JP4459519B2

JP4459519B2 - Compound raw material and method for producing compound single crystal

Info

Publication number: JP4459519B2
Application number: JP2002301508A
Authority: JP
Inventors: 良一中村; 嘉和大鹿
Original assignee: Dowa Holdings Co Ltd; Dowa Mining Co Ltd
Current assignee: Dowa Holdings Co Ltd
Priority date: 2002-10-16
Filing date: 2002-10-16
Publication date: 2010-04-28
Anticipated expiration: 2022-10-16
Also published as: JP2004137096A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は，例えばＧａＡｓ単結晶などの化合物単結晶を製造するための化合物単結晶の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
受発光素子，高速演算素子，マイクロ波素子等の素材やホール素子などの素材として用いられるｎ型導電性ないし半絶縁性ＧａＡｓ単結晶は，結晶中の転位密度を小さくするために横型ボート法や縦型ボート法を用いて製造される。特に縦型ボート法においては（１００）方位の結晶成長が育成可能であるばかりでなく，円形で大口径の結晶が得られる利点があり，縦型温度傾斜法（ＶＧＦ法）や，縦型ブリッジマン法（ＶＢ法）による結晶成長が行われている。
【０００３】
一般に，縦型ボート法にてＧａＡｓ結晶成長させる場合，縦型ボート（以降「るつぼ」と表現する）の下部の種結晶部に種結晶を配置するが，直接ＧａとＡｓをるつぼに直接投入すると，純Ｇａ及び純Ａｓの融点の低さにより，種結晶を融解させてしまう。このため，予め合成炉などを用いて，純Ｇａ原料と純Ａｓ原料を溶融，合成しておき，ＧａＡｓ化合物原料を準備する必要がある。このように予め合成したＧａＡｓ化合物原料をるつぼに投入する場合，従来は原料を破砕し，適当な粒度に調整していた（例えば特開２０００−１０９４００号公報）。
【０００４】
【特許文献１】
特開２０００−１０９４００号公報（例えば図４）
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら，従来のように破砕したＧａＡｓ化合物原料をるつぼに投入した場合，破砕原料礫の粒子径が一定でなく，各粒ごとに表面積が異なるため，ＧａＡｓ化合物原料を加熱し，溶融させるときに揮発するＡｓ量も，各粒ごとに異なってしまう。このため，結晶成長させた後のＧａ／Ａｓ比率が，狙いの組成に対してずれやすくなる。また，このＧａ／Ａｓ比率のずれは，単結晶内の原子構造中に空孔欠陥を生じさせ，転位密度を高める要因となる。半導体レーザチップの作製において，転位密度の高いＧａＡｓ単結晶から作製された半導体レーザ用基板を使用した場合に，レーザの出力低下が発生し，転位密度の増加に伴って不良率が増加することが問題となる。一方，破砕原料礫の粒子径を揃えてるつぼに投入するのは主に人手での作業となり，作業員に対して負荷を強いることとなる。
【０００６】
また，原料を破砕した際に発生した粒子径の小さいＧａＡｓ原料粒子が，原料投入時に下部に落下して種結晶の上面に付着し，単結晶育成を阻害することとなり，多結晶化してしまうという問題が生ずる。このような問題を解決するためには，原料を破砕後，一定の粒子径以下の原料粒子を除外することが必要となり，原料歩留の低下，製造効率の悪化などをもたらす。
【０００７】
また，原料を破砕する際に，破砕設備から発生する不純物の混入といった問題が生ずる。このため，破砕後，破砕礫について不純物の除去処理が必要となり，また，処理が十分でない場合は，結晶成長の際，混入した不純物が転位発生の核となり，転位密度を増大させる結果をまねき，電気的特性にも影響を及ぼす。
【０００８】
また，破砕した原料粒子はかさ密度が大きいため，るつぼに投入してＧａＡｓ単結晶を成長させた場合，製造された単結晶の高さは，るつぼに投入した原料粒子の高さの１／２から１／３程度となる。このため，長い単結晶を製造する場合は，相当に高さのあるるつぼが必要となり，設備コストやランニングコストが増大する。
【０００９】
従って本発明の目的は，転位密度の低い安定した組成の化合物単結晶を製造できる手段を提供することにある。
【００１２】
この目的を達成するために，本発明にあっては，予め合成された化合物原料を円柱部および円錐部からなる形状のるつぼに投入し，溶融後，固化させることにより，縦型ボート法によって種結晶を用いて化合物単結晶を成長させる化合物単結晶の製造方法であって，るつぼに投入される溶融前の化合物原料は，るつぼ内の下部に隙間の無い状態で投入され，前記化合物原料は結晶成長させるるつぼ，もしくは，高さ以外は結晶成長させるるつぼと内部形状が同じである合成用のるつぼに，化合物原料を合成させる複数の原料を投入して合成され，前記化合物原料の表面積が，結晶成長させた化合物単結晶の表面積の１．５倍以下であることを特徴としている。この場合，前記合成した化合物原料を粉砕することなく用いることが好ましい。
【００１３】
また，前記化合物原料を合成するに際し，前記るつぼの種結晶部にスペーサを配置しておき，化合物原料を前記るつぼ内で冷却固化させた後，前記スペーサを外した空間に種結晶を挿入しても良い。
【００１４】
こうして製造された化合物原料は，例えばＧａＡｓ単結晶である。本発明によって，例えば転位密度が，最大値で２００個／ｃｍ^２以下，平均で１０個／ｃｍ^２である，低転位密度の化合物原料を製造することも可能となる。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下，本発明の好ましい実施の形態を，化合物単結晶の一例としてＧａＡｓ単結晶を製造する場合について，図面を参照にして説明する。図１は，結晶成長装置１の概略的な構成を示す縦断面図である。図２は，るつぼ１１の縦断面図である。結晶成長装置１は，縦型ボート法の一つである縦型温度傾斜法によってＧａＡｓ単結晶を製造するものである。
