以下、図面を参照しながら本技術の実施の形態について説明する。
<情報伝送方式の概要>
図1は、本技術の情報伝送方式の概要を説明する図である。
地上デジタル放送では、UHF帯の約6MHzの周波数帯域が13セグメントに分割され、そのうちの12セグメント(B階層)で、テレビジョン受像機等の固定端末向けの放送が行われる。また、残りの1セグメント(A階層)で、携帯端末向けのワンセグ放送が行われる。
通常のエリア放送においては、中央の1セグメントでワンセグ放送の放送波を送信することになるが、伝送容量が限られているため、提供できるサービスには限界があった。そこで、本技術では、より高度なエリア放送のサービスを提供するためのアプリケーションで用いられる情報(以下、「付加情報」という)を定義して、B階層の12セグメント又は13セグメント等を用いて送出するようにしている。また、アプリケーション及び付加情報の伝送方式を示す情報(以下、「伝送情報」という)は、中央の1セグメントで送出される。
携帯端末等の受信装置は、エリア放送を送信可能な送信装置から、ワンセグメント放送のコンテンツとともに、付加情報と伝送情報を受信する。受信装置は、受信した伝送情報に従い、アプリケーション及び付加情報を取得する。
ここで、アプリケーションは、付加情報のデコード機能や位置情報管理機能等を有している。また、アプリケーションは、エリア放送の放送事業者などにより提供されるが、放送波に含めて送られるほか、インターネットに接続されたアプリケーションサーバにより提供される場合もある。また、付加情報は、PES(Packetized Elementary Stream)形式のAV(Audio Visual)ストリーミングやIP(Internet Protocol)形式の各種データなどからなり、放送波に含めて送られる。
そして、受信装置において、各種の付加情報を用いたアプリケーションが実行されることで、その受信装置を所持したユーザは、より高度なエリア放送のサービスの提供を受けることができる。このようなことから、アプリケーションは、付加情報対応アプリケーションであるとも言える。
<第1の実施の形態>
<各情報の詳細な内容>
次に、図2乃至図12を参照して、アプリケーション、付加情報、及び、伝送情報の詳細な内容について説明する。
(エリア放送情報記述子へのadditional_service_infoの配置)
図2には、エリア放送情報記述子におけるadditional_service_infoの配置例を示している。
伝送情報が記述されるadditional_service_infoは、エリア放送用のエリア放送情報記述子内に配置することができる。ただし、図3には、additional_service_infoに記述される伝送情報の各情報の意味が示されており、適宜参照しながら説明する。
num_of_application_infoは、8ビットのフィールドからなる。この8ビットのフィールドは、これに続くアプリケーション情報のループ数を示す。
application_broadcast_distribution_flagは、1ビットのフィールドからなる。この1ビットのフィールドは、application_idに対応するアプリケーションが、放送ストリーム内に伝送されていることを示す。
application_internet_distribution_flagは、1ビットのフィールドからなる。この1ビットのフィールドは、application_idに対応するアプリケーションが、通信経由で取得できることを示す。
application_idは、30ビットのフィールドからなる。この30ビットのフィールドは、アプリケーションのidを示す。
ただし、30ビットのフィールドのうち、上位ビットでアプリケーションのセキュリティレベル(保護レベル)情報をapplication_idの構造に含めてもよい。例えば、上位2ビットに、"00"が指定された場合、そのアプリケーションは、無料で、かつ、暗号化がされていないことを示す。また、上位2ビットに、"01"が指定された場合、そのアプリケーションは、無料で、かつ、暗号化されていることを示す。
また、例えば、上位2ビットに、"10"が指定された場合、そのアプリケーションは、有料で、かつ、レベル1の暗号化がされていることを示す。また、上位2ビットに、"11"が指定された場合、そのアプリケーションは、有料で、かつ、レベル2の暗号化がされていることを示す。なお、暗号化レベルであるが、例えば、レベル1よりもレベル2のほうが、暗号強度が高いものとすることができる。
src_path_lengthは、8ビットのフィールドからなる。この8ビットのフィールドは、外部アプリケーションを参照するURI(Uniform Resource Identifier)の記述長を示す。また、src_pathは、外部アプリケーションを参照するためのURIを示す。すなわち、application_internet_distribution_flagのフラグが立っている場合には、src_path_lengthにより指定される記述長のsrc_pathが、アプリケーションの取得先として記述される。例えば、src_pathには、アプリケーションサーバのURIが記述される。
PCR_PIDは、アプリケーションで参照するPCR(Program Clock Reference)のPIDを示す。ただし、PCRを参照しない場合には、"0x1FFF"が記述される。
num_of_stream_infoは、当該アプリケーションで利用するストリーム情報のループ数を示す。
stream_typeは、8ビットのフィールドからなる。この8ビットのフィールドは、ストリームの形式を示す。例えば、ストリームの形式は、図4のストリーム形式種別の割り当てに従うようにすることができる。また、elementary_PIDは、関連するES(Elementary Stream)又はペイロードを伝送するTSパケットのPIDを示す。
reservedは、将来の拡張用に定義される可能性があることを示す。例えば、ストリームの保護レベルを、reserved内に定義することができる。この場合、reservedビットに、stream_security_infoを2ビットの情報として定義することにより、例えば暗号化の有無や暗号化のレベル等のストリームの保護レベル情報が指定される。
例えば、stream_security_infoに、"00"が指定された場合、そのストリームは、暗号化がされていないことを示す。また、"01"が指定された場合、そのストリームは、レベル1の暗号化されていることを示す。また、例えば、stream_security_infoに、"10"が指定された場合にはそのストリームはレベル2の暗号化がされ、"11"が指定された場合にはそのストリームはレベル3の暗号化がされていることを示す。なお、暗号化レベルであるが、例えば、数字の大きいレベルのほうが、暗号強度が高いものとすることができる。
なお、図2に示した配置は一例であり、例えば、図5に示すように、テーブル形式で伝送情報を配置するなど、他の配置の形態を採用するようにしてもよい。図5においては、additional_service_table()と、application_information_descriptor()を定義して、伝送情報を配置している。ただし、図5のテーブル形式で配置された伝送情報の各情報の意味は、図3の内容と同様とされる。
(送信側と受信側のadditional_service_infoの取り扱い)
次に、図6及び図7を参照して、送信側の送信装置と、受信側の受信装置におけるadditional_service_infoの取り扱いについて説明する。
(送出運用規則)
図6は、additional_service_info()の送出運用規則を説明する図である。
送信装置では、図3に示した伝送情報の各情報について、次の運用規則に従った送出運用を行うことになる。
num_of_application_infoには、アプリケーション情報のループ数を記述する。
application_broadcast_distribution_flagには、application_idに対応するアプリケーションが、放送ストリーム内で伝送する場合に、"1"を記述する。
application_internet_distribution_flagには、application_idに対応するアプリケーションが、通信経由で取得できる場合に、"1"を記述する。
application_idには、アプリケーションのidを記述する。ただし、上位ビットを、アプリケーションの保護レベルに割り当ててもよい。
src_path_lengthには、以下に続く外部アプリケーションを参照するURIの記述長を記述する。また、src_pathには、外部アプリケーションを参照するためのURIを記述する。
PCR_PIDには、アプリケーションで参照するPCRのPIDを記述する。
num_of_stream_infoには、当該アプリケーションで利用するストリーム情報のループ数を記述する。
stream_typeには、対象ESのストリーム形式識別を記述する。ただし、ストリームの形式は、図4のストリーム形式種別の割り当てに従うことになる。また、elementary_PIDには、関連するES又はペイロードを伝送するTSパケットのPIDを記述する。
なお、reservedビットを利用して、ストリームの保護レベル情報を指定する場合には、stream_security_infoに、ストリームの保護レベル情報を記述する。
このように、送信装置においては、上述した送出運用規則(図6)に従ってadditional_service_infoを送出することで、受信装置が、後述する受信処理規則(図7)に従ってadditional_service_infoを処理できるようにする。
(受信処理規則)
図7は、additional_service_info()の受信処理規則を説明する図である。
受信装置では、図3に示した伝送情報の各情報について、次の処理規則に従った受信処理を行うことになる。
num_of_application_infoは、アプリケーション情報が記載されているループ数であると判断する。
application_broadcast_distribution_flagが、"0"である場合、application_idに対応するアプリケーションが、放送ストリーム内では伝送されていないと判断する。一方、application_broadcast_distribution_flagが、"1"である場合、application_idに対応するアプリケーションが、放送ストリーム(stream_typeが"0x91"であるES)内に伝送されていると判断する。
