JP4460002B2 - 振動式マスカラアプリケータ、好適な組成物および使用方法 - Google Patents

振動式マスカラアプリケータ、好適な組成物および使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスカラアプリケータおよびそれとともに使用される組成物に関する。具体的には、本発明は、制御下に振動するマスカラアプリケータならびにそのようなアプリケータのチキソトロピックおよび抗チキソトロピック組成物との使用に関するものである。その振動の周波数および振幅は、制御下にマスカラの粘度を大きく変える上で十分なものであることから、使用時にマスカラを操作して良好な結果を得ることが可能になる。振動式アプリケータおよびチキソトロピックもしくは抗チキソトロピック組成物を用いたそれの使用方法の組み合わせは、マスカラの塗布、製剤および製造の分野において有利なものとなる。
マスカラ製品は非常に一般的である。今日、最も良く売れているマスカラ製品は、米国のみで年間1〜500万ドルのデパート売上げとなっている。そのため、かなりの資源が、革新的なマスカラ製品の開発に投入されている。革新的なマスカラ製品とは、顧客に新たな特性を提供するものであるか、より良好に機能させるか、より低価格とすることで既存のマスカラを改良するものである。マスカラ製品における革新は、組成物において、または組成物を塗布するのに使用されるアプリケータにおいて行われ得るものである。マスカラ組成物は、製剤、包装および塗布が最も難しい化粧品の一つであることから、マスカラ製品の分野において革新的であることは、一つの挑戦となる可能性がある。一部にはそれは、その製品の物理的性質およびレオロジー的性質によるものである。マスカラは、重く、粘度の高い、粘着性のある、そして多くの場合扱いにくい製品である。それは、製造、充填または塗布において容易には流動せず、その間に環境条件下で急速に乾燥してしまう。それは揮発性成分を含有する場合があり、それが製造において安全面での問題を生じる。マスカラはまた、塗布の標的領域のために難しいものとなっている。睫毛は塗布領域を非常に小さくしており、しかも柔らかく、可撓性で、デリケートであって、非常に敏感な眼球組織に非常に近い場所にある。可撓性であるために、睫毛は、マスカラアプリケータの圧力がかかると容易に曲ることから、製品を睫毛の上に乗せるのが困難になる。レオロジー的に困難な製品を小さくてデリケートな標的に乗せるという動作を行い、そしてそうやって具体的な視覚的効果を達成することは、マスカラ塗布の困難な作業である。さらに、ほとんどの化粧品以上に、マスカラ製品の成否は、適正なアプリケータでその製品を用いるか否かによって決まることから、マスカラはほとのどの化粧品と異なるものである。全体的な消費者の使用感は、製品およびそれを塗布するのに使用されるアプリケータの両方によって決まる。睫毛の上にマスカラを塗布および作用させて所望の効果を得る上で適正なアプリケータとともに販売されなければ、上手に作られたマスカラ製剤が使用において不成功となる可能性がある。言い換えれば、全てのマスカラ組成物があらゆる種類のマスカラアプリケータに適正であるとは限らない。従って、他の形態で商業的に一般的なアプリケータとともに販売されているマスカラ製品は、そのマスカラ組成物がアプリケータ機能を補完するものでなければ、一般消費者によって良好に受け入れられない可能性がある。このため、開発の初期において、マスカラの製剤者は、どの種類のアプリケータが組成物を最も良好に補完するかを検討すべきであるし、そのように行っている。しかしながら現在までのところ、本願出願人らは、どのレオロジー型のマスカラ組成物がどの種類のアプリケータとうまく機能するかについての開示を見たことがない。「うまく機能する」とは、1以上の業界で認められているマスカラ塗布の特性が、特定種類のアプリケータと組み合わせて使用するのに特定の種類のマスカラを選択することで、何らかの他のアプリケータと同じマスカラの組み合わせや同じアプリケータとレオロジー的に異なるマスカラの組み合わせと比較して改善されることを意味する。「レオロジー型」および「レオロジー的に異なる」という用語は、チキソトロピックとそれに対して抗チキソトロピックとを意味する。
最も一般的なマスカラアプリケータは、マスカラブラシである。代表的なマスカラブラシは、芯、荒毛、柄およびハンドルを有する。芯は代表的には、U字型に折りたたまれている1本の金属ワイヤーから形成された一対の平行なワイヤー区画である。通常はナイロン毛からなる荒毛は、ワイヤー区画の長さの一部の間に配置されている。中間に荒毛が配置されたワイヤー区画は、互いを中心としてねじれているか、回転していることで、ねじれワイヤー芯とも称される半剛性のらせん状芯を形成している。ねじれ芯は、実質的にそれらの中間点で荒毛を保持していることで、それをしっかりと留めている。この状態で、ねじれワイヤー芯に固定された荒毛が、らせん状もしくはスパイラル状に芯から放射方向に延びている。放射方向に延びている荒毛が全体で、荒毛部分もしくは荒毛ヘッドを形成している。荒毛先端の全てを含む荒毛ヘッドの仮想の表面は、荒毛エンベロープと称される。このブラシの多くの変形形態が当業界では知られている。マスカラ塗布の結果および顧客満足度は製品およびブラシの組み合わせによって決まるが、それぞれの性能については別々に議論することが有用である。
マスカラブラシ:特性と性能
理想的なマスカラブラシは、ある種の機能を行うものと考えることができる。それには、マスカラ貯留部から1段階で十分な製品を取り出して、ブラシを貯留部に再度挿入することなく、片眼の睫毛全てをコーティングすることなどがある。ブラシを貯留部に繰り返し再挿入するという動作は、貯留部に入っているマスカラに空気を取り込む効果があり、それが原因となって、マスカラが乾燥し、その動作を行わない場合と比べて使えなくなる時期が早まる。さらに、理想的なブラシは、睫毛全体をコーティングするだけの量の製品を睫毛に移すものでなければならない。すなわち、至適な量の製品を貯留部から抜き取ったら、理想的なブラシは、その製品を睫毛に移すことができるものでなければならない。アプリケータが製品を貯留部から取り出す能力およびその製品を離して睫毛に移す能力は、ある程度、互いに相反する作用をするものである。第1の場合において、マスカラがブラシに粘着することで、それを貯留部から取り出すことができることが望ましい。第2の場合において、マスカラがブラシから離れて、睫毛に粘着できることが望ましい。製品が睫毛上に乗ったら、理想的なブラシは全ての睫毛全体に製品を均等に分布させる。さらに、理想的なブラシは、貯留部から抜き取られて、睫毛の上に乗せられた製品塊を平滑に伸ばすものである。理想的なブラシは、睫毛を分離し、それを梳くことで、睫毛に、綺麗で手入れの行き届いた洗練された外観を与えることができる。理想的なブラシを効果的に用いて、必要に応じて睫毛を仕上げたり、修正することができる。さらに、実質的に全てのマスカラ製品を貯留部から排出させるブラシが理想的である。今日までのところ、これら機能全てを至適に行う単一のブラシは、存在しないと考えられている。それは、異なる荒毛の種類および形状が、1以上の機能で相対的に良かったり、悪かったりするためである。従って、代表的なマスカラブラシは、他の機能を犠牲にして一部のブラシ機能の最大化の間での兼ね合いの産物である。最後に選択されるブラシは、使用目的とするマスカラ製品の性質によって決まる。例えば、睫毛にボリュームを与えるために調合されたマスカラは理想的には、その目的に好適なブラシとともに販売されるべきである。
マスカラブラシの業界の現状は、各種ブラシ機能に影響を与えることが知られている一部のパラメータが確認されているというものである。概して、これらパラメータの値を調節して、理想的なブラシ、すなわち全ての所望の機能を満足に行うブラシを製造することはできない。この兼ね合い的状況のため、非常に多数の代表的マスカラブラシが存在する。一部のブラシは、一部の機能を最大としようとして他の機能を犠牲にしており、他のブラシは多くの機能を多少満足できるように行うことで、言わば差を分散させようとしている。これらの変形形態に達すると、非常に多くの場合で、各種既知パラメータについて適切な値を選択するしかない。下記において、結果に影響を与えるものと当業者が認めるパラメータを順に総覧する。
ワイヤー芯の形状
化粧品市場においては真っ直ぐな芯が最も一般的であるが、曲がったワイヤー芯も知られている。例えば、眼瞼の形状に合うようにした円弧形状の芯が知られている(米国特許第5137038号、米国特許第5860432号および米国特許第6237609号)。この形状は恐らく、睫毛をコーティングする上で効率的である可能性がある。米国特許第5761760号では、ワイヤー芯が曲がっていることで、閉じたループが形成されている。そのループの目的は、マスカラその他のペースト状製品を保持したり、マスカラ容器から睫毛に移したりするための貯留部を提供することにある。このブラシは比較的多用量のマスカラを塗布することから、睫毛を長くしたり、ボリュームを大きくする上で好適である。それは、睫毛を梳いたり、バラバラにしたり、分離するにはあまり適さない可能性がある。
硬い荒毛と可撓性の荒毛
貯留部からのマスカラをブラシに付けるようになった時には、相対的に硬い荒毛の方が相対的に可撓性の荒毛より良いことが、当業界では一般に認められている。相対的に硬い荒毛は、相対的に可撓性の荒毛より多くの製品を貯留部から取るものと考えられる。ブラシを貯留部から引き抜く時に、ワイパーを通過するが、それの一つの機能が、荒毛表面上に製品を可能な限り均一に広げることで、よりまとまったブラシを提供するというものである。このようにして、比較的高濃度の製品が付いたブラシの部分を薄くし、比較的少ない量の製品が付いた部分の量を増やすことができる。概して、可撓性が高すぎる荒毛は、ワイパーを通過する時にもつれた状態となり、マスカラは通常は非常に粘着性が高いために、その後には互いに粘着したままになる可能性がある。貯留部から取り出したら、製品が付着したブラシを睫毛と接触させる。この時点で、高密度に配置された相対的に柔軟かつ可撓性の荒毛を用いたブラシの方が、可能な限り多くの移動に影響することで、睫毛にマスカラを移動させる上で良いことは明らかである。しかしながら、睫毛に一旦製品が付与すると、製品の塊を滑らかにし、睫毛を分離するのに、相対的に硬い荒毛と相対的に開いた荒毛エンベロープもしくは低密度配列(より櫛に近い状態とするため)を有するアプリケータブラシが必要であることは明らかである。この状況を考慮して、硬い荒毛と可撓性の荒毛の両方の利点を併せ持つマスカラブラシを提供すべく、様々な努力が行われてきた。例えば、良好な塗布特性および梳き特性を提供すると謳われているブラシが、米国特許第4861179号に示されている。従来の軟荒毛および従来の硬荒毛の組み合わせを有するブラシが開示されている。良好な塗布特性および梳き特性を有すると謳われているブラシの別の例が、米国特許第5238011号に示されており、その特許は、ショア硬度20A〜40D(従来の荒毛は代表的には、85Dを超えるデュロメーターを有する)および代表的な軟ポリアミド荒毛より少なくとも1.5ミル(1ミリメートルの約4/100)広い3.9〜13.8ミル(1ミリメートルの10〜35/100)の範囲の大きい直径を有する軟材料製の荒毛を開示している。この特許では、その直径は、柔軟性が高くなり過ぎるのを防止する上で十分な大きさであると記載されている。得られたブラシは、従来のように相対的に柔らかいブラシと同程度の柔軟性もしくは柔らかさを有すると記載されている。従ってその荒毛は、従来の荒毛と硬さにおいて同等である。
これらの参考文献は従来のマスカラの塗布および梳きに好適なブラシを開示することができるが、現在好ましいマスカラは、かなり高い静止粘度を有する(200万CPS以上)。これらの相対的に高粘度のマスカラは従来の硬さの荒毛を使えなくする傾向があることから、従来の硬さの荒毛を有するブラシは塗布もしくは梳きの目的には有効でなくなる。従って、前記ブラシのうちの一部のものは、そのような相対的に高粘度のマスカラとともに用いるには適さないものと考えられる。さらにこれらのブラシは、いずれか一方の短所(すなわち、荒毛が柔らかすぎるか、硬すぎる)を随意に相殺する機会をユーザーに提供しないものである。これらのブラシが工場から出荷されたら、それらはそのままであり、ユーザーが変更を加えることはできない。
荒毛の長さおよび密度
概して、短く間隔が密でない荒毛と比較して、長く間隔が密な荒毛が、貯留部からより多くの製品を取り出し、より厚いマスカラコーティングを睫毛上に堆積させる。これは単に、前者の場合には、マスカラを集める表面積が大きいためである。しかしながら、多量のマスカラを乗せる間隔が密な荒毛にある一つの問題として、睫毛が荒毛間の空間に侵入できない場合がある。これは単に、睫毛の可撓性が非常に高いためである。さらに、間隔が密な荒毛は貯留部から多くの製品を運搬するが睫毛を分離しない傾向があることから、塗布時に睫毛が塊状となる傾向がある。そのようなブラシを用いた場合、睫毛上に均一なコーティングを得ることは簡単ではない。ユーザーの側に、多くのブラッシング、努力、技術および忍耐が要求される。対照的に、間隔が密でない荒毛を有するブラシは、睫毛に簡単に侵入することができるが、運ぶ製品量が少なく、恐らくは睫毛をコーティングするには不十分である。この点を克服するため、その手順を各睫毛に複数回の繰り返す必要がある。メーキャップ手順を繰り返す回数が多いほど、マスカラの全体的な塗布が汚くなる確率が高くなることは、当業界では明らかである。塗布を行う時間が長引くほど、塗布は複雑になる。新たなマスカラを睫毛の上に塗布している間に、睫毛にすでに塗布された製品が固まり、乾燥すると、均一で綺麗な外観を得ることは非常に困難になると考えられる。睫毛をクリーニングし、再度開始する必要がある場合がある。マスカラ塗布は、若干の熟練と若干の技術を要するものであることが知られており、過ぎたるは及ばざるがごとしの場合がある。