【００１６】
図１に示すように，気密容器１０の内部中央には，るつぼ１１が配置される。図２に示すように，るつぼ１１は，上端が開口した円柱部１２と，この円柱部１２の下部を塞ぐように接続された円錐部１３を備え，円錐部１３の頂点部分（るつぼ１１の最下部）には，種結晶を挿入するための種結晶部１４が形成されている。種結晶部１４は，キャップ５０によって塞がれている。
【００１７】
図１に示すように，るつぼ１１は，底面が塞がれた円筒形状のるつぼ収納容器２０に収納されている。るつぼ収納容器２０は，ロッド２１の上端に支持されている。ロッド２１の下端は，気密容器１０の下面に装着されたシールリング２２を介して，気密容器１０の下方に突出しており，そこには回転昇降機構２３が接続してある。そして，この回転昇降機構２３の稼動により，ロッド２１を介して，るつぼ収納容器２０及びるつぼ１１を一体的に回転及び昇降させることができる。なお，シールリング２２によって，気密容器１０の内部は気密に保持されている。
【００１８】
気密容器１０内において，るつぼ収納容器２０の周囲を囲むように，複数のヒータ２５が各高さに配置されている。各高さのヒータ２５は，それぞれ独立して温度制御でき，気密容器１０内において上下方向に所望の温度勾配や温度分布を形成できる。ヒータ２５の外側は断熱材２６で囲んであり，ヒータ２５の熱が効果的にるつぼ収納容器２０に伝達されるようになっている。
【００１９】
このように構成される結晶成長装置１において，るつぼ１１の種結晶部１４に種結晶３０を挿入後，キャップ５で種結晶部１４を塞ぎ，更に，予め合成されたＧａＡｓ化合物原料３１及びＢ_２Ｏ_３などの液体封止剤３２と，必要に応じてドーパントをるつぼ１１内に投入する。
【００２０】
そして，投入済のるつぼ１１をるつぼ収納容器２０内にセットし，気密容器１０の内部を所定の圧力に昇圧後，ヒータ２５で加熱することにより，ＧａＡｓ化合物原料３１全体を加熱溶融し，融液となったＧａＡｓ化合物原料３１の上部に液体封止材３２が配置されるようにする。次に，各ヒータ２５の温度制御により，るつぼ１１内にて融液となったＧａＡｓ化合物原料３１中に温度勾配を形成させ，縦型温度傾斜法に従って原料融液を冷却し，種結晶３０に接触している最下部からＧａＡｓ化合物原料３１を徐々に冷却して固化させ，ＧａＡｓ単結晶３３を成長させていく。この場合，必要に応じて回転昇降機構２３の稼動によりるつぼ１１を回転及び昇降させながら，ＧａＡｓ単結晶３３を成長させても良い。
【００２１】
こうして，ＧａＡｓ化合物原料３１全体が固化してＧａＡｓ単結晶３３に変化した後，ＧａＡｓ単結晶３３を冷却し，るつぼ１１内からＧａＡｓ単結晶３３を取り出す。
【００２２】
ここで図３は，以上のようなＧａＡｓ単結晶３３の成長を行うに際して，るつぼ１１内に投入されるＧａＡｓ化合物原料３１の斜視図である。このＧａＡｓ化合物原料３１は，円柱部３５と，円柱部３５の下端に配置された円錐台部３６からなっている。円柱部３５の直径ｄは，るつぼ１１の円柱部１２の内径以下であり，円柱部３５の高さｈは，るつぼ１１の円柱部１２の高さ以下に設定されている。円錐台部３６は，るつぼ１１の円錐部１３の内部に丁度入る傾斜角度を有している。
【００２３】
このようなＧａＡｓ化合物原料３１は，例えば次のようにして製造される。即ち，図４に示すように，高さ以外についてはるつぼ１１と内部形状が同じである合成用のるつぼ４０の内部に，ＧａＡｓ化合物原料３１を合成させる原料であるＧａ原料４１及びＡｓ原料４２と，Ｂ_２Ｏ_３などの液体封止剤３２を投入（チャージ）する。この場合，例えばＧａ原料４１は融液状，Ａｓ原料４２は固体（粒状）である。るつぼ４０の高さは，るつぼ１１と同じか，もしくはそれ以上であることが望ましい。るつぼ４０の材質は，必要な耐熱性を有し，原料融液との反応性に乏しい材料，例えば窒化ホウ素（ＢＮ）系材料を用いる。この場合，必要に応じてドーパントもるつぼ４０内に投入する。なお，このようにＧａＡｓ化合物原料３１を合成させるるつぼ４０は，結晶成長装置１において結晶成長させるるつぼ１１そのものを用いても良い。
【００２４】
また，このようにＧａＡｓ化合物原料３１を合成する際には，るつぼ４０の種結晶部４５に，種結晶３０の代りに，スペーサ４６を配置しておく。このスペーサ４６の材質も，必要な耐熱性を有し，原料融液との反応性に乏しい材料，例えば窒化ホウ素（ＢＮ）系材料を用いる。スペーサ４６は，製造されたＧａＡｓ化合物原料３１をるつぼ１１に投入した際に，円錐台部３６の下端が，るつぼ１１の種結晶部１４に挿入された種結晶３０を押下げないように，円錐台部３６の下端の高さを調整する役割をはたす。図示のように，下端が開口しているるつぼ４０を用いた場合は，スペーサ４６をるつぼ４０の下方から挿入して，るつぼ４０下端の開口部を塞ぐことができる。
【００２５】
そして，るつぼ４０内に投入したＧａ原料４１及びＡｓ原料４２と液体封止剤３２等を加熱して溶融し，その後，固化させて合成する。こうして，図３に示した如きＧａＡｓ化合物原料３１を得ることができる。このようにＧａＡｓ化合物原料３１を製造する場合は，加熱及び冷却は必ずしもＧａＡｓ単結晶３３を製造する場合と同一の条件でなくても良い。例えば生産性を考慮し，早い速度で冷却してＧａＡｓ化合物原料３１を合成し，多結晶固化させても構わない。但し，溶融，固化工程で発生する酸化物や，原料中の不純物を効果的に除去するためには，ＧａＡｓ単結晶３３を製造する場合と同様に縦型温度傾斜法を用い，るつぼ４０の下部から上部に向かって一方向に固化させていくことが望ましい。
【００２６】
こうして製造されたＧａＡｓ化合物原料３１は，このＧａＡｓ化合物原料３１を用いて製造されるＧａＡｓ単結晶３３とほぼ同形状となり，その溶融前におけるＧａＡｓ化合物原料３１の表面積は，このＧａＡｓ化合物原料３１を用いて製造されるＧａＡｓ単結晶３３（結晶成長を終了したＧａＡｓ単結晶３３）の表面積の５倍以下である。また，るつぼ４０内に液体封止剤３２も投入しているので，ＧａＡｓ単結晶３３の上面には，液体封止剤３２が凝固した状態で配置された状態となる。