application_internet_distribution_flagが、"0"である場合、application_idに対応するアプリケーションが、通信経由で取得できないと判断する。また、アプリケーションの参照先URI情報が存在しないと判断する。一方、application_internet_distribution_flagが、"1"である場合、application_idに対応するアプリケーションが、通信経由で取得できると判断する。また、アプリケーションの参照先URI情報が存在すると判断する。
application_idは、アプリケーションのidであると判断する。ただし、上位ビットが、アプリケーションの保護レベルに割り当てられている場合、上位ビットをアプリケーションの保護レベル情報として判断する。
src_path_lengthは、以下に続く、外部アプリケーションを参照するURIの記述長であると判断する。また、src_pathは、外部アプリケーションを参照するためのURI情報であると判断する。
PCR_PIDは、アプリケーションで参照するPCRのPIDであると判断する。
num_of_stream_infoは、当該アプリケーションで利用するストリーム情報のループ数であると判断する。
stream_typeは、対象ESのストリーム形式識別であると判断する。ストリームの形式には、図4のストリーム形式種別が割り当てられている。elementary_PIDは、関連するES又はペイロードを伝送するTSパケットのPIDであると判断する。
stream_security_infoは、当該ストリームの保護レベルであると判断する。ただし、stream_security_infoは指定されない場合がある。
このように、受信装置においては、上述した送出運用規則(図6)に従って受信装置から送出されたadditional_service_infoを、受信処理規則(図7)に従って処理することになる。
(情報の伝送の概要)
図8は、情報の伝送の概要を説明する図である。
図8には、通常のエリア放送のサービス(以下、「ワンセグサービス」ともいう)のストリームと、高度なエリア放送のサービス(以下、「ワンセグ付加情報サービス」ともいう)のストリームとが多重化されて、送出される例を示している。
ワンセグサービスのストリームには、通常のエリア放送用のAVストリーミングのデータが、MPEG(Moving Picture Experts Group)等の符号化方式に準拠して符号化され、多重化されている。また、このストリームには、BCML(Broadcast Contents Markup Language)やBML(Broadcast Markup Language)のストリームが適宜多重化される。
また、ワンセグ付加情報サービスのストリームには、PES形式のデータ又はIP形式のデータが多重化されている。すなわち、AVストリーミングのデータは、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化され、PES形式のデータとされる。一方、各種のファイル形式のデータは、例えば放送網にIPを通す技術であるIP over MPEG2-TSに従い、IPによりカプセル化などされ、IP形式のデータとされる。図8に示すように、ファイル形式のデータには、ビデオやオーディオ、バイナリ、テキスト、アプリケーション等のデータが含まれる。
そして、ワンセグサービスのストリームと、ワンセグ付加情報サービスのストリームとが再多重され、さらに変調されたあと、RF(Radio Frequency)信号として送出されることになる。
ただし、ワンセグサービスのストリームは、PSI/SI等とともに、1セグメント(A階層)で送出され、ワンセグ付加情報サービスのストリームは、12セグメント(B階層)、13セグメント、又は、例えば3階層などの複数の階層のセグメントを用いて送出される。すなわち、ワンセグ付加情報サービスのストリームは、13セグメントのうち、全部のセグメント又は任意の階層のセグメントで送出される。また、詳細は後述するが、PSI/SIには、伝送情報が含まれる。なお、これらのデータは、図9に示した「高度化エリア放送」のプロトコルスタックに従って送出されることが想定されている。
(TS論理構造とadditional_service_infoの関連イメージ)
図10は、TS論理構造とadditional_service_infoとの関連イメージを示す図である。
図10に示すように、TS(Transport Stream)は、A階層とB階層のデータが多重化されている。A階層には、ワンセグサービスのストリームのほか、PSI/SI(Program Specific Information/Service Information)が含まれている。PSI/SIには、PMT及びNITが含まれる。PMT(Program Map Table)は、プログラムに含まれるビデオデータやオーディオデータ等の各PIDを格納している。
NIT(Network Information Table)は、チャンネル番号や変調方式、ガードインターバルなど、送信するネットワークに関する情報を格納している。また、NITには、エリア放送情報記述子が含まれる。例えば、エリア放送情報記述子には、エリア放送の放送波を送信する送信装置に関する情報が記述される。また、上述したように、エリア放送情報記述子には、additional_service_infoが記述される。このように、additional_service_infoをNIT内に配置されるので、additional_service_infoを追加することによる、既存の受信装置への影響を低減することができる。
図10には、additional_service_infoの記述例として、アプリケーション情報のループに、アプリケーションA(Application type A)と、アプリケーションB(Application type B)の2種類のアプリケーションが記述された場合を示している。
アプリケーション情報のループ1には、application_broadcast_distribution_flag="1",application_internet_distribution_flag="0"が記述されているので、application_id="0x00000010"となるアプリケーションAは、放送ストリーム内に伝送されていることを示している。また、PCR_PID="0x602"となるので、PCRのPIDは"0x602"となる。
また、ストリーム情報のループ1には、stream_typeとして、"0x1B"(AVC),"0x0F"(AAC),"0x91"(ULE)が記述されている。また、それらのstream_typeに対するelementary_PIDとして、"0x600","0x601","0x800"が記述されている。そして、PID="0x600","0x601","0x602","0x800"に対応するB階層のデータは、既に、記憶領域に保持されているので、そこから各種のデータを取得することになる。
この例の場合、PID="0x602"となるESが抽出されてPCRが得られる。また、PID="0x800"となるstream_type="0x91"(ULE)のESが抽出され、アプリケーションAが取得される。さらに、PID="0x600"となるstream_type="0x1B"(AVC)のESが抽出され、PID="0x601"となるstream_type="0x0F"(AAC)のESが抽出されることで、付加情報としてのAVストリーミングのデータが取得される。
アプリケーション情報のループ2には、application_broadcast_distribution_flag="0",application_internet_distribution_flag="1"が記述されているので、application_id="0x10000011"であるアプリケーションBは、通信経由で取得できることを示している。また、src_path="http://abcd.com"となるので、"http://abcd.com"であるURIのアプリケーションサーバにアクセスすることで、通信経由でアプリケーションBが取得されることになる。さらに、PCR_PID="0x1FFF"となるので、PCRのPIDは"0x1FFF"となる。
また、ストリーム情報のループ2には、stream_typeとして、"0x91"(ULE),"0x91"(ULE)が記述されている。また、それらのstream_typeに対するelementary_PIDとして、"0x800","0x801"が指定されている。そして、PID="0x800","0x801"に対応するB階層のデータは、既に、記憶領域に保持されているので、そこから各種のデータを取得することになる。
この例の場合、PID="0x800"となるstream_type="0x91"(ULE)のESが抽出され、PID="0x801"となるstream_type="0x91"(ULE)のESが抽出されることで、付加情報としてのビデオやオーディオ等のファイル形式のデータが取得される。
なお、記憶領域のデータの保持方法は任意であり、例えば、すべてのデータを保持するか、各種の情報を用いて自動で選択するか、あるいは、アプリケーションで指定するかのいずれかの方法を採用することができる。
(受信装置の構成と要求機能)
図11は、受信装置の構成と要求機能を説明する図である。
図11に示すように、受信装置には、基本機能、付加情報抽出機能、ファイル処理機能、情報提示機能、選局制御機能、及び、ログ機能の6つの機能を備えていることを要求される。
基本機能としては、例えばチューナに対する選局制御を行う機能が要求される。なお、チューナには、ワンセグ用のほか、フルセグメント放送用のチューナを備えることが要求される。また、付加情報抽出機能としては、PSI/SIに含まれるエリア放送情報記述子内に配置されるadditional_service_infoを用い、対象のESから付加情報を取得する機能が要求される。
ファイル処理機能としては、例えばIP over MPEG2-TSに従って送られてくるファイル形式のデータを処理する機能が要求される。また、情報提示機能としては、アプリケーションによる提示処理、描画処理、又は選局制御処理などが要求される。なお、図12には、アプリケーション構造の詳細な内容が記述されている。
