(C)からの第1軸線(1)への垂線との距離が20〜25mmとなるようにしたことを特徴とする請求項4〜8のいずれか1項に記載の抜歯工具。
  10. 軸部(3)の長さ(a)は、約33±7mm程度であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の抜歯工具。
  11. 中間接続部(4)の長さ(b)は、約10±5mm程度であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の抜歯工具。
  12. 肉薄作業部(5)の長さ(c)は、約15±4mm程度であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の抜歯工具。
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