【００２７】
そして，このように合成されたＧａＡｓ化合物原料３１を，るつぼ４０内から取り出し，図５に示すように，ＧａＡｓ化合物原料３１を粉砕することなく，そのまま結晶成長装置１のるつぼ１１に投入する。また，るつぼ１１の種結晶部１４には種結晶３０を挿入する。この場合，図５に示すような下部が開口したるつぼ１１であれば，下方から種結晶３０を挿入して，開口部をキャップ５０で塞げば良い。これにより，容易に種結晶部１４に種結晶３０を配置することができる。
【００２８】
こうして，ＧａＡｓ化合物原料３１をるつぼ１１内に実質的に隙間の無い状態で投入することができる。なお，るつぼ４０内でＧａＡｓ化合物原料３１を固化させる際に，るつぼ４０の種結晶部４５にスペーサ４６を配置していたことにより，円錐台部３６の下端の高さが調整され，ＧａＡｓ化合物原料３１をるつぼ１１に投入した際に，円錐台部３６の下端が，るつぼ１１の種結晶部１４に挿入された種結晶３０を押下げる心配がない。
【００２９】
なお，ＧａＡｓ化合物原料３１を合成させるにあたり，るつぼ４０として結晶成長装置１において結晶成長させるるつぼ１１そのものを用いた場合は，ＧａＡｓ化合物原料３１をるつぼ１１から一旦出す必要はない。その場合は，合成させたＧａＡｓ化合物原料３１をるつぼ１１内で冷却固化させた後，るつぼ１１下部の開口部からスペーサ４６を外し，下方から種結晶部１４に種結晶３０を挿入して，開口部をキャップ５０で塞げば良い。
【００３０】
そして，このようにＧａＡｓ化合物原料３１をるつぼ１１内に投入し，種結晶部１４に種結晶３０を挿入した状態で，先に図１で説明した結晶成長装置１において，ＧａＡｓ化合物原料３１全体を加熱溶融し，各ヒータ２５の温度制御により，縦型温度傾斜法に従って種結晶３０に接触している最下部からＧａＡｓ化合物原料３１を徐々に冷却して固化させ，ＧａＡｓ単結晶３３を製造する。
【００３１】
以上のように，ＧａＡｓ単結晶３３とほぼ同形状のＧａＡｓ化合物原料３１を用いてＧａＡｓ単結晶３３を製造することにより，溶融時に揮発するＡｓ量を低減でき，Ｇａ／Ａｓ比率が狙い通りの，転位密度の低いＧａＡｓ単結晶３３を安定して得ることが可能となる。こうして製造されたＧａＡｓ単結晶３３は，例えば転位密度が，最大値で２００個／ｃｍ^２以下，平均で１０個／ｃｍ^２の低転位密度となる。なお，ＧａＡｓ化合物原料３１の形状は，必ずしも結晶成長後のＧａＡｓ単結晶３３と同一の形状でなくても良いが，溶融前（結晶成長装置１においてＧａＡｓ化合物原料３１を加熱溶融させる前）におけるＧａＡｓ化合物原料３１の表面積が，そのＧａＡｓ化合物原料３１を用いて製造されるＧａＡｓ単結晶３３（結晶成長を終了したＧａＡｓ単結晶３３）の表面積の５倍以下であるのが良い。溶融前のＧａＡｓ化合物原料３１の表面積が，それから製造されるＧａＡｓ単結晶３３の表面積の５倍を超えると，Ｇａ／Ａｓ比率の変動を抑えることができず，成長させたＧａＡｓ単結晶３３内の転位発生率が急激に高くなり，低転位密度のＧａＡｓ単結晶３３を安定して製造することが困難になる。また，るつぼ１１に対する単位体積あたりの投入量も下がり，製造効率も低下してしまう。なお，Ｇａ／Ａｓ比率がより安定した，より低転位密度のＧａＡｓ単結晶３３を得るためには，溶融前のＧａＡｓ化合物原料３１の表面積が，それから製造されるＧａＡｓ単結晶３３の表面積の２倍以下が望まく，１．５倍以下が更に望ましい。
【００３２】
また，合成されたＧａＡｓ化合物原料３１を粉砕することなくそのまま結晶成長装置１のるつぼ１１に投入することにより，破砕時に発生する不純物の混入や，小径粒子の発生を回避でき，単結晶成長安定性の向上がはかれ，工程の短縮，負荷低減にも寄与する。
【００３３】
また，るつぼ４０として結晶成長装置１において結晶成長させるるつぼ１１そのものを用いてＧａＡｓ化合物原料３１を合成すれば，ＧａＡｓ化合物原料３１を製造するための別のるつぼ４０が不要となり，設備コストを低減でき，スペースも省略できる。
【００３４】
図６は，本発明の別の実施の形態を示しており，ＧａＡｓ単結晶３３を成長させるるつぼ１１内に，円盤形状や円錐台形状をなす複数の化合物原料片６０から構成されるＧａＡｓ化合物原料３１を投入した状態を示している。ＧａＡｓ化合物原料３１の上面には液体封止剤３２を投入し，るつぼ１１下部の種結晶部１４に種結晶３０を挿入して，開口部をキャップ５０で塞いでいる。
【００３５】
るつぼ１１内に投入されるＧａＡｓ化合物原料３１は，先に図５に示した如き一体のものに限らず，この図６に示すような複数の化合物原料片６０で構成されても良い。いずれにしても，つぼ１１内に投入されて組合された状態において，溶融前のＧａＡｓ化合物原料３１の表面積が，それから製造されるＧａＡｓ単結晶３３の表面積の５倍以下であるのが良い。なお，結晶成長装置１の製造を安定させるためには，るつぼ１１内に対して常に同じ状態でＧａＡｓ化合物原料３１を投入することが好ましい。このように，複数の化合物原料片６０で構成されるＧａＡｓ化合物原料３１を用いても，一体のＧａＡｓ化合物原料３１を用いた場合と同様の利点を享受できる。
【００３６】
以上，本発明の好ましい実施の形態を説明したが，本発明はここに例示した形態に限定されない。例えば，結晶成長装置１は，縦型温度傾斜法に限らず，縦型ブリッジマン法など，他の方法を利用するものでも良い。また，縦型ボート法に限らず，横型ボート法においても，本発明を適用しえる。また，本発明は，ＧａＡｓ単結晶以外の他の化合物単結晶の製造にも適用できる。
【００３７】
【実施例】
以下，本発明の実施例を示す。
（実施例１）
ＧａＡｓ化合物原料を別の合成炉（るつぼ）で合成した。合成したＧａＡｓ化合物原料の表面積を，そのＧａＡｓ化合物原料を用いてその後に結晶成長させたＧａＡｓ単結晶の表面積で割った値は１．０５である。合成したＧａＡｓ化合物原料を６ｋｇとなるように切断調整し，単結晶成長装置のるつぼに種結晶を挿入した後に投入した。なお，切断した残りの原料は別の原料として利用したため，原料ロスは，切断によるきりしろ分の０．２％であった。また，液体封止剤として無水ホウ酸（Ｂ_２Ｏ_３）を３６５ｇ，ドーパントとしてＳｉを２８０ｗｔｐｐｍ投入した。このようにして準備されたるつぼを単結晶成長装置のるつぼ収納容器にセットし，ヒータにより原料を溶融後，液体封止剤を原料融液の上部に配置させた状態で，縦型温度傾斜法により融液を固化，結晶成長させた。その際の融液と固化結晶との界面における温度勾配は３℃／ｃｍ，融液と固化結晶との界面の上昇速度は３ｍｍ／ｈｒとした。