選局制御機能としては、例えば、外部のサーバ等から取得した選局情報を用いた選局用のアプリケーション(選局アプリケーション)による選局機能や、GPS(Global Positioning System)により取得した位置情報などを用いた通信連携機能などが要求される。また、ログ機能としては、各種のログを蓄積する機能が要求される。
なお、ここで述べた6つの機能は一例であり、運用に応じて他の機能が追加されてもよいし、また、例えばログ機能のように、運用によっては必ずしも必要ではない機能も含まれている。
<エリア放送の概要>
次に、図13乃至図22を参照して、第1の実施の形態における具体的な構成例を説明する。
ここでは、まず、図13を参照して、エリア放送の概要について説明する。ただし、図13においては、エリア放送の放送波を送信するエリア放送局3−1乃至3−3のほか、通常ワンセグ放送を行う地上波放送局2が示されている。また、携帯端末等の受信装置20は、上述した図11に示した機能を有しているものとする。
地上波放送局2は、地上デジタル放送を行う放送局であり、12セグメントで、固定端末向けの放送を行うとともに、1セグメントで、携帯端末向けの放送(通常ワンセグ放送)を行う。
エリア放送局3−1乃至3−3は、エリア放送の放送波を送信する送信装置(後述する図14等の送信装置10)であり、地上デジタル放送の空きチャンネルの任意の1以上のセグメントのそれぞれで、エリア放送の放送波を送信する。
すなわち、エリア放送局3−1は、放送エリアAでのみ受信可能なエリア放送を行う。エリア放送局3−2は、放送エリアBでのみ受信可能なエリア放送を行い、エリア放送局3−3は、放送エリアCでのみ受信可能なエリア放送を行う。ここで、エリア放送としては、例えば、テーマパークでのみ受信可能な、そのテーマパークに関する放送や、ある区や市でのみ受信可能な、その区や市に展開する店舗に関する放送等がある。エリア放送では、放送エリアが重複しないエリア放送局同士では、同一のセグメントで放送を行うことができる。
すなわち、例えば、図13では、放送エリアAと放送エリアBとは、重複していないので、放送エリアAのエリア放送局3−1と、放送エリアBのエリア放送局3−2とでは、同一のセグメントで、エリア放送を行うことができる。また、図13では、放送エリアBと放送エリアCとは、重複していないので、放送エリアBのエリア放送局3−2と、放送エリアCのエリア放送局3−3とでは、同一のセグメントで、エリア放送を行うことができる。
ただし、図13では、放送エリアAと放送エリアCとは、一部が重複しているので、放送エリアAのエリア放送局3−1と、放送エリアCのエリア放送局3−3とでは、(同時に放送を行う限り、)エリア放送に、同一のセグメントを用いることはできない。
受信装置20は、例えば、通常ワンセグ放送、及び、エリア放送のいずれをも受信可能な受信装置である。例えば、図13に示すように、受信装置20を所持したユーザが、放送エリアAにいる場合、受信装置20は、通常ワンセグ放送と、放送エリアAのエリア放送局3−1によるエリア放送の両方を受信することができる。なお、以下の説明では、受信装置20が、エリア放送を受信するための処理のみ説明するものとする。
<エリア放送システムの構成>
図14は、本技術を適用したエリア放送システムの一実施の形態を示すブロック図である。図14に示すように、エリア放送システム1は、送信装置10、受信装置20、及び、アプリケーションサーバ30から構成される。また、受信装置20とアプリケーションサーバ30は、インターネット90を介して相互に接続されている。
送信装置10は、エリア放送の放送波を送信する。ただし、図13に示したように、送信装置10から送信されるエリア放送の放送波は、所定の放送エリアでのみ受信可能となる。
送信装置10は、エリア放送のコンテンツとともに、上述した付加情報及び伝送情報を、エリア放送の放送波に含めて送信する。ただし、送信装置10は、アプリケーションを放送ストリーム内で伝送する場合には、アプリケーションを放送波に含めて送信することができる。
受信装置20は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット型の端末装置などのチューナを内蔵した携帯端末である。受信装置20は、受信装置20を所持したユーザが、送信装置10の放送エリア内にいる場合、受信装置20からのエリア放送の放送波を受信する。
受信装置20は、エリア放送の放送波から得られるコンテンツの映像をディスプレイに表示するとともに、その映像に同期した音声をスピーカから出力する。
また、受信装置20は、エリア放送の放送波から付加情報及び伝送情報を取得する。受信装置20は、取得した伝送情報に従い、アプリケーションを取得する。具体的には、アプリケーションが放送波に含めて送られる場合、受信装置20は、伝送情報に従い、放送波からアプリケーションを取得する。また、アプリケーションが通信経由で送られる場合には、受信装置20は、伝送情報に従い、インターネット90を介してアプリケーションサーバ30にアクセスし、アプリケーションを取得する。
そして、受信装置20は、付加情報を用いたアプリケーションを実行し、その映像が、例えばエリア放送のコンテンツの映像とともに、ディスプレイに表示される。ただし、付加情報にオーディオデータが含まれている場合には、映像に同期した音声がスピーカから出力される。
アプリケーションサーバ30は、受信装置20からの要求に応じて、インターネット90を介してアプリケーションを提供する。
なお、図14では、説明を簡略化するため、1台の受信装置20のみを図示しているが、実際には、エリア放送システム1は、複数台の受信装置20を含むようにして構成され、各受信装置20が、送信装置10からのエリア放送のコンテンツを受信することになる。
エリア放送システム1は、以上のように構成される。
<各装置の構成例>
次に、図15乃至図18のブロック図を参照して、図14のエリア放送システム1を構成する各装置の構成例について説明する。
(送信装置の構成例)
図15は、図14の送信装置10の詳細構成例を示すブロック図である。図15において、送信装置10は、伝送情報取得部101、ビデオデータ取得部102、ビデオエンコーダ103、オーディオデータ取得部104、オーディオエンコーダ105、ファイルデータ取得部106、ファイル処理部107、マルチプレクサ108、送信部109、及び、アンテナ110により構成される。
伝送情報取得部101は、付加情報の伝送方式を示す伝送情報を生成することにより取得し、マルチプレクサ108に供給する。ただし、伝送情報は、エリア情報記述子内に配置されるadditional_service_infoに記述され、PSI/SI(NIT)に含められる。
ビデオデータ取得部102は、内蔵するHDD(Hard Disk Drive)や、外部のサーバ、カメラ等から、ワンセグサービスのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ103に供給する。また、ビデオデータ取得部102は、ワンセグ付加情報サービスのAVストリーミングのデータを送る場合には、外部のサーバやカメラ等から、そのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ103に供給する。
ビデオエンコーダ103は、ビデオデータ取得部102から供給されるビデオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、マルチプレクサ108に供給する。
オーディオデータ取得部104は、内蔵するHDDや、外部のサーバ、マイクロフォン等から、ワンセグサービスのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ105に供給する。また、オーディオデータ取得部104は、ワンセグ付加情報サービスのAVストリーミングのデータを送る場合には、外部のサーバやマイクロフォン等から、そのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ105に供給する。
オーディオエンコーダ105は、オーディオデータ取得部104から供給されるオーディオデータを、MPEG等の符号化方式に準拠して符号化し、マルチプレクサ108に供給する。
ファイルデータ取得部106は、ワンセグ付加情報サービスのファイル形式のデータを送る場合には、内蔵するHDDや外部のサーバ等から、例えば、ビデオやオーディオ、バイナリ、テキスト、アプリケーション等のファイル形式のデータを取得し、ファイル処理部107に供給する。ただし、アプリケーションは、放送波に含めて送られる場合にのみ取得され、通信経由で送られる場合には取得されないことになる。
ファイル処理部107は、ファイルデータ取得部106から供給されるファイル形式のデータを、例えば、IP over MPEG2-TSに従ったIP形式のデータに変換し、マルチプレクサ108に供給する。
マルチプレクサ108は、伝送情報取得部101からの伝送情報を含むPSI/SI等の各種のデータ、ビデオエンコーダ103からのビデオデータ、オーディオエンコーダ105からのオーディオデータ、及び、ファイル処理部107からのIP形式のデータを多重化してTSを生成し、送信部109に供給する。
送信部109は、マルチプレクサ108から供給されるTSを、所定のセグメントでアンテナ110を介して送信する。
ただし、図8に示したように、ワンセグサービスのAVストリーミングのデータは、伝送情報を含むPSI/SI等とともに、1セグメント(A階層)で送出され、ワンセグ付加情報サービスのAVストリーミングのデータとIP形式のデータ、すなわち、アプリケーションや付加情報のデータは、例えば12セグメント(B階層)又は13セグメントで送出される。
送信装置10は、以上のように構成される。
(受信装置の構成例)
図16は、図14の受信装置20の詳細構成例を示すブロック図である。図16において、受信装置20は、アンテナ201、チューナ202、デマルチプレクサ203、ビデオデコーダ204、選択部205、ディスプレイ206、オーディオデコーダ207、スピーカ208、ブラウザ209、制御部210、操作部211、及び、通信部212により構成される。
アンテナ201は、送信装置10からのUHF帯の放送波を受信し、その放送波の受信によって得られる放送信号を、チューナ202に供給する。
