JP4459260B2 - 中継装置、受信装置および無線伝送システム - Google Patents

中継装置、受信装置および無線伝送システム Download PDF

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Description

本発明は、地上デジタル放送における中継時に、特定エリアにだけ付加コンテンツ情報を伝送するシステムに関する。
地上デジタル放送をはじめとするブロードキャストシステムでは、現在サービスしている固定受信用ハイビジョン放送および携帯受信用放送の他に、将来的には、ある特定エリアに限定して付加コンテンツ情報を放送するようなサービスが考えられる。これは、親局である送信局から現行のデジタル放送により放送コンテンツを送信し、これを中継局で再送信する際に、親局から配信されたものとは異なる放送コンテンツ(以下「付加コンテンツ」と呼ぶ)をその中継局でカバーする特定地域のみに配信するというサービスである。付加コンテンツは、親局からの放送コンテンツと同時に、同じ周波数チャネルを用いて送信される。従来の固定テレビジョン受像機やワンセグ携帯受信機では、親局からの放送コンテンツを従来通りに受信することができるが、特定地域の専用受信機は、本放送に加えて付加コンテンツを受信し、それぞれを切り替えて視聴し、または同時に視聴することができる。
現在、日本国内の地上デジタル放送ではOFDM送信信号の13セグメントのうち、12セグメントをハイビジョン放送に使用し、中央の1セグメントを携帯受信用に使用している。このため現行方式では他のコンテンツ情報を中継時に付加して送信する余裕はない。
そこで、本サービスを実現するために、親局からの放送波に影響を与えることなく、新たな情報を同じ周波数チャンネルで放送する方法として、スペクトル拡散(SS: Spread Spectrum)技術が考えられる(例えば「非特許文献1」を参照。)。
例えば、スペクトル拡散技術を利用した通信システムであるUWB(Ultra Wide Band)では、信号エネルギーを3.1GHz〜10.6GHzという広い帯域に分散する。したがって、平均送信電力が非常に小さく、既存のシステムにほとんど影響を与えることはない。
横山光雄、「スペクトル拡散通信システム」科学技術出版社、1988年。
しかし、付加コンテンツ情報が既存の放送波受信に影響を与えないようにするためには、中継時に付加するスペクトル拡散信号は、その送信電力がかなり小さくなければならない。例えば、現行通り1チャネルを6MHz帯域(実質変調信号はそのうちの5.6MHzを使用)とした場合、ARIB規格で制定される送信波形のスペクトルマスク、および電波法で規定されるスプリアス等の規定を遵守し、かつBPSKで変調されたコンテンツ情報をスペクトル拡散して受信装置で正しく復調するためには、付加コンテンツ信号の拡散利得を1000以上にしなくてはならない。したがって、付加コンテンツとして確保できる情報伝送速度が数kbps程度と著しく低くなってしまうという問題がある。逆に、拡散利得を下げてこの情報速度を大きくすると、本信号との干渉が生じて正しく復調できなくなってしまうという問題がある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、既存の受信装置に干渉を与えることなく、開空間の特定地域だけに伝送容量の大きい付加情報を伝送することを目的とする。
本発明の一観点に係る中継装置は、付加コンテンツのデータを記憶する記憶部と、第1の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、前記受信信号から既知の特定パターンを検出する検出部と、前記特定パターンが検出されたならば、前記受信信号に前記付加コンテンツのデータを多重する多重部と、前記付加コンテンツのデータが多重された受信信号に基づく第2の放送波を中継のために送信する送信部と、を具備する中継装置である。
本発明の別の観点に係る受信装置は、前記中継装置から放送された前記第2の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、前記受信信号と、既知の特定パターンとの相関処理により相関値を得る相関部と、前記相関値に基づいて、前記受信信号に付加コンテンツのデータが含まれているか否かを判定する判定部と、前記付加コンテンツのデータが含まれていると判定されたならば、前記中継装置が受信した前記第1の放送波の受信信号のレプリカを生成する生成部と、前記第2の放送波の受信信号から前記レプリカを差し引くことにより前記付加コンテンツのデータを復元する処理部と、を具備する受信装置である。