米国特許第4887622号には、低密度マスカラブラシが開示されており、それの荒毛はねじれワイヤー芯の1回転当たり荒毛10〜40本の間隔で配置されている。′622特許に記載のように、その時点で従来のブラシは、荒毛約50〜60本/回を有しており、回転当たりのピッチは約2mmであり、荒毛直径は最大で約0.08mmであった。荒毛50〜60本/回が、睫毛をコーティングするには十分なマスカラを取れるものであるが、この荒毛密度のブラシでは製品はあまりうまく分配されないために、製品の塊が生じたり、時間が浪費されたりすることが記載されている。謳われている改良点は、比較的直径が大きい(0.10〜0.25mm)荒毛を使用しながら、1回転当たりの荒毛を10〜40本に減らす点からなる。製品を運搬する荒毛は少なくなるが、各荒毛によってより多くの製品を運搬することができる。密度が相対的に低いことで、荒毛を睫毛に侵入させることができ、均一な製品コーティングを得ることができる。
荒毛の種類の混合
米国特許第4586520号には、ブラシが長い荒毛と短い荒毛の交互の列を有するマスカラアプリケータが開示されている。長い荒毛と短い荒毛の交互列のこの配置によって、睫毛の梳きと分離を同時に行いながら、マスカラの塗布を行うことが可能であると謳われている。米国特許第5345644号には、ブラシの軸方向に混合された2つの異なる種類の荒毛を有するマスカラブラシが開示されている。一方の種類は、相対的に直径が小さく(0.06〜0.13mm)、融点が高い、熱可塑性の荒毛であり、他方は相対的に直径が大きく(0.13〜0.30mm)、融点が低い、熱可塑性の荒毛である。この種類のブラシを用いることで、強力かつ明瞭なメーキャップ効果が得られると謳われている。
荒毛の種類の区分
米国特許第5357987号およびEP0511842には、不連続な側面を有する荒毛配列を持ったマスカラブラシが開示されている。ある全体的な大きさおよび形状を有する先端部分と第2の大きさおよび形状を有する近位部分がある。それの主たる理由は、各区分がいくつかの塗布作業を行う際に他の区分より良好である区分に分けられた単一のブラシを提供することにある。
米国特許第5482059号は、一つの区分に荒毛の種類の区分と混合を混在させている。この特許は、3つの区分と3種類の荒毛を有するマスカラブラシを開示するものである。そのブラシ部分は、ランダムな構成の軟荒毛および硬荒毛の組み合わせからなる相対的に直径が大きい中央区分および好ましくはブラシ部分の末端に向かうに連れて次第に短くなる中空フィラメントからなる2つの末端区分を有する。末端区分は、中央区分より低い荒毛密度を示す。この改良されたブラシ構成によって、1回のマスカラ塗布動作を至適なものとすることができる。
エンベロープの形状
ほとんどの従来のエンベロープ形状が、テーパ型らせん状もしくはらせん状の荒毛配列である。このテーマの一つの変形型が米国特許第5595198号であり、そこでは、特有の配置を持った相対的に短い荒毛を使用しているために、らせん状の溝が荒毛配列の長さ方向に存在している。その溝は、他の形態で可能と考えられる以上に多くの量の製品を運ぶためのものである。当業界では非常に多くのエンベロープ形状が導入されており、それぞれがマスカラ塗布の1以上の側面に改良を加えるためのものである。
荒毛形状
米国特許第4993440号には、長さ方向にキャピラリー流路を有する荒毛の使用が開示されている。米国特許第5567072号には、スロット断面形状を有する荒毛が開示されている。米国特許第5595198号には、L字断面を有する荒毛が開示されている。管状の荒毛が米国特許第4733425号に開示されている。
他のアプリケータの特徴
アプリケータヘッドとは別に性能強化の特徴を有することが謳われているマスカラアプリケータが知られている。人間工学的ハンドルおよび心地よいグリップが知られている。米国特許公開第2002−0168214には、1以上の変形性エラストマー製で、二重テーパ部分を有することにより、2つのテーパ状区分が二重テーパ部分の長手方向で最も狭い箇所で出会い、テーパ状区分の一方もしくは両方の断面が楕円形となるようになっているマスカラハンドルグリップが開示されている。振動式マスカラアプリケータシステム上で、このようなまたは他の何らかの変形性グリップを用いることは、本願出願人には未知である。
従来にないマスカラアプリケータ
理想的なマスカラアプリケータを得るために、荒毛を使わないことで、硬い荒毛と可撓性の荒毛の問題を回避する技術がいくつか登場した。米国特許第3892997号には、長手方向に、剛性で三角形のプレートが外方向に突出しており、そのようなプレートの多くが互いに平行である、中央シャフト(または芯)を有するアプリケータが記載されている。その規則的に間隔を設けて配置されたプレートは、付与、移動、コーティングおよび分離において好適であると報告されている。米国特許第4545393号には、必要に応じてユーザーが長くしたり短くしたりすることが可能な蛇腹が記載されている。蛇腹の重ね合わされた「歯」は、マスカラを保持するための表面を提供し、歯間の空間により、睫毛をコーティングおよび分離することが可能である。米国特許第5094254号には、畝状の側面を有する中央芯が記載されている。個々の畝は、マスカラを保持するための表面を提供し、畝間の間隔により、睫毛をコーティングおよび分離することが可能である。米国特許第5816728号には、ビーズを設けたマスカラアプリケータ、すなわち細長いロッドおよびハンドルから長手方向に延在する中央軸上に1以上のビーズが配置されたマスカラアプリケータが記載されている。第1の好ましい実施形態は、プラスチックから成形され、ビーズの長さ方向に一連の長手方向に間隔を設けた溝を有する単一の円柱形ビーズを含むものである。第2の好ましい実施形態は、金属軸上に配置され、平ピンによって保持された複数の約5〜7個のビーズを有する。そのビーズは、軸を中心として個別もしくは集合的に回転することで、マスカラ塗布および睫毛の至適な分離を行うことができる。米国特許第6345626号および米国特許第6691716号には、容器から抜き取り時に加圧することで、ワイパーによってアプリケータから過剰の製品を除去することができる独立のディスクの配列を有するマスカラアプリケータが開示されている。ワイパーを通過した後、バネの作用によって、ディスクがそれらの延伸位置に戻る。抜き取り時のディスクの加圧によって、制御された量の製品を消費者による塗布用にアプリケータ上に残すことができ、バネによってディスクをその延伸位置に戻すことで、アプリケータが効果的に睫毛の梳きおよび分離を行うことができる配置をディスクが取ることができる。
マスカラアプリケータ分野についての上記の簡単な調査からわかるように、多くの革新技術および提案が出されてきた。これらの提案の中で、塗布時のマスカラ製品の流動特性を実質的にある程度変えることを扱ったものはない。先行技術の中で、制御された形でマスカラの粘度を変えることができる振動式マスカラアプリケータやそのようなものの利点を予想または提案したものはない。本願出願人の知る限りでは、塗布時にアプリケータとマスカラの両方の性能を変える機会をユーザーに提供するブラシは、当業界では知られていない。同時に、本明細書に記載の方法で振動させた場合に、これまでに報告されているいずれのマスカラアプリケータも、実際には実質的に全てのマスカラアプリケータが、追加的な性能上の利点を見込めると考えられることが、下記の議論から明らかになろう。
マスカラブラシの回転
塗布時に回転するマスカラブラシが知られている。回転は、アプリケータロッドの長軸を中心として起こり、その動きは本発明の振動式アプリケータとは異なるものである。米国特許第4056111号には、モーター駆動式の回転式マスカラブラシが記載されている。そのモーターは巻き取り式渦巻きバネ(すなわち、時計仕掛けモーター)を有することができるか、または電池式モーターを用いることができる。米国特許第6565276号には、マスカラブラシヘッドを回転させる電池式モーターが開示されている。いずれの場合も、ブラシは、いずれの方向にも回転して、いずれの眼球についても左手操作および右手操作を行うことができるようになっている。そこに記載されている利点は、簡便であり、ユーザーが行う必要がある動きが少ないという点である。米国特許第4397326号には、非モーター式マスカラブラシであって、ヘッドが自由に回転して、ブラシヘッドが塗布中に睫毛に接触した時にそのように動くものが記載されている。回転を生じさせているのは、ブラッシングの動作である。ブラシヘッドの回転によって、他の方法で可能な量より多くのマスカラを1回の塗布で睫毛に乗せることができることが謳われている。米国特許第4632136号には、室温で1500〜25000ポアズの粘度範囲を有するマスカラ用の回転ブラシ式アプリケータが記載されている。そのブラシは、1平方インチ当たり75〜150本の荒毛を有しており、アプリケータのハンドル内に収納されたモーターがブラシを回転させる。これらのパラメータは、マスカラを載せた回転式ブラシの荒毛が、睫毛に侵入し、それを通って動けるように選択したものである。その著者は、25000ポアズより高い粘度の製剤および/または荒毛150本/インチより高い密度の荒毛配置で用いた場合には、回転式ブラシは睫毛に侵入できないと記述している。その場合、回転式ブラシは、それが睫毛を押した時に、睫毛を後ろ側に曲げるのみである。さらに、ブラシを貯留部から出してしまうまで、ブラシは回転させないことが明瞭に開示されている。回転式ブラシの目的が製品を剪断することではなく、睫毛の分離および梳きを行うことであることから、貯留部での製品の剪断は起こらない。そのためその発明は、ある範囲のマスカラ粘度および比較的低密度の荒毛配置に限定されていた。さらに、ブラシ回転に影響を与えるモーターまたは駆動機能は開示されておらず、回転数も開示されていない。JP2005−095531には、一定の速度でブラシヘッドを回転させるギアを動かす電動モーターが開示されている。その回転は、アプリケータロッドの長軸を中心として行われる。本願出願時には、本願出願人にはJP2005−095531の要約のみが入手可能である。それ以上の詳細や謳われている利点については、この時点ではわからない。
これらは、ブラシがブラシの軸を中心として回転せずに、むしろそれが貯留部内および貯留部外で比較的高速に横方向に揺動することで、製品を剪断し、実質的に製品の粘度を変える本発明とは異なる。これらの参考文献の中で、ロッドの長軸に対して垂直な方向に振動もしくは揺動するマスカラブラシを開示しているものはない。これらの参考文献の中で、貯留部中にある時、そして睫毛への塗布時に振動するブラシヘッドを有するマスカラアプリケータを開示しているものはない。貯留部中の粘稠なマスカラ製品にブラシヘッドを浸漬した時に、米国特許第4056111号の時計仕掛けモーター(ネジ巻き式モーター)および米国特許第6565276号で好ましいとされる「低速」モーターが回転可能であるか否か、従って、貯留部中の製品を剪断してその粘度を実質的に変えることが可能であるか否かについては、やはり疑問が残る。明らかに、′326特許の非モーター式ブラシは、マスカラに浸漬した時に回転できないことから、製品を剪断することはできない。対照的に、本発明の揺動もしくは回転の動きによって、粘稠なマスカラを実質的に剪断することができる。′111および′276のブラシも、可逆的なモーターの特徴、ギアおよびピニオンなどを実行する上でさらに複雑なものとなる。JP′531公開の装置もギアを有する。対照的に、本発明のモーターは、ギアも持たず、ブラシヘッドの動きを有効なものとするために可逆的とする必要もない。従って、本発明で使用されるモーターの方が単純である。さらに本発明は、全範囲のマスカラ粘度で使用することが可能であり、′136のブラシのような制限はない。本発明によるブラシの横方向の動きは、睫毛の分離および塊状化防止の点において′136のアプリケータより優れたものである。例えば、ブラシヘッドの振動運動は、一部のユーザーは怖くて手を付けられない睫毛の基線方向にマスカラを運搬し、押し出すものである。ロッドの長軸を中心として回転するブラシは、この利点を提供しない。
他の電動ブラシ装置