チューナ202は、制御部210からの制御に従い、アンテナ201からの放送信号から、所定の論理チャンネルのエリア放送(の信号)を選局(復調)し、その結果得られるTSを、デマルチプレクサ203に供給する。
デマルチプレクサ203は、制御部210からの制御に従い、チューナ202から供給されるTSを、PSI/SI等の各種のデータ、ビデオデータ、オーディオデータ、IP形式のデータなどに分離する。デマルチプレクサ203は、制御部210からの制御に従い、PSI/SI等の各種のデータを制御部210に供給し、ビデオデータをビデオデコーダ204に供給し、オーディオデータをオーディオデコーダ207に供給し、IP形式のデータをファイル処理部213に供給する。
ビデオデコーダ204は、制御部210からの制御に従い、デマルチプレクサ203から供給されるビデオデータを、ビデオエンコーダ103(図15)に対応する方式で復号する。この復号により得られるビデオデータは、ワンセグサービスのAVストリーミングのデータである場合に、選択部205に供給される一方、ワンセグ付加情報サービスのAVストリーミングのデータである場合には、ブラウザ209に供給される。
選択部205は、制御部210からの制御に従い、ビデオデコーダ204から供給されるビデオデータ又はブラウザ209から供給されるビデオデータを選択し、ディスプレイ206に供給する。また、選択部205は、制御部210の制御に従い、OSD(On Screen Display)等の画像のビデオデータを、ディスプレイ206に供給する。ディスプレイ206は、選択部205から供給されるビデオデータに基づいて、ワンセグサービスの映像等を表示する。
オーディオデコーダ207は、制御部210からの制御に従い、デマルチプレクサ203から供給されるオーディオデータを、オーディオエンコーダ105(図15)に対応する方式で復号する。この復号により得られるオーディオデータは、ワンセグサービスのAVストリーミングのデータである場合、スピーカ208に供給される一方、ワンセグ付加情報サービスのAVストリーミングのデータである場合には、ブラウザ209に供給される。
スピーカ208は、オーディオデコーダ207からのオーディオデータに対応する音声、すなわち、ワンセグサービスの音声等を出力する。
ファイル処理部213は、制御部210からの制御に従い、デマルチプレクサ203から供給されるワンセグ付加情報サービスのIP形式のデータを、ファイル処理部107(図15)に対応する方式で処理して、それにより得られるファイル形式のデータをブラウザ209に供給する。
制御部210は、操作部211からの操作信号等に応じて、各種の処理を行うとともに、受信装置20を構成する各ブロックを制御する。
また、制御部210は、デマルチプレクサ203から供給されるPSI/SIのNITに含まれる伝送情報に従い、アプリケーションを取得し、ブラウザ209に供給する。具体的には、制御部210は、伝送情報に従い、アプリケーションが放送波に含めて送られる場合、デマルチプレクサ203を制御して、IP形式のデータの中からアプリケーションのデータを取得し、ブラウザ209に供給する。また、制御部210は、伝送情報に従い、アプリケーションが通信経由で送られる場合、通信部212を制御して、インターネット90を介してアプリケーションサーバ30にアクセスしてアプリケーションを取得し、ブラウザ209に供給する。
ブラウザ209には、ファイル処理部213又は制御部210からアプリケーションが供給される。また、ブラウザ209には、付加情報のデータとして、ビデオデコーダ204及びオーディオデコーダ207からワンセグ付加情報サービスのAVストリーミングのデータと、ファイル処理部213からワンセグ付加情報サービスのファイル形式のデータが供給される。
ブラウザ209は、制御部210からの制御に従い、付加情報を用いたアプリケーションを実行する。そして、ブラウザ209は、アプリケーションのビデオデータを選択部205に供給するとともに、オーディオデータをスピーカ208に供給する。これにより、例えば、ディスプレイ206には、ワンセグ付加情報サービスの映像が表示され、その映像に同期した音声がスピーカ208から出力される。
操作部211は、ユーザによって操作され、その操作に対応する操作信号を、制御部210に供給する。なお、操作部211には、物理的なボタン等の他、ディスプレイ206にGUI(Graphics User Interface)として表示されるボタンも含まれる。また、通信部212は、制御部210からの制御に従い、インターネット90に接続されたアプリケーションサーバ30等の各種のサーバと情報のやりとりをする。
受信装置20は、以上のように構成される。
(制御部の機能的構成例)
図17は、図16の制御部210の、アプリケーションに関する処理を行う部分の機能的構成例を示すブロック図である。図17において、制御部210は、伝送情報取得解析部251、アプリケーション取得部252、付加情報取得部253、及び、アプリケーション制御部254を有する。
伝送情報取得解析部251は、デマルチプレクサ203により分離されたPSI/SI(NIT)に含まれるエリア放送情報記述子内のadditional_service_infoに記述された伝送情報を取得する。伝送情報取得解析部251は、取得した伝送情報を解析して、その解析結果をアプリケーション取得部252及び付加情報取得部253に供給する。
アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251から供給される伝送情報の解析結果に従い、アプリケーションを取得してブラウザ209に供給する。
具体的には、アプリケーション取得部252は、additional_service_infoに記述されたapplication_broadcast_distribution_flagが、"1"である場合、stream_type,elementary_PID等に基づいて、デマルチプレクサ203を制御して、所定のストリーム(例えば、stream_typeが"0x91"であるES)に含まれるアプリケーションのデータを取得し、ファイル処理部213に供給する。これにより、放送波に含めて送られたアプリケーションが取得され、ブラウザ209に供給される。
また、アプリケーション取得部252は、additional_service_infoに記述されたapplication_internet_distribution_flagが、"1"である場合、src_pathのURIに従い、通信部212を制御して、インターネット90を介してアプリケーションサーバ30にアクセスし、アプリケーションを取得する。これにより、通信経由でアプリケーションが取得され、ブラウザ209に供給される。
付加情報取得部253は、伝送情報取得解析部251から供給される伝送情報の解析結果に従い、付加情報を取得してブラウザ209に供給する。
具体的には、付加情報取得部253は、additional_service_infoに記述されたstream_type,elementary_PID等に基づいて、デマルチプレクサ203を制御して、所定のストリームに含まれる付加情報のデータを取得し、ビデオデコーダ204、オーディオデコーダ207、又はファイル処理部213に供給する。これにより、各デコーダなどで復号が行われたあとに、付加情報は、ブラウザ209に供給される。
アプリケーション制御部254は、ブラウザ209を制御して、付加情報を用いたアプリケーションの動作を制御する。
制御部210は、以上のように構成される。
(アプリケーションサーバの構成例)
図18は、図14のアプリケーションサーバ30の詳細構成例を示すブロック図である。図18において、アプリケーションサーバ30は、制御部301、アプリケーション取得部302、アプリケーション保持部303、及び、通信部304により構成される。
制御部301は、アプリケーションサーバ30の各部の動作を制御する。アプリケーション取得部302は、制御部301からの制御に従い、アプリケーションを取得し、アプリケーション保持部303に記録する。
制御部301は、受信装置20からアプリケーションが要求された場合、アプリケーション保持部303からアプリケーションを読み出して取得する。通信部304は、制御部301からの制御に従い、アプリケーションを、インターネット90を介して、要求元の受信装置20に送信する。
アプリケーションサーバ30は、以上のように構成される。
<各装置で行われる具体的な処理の内容>
次に、図19乃至図22のフローチャートを参照して、図14のエリア放送システム1を構成する各装置で行われる具体的な処理の内容について説明する。
(送信処理)
まず、図19のフローチャートを参照して、図14の送信装置10が実行する送信処理について説明する。
ステップS111において、伝送情報取得部101は、伝送情報を生成することにより取得し、マルチプレクサ108に供給する。ただし、付加情報は、例えば、図2等に示したように、エリア情報記述子内のadditional_service_infoに配置され、PSI/SI(NIT)に含まれることになる。
ステップS112において、ビデオデータ取得部102は、ワンセグサービス又はワンセグ付加情報サービスのビデオデータを取得し、ビデオエンコーダ103に供給する。ステップS113において、ビデオエンコーダ103は、ビデオデータ取得部102から供給されるビデオデータを符号化し、マルチプレクサ108に供給する。
ステップS114において、オーディオデータ取得部104は、ワンセグサービス又はワンセグ付加情報サービスのオーディオデータを取得し、オーディオエンコーダ105に供給する。ステップS115において、オーディオエンコーダ105は、オーディオデータ取得部104から供給されるオーディオデータを符号化し、マルチプレクサ108に供給する。
ステップS116において、ファイルデータ取得部106は、ワンセグ付加情報サービスのファイル形式のデータを取得し、ファイル処理部107に供給する。ステップS117において、ファイル処理部107は、ファイルデータ取得部106から供給されるファイル形式のデータを所定の形式のデータに変換し、マルチプレクサ108に供給する。
ただし、ステップS116,S117においては、アプリケーションを放送ストリーム内で伝送する場合には、アプリケーションのファイルが取得され、例えばIP形式のデータに変換されたあと、マルチプレクサ108に供給される。また、この場合、ステップS111において、additional_service_infoに記述されるapplication_broadcast_distribution_flagは、"1"となる。