本発明の一観点に係る無線伝送システムは、送信装置から出力された第1の放送波を中継装置が中継して第2の放送波を出力し、該第2の放送波を受信装置が受信する無線伝送システムである。前記送信装置は、付加コンテンツを挿入可能であることを示す既知の特定パターンを多重して前記第1の放送波を出力する。前記中継装置は、付加コンテンツのデータを記憶する記憶部と、前記第1の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、前記受信信号から前記特定パターンを検出する検出部と、前記特定パターンが検出されたならば、前記受信信号に前記付加コンテンツのデータを多重する多重部と、前記付加コンテンツのデータが多重された受信信号に基づく前記第2の放送波を中継のために送信する送信部と、を具備する。前記受信装置は、前記第2の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、前記受信信号と、前記既知の特定パターンとの相関処理により相関値を得る相関部と、前記相関値に基づいて、前記受信信号に前記付加コンテンツのデータが含まれているか否かを判定する判定部と、前記付加コンテンツのデータが含まれていると判定されたならば、前記中継装置が受信した前記第1の放送波の受信信号のレプリカを生成する生成部と、前記第2の放送波の受信信号から前記レプリカを差し引くことにより前記付加コンテンツのデータを復元する処理部と、を具備する。
本発明によれば、現行の地上デジタル放送の中継時に、既存の受信装置に干渉を与えることなく、開空間の特定地域だけに伝送容量の大きい付加コンテンツ情報を伝送できる。
以下、図面を参照しながら本実施の形態について詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態に係わる送信装置の構成を示す。ここではOFDMに基づくセグメントの階層伝送が可能な無線伝送システムとして、日本国内の地上デジタル放送(ARIB標準規格ARIB STD−B31)を対象とする。本実施形態に係る送信装置が従来の地上デジタル放送機器と異なるのは、階層処理においてある特定のセグメントにPN(擬似ランダム雑音、pseudo-random noise)符号系列などの既知の特定パターンを表す信号を挿入する点である。ここでいう「特定のセグメント」とは、中継局で再送信するときに特定地域のみに提供する付加コンテンツ情報を格納するため用いられるセグメントのことである。
今後、画像圧縮技術の研究開発がさらに進展すると、ハイビジョン伝送のために12セグメントを割り当てることはもはや必要無くなるであろうと言われている。そうなれば余分なセグメントを捻出することができ、これを第3の階層として利用できるようになる。そこで本実施形態に係るシステムは、そのような余分の階層チャネル(セグメント)を用いて、親局の送信装置から送られてくる情報とは異なる、特定地域限定のコンテンツ情報を中継時に同時送信するように構成されている。
図2に送信信号の周波数スペクトルを示す。13個のセグメントのうち、5.6MHzの帯域中央に位置するセグメント20は携帯向けサービスに用いられる。特定のセグメント21は付加コンテンツ配信に用いられる。ハイビジョン放送のデータ系列は高効率圧縮され、セグメント20及び21を除いた残りの11個のセグメントを用いて配信される。
図1に示される送信装置の動作を説明する。
例えば情報ソースとしてハイビジョン(HDTV)放送コンテンツと携帯受信用コンテンツとを想定する。ハイビジョン(HDTV)放送コンテンツは11セグメントに収まり、携帯受信用コンテンツは1セグメントで収まるようそれぞれのコンテンツは情報源圧縮・符号化が施される。
TSP生成部101は、これらコンテンツのデータを188バイトデータに16バイトのヌルデータが付加されたトランスポートストリームパケット(TSP)に変換したのち、リードソロモン符号化を行う。これにより204バイトのデータストリームが生成される。