【００３８】
こうして得られたＧａＡｓ単結晶のＧａ／Ａｓ原子比率は１．０１０となり，結晶成長前のＧａＡｓ化合物原料と比べ，１．０％増加した。製造したＧａＡｓ単結晶を成長方向と垂直にスライス研磨し，３００℃のＫＯＨに浸漬することによって転位密度を計測した。転位密度は，最大値で１５０個／ｃｍ ^２，平均値で５個／ｃｍ^２という低い転位密度であった。また，ＳＩＭＳ分析装置によって不純物分析をした結果，特に異常は認められなかった。
【００３９】
同様の条件でＧａＡｓ単結晶を１０回繰り返し製造したが，すべてにおいて単結晶を製造できた。また，各結晶の転位密度の評価をしたところ，いずれも最大値は２００個／ｃｍ ^２以下で，平均値も１０個／ｃｍ ^２以下であった。
【００４０】
（実施例２）
ＧａＡｓ単結晶成長に用いる種結晶部が開口しているるつぼを用意し，るつぼ下部の種結晶配置部にＢＮ製のスペーサを挿入した。るつぼ壁面とスペーサとの間には隙間ができないようにした。次に純Ｇａ原料を３．０ｋｇ，純Ａｓ原料を３．３ｋｇるつぼに投入し，さらに液体封止剤３６５ｇ，ドーパントとしてＳｉを２８０ｗｔｐｐｍ投入した。原料投入されたるつぼを単結晶成長装置のるつぼ収納容器に収め，ヒータにより原料を溶融後，縦型温度傾斜法によりるつぼ下部より固化結晶を成長させた。この際の原料融液と固化結晶の界面における温度勾配は１０℃／ｃｍ，原料融液と固化結晶の界面の上昇速度は１０ｍｍ／ｈｒとした。こうしてＧａＡｓ化合物原料を得た後，るつぼの下部のスペーサをはずし，種結晶を挿入した後，キャップをして封止し，再度るつぼ収納容器にるつぼを収めた。その後，実施例１と同一の条件にて単結晶成長させた。ＧａＡｓ化合物原料の表面積をそのＧａＡｓ化合物原料を用いて成長させたＧａＡｓ単結晶の表面積で割った値は１．００である。得られたＧａＡｓ単結晶のＧａ／Ａｓ原子比率は１．００９であり，Ｇａ／Ａｓ比率は０．９％増加した。また，転位密度を測定した結果，最大値で１８０個／ｃｍ ^２，平均で８個／ｃｍ ^２であり，低転位密度を有するＧａＡｓ単結晶であることが判明した。この様に，従来よりも更に低い転位密度を有したＧａＡｓ単結晶をレーザ用半導体基板に用いれば，より不良チップの発生を抑え，歩留りを良くし，生産性の向上を図ることができる。
【００４１】
（比較例）
実施例１と同様に予め別の合成炉でＧａＡｓ化合物原料を生成した。次に，このＧａＡｓ化合物原料をステンレス製のハンマーを用い，破砕した。得られた破砕塊を目開き１ｍｍのふるいで分級し，１ｍｍφ以上の原料破砕塊だけを抽出した。その際，ふるい分けされることによる原料ロスは４．３％であった。単結晶成長装置のるつぼ下部に種結晶を配置し，その上から，分級したＧａＡｓ化合物原料（破砕礫）を６Ｋｇ投入し，さらにドーパントとしてＳｉを２８０ｗｔｐｐｍ，液体封止剤として無水ホウ酸（Ｂ_２Ｏ_３）３６５ｇを投入した。この際のＧａＡｓ化合物原料の表面積をそのＧａＡｓ化合物原料を用いて成長させたＧａＡｓ単結晶の表面積で割った値は，破砕礫の平均粒径より求めると２２．２であった。原料投入されたるつぼをるつぼ収納容器にセットし，加熱溶融後，縦型温度勾配法を用いて結晶成長させた。その際の温度条件，成長条件などは実施例１と同様である。こうして得られたＧａＡｓ単結晶を同様に分析した結果，Ｇａ／Ａｓ原子比率は１．０２２となり，化合物原料に比べＧａ／Ａｓ比率が２．２％も増加した。また，結晶成長方向に垂直にスライスして，転位密度を測定した結果，最大で８００個／ｃｍ^２，平均で３０個／ｃｍ^２となり，本発明の実施例より転位密度が増えた。また，ＳＩＭＳ分析により不純物分析をした結果，Ｆｅ及びＣｒが２×１０^１５個／ｃｍ^３以上検出され，破砕時に使用したステンレス製ハンマーからの不純物混入が判明した。
【００４２】
同様の条件でＧａＡｓ単結晶を１０回製造した結果，多結晶成長が１回発生した。また，転位密度を測定した結果，最大値の平均は１５００個／ｃｍ^２，平均値の平均は８０個／ｃｍ^２であり，うち４回についてＳＩＭＳ分析によりＦｅ及びＣｒが２×１０^１５個／ｃｍ^３以上検出された。
【００４３】
【発明の効果】
本発明によれば，転位密度の低い安定した組成の化合物単結晶を製造することができる。また，原料ロスの低減，安定した単結晶成長を実現でき，作業効率及び工程短縮による生産性の向上もはかれる。
【図面の簡単な説明】
【図１】結晶成長装置の概略的な構成を示す縦断面図である。
【図２】るつぼの縦断面図である。
【図３】本発明の実施の形態にかかるＧａＡｓ化合物原料の斜視図である。
【図４】ＧａＡｓ化合物原料の製造工程の説明図である。
【図５】本発明の実施の形態にかかるＧａＡｓ化合物原料をるつぼに投入した状態の説明図である。
【図６】るつぼ内に複数の化合物原料片から構成されるＧａＡｓ化合物原料を投入した状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
１結晶成長装置
１０気密容器
１１るつぼ
１２円柱部
１３円錐部
１４種結晶部
２０るつぼ収納容器
２１ロッド
２２シールリング
２３回転昇降機構
２５ヒータ
２６断熱材
３９種結晶
３１ＧａＡｓ化合物原料
３２液体封止剤
３３ＧａＡｓ単結晶
３５円柱部
３６円錐台部
４０るつぼ
４１Ｇａ原料
４２Ａｓ原料
４５種結晶部
４６スペーサ
５０キャップ
６０化合物原料片[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for producing a compound single crystal for producing a compound single crystal such as a GaAs single crystal.