ステップS118において、マルチプレクサ108は、伝送情報取得部101からの伝送情報を含むPSI/SI等の各種のデータ、ビデオエンコーダ103からのビデオデータ、オーディオエンコーダ105からのオーディオデータ、及び、ファイル処理部107からのIP形式のデータを多重化してTSを生成する。
ステップS119において、送信部109は、マルチプレクサ108から供給されるTSを、そのTSを送信すべき所定のセグメントでアンテナ110を介して送信して、送信処理を終了する。
以上で、送信処理の説明を終了する。
(受信処理)
次に、図20及び図21のフローチャートを参照して、図14の受信装置20が実行する受信処理について説明する。この受信処理は、受信装置20を所持したユーザが、送信装置10の放送エリア内にいる場合に行われる。また、エリア放送の選局情報は、例えば、エリア放送局のサーバなどから取得されるものとする。
ステップS211において、制御部210は、チューナ202を制御して、エリア放送のチャンネル設定を行う。
ステップS212において、伝送情報取得解析部251は、デマルチプレクサ203により分離されたPSI/SIに含まれるNITのエリア放送情報記述子内に記述されたadditional_service_info(伝送情報)の取得を行い、additional_service_infoが取得されたかどうかを判定する(S213)。
ステップS213において、additional_service_infoが取得されたと判定された場合、処理は、ステップS214に進められる。ステップS214においては、取得済みのadditional_service_infoを利用するか否かが判定される。この利用の有無の判定処理であるが、例えば駅構内に入ったときに自動的に利用するなどの条件をユーザがあらかじめ設定しておくことで、その設定内容に応じて判定される。また、所定の選択画面を提示して、ユーザにより利用の有無を選択させるようにしてもよい。
ステップS214において、additional_service_infoを利用すると判定された場合、処理は、ステップS216に進められる。なお、ステップS213において、エリア放送情報記述子内にadditional_service_infoが記述されていないと判定された場合、又は、ステップS214において、additional_service_infoを利用しないと判定された場合、処理は、ステップS215に進められる。この場合、受信装置20では、通常のエリア放送の番組、すなわち、ワンセグサービスの番組が提示されることになる(S215)。
ステップS216において、制御部210は、チューナ202を制御して、13セグメントを受信中であるか否かを判定する。ステップS216において、13セグメントを受信中でないと判定された場合、処理はステップS217に進められる。ステップS217において、制御部210は、チューナ202の設定を変更して、13セグメントを受信可能な状態にする。
13セグメントが受信中になると、処理はステップS218に進められる。なお、ステップS216において、13セグメントを受信中であると判定された場合、チューナ202の設定を変更する必要はないので、ステップS217はスキップされ、処理はステップS218に進められる。
ステップS218において、伝送情報取得解析部251は、伝送情報に含まれるアプリケーション識別(application_id)を確認する。また、ステップS219において、伝送情報取得解析部251は、アプリケーション識別の上位2ビットに、保護レベル情報が指定されている場合、その上位ビットを確認することで、対象のアプリケーションの保護レベルを確認し、その保護レベルに応じた制御が行われるようにする。
ステップS220において、制御部210は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、利用可能となる全てのアプリケーション情報を、ディスプレイ206に提示する。ここでは、例えば、アプリケーションが有料又は無料であるかどうかや、対象のアプリケーションを既に所持しているかどうかなどの情報も提示される。そして、ユーザの操作に応じて、全てのアプリケーションの中から、利用するアプリケーション(対象のアプリケーション)が選択され、設定される(S221)。
ステップS222(図21)において、アプリケーション取得部252は、application_idによりアプリケーションを識別することで、対象のアプリケーションを既に取得しているか否かを判定する。ステップS222において、対象のアプリケーションを取得していないと判定された場合、処理はステップS223に進められる。
ステップS223において、アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、アプリケーション放送配信フラグ(application_broadcast_distribution_flag)を確認し、その記述内容に従い、放送波によりアプリケーションを伝送しているか否かを判定する(S224)。
ステップS224において、application_broadcast_distribution_flag="1"が記述され、放送波によりアプリケーションを伝送していると判定された場合、処理はステップS225に進められる。そして、放送波からアプリケーションを取得する場合には(S225の「YES」)、処理はステップS226に進められる。
ステップS226において、アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、デマルチプレクサ203を制御して、対象のESからアプリケーションのファイルを抽出して、アプリケーションを取得する。例えば、上述した図10のアプリケーションAが、アプリケーション情報のループに記述されている場合、PID="0x800"となるstream_type="0x91"(ULE)のESが抽出されることで、アプリケーションAが取得される。
ただし、アプリケーション取得部252は、伝送情報に、stream_security_infoが含まれており、ストリームが暗号化されている場合には、暗号化ストリームを所定の復号方式に準拠して復号したあとに、アプリケーションのファイルを取得することになる。なお、ステップS222において、対象のアプリケーションが取得済みであると判定された場合、再度アプリケーションを取得する必要はないので、ステップS223乃至S226はスキップされる。
ステップS227において、付加情報取得部253は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、デマルチプレクサ203を制御して、対象のアプリケーションで利用するESを抽出し、付加情報を取得する。例えば、上述した図10のアプリケーションAが、アプリケーション情報のループに記述されている場合、PID="0x600"となるstream_type="0x1B"(AVC)のESと、PID="0x601"となるstream_type="0x0F"(AAC)のESが抽出されることで、付加情報としてのAVストリーミングのデータが取得される。これにより、付加情報のデータ、すなわち、アプリケーションで用いられるデータが取得されたことになる。
ただし、付加情報取得部253は、伝送情報に、stream_security_infoが含まれており、ストリームが暗号化されている場合には、暗号化ストリームを所定の復号方式に準拠して復号したあとに、付加情報のデータを取得することになる。
ステップS228において、アプリケーション制御部254は、ブラウザ209を制御して、放送波から取得されたアプリケーションを起動して実行する。これにより、ディスプレイ206には、付加情報を用いたアプリケーション、すなわち、ワンセグ付加情報サービスのアプリケーションが提示されることになる。なお、ワンセグ付加情報サービスのアプリケーションは、例えば、ワンセグサービスの番組等のコンテンツとともに表示することができる。
一方、ステップS224において、application_broadcast_distribution_flag="0"が記述され、放送波によりアプリケーションを伝送していないと判定された場合、あるいは、ステップS225において、放送波からアプリケーションを取得しないと判定された場合、処理は、ステップS229に進められる。
ステップS229において、アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、アプリケーションインターネット配信フラグ(application_internet_distribution_flag)を確認し、その記述内容に従い、通信経由でアプリケーションの取得が可能であるか否かを判定する(S230)。
ステップS230において、application_internet_distribution_flag="1"が記述され、通信経由でアプリケーションの取得が可能であると判定された場合、処理はステップS231に進められる。そして、通信経由でアプリケーションを取得する場合には(S231の「YES」)、処理はステップS232に進められる。
ステップS232において、アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、外部アプリケーション参照先(src_path)を取得する。例えば、上述した図10のアプリケーションBがアプリケーション情報のループに記述されている場合、アプリケーションサーバ30のURIとして、src_path="http://abcd.com"が取得されることになる。
ステップS233において、アプリケーション取得部252は、src_pathから得られるURIに従い、通信部212を制御して、インターネット90を介してアプリケーションサーバ30にアクセスし、アプリケーションをダウンロードする。
ステップS233において、アプリケーションのダウンロードが終了して、取得されると、処理は、ステップS227に進められる。