電動歯ブラシが知られている。モーター式マスカラブラシと表面的に類似しているものの、代表的な電動歯ブラシも、それとは多くの点で重要な相違点を有するものである。それらの相違点のため、上記で説明したマスカラブラシの機能の多くを行う上で、歯ブラシは有効ではなくなる。歯ブラシの荒毛は、目的および使用分野が異なるために、マスカラブラシとは異なる硬度要件を有する。さらに、歯ブラシの荒毛の方が長く、マスカラブラシ荒毛の2〜5倍である。歯ブラシの荒毛は、ヘッドをほぼ囲むようにではなく、ヘッドの片側のみに配置されている。歯ブラシは、ほとんどのマスカラブラシで行われるように、ヘッドの遠位端に作業用の先端を持たない。歯ブラシのエンベロープは、3次元表面ではなく2次元平面である。歯ブラシ荒毛は、マスカラブラシより高い密度で充填されており、通常は同じ長さであって、多様な長さの荒毛を有するほとんどのマスカラブラシとは異なる。歯ブラシ荒毛は、荒毛配列の中央にではなく、荒毛配列の外部に位置する比較的大きい平坦な基材によって支持されている。そのような基材は、一般的なマスカラチューブには入ることはできず、それができたとしても、マスカラで覆われるようになることで、汚くなり、多くのマスカラを浪費することになると考えられる。多くの相違点があるために、マスカラブラシと歯ブラシは、特許上は区別される。
振動式のカミソリおよびデンタルフロスも知られている。これらは、操作によって振動を生じる電動モーターが配置されたハンドルを含むことができる。これらの装置と本発明の装置との間には類似点がある。明らかな理由のため、髭剃りカミソリおよびデンタルフロスは、マスカラ塗布には全く好ましいものではない。米国特許第5299354号には、振動式湿式髭剃りカミソリが開示されている。髭剃りに効果的であるためには、電動モーターの回転数は、5000〜6500回転/分であると開示されている。髭剃りにおいて有効である振動歯の振幅は、約51μm〜約180μm(0.002〜0.007インチ)であると開示されている。
塗布の癖
マスカラユーザーが製品を塗布するやり方には多くのバリエーションがあるが、それを行う上での最も良い方法については若干の意見の一致がある。「ビューティー・バイブル」(The Beauty Bible)(Paula Begoun, 2nd ed., June 2002, Beginning Press, ISBN 1-877988-29-4;参照によってその全体が本明細書に組み込まれる)で、著者は「眼全体周囲の睫毛全てを覆うように睫毛の基底部から上方向に丸くブラッシングすることによってマスカラ棒を回転させる従来の上側睫毛塗布は、最も効率的で好都合な方法です。」と推奨している。その著者はさらに、「その棒を眼に対して垂直で睫毛に対して平行な状態に保持しながら(棒の先端を用いる)、マスカラを下側の睫毛に塗布します。これによって、頬の上にマスカラが落ちることが防がれます。さらにそれによって、眼の両端にある睫毛に届かすことが容易になります。」と記載している。さらに、いずれの方法でマスカラを塗布した後でも、別のブラシや櫛で睫毛をブラッシングする女性がいる。
マスカラ組成物:特性および性能
次に、マスカラ組成物について説明すると、それらの性能特性について論じる上で確立された用語がある。これらの各特性は、例えば製剤時の比較のために、0から10のランダムスケール上の数字で評価および割り当てることができる。マスカラ塗布の結果としての「塊状化」は、数本の睫毛が集まって、厚くギザギザの軸状のものとなることである。塊状化は、個々の睫毛の区別を低下させるもので、通常は望ましくない。「カール」は、未処理の睫毛と比較して、マスカラが睫毛を上方向に反らせる度合いである。カールは望ましい場合が多い。「剥がれ」とは、所定時間の損耗後に、数個のマスカラが睫毛から脱離することを指す。品質が良好なマスカラは剥がれを起こさない。「充填度」は、睫毛の体積およびそれらの間の空間によって決まり、「まばら(低充填度)」とは、睫毛が相対的に少なく、睫毛間の分離が相対的に大きいことを意味し、「高密度」(高充填度)とは、睫毛がしっかりと充填されており、隣接する睫毛間にほとんど空間がないことを意味する。「長さ」は、固定されていない先端からそれの皮膚への挿入箇所までの睫毛の寸法である。長さを大きくすることが、マスカラ塗布の目標である場合が非常に多い。「分離」は、睫毛の集合を解除することで、各個々の睫毛が十分に分かれるようにすることである。良好な分離が、マスカラ塗布の所望の効果の一つである。「汚し」は、所定時間損耗した後に、皮膚その他の表面と接触した際にマスカラが汚れを起こす傾向である。皮膚もしくは環境からの水分および/または油分とマスカラが混合されると、汚れが促進される。「スパイク化」は、個々の睫毛の先端が融合して、通常は望ましくない三角形のクラスターを形成する傾向である。「厚さ」は、個々の睫毛の直径であり、マスカラを塗布することで見た目を変えることができるものである。厚さを大きくすることが、マスカラ塗布の目標であるのが普通である。「損耗」とは、塗布直後と比較して、所定時間後における睫毛上のマスカラの肉眼で見た印象である。「全体的外観」は、上記の全ての定義で考慮される一つの全体的評点である。それは、処理睫毛と未処理睫毛を比較したり、またはあるマスカラの美的魅力を別のものと比較する主観的判断である。理想的なマスカラは、望ましくない性質を回避しながら、望ましい性質全てを有するものである。
多くの場合、処方者は、より厚く、より充填度の高い、良好に分離された睫毛を得るという点に関心を持っている。塊状化およびスパイク化のような特性は、それに反する作用をする傾向があり、開発者は他のものを犠牲にして、1以上の特性のみを改善することができる。例えば、特定のマスカラの充填度を高めるには、従来の智恵では、組成物により多くの固体(ロウ)を加えることが提案される。しかしながら、それを行うことの欠点は、それによって組成物の塊状化が進み、ユーザーが睫毛を分離しにくくなる傾向があるという点である。高レベルの固体はまた、高濃度の固体によってマスカラを睫毛上に広げることが困難になるために、負の感覚的効果が生じ得る。その結果は、睫毛が引っ張られて、それに関連する不快感があり、塗布がうまくいかないというものがあり得る。従来のマスカラ処方の技術は、分離とボリュームアップの間、一方が多すぎる状態と他方が不十分な状態との間のバランスを取ることである。本発明の利点の一つは、「多すぎる」と「不十分」の定義が、これまで達成可能であったものを超えて拡大されているという点である。この処方上のフレキシビリティーの向上は、処方者、製造者および消費者にとって利点となる。
従来のマスカラ製剤には、代表的には油相:水の比率が1:7〜1:3であることができる水中油型乳濁液マスカラなどがある。これらのマスカラは、良好な安定性、湿式塗布および水による容易な除去を提供するものであり、比較的安価に製造され、それには非常に広範囲のポリマーを用いることができ、ほとんどのプラスチック包装材と適合する。欠点として、水中油型マスカラは、水および水分の曝露に対して十分に耐えられない。水中油型マスカラは代表的には、乳化剤、ポリマー、ロウ類、充填剤、顔料および保存剤からなる。ポリマーはフィルム形成剤として働き、マスカラの損耗を改善する。ポリマーは、マスカラの乾燥時間、レオロジー(すなわち、粘度)、可撓性、耐剥落性、耐水性に影響を与える。ロウ類も、マスカラのレオロジー的特性に大きな影響を与えるものであり、通常は融点特性および粘度に関して選択される。場合により、不活性充填剤を用いて、製剤の粘度ならびに達成可能な睫毛のボリュームおよび長さを制御する。顔料の中では、黒色酸化鉄がマスカラ製剤では第1位であり、鮮やかな色を得るための非鉄酸化物顔料も最近では重要になってきた。保存剤は、販売可能なマスカラ製品では実質的に必ず必要とされる。
油中水型マスカラもあり、それの主たる利点は、耐水性と長い耐久性である。これらのマスカラは代表的には、油相:水の比率1:2〜9:1を有することができる。油中水型マスカラの各種欠点には、睫毛からの製品除去が困難である点、長い乾燥時間、製品貯留部からの高いレベルの重量損失、一般的には水中油型マスカラと比較した充填材料との適合性の低さ、そして比較的低い引火点などがある。油中水型マスカラは代表的には、乳化剤、溶媒、ポリマーおよび顔料からなる。揮発性溶媒は、マスカラの乾燥を早めるものである。ポリマーは、上記の水中油型の場合と同様の役割を油中水型マスカラでも果たすが、前者においては、水混和性フィルム形成性ポリマーが推奨される。同じ種類の顔料を、水中油型の場合のように、油中水型マスカラで用いることができる。しかしながらこの場合は、疎水処理された顔料が、安定性および適合性を改善し得る。
貯留部では、マスカラの乾燥が一般的な問題である。乾燥を制限する一つの方法は、断面積が小さいためにマスカラがほとんど外気に触れない円筒状の管もしくは瓶に入れてマスカラを提供するというものである。そうではあっても多くの場合、貯留部中のマスカラの若干部分が、乾燥のために使えなくなる。乾燥は、貯留部からの水分蒸発が多すぎる場合にも起こり得る。蒸発する水の量は、貯留部が外気に曝露される時間の長さによって決まる。ブラシを貯留部に繰り返し浸漬するという動作も、製品に空気を取り込ませることで、乾燥速度を大きくする可能性がある。そのため、ブラシを貯留部に浸漬する時間をできるだけ少なくする方が良く、アプリケータを「ポンピング」する動作によって製品をそれに乗せることは回避すべきである。溶媒含有系では、過剰量の溶媒が製品から揮発すると乾燥が起こる。理想的には、溶媒は製品を睫毛に塗布するまで製品中に残っているものと考えられ、そこで初めて、揮発性成分が飛散することで乾燥効果が生じるものであると考えられる。しかしながら通常起こるように、製品が空気に曝露されるたびに、一部の溶媒が貯留部中の製品から失われる。従って、製品を通常のように使用することが、製品劣化を引き起こす。非常に多くの場合、貯留部中に残っているものは浪費されていき、使用できないほどに乾燥してしまう。
使用時に粘度を変えるためのアプリケータ
市場に出ているマスカラ製品の大半において、塗布時にマスカラのレオロジー特性および塗布特性を変えるための機構は設けられていない。文献では、米国特許第5180241号に、容器が、容器内部に接しているらせん型バネを有し、ブラシは容器から出る途中で、それを通過しなければならないマスカラ容器および従来のマスカラブラシについて記載している。ブラシ上の製品は、バネの回転によって絞られた時の製品を乗せた荒毛の曲がりおよび歪み取りの作用によって破壊されるチキソトロピーを有すると記載されている。その参考文献は、粘度にどの程度の影響があるかや、どれだけの時間にわたってその効果が持続するかを、いかなる形でも量化していない。このシステムの欠点には、ブラシがバネを通過する瞬間だけ、マスカラが剪断されるという点などがある。長時間、数秒もしくは数分間にわたるより長い連続的剪断を行うための機構はない。ブラシが容器から抜き出された後、例えばマスカラを睫毛に塗布している間は、剪断は行われない。この間、粘度は、それが低下されていた範囲内において、それの元の値まで戻っていることから、得られたとしても完全な長所を実現することもできない。ユーザーが、バネを使ってアプリケータを繰り返しポンピングすることで剪断量を増やそうとすると、上記のような製品への空気の取り込みと製品の乾燥という有害な効果が生じる。それは実際には、所期の結果とは対照的な結果を生じることで、製品が粘稠なものとなり、流動性が低下するものと考えられる。さらにこの参考文献では、抗チキソトロピック挙動(または剪断時の濃厚化)を行うことができるマスカラについては言及されておらず、このシステムがどのように、将来的なマスカラ製剤に影響し得るかについての示唆もない。この点は、剪断によって、粘度が実質的にある程度変わり、その期間はユーザーが制御可能であり、その期間は数秒もしくは数分であることができる本発明とは異なる。剪断を生じさせるのに、アプリケータをポンピングする必要はなく、チキソトロピックマスカラだけでなく抗チキソトロピックマスカラも、本発明からの恩恵を受けることができる。さらに本発明は、マスカラを従来のように製剤する方法に変更を加える方法をもたらすものである。
米国特許第5775344号では、マスカラ製品を、塗布の直前および/または塗布中に加熱する。通常、熱の供給は、電池駆動の加熱要素によって行われる。その加熱要素は、マスカラを保持する容器中にあっても良く、またはマスカラに浸漬されるブラシにあってもよい。′344特許は、装置使用の都度、塗布に先だって貯留部の全内容物を加熱する化粧製品装置を開示している。しかしながら理解すべき点として、製品に損傷を与えることなく、全てのマスカラを温度循環させることはできない。過剰の熱を加えたり、加熱回数が多すぎることで構造的または化学的に変化するマスカラの場合、これらの装置は全く不適切である。この点は、貯留部に残っている製品が加熱されず、将来使用するために良好な条件で残っている本発明とは異なっている。これら装置の別の欠点は、熱を貯留部内部に維持するために熱的絶縁が必要であるという点である。その絶縁によって、これらの装置は、貯留部の加熱も絶縁も行わない本発明のものより複雑かつ高コストとなる。
剪断手段が設けられた場合、実質的に全てのマスカラが、ある程度の低粘度化もしくは高粘度化挙動を示し得る。非振動型ブラシを用いると、ユーザーは、マスカラを大きく剪断して、それが低粘度化もしくは高粘度化挙動を示すようにすることができなくなる。容器中の製品を従来のアプリケータが剪断した結果として、製品粘度のある程度の変化が得られたとしても、その量は本発明と比較してわずかなものであると考えられ、ユーザーにはほとんど利点がないものと考えられる。本願出願人の知る限り、塗布プロセスにおいてマスカラが低粘度化もしくは高粘度化挙動を示す能力は、いかなる程度でも引き出されたことはなかった。より具体的には、振動式マスカラブラシの存在および塗布時にマスカラの粘度を変える上でのそれの使用に関しては、現在までのところ知られていない。
