異常発生時やエラー発生時に、発射された遊技媒体が遊技領域を流下している場合や、発射誘導レール(発射誘導部)に乗っている場合等には、異常発生後やエラー発生後に入球領域に入球したときは該入球が無効となる。したがって、発射数は計数されるものの、入球が無効となって実際の入球数が発射数と異なる不具合が生じることとなる。すなわち、単位遊技において定められた遊技媒体数内で組合せ遊技を行う遊技機では、単位遊技における入球数が上限値に満たない不具合を発生させることとなり、次の単位遊技へ移行できなくなる。また該不具合により、遊技者にとっては組合せを増やす機会等が減ることとなって不利益を発生させる。なおこの場合は、異常回復後やエラー回復後において異常発生時やエラー発生時の発射数をバックアップしこれを参照して遊技を復帰させる場合である。したがって、本発明においては、かかる不具合を解消するべく単位遊技における入球領域への入球数も計数するとともに、該計数値を電断等の異常発生時やエラー発生時にバックアップし、異常回復後やエラー回復後には該バックアップした計数値を発射数として発射数計数手段の計数値に置き換え、置き換えた後の発射数計数手段の計数値を参照して発射数制御を行うものとした。よって、電断等の異常発生やエラー発生があった場合でも単位遊技における発射数制御を正確に行うことが可能となる。このことにより上記遊技者にとっての不利益を発生させず、次の単位遊技に移行できないという致命的な不具合を回避でき、さらには異常発生やエラー発生からの遊技機の円滑な稼働再開復帰が可能となり、ひいては遊技機の稼動率の低下を抑制できる。
前記単位遊技における前記入球数計数手段にて計数された計数値を一時的に記憶することが可能な計数値特別記憶手段を備えるものとすることができる。この場合、計数値特別記憶手段により、例えば停電等により電力供給異常(以下、電力供給の異常を電断という場合がある)やエラーが生じた場合でも、電断発生時の単位遊技における入球領域への入球数を電断回復時やエラー回復時まで記憶させておくことが可能となる。したがって、電断回復時には上記計数値特別記憶手段を参照して、電断発生時やエラー発生時の入球数を発射数に置換し引き続き該単位遊技を行うことが可能となる。なお、電力の供給を行う電力供給手段と、該電力供給の異常の有無を判断する電力監視手段とを具備させ、該電力監視手段にて異常と判断された場合に、入球数の計数値が計数値特別記憶手段に一時的に記憶保持されるものとすることができる。また、前記電力監視手段により異常と判断された場合に、前記計数値特別記憶手段に対し電力を一時的に供給する特別電力供給手段を備えるものとすることができる。このような構成により、電断等の異常発生時に計数値特別記憶手段に対し確実に電力が供給されることとなる。
ここで、例えば送り装置に送り数計数手段(送り遊技媒体検知手段)を配設しない場合、遊技制御手段(発射遊技媒体数計数手段)は、発射位置に配設した発射位置遊技媒体検知手段の検知信号に基づいて発射遊技媒体数を計数することになる。従って、例えば、上皿等に一時的に貯留された発射待機遊技媒体数が、単位遊技に必要な遊技媒体数(例えば16個)に満たない場合(15個しかない場合)であって、その全ての遊技媒体(15個)を発射した後、最後に発射した遊技媒体(15個目に発射した遊技媒体)が遊技領域に届かず発射位置に戻ってきた場合には、その戻ってきた遊技媒体を発射することにより上限値(16個目)の遊技媒体として検知(計数)してしまうこととなる。すなわち、実際の発射遊技媒体数(15個)と遊技制御手段が検知(計数)した遊技媒体数(16個)とが一致しないという不具合が生じる場合がある。
そこで、かかる不具合を解消する方法として、上記態様においては、送り装置に送り数計数手段(送り遊技媒体検知手段)を配設し、発射遊技媒体の計数は、遊技制御手段(発射遊技媒体数計数手段)において送り数計数手段(送り遊技媒体検知手段)からの遊技媒体検知信号を検出後、発射位置遊技媒体検知手段からの遊技媒体検知信号を検出した後であってその検知信号のレベルが変化した場合に実行されるものとされている。具体的には、例えば検知信号がパルス立上りにより検出される場合において、遊技制御手段(発射遊技媒体数計数手段)が送り数計数手段(送り遊技媒体検知手段)からのパルス立上りエッジを検出後、発射位置遊技媒体検知手段からのパルス立下りエッジを検出した場合に、発射遊技媒体の計数が行われる。
単位遊技に使用される遊技媒体数が定められた遊技機において、発射遊技媒体数は遊技者の利益に関連するので、上記遊技制御手段にて発射遊技媒体数を正確に把握する必要があるが、上記遊技機によると、現実に遊技領域に到達した遊技媒体数と、遊技制御手段(発射遊技媒体数計数手段)が把握(検出ないし計数)する発射遊技媒体数とを確実に一致させることが可能となり、公平な遊技を提供することが可能となる。