ステップS227においては、上述したように、付加情報取得部253によって、対象のアプリケーションで利用するESが抽出され、付加情報が取得される。例えば、上述した図10のアプリケーションBがアプリケーション情報のループに記述されている場合、PID="0x800"となるstream_type="0x91"(ULE)のESと、PID="0x801"となるstream_type="0x91"(ULE)のESが抽出されることで、付加情報としてのビデオやオーディオ等のファイル形式のデータが取得される。これにより、付加情報のデータ、すなわち、アプリケーションで用いられるデータが取得されたことになる。
そして、ステップS228において、アプリケーション制御部254は、ブラウザ209を制御して、通信経由で取得されたアプリケーションを起動して実行する。これにより、ディスプレイ206には、付加情報を用いたアプリケーション、すなわち、ワンセグ付加情報サービスのアプリケーションが提示されることになる。
なお、ステップS230において、application_internet_distribution_flag="0"が記述され、通信経由でアプリケーションを取得することができないと判定された場合、あるいは、ステップS231において、通信経由でアプリケーションを取得しないと判定された場合、処理は、図20のステップS215に進められる。この場合、受信装置20では、通常のエリア放送の番組、すなわち、ワンセグサービスの番組が提示されることになる(S215)。
そして、図20のステップS215、又は、図21のステップS228の処理が終了すると、受信処理は終了する。
以上で、受信処理の説明を終了する。
(アプリケーション配布処理)
次に、図22のフローチャートを参照して、図14のアプリケーションサーバ30が実行するアプリケーション配布処理について説明する。
ステップS311において、制御部301は、通信部304を監視することで、受信装置20からアプリケーションの要求がされたか否かを判定する。ステップS311においては、受信装置20からのアプリケーションの要求を待って、処理は、ステップS312に進められる。
ステップS312において、制御部301は、受信装置20からの要求に応じたアプリケーションを、アプリケーション保持部303から取得する。ステップS313において、通信部304は、制御部301からの制御に従い、アプリケーション保持部303から取得されたアプリケーションを、要求元の受信装置20に配布(提供)する。ステップS313の処理が終了すると、アプリケーション配布処理は終了する。
以上で、アプリケーション配布処理の説明を終了する。
以上、第1の実施の形態について説明した。
<第2の実施の形態>
次に、図23乃至図26を参照して、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態においては、上述した第1の実施の形態と比べて、アプリケーションや付加情報のデータに関する情報(以下、「アプリケーション関連情報」という)が、エリア放送情報記述子内のadditional_service_infoに配置されるのではなく、所定のストリームにより伝送される点が異なっている。このように、アプリケーション関連情報を、additional_service_infoに記述しないことで、additional_service_infoのデータサイズを小さくすることができる。その結果、例えばPSI/SIやNITで伝送できるデータサイズに制限がある場合であっても、additional_service_infoを配置することが可能となる。
<各情報の詳細な内容>
(エリア放送情報記述子へのadditional_service_infoの配置)
図23は、エリア放送情報記述子におけるadditional_service_infoの配置例を示している。ただし、additional_service_infoに記述される伝送情報に含まれる各情報の意味は、上述した図3を参照して説明した通りである。
図23においては、アプリケーション情報のループ内に、application_broadcast_distribution_flag,application_internet_distribution_flag,application_idのほかに、stream_type,application_info,elementary_PIDが配置されている。
stream_typeは、当該アプリケーションで使用するストリームの形式を示す。
application_infoは、以下に続く、elementary_PIDで指定するストリームで伝送する情報の内容を示す。この情報の内容としては、例えば、アプリケーションサーバのURI、アプリケーションのファイル名やファイルタイプ、アプリケーションで使用するビデオデータ、オーディオデータ、同期信号などを伝送するelementary_PIDと、stream_typeなどのアプリケーション関連情報が含まれる。
elementary_PIDは、当該アプリケーションで使用するストリーム情報が格納されているPIDを示す。
(TS論理構造と付加情報の関連イメージ)
図24は、TS論理構造とadditional_service_infoとの関連イメージを示す図である。
図24に示すように、NITに含まれるエリア放送情報記述子には、additional_service_infoが記述される。図24には、additional_service_infoの記述例として、アプリケーション情報のループに、アプリケーションA(Application type A)と、アプリケーションB(Application type B)の2種類のアプリケーションが記述された場合を示している。
アプリケーション情報のループ1には、application_broadcast_distribution_flag="1",application_internet_distribution_flag="0"が記述されているので、application_id="0x00000010"となるアプリケーションAは、放送ストリーム内に伝送されていることを示している。
また、アプリケーション情報のループ1には、stream_type="0xC4",application_info="0x01",elementary_PID="0x900"が記述されているので、対象のESから、アプリケーションA用のアプリケーション関連情報が抽出され、取得されることになる。そして、このアプリケーション関連情報に記述された内容に基づき、PID="0x800"となるstream_type=0x91(ULE)のESが抽出され、アプリケーションAが取得されることになる。また、同様にして、対象のESが抽出されることで、付加情報としてのAVストリーミングのデータが取得される。
一方、アプリケーション情報のループ2には、application_broadcast_distribution_flag="0",application_internet_distribution_flag="1"が記述されているので、application_id="0x10000011"であるアプリケーションBは、通信経由で取得できることを示している。
また、アプリケーション情報のループ2には、stream_type="0xC4",application_info="0x01",elementary_PID="0x900"が記述されているので、対象のESから、アプリケーションB用のアプリケーション関連情報が抽出され、取得されることになる。そして、このアプリケーション関連情報に記述された内容に基づき、"http://abcd.com"であるURIのアプリケーションサーバにアクセスすることで、通信経由でアプリケーションBが取得されることになる。また、対象のESが抽出されることで、付加情報としてのビデオやオーディオ等のファイル形式のデータが取得される。
<各装置で行われる具体的な処理の内容>
第2の実施の形態において、エリア放送システム1を構成する各装置の構成は、上述した第1の実施の形態と同様であるため、その説明は省略する。ただし、アプリケーションや付加情報のデータに関するアプリケーション関連情報が、ESにより伝送されるため、受信装置20が実行する受信処理の一部の処理内容が異なっている。そこで、次に、図25及び図26のフローチャートを参照して、第2の実施の形態の受信装置20が実行する受信処理について説明する。
図25のステップS251乃至S258においては、図20のステップS211乃至S218と同様に、PSI/SIに含まれるNITのエリア放送情報記述子内のadditional_service_infoが取得され、additional_service_infoを利用する場合には、ワンセグ付加情報サービスが受けられるように、各種の設定等がなされる。
る。
図26のステップS259乃至S266においては、図21のステップS222乃至S228と同様に、additional_service_info(伝送情報)に、application_broadcast_distribution_flag="1"が記述され、放送波によりアプリケーションが伝送されているので、放送波からアプリケーションを取得することになる。
ただし、アプリケーションのファイルを取得するための情報が、additional_service_infoに含まれていないので、図26のステップS263において、アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、デマルチプレクサ203を制御して、対象のESからアプリケーション関連情報を取得する。そして、ステップS264において、アプリケーション取得部252は、アプリケーション関連情報に記述されたアプリケーションのファイルに関する情報に基づいて、対象のESを抽出することで、アプリケーションを取得する。
例えば、上述した図24のアプリケーションAが、additional_service_infoにおけるアプリケーション情報のループに記述されている場合、対象のESから、アプリケーションA用のアプリケーション関連情報が取得される。そして、このアプリケーション関連情報に記述された内容に基づき、PID="0x800"となるstream_type=0x91(ULE)のESが抽出され、アプリケーションAが取得されることになる。また、同様にして、対象のESが抽出されることで、付加情報としてのAVストリーミングのデータが取得される(S265)。これにより、ディスプレイ206には、付加情報を用いたアプリケーション、すなわち、ワンセグ付加情報サービスのアプリケーションが提示される(S266)。