階層分割部102は、このデータストリームを階層毎に分離し、階層毎の処理部103に送る。処理部103は、それぞれの階層(ここでは3つの階層)のデータストリームに対してエネルギー拡散、遅延補正、バイトインターリーブ、畳み込み符号化、およびキャリア変調などの処理を行う。
ここで、処理部103は、上述した第3の階層の処理において、特定セグメント用の既知信号としてあらかじめ指定されたPN符号系列を該特定のセグメントに挿入する。
その後、階層合成部104が3つの階層のデータストリームを合成する。合成後のデータストリームは、時間インターリーバ105、周波数インターリーバ106、OFDMフレーム化部107、IFFT部108、およびGI(Guard Interval)付加部109によりデジタル信号処理が施される。これらデジタル信号処理の後、データストリームはD/Aコンバータ110によりアナログ信号に変換され、アップコンバータ111によって無線周波数(RF)の信号に変換される。さらに、RF信号処理112によりフィルタや増幅などの処理がなされ、放送波としてアンテナから送信される。この放送波信号の周波数スペクトルは、図2に示した通りであり、特定セグメント21にPN符号系列が挿入されている。
図3に第1の実施形態に係る中継装置の構成を示す。
まず中継装置では、図1に示した送信装置(親局)からの放送波をアンテナから受信して受信信号を得る。この受信信号は、上述した送信とは逆の処理が行われる。すなわち、受信信号はRF信号処理部により処理されたのち、A/Dコンバータによりデジタル信号に変換される。その後、同期処理部、FFT部、伝搬路歪補正部、デフレーム化/デインターリーブ部、制御チャネル復調部、階層分割部により処理される。
ここで、階層分割された信号のうち、特定パターン検出部201は特定セグメントに属する受信信号を取り出し、この信号から上述した既知の特定パターン(ここではPN符号系列)を検出する。具体的には、受信信号rと、既知の特定パターンを変調した信号Pの複素共役信号とを乗算し、所定時間(T)だけ積分した値を次式(1)にしたがって算出する。
Figure 0004459260
c(t)はt=0のときにPN符号長に相当する相関値cとなり、t≠0のときに0に近い値になる。算出された値cは、検出信号として特定パターン検出部201から出力され、判定部202に送られる。判定部202は、特定パターン検出部201から出力された検出信号が表す値cが、あらかじめ定められたしきい値よりも大きいか否かを判定する。値cが、このしきい値よりも大きい場合、受信信号から既知の特定パターンを検出できたものとする。この時点で、中継装置は、付加コンテンツを挿入可能な階層チャネルが存在することを知る。
特定パターンが検出されたセグメントには、親局から受信した時点ではダミー信号が含まれている。データ多重部203は、このダミー信号に代えて、データベース205にあらかじめ格納されている付加コンテンツ情報を特定パターンに多重する。これを再変調部204は変調する。したがって、親局の送信装置から受信した信号を中継のために再送信しようとする際に、該信号に付加コンテンツが挿入されることになる。
第3の階層において特定パターンと付加コンテンツとを多重化する別の方法として、図4に示すように、特定パターン(PN符号系列)40を使って付加コンテンツのデータ41をスペクトル拡散してもよい。具体的には、BPSK化されたPN符号系列信号と、変調された付加コンテンツ信号とを複素乗算することによりスペクトル拡散が行われる。この手法では、特定パターンとして特に系列長の長いPN符号系列の場合、専用受信装置において、拡散信号の認識度を高めることができ、耐干渉・耐雑音の点で有効である。
多重化のさらに別の方法として、図5に示すように、特定パターン(PN符号系列)と付加コンテンツのデータとを時間多重する方法がある。これは、親局の送信装置が短い系列長のPN符号系列を繰返し送信している場合、その最小単位の系列をプリアンブルとして付加コンテンツに付加することで、受信装置側での信号認識および同期確立が容易になるという利点がある。
また、受信装置において、親局から送信されたPN系列と、中継局にて周波数拡散に使ったPN系列あるいは時間多重された短い周期のPNプリアンブルとを正確に分離・識別するために、中継装置で付加コンテンツのデータ多重に用いるPN系列は、親局から送信されたPN系列と異なるものを用いてもよい。例えば、ランダム系列の初期位相や系列長の異なるもの、あるいは特定パターンとの相互相関の低い別の符号系列を用いるのが望ましい。