なお、上記送り装置と上記発射装置とが逐次的に作動される場合、上記遊技開始信号に基づきこれら送り装置と発射装置とが逐次的に作動が繰り返される。したがって、この場合、上記送り装置作動開始信号(送り装置作動停止解除信号)は、前記送り装置のみを特別に作動させる(送り装置のみ作動停止を特別に解除させる)ための信号とされ、上記発射装置作動開始信号(発射装置作動停止解除信号)は、前記発射装置のみを特別に作動させる(発射装置のみ作動停止を特別に解除させる)ための信号とされる。
すなわち、前記単位遊技において、前記発射装置作動停止信号を送信した後、前記発射位置遊技媒体検知手段から遊技媒体の検知信号(遊技媒体再検知信号)を受信した場合、前記発射装置作動開始信号(発射装置作動停止解除信号)が送信されるものとすることができる。この場合、例えば発射位置に戻ってきた遊技媒体(戻り球)を確実に発射することが可能となり、発射されるべき遊技媒体を確実に遊技領域に発射させ入球領域に入球させることが可能となる。
なお、前記発射位置遊技媒体検知手段からの前記遊技媒体再検知信号を検出した後であって、その遊技媒体再検知信号のレベルが変化した場合に、再び前記発射置作動停止信号が送信されるものとすることができる。この場合、例えば発射位置に戻ってきた遊技媒体(戻り球)を正確に超過なく発射することが可能となる。
可変表示装置における図柄の表示態様に基づき第1変動入球装置が入球有利な状態となり、第1変動入球装置に入球した遊技球が特定入球領域に入球すると特別遊技状態が発生する。ここで、遊技媒体は特定入球領域へは誘導装置により誘導されるが、その誘導装置は特定入球領域あるいは非特定入球領域のいずれかに誘導可能とされているため、いずれの領域に誘導されるかという不確定な要素により、遊技者に対して高い遊技興趣を付与することが可能となる。すなわち、本発明の遊技機においては、特定入球領域あるいは非特定入球領域のいずれに遊技媒体が入球するかは、第1変動入球装置への遊技媒体の入球態様ないし誘導装置への遊技媒体の入球態様によって異なるものとされている。一方、本発明の遊技機は、遊技者に高い遊技興趣を付与することが可能となるため、遊技店にとって遊技機の稼働率を向上させることが可能となる。なお、上記始動検知装置は、始動入球装置又は始動通過装置に設けられた遊技媒体検知スイッチとすることができ、役物作動用検知装置も、役物作動用入球装置又は役物作動用通過装置に設けられた遊技媒体検知スイッチとすることができる。このような構成を上記発射制御信号を送信可能な遊技機に付加することにより、遊技者に対して高い遊技興趣を付与しつつ、単位遊技における発射数をより正確に制御することが可能となり遊技者に対して信頼の高い遊技機を提供することが可能となる。
一方、前記入球領域には入球検知手段が設けられ、前記単位遊技において前記入球検知手段において検知された遊技媒体の数と、遊技領域に発射された遊技媒体の数とがその発射時から所定時間経過して異なる場合に、異常と判定する異常判定手段を備えたものとすることもできる。また、前記異常判定手段により異常と判定された場合に、該異常を報知する異常報知手段を備えることもできる。あるいは、異常と判定された場合に、前記入球検知手段において検知された遊技媒体の数と発射された遊技媒体の数との差に関する情報を表示する異常情報表示手段を備えることもできる。この場合、発射された遊技媒体が遊技領域に設けられた障害釘等に引っかかった場合等に異常と判定することが可能となり、該異常を報知手段により遊技者又は当該遊技機を設置した遊技店の店員等に報知することが可能となる。したがって、異常に迅速に気付くことが可能となるとともに、該異常に対して迅速に対処することが可能となる。なお、異常判定された場合に、当該単位遊技をその異常判定時に中止するための遊技中断手段を設けることも可能である。具体的には、異常判定手段により異常と判定された場合に、発射装置における遊技媒体の発射を中断する処理を行うものとすることが可能である。なお、このような報知手段としては7セグメントLEDや液晶等により表示したり、ランプ等により点灯表示したり、あるいは音声等により該異常を報知することが可能である。
上記のような遊技機においては、停電等の異常発生時に、記憶手段に記憶されている記憶情報を確実に記憶保持(バックアップ)することが可能となる。特に、異常発生の有無に応じて、第1記憶手段(例えば入球数通常記憶手段)の記憶情報を第2記憶手段(例えば計数値特別記憶手段)に移管する構成としたため、異常発生時に第1記憶手段の記憶情報を第2記憶手段にて確実に記憶保持することができる。また、停電等の異常復帰後には、第1記憶手段から移管された第2記憶手段の記憶情報を参照して復帰処理を行うことができるため、該復帰処理を簡便且つ正確に行うことが可能となる。例えば、第1記憶手段の記憶情報を、遊技状態を示す遊技状態情報とすれば、その遊技状態情報に基づいて異常復帰処理を行うことが可能となる。なお、上記電力監視手段は、上記第1電力供給手段からの電力量を参照して電力供給の監視を行い、該電力量が所定値よりも低下した場合に、異常発生信号を上記情報移管手段に出力し、情報移管手段は異常発生信号に基づいて、上記第1記憶手段の記憶情報を第2記憶手段に移管する処理を実行する。また、上記情報移管は、情報を移管するための予め定められた情報移管実行プログラムに基づき、情報移管手段としての制御部(CPUを主体として構成される)により行われる。