また、図26のステップS267乃至S272,S265,S266においては、図21のステップS229乃至S233,S227,S228と同様に、additional_service_info(伝送情報)に、application_internet_distribution_flag="1"が記述され、通信経由でアプリケーションの取得が可能であるので、通信経由でアプリケーションを取得することになる。
ただし、アプリケーションのファイルを取得するための情報が、additional_service_infoに含まれていないので、図26のステップS270において、アプリケーション取得部252は、伝送情報取得解析部251による伝送情報の解析結果に従い、デマルチプレクサ203を制御して、対象のESから、アプリケーション関連情報を取得する。そして、ステップS271において、アプリケーション取得部252は、アプリケーション関連情報に記述された外部アプリケーション参照先(URI)を取得する。これにより、アプリケーション取得部252は、インターネット90を介してアプリケーションサーバ30にアクセスして、アプリケーションをダウンロードすることができる(S272)。
例えば、上述した図24のアプリケーションBが、additional_service_infoにおけるアプリケーション情報のループに記述されている場合、対象のESから、アプリケーションB用のアプリケーション関連情報が取得される。そして、このアプリケーション関連情報に記述された内容に基づき、"http://abcd.com"であるURIのアプリケーションサーバにアクセスすることで、通信経由でアプリケーションBが取得されることになる。また、対象のESが抽出されることで、付加情報としてのビデオやオーディオ等のファイル形式のデータが取得される(S265)。これにより、ディスプレイ206には、付加情報を用いたアプリケーション、すなわち、ワンセグ付加情報サービスのアプリケーションが提示される(S266)。
以上で、受信処理の説明を終了する。
なお、図示はしていないが、第2の実施の形態において、送信装置10は、図23に示したadditional_service_infoをエリア情報記述子内に配置するとともに、対象となるESに、アプリケーション関連情報を含めることになる。
以上、第2の実施の形態について説明した。
<具体的な運用例>
次に、図27乃至図29を参照して、本技術を用いた具体的な運用例について説明する。すなわち、本技術を用いることで、以下の運用例1乃至運用例3に示すような、通常のエリア放送と比べて、より高度なエリア放送のサービスを提供することができる。
(運用例1)
図27は、本技術を用いた運用例1を説明する図である。運用例1は、災害時における運用例を示している。
図27に示すように、受信装置20では、選局アプリケーションが実行されており、例えば、内蔵するGPSにより得られる測位情報を、エリア放送局のサーバ40に送ることで選局情報を取得する。そして、受信装置20では、選局情報を用い、送信装置10から送信されるエリア放送の放送波を受信する。これにより、ディスプレイ206には、通常のエリア放送の番組、すなわち、ワンセグサービスの番組が表示されることになる。
ここで、例えば地震などの災害が発生した場合、ワンセグ付加情報サービスの提供者は、端末装置50によって、HTML(HyperText Markup Language)形式の災害情報を作成して、送信装置10に提供する。なお、災害情報の作成時には、各種のデータベース51に蓄積された情報を参照することができる。送信装置10は、additional_service_infoに伝送情報を配置して、PSI/SIに含めて1セグメントで送出するとともに、HTML形式の災害情報を付加情報として、12セグメントで送出する。
受信装置20は、送信装置10からの伝送情報を取得する。受信装置20は、伝送情報の解析結果に応じて、アプリケーションを、エリア放送の放送波か、あるいは通信経由で取得する。また、受信装置20は、エリア放送の放送波から、付加情報としてHTML形式の災害情報を取得する。そして、受信装置20では、ブラウザ209が起動され、付加情報を用いたアプリケーションが実行されることで、ディスプレイ206には、エリア放送の番組とともに、ワンセグ付加情報サービスとしての災害情報が表示されることになる。その結果、ユーザは、迅速に災害に関する情報を入手することができる。
(運用例2)
図28は、本技術を用いた運用例2を説明する図である。運用例2は、スタジアムにおける有料サービスの運用例を示している。
図28に示すように、送信装置10は、ワンセグサービスの番組として放送するライブ映像として、標準画質の映像を送出している。また、送信装置10は、ワンセグ付加情報サービス用の高画質のライブ映像と、HTML形式の情報を取得する。ここで、HTML形式の情報には、例えば、スタジアム情報、周辺情報、交通情報などの情報が含まれる。送信装置10は、additional_service_infoに伝送情報を配置して、PSI/SIに含めて1セグメントで送出するとともに、高画質の映像と、HTML形式の情報を付加情報として、12セグメントで送出している。
受信装置20では、選局アプリケーションが実行されており、例えば、内蔵するGPSにより得られる測位情報を、エリア放送局のサーバ40に送ることで選局情報を取得する。そして、受信装置20では、選局情報を用い、送信装置10から送信されるエリア放送の放送波を受信する。これにより、ディスプレイ206には、ワンセグサービスとしての標準画質のライブ映像が表示されることになる。
また、例えば、受信装置20を所持したユーザが、アプリケーションサーバ30により提供される有料のプレミアアプリケーションを購入した場合、受信装置20には、プレミアアプリケーションがダウンロードされる。そして、受信装置20では、プレミアアプリケーションが実行されることで、高画質の映像が取得され、ディスプレイ206には、ワンセグ付加情報サービスとしての高画質のライブ映像が表示されることになる。また、受信装置20においては、ワンセグ付加情報サービスとして、スタジアム情報などのHTML形式の情報を表示させることもできる。このように、ユーザは、有料のプレミアアプリケーションを購入さえすれば、より高度なサービスを受けることが可能となる。
なお、プレミアアプリケーションを購入した場合にのみ表示可能な高画質の映像や、関連情報には、DRM(Digital Rights Management)機能を持たせることができる。例えば、additional_service_infoに配置されるapplication_idの上位ビットを、保護レベル情報に割り当てたり、stream_security_infoを定義したりすることで、DRM機能が実現される。
(運用例3)
図29は、本技術を用いた運用例3を説明する図である。運用例3は、繁華街、店舗、交通、地域サービスにおける運用例を示している。
図29に示すように、送信装置10は、ワンセグサービスの番組として、広告や地域番組の映像を送出している。また、送信装置10は、ワンセグ付加情報サービス用の電子チケットやコンテンツなどのプレミアムコンテンツや、電子クーポンや電子アンケートなどの情報を取得する。送信装置10は、additional_service_infoに伝送情報を配置して、PSI/SIに含めて1セグメントで送出するとともに、プレミアムコンテンツや電子クーポン等の付加情報を、12セグメントで送出している。
受信装置20では、選局アプリケーションが実行されており、例えば、内蔵するGPSにより得られる測位情報を、エリア放送局のサーバ40に送ることで選局情報を取得する。そして、受信装置20では、選局情報を用い、送信装置10から送信されるエリア放送の放送波を受信する。これにより、ディスプレイ206には、ワンセグサービスとしての広告や地域番組の映像が表示されることになる。
また、例えば、受信装置20を所持したユーザが、アプリケーションサーバ30により提供される有料のプレミアアプリケーションを購入した場合、受信装置20には、プレミアアプリケーションがダウンロードされる。そして、受信装置20では、プレミアアプリケーションが実行されることで、プレミアムコンテンツが取得され、ディスプレイ206には、ワンセグ付加情報サービスとしてのプレミアムコンテンツが表示されることになる。また、受信装置20においては、ワンセグ付加情報サービスとして、電子クーポンなどの情報を表示させることもできる。このように、ユーザは、有料のプレミアアプリケーションを購入さえすれば、より高度なサービスを受けることが可能となる。
なお、プレミアアプリケーションを購入した場合にのみ表示可能なプレミアムコンテンツには、運用例2と同様にDRM機能を持たせることができる。また、受信装置20を所持したユーザによるアンケート結果などは、サーバ60によりデータベース61に蓄積される。
なお、図27乃至図29においては、「API」が記述されているが、APIは、Application Programming Interfaceの略であり、特定のインタフェースを示すものではない。
以上、具体的な運用例について説明した。
なお、上述した説明では、アプリケーションはHTML形式のファイル等から構成され、ブラウザ209により起動される例を説明したが、例えば、Java(登録商標)などの他のプログラム言語やマークアップ言語などにより作成されるようにしてもよい。また、本明細書における、「付加情報」は、補助的な情報であるともいえるため、「補助情報」と称される場合がある。
また、上述した説明では、受信装置20は、送信装置10から送信される放送コンテンツを受信するとして説明したが、インターネット90上に設けられた配信サーバ(不図示)により配信される通信コンテンツを受信して、ストリーミング再生を行うようにしてもよい。この場合、アプリケーションは、通信コンテンツとともに動作することになる。例えば、通信コンテンツは、VOD(Video On Demand)により配信される、放送済のテレビ番組や公開済みの映画、オリジナルの映像番組などのAV(Audio Visual)コンテンツである。すなわち、放送コンテンツ及び通信コンテンツは、AVコンテンツの一例である。
<本技術を適用したコンピュータの説明>