目的
本発明の別の目的は、振動することで、改良されたマスカラアプリケータおよび他の利点を提供するマスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、異なる使用段階でアプリケータの性能特性を変える能力をユーザーに与えるマスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、異なる使用段階でマスカラの性能特性を変える能力をユーザーに与えるマスカラアプリケータを提供することにある。
別の目的は、使い捨て睫毛アプリケータヘッドおよび再利用可能な振動手段を有する振動式マスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、貯留部から製品をより容易に取り出すマスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、貯留部をより完全に排気するマスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、塗布直前および/または塗布中に製品の粘度を低下させるマスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、非常に粘度の高いマスカラを塗布する上で有効な改良されたマスカラアプリケータを提供することにある。
別の目的は、例え組成物のレオロジー特性のために非振動式ブラシで用いるには組成物が適さない場合であっても、振動式ブラシとともに用いるのには好適なマスカラ組成物を提供することにある。
別の目的は、マスカラを剪断することで、剪断を停止した後に、粘度に対するある程度の効果が既知の時間にわたって持続させることができるマスカラアプリケータを提供することにある。
本発明の別の目的は、振動式アプリケータとともに使用する上で好適なマスカラ組成物を製剤する方法を提供することによって、マスカラ塗布を改善することにある。
上記目的および他の利点は、振動式アプリケータによる使用時に粘度が予測可能に変わるマスカラ組成物によって実現可能である。本発明の他の目的およびそれの利点については、下記の説明を読むことで明らかになろう。
本発明は、振動式アプリケータヘッドを有する化粧品アプリケータである。本発明で使用される組成物は、振動式アプリケータによる振動に応答して予測可能に挙動するものである。具体的には、本発明の組成物には、標準的なレオメトリー流動試験でチキソトロピック的もしくは抗チキソトロピック的な挙動を示すものなどがある。塗布時に組成物の粘度を管理する能力により、消費者に提供可能な製剤の種類が大幅に多くなり、製造および生産コストにおいて有利となる。
詳細な説明
本願全体を通じて、「含む」、「包含する」、「包含」などの用語は、具体的に言及されている対象に限定されないことを一貫して意味するものである。
本発明は、振動式アプリケータヘッドを有するマスカラアプリケータである。この広い概念は、無制限の範囲のマスカラアプリケータ型に適用可能であり、化粧品およびパーソナルケアアプリケータならびに身づくろい道具全般にも適用可能である。簡潔を期すため、この議論の出発点を、上記の代表的なマスカラブラシアプリケータとする。しかしながら原理的には、本開示内容の恩恵により、当業者は、実質的にあらゆる種類のマスカラアプリケータに本開示の内容を適用可能である。従って、前記アプリケータヘッドは、荒毛ヘッドに限定されるものではなく、前記のディスク配列のような他の種類のマスカラアプリケータヘッドであることもできる。
アプリケータ
以上の点を念頭において、本発明による基本的なマスカラアプリケータ(図1および2)は、ハンドル1;ハンドルに取り付けられた柄2a;柄に対して近位端で取り付けられ、ハンドルを超えて延在するロッド2b;ロッドの遠位端に取り付けられた睫毛アプリケータヘッド3;ならびにアプリケータヘッドを振動させる手段を有する。ここで、「睫毛アプリケータヘッド」とは、化粧品の分野で睫毛のメーキャップおよびつくろいに好適であると認識されている構成を意味し、それの最も一般的なものは荒毛ブラシヘッドであり、他のものについては上記で説明した。振動手段には、荒毛ヘッドに直接もしくは間接に1以上の振動的影響を与えるものが含まれる。「直接」という用語は、アプリケータの他の部分、すなわちハンドルもしくはロッドなどを最初に経由する必要なく、1以上の振動的影響が荒毛ヘッドに供給されることを意味する。「間接に」という用語は、1以上の振動的影響が荒毛ヘッド以外のアプリケータ部分に供給され、次に1以上の振動的影響が荒毛ヘッドに伝わり、所期の目的に有効となるだけのエネルギーを有してそこに到達することを意味する。いずれにしても、振動式荒毛によって行われる運動の種類は、上記の回転式ブラシのものとは異なる。それらのブラシを用いると、荒毛エンベロープ全体がロッドの長軸を中心として回転し、ロッドの曲がりは起こらない。本発明では、荒毛エンベロープは回転しなくともよい。ブラシの設計ならびに振動手段の位置およびパラメータに応じて、いずれか各個々の荒毛がそれの芯への挿入箇所から曲がるか、またはロッドがそれの長手方向に対して実質的に垂直な方向に曲がるか、あるいはその両方である。ロッドの曲がりは、単純な側方曲がりもしくは左右の動きであることができるか、またはアプリケータの先端が、例えば楕円などの曲線経路をたどることができる。当然のことながら、ロッドが曲がると、荒毛がその動きに連れて移動する。
本発明の1実施形態(図3参照)において、マスカラアプリケータはさらに、DCモーター部分組立品4も有しており、それは簡便にはマスカラアプリケータのハンドル1に収納されており、そこで隠れていて見えない。その部分組立品は、モーター4aおよびモーター筐体4bを有する。モーター筐体は、モーターおよびハンドル内部の他の部品を保護するものである。本発明の好ましい実施形態で用いられる簡単なDCモーターは6個の部品を有する。それは、接極子(もしくはローター)、交換子、ブラシ、心棒、界磁石および導線である。これら部品のDCモーターにおける関係および作用は、良く知られている。振動的影響を発生させるため、心棒の重心が、心棒の長軸からずれている。すなわち、心棒は回転の軸の片側で、他方の側より重くなっている。従って、心棒が回転すると、振動が発生し、それがモーター筐体からマスカラアプリケータのハンドルに伝わる。そのためには、心棒には図3に示したように偏心釣り合いおもり4cを取り付けてもよい。この種類のモーターは、振動するポケットベルおよび携帯電話で見ることができる。大きさに関して、本発明で使用する上で好適な「ミニチュアモーター」もしくは「振動モーター」は、多くの入手先から市販されている。モーターが発生する振動の振幅は、少なくとも部分的に、モーターの速度、偏心釣り合いおもりの重量およびそれの心棒長軸からの位置ずれの程度によって決まる。アプリケータヘッドの振動の振幅はさらに、モーターからアプリケータヘッドまでの距離およびモーターからアプリケータヘッドまで振動が伝播すべき材料の物性、幾何形状およびつながりによって決まる。これらのパラメータを注意深く選択することで、揺動式アプリケータヘッドの所望の周波数および振幅が得られる。適宜に、さらに複雑なモーターを用いることが可能である。例えば、本発明によるマスカラアプリケータは、ユーザーの裁量で段階的もしくは連続的に速度を変えるモーターを有することができる。
図3の実施形態において本発明はさらに、モーター筐体内に配置され、モーターに電気的に接続されていることで、モーターに電力を供給するDC電源装置5を有する。電気端子4dも筐体に入っており、電源装置とモーターの間に配置されている。好ましい実施形態において、DC電源装置は、モーター筐体と並んで、アプリケータのハンドルの内側に嵌合している1以上の電池である。モーターに適切な電流および電圧を供給するよう選択される懐中電灯および煙感知器で使用されているものなどの一般的な家庭用電池が好ましい。それには代表的には、AA、AAA、C、Dおよび9ボルト電池と称されるものなどがある。適切である可能性がある他の電池は、携帯電話、補聴器、腕時計および35mmカメラで一般的に見られるものである。本発明は、電池で用いられる化学系の種類によって限定されるものではない。電池化学系の例としては、亜鉛−炭素(または標準的炭素)、アルカリ、リチウム、ニッケル−カドミウム(充電式)、ニッケル−金属水素化物(充電式)、リチウムイオン、亜鉛−空気、亜鉛−酸化水銀および銀−亜鉛の化学系などがある。
他のDC電流源には、例えば計算機および携帯電話などの多くの携帯型機器で見られる太陽電池技術ような太陽に基づく電力などがある。この実施形態によれば、日光もしくは人工光線を表面に当てることができる1以上の集光部分が配置されている。例えば、集光部分は、ハンドル軸に平行なハンドルの外側表面上に配置することができる。光が集光部分に当たると、公知の光電池技術によって、光エネルギーがモーターに供給される電流に変換される。適宜に、蓄電池を設けて、光電セルが作り出した未使用の電気エネルギーを貯え、例えばモーター用に十分な光電流を発生させるには光が弱い場合のように、それを後で利用してモーターに供給することができる。
好ましい実施形態では、モーター部分組立品4および1以上の電池5はハンドル1内に収納されており、そこでそれらは隠れているために見ることができず、損傷から保護されている。しかしながら、モーターもしくはそれのいずれかの部分または電池がハンドル外にあったり、アプリケータのいずれか他の部分にあるのを防ぐものは原則的にない。原則的に、唯一の要件は、モーターによって発生される振動が、アプリケータヘッド3に伝わることができるという点である。モーターとマスカラアプリケータの間の十分な物理的接触を適切に確保することでモーターからブラシヘッドに振動エネルギーが伝わるための経路が存在するようにすることで、この要件は満足される。そのような経路が存在する限り、モーターで発生した振動は、アプリケータヘッドに伝わり、アプリケータヘッドを振動させる。
例として図3のものなどの本発明によるアプリケータはさらに、モーター4aのオンおよびオフを切り換えるための少なくとも1個の手段を有する。そのオン/オフ手段は、モーターと電源の間の電気の流れを交互に中断および再開することができる。好ましい実施形態では、少なくとも1個のオン/オフ手段は、ユーザーの指によって直接もしくは間接に係合させることができるアプリケータ外部からアクセス可能な1以上のスイッチ4eである。この種類のオン−オフ手段は、本願において「手動」と称する。スイッチ、DC電源装置およびモーターは、電気業界で公知のいずれかの方法で電気的に接続されて、閉回路を形成している。スイッチは、2本の導線を有することができる。図6では、これらは電池コンタクト4gおよびワイヤー端子4hである。そのようなスイッチの詳細については、電気業界で公知であり、多くの好適な種類がある。一部の例を挙げると、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、スライダー、ボタン、回転式ノブ、タッチ作動表面、磁気スイッチおよび光電作動スイッチなどがあるが、これらに限定されるものではない。モーターが速度を変える能力を有する場合には、多位置スイッチやスライダースイッチも有用である可能性がある。
1実施形態において、手動スイッチがハンドル上にあり、ハンドルの側壁上か箸にあり、直接アクセス可能である。別の実施形態では、スイッチがハンドル上にある時は、ボタンを覆い、ハンドルを保護するキャップを設けることができる。そのキャップ(不図示)は、見た目上の理由からボタンを隠す上で役立ち得るものであり、例えば財布に入れて運んでいる間にうっかりスイッチをオンにすることからボタンを保護することができる。別の実施形態では、間接にアクセス可能なスイッチがハンドル上に配置されており、変形可能な膜で覆われていることで、その膜の一部に圧力が加わるとスイッチが作動するようになっている。図3の実施形態は、電源装置、モーターおよびそれぞれの導線と共動して、ハンドル1内でスイッチを固定するためのスイッチ固定装置4fも有する。