以上のように付加コンテンツが挿入され、階層合成がなされた信号は、中継のため、図1に示した送信装置と同様の処理手順によりアンテナから送信される。すなわち、時間インターリーバ、周波数インターリーバ、OFDMフレーム化部、IFFT部、GI付加部によるデジタル信号処理がなされた信号は、D/Aコンバータによりアナログ信号に変換され、アップコンバータによって無線周波数(RF)の信号に変換され、フィルタや増幅などのRF信号処理ののち、アンテナから送信される。
図6に第1の実施形態に係る受信装置を示す。この受信装置は、図3に示した中継装置において挿入された付加コンテンツを含んだ放送波を受信する専用受信装置である。このような受信装置を携帯端末として実現することを検討してみると、例えばワンセグ携帯受信機のような従来の受信装置は、中央のセグメントのみを受信するようフィルタ特性を持つが、本実施形態に係る受信装置では、特定セグメントをも受信できるようにフィルタ特性を持たせることが必要である。
まず受信装置では、図3に示した中継装置からの放送波をアンテナから受信して受信信号を得る。図3に示した中継装置が親局の送信装置からの放送波を受信する場合と同様に、受信信号はRF信号処理部により処理されたのち、A/Dコンバータによりデジタル信号に変換される。その後、同期処理部、FFT部、伝搬路歪補正部、デフレーム化/デインターリーブ部、制御チャネル復調部、階層分割部により処理される。
ここで、PN符号系列との相関部301は、階層分割された信号のうち、特定セグメントに属する信号を取り出し、式(1)と同様に既知の特定パターンとの相関を行う。判断部302は、その相関値があらかじめ定められたしきい値よりも大きいか否かを判定して付加コンテンツの有無を判断する。判断部303は、レプリカ生成回路310の機能のON/OFF(具体的にはレプリカ生成回路310への電流供給をするかどうか)を判断する。付加コンテンツが存在すると判断部302により判断された場合、判断部303は、レプリカ生成回路310の機能をONにする(レプリカ生成回路310に電流供給が行われるようにする)。
これにより作動したレプリカ生成回路310において、タイミングマッチング回路304は相関部301から出力される相関値を使ってタイミング同期を行う。これにより親局の送信装置で挿入された特定パターンの信号の開始時刻や位相の推定値が得られる。また、相関値を使って、伝搬路推定部305は送信局からの伝搬路推定を行う。これにより、伝搬路応答の推定値が得られる。
レプリカ生成部306は、タイミングマッチング部304からの出力と伝搬路推定部305からの出力とを用いて、親局の送信装置が送信した信号のレプリカを生成する。このレプリカには、当初、親局の送信装置で挿入された特定パターンの信号が含まれているが、中継装置において挿入処理を行った付加コンテンツは含まれていない。データ抽出部307は、生成されたレプリカを本線信号308から差し引き、逆拡散あるいはプリアンブル除去によりデータを抽出する。その結果、受信信号から特定パターン(ここでは、PN符号系列)が除かれた特定セグメント(第3の階層)の受信信号が得られる。この信号は、付加コンテンツの階層について処理を行う処理部309に出力される。処理部309は、特定セグメントに相当する階層の受信信号に対して、デマッピング、ビットデインターリーブ、ビタビ復号、バイトデインターリーブ、エネルギー逆拡散等の処理を行う。付加コンテンツが挿入されている特定セグメント以外の他の階層については処理部310により同様に処理が行われる。これら処理部309および310により得られた階層毎の信号は、階層合成されてTS(トランスポートストリーム)となってTS再生部311から出力され、復号部312により復号される。以上の受信処理の結果、付加コンテンツ情報を復元することができる。
なお、ここでは、付加コンテンツの信号変調方式が、他の階層の信号と同じくARIB STD-B31に準拠したものとしたが、中継装置と専用受信装置の間で信号の生成・復元規則が共有されていれば、独自の変復調方式を採用してもよい。
付加コンテンツ専用受信装置は、付加コンテンツを閲覧(復号)するかどうかを選択できるような機能を持つものとする。例えば、ユーザに閲覧(復号)を選択させるためのユーザインタフェースを携帯端末の画面に表示させる。