上記遊技状態情報としては、例えば、遊技態様の成立を可能とする遊技制御プログラムにて定義された制御プログラム情報とすることができる。この場合、異常発生時に、第1記憶手段に記憶されている制御プログラム情報を第2記憶手段に移管することとなり、異常復帰後には該制御プログラム情報に基づいて遊技制御を正確に復帰させることが可能となる。なお、異常発生時の制御プログラム情報をそのまま記憶保持する場合、異常復帰後には、異常発生時と同じ遊技状態に直ちに復帰させることが可能となる。
また、上記第2記憶手段には遊技態様を成立させる遊技媒体情報が記憶され、異常が発生した場合に、上記制御プログラム情報と上記遊技媒体情報とが第2記憶手段に記憶されるものとすることができる。すなわち、例えば異常発生のない通常時には、遊技態様を成立させる遊技媒体情報が第2記憶手段に記憶され、異常発生時には、その発生時の第2記憶手段に記憶されている遊技媒体情報の記憶を保持しつつ、第1記憶手段に記憶されている制御プログラム情報が、前記情報移管手段により第2記憶手段に移管されて記憶保持される。従って、停電等の異常発生時に、第1記憶手段及び第2記憶手段に記憶された制御プログラム情報及び遊技媒体情報が確実に記憶保持されることとなる。なお、遊技媒体情報には上記発射遊技媒体数に関連する情報が含まれるものとすることができ、この場合、単位遊技において遊技領域に発射される遊技媒体数に上限がある遊技機について、電断等の異常発生時にも正確な発射数制御を行うことが可能となる。
このように、価値媒体払出制御部においてモード分けされ、制御内容が、遊技機の互いに相容されない状態に応じて3つの作動モードが設定されていることにより、通常時、異常発生時、及び異常復帰時における制御が簡便且つ確実に行われるようになる。さらに、制御仕様の分類が容易となり、第三者検定機関への許認可申請作業及び申請後の技術検定作業を簡便に行うことができる。なお、前記異常発生時には優先順位の最も高い割込み信号が前記主制御部から前記価値媒体払出制御部に送信され、前記異常発生時モードにおいては、当該価値媒体払出制御部における全ての前記レジスタを退避させ、前記割込み信号が送信される前の前記制御プログラム情報を記憶するものとすることも可能である。
この構成によると、遊技機にて必要となる複数の電源電圧を電源ユニットの電圧変換部で一括生成する一方、該電源ユニットから独立して設けられた分電基板の電源電圧出力部から、電源ユニットからの各電源電圧を遊技機各所に分配するようにしたので、新機種設計や仕様変更に際して必要な電源出力部の数や電源電圧構成が変化しても、分電基板のみ仕様変更すればよく、第1電力供給手段の設計変更を最小限に留めることができる。分電基板は、設計変更の容易性や部品交換の利便性を考慮して、所定の取付対象部(例えば遊技機の裏機構盤など)に対し着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
上記電流遮断機構は、スイッチ式のブレーカ機構を用いることもできるが、電流遮断用のヒューズを含むものが簡便であり、安価に構成できる利点がある。ところで、従来は、このようなヒューズは、異常の発生した電気機器のみ作動を制限できるようにするため、制御基板毎に個別に設けられていた。ところが、近年は、不正改造防止等のため、制御基板がカバー手段にて覆われることが多くなってきた。例えば、不正行為の有無を確認しやすくするために、このようなカバー手段は、取り外し操作がなされたことを識別可能とするために、該取り外し操作に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させるものとして構成されることが多くなってきている。具体的には、カバーの開閉部に、カバー開閉に際して切断されやすい紙テープや、剥がし取るとテープ面に画像(例えばホログラフィー画像)や文字等が現れる剥離検出機能付きテープを用いて封印を施す構成や、カバー本体に形成された被切断連結部を介して一体化されたねじ止め部において、いわゆるワンウェイビスによりカバー取り付けし、この被切断連結部を切断してカバー本体とねじ止め部とを分離する形でカバー取り外しを行うようにした構成等がある。
この場合、制御基板にヒューズが取り付けられていると、切れたヒューズを交換する際にカバーの取り外しを余儀なくされ、本来意図していない要因によって、カバーに痕跡が残留してしまうことになる。従って、ヒューズ交換後にカバーを再装着する際に、痕跡のない状態への復帰作業が必要となり、非常に面倒である。そこで、ヒューズは分電基板に設けるようにし、カバー手段を有さないか、カバー手段を設ける場合でも、取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバー手段を用いる構成とすることにより、制御基板側のカバー手段の取り外しを行うことなく、簡単にヒューズ交換を行うことができる。なお、本発明における制御基板は、CPU,RAM,ROM等の第1次的な電子部品を実装した基板の他、バッファ部品やラッチ部品等のように主に信号のタイミングや組合せを操作するための第2次的な電子部品を実装した基板、及び、コンデンサ、抵抗、その他のいわゆるディスクリート部品のような第3次的な電子部品のみを実装した基板等を含んでいる。