別の実施形態では、モーター4aは自動的にオンおよびオフを切り換えられる。「自動的に切り換え」とは、具体的にスイッチを係合させる以外に、アプリケータの通常の使用の結果として、モーターのオンまたはオフが行われることを意味する。例えば、マスカラアプリケータを貯留部から引き抜くとモーターは自動的にオンとなり、それが貯留部に再挿入された時にオフとなることができる。この実施形態では、スイッチは、ハンドル1が貯留部20から離れつつある時またはそれに取り付けられようとしている時に、スイッチの状態が変わるように、アプリケータ上もしくはその内部の場所に配置されている。それは、ハンドルが貯留部から離れつつある時に、スイッチアクティベータがスイッチと相互作用して、スイッチの状態を変えるような位置に、スイッチアクティベータを設けることで達成される。1実施形態においてそれは、スイッチとアクティベータの間の直接の物理的接触によって達成することができる。例えば、スイッチはアプリケータハンドル1の内部表面上に配置されたロッカースイッチであることができ、アクティベータは貯留部の首部21上もしくはその近傍に配置された突起部であることができる。各要素の相対的位置は、貯留部の首部からハンドルを緩めた時に、ロッカースイッチが突起部上をスライドし、ロッカーの状態がオフからオンに変わるようなものとする。後で、ハンドルを首部にねじ込む時には、スイッチは反対方向に動いて突起部上を通過し、スイッチの状態がオフに戻る。別の実施形態では、バネ式スイッチが、ハンドル内部で、貯留部20に係合しているハンドルの端部近くに配置されている。この場合、ハンドルが貯留部上にねじ込まるに連れて、貯留部の頂部部分がスイッチと接触する。ハンドルが貯留部に完全に固定されると、スイッチがそれのオフ位置に維持される。ハンドルが貯留部から緩められると、バネの作用下で、スイッチが跳ねてオン位置となる。別の実施形態では、スイッチとアクティベータとの間の直接の物理的接触なしに、いくつかの自動スイッチが作動する。例えば、ハンドル1には、ハンドル表面外部に磁気コンタクトを設けることができ、貯留部表面外部に相当する磁気コンタクトを配置することで、マスカラアプリケータが閉位置にある時に、その2つの磁気コンタクトが隣接するようにすることができる。この種類の電気スイッチ配置は、例えばドアおよび窓におけるホームセキュリティーシステムで一般的である。マスカラアプリケータが閉じ、コンタクトが効果的に近接している間、スイッチは開位置にあり、すなわちモーターへの電流が中断されている。ハンドルを貯留部から引き抜くと、磁気コンタクトが互いに離れることにより、スイッチが閉じ、モーターがオンとなる。後に、ハンドルが貯留部上の閉位置に戻ると、磁気コンタクトが再度効果的近接状態となり、モーターがオフとなる。あるいはそのスイッチは、日光もしくは人工光を当てることができる1以上の集光部分が配置された光もしくは光線作動式スイッチであることができる。スイッチアクティベータは、閉位置においては、光が集光部分に達するのを防止し、この状態でスイッチを開状態とすることで電流がモーターに流れないようにするカバーである。カバーが開位置にあると、光がある場合、その光が集光部分に当たる。それによって光作動式スイッチが閉じ、すなわち電気回路が完成して、電源からモーターに電流が流れる。スイッチ、ハンドルおよび貯留部の多くの配置が可能であり、関連する業界の当業者には明らかであろう。さらに、単一のアプリケータに複数のオン−オフ手段を設けることが好ましい場合がある。第1の手段が自動スイッチであり、第2の手段が直前に説明した手動スイッチであることが考えられる。これらを、いわゆる「3方」スイッチとして動作するよう配線することで、自動スイッチの優先化の選択肢をユーザーに提供することができるものと考えられる。
本発明の好ましい実施形態では、振動手段は再利用可能である。再利用可能な振動手段は、睫毛アプリケータヘッドを着脱式とすることで、それを別のヘッドと交換可能とすることで達成される。アプリケータヘッドを着脱式とすることで、振動手段(例えば、電動モーター)を、同じ種類のマスカラもしくは異なるマスカラと、そして同じ種類のブラシヘッドもしくは異なるブラシヘッドと無限に再使用することが可能である。振動手段は、アプリケータの最も高価な部分となる可能性が高いことから、それの再利用は実に有利である。他の利点もある。例えば、ユーザーが貯留部中のマスカラを使い切った時、その女性は、貯留部およびアプリケータヘッドだけは捨てざるを得ないが、振動手段は再使用する。従って、振動手段が再利用可能であれば、浪費が減ることになる。ユーザーが同じマスカラ製剤を使い続けることを希望する場合に、その女性はアプリケータヘッドを持っておくことができるが、ヘッドが汚れていたり壊れている場合にはそれを交換したいと思う可能性がある。他方、ユーザーがマスカラ組成物を変更したい場合、そのユーザーは新たな組成物を汚さないように、アプリケータヘッドを交換したいとも思うであろう。これは、ユーザーによるアプリケータヘッド交換ができない先行技術のアプリケータに勝る大きな利点である。さらに、例えユーザーがマスカラ製剤を変えない場合であっても、その女性は新たなスタイルのアプリケータヘッドを試してみて、結果を至適化したいと望むかもしれない。上記で論じたように、マスカラアプリケータの多くの変形形態が、それの性能上の利点を得るべく作られている。本発明の着脱式アプリケータヘッドの特徴により、実質的にあらゆるスタイルのアプリケータヘッドを、振動式アプリケータとして用いて、さらなる性能上の利点を得ることが可能となる。
着脱式アプリケータヘッドの特徴は、振動手段を再利用可能とする何らかの好適な手段によって影響を受け得る。例えば、ロッド2bを柄2aに着脱式に取り付けることができるか、または柄をハンドル1に取り付けることができる。あるいは、アプリケータヘッド3を着脱式にロッドに取り付けることができる。ここでは、振動手段がハンドル内に収納されていると仮定する。着脱式の取り付けは、ロッドの一部を柄の一部に摩擦もしくはスナップばめもしくはスナップばめするかその逆とするか、または柄の一部をハンドルに摩擦/スナップばめすることで得ることができる。あるいは、これらの部分を、ネジ山もしくはラグを共動させることで連結させることができる。多くの好適な構成が、当業者には明らかであろう。
本発明はまた、複数の貯留部を有するマスカラメーキャップキットであって、各貯留部がマスカラ組成物を含み、その組成物が全て同じとは限らないものを包含する。例えば、マスカラメーキャップキットは5個の貯留部を有することができ、各貯留部は、異なる陰影のマスカラを含んでいる。そのようなキットはまた、好適な数の睫毛アプリケータヘッドを有し、その少なくとも一つがそれぞれ異なる組成物に関連している。そのようなキットでは、ユーザーが必要に応じてアプリケータヘッドを変えることができることから、1個の再利用可能な振動手段のみが必要である。
本発明はまた、複数のスタイルのアプリケータヘッドを有するマスカラメーキャップキットであって、各ヘッドが異なる性能効果を提供するものを包含する。例えば、比較的硬い荒毛を有するブラシ1個および比較的柔らかい荒毛を有するブラシ1本;高密度荒毛分布を有するブラシおよび混合繊維種を有するブラシ;従来のらせんブラシおよびいわゆるボタン穴ブラシ;荒毛を有するブラシおよびビーズもしくはディスクを有するブラシなどがあり得る。そのキットは、特定の種類のアプリケータを交換する必要がある場合には、同じアプリケータを2個以上有していてもよい。その組み合わせには制限はない。そのようなキットでは、ユーザーが必要に応じてアプリケータヘッドを変えることができることから、1個の再利用可能な振動手段のみが必要である。
本発明の1作業実施形態では、約1.59mm(約0.0625インチ)の振幅および約50回/秒の周波数でかなり良い結果が得られた。より一般的には、有用な振動周波数範囲は、約10〜約1000回/秒であると予想される。しかしながら、ミニチュアモーターは、約300回/秒までは商業的に容易に入手可能であると思われる。現時点では、約300回/秒を超えるミニチュアモーターを製造もしくは入手することは困難であると考えられることから、10〜300回/秒の範囲が好ましく、30〜100が最も好ましい。振動振幅の有用な範囲は、約1/64(0.016)〜約1/4(0.250)インチである。これを超えると、ブラシの運動がユーザーにとって嫌なものとなる可能性があり、製品貯留部が小さすぎて、さらに大きい運動ができなくなる可能性がある。これより小さいと、本明細書に記載の簡単な設計で達成することが困難になる可能性がある。1/32〜1/8インチが好ましく、約1/16が最も好ましい。1/16の振幅は、ユーザーに対して過剰に嫌な思いをさせることなく、製品を剪断するには十分である。周波数および振幅のこれらの有用な範囲は、例えば上記の揺動式シェーバーに関する米国特許第5299354号などの公知のパーソナルケア振動装置で開示のものとは大きく異なっている。′354特許では、理由は明らかではないが、皮膚を横切って引かれる揺動式の刃は、本発明の0.016〜0.250インチと比較して0.002〜0.007インチの開示の振幅を有する。さらに、揺動式シェーバーのモーター周波数は、本発明の場合の好ましい範囲600〜18000と比較して、5000〜6500rpmであると開示されている。当然のことながら、本発明においては、揺動式ブラシの振動値を調節して、マスカラの粘度を変える。対照的に、揺動式シェーバーの振動値は恐らく、顔面の髭の持ち上げを至適とするように選択される。
マスカラの粘度を変えるに当たり、振動式ブラシの周波数および振幅は検討すべき唯一の要素ではない。別のものとしては、アプリケータ先端の構成もしくは幾何形状である。マスカラと接触する総表面積およびそれらの表面の形状などのパラメータも、マスカラの粘度がどのように反応するかを決定する。従って、所定の周波数および振幅で、異なるアプリケータ型は、異なる結果を生じ、一部のものが他のものより有用である。通常の実験を用いて、所望の結果に到達することができる。概して、製品と接触するアプリケータ部分の表面積が大きくなるに連れて、マスカラ粘度のより大きい変化が予想される。不規則性の大きいアプリケータ表面の方が、粘度に対する効果が大きいと予想される。
マスカラに対するアプリケータの効果
このセクションでは、本発明による振動式ブラシがマスカラのレオロジーに対する持続的効果を有することを示す。粘度などの流体流動特性は、温度、加わる剪断の速度および加わる剪断の時間という3つの要素によって決まる。′344特許にあるように、マスカラを加熱してそれの流動特性を変えることは、製品の剪断に依存し、温度が実質的に一定なままである本発明とは基本的に異なっている。加熱および剪断を加えることは異なる分子機構によって所定の材料の粘度を変えるだけでなく、加熱および剪断を外した後の材料の挙動も互いに異なるために、粘度を変えるその2つの方法は同じものではない。本願において特に興味深いものは、所定期間にわたって振動式ブラシで剪断し、剪断してから数分以内に突然取り出した場合のマスカラの挙動である。レオロジー用語の標準的な定義は若干利用分野によって決まるものであるが、下記の参考文献にあるものが読者には有用であると考えられる(″Guide To Rheological Nomenclature: Measurements In Ceramic Particulate Systems″ National Institutes of Standards and Technology Special Publication 946, January 2001;本明細書において引用によって組み込まれる)。
図7aおよびbならびに図8aおよびbは、2つのマスカラ組成物それぞれについての2つの標準的なレオメトリー試験時に行った測定のグラフである。これらは加わる剪断範囲にわたって材料の挙動について特性決定を行う速度変動剪断試験である。加わる剪断の速度を水平軸に示し、被験材料に誘導される応力を垂直軸に示してある。これらの試験では、0から出発して、0〜50もしくは0〜1000/秒の所定範囲で剪断を強くしている。剪断が強くなるに連れて、グラフでダイン/cmで記録されるサンプル中の応力も強くなる。上限剪断速度に達したら、剪断速度を制御しながら低下させてゼロとし、その途中で応力を測定する。試験全体で要する時間は、2分間と短時間になると考えられる。これらのグラフにおいて、点のある曲線(または「上昇曲線」)は、剪断を徐々に上昇させるに連れての誘導応力を表し、点のない曲線(「下降曲線」)は、剪断を徐々に低下させるに連れての応力を追跡したものである。各グラフは、対照(「C」とラベル表示);本発明による振動式ブラシで3分間前剪断しておいたサンプル(3とラベル表示);本発明による振動式ブラシで10分間前剪断しておいたサンプル(10とラベル表示)という3種類の被験サンプルを示している。前剪断サンプルについては、前剪断段階から2分もしくは5分以内に試験を行った。
これらの測定は、標準的な平行スチールプレートの形状を用いて環境条件下で行い、プレートは直径2.0cmおよび間隔200μmを有していた。試験期間は2.0分間とし、1分間で剪断を上昇させていき、1分間で剪断を下降させていった。グラフ7aおよび8aでは、初期剪断は0/秒であり、最大は50/秒であった(低剪断試験)。グラフ7bおよび8bでは、初期剪断は0/秒であり、最大は1000/秒(高剪断試験)であった。傾斜モードは、直線的かつ連続的とした。サンプルを前剪断するのに用いた振動式アプリケータは、本発明によって構築された振動周波数50回/秒を有するねじれワイヤー芯荒毛ブラシアプリケータであった。
これらのグラフにおいて、下降曲線が上昇曲線を正確に引き返していないということは、いわゆる「チキソトロピック」もしくは「抗チキソトロピック」挙動を示すものであり、曲線間の面積は、そのいずれかの程度の測定値を提供するものである。そのようなプロットにおいて、上昇曲線が下降曲線の上側にある剪断範囲はチキソトロピック挙動を示すが、下降曲線が上昇曲線より上にある剪断範囲は抗チキソトロピック挙動を示す。図7aおよび7bのマスカラは、3種類のサンプル全ての両方の試験において全試験範囲にわたってチキソトロピック的挙動を示す。図8aのマスカラは、剪断速度約20〜25/秒より上で抗チキソトロピック挙動を示す。この抗チキソトロピック挙動は、グラフ8bにおいて約600/秒まで続いている。これらのいずれの領域からも外れると、マスカラはチキソトロピックな挙動を示す。