なお、帯域中央の0番目のセグメントは、通常、セグメント間周波数インターリーブ処理をしないので、そのまま復調しても問題はないが、それ以外のセグメントは、階層が異なる場合でも同じ種類の変調部に属するデータセグメントにはセグメント間の周波数インターリーブ処理がなされている。つまり、特定セグメントをそのまま復調しても、親局が送信したPN系列や中継装置が送信した付加コンテンツデータを復元することができない。この対策の一つは、特定セグメントの変調方式を差動変調にすることである。そうすれば、地上デジタル放送の規格上、特定セグメントは他のセグメントと独立に周波数インターリーブを施すため、特定セグメントだけを容易に復調することができる。また、時間インターリーブ処理は各セグメント毎に独立に行われるが、インターリーブ長を階層毎に独立に設定することができるので、メモリサイズや処理遅延量を低減するために、特定セグメントの時間インターリーブを無効にすることもできる。
以上説明したように、第1の実施形態に係わる無線伝送システムにおいて、親局の送信装置は、地上デジタル放送の規格では最大3階層まで多重が行えることを利用し、特定セグメントに相当する特定の階層(例えば第3の階層)に、既知の特定パターンとして例えばPN符号系列が挿入された放送波を出力する。
親局からの放送波を中継する中継装置は、この親局からの放送波の受信信号において上記PN符号系列を検出したとき、このPN符号系列に付加コンテンツを多重する。中継装置は、付加コンテンツが挿入された放送波を出力する。
付加コンテンツが挿入された放送波を中継装置から受信した受信装置は、親局の送信装置からの信号と中継装置からの信号とを重複して受信しても、特定パターンマッチングおよび送信信号レプリカ生成によって所望の付加コンテンツのみを正しく取り出すことができる。
以上のような構成により、伝送システムの大幅な変更なしに開空間の特定地域のみを対象として付加コンテンツを伝送できる。
なお、特定パターンについては、情報を何も入れない、つまりヌルサブキャリアを構成した場合、帯域信号スペクトルマスクやフラットネスが規格を満足しなくなるため、擬似(ダミー)データを挿入する必要があるが、それによって次のような利点が得られる。すなわち、特定セグメントが付加コンテンツチャネルであることの判断は、中継装置および受信装置でのパターンマッチングにより容易に行うことができる。さらに、この特定パターンは付加コンテンツ情報を拡散または逆拡散することにも用いられ、これにより受信装置での雑音・干渉耐性を高めることができる。
中継装置における特定パターン検出部201によるパターン検出、受信装置における相関部301、タイミングマッチング回路304、および伝搬路推定部305等の処理を容易化するために、例えばシンボル方向にある符号長のPN系列を並べ、全サブキャリアを同じ系列にする方法が考えられる。この場合、サブキャリア方向には、PN符号の位相が違うものを並べることで、各サブキャリアで伝搬路応答推定が可能となる。サブキャリア方向に特定パターンとし、シンボル方向には同じものあるいは、位相が違うものを並べる。なお、特定パターンとして、PN符号系列ではなく、M(maximum length code)系列やGold符号系列を採用してもよい。
中継局で付加コンテンツ情報を付加する際、再送信信号に付加コンテンツが含まれているかどうか、どのような信号形式で含まれているかなどの情報を、標準規格で規定されているAC(Auxiliary Channel)を使用して指示してもよい。この場合、受信装置では通常の復調処理においてAC情報を容易に取り出すことができることから、親局である送信装置からの信号の受信電力が極めて小さく特定パターンの検知が難しい場合であっても付加コンテンツ情報の有無の検出および復調が容易になるという利点がある。ただしこの場合、AC情報の取り扱い方法について、送信装置および中継装置側で定められた運用規則を受信装置にもあらかじめ知らせておく必要がある。
(第2の実施形態)
図7に本発明の第2の実施形態に係わる中継装置の構成を示す。第2の実施形態では、SFN(Single Frequency Network)環境を想定する。中継を行う際にFFTをして周波数領域信号処理を行うと、その信号処理遅延のために再送信後の受信装置でうまく復調が行えなくなる。このため、時間領域で処理遅延が小さくなる方策が必要である。