[0002]
[Prior art]
N-type conductive or semi-insulating GaAs single crystals used as materials for light emitting / receiving elements, high-speed computing elements, microwave elements, etc., or for Hall elements, use the horizontal boat method or the like to reduce the dislocation density in the crystal. Manufactured using the vertical boat method. In particular, the vertical boat method has the advantage that not only crystal growth in the (100) direction can be grown, but also a circular and large-diameter crystal can be obtained. The vertical temperature gradient method (VGF method), vertical bridge method, etc. Crystal growth is performed by the Mann method (VB method).
[0003]
In general, when growing a GaAs crystal by a vertical boat method, a seed crystal is arranged in a seed crystal portion at the bottom of a vertical boat (hereinafter referred to as “crucible”), but when Ga and As are directly charged into a crucible, , The low melting point of pure Ga and pure As causes the seed crystal to melt. For this reason, it is necessary to prepare a GaAs compound raw material by melting and synthesizing a pure Ga raw material and a pure As raw material in advance using a synthesis furnace or the like. In the case where a GaAs compound raw material synthesized in advance as described above is put into a crucible, the raw material has been conventionally crushed and adjusted to an appropriate particle size (for example, JP 2000-109400 A).
[0004]
[Patent Document 1]
JP 2000-109400 A (for example, FIG. 4)
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when a crushed GaAs compound material is put into a crucible as in the past, the particle size of the crushed material gravel is not constant, and the surface area is different for each grain. The amount of As is also different for each grain. For this reason, the Ga / As ratio after crystal growth is likely to deviate from the target composition. In addition, this Ga / As ratio shift causes vacancy defects in the atomic structure in the single crystal and increases the dislocation density. When a semiconductor laser substrate made of a GaAs single crystal with a high dislocation density is used in the manufacture of a semiconductor laser chip, the laser output decreases, and the defect rate increases as the dislocation density increases. It becomes a problem. On the other hand, throwing into the crucible with the same particle size of the crushed raw material gravel is mainly a manual work, which imposes a burden on the workers.
[0006]
In addition, GaAs raw material particles with small particle size generated when the raw material is crushed fall to the lower part when the raw material is charged and adhere to the upper surface of the seed crystal, which inhibits single crystal growth and becomes polycrystallized. Problems arise. In order to solve such a problem, it is necessary to exclude raw material particles having a certain particle diameter or less after crushing the raw material, resulting in a reduction in raw material yield and a decrease in production efficiency.
[0007]
In addition, when crushing the raw material, there arises a problem of contamination of impurities generated from the crushing equipment. For this reason, it is necessary to remove impurities from the crushed gravel after crushing, and if the treatment is not sufficient, the impurities incorporated during crystal growth become the nucleus of dislocation generation, leading to the result of increasing the dislocation density. It also affects the electrical characteristics.
[0008]
Further, since the crushed raw material particles have a high bulk density, when a GaAs single crystal is grown in a crucible, the height of the produced single crystal is ½ of the height of the raw material particles charged in the crucible. To about 1/3. For this reason, when manufacturing a long single crystal, a crucible with a considerably high height is required, and the equipment cost and running cost increase.
[0009]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a means for producing a compound single crystal having a stable composition with a low dislocation density.
[0012]
In order to achieve this object, in the present invention, a compound raw material synthesized in advance is put into a crucible having a cylindrical portion and a conical portion , melted and solidified, and then seeded by a vertical boat method. A method for producing a compound single crystal by growing a compound single crystal using a crystal, wherein the compound raw material before melting, which is put into a crucible, is put in a state where there is no gap in the lower part of the crucible, and the compound raw material is crystal A compound crucible or a synthesis crucible having the same internal shape as the crystal growth except for the height is synthesized by introducing a plurality of raw materials for synthesizing the compound raw material, and the surface area of the compound raw material is the crystal It is characterized by being 1.5 times or less the surface area of the grown compound single crystal. In this case, it is preferable to use the synthesized compound raw material without pulverization.
[0013]
In addition, when synthesizing the compound raw material, a spacer is disposed in the seed crystal portion of the crucible, and after cooling and solidifying the compound raw material in the crucible, a seed crystal is inserted into the space from which the spacer is removed. Also good.
[0014]
The compound raw material thus manufactured is, for example, GaAs single crystal. According to the present invention, for example, it is possible to produce a low dislocation density compound raw material having a dislocation density of 200 pieces / cm ² or less at maximum and 10 pieces / cm ² on average.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, a preferred embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings in the case of producing a GaAs single crystal as an example of a compound single crystal. FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a schematic configuration of the crystal growth apparatus 1. FIG. 2 is a longitudinal sectional view of the crucible 11. The crystal growth apparatus 1 manufactures a GaAs single crystal by a vertical temperature gradient method which is one of the vertical boat methods.
[0016]
As shown in FIG. 1, a crucible 11 is arranged at the center inside the airtight container 10. As shown in FIG. 2, the crucible 11 includes a cylindrical portion 12 having an open upper end and a conical portion 13 connected so as to close the lower portion of the cylindrical portion 12. In the lower part, a seed crystal portion 14 for inserting a seed crystal is formed. The seed crystal portion 14 is closed with a cap 50.
[0017]
As shown in FIG. 1, the crucible 11 is stored in a cylindrical crucible storage container 20 whose bottom surface is closed. The crucible storage container 20 is supported on the upper end of the rod 21. The lower end of the rod 21 protrudes below the hermetic container 10 via a seal ring 22 mounted on the lower surface of the hermetic container 10, and a rotary lifting mechanism 23 is connected thereto. The operation of the rotary lifting mechanism 23 enables the crucible storage container 20 and the crucible 11 to be integrally rotated and lifted via the rod 21. The inside of the airtight container 10 is kept airtight by the seal ring 22.