前述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウェアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行する場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータにインストールされる。ここで、コンピュータには、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータや、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどが含まれる。
図30は、前述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
コンピュータ900において、CPU(Central Processing Unit)901,ROM(Read Only Memory)902,RAM(Random Access Memory)903は、バス904により相互に接続されている。
バス904には、さらに、入出力インタフェース905が接続されている。入出力インタフェース905には、入力部906、出力部907、記録部908、通信部909、及びドライブ910が接続されている。
入力部906は、キーボード、マウス、マイクロフォンなどよりなる。出力部907は、ディスプレイ、スピーカなどよりなる。記録部908は、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる。通信部909は、ネットワークインタフェースなどよりなる。ドライブ910は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、又は半導体メモリなどのリムーバブルメディア911を駆動する。
以上のように構成されるコンピュータ900では、CPU901が、例えば、記録部908に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース905及びバス904を介して、RAM903にロードして実行することにより、前述した一連の処理が行われる。
コンピュータ900(CPU901)が実行するプログラムは、例えば、パッケージメディア等としてのリムーバブルメディア911に記録して提供することができる。また、プログラムは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線又は無線の伝送媒体を介して提供することができる。
コンピュータ900では、プログラムは、リムーバブルメディア911をドライブ910に装着することにより、入出力インタフェース905を介して、記録部908にインストールすることができる。また、プログラムは、有線又は無線の伝送媒体を介して、通信部909で受信し、記録部908にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM902や記録部908に、あらかじめインストールしておくことができる。
なお、コンピュータ900が実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
ここで、本明細書において、コンピュータ900に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであってもよいし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであってもよい。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであってもよい。
さらに、本明細書において、システムとは、複数の構成要素(装置、モジュール(部品)等)の集合を意味し、すべての構成要素が同一筐体中にあるか否かは問わない。したがって、別個の筐体に収納され、ネットワークを介して接続されている複数の装置、及び、1つの筐体の中に複数のモジュールが収納されている1つの装置は、いずれも、システムである。
なお、本技術の実施の形態は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、本技術は、1つの機能を、ネットワークを介して複数の装置で分担、共同して処理するクラウドコンピューティングの構成をとることができる。
また、前述のフローチャートで説明した各ステップは、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
さらに、1つのステップに複数の処理が含まれる場合には、その1つのステップに含まれる複数の処理は、1つの装置で実行する他、複数の装置で分担して実行することができる。
なお、本技術は、以下のような構成をとることができる。
(1)
任意のセグメントでのワンセグメント放送の放送波を送信する送信部と、
前記放送波を受信することが可能な放送エリア内の受信機で動作するアプリケーションが用いる付加情報を取得する付加情報取得部と
を備え、
前記送信部は、前記ワンセグメント放送のコンテンツとともに、前記付加情報と、前記アプリケーション及び前記付加情報の伝送方式を示す伝送情報を送信する
送信装置。
(2)
前記伝送情報は、前記アプリケーションが放送波と通信経由のいずれかにより伝送されることを示す情報を含む
(1)に記載の送信装置。
(3)
前記伝送情報は、前記アプリケーションが放送波で伝送される場合、前記アプリケーションを含むストリームを識別するための識別情報を含む
(2)に記載の送信装置。
(4)
前記伝送情報は、前記アプリケーションが通信経由で伝送される場合、前記アプリケーションを提供するサーバを特定するためのURI(Uniform Resource Identifier)を含む
(2)に記載の送信装置。
(5)
前記伝送情報は、前記アプリケーションの識別情報を含み、
前記識別情報に対応する複数のビットのうち、所定のビットは、前記アプリケーションの保護レベルを示している
(1)乃至(4)のいずれか一項に記載の送信装置。
(6)
前記伝送情報は、前記放送波から得られるストリームの保護レベルを示す情報を含む
(1)乃至(5)のいずれか一項に記載の送信装置。
(7)
前記放送波は、
周波数帯域が13セグメントに分割されており、
前記13セグメントのうち、任意の1セグメントに前記伝送情報が含まれ、全部のセグメント又は任意の階層のセグメントに前記付加情報が含まれる
(1)乃至(6)のいずれか一項に記載の送信装置。
(8)
前記伝送情報は、所定の規格で定められたNIT(Network Information Table)に含まれる前記ワンセグメント放送用の記述子内に配置される
(7)に記載の送信装置。
(9)
前記伝送情報は、前記アプリケーションに関連する関連情報を含むストリームを示す情報を含む
(8)に記載の送信装置。
(10)
送信装置の送信方法において、
前記送信装置が、
任意のセグメントでのワンセグメント放送の放送波を送信し、
前記放送波を受信することが可能な放送エリア内の受信機で動作するアプリケーションが用いる付加情報を取得し、
前記ワンセグメント放送のコンテンツとともに、前記付加情報と、前記アプリケーション及び前記付加情報の伝送方式を示す伝送情報を送信する
ステップを含む送信方法。
(11)
任意のセグメントでのワンセグメント放送を行う送信機から送信される放送波を受信することが可能な放送エリアにおいて、前記放送波を受信する受信部と、
前記放送波から得られる、前記放送エリア内の受信機で動作するアプリケーション及び前記アプリケーションが用いる付加情報の伝送方式を示す伝送情報に基づいて、前記アプリケーションを取得するアプリケーション取得部と、
前記伝送情報に基づいて、前記放送波から得られる前記付加情報を取得する付加情報取得部と、
前記付加情報を用いた前記アプリケーションの動作を制御するアプリケーション制御部と
を備える受信装置。
(12)
前記伝送情報は、前記アプリケーションが放送波と通信経由のいずれかにより伝送されることを示す情報を含む
(11)に記載の受信装置。
(13)
前記伝送情報は、前記アプリケーションが放送波で伝送される場合、前記アプリケーションを含むストリームを識別するための識別情報を含み、
前記アプリケーション取得部は、前記識別情報により識別される、前記放送波に含まれるストリームから、前記アプリケーションを取得する
(12)に記載の受信装置。
(14)
前記伝送情報は、前記アプリケーションが通信経由で伝送される場合、前記アプリケーションを提供するサーバを特定するためのURIを含み、
前記アプリケーション取得部は、前記URIに従い、ネットワークを介して前記サーバにアクセスし、前記アプリケーションを取得する
(12)に記載の受信装置。
(15)
前記伝送情報は、
前記アプリケーションの識別情報を含み、
前記識別情報に対応する複数のビットのうち、所定のビットは、前記アプリケーションの保護レベルを示しており、
前記アプリケーション制御部は、前記保護レベルに応じて、前記アプリケーションを動作させる
(11)乃至(14)のいずれか一項に記載の受信装置。
(16)
前記伝送情報は、前記放送波から得られるストリームの保護レベルを示す情報を含み、
前記ストリームは、前記保護レベルに応じて、所定の復号方式に準拠して復号される
(11)乃至(15)のいずれか一項に記載の受信装置。
(17)
前記放送波は、
周波数帯域が13セグメントに分割されており、
前記13セグメントのうち、任意の1セグメントに前記伝送情報が含まれ、全部のセグメント又は任意の階層のセグメントに前記付加情報が含まれる
(11)乃至(16)のいずれか一項に記載の受信装置。
(18)
前記伝送情報は、所定の規格で定められたNITに含まれる前記ワンセグメント放送用の記述子内に配置され、
前記伝送情報は、前記NITから取得される
(17)に記載の受信装置。
(19)
前記伝送情報は、前記アプリケーションに関連する関連情報を含むストリームを示す情報を含み、
前記アプリケーション取得部は、前記ストリームから得られる前記アプリケーションに関する情報に基づいて、前記アプリケーションを取得する
(18)に記載の受信装置。
(20)
受信装置の受信方法において、
前記受信装置が、
任意のセグメントでのワンセグメント放送を行う送信機から送信される放送波を受信することが可能な放送エリアにおいて、前記放送波を受信し、
前記放送波から得られる、前記放送エリア内の受信機で動作するアプリケーション及び前記アプリケーションが用いる付加情報の伝送方式を示す伝送情報に基づいて、前記アプリケーションを取得し、
前記伝送情報に基づいて、前記放送波から得られる前記付加情報を取得し、
前記付加情報を用いた前記アプリケーションの動作を制御する
ステップを含む受信方法。