以下、本発明の実施の形態を図面に示す実施例を参照しつつ説明する。
まず、組合せ式遊技機としてのアレンジボール遊技機(単に遊技機とも言う)1の構造を図1及び図2を参照して説明する。
遊技機1の前面部は、本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有し、本体枠2に対して開閉可能に軸支されている。中枠3の右端中央には施錠装置7が設けられ、施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
ここで枠体部は、上端から下方へ中枠3全体の略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の略三角形状の枠飾りLED用レンズ4c,4eに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板4d(図5参照)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板4f(図5参照)が配設されている。
また、下板部は、下端から上方へ中枠3全体の略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカー面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させるスピーカー400a(図4参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット8(図2参照)に対し、上皿部5に貯留された遊技球を供給する球送り装置等(図示略)が設けられている。
さらに、下板部の下方には、灰皿や玉抜きレバー等を備えた下皿部6が設けられ、下皿部6の略中央には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが開設され、右端に発射装置ユニット8(図2参照)を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、遊技者が操作して発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。
前面枠4は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11の形状に対応して上側が略円弧状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板等の透明板が嵌められた略長方形状の透明板枠(図示略)が装着されている。また、この前面枠4は、遊技機1の前面全体の約2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bも設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板(遊技効果ランプ基板)4g(図5参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5bには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。また、上皿部5には、遊技機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカー面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図4参照)が設けられている。遊技機1の左端側には、プリペイドカードユニット13(CRユニット)が装着されている。
また、上皿部5の奥(裏側)にはファール球センサ197(図8及び図22参照)が設けられ、これは発射装置ユニット8(図2参照)から発射された遊技球が、遊技領域11まで達せず、外レール10c(図22参照)から下皿部6に戻ってきた遊技球(ファール遊技媒体)を検知するためのセンサである。さらに上皿部5の奥(裏側)には槌先球検知スイッチ94(図8及び図22参照)及び球送りカウントスイッチ95(図8及び図22参照)が設けられ、これらは発射された遊技球又は上皿部5から発射装置ユニット8(図2参照)に送られた遊技球をそれぞれ検知(計数)するためのスイッチであり、該スイッチ94,95からの検知情報及び/又はファール球センサ197からの検知情報により、遊技領域11に発射された発射球数(有効発射球数)が16個とカウントされた場合には、1ゲーム(単位遊技)の終了となる。