そこで、時間領域だけでデータを差し替える構成を図7に示す。図3に示したFFT部からIFFT部までの一連の処理を図7に置き換える。まず、等化器1101は全セグメントのスペクトルの周波数選択性フェージングをフラット化するような等化を行う。パターンマッチング部1102は、既知のPN符号系列を含むOFDMフレームフォーマットの時間波形によって、特定パターンの時間領域でのマッチング(相関)処理を行う。これによって特定パターンの有無を検知する。
その後、加算器1103は既知PN符号系列をIFFTした波形を差し引き、さらに付加コンテンツの信号をOFDMフォーマットした信号を加算器1104により加算する。
この一連の処理を数式で表現すると次式(2)のように表される。
IFFT[X(f)-PN(f)+LO(f)] = IFFT[X(f)] - IFFT[PN(f)] + IFFT[LO(f)] (2)
ただし、中継時には再送信信号波形の等価C/N(Carrier to Noise ratio)をできるだけ改善するのが望ましいことから、マルチパス等化器を適用する。このため右辺第1項のIFFT[X(f)]は、周波数フラットネスが補正されているものとする。PN符号系列は送信装置、中継装置で互いに既知であるため、あらかじめPN符号系列既知パターンをIFFTしておくことで右辺第2項は用意できる。また、中継装置の付加コンテンツも送信する度にIFFTすることは可能である。
以上のような構成の中継装置を導入することで、処理遅延の規定を満足し、かつ特定地域だけ大容量の付加コンテンツを再送信することができる。
なお、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、付加コンテンツを含む特定セグメント数Ncは1に限らず、ハイビジョン放送コンテンツ数N1と携帯受信用コンテンツN2がN1+N2+Nc=13の関係を満たせばよい。
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
第1の実施形態に係わる送信装置を示すブロック図 送信信号の周波数スペクトルを示す図 第1の実施形態に係る中継装置を示すブロック図 付加コンテンツをスペクトル拡散により多重化する場合を示す図 PN符号系列を付加コンテンツに時間多重する場合を示す図 第1の実施形態に係る受信装置を示すブロック図 本発明の第2の実施形態に係わる中継装置の構成を示すブロック図
符号の説明
201…特定パターン検出部;
202…判定部;
203…データ多重部;
204…再変調部;
205…付加コンテンツ情報

Claims (7)

  1. 付加コンテンツのデータを記憶する記憶部と、
    第1の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、
    前記受信信号を複数の階層の信号に分割する分割部と、
    前記複数の階層における特定の階層に対応する特定のセグメントに属する信号と、既知の特定パターンを変調した信号の複素共役信号との乗算結果を所定時間だけ積分した値を算出し、該値がしきい値よりも大きい場合に、前記特定のセグメントに属する信号から前記既知の特定パターンを検出できたものと判定する検出部と、
    前記特定パターンが検出されたならば、該特定パターンを使って前記付加コンテンツのデータをスペクトル拡散することにより前記受信信号に多重する多重部と、
    前記付加コンテンツのデータが多重された受信信号に基づく第2の放送波を前記第1の放送波と同じ周波数チャネルを用いて中継のために送信する送信部と、を具備する中継装置。
  2. 付加コンテンツのデータを記憶する記憶部と、
    第1の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、
    前記受信信号を複数の階層の信号に分割する分割部と、
    前記複数の階層における特定の階層に対応する特定のセグメントに属する信号と、既知の特定パターンを変調した信号の複素共役信号との乗算結果を所定時間だけ積分した値を算出し、該値がしきい値よりも大きい場合に、前記特定のセグメントに属する信号から前記既知の特定パターンを検出できたものと判定する検出部と、
    前記特定パターンが検出されたならば、前記特定パターンと前記付加コンテンツのデータとを時間多重する多重部と、