[0018]
In the airtight container 10, a plurality of heaters 25 are arranged at each height so as to surround the crucible storage container 20. The heaters 25 at the respective heights can be controlled independently, and a desired temperature gradient and temperature distribution can be formed in the airtight container 10 in the vertical direction. The outside of the heater 25 is surrounded by a heat insulating material 26 so that the heat of the heater 25 is effectively transmitted to the crucible storage container 20.
[0019]
In the crystal growth apparatus 1 configured as described above, after inserting the seed crystal 30 into the seed crystal portion 14 of the crucible 11, the seed crystal portion 14 is closed with the cap 5, and the GaAs compound raw material 31 and B ₂ synthesized in advance are filled. A liquid sealant 32 such as O ₃ and a dopant are introduced into the crucible 11 as necessary.
[0020]
Then, the charged crucible 11 is set in the crucible storage container 20, the inside of the hermetic container 10 is increased to a predetermined pressure, and then heated by the heater 25, whereby the entire GaAs compound raw material 31 is heated and melted, The liquid sealing material 32 is arranged on the upper part of the GaAs compound raw material 31 thus formed. Next, by controlling the temperature of each heater 25, a temperature gradient is formed in the GaAs compound raw material 31 that has become a melt in the crucible 11, and the raw material melt is cooled in accordance with the vertical temperature gradient method. The GaAs compound raw material 31 is gradually cooled and solidified from the lowermost part in contact, and a GaAs single crystal 33 is grown. In this case, the GaAs single crystal 33 may be grown while rotating and raising and lowering the crucible 11 by operating the rotary elevating mechanism 23 as necessary.
[0021]
Thus, after the entire GaAs compound raw material 31 is solidified and changed to the GaAs single crystal 33, the GaAs single crystal 33 is cooled and the GaAs single crystal 33 is taken out from the crucible 11.
[0022]
Here, FIG. 3 is a perspective view of the GaAs compound raw material 31 introduced into the crucible 11 when the GaAs single crystal 33 is grown as described above. The GaAs compound raw material 31 includes a cylindrical portion 35 and a truncated cone portion 36 disposed at the lower end of the cylindrical portion 35. The diameter d of the cylindrical portion 35 is equal to or smaller than the inner diameter of the cylindrical portion 12 of the crucible 11, and the height h of the cylindrical portion 35 is set to be equal to or smaller than the height of the cylindrical portion 12 of the crucible 11. The truncated cone part 36 has an inclination angle that just enters the inside of the cone part 13 of the crucible 11.
[0023]
Such a GaAs compound raw material 31 is manufactured as follows, for example. That is, as shown in FIG. 4, the Ga raw material 41 and the As raw material 42, which are raw materials for synthesizing the GaAs compound raw material 31, inside the synthetic crucible 40 having the same internal shape as the crucible 11 except for the height, , B ₂ O ₃ or the like is charged (charged). In this case, for example, the Ga raw material 41 is a melt and the As raw material 42 is a solid (granular). The height of the crucible 40 is desirably the same as or higher than that of the crucible 11. The crucible 40 is made of a material having necessary heat resistance and poor reactivity with the raw material melt, such as boron nitride (BN) material. In this case, a dopant is also introduced into the crucible 40 as necessary. Note that the crucible 40 for synthesizing the GaAs compound raw material 31 in this way may be the crucible 11 itself for crystal growth in the crystal growth apparatus 1.
[0024]
Further, when synthesizing the GaAs compound raw material 31 in this way, a spacer 46 is disposed in the seed crystal portion 45 of the crucible 40 instead of the seed crystal 30. The material of the spacer 46 is also a material having necessary heat resistance and poor reactivity with the raw material melt, such as boron nitride (BN) material. The spacer 46 has a conical shape so that the lower end of the truncated cone part 36 does not push down the seed crystal 30 inserted into the seed crystal part 14 of the crucible 11 when the manufactured GaAs compound raw material 31 is put into the crucible 11. It plays the role of adjusting the height of the lower end of the base part 36. As shown in the figure, when a crucible 40 having an open lower end is used, a spacer 46 can be inserted from below the crucible 40 to close the opening at the lower end of the crucible 40.
[0025]
Then, the Ga raw material 41 and As raw material 42 and the liquid sealing agent 32 and the like charged in the crucible 40 are heated and melted, and then solidified and synthesized. In this way, a GaAs compound raw material 31 as shown in FIG. 3 can be obtained. Thus, when manufacturing the GaAs compound raw material 31, heating and cooling do not necessarily need to be the same conditions as the case where the GaAs single crystal 33 is manufactured. For example, in consideration of productivity, the GaAs compound raw material 31 may be synthesized by cooling at a high speed and solidified. However, in order to effectively remove oxides generated in the melting and solidifying process and impurities in the raw material, the vertical temperature gradient method is used as in the case of manufacturing the GaAs single crystal 33, and the lower part of the crucible 40 is used. It is desirable to solidify in one direction from the top to the top.
[0026]
The GaAs compound raw material 31 manufactured in this way has substantially the same shape as the GaAs single crystal 33 manufactured using the GaAs compound raw material 31, and the surface area of the GaAs compound raw material 31 before melting is the same as that of the GaAs compound raw material 31. The surface area of the GaAs single crystal 33 (the GaAs single crystal 33 that has finished crystal growth) is less than five times the surface area. Further, since the liquid sealing agent 32 is also introduced into the crucible 40, the liquid sealing agent 32 is disposed in a solidified state on the upper surface of the GaAs single crystal 33.
[0027]
Then, the GaAs compound raw material 31 synthesized in this way is taken out from the crucible 40, and as shown in FIG. 5, the GaAs compound raw material 31 is directly put into the crucible 11 of the crystal growth apparatus 1 without being crushed. A seed crystal 30 is inserted into the seed crystal portion 14 of the crucible 11. In this case, if the crucible 11 is opened at the bottom as shown in FIG. 5, the seed crystal 30 may be inserted from below and the opening may be closed with the cap 50. Thereby, the seed crystal 30 can be easily arranged in the seed crystal portion 14.
[0028]
Thus, the GaAs compound raw material 31 can be put into the crucible 11 with substantially no gap. When the GaAs compound raw material 31 is solidified in the crucible 40, the spacer 46 is disposed in the seed crystal portion 45 of the crucible 40, so that the height of the lower end of the truncated cone portion 36 is adjusted, and the GaAs compound raw material is adjusted. When 31 is put into the crucible 11, there is no concern that the lower end of the truncated cone part 36 pushes down the seed crystal 30 inserted into the seed crystal part 14 of the crucible 11.