次に、前面部に形成される遊技盤10の表面構造について説明する。遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3に保持されるとともに、裏機構盤102(図2参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール10cと内レール10dとにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、始動検知装置としての誘導図柄作動ゲート16と、可変表示装置としての誘導図柄表示装置17と、第1変動入球装置として役物作動口(特定入球口)21と、遊技球を特定入球領域としての誘導増加装置作動領域19aへ誘導可能な誘導装置(誘導役物又は振分装置とも言う)20aと、役物作動用検知装置としての役物誘導装置作動ゲート26と、第2変動入球装置としての役物作動口(得点増加装置作動口)23と、16個の入球領域が相互隣接して配置された16連入球口24と、16連入球口24の各入球領域に該当する識別情報を点灯表示する入球図柄表示装置(識別情報表示装置)25と、多数の障害釘(図示略)等が配設されている。
誘導図柄作動ゲート16は、遊技領域11の中央から左半面側の上方に配置され、内部に誘導図柄作動口入球(ゲート通過)検知スイッチ16d(図3参照)を備えている。この入球検知スイッチ16dにおいて遊技球が検知されると、誘導図柄表示装置17において複数の図柄の可変表示が開始される。
誘導図柄表示装置17は、遊技領域11の中央よりも左半面側で前記誘導図柄作動ゲート16の下側に配置され、例えば3つの表示領域、すなわち左図柄表示領域、中図柄表示領域、右図柄表示領域(図示略)を備え、それぞれ複数の図柄を可変停止表示することが可能とされている。誘導図柄表示装置17において、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、役物誘導装置が作動し、役物作動口(特定入球口)21が開放される。なお、役物誘導装置は主制御部140(図3参照)を主体として構成され、役物作動口(特定入球口)21又は役物作動口(得点増加装置作動口)23の状態を変化させる特別の装置を言う。
役物作動口(特定入球口)21は、遊技領域11の中央上部に配置されており、一対の可動片21a,21bを備え、この可動片21a,21bが左右に作動(開放)することにより、遊技者にとって入球有利な開放状態となる。また、内部に役物作動口入球検知スイッチ21c(図7参照)を備えており、この入球検知スイッチ21cにおいて遊技球が検知されると、誘導増加装置作動領域(特定入球領域)19aへの入球が有効となる。なお、役物作動口(特定入球口)21に開閉板を配設し、その開閉板の遊技領域11の前後方向への作動(開放)に基づき、役物作動口(特定入球口)21を開放状態とすることも可能である。
役物作動口(特定入球口)21に入球した遊技球は、該役物作動口(特定入球口)21の下方に配設されたセンター役物あるいは中央装置たる誘導装置(振分装置)20aに誘導される。誘導装置20aは、いわゆるクルーンと呼ばれる凹状の役物であって、底部に3つの穴が形成され、このうち遊技盤10に向かって手前側に形成された1つの穴が誘導増加装置作動領域(特定入球領域)19aで、奥側に形成された2つの穴が非作動領域(非特定入球領域:排出口とされている/作動領域外領域)19bとされている。ここで、誘導増加装置作動領域19aに遊技球が入球し、内部に設けられた誘導増加装置作動領域通過検知スイッチ19d(図7参照)に検知されると、誘導増加装置が作動し、通常状態よりも遊技者にとって相対的に有利な特別遊技状態が発生する(特別遊技権利を取得するとも言う)。なお、誘導増加装置とは、主制御部140(図3参照)を主体として構成され、遊技状態を変化させる特別の装置のことを言う。
役物誘導装置作動ゲート26は、遊技領域11の中央から右半面側の上方に配置され、内部に役物誘導装置作動ゲート通過検知スイッチ26a(図7参照)を備えている。上記特別遊技状態の発生中に、該作動ゲート通過検知スイッチ26aにおいて遊技球が検知されると、役物作動口(得点増加装置作動口)23が開放される。
役物作動口(得点増加装置作動口)23は、遊技領域11の中央から右半面側であって上記役物誘導装置作動ゲート26の下方に配置され、一対の可動片23a,23bを備え、その可動片23a,23bが遊技領域11の左右方向へ作動(開放)することに基づき、遊技者にとって入球有利な開放状態となる。また、内部に役物作動口入球検知スイッチ23c(図7参照)を備え、該入球検知スイッチ23cに遊技球が検知されると、入球図柄表示装置25の所定の識別情報(概ね入球困難な入球領域に対応した識別情報)が点灯表示されるとともに、得点増加装置(賞態様増加装置)が作動する。なお、遊技領域11の前後方向に開放可能な一枚の開閉板を配設し、その開閉板の作動に基づき、役物作動口(得点増加装置作動口)23を開放状態とすることも可能である。