振動式ブラシで前剪断された被験サンプル(3および10とラベル表示されたもの)が、対照サンプル(Cとラベル表示されたもの)と異なる挙動を取ったことを理解することが、非常に重要である。例え前剪断から2〜5分後まで、前剪断サンプルを測定しなかったとしても、それが当てはまる。そのことは、振動式ブラシがマスカラ組成物のレオロジー(すなわち、粘度)に対して持続的効果を有するものであることを意味している。振動式ブラシがマスカラのレオロジーを変える上で有効であることは、表1および2からわかる。加えられた平均応力は、マスカラを変形(剪断)させるのに必要な応力であり、剪断速度範囲100〜900/秒にわたっての平均を取ったものである。この値は、対照ならびに3分および10分前剪断サンプルに関する図7bおよび8bのデータから誘導したものである。対照に対する変化%を示している。
Figure 0004460002
Figure 0004460002
図7bに相当する表1は、対照と比較して、前剪断されたマスカラを変形(剪断)させるのに、必要な応力は相対的に低いことを示している。すなわち、振動式ブラシがマスカラの粘度を低下させ、その低下した粘度はブラシを取り除いてから少なくとも2〜5分間は持続していた。図8bに相当する表2は、平均で、対照と比較して、前剪断されたマスカラを変形(剪断)させるのに、より大きい応力が必要であったことを示している。すなわち、振動式ブラシによってマスカラの粘度が上昇し、この上昇した粘度が、ブラシを取り除いた後少なくとも2〜5分間持続していた。
表3および4は、これを強調するものである。これらの表におけるデータはやはり、それぞれ図7および8に示された試験から取ったものである。これらの表は、剪断を徐々に上昇させたとき、そして剪断を徐々に下降させたときの、試験中における特定の剪断速度でのマスカラの粘度を挙げてある。表3では、対照が、剪断速度100/秒での約64ポアズの粘度から、剪断速度900/秒での約8ポアズに下がり、100/秒で上昇して約29ポアズまで戻ることがわかる。このマスカラは、試験によってかなり低粘度になっている。同じパターンが、3分サンプルおよび10分サンプルの場合にも認められる。しかしながら、非常に重要な点として、振動式ブラシによる前剪断の結果として、粘度範囲全体は下方に移動している。想起すべき点として、前剪断サンプルは2〜5分間静置してから、レオロジー試験を行っており、その間に粘度が明瞭に再構築されているが、試験開始までは粘度は対照値よりかなり低いままである。すなわち、振動式ブラシの低粘度化効果が、2〜5分より長く持続する。本願出願人が知る限りにおいて、そのようなもしくは同様の持続効果はこれまでに報告されていない。
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表4から、対照が、剪断速度100/秒での約64ポアズの粘度から、剪断速度900/秒での約14ポアズに下がり、100/秒で上昇して約71ポアズまで戻ることがわかり、それは上昇時の剪断速度100/秒でのそれの粘度より大きい。従って、このマスカラは、レオロジー試験によってかなり高粘度化している。同じパターンが、3分サンプルおよび10分サンプルの場合にも認められる。ただし、ほとんどの部分で、粘度範囲全体が上側に移動しており、それは振動式ブラシによる前剪断によってもマスカラが高粘度化していることを意味している。想起すべき点として、前剪断サンプルは2〜5分間静置してから、レオロジー試験を行っており、振動式ブラシの高粘度化効果が2〜5分間を超えて持続するものであることを示している。
Figure 0004460002
これらの表は、本発明による振動式ブラシが、広い範囲の印加剪断にわたって測定可能なマスカラに対する持続的効果を有しており、その効果が顕著であり、従って有用であることを示していることから、重要である。振動式アプリケータの全体的な効果が粘度を低下させるものであるか上昇させるものであるかは、部分的には、マスカラの組成によって決まる。
前述したばかりのレオメトリー試験は、本発明による振動式ブラシがマスカラのレオロジーに対して持続的効果を持ち得ることを示している。しかしながら、本発明による振動式アプリケータが揺動して、それがマスカラを剪断するに連れて、連続的に速度および方法を変えるため、本発明による振動式ブラシに対する所定のマスカラの実際の応答は、非常に複雑なものである。マスカラの応答は、マスカラに伝えられる剪断エネルギーの量によって決まり、それは一部には、ブラシの振幅および回転数、ブラシの幾何形状およびブラシがマスカラを通って取る経路、振動の期間、ならびに製品と接触する振動式アプリケータヘッドの表面積によって決まる。やはり留意すべき点は、そのマスカラ製品は、睫毛への塗布の間、剪断を受け続けることである。振動式ブラシが睫毛の間を引き抜かれるに連れて、ブラシおよび睫毛の両方と接触しているマスカラの部分に剪断力がかかる。睫毛に最も近いマスカラの層は、さらに離れた層が振動式ブラシによって引き抜かれる間、動かない状態に留まる。この状況は、非常に不規則および複雑である。対照的に、レオロジー用語「チキソトロピー」および「抗チキソトロピー」という用語は、一定の剪断速度状況について定義されるものであるが、「剪断低粘度化」は、一方向のみで起こる一定に上昇する剪断との関連で定義される。これらの種類の制御された流動条件は、本発明の振動式アプリケータによっては生じない。しかしながら、チキソトロピック応答のように、部分的に、撹乱を受けていない材料のネットワークより緩いネットワークに分子構造が配置されるために、粘度低下が生じる可能性が高い。同様に、抗チキソトロピック応答のように、撹乱を受けていない材料のネットワークより強いネットワークに分子構造が配置されるために、粘度上昇が生じる可能性が高い。さらに、剪断エネルギーが熱として放散される間におけるマスカラの新たな分子構造自体の逆転(または緩和)のために、その持続的なレオロジー効果は無限に続かないことが予想される。そうではあっても、前記の議論は、本発明による振動式ブラシの効果が、ユーザーが塗布時にマスカラを効果的に操作し、マスカラのレオロジーを変え、利益、実際には多くの利益を得るのに十分長く持続するという、驚くべき結果を示している。
本願全体を通じて、「チキソトロピックマスカラ」とは、振動式アプリケータに対する全体的な応答が、粘度を失うことであり、その粘度低下が振動を停止した後に実質的に長い期間持続するマスカラを意味する。その実質的期間とは、ユーザーがマスカラを処方の方法で十分に塗布するには十分長いものであり、例えば少なくとも約2〜5分間である。さらに、粘度の低下は、その実質的期間後に自己可逆的である。本願全体を通じて、「抗チキソトロピックマスカラ」とは、振動式アプリケータに対する全体的な応答が粘度の獲得であり、その粘度獲得は振動を停止してから実質的期間にわたって持続するマスカラを意味する。その実質的期間とは、ユーザーがマスカラを処方の方法で十分に塗布するには十分長いものであり、例えば少なくとも約2〜5分間である。さらに、粘度の獲得は、その実質的期間後に自己可逆的である。
マスカラの場合、「初期粘度」とは、未剪断マスカラが密閉容器(揮発性成分の損失なし)中で有する粘度を意味する。初期粘度によって特徴付けられる未撹乱(未剪断)状態で開始したとき、チキソトロピックマスカラの振動式アプリケータに対する全体的な応答は粘度の損失である。印加されていた剪断が突然なくなると、何らかの他の機構が介入しない限り、チキソトロピックマスカラの粘度は経時的に戻っていき、それの初期値に実質的に近い最終値となる。抗チキソトロピックマスカラに関しては、振動式アプリケータに対するそれの全体的応答は、粘度の獲得である。しかしながら、材料の抗チキソトロピック応答は材料の剪断履歴によって決まることから、粘度上昇はすぐに起こらない可能性がある。むしろ、抗チキソトロピックマスカラ(上記で定義のもの)であっても、最初の応答は粘度低下である場合がある。この初期応答からやや経って、追加の剪断を行うと、新たな分子秩序が形状を取ることから、粘度の構築が開始する。抗チキソトロピック挙動は直ちに現れない可能性があることから、ユーザーに対して、所定期間にわたってマスカラの前振動を行ってから、睫毛に塗布するよう指示する必要があると考えられるが、その所定の時間は、実際の組成物によって決まる。いずれにしても、粘度上昇後で、加えた剪断を除いた後には、抗チキソトロピックマスカラの粘度は、何らかの他の機構が介入しない限り、経時的に低下し、それの初期値に実質的に近い最終値となる。有利であって、本開示の前には完全に未知であることは、前記持続的レオロジー効果の観察される期間が、剪断マスカラの自己回帰的緩和を中断する機会を与えるには十分長いことから、マスカラの最終的な粘度が、それの初期粘度とかなり異なるものとなり得るという点である。同じようにして、他のレオロジー特性を、それらの初期値と異なる最終値とすることも可能である。このようにして、レオロジー特性が公知のマスカラと同様であるマスカラを、塗布時のそれら特徴のうちの1以上を永久的に変える意図を持って顧客に提供することが可能である。あるいは、従来にないレオロジー特性を有するマスカラを、それらの特性を変えることで塗布後により多くの従来値を持つ意図を持って顧客に提供することが可能である。
持続的レオロジー効果の制御
剪断を無くした後、剪断マスカラの粘度は、何らかの他の機能が介入しない限り、それの初期粘度近くに戻る。本発明の機構は、環境条件でマスカラから揮発する溶媒の比較的急速な損失である。揮発性溶媒のマスカラからの損失は、マスカラを濃厚にし、マスカラの粘度を上げる傾向にある。従って、加えられていた剪断を除いた後、マスカラの睫毛への塗布後に、塗布されたマスカラが、溶媒の損失および剪断チキソトロピックもしくは抗チキソトロピックマスカラに適した構造的分子変化という2つの現象によって影響を受ける期間がある。チキソトロピックマスカラの場合、溶媒損失および構造的変化の両方が機能して、製品の粘度を上昇させる。抗チキソトロピックマスカラの場合、溶媒損失は製品粘度を上昇させるように作用するが、構造的変化は粘度を低下させるように作用する。これらの競合もしくは相補効果のため、マスカラは、それの未剪断最終粘度と異なる剪断最終粘度で固定されるようになると考えられる。「剪断最終粘度」とは、振動式ブラシでの剪断後で、全ての溶媒の損失後における塗布されたマスカラの粘度である。「未剪断最終粘度」とは、塗布されたマスカラが、本発明に従って剪断されない場合であって、全ての溶媒がマスカラから揮発した後に有すると考えられる粘度である。
最初に、振動式ブラシによる剪断によって生じる持続的レオロジー効果の時間と比較して、溶媒損失の時間を調節することで、溶媒の損失を用いて、剪断最終粘度を制御できることが認められた。「持続的レオロジー効果」とは、レオロジー効果が十分長く続くことで、剪断最終粘度が溶媒損失の速度によって決まることを意味する。すなわち、そのレオロジー効果は、それ自体をあまり早く元に戻すものではないことから、溶媒の選択はあまり重要ではなくなる。溶媒損失の時間は、組成物中における早く揮発する液体の遅く揮発する液体に対する比率または組成物中における揮発分の固体に対する比率を制御することで調節することが可能である。概して、製剤中の溶媒が多くなるほど、持続的レオロジー効果を元に戻すのに要する時間が長くなり、その逆も言える。異なる状況では、持続的効果がより長い期間またはより短い期間のものであることが有用となろう。
このシステムの主要な利点は、いわゆる両立させることができる点である。例えば、ユーザーは、剪断時の粘度低下のために、睫毛上により容易に流れて、より多量の製品をより滑らかでより容易に塗布できるようにし、良好な分離と塊状化低減を行い、他方において、粘度が有用なレベルまで再構築されるのに十分な時間が充てられることから、充填度および全体的な外観に悪影響がないマスカラシステムをユーザーに提供することができる。別の例においては、初期粘度が通常より低いが、振動式ブラシによって塗布時に粘度が上昇するマスカラが、ユーザーに供給される。塗布後、溶媒の急速な損失のために、粘度はほとんど低下しない。より薄いマスカラを製剤する効果が、製造において生じる。前記のように、マスカラは非常に濃厚で取り扱いが困難であることから、製造時に粘度が低下すれば、エネルギーおよびコストの削減となる。他の例は、当業者には容易に明らかになろう。組み合わせのマスカラおよび振動式ブラシシステムを開発する上で、非常に重要な点は、マスカラの振動式ブラシに対する応答についての何らかのアイデアである。当然のことながら、開発者は常に、振動をいつ使用し、それをいつ使用しないかについてユーザーに指示を与える選択肢を有している。通常、アプリケータが貯留部中および睫毛上にある間、塗布全体を通じて振動を使用することができるか、あるいは貯留部でのみまたは睫毛上でのみ振動を用いることができる。開発者は、マスカラの振動式ブラシに対する応答に基づいてこれを自由に選択することができる。従って、本発明は、振動式マスカラブラシの使用に関する説明書を含むキットも包含するものである。