[0029]
In synthesizing the GaAs compound raw material 31, when the crucible 11 itself for crystal growth in the crystal growth apparatus 1 is used as the crucible 40, it is not necessary to take out the GaAs compound raw material 31 from the crucible 11. In that case, after the synthesized GaAs compound raw material 31 is cooled and solidified in the crucible 11, the spacer 46 is removed from the opening at the bottom of the crucible 11, and the seed crystal 30 is inserted into the seed crystal portion 14 from below to open the opening. The portion may be closed with the cap 50.
[0030]
Then, with the GaAs compound raw material 31 introduced into the crucible 11 and the seed crystal 30 inserted into the seed crystal portion 14 as described above, the entire GaAs compound raw material 31 in the crystal growth apparatus 1 described with reference to FIG. The GaAs compound raw material 31 is gradually cooled and solidified from the lowermost part in contact with the seed crystal 30 according to the vertical temperature gradient method by heating and melting and temperature control of each heater 25 to produce a GaAs single crystal 33.
[0031]
As described above, by manufacturing the GaAs single crystal 33 using the GaAs compound raw material 31 having substantially the same shape as the GaAs single crystal 33, the amount of As volatilized at the time of melting can be reduced, and the Ga / As ratio is as intended. It becomes possible to stably obtain the GaAs single crystal 33 having a low dislocation density. The GaAs single crystal 33 manufactured in this way has a low dislocation density of, for example, a maximum dislocation density of 200 pieces / cm ² or less and an average of 10 pieces / cm ² . The shape of the GaAs compound raw material 31 is not necessarily the same as that of the GaAs single crystal 33 after crystal growth, but GaAs before melting (before the GaAs compound raw material 31 is heated and melted in the crystal growth apparatus 1). The surface area of the compound raw material 31 is preferably not more than 5 times the surface area of a GaAs single crystal 33 (a GaAs single crystal 33 that has finished crystal growth) manufactured using the GaAs compound raw material 31. If the surface area of the GaAs compound raw material 31 before melting exceeds 5 times the surface area of the GaAs single crystal 33 produced therefrom, fluctuations in the Ga / As ratio cannot be suppressed, and the growth in the grown GaAs single crystal 33 The rate of occurrence of dislocations increases rapidly, making it difficult to stably produce a GaAs single crystal 33 having a low dislocation density. In addition, the input amount per unit volume with respect to the crucible 11 is lowered, and the production efficiency is also lowered. In order to obtain a lower dislocation density GaAs single crystal 33 with a more stable Ga / As ratio, the surface area of the GaAs compound raw material 31 before melting is twice the surface area of the GaAs single crystal 33 produced therefrom. The following is desirable, and 1.5 times or less is more desirable.
[0032]
In addition, by introducing the synthesized GaAs compound raw material 31 into the crucible 11 of the crystal growth apparatus 1 as it is without being pulverized, it is possible to avoid contamination of impurities generated during crushing and generation of small-diameter particles, and to stabilize single crystal growth. This contributes to shortening the process and reducing the load.
[0033]
Further, if the GaAs compound raw material 31 is synthesized using the crucible 11 itself for crystal growth in the crystal growth apparatus 1 as the crucible 40, another crucible 40 for producing the GaAs compound raw material 31 becomes unnecessary, and the equipment cost can be reduced. , Space can be omitted.
[0034]
FIG. 6 shows another embodiment of the present invention, in which a GaAs compound raw material composed of a plurality of compound raw material pieces 60 having a disk shape or a truncated cone shape in a crucible 11 for growing a GaAs single crystal 33. The state where 31 is input is shown. A liquid sealant 32 is introduced into the upper surface of the GaAs compound raw material 31, the seed crystal 30 is inserted into the seed crystal portion 14 below the crucible 11, and the opening is closed with a cap 50.
[0035]
The GaAs compound raw material 31 introduced into the crucible 11 is not limited to the one as shown in FIG. 5 and may be composed of a plurality of compound raw material pieces 60 as shown in FIG. In any case, it is preferable that the surface area of the GaAs compound raw material 31 before melting is 5 times or less than the surface area of the GaAs single crystal 33 produced therefrom in the state of being put into the crucible 11 and combined. In order to stabilize the production of the crystal growth apparatus 1, it is preferable that the GaAs compound raw material 31 is always put into the crucible 11 in the same state. As described above, even when the GaAs compound raw material 31 constituted by the plurality of compound raw material pieces 60 is used, the same advantages as when the integral GaAs compound raw material 31 is used can be enjoyed.
[0036]
As mentioned above, although preferable embodiment of this invention was described, this invention is not limited to the form illustrated here. For example, the crystal growth apparatus 1 is not limited to the vertical temperature gradient method but may use other methods such as the vertical Bridgman method. Further, the present invention can be applied not only to the vertical boat method but also to the horizontal boat method. The present invention can also be applied to the manufacture of compound single crystals other than GaAs single crystals.
[0037]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
Example 1
The GaAs compound raw material was synthesized in another synthesis furnace (crucible). The value obtained by dividing the surface area of the synthesized GaAs compound raw material by the surface area of a GaAs single crystal crystal grown thereafter using the GaAs compound raw material is 1.05. The synthesized GaAs compound raw material was cut and adjusted to 6 kg, and the seed crystal was inserted into the crucible of the single crystal growth apparatus and then charged. Since the remaining raw material cut was used as another raw material, the raw material loss was 0.2% of the margin due to cutting. Further, 365 g of boric anhydride (B ₂ O ₃ ) as a liquid sealant and 280 wtppm of Si as a dopant were added. The crucible prepared in this way is set in the crucible storage container of the single crystal growth apparatus, the raw material is melted by a heater, and the liquid sealant is placed on the upper part of the raw material melt. As a result, the melt was solidified and crystals were grown. At that time, the temperature gradient at the interface between the melt and the solidified crystal was 3 ° C./cm, and the rising speed at the interface between the melt and the solidified crystal was 3 mm / hr.
[0038]
The Ga / As atomic ratio of the GaAs single crystal thus obtained was 1.010, an increase of 1.0% compared to the GaAs compound raw material before crystal growth. Dislocation density was measured by slicing the manufactured GaAs single crystal perpendicularly to the growth direction and immersing in KOH at 300 ° C. Dislocation density is 150 at the maximum value / cm ^2, was low dislocation density of 5 / cm ² in average. As a result of impurity analysis using a SIMS analyzer, no abnormality was found.