16連入球口24は、遊技領域11の最下部に配置され、その前方側には、入球図柄表示装置(識別情報表示装置)25が配設されている。16連入球口24の内部には、それぞれ16連入球検知スイッチ25a(図3参照)が設けられ、該検知スイッチ25aに遊技球が検知されると、その入球領域に該当する入球図柄表示装置25の識別情報(数字ランプ)が点灯表示される。なお、遊技機1においては、遊技球16個の発射を単位遊技として、その16個において点灯表示された識別情報の組合せに基づき賞態様が決定される。例えば、4つの連続した数字ランプが連続して点灯表示されると得点1が付与され、該1点につき16個の賞球又は相当数の賞メダルが払い出される。また、ICカード等に得点又は賞球数若しくは賞メダル数が蓄積されるものもある。なお、入球図柄表示装置(識別情報表示装置)25は、例えば7セグメントLED、ドットマトリクス又は液晶(LCD)で構成することも可能で、この場合、上記検知スイッチ25aに遊技球が検知されると、その入球領域に該当する入球図柄表示装置(識別情報表示装置)25の7セグメントLED、ドットマトリクス又は液晶(LCD)の表示画面上において識別情報(数字)が表示される。
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図2を参照して説明する。前面枠4(図1参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。裏機構盤102は中枠3にあって裏機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10(図1参照)は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知スイッチ108が、さらに、その下流側には、賞球払出装置109が配設されている。
続いて、遊技球の振り分け部110が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下側には、誘導図柄表示装置17(図1参照)における表示盤(液晶表示盤又は7セグメントLED表示盤)を格納した蓋付きの裏ケース111が設けられ、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図3参照)として、主制御基板340(図3参照)を格納した主制御基板ケース112が設けられている。主制御基板ケース112の左側には、発射制御部201a(図3参照)として発射装置制御基板201(図3参照)を格納した発射装置制御基板ケース113、及び発射制御集合中継基板116が設けられている。裏機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット8が、同じく右下方部には、賞球制御部(払出制御部)150(図3参照)として、補給球詰まり、下皿部満タン、主電源電圧異常、発射停止、主制御基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLEDで表示する枠状態表示器117を備えた賞球制御基板350(図3参照)を格納した枠制御基板ケース(賞球制御基板ケース)118が設けられている。
一方、裏機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた枠用外部端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も枠用外部端子基板122の下側に配設されている。賞球制御基板350(図3参照)を格納した枠制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット(CRユニット)13に接続されている。また、裏機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
次に、本実施例の遊技機1の電子制御装置130について、図3を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部(遊技制御部)140と、その主制御部140に接続された賞球制御部(払出制御部)150、図柄表示装置制御部(図柄制御部)160、ランプ出力装置制御部(ランプ制御部)170及び音声出力装置制御部(音声制御部)180を含んで構成されている。主制御部140は、主制御基板340を備え、主制御部140以外の上記4つの制御部150,160,170,180はそれぞれ副制御部として構成され、副制御基板たる賞球制御基板(払出制御基板)350、図柄表示装置制御基板360、ランプ出力装置制御基板370、音声出力装置制御基板380を備えている。
主制御基板340は、図14に示すCPU401を含み、該CPU401はCPUコア480を備え、ROM482に格納された制御プログラムにより、RAM481をワークエリアとして遊技機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM482に記憶された当否判定プログラムにより、CPU401が主体となって当否判断制御等を行う(当否判定手段)。