これらの原理の一つの一般的利用分野について、以下のように説明することができると考えられる。例えば開発者が、何らかの最終前のバージョンのマスカラと比較して、睫毛塊状化の少ないマスカラ組成物を作りたいと思う。従来では、開発者は、比較的遅く蒸発する液体のレベルを上げることで、マスカラをより湿って、より流動性の高いものに維持するようにするであろう。それを行うことの欠点は、恐らくは塗布が終わってからかなり経って、比較的長い期間にわたり、製品粘度が比較的低いままであるために、それによって組成物の汚しが増加し、別の表面に移動する傾向があるという点である。あるいは、本発明によれば、開発者は、製剤を十分にチキソトロピックとすることで、比較的遅く蒸発する液体のレベルを比較的低く維持しつつ、適切に選択された振動式アプリケータで一時的に粘度を低下させ、それによって塗布時の塊状化を低減することができる。塗布後、剪断マスカラが塊状化することなく睫毛上に乗ると、マスカラの粘度が、チキソトロピック流体に関連する分子再構築および組成物からの急速に蒸発する液体の損失という2つの理由のために作られる。どちらがより多く濃厚化に寄与するかは、溶媒損失のレベルおよび剪断の程度によって決まる。この場合、開発者にとって別の新たな利点がある。溶媒が十分迅速に蒸発する場合、マスカラが形成される前に分子の再構築が完了しない可能性がある。従って、塗布されたマスカラの剪断最終粘度が、それの未剪断最終粘度より低くなるが、なおも許容されるパラメータの範囲内である可能性がある。他方、溶媒が十分遅く蒸発する場合、その再構築は実質的に完了することができ、溶媒のさらなる損失によって濃厚化が完了することで、剪断最終粘度は、未剪断最終粘度と実質的に同じになることができる。マスカラの睫毛上でのこの分子再構築によって、マスカラが濃厚となり、汚しが起こりにくくなる。従って開発者は、汚れや移動を増やすことなく、塗布の容易さおよび塊状化が関係する限りにおいて、より良好な製品を顧客に供給したことになる。
これらの原理の別の一般的利用分野については、下記のように説明することができると考えられる。例えば開発者は、最終前のバージョンの製品を持っているが、製品の充填度、厚さおよび長さのレベルを上げたいと思っている。代表的には開発者は、高レベルの固体を製剤に組み込むことで、マスカラに別の構造および充填度を与えたいと思うであろう。これを行うことの欠点には、コスト上昇ならびに製造および充填に関連する複雑さなどがある。これらの欠点のために、製品の大量生産が実現できなくなる可能性もある。そのために開発者は、製剤に妥協せざるを得ないことがある。対照的に、本発明によれば、開発者は、固体のレベルを比較的低く抑えながら、意図的にマスカラを十分に抗チキソトロピックなものとすればよい。「十分に抗チキソトロピック」とは、本明細書に記載の方法で用いられる適切に選択された振動式ブラシが、マスカラに別の分子構造を与えるということを意味している。塗布後、溶媒の損失が、前記追加分子構造の喪失より早く起こるように、溶媒系が設計されている。溶媒の比較的急速な損失により、よりしっかりした分子ネットワークが完全に崩壊することが防止される。振動式アプリケータを用いなかった場合と比較して、より構造を有した状態で、塗布されたマスカラが固定化する(すなわち、より濃厚になる)という結果になる。従って開発者は、大量生産に実際に使える良好な充填度、厚さおよび長さを有するマスカラを達成したことになる。
マスカラおよび効果的振動式ブラシの組み合わせは、先行技術では知られていない。「効果的振動式ブラシ」とは、マスカラの粘度に対する持続的で測定可能な効果を有することを含む、予測可能な形でマスカラの粘度を変える上で有効なブラシを意味する。効果的な振動式ブラシのパラメータを確認することは、簡単なプロセスである。上述のような標準的なレオロジー測定装置を用いて、対照サンプルおよび流動試験前の既知の期間内に振動式ブラシによる前剪断を行ったサンプルについて、フローチャートを作ればよい。対照曲線から離れる上昇および下降前剪断曲線の移動の程度は、振動式ブラシがマスカラに対して持っている効果の程度を示すものである。前剪断サンプルおよび対照サンプルの上昇および下降流動曲線の間の面積差は、ブラシがマスカラのチキソトロピー性を高めているか低くしているか、抗チキソトロピー性を高めているか低くしているかを示すものである。ほとんど効果が認められない場合、各種ブラシパラメータを変えてみればよく、効果的なブラシが確認されるまで試験を繰り返すことができる。
この知見を携えて、開発者は、通常の実験により、上記のような所望のマスカラ性能を支持する揮発性レベルおよび揮発分損失速度に到達することができる。より一般的には、最終前マスカラ組成物を調合して、開発者は、図7もしくは8のような応力−印加剪断流動曲線を得る。被験サンプルを前剪断するのに用いられる振動式ブラシは、いくつかの方法のいずれかによって選択することができる。例えば、マスカラ応答について事前の経験も予測もない場合、任意のブラシ形状を用いることができる。あるいは、製造者は、商業的に成功しているブラシと一緒にマスカラを販売したいと思うかも知れない。あるいは、経験に基づいて開発者は、どこから始めるかについて優れたアイデアをすでに持っているかも知れない。流動曲線を得た後、レオロジー効果の程度を、対照曲線から離れる前剪断曲線の移動から推定することができる。何らかのレオロジー効果が持続する最短時間を、前剪断と実際の測定の間の時間から推定することができる。この情報に基づいて、開発者は、ブラシパラメータを変え、流動試験を再度行うことができる。ブラシパラメータには、物理的寸法、材料特性、振動周波数および振幅などがある。物理的寸法には、エンベロープの形状、荒毛の長さおよび密度などがある。材料特性には、硬度、表面処理、滑り特性などがある。これらのいずれかを調節することで、通常の実験によって、効果的なブラシが確認される。いずれかの時点で、レオロジー効果が十分に顕著で、十分な期間のものである場合、開発者は具体的なブラシパラメータを決めることができる。そこから、その振動式ブラシは、マスカラの睫毛への塗布において実際に使用することができる。そのようにすることで、性能におけるさらなる改良を行う機会に留意することができる。最後に、組成物中の揮発分のレベルおよび種類を調節して、起こり得る分子再構築の量を支持もしくは妨害することで、最終前マスカラ組成物を再製剤する。そうして、本明細書に記載のレオロジープロットは、振動式ブラシとともに使用される、マスカラの製剤時における強力な手段となる。レオロジープロットは、何が効果的振動式ブラシのパラメータであるかを示唆する上での手段である。本発明のある作業実施形態では、振幅約1.59mm(約0.0625インチ)および周波数約50回/秒もしくは3000回/分で、かなり良い結果が得られた。この結果については上記で議論しており、それは、粘度に対する持続的効果を示しており、その効果は少なくとも2〜5分間続く。
さらに別の利点
すでに説明したレオロジー的効果は別として、本発明の振動式アプリケータは、先行技術に勝る大きな利点を提供する。製品貯留部で振動しているアプリケータヘッドは、それが貯留部中で振動していない時と比べて、より多くの製品を取る。多くの場合でマスカラアプリケータが、片眼をメーキャップするのに必要な量のマスカラを、1回の操作で取り出せないという問題があることから、これは有利である。その理由は、マスカラ製剤の性質によって決まり得るものであり、粘性の高いマスカラほど、荒毛ヘッド上に蓄積するのが困難である。あるいは、それはブラシ自体またはワイパーによって決まり得るものである。上記のように、可撓性が高い荒毛を有するブラシほど、相対的に硬い荒毛を有する同等のブラシより、取るマスカラの量が少ない傾向がある。それは、貯留部中に残っている製品量によっても決まる。従来のブラシは、ハンドルが首部で完全にねじ込まれると、貯留部中に完全に挿入される。この位置では、従来のブラシは、例えばマスカラを探して左右に動くことができない。上記の回転式ブラシであっても、固定型ブラシ以上に容器の両側に到達するものではない。それとは対照的に、揺動式ブラシは、より多くの製品、容器の壁面近くにある製品に到達することができる。従って、左右に振動するアプリケータヘッドを提供することで、本発明は、貯留部への1行程で取り出される製品量を増加させる全く新しい方途を提供するものである。関連する問題は、貯留部の内容物全てを排出できないという点である。代表的なマスカラアプリケータ−瓶の組み合わせでは、アプリケータヘッドが到達できないために、かなりの量の使用できない製品が貯留部に残り、貯留部の内壁に付着している。製品貯留部においてロッド2bの長軸に対して垂直に振動しているアプリケータヘッドは、貯留部の内表面からマスカラを拾い上げる上で役立つ。従って、左右に振動するアプリケータヘッドを提供することで、本発明は、貯留部から排出される製品量を増加させる全く新しい方途を提供する。上記のような回転するマスカラブラシでさえ、固定型のブラシ以上に貯留部の排出を増加させるものではない。しかしながら、振動式ブラシの左右の動きは、ブラシをより多くの製品に到達させるものである。前記の利点の一部は、貯留部に対して効果的な程度の振動を与えることで実現することもできる。貯留部は、振動式アプリケータが貯留部と接触している場合は振動するが、貯留部用に別個の振動手段を提供することも有利である可能性がある。
本発明は、アプリケータヘッドの特定の種類の揺動運動に限定されるものではない。一つの種類の揺動運動は、ロッド2bの軸に対して垂直な単純な前後もしくは単純な左右の動きである。より複雑な左右の動きが可能であり、有用である可能性がある。アプリケータヘッドの先端が円、楕円もしくは数字の8などの閉鎖経路をたどると言うことで特徴付けられる運動が、本発明によって包含されるより複雑な左右の運動の例である。本発明の好ましい実施形態では、アプリケータヘッドの振動運動は、ロッド軸に対して垂直な単純な前後運動であり、ロッドの動きは平面にほぼ制限される。静止位置から開始して、ヘッドは右に曲り、例えばそれの行程の端(または全振幅)に到達し、方向を逆に変え、同じ経路を通って戻り、静止位置を通過して、続いて左側にそれの全振幅まで至る。この実施形態では、睫毛に対するブラシの揺動運動は、ブラシの方向によって決まり、その方向はユーザーが制御する。ユーザーは、ブラシヘッドがほぼ垂直面もしくはほぼ水平面で動くようにブラシを保持することができる。後者の場合、ブラシヘッドは、睫毛底部に近づいたり離れたり、またはユーザーの顔面に近づいたり離れたりして揺動する。これは、アプリケータヘッドの揺動運動が睫毛の長さ方向に対してほぼ平行であると言うように説明することができる。この状況は、マスカラ塗布が特に困難であった眼瞼(または睫毛の底部)近くまで、睫毛の全長をマスカラで均一にコーティングする上で特に効果的であると考えられる。例えば、ブラシヘッドの振動運動は、睫毛の基線方向にマスカラを自然に運搬し、押し出す。さらに、アプリケータヘッドの前後運動によって、従来のアプリケータで達成できる以上に、睫毛の長さ全体に製品がより均一に分布する。これは、揺動式ブラシが、従来のブラシより多くの回数、睫毛の各区画上を動くからである。各揺動により、マスカラが広がり、平滑になることで、睫毛の長さ方向に非常に均一なコーティングが得られる。
アプリケータのハンドルは有利には、ユーザーに対して、ブラシヘッドの揺動方向を伝える手段を有することができる。ブラシヘッド揺動の方向は容易にはわからないことから、ユーザーに伝える何らかの手段を提供することができる。ある手段は、ユーザーにブラシヘッドの運動の方向を示すハンドル上に配置された目印(刻み、エッチング、印刷などを行ったもの)を有する。別の手段としては、アプリケータを眼球に対して立てた時に、ブラシヘッドの運動が水平方向となるように、ユーザーにアプリケータを握らせる、成形グリップなどのハンドル上の輪郭表面を提供するというものがあり得る。他のそのような手段は、当業者には明らかであろう。適宜に、アプリケータのハンドルに、振動の一部もしくは実質的に全てを吸収して、ユーザーが手に振動を感じないようにするグリップを設けてもよい。これは、ユーザーの手に感じる振動が不快であるか、塗布時に気を散らすものである限りにおいては、望ましいものである可能性がある。柔らかいゴム製のグリップまたはゲルを充填したグリップが、この目的に適したグリップの例である。