[0039]
A GaAs single crystal was repeatedly manufactured 10 times under the same conditions, but single crystals could be manufactured in all cases. Further, when the dislocation density of each crystal was evaluated, the maximum value was 200 pieces / cm ² or less and the average value was 10 pieces / cm ² or less.
[0040]
(Example 2)
A crucible with an open seed crystal portion used for GaAs single crystal growth was prepared, and a BN spacer was inserted into the seed crystal placement portion at the bottom of the crucible. There was no gap between the crucible wall and the spacer. Next, 3.0 kg of pure Ga raw material and 3.3 kg of pure As raw material were charged into a crucible, and 365 g of liquid sealing agent and 280 wtppm of Si as a dopant were charged. The crucible charged with the raw material was placed in a crucible storage container of a single crystal growth apparatus, the raw material was melted with a heater, and solidified crystals were grown from the bottom of the crucible by the vertical temperature gradient method. At this time, the temperature gradient at the interface between the raw material melt and the solidified crystal was 10 ° C./cm, and the rising speed at the interface between the raw material melt and the solidified crystal was 10 mm / hr. After obtaining the GaAs compound raw material in this way, the spacer at the bottom of the crucible was removed, the seed crystal was inserted, the cap was sealed, and the crucible was again placed in the crucible container. Thereafter, single crystals were grown under the same conditions as in Example 1. The value obtained by dividing the surface area of the GaAs compound raw material by the surface area of the GaAs single crystal grown using the GaAs compound raw material is 1.00. The obtained GaAs single crystal had a Ga / As atomic ratio of 1.009, and the Ga / As ratio increased by 0.9%. As a result of measuring the dislocation density, the maximum value was 180 / cm ² and the average was 8 / cm ² , and it was found to be a GaAs single crystal having a low dislocation density. In this way, if a GaAs single crystal having a lower dislocation density than the conventional one is used for a laser semiconductor substrate, the generation of defective chips can be suppressed, the yield can be improved, and the productivity can be improved.
[0041]
(Comparative example)
In the same manner as in Example 1, a GaAs compound raw material was previously produced in another synthesis furnace. Next, this GaAs compound raw material was crushed using a stainless steel hammer. The obtained crushed lump was classified with a sieve having an opening of 1 mm, and only the raw crushed lump having a diameter of 1 mmφ or more was extracted. At that time, the raw material loss due to sieving was 4.3%. A seed crystal is arranged at the lower part of the crucible of the single crystal growth apparatus, and then 6 kg of classified GaAs compound raw material (crushed gravel) is added from the seed crystal. Further, Si is 280 wtppm as a dopant, and boric anhydride (B ₂ as a liquid sealant) 365 g of O ₃ ) was added. The value obtained by dividing the surface area of the GaAs compound raw material by the surface area of the GaAs single crystal grown using the GaAs compound raw material was 22.2 when calculated from the average particle size of the crushed gravel. The crucible charged with the raw material was set in a crucible storage container, heated and melted, and then crystal growth was performed using the vertical temperature gradient method. The temperature conditions, growth conditions, etc. at that time are the same as those in the first embodiment. The GaAs single crystal thus obtained was analyzed in the same manner. As a result, the Ga / As atomic ratio was 1.022, and the Ga / As ratio was increased by 2.2% compared to the compound raw material. Moreover, as a result of slicing perpendicularly to the crystal growth direction and measuring the dislocation density, the maximum was 800 / cm ² and the average was 30 / cm ² , and the dislocation density increased from the example of the present invention. As a result of impurity analysis by SIMS analysis, 2 × 10 ¹⁵ pieces / cm ³ or more of Fe and Cr were detected, and contamination of the stainless steel hammer used during crushing was found.
[0042]
As a result of manufacturing the GaAs single crystal 10 times under the same conditions, polycrystalline growth occurred once. Further, as a result of measuring the dislocation density, the average of the maximum value was 1500 / cm ² , and the average of the average value was 80 / cm ² , of which 4 times of Fe and Cr were 2 × 10 ¹⁵ / cm ² by SIMS analysis. cm ³ or more was detected.
[0043]
【The invention's effect】
According to the present invention, a compound single crystal having a stable composition with a low dislocation density can be produced. In addition, material loss can be reduced, stable single crystal growth can be realized, and work efficiency and productivity can be improved by shortening the process.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing a schematic configuration of a crystal growth apparatus.
FIG. 2 is a longitudinal sectional view of a crucible.
FIG. 3 is a perspective view of a GaAs compound raw material according to an embodiment of the present invention.
FIG. 4 is an explanatory diagram of a manufacturing process of a GaAs compound raw material.
FIG. 5 is an explanatory diagram of a state in which a GaAs compound raw material according to an embodiment of the present invention is charged into a crucible.
FIG. 6 is a longitudinal sectional view showing a state in which a GaAs compound raw material composed of a plurality of compound raw material pieces is charged into a crucible.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Crystal growth apparatus 10 Airtight container 11 Crucible 12 Cylindrical part 13 Conical part 14 Seed crystal part 20 Crucible storage container 21 Rod 22 Seal ring 23 Rotation raising / lowering mechanism 25 Heater 26 Heat insulating material 39 Seed crystal 31 GaAs compound raw material 32 Liquid sealant 33 GaAs single crystal 35 cylindrical part 36 truncated cone part 40 crucible 41 Ga raw material 42 As raw material 45 seed crystal part 46 spacer 50 cap 60 compound raw material piece

Claims

A method of growing a compound single crystal using a seed crystal by a vertical boat method, in which a compound raw material synthesized in advance is put into a crucible having a cylindrical part and a conical part , melted and solidified. ,
The raw material of the compound before being poured into the crucible is charged with no gap at the bottom of the crucible.
The compound raw material is synthesized by introducing a plurality of raw materials for synthesizing the compound raw material into a crucible for crystal growth or a synthesis crucible having the same internal shape as the crystal growth crucible except for the height,
A method for producing a compound single crystal, wherein the surface area of the compound raw material is 1.5 times or less of the surface area of the compound single crystal that has been crystal-grown.

The method for producing a compound single crystal according to claim 1, wherein the synthesized compound raw material is used without being pulverized.

In synthesizing the compound raw material, a spacer is arranged in the seed crystal part of the crucible, and after cooling and solidifying the compound raw material in the crucible, the seed crystal is inserted into the space from which the spacer is removed. The method for producing a compound single crystal according to claim 1 or 2.