図3に戻り、主制御部140は、各副制御部150,160,170,180へ処理内容を指示する、指令信号たるコマンドデータを送信する。なお、主制御部140から各副制御部150,160,170,180へは、一方向形式でデータが伝送される。また、各制御部140〜180には、主電源129と接続された電源受電基板128から電源ユニット127、さらには電源中継基板121を介して電源が供給されており、後述する電源立上げ時のシステムリセット信号が電源中継基板121を介して全制御部に送信される。
また、主制御部140には16連スイッチ中継基板31、中継基板200、誘導図柄作動口入球(ゲート通過)検知スイッチ16d、枠用外部端子基板122、枠中継基板200bが接続されている。16連スイッチ中継基板31には16連入球検知スイッチ25aが接続され、該16連入球検知スイッチ25aからの検知信号が主制御部140に送信される。なお、主制御部140には、遊技機外部の試験装置(検査装置)807に遊技情報(制御情報を含む)を出力するための情報出力部(図示略)が設けられている。具体的には、図20に示すように、主制御基板340には遊技情報出力回路部347と変換回路部341と出力コネクタ342とが設けられている。遊技情報出力回路部347から出力される遊技情報は、変換回路部341にて試験装置807が読取り可能な情報に変換され、その変換された遊技情報がコネクタ342を介して試験装置807に出力される。この場合、試験装置807からのハーネスをコネクタ342に接続するのみで、当該主制御部140の制御内容を試験装置807に出力可能とされている。なお、図21に示すように、主制御基板340と試験装置807との間を中継する中継基板344を当該遊技機1に設けることもできる。この場合、主制御基板340のコネクタ343と、中継基板344のコネクタ346とが接続され、中継基板344のコネクタ345に試験装置807からのハーネスが接続される。遊技情報は、主制御基板340の遊技情報出力回路部347からコネクタ343を介して、変換回路部としての中継基板344に出力され、該中継基板344にて試験装置807が読取り可能なフォーマットに変換されるとともに、該中継基板344から試験装置807に出力される。
図3に戻り、中継基板200には、図7に示すように、役物作動口入球検知スイッチ21c、誘導増加装置作動領域通過検知スイッチ19d、役物誘導装置作動ゲート通過検知スイッチ26a、役物作動口ソレノイド21d、役物作動口(得点増加装置作動口)入球検知スイッチ23c、役物作動口(得点増加装置作動口)ソレノイド23d、盤用外部端子基板32、誘導増加装置非作動領域通過検知スイッチ19eが接続されている。役物作動口ソレノイド21dは、役物作動口(特定入球口)21の可動片21a,21b(図1参照)を開閉するためのソレノイドである。役物作動口(得点増加装置作動口)ソレノイド23dは、役物作動口(得点増加装置作動口)23の可動片23a,23bを開放するためのソレノイドである。盤用外部端子基板32は、各種検知スイッチデータ等を当該遊技機外部に出力するための端子基板である。
図3に戻り、枠用外部端子基板122には、賞球制御部(払出制御部)150、タンク球切れ検知スイッチ104及びドアスイッチ202等が接続されている。枠中継基板200bには、図8に示した補給球切れ検知スイッチ108、賞球計数センサ198、下受け皿満タンスイッチ199、ファール球センサ197、球送りカウントスイッチ95、槌先球検知スイッチ94、球貸し計数センサ192等が接続されている。なお、補給球切れ検知スイッチ108はタンクレール106(図2参照)と賞球払出装置109(図2参照)間の球切れを検知するためのスイッチ、賞球計数センサ198は払い出された賞球数を計数するためのセンサ、下受け皿満タンスイッチ199は下皿部6(図1参照)の下受け皿が満タンになったことを検知するためのスイッチ、ファール球センサ197は発射装置ユニット8(図2参照)から発射された遊技球が、遊技領域11(図1参照)まで達せず、外レール10c(図22参照)から下皿部6(図22参照)に戻ってきた遊技球を検知するためのセンサである。また、球送りカウントスイッチ95は球送りソレノイド91(図16参照)により上皿部5から発射装置ユニット8(図2参照)の発射位置(発射モータ93の槌先位置に該当する(図22参照))に送られた遊技球をカウントするためのスイッチ、槌先球検知スイッチ94は上記発射位置にある遊技球を検知するためのスイッチ、球貸し計数センサ192はCRユニット(プリペイドカードユニット)13を利用して貸し出された球数を計数するためのセンサである。
賞球制御部(払出制御部)150は、主制御部140と同様のCPU601(図14参照)を含んで構成され、メモリクリアスイッチ基板191、CRユニット(プリペイドカードユニット)13、賞球流路切替ソレノイド194、CR操