    前記付加コンテンツのデータが多重された受信信号に基づく前記第1の放送波と同じ周波数帯域の第2の放送波を中継のために送信する送信部と、を具備する中継装置。
  3. 前記特定パターンは、擬似ランダム雑音(PN:pseudo-random noise)符号系列であることを特徴とする請求項1又は2記載の中継装置。
  4. 前記特定パターンは、M(maximum length code)系列であることを特徴とする請求項1又は2記載の中継装置。
  5. 前記特定パターンは、Gold符号系列であることを特徴とする請求項1又は2記載の中継装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載の中継装置から放送された前記第2の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、
    前記受信信号と、既知の特定パターンとの相関処理により相関値を得る相関部と、
    前記相関値を用いてタイミング同期を行うことにより、前記第1の放送波の受信信号における前記既知の特定パターンの開始時刻又は位相の推定値を求めるタイミングマッチング部と、
    前記相関値を用いて伝送路応答の推定値を求める伝送路推定部と、
    前記相関値に基づいて、前記受信信号に付加コンテンツのデータが含まれているか否かを判定する判定部と、
    前記付加コンテンツのデータが含まれていると判定されたならば、前記中継装置が受信した前記第1の放送波の受信信号のレプリカを前記第2の放送波の受信信号と前記既知の特定パターンと前記開始時刻又は位相の推定値と前記伝送路応答の推定値とを用いて生成する生成部と、
    前記第2の放送波の受信信号から前記レプリカを差し引くことにより前記付加コンテンツのデータを復元する処理部と、を具備する受信装置。
  7. 送信装置から出力された第1の放送波を中継装置が受信し、該中継装置が前記第1の放送波と同じ周波数チャネルを用いて第2の放送波を出力することにより前記第1の放送波を中継し、該第2の放送波を受信装置が受信する無線伝送システムであって、
    前記送信装置は、
    付加コンテンツを挿入可能であることを示す既知の特定パターンを多重して前記第1の放送波を出力し、
    前記中継装置は、
    付加コンテンツのデータを記憶する記憶部と、
    前記第1の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、
    前記受信信号を複数の階層の信号に分割する分割部と、
    前記複数の階層における特定の階層に対応する特定のセグメントに属する信号と、前記既知の特定パターンを変調した信号の複素共役信号との乗算結果を所定時間だけ積分した値を算出し、該値がしきい値よりも大きい場合に、前記特定のセグメントに属する信号から前記既知の特定パターンを検出できたものと判定する検出部と、
    前記特定パターンが検出されたならば、前記受信信号に前記付加コンテンツのデータを多重する多重部と、
    前記付加コンテンツのデータが多重された受信信号に基づく前記第2の放送波を前記第1の放送波と同じ周波数チャネルを用いて中継のために送信する送信部と、を具備し、
    前記受信装置は、
    前記第2の放送波を受信して受信信号を得る受信部と、
    前記受信信号と、前記既知の特定パターンとの相関処理により相関値を得る相関部と、
    前記相関値を用いてタイミング同期を行うことにより、前記第1の放送波の受信信号における前記既知の特定パターンの開始時刻又は位相の推定値を求めるタイミングマッチング部と、
    前記相関値を用いて伝送路応答の推定値を求める伝送路推定部と、
    前記相関値に基づいて、前記受信信号に前記付加コンテンツのデータが含まれているか否かを判定する判定部と、
    前記付加コンテンツのデータが含まれていると判定されたならば、前記中継装置が受信した前記第1の放送波の受信信号のレプリカを前記第2の放送波の受信信号と前記既知の特定パターンと前記開始時刻又は位相の推定値と前記伝送路応答の推定値とを用いて生成する生成部と、
    前記第2の放送波の受信信号から前記レプリカを差し引くことにより前記付加コンテンツのデータを復元する処理部と、を具備することを特徴とする無線伝送システム。
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