以上説明した利点に加えて、本発明のアプリケータでは、先行技術におけるいずれのものとも異なり、ユーザーがブラシの性能特性を変えることができる。前記で説明したように、マスカラ塗布は多段階プロセスである。理想的には、そのプロセスの異なる段階で、アプリケータは異なる性質を示すものと考えられる。ユーザーが振動のオンおよびオフを行うことができることで、まさにこの機会が得られる。アプリケータヘッドが貯留部中にある時、ブラシに乗る製品の量は、アプリケータヘッドが振動しているか否かによって決まる。ユーザーは、乗せる製品量を増やしたいか減らしたいかに応じて、モーターのオンもしくはオフを行うことができる。先行技術のマスカラアプリケータでは、この選択ができるものはない。さらに、アプリケータヘッドをワイパーから引き抜く時、アプリケータヘッド上に残る製品量および製品がアプリケータヘッド上で均一に広がる程度は、ヘッドが振動しているか否か、そしてどの周波数であるかによって決まる。一般に、ヘッドが振動している場合は、より多くの製品が拭き取られるが、他方においてその振動によって、製品がアプリケータヘッドをより均一にコーティングするようになる。そこで再度、ユーザーは、必要に応じて、ブラシの性能を変えることができる。次の段階は、睫毛のマスカラによるコーティングである。概して、振動式アプリケータヘッドは、非振動式のものより多くの製品を睫毛の上に堆積させるものであり、それは本発明の重要な利点の一つである。その振動は、付着しているマスカラを荒毛から離す傾向があり、それによってマスカラの睫毛への移動が簡単になる。そうではあっても、振動を選択的に制御できることから、所望に応じてユーザーは、振動させずに睫毛のある部分に製品を堆積させることができる。最後に、粘着性のマスカラによって互いに重なり合っている睫毛を分離する段階は、振動式ヘッドを有するマスカラアプリケータによってかなり容易になる。その振動は、睫毛の分離を自然に助けるものである。しかしながらそこでもやはり、振動が必要ない場合があるか、あらゆる時点で望ましいとは限らない。ポイントとしては、本発明によるアプリケータが、アプリケータを使いやすいように、ユーザーに対して選択肢およびより大きいフレキシビリティーを提供するという点である。先行技術によって想到もしくは提示されるいかなるものとも異なり、ユーザーはアプリケータの性能特性を変えることができる。
アプリケータ性能を変えることができるというこのさらなる利点により、マスカラ製造者も、より大きなフレキシビリティーを得ることになる。これは、製造者およびユーザーの利益となるものである。例えば、非常に粘性の高いマスカラ製剤が、とにかく機能する上で十分硬い荒毛を有するアプリケータブラシを必要とした場合、硬さの低い荒毛を用いることが可能になり、その硬さ低下は、適切な時点で振動をオンにすることで補われる。同様に、特定の貯留部およびワイパー設計または荒毛の構成が、より可撓性高い荒毛のブラシに好適である場合がある。通常、可撓性の荒毛が、製品を効果的に細分し、睫毛を分離するには硬さが不十分である場合、製造者には制約が生じる可能性がある。しかしながら、本発明により、硬度低下は、適切な時点で振動をオンにすることで補償することができると考えられる。やはり、状況によっては、硬い荒毛を有するブラシアプリケータが必要となる場合がある。しかしながら製造者は、マスカラが硬い荒毛から睫毛そして柔らかい荒毛に移動しないことを懸念するものである。振動が移動性低下を補償するものであることから、製造者は、至適とは言えないブラシを大衆に提供せざるを得ないのではなく、硬い荒毛を用いることができる。本発明の利点を利用できる他の多くの状況については、当業者であれば容易に明らかになるであろう。
本明細書に記載の組成物とともに用いられる振動式アプリケータは、開発者による指示に従って、多くの形で使用することができる。ブラシが貯留部中にある間に振動をオンにすることが適切であると考えられる。開発者は、使用前に長い時間、例えば3分間もしくは10分間、振動式ブラシを貯留部に入れたままにしておくことを提案しても良く、提案しなくてもよい。あるいは、振動式ブラシが所望の効果を有するのに必要な時間は、ブラシを貯留部から取り出すのに要する時間より短くすることができる。あるいは、その剪断量が特定の組成物および所望の効果には十分である場合には、顧客は、貯留部にある時にはブラシをオンにせず、睫毛上に塗布する時のみオンにすればよい。恐らく、ユーザーは、振動を加えるか加えずに1以上のマスカラコートを塗布し、次にそれぞれ振動を加えずにまたは加えて1以上のオーバーコートを塗布することができると考えられる。例えば、ベースコートが厚さおよび伸長を提供し、オーバーコートが分離および細分化を行うことになるであろう。あるいは、振動を加えてまたは加えずに睫毛をコーティングすることができ、次に実質的に何も付着していないブラシを用いて、それぞれ振動を加えてまたは加えずに睫毛を梳くことができると考えられる。アプリケータに対して複数の周波数設定を設けた場合、開発者は、製品の堆積に一つの速度および睫毛の梳きに第2の速度を推奨することができる。これらは、振動およびマスカラ特性を組み合わせて、有用な効果を得ることができるほんの数例である。
ハンドルが柄およびモーター筐体から外された状態で示されている本発明の1実施形態の斜視図である。 本発明の1実施形態の断面図である。 モーター筐体および電源装置の分解組立図である。 本発明の1実施形態の分解組立図である。 モーター筐体の1実施形態の正面図および側正面図である。 本発明で使用可能な電気スイッチの1実施形態の正面図である。 チキソトロピックマスカラの標準的レオメトリー試験で得られるヒステリシスループである。 チキソトロピックマスカラの標準的レオメトリー試験で得られるヒステリシスループである。 抗チキソトロピックマスカラのヒステリシスループである。 抗チキソトロピックマスカラのヒステリシスループである。

Claims (41)

  1. 振動式マスカラアプリケータにおいて、
    ハンドル;
    前記ハンドルに取り付けられた柄;
    前記柄に対して近位端で取り付けられ、前記ハンドルを超えて延在するロッド;
    前記ロッドの遠位端に取り付けられた睫毛アプリケータヘッド;および
    前記アプリケータヘッドが振動している時に、前記ロッドがそれの長さ方向に対して垂直な方向に曲がるように、前記アプリケータヘッドを振動させる手段
    を有することを特徴とする振動式マスカラアプリケータ。
  2. 前記アプリケータヘッドを振動させる前記手段が、重心が長軸から偏っている心棒を有するDCモーター部分組立品を有する、請求項1に記載のアプリケータ。
  3. 前記モーター部分組立品が前記マスカラアプリケータの前記ハンドル中に収納されている、請求項に記載のアプリケータ。
  4. 前記モーターに電気的に接続されたDC電源装置をさらに有する、請求項に記載のアプリケータ。
  5. 前記DC電源装置が1以上の電池である請求項に記載のアプリケータ。
  6. 前記1以上の電池が前記アプリケータの前記ハンドル中にある請求項に記載のアプリケータ。
  7. 前記1以上の電池が、標準的な炭素、亜鉛−炭素、アルカリ、リチウム、ニッケル−カドミウム、ニッケル−金属水素化物、リチウムイオン、亜鉛−空気、亜鉛−酸化水銀もしくは銀−亜鉛電池である請求項に記載のアプリケータ。
  8. 前記DC電源装置が太陽光に基づくものである請求項に記載のアプリケータ。
  9. 1以上の集光部分をさらに有する請求項に記載のアプリケータ。
  10. 前記1以上の集光部分の少なくとも一部が、前記アプリケータの前記ハンドル上にある請求項に記載のアプリケータ。
  11. 1以上の蓄電池をさらに有する請求項に記載のアプリケータ。
  12. 前記モーターのオンおよびオフを切り換える1以上の手段をさらに有する請求項に記載のアプリケータ。
  13. 前記オン/オフ手段の少なくとも一つが、前記ユーザーの指によって直接もしくは間接に係合させることができる手動スイッチである請求項12に記載のアプリケータ。
  14. 前記スイッチが、前記アプリケータの側壁もしくは前記ハンドルの端部にある請求項13に記載のアプリケータ。
  15. 前記アプリケータに固定されて前記スイッチを覆うキャップをさらに有する請求項14に記載のアプリケータ。
  16. 前記スイッチが、前記ハンドル上にあり、変形可能な膜で覆われていることで、前記膜の一部に加わる圧力によって前記スイッチを作動させるようにする請求項13に記載のアプリケータ。
  17. 前記スイッチが、トグルスイッチ、ロッカースイッチ、スライダー、ボタン、回転式ノブ、タッチ作動表面、磁気スイッチまたは光電作動スイッチである請求項13に記載のアプリケータ。
  18. 前記モーターが、前記アプリケータが貯留部から引き抜かれた時に自動的にオンとなることができ、前記貯留部中に再挿入された時に自動的にオフになることができる請求項12に記載のアプリケータ。
  19. 閉位置では、光が前記1以上の集光部分に到達するのを防止し、開位置では光を前記1以上の集光部分に到達させることができるカバーをさらに有する請求項10に記載のアプリケータ。
  20. 前記モーター部分組立品が、ユーザーの指示で、段階的または連続的に速度を変えることができる請求項に記載のマスカラアプリケータ。
  21. アプリケータヘッド振動の前記振幅が、約1/64〜約1/4インチである請求項1に記載のマスカラアプリケータ。
  22. アプリケータヘッド振動の前記振幅が、約1/32〜約1/8インチである請求項21に記載のマスカラアプリケータ。
  23. アプリケータヘッド振動の前記振幅が、約1/16インチである請求項22に記載のマスカラアプリケータ。
  24. アプリケータヘッド振動の前記周波数が約10〜約1000回/秒である請求項1に記載のマスカラアプリケータ。
  25. アプリケータヘッド振動の前記周波数が約10〜約300回/秒である請求項24に記載のマスカラアプリケータ。
  26. アプリケータヘッド振動の前記周波数が約30〜約100回/秒である請求項25に記載のマスカラアプリケータ。
  27. 前記アプリケータヘッドを振動させる前記手段が再利用可能なものである請求項1に記載のマスカラアプリケータ。
  28. 全て同一とは限らない複数のマスカラ組成物;
    睫毛アプリケータヘッド;および
    前記アプリケータヘッドを振動させるための再利用可能な手段
    を有することを特徴とするマスカラメーキャップキット。
  29. 睫毛アプリケータヘッドを振動させるための再利用可能な手段;および
    複数の睫毛アプリケータヘッド
    を有することを特徴とするマスカラメーキャップキット。
  30. マスカラ組成物の入った貯留部;
    前記組成物中に浸漬することができ、前記貯留部中でまたは前記マスカラがユーザーの睫毛に塗布されている間に、前記マスカラの粘度を変えることができる睫毛アプリケータヘッドを振動させることができ、該ヘッドを有するマスカラアプリケータ
    を有することを特徴とするマスカラアプリケータシステム。
  31. 周波数10〜1000回/秒を有する振動式ブラシによって剪断された時に、前記組成物がチキソトロピック的もしくは抗チキソトロピック的またはその両方で挙動する請求項30に記載のマスカラアプリケータシステム。
  32. 剪断後に、前記組成物が、それの未剪断最終粘度と実質的に同じか異なる剪断最終粘度で固定されるようになる請求項31に記載のアプリケータシステム。
  33. 前記剪断最終粘度が前記未剪断最終粘度より大きい請求項32に記載のアプリケータシステム。
  34. 前記組成物が、前記振動式ブラシに応答して抗チキソトロピック的に挙動する請求項33に記載のアプリケータシステム。
  35. 前記剪断最終粘度が、前記未剪断最終粘度と実質的に同じである請求項32に記載のアプリケータシステム。
  36. 前記組成物が、前記振動式ブラシに応答してチキソトロピック的に挙動する請求項35に記載のアプリケータシステム。
  37. の変化が少なくとも2〜5分間持続する請求項30に記載のマスカラアプリケータシステム
  38. 振動式アプリケータとともに用いるマスカラ組成物を開発する方法であって、
    振動式アプリケータを選択する段階;
    スカラ組成物を製剤する段階;
    記組成物の対照サンプルから対照流動曲線を得る段階;
    記組成物のサンプルを前記振動式アプリケータで剪断する段階;
    記剪断サンプルから剪断流動曲線を得る段階;
    対照および剪断流動曲線を比較して、前記アプリケータによって生じた持続的レオロジー効果を確認する段階;
    前記組成物中の溶媒を調節することで、前記組成物を前記アプリケータによって剪断した後に起こすことができる分子再構築の量を支持もしくは妨害することにより、前記マスカラ組成物を再製剤する段階
    を有することを特徴とする前記方法。
  39. 前記再製剤段階後、対照流動曲線を得る段階、サンプルを剪断する段階、剪断流動曲線を得る段階、流動曲線を比較する段階および再製剤の段階を、前記再製剤マスカラについて繰り返す請求項38に記載の方法。
  40. マスカラ組成物とともに使用される振動式マスカラアプリケータを選択する方法であって、
    前記マスカラ組成物のサンプルから対照流動曲線を得る段階;
    動式アプリケータを選択する段階;
    記振動式アプリケータで前記マスカラ組成物のサンプルを剪断する段階;
    記剪断サンプルから剪断流動曲線を得る段階;
    対照および剪断流動曲線を比較して、前記アプリケータによって生じた持続的レオロジー効果を確認する段階;
    前記持続的レオロジー効果を促進または低下させる異なる振動式アプリケータを選択する段階
    を有することを特徴とする前記方法。
  41. 異なるアプリケータを選択する前記段階後、サンプルを剪断する段階、剪断流動曲線を得る段階、流動曲線を比較する段階および異なるアプリケータを選択する段階を、前記マスカラ組成物について繰り返す請求項40に記載の方法。
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