JP4460014B2 - プラズマ電極 - Google Patents

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Description

本発明は、室内空気清浄、オゾン生成、除菌・殺菌、排ガス浄化、水浄化、水中の殺菌等のためのプラズマ放電を生起せしめる、いわゆる誘電体バリア電極としてのプラズマ電極に関する。
従来、このようなプラズマ放電を生起せしめる放電電極は、産業分野から民生分野までさまざまな分野で用いられており、それぞれの用途に適応したものの研究開発が各方面で進められている。
とりわけ、プラズマにより大気中の酸素からオゾンを生成せしめ、もって空気浄化を図ろうとする利用分野では、例えば、特許文献1や特許文献2に示されるように、民生用需要に適応させるべくさまざまな放電電極が開発されてきている。
特開昭63−190702号公報 特開2005−21319号公報
しかし、従来技術に開示された放電電極は、空気などの流体をプラズマと接触させ処理するために十分な気体流通性を確保せんがために、放電電極間のギャップを数mm程度とし、そのためにプラズマを生起せしめるための印加電圧を数kV以上とすることが必要となり、そのため消費電力が大きくなるという問題点がある。
また一方で、電極間のギャップをμmオーダーとし無声放電又は沿面放電を生起せしめ、低電圧で効率的なプラズマ生成を実現する技術(マイクロプラズマ技術)も開発も進められてはいるが、反面、そのプラズマ放電範囲が狭小化するために、空気などの流体を流通させるときに非常に大きな圧力差損が生じ、そのための特段の流体圧入手段等が必要とされるという問題点もある。
前述のように、従来技術では、気体流通性とエネルギー消費低減とを両立させることが困難であり、また、マイクロプラズマ技術ではプラズマ生成の機械的構成も微細部材の複合化が必要となっているため、民生用途向けなどでのプラズマ応用の大きな制約となっている。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑みて、電極間のギャップをμmオーダーとし、大気圧中でのパッシェンミニマム付近で作動することで、消費電力を低減するとともに、印加電圧の低減化、流体の流通性を向上させることができるプラズマ電極を提供することを目的とする。
本発明のプラズマ電極は、複数の貫通孔を有する金属基板2枚を、該貫通孔同士の位置が一致するように平行に配設したプラズマ電極であって、該金属基板の対向する少なくとも一方の表面には、疎水性物質が含浸されているポーラスなセラミック誘電体膜が露出して形成されていることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ電極は、前記金属基板2枚が、その周縁に非導電体スペーサを介在させて平行に配設したことを特徴とする。
また、本発明のプラズマ電極は、前記非導電体スペーサの厚みが5〜500μmであることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ電極は、前記金属基板に形成されている貫通孔は、その全開口面積率が前記金属基板の片面の表面積に対して2%〜60%であり、かつ単独の貫通孔の開口面積率が前記金属基板の片面の表面積に対して0.05%〜5%であることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ電極は、前記誘電体膜に、セラミックと強誘電体とを混合した物質が含有されていることを特徴とする。
また、本発明のプラズマ電極は、前記プラズマ電極にパルス状波形を印加することを特徴とする。
本発明のプラズマ電極は、電極間のギャップをμmオーダーとし、大気圧中でのパッシェンミニマム付近で作動することで、消費電力を低減できる。また、印加電圧の低減化、流体の流通性を向上させることもできる。
(実施形態1)
以下に本発明の実施形態1を図面を参照しながら詳しく説明する。図1は、実施形態1のプラズマ電極の概略構成図であり、(a)はプラズマ電極の断面図、(b)はプラズマ電極の平面図、(c)及び(d)はプラズマ電極の拡大断面図である。
図1に示すように、実施形態1のプラズマ電極10は、2枚の金属基板13,14を組合わせて平行に配設したものである。組合わせに際して、金属基板13,14に形成されている複数の貫通孔11,12が互いにその位置を一致するように配設されており、2枚の金属基板に形成されている貫通孔を通過させる流体を通りやすくしている。
また、図1(a)に示すように、プラズマ電極10は、その周縁部分に非導電体スペーサ15を介在させて平行に配設されている。
さらに、金属基板13,14の対向する表面には誘電体膜16が形成されており、誘電体膜16の表面は、ポーラス面が露出した凹凸状となっている。
図1(b)に示すように、対向する金属基板には、その厚み方向に貫通させた貫通孔11,12が多数形成されており、開口部分の全面積を合計した開口面積率は、貫通孔が形成されない場合の金属基板の片面の表面積に対して2%〜60%とすることが好ましい。
2%未満であると、圧力損失が高くなり気体の導入に特別な付加装置(例えば高圧ポンプ)が必要になりコスト高になるという問題があり、60%を超えると、プラズマに流入気体が十分接触せず、有害物質、殺菌などの気相化学反応の効率低下となり好ましくない。
そして、単独の貫通孔の開口面積率は、貫通孔を形成する前の金属基板片面の表面積に対して0.05%〜5%であることが好ましい。0.05%未満であると圧力損失が高くなるという問題があり、5%を超えると、プラズマに流入気体が十分接触しなくなり好ましくない。
(非導電体スペーサ)
図1(a)に示すように、プラズマ電極10は、電極間ギャップを所定の間隔に保つためにプラズマ電極10の周縁部分に非導電体スペーサ15を介在させて、平行に配設されている。
非導電体スペーサ15の形状としては、貫通孔を通じての電極間での流体の貫通を妨げないように中央部分をくり貫いたリング状とすることが好ましい。
非導電体スペーサ15は、その厚みが、5〜500μmであることが望ましい。この非導電体スペーサにより、電極間ギャップを保つことができる。5μm未満であると、スペーサとしての耐久性に乏しく、また薄くすることに対するコスト高を招き、500μmを超えると、放電電圧が高くなり、マイクロプラズマが形成されにくくなり、放電効率の低下を招くので好ましくない。
また、スペーサ15の材質としては、耐久性やコストの観点から、ポリエチレン樹脂、テフロン(登録商標)樹脂などの、合成樹脂フィルムが好ましく用いられる。
(誘電体膜)
プラズマ電極断面の拡大図(図1(c))に詳細を示すように、金属基板13,14の対向する表面には、誘電体膜16が形成されており、誘電体膜16の表面は、誘電体膜のポーラス面が露出しており、その表面は凹凸状態となっている。また、図1(d)に示すように、その誘電体膜16には、疎水性物質が含浸されて含浸体17として残留していることが望ましい。
次に、実施形態1のプラズマ電極の各部をより詳細に説明する。
(金属基板)
金属基板13,14を構成する素材としては、大気を供給して大気圧プラズマを発生させる電極として用いるため、高温での耐酸化性を有する材料が好ましい。具体的には、マルテンサイト系ステンレス鋼(martensitic stainless steels)、フェライト系ステンレス鋼(ferritic stainless steels)、オーステナイト系ステンレス鋼(austenitic stainless steels)、オーステナイト・フェライト系ステンレス鋼(austenitic-ferritic stainless steels)、析出硬化系ステンレス鋼(precipitation hardening stainless steels)等のステンレス鋼が挙げられる。このうち、非磁性体のオーステナイト系の18%クロム−8%ニッケル(18−8)ステンレス鋼を好ましく採用することができる。
なお、本実施形態では、高温での耐酸化性を有する一例として上記のステンレス鋼を挙げたが、ステンレス鋼に限らず他の金属を用いることもできる。
(金属基板の厚み)
また、金属基板13,14の厚みとしては、0.1〜2mmとすることが好ましい。厚みが0.1mm未満では、電極表面への加工が困難(若しくはコスト高)になるという問題点があり、2mmを超えると重量が重たくなり電極として取扱いが困難となり好ましくない。また、金属基板13,14の形状は、本実施形態では平板としているが、プラズマの安定性などに影響を及ぼさないのであれば、その形状は特に限定されない。例えば、所定の曲率をつけた管状とすることもできる。
(貫通孔)
プラズマ電極10は、複数の貫通孔を有した金属基板を2枚の電極を対向して組み合わせた構造となっている。電極に対して直角方向に流体を通過させるので、貫通孔の位置を互いに一致させて配設していることによって、流体を淀みなく通過させることができるのである。
(貫通孔の形状)
貫通孔11は、種々の形状を採用することができる。図1(b)に示したように、円形が広く採用されるが、楕円、三角形、四角形、六角形、瓢箪形、またはこれらの組合せなど種々の形状を採用することができる。また、図2に示すように、貫通孔11は四角形を細長くしたスリット状としても良い。スリット状とする場合は、非貫通部分の幅と貫通孔部分の幅や、縦横の長さ比は使用の態様によって適宜最適なものとすることができる。
なお、貫通孔の断面形状は、金属基板の表裏で大きさが同じになるようにストレート形状とすることが、流体の流通抵抗を低減化させる観点から好ましい。ただし、本発明では必ずしもストレート形状に特定するものではない。
(誘電体膜)
また、金属基板13,14の対向する表面には誘電体膜16が形成されており、誘電体膜の表面は、ポーラス面が露出された凹凸状となっている。ポーラス面を露出させている理由は、プラズマの安定的な生成という理由である。すなわち、一部でもベースとなる金属基板が露出していると火花放電へ移行し、安定的なプラズマ生成が困難となる。
なお、誘電体膜をポーラスな面とするための手段としては、例えば溶射法が好適に採用できる。溶射法において、溶射材であるAl等の粒子の大きさを調整あるいは溶射電流を調整することで、誘電体膜の凹凸の山谷やポーラス部分の大きさを制御できる。
誘電体膜を形成する固体誘電体としては、絶縁性、比誘電率、2次電子放出係数、耐スパッタ性、耐熱性、などがそれぞれ高いことが望ましい。絶縁性が低いと電極に印加された電圧により、誘電体が絶縁破壊し火花放電が発生し望ましくない。絶縁破壊電圧としては、5000V以上の材料が好ましい。比誘電率が低いと、放電時に外部電極と逆の極性の壁電圧が生じ、放電電流の時間的増加を抑制することが不可能となり安定な放電を維持できなくなるためである。よって、比誘電率が3以上の材料を用いることが好ましい。2次電子放出係数が低いと、放電開始電圧を下げることが不可能となるためである。よって、2次電子放出係数としては、Arより電離エネルギーの大きいガスのイオンに対して0.1以上の材料が好ましい。耐スパッタ性が低いと、プラズマ、ラジカル、イオン等のアタックによる誘電体膜の損耗を増加するからである。耐熱性が低いと、表面処理もしくは成膜処理に際し、ガス成分を電極に付着させないために電極を加熱することができなくなるからである。耐熱性としては、200℃以上の材料を使用することが好ましい。
膜厚については、絶縁性と誘電性と耐スパッタ性を総合的に勘案する必要がある。膜厚が薄いと絶縁性と耐スパッタ性は低下するが、誘電性は向上する。反対に、膜厚が厚いと絶縁性と耐スパッタ性は向上するが、誘電性は低下する。薄くても絶縁性と耐スパッタ性が高い材料を金属基板に形成し、誘電性を向上させることが必要であり、その膜厚は50μm以上500μm以下である。50μm未満であると電極劣化による火花放電への移行し易く、500μmを超えると、電極生成のコスト増を招き好ましくない。
なお、電極の表層に、誘電体膜がない場合は、火花放電が起こり易いため、少なくとも対向する一方の表面には誘電体膜が設けられていることが好ましい。
誘電体膜としては、SiO、Al、MgO、ZrO、Y、PbZrO−PbTiO、BaTiO、TiO、ZnO等が挙げられる。また、これらを混合して複合酸化物として用いることもできる。中でも、Al、BaTiO、TiOが、比誘電率、耐絶縁性、触媒効果という観点から好適に採用できる。
(含浸)
また、ポーラスな誘電体膜16には、疎水性物質が含浸されて含浸体17として誘電体膜16のポーラス部分に残留していることが望ましい。疎水性物質とは、例えば、四フッ化エチレン樹脂などのフッ素樹脂やシリコーン樹脂などが挙げられる。フッ素樹脂やシリコーン樹脂などの疎水性樹脂を、ポーラスな誘電体膜16に含浸させることにより、電極表面に撥水効果を与え、例えば湿度が高い気体を貫通孔に流通させる場合においても安定的なプラズマ放電が可能となるという利点がある。
ポーラスな誘電体膜16に含浸させる方法としては、誘電体膜16の表面に疎水性樹脂をコーティングしたものを密閉容器に封入して減圧して、誘電体膜中に浸透させる、いわゆる真空含浸という手段を用いることができる。
次に、プラズマ電極10への電圧の印加方法について説明する。プラズマ電極10は誘電体膜16を介在させているので、金属基板間に直流的な電流は流れない。そのため、プラズマ電極では、電圧を印加する2枚の金属基板13,14の間には相対的に交流となる電圧を供給する。その波形はトランス交流電圧を印加した正弦波でもパルス電圧を印加した矩形のパルス波、あるいは鋸歯状波などでもよい。電圧の波高値は、概ね500V〜2kV程度の範囲である。平均電流は電極の面積に依存するが、概ね20mA〜10A程度の範囲である。また、電源の周波数は1kHz〜1000MHzといった低周波から超高周波に至る領域のいずれの帯域でもよいが、電極温度上昇などを考慮して10kHz〜100kHz程度の帯域の周波数が好ましい。なお、プラズマ電極の加熱温度は、室温〜300℃が好ましく、より好ましくは、室温〜100℃の範囲内である。
(実施形態2)
次に、実施形態2のプラズマ電極について説明する。図3は、実施形態2のプラズマ電極の概略構成図であり、(a)はプラズマ電極の断面図、(b)はプラズマ電極の平面図、(c)はプラズマ電極の拡大断面図である。図3に示すように、実施形態2のプラズマ電極は、前記金属基板間に介在させる非導電体スペーサを設けていない点で実施形態1のプラズマ電極と異なり、その他の点では実施形態1のプラズマ電極と同一である。
実施形態2のプラズマ電極は、非導電体スペーサを介在させていないので、2枚の金属基板は、誘電体膜を介して密着して積層された状態となっている。この詳細を図3(c)を用いてさらに説明すると、金属基板の表面に形成された誘電体膜の表面粗さを30〜40μm程度(図3(c)のY)にし、これらの表面粗さを互いに有した誘電体膜どうしを対向させて積層してプラズマ電極とすると、一番山の高いところで誘電体膜が接触し、山の低い部分では未だ誘電体膜が接触していない状態となる。このような状態のプラズマ電極では、誘電体膜が接触していない部分ではプラズマは、無声放電状態となる(図3(c)のX)。
このような誘電体膜の凹凸やポーラス部分の大きさは、誘電体膜を溶射法で形成する際の誘電体粒子の大きさを調整あるいは溶射電流を調整することで、電極間ギャップをμmオーダーで制御することができる。
このように、非導電体スペーサを介在させていないプラズマ電極は、供給電源および放電電圧に見合った最適な距離の設定が可能となり、非導電体スペーサの設定によるコスト高の排除、非導電体スペーサの絶縁破壊電圧以上の電圧を印加することが可能となり、より高い電界強度が得られる、というような効果を有する。
本実施形態のプラズマ電極を用いた処理装置を図4に示す。図示するように、本発明のプラズマ電極10を、筒状の流体導入パイプ21の中に流体導入パイプ21を仕切るように配設し、大気をプラズマ電極10の貫通孔11を通過させ、オゾンガスを送出するオゾンガス生成装置20とすることができる。大気を供給する機構としては、大気ガス導入管22を通じて、貫通孔11へ導く構造としたものであれば特に限定されない。また、実施形態で説明したプラズマ電極10を、筒状の処理装置20内に2組以上配設して、通過する流体の処理効率を向上させることもできる。
(実施例1)
以下、実施例を用いて、本発明を更に詳細に説明する。
金属基板の素材として、18−8ステンレス製の、厚み:0.5mm、外径:100mmの円板を作製した。この素材を、プレスにて打ち抜き多数の円形状の貫通孔を形成し電極用の金属基板を作成した。貫通孔のサイズは外径:0.2mmとし、開口面積率は50%とした。この金属基板表面に、溶射によって膜厚200μmのBaTiOを形成して、同一の電極を2枚作製した。次いで、電極基板2枚の間に、ポリエチレンフィルムからなるスペーサを挿入して、加熱接合して組電極とした。
なお、2枚の電極基板の貫通孔の位置は上下同じ位置となるように組み立てた。
実験では、大気ガスである100kPaのNとOの混合ガス(N:O=4:1)を電極の上部から貫通孔に供給した。電圧駆動条件として、電極基板間に放電開始電圧=0.68kVを印加して駆動したところ、プラズマは、無声放電状態であることが確認できた。
(実施例2)
また、本発明のプラズマ電極を用いて、パルス状波形を印加することによって、効率良くかつ省電力で、オゾン生成、臭い成分除去を行うことができることを実証した。
実施例2において、プラズマ電極に24kHzの正弦波を印加した場合の、トランス交流放電電圧と放電電流波形の関係を図5に示す。
また、プラズマ電極に矩形状のパルス状波形を印加した場合の、パルス電圧と電流波形の関係を図6に示す。
実施例2では、オゾン20ppm生成時のプラズマ電極間電力は、図5の正弦波形では900mW、図6のパルス状波形では115mWとなり、図6のパルス状波形の方がプラズマ電極間電力が少なくなり、効率良くかつ省電力で、オゾン生成、臭い成分除去を行うことができる。
この理由は、図5に示す正弦波の電流波形は、放電電流に加え、変位電流が流れていることが観測されるが、放電だけでなく、電極表面温度上昇にも影響を及ぼしていると考えられるからである。すなわち、本発明のプラズマ電極に、図5に示す正弦波の電流波形を印加すると、プラズマ反応に電力が使用されず、電極を加熱するだけに終わる部分があり、それが消費電力の差になっていることが分かる。
このことを実証するため、トランス交流電圧を印加した場合とパルス電圧を印加した場合での、オゾン20ppmを生成させた時のプラズマ電極の温度変化を測定した。
その結果を図7に示す。図7の左側に示すパターンは、パルス電圧を印加した場合のプラズマ電極の表面温度の変化であり、26℃を示している。図7の右側に示すパターンは、トランス交流電圧を印加した場合のプラズマ電極の表面温度の変化であり、40℃を示している。よって、トランス交流電圧を印加した場合のプラズマ電極の表面温度の方が、より高温となっている。
また、この場合のプラズマ電極の表面温度の時間変化を、図8に示す。図8から分かるように、パルス電圧を印加した場合のプラズマ電極の表面温度は、1分経過後は上昇がみられないが、トランス交流電圧を印加した場合のプラズマ電極の表面温度は、5分経過後でも上昇傾向にあることが分かった。
本発明のプラズマ電極は、消費電力を低減して効率的にプラズマを生起せしめるとともに、流体とプラズマの接触流通性を向上させることができるため、民生用用途などでのプラズマ利用を容易化することができる。
実施形態1のプラズマ電極の概略構成図であり、(a)はプラズマ電極の断面図、(b)はプラズマ電極の平面図、(c)及び(d)はプラズマ電極の拡大断面図である。 貫通孔の形状を、四角形を細長くしたスリット状とした例である。 実施形態2のプラズマ電極の概略構成図であり、(a)はプラズマ電極の断面図、(b)はプラズマ電極の平面図、(c)はプラズマ電極の拡大断面図である。 本実施形態のプラズマ電極を用いた処理装置の概略図である。 実施例2において、プラズマ電極に24kHzの正弦波を印加した場合の、トランス交流放電電圧と放電電流波形の関係図である。 実施例2において、プラズマ電極に矩形状のパルス状波形を印加した場合の、パルス電圧、電流波形の関係図である。 トランス交流電圧を印加してオゾン20ppmを生成させた時のプラズマ電極の温度変化を測定した結果図である。 パルス電圧を印加してオゾン20ppmを生成させた時のプラズマ電極の温度変化を測定した結果図である。
符号の説明
10 プラズマ電極
11,12 貫通孔
13,14 金属基板
15 非導電体スペーサ
16 誘電体膜
17 含浸体

Claims (6)

  1. 複数の貫通孔を有する金属基板2枚を、該貫通孔同士の位置が一致するように平行に配設したプラズマ電極であって、
    該金属基板の対向する少なくとも一方の表面には、疎水性物質が含浸されているポーラスなセラミック誘電体膜が露出して形成されていることを特徴とするプラズマ電極。
  2. 前記金属基板2枚が、その周縁に非導電体スペーサを介在させて平行に配設したことを特徴とする請求項1に記載のプラズマ電極。
  3. 前記非導電体スペーサの厚みが5〜500μmであることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ電極。
  4. 前記金属基板に形成されている貫通孔は、
    その全開口面積率が前記金属基板の片面の表面積に対して2%〜60%であり、
    かつ単独の貫通孔の開口面積率が前記金属基板の片面の表面積に対して0.05%〜5%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプラズマ電極。
  5. 前記誘電体膜に、セラミックと強誘電体とを混合した物質が含有されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプラズマ電極。
  6. 前記プラズマ電極にパルス状波形を印加することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のプラズマ電極。
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