JP4460134B2 - 同位体ガス分析測定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
同位体の入った薬物を生体に投与した後、同位体の濃度比の変化を測定することにより、生体の代謝機能が測定できるので、同位体の分析は、医療の分野で病気の診断に利用されている。本発明は、同位体の光吸収特性の相違に着目して、同位体ガスの濃度比を測定する同位体ガス分析測定方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、胃潰瘍、胃炎の原因として、ヘリコバクタピロリー(HP)と言われているバクテリアが存在することが知られている。
患者の胃の中にHPが存在すれば、抗生物質の投与による除菌治療を行う必要がある。したがって、患者にHPが存在するか否かを確認することが重要である。HPは、強いウレアーゼ活性を持っていて、尿素を二酸化炭素とアンモニアに分解する。
【0003】
一方、炭素には、質量数が12のものの他、質量数が13や14の同位体が存在するが、これらの同位体の中で質量数が13の同位体13Cは、放射性がなく、安定して存在するため取り扱いが容易である。
そこで、同位体13Cでマーキングした尿素を生体に投与した後、最終代謝産物である患者の呼気中の13CO2の濃度、具体的には13CO2と12CO2との濃度比を測定することができれば、HPの存在を確認することができる。
【0004】
ところが、13CO2と12CO2との濃度比は、自然界では1:100もあり、このため患者の呼気中の濃度比を精度よく測定することは難しい。
従来、13CO2と12CO2との濃度比を求める方法として、赤外分光を用いる方法が知られている(特公昭61-42219号公報、特公昭61-42220号公報参照)。
特公昭61-42220号記載の方法は、長短2本のセルを用意し、一方のセルでの13CO2の吸収と、他方のセルでの12CO2の吸収が等しくなるようなセルの長さにし、各セルに、それぞれの分析に適した波長の光を当てて、透過光の強度を測定する。この方法によれば、自然界の濃度比での光吸収比を1にすることができ、これから濃度比がずれると、ずれた分だけ光吸収比が変化するので、濃度比の変化を知ることができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のような方法を採用しても、僅かな濃度比の変化を検知することは難しい。
感度を上げるために、セル長を長くすることも考えられるが、セル長を長くすると、同位体ガス分析測定装置が大きくなる。
セルの端にミラーを設置して何度も反射させる方法があるが、セルの体積が大きくなるので、同位体ガス分析測定装置もこれに連れて大きくなる。
【0006】
そこで、本発明は、二酸化炭素13CO2と二酸化炭素12CO2 とを成分ガスとして含む被測定ガスをセルに導き、各成分ガスに適した波長の透過光の強度を測定しデータ処理することによって、各成分ガスの濃度を測定する場合に、同位体ガス分析測定装置を大きくすることなく、測定再現性を良好にすることができ、もって測定精度を上げることのできる同位体ガス分析測定方法を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の同位体ガス分析測定方法は、人の呼気である試料ガスをセルと、当該セルと連通したガス注入器に導く第1のステップと、前記試料ガスを前記ガス注入器によって前記セルに注入し、前記セル内を加圧する第2のステップと、前記ガス注入器の動作を止めた状態で各成分ガスの測定に適した波長の光を透過させ、それぞれ吸光度を測定する第3のステップと、前記成分ガスを既知の濃度含む加圧されたガスについて用意された検量線を用いて、前記セル中の前記成分ガスの濃度比を測定する第4のステップとを含むことを特徴とする。被測定ガスを加圧することにより、被測定ガス中の二酸化炭素濃度を上げたのと同じ効果が得られ、測定S/Nを向上させ、データの再現性を良好にすることができる。
【0008】
加圧により、セル内を2気圧としても、十分な効果が得られる(請求項2、後の実施例参照)。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、同位体13Cでマーキングしたウレア診断薬を人間に投与した後、呼気中の13CO2 の濃度を分光測定する場合の、本発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。
I.呼気テスト
まず、ウレア診断薬を投与する前の患者の呼気を呼気バッグに採集する。その後、ウレア診断薬を経口投与し、約20分後、投与前と同様の方法で呼気バッグに呼気を採集する。
【0010】
投与前と投与後の呼気バッグをそれぞれ同位体ガス分光測定装置の所定のノズルにセットし、以下の自動測定を行う。
II.同位体ガス分光測定装置
図1は、同位体ガス分光測定装置の全体構成を示すブロック図である。
投与後の呼気(以下「サンプルガス」という)を採集した呼気バッグと投与前の呼気(以下「ベースガス」という)を採集した呼気バッグとはそれぞれノズルN1 ,N2 にセットされる。ノズルN1 は、金属パイプ(以下単に「パイプ」という)を通して電磁バルブ(以下単に「バルブ」という)V2 につながり、ノズルN2 は、パイプを通してバルブV3 につながっている。さらに、空気を取り込むパイプにバルブV5がつながっている。
【0011】
一方、リファレンスガス供給部30(後述)から供給されるリファレンスガスは三方に分かれ、一方は補助セル11cに入り、他方はバルブV1 に通じている。さらに他方は、光源装置Lの温度調節のために光源装置Lに供給される。
補助セル11cに入ったりファレンスガスは補助セル11cから出てセル室10内に排出される。
バルブV1の出口は、三方バルブV4につながり、三方バルブV4 から分かれた一方は、サンプルガス又はべースガスを定量的に注入するためのガス注入器21が介在している。このガス注入器21は、ピストンとシリンダーを有する注射器のような形状のもので、ピストンの駆動は、パルスモータと、パルスモータに連結された送りネジと、ピストンに固定されたナットとの共働によって行われる(後述)。
【0012】
三方バルブV4 の他方は、12CO2 の吸収を測定するための第1サンプルセル11aにつながっている。また、バルブV2、バルブV3、バルブV5からつながる各パイプが、バルブV1と三方バルブV4とを連結するパイプに合流している。
セル室11は、図1に示すように、12CO2 の吸収を測定するための短い第1サンプルセル11a、13CO2 の吸収を測定するための長い第2サンプルセル11b及びリファレンスガスを流す補助セル11cからなり、第1サンプルセル11aと第2サンプルセル11bとは連通しており、第1サンプルセル11aに導かれたガスは、そのまま第2サンプルセル11bに入り、バルブV6を通して排気されるようになっている。また、補助セル11cにはリファレンスガスが導かれる。
【0013】
第1サンプルセル11aの容量は約0.6ml、第2サンプルセル11bの容量は約12mlである。
セル室11の端面には、赤外線を透過させるサファイヤ透過窓が設けられている。セル室11は、断熱材(図示せず)で包囲されている
符号Lは、赤外線光源装置を示す。赤外線光源装置Lは赤外線を照射するための2つの導波管23a,23bを備えている。赤外線発生の方式は、任意のものでよく、例えばセラミックスヒータ(表面温度450℃)等が使用可能である。また、赤外線を一定周期でしゃ断し通過させる回転するチョッパ22が取り付けられている。
【0014】
赤外線光源装置Lから照射された赤外線のうち、第1サンプルセル11a及び補助セル11cを通るものが形成する光路を「第1の光路L1」といい、第2サンプルセル11bを通るものが形成する光路を「第2の光路L2」という(図1参照)。
符号Dは、セルを通過した赤外線を検出する赤外線検出装置を示している。
赤外線検出装置Dは、第1の光路に置かれた第1の波長フィルタ24aと第1の検出素子25a、第2の光路に置かれた第2の波長フィルタ24bと第2の検出素子25bを備えている。
【0015】
第1の波長フィルタ24aは、12CO2 の吸収を測定するため約4280nmの波長の赤外線を通し、第2の波長フィルタ24bは、13CO2 の吸収を測定するため約4412nmの波長の赤外線を通すように設計されている。第1の検出素子25a、第2の検出素子25bは赤外線を検出する素子である。
第1の波長フィルタ24a、第1の検出素子25a、第2の波長フィルタ24b、第2の検出素子25bは、Ar等の不活性ガスで満たされたパッケージ26の中に入っている。
【0016】
赤外線検出装置Dの全体はヒータ及びペルチェ素子により一定温度に保たれ、パッケージ26a,26bの中はペルチェ素子27により低温に保たれている。
また、同位体ガス分光測定装置内部の空気を換気するファン28,29が設けられている。
同位体ガス分光測定装置の本体に付属して、CO2を除いた空気を供給するリファレンスガス供給部30が設けられている。リファレンスガス供給部30は、防塵フィルタ31,コンプレッサ32,水分除去部33,ドライフィルタ34,流量計35,炭酸ガス吸収部36を直列につないだ構成となっている。
【0017】
炭酸ガス吸収部36は、例えばソーダライム(水酸化ナトリウムと水酸化カルシウムとを混合したもの)を炭酸ガス吸収剤として用いている。
図2は、被測定ガスを定量的に注入するためのガス注入器21を示す平面図(同図(a) )と正面図(同図(b) )である。このガス注入器21が「加圧手段」として機能する。
ガス注入器21は、基台21aの上に、ピストン21cの入ったシリンダー21bが配置され、基台21aの下に、ピストン21cと連結した移動自在なナット21d、ナット21dと噛み合う送りネジ21e、及び送りネジ21eを回転させるパルスモータ21fが配置された構造である。
【0018】
前記パルスモータ21fは、図示しない駆動回路によって、正転、逆転駆動される。パルスモータ21fの回転によって送りネジ21eが回転すると、回転方向に応じてナット21dが前後移動し、これによって、ピストン21cが任意の位置に前後移動する。したがって、シリンダー21bへの被測定ガスの導入と、シリンダー21bからの被測定ガスの導出を自在に制御することができる。
III .測定手順
測定は、リファレンスガス測定→ベースガス測定→リファレンスガス測定→サンプルガス測定→リファレンスガス測定→・・・という手順で行う。図3から図11において、ハッチングを施した部分は、気体の流れていることを意味する。
【0019】
測定の間、補助セル11cにはリファレンスガスが常時流れていて、その流速は流量計35 により常に一定に保たれるよう設定される。
III −1.リファレンス測定
図3に示すように、同位体ガス分光測定装置のガス流路及びセル室11に、清浄なリファレンスガスを流してガス流路及びセル室11の洗浄をする。このとき、ピストン21cを前後移動させて、シリンダー21b内も洗浄する。
【0020】
次に、図4に示すように、シリンダー21b内のリファレンスガスを注出し、それぞれの検出素子25a,25bにより、光量測定をする。
このようにして、第1の検出素子25aで得られた光量を12R1 、第2の検出素子25bで得られた光量を13R1 と書く。
III ‐2.ベースガス測定
次に、図5に示すように、バルブV1を閉じ、バルブV4を二方だけ開いて、リファレンスガスが第1サンプルセル11a、第2サンプルセル11bを流れないようにして、バルブV2を開いて、呼気バッグより、ベースガスをガス注入器21で吸い込む。
【0021】
ベースガスを吸い込んだ後、図6に示すように、バルブV4を一方だけ開くとともに、バルブV6を開き、ガス注入器21を用いてべースガスを機械的に押し出し、第1サンプルセル11a、第2サンプルセル11bをベースガスで満たす。
次に、図7に示すように、バルブV6を閉じ、シリンダー21b内の残りのベースガスを全部注入する。これにより、第1サンプルセル11a、第2サンプルセル11bの中のベースガスの圧力は、上昇する。図7では、圧力の上がった気体をクロスハッチングで示している。
【0022】
この加圧した状態で、それぞれの検出素子25a,25bにより、光量測定をする。
このようにして、第1の検出素子25aで得られた光量を12B、第2の検出素子25bで得られた光量を13Bと書く。
III −3.リファレンス測定
再び、ガス流路及びセルの洗浄と、リファレンスガスの光量測定をする(図3、図4参照)。
【0023】
このようにして、第1の検出素子25aで得られた光量を12R2 、第2の検出素子25bで得られた光量を13R2 と書く。
III −4.サンプルガス測定
図8に示すように、バルブV5を開き、サンプルガス希釈用の空気を吸い込む。このサンプルガスの希釈は、サンプルガスのCO2濃度が、ベースガスのCO2濃度よりも高いときに、両方のCO2濃度が等しくなるように行うものである。
【0024】
もし、ベースガスのCO2濃度が、サンプルガスのCO2濃度よりも高ければ、ベースガスを吸い込む時点(図5参照)の前に、ベースガスの希釈を行う。
ベースガスのCO2濃度やサンプルガスのCO2濃度は、検出素子25a,25bにより、予め光量測定をしておく。
以上の希釈工程の詳細は、特開平10−197444号公報参照。
ついで、リファレンスガスが第1サンプルセル11a、第2サンプルセル11bを流れないようにして、呼気バッグより、サンプルガスをガス注入器21で吸い込む(図9参照)。これにより、シリンダー21bの中でサンプルガスが空気で希釈される。
【0025】
サンプルガスを吸い込んだ後、図10に示すように、第1サンプルセル11a、第2サンプルセル11bをサンプルガスで満たす。
それから、図11に示すように、バルブV6を閉め、ガス注入器21を用いてサンプルガスを機械的に押し出す。これにより、第1サンプルセル11a、第2サンプルセル11bの中のサンプルガスを加圧する。
ガス注入器21の動きを止め、この間、それぞれの検出素子25a,25bにより、光量測定をする。
【0026】
このようにして、第1の検出素子25aで得られた光量を12S、第2の検出素子25bで得られた光量を13Sと書く。
III −5.リファレンス測定
再び、ガス流路及びセルの洗浄と、リファレンスガスの光量測定をする(図3、図4参照)。
このようにして、第1の検出素子25aで得られた光量を12R3 、第2の検出素子25bで得られた光量を13R3 と書く。
【0027】
IV.データ処理
IV−1.ベースガスの吸光度の算出
まず、前記リファレンスガスの透過光量12R1 、13R1 、ベースガスの透過光量12B、13B、リファレンスガスの透過光量12R2 、13R2 を使って、ベースガスにおける12CO2 の吸光度12Abs(B) と、13CO2 の吸光度13Abs(B) とを求める。
【0028】
ここで12CO2 の吸光度12Abs(B) は、
12Abs(B) =−log 〔212B/(12R1 +12R2 )〕
で求められ、13CO2 の吸光度13Abs(B) は、
13Abs(B) =−log 〔213B/(13R1 +13R2 )〕
で求められる。
このように、吸光度を算出するときに、前後で行ったリファレンス測定の光量の平均値(R1 +R2 )/2をとり、その平均値と、ベースガス測定で得られた光量とを用いて吸光度を算出しているので、ドリフト(時間変化が測定に影響を及ぼすこと)の影響を相殺することができる。したがって、装置の立ち上げ時に完全に熱平衡になるまで(通常数時間かかる)待たなくても、速やかに測定を始めることができる。
【0029】
IV−2.サンプルガスの吸光度の算出
次に、前記リファレンスガスの透過光量12R2 、13R2 、サンプルガスの透過光量12S、13S、リファレンスガスの透過光量12R3 、13R2 を使って、サンプルガスにおける12CO2 の吸光度12Abs(S) と、13CO2 の吸光度13Abs(S) とを求める。
ここで12CO2 の吸光度12Abs(S) は、
12Abs(S) =−log 〔212S/( 12R2 +12R3 )〕
で求められ、13CO2 の吸光度13Abs(S) は、
13Abs(S) =−log 〔213S/(13R2 +13R3 )〕
で求められる。
【0030】
このように、吸光度を算出するときに、前後で行ったリファレンス測定の光量平均値をとり、その平均値と、サンプルガス測定で得られた光量とを用いて吸光度を算出しているので、ドリフトの影響を相殺することができる。
IV−3.濃度の算出
検量線を使って、12CO2 の濃度と13CO2 の濃度を求める。
検量線は、12CO2 濃度の分かっている被測定ガスと、13CO2 濃度の分かっている被測定ガスを用いて、作成する。被測定ガスを加圧して測定するので、検量線についても、加圧して測定する必要がある。
【0031】
検量線を求めるには、12CO2 濃度を0%〜6%程度の範囲で変えてみて、12CO2 の吸光度を測定する。横軸を12CO2 濃度にとり、縦軸を12CO2 吸光度にとり、プロットし、最小自乗法を用いて曲線を決定する。2次式で近似したものが、比較的誤差の少ない曲線となったので、本実施形態では、2次式で近似した検量線を採用している。
前記検量線を用いて求められた、ベースガスにおける12CO2 の濃度を12Conc(B) 、ベースガスにおける13CO2 の濃度を13Conc(B) 、サンプルガスにおける12CO2 の濃度を12Conc(S) 、サンプルガスにおける13CO2 の濃度を13Conc(S) と書く。
【0032】
IV−4.濃度比の算出
13CO2 と12CO2 との濃度比を求める。ベースガスにおける濃度比は、
13Conc(B) /12Conc(B)
サンプルガスにおける濃度比は、
13Conc(S) /12Conc(S)
で求められる。
【0033】
なお、濃度比は、13Conc(B) /(12Conc(B) +13Conc(B)) ,13Conc(S) /(12Conc(S) +13Conc(S)) と定義してもよい。12CO2 の濃度のほうが13CO2 の濃度よりはるかに大きいので、いずれもほぼ同じ値となるからである。
IV−5.13Cの変化分の決定
サンプルガスとべースガスとを比較した13Cの変化分は次の式で求められる。
Δ13C=〔サンプルガスの濃度比−ベースガスの濃度比〕×103 /〔ベースガスの濃度比〕(単位:パーミル(千分率))
【0034】
【実施例】
12CO2 の濃度が1%の被測定ガスを対象として、ガス注入器21を用いて複数段階に加圧したとき及び加圧しないときのΔ13Cを算出した。
ここで、「被測定ガス」には、人の呼気であるサンプルガスやベースガスを使わず、12CO2 の濃度が1%の空気を1つの大きな呼気バッグに入れて用いた。呼気バッグには出口が2本付いていてそれぞれをノズルN1 ,N2につないだ。したがって、同じガスを測定するため、Δ13Cは本来0となるものである。
【0035】
表1は、ガス余分注入量が0ml(1気圧),5ml(約1.25気圧),10ml(約1.5気圧),15ml(約1.75気圧),20ml(約2気圧)の場合に、それぞれ10回ずつ測定して、Δ13Cを算出した。
【0036】
【表1】
【0037】
この余分注入量と、Δ13Cのデータのバラツキを示す「標準偏差」との関係を示したグラフが図12である。
図12によれば、余分注入量と、標準偏差とは明らかな相関があり、標準偏差が余分注入量(加圧量)が多いほど小さくなっていることが分かる。
したがって、加圧により、測定データの再現性が向上するという効果が現れている。
【0038】
【発明の効果】
以上のように本発明の同位体ガス分析測定方法によれば、セル内の被測定ガスを加圧して測定するので、セル長を長くすることなく、S/Nが改善され、測定精度、再現性が向上する。また、測定装置を大型化することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】同位体ガス分光測定装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】被測定ガスを定量的に注入するためのガス注入器21を示す平面図(同図(a) )と正面図(同図(b) )である。
【図3】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図4】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図5】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図6】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図7】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図8】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図9】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図10】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図11】同位体ガス分光測定装置のガス流路を示す図である。
【図12】余分注入量と、Δ13Cのデータのバラツキを示す「標準偏差」との関係を示したグラフである。
【符号の説明】
D 赤外線検出装置
L 赤外線光源装置
N1 ,N2 ノズル
V1 〜V6 バルブ
11a 第1サンプルセル
11b 第2サンプルセル
11c 補助セル
21 ガス注入器
21a シリンダー
21b ピストン
24a 第1の波長フィルタ
25a 第1の検出素子
24b 第2の波長フィルタ
25b 第2の検出素子
Claims (2)
- 二酸化炭素13CO2と二酸化炭素12CO2 とを成分ガスとして含む試料ガスをセルに導き、各成分ガスに適した波長の透過光の強度を測定しデータ処理することによって、成分ガスの濃度比を測定する同位体ガス分析測定方法において、
前記試料ガスは、人の呼気であり、
前記試料ガスをセルと、当該セルと連通したガス注入器に導く第1のステップと、
前記試料ガスを前記ガス注入器によって前記セルに注入し、前記セル内を加圧する第2のステップと、
前記ガス注入器の動作を止めた状態で各成分ガスの測定に適した波長の光を透過させ、それぞれ吸光度を測定する第3のステップと、
前記成分ガスを既知の濃度含む加圧されたガスについて用意された検量線を用いて、前記セル中の前記成分ガスの濃度比を測定する第4のステップとを含むことを特徴とする同位体ガス分析測定方法。 - 前記試料ガスは、2気圧まで加圧されることを特徴とする請求項1記載の同位体ガス分析測定方法。
Priority Applications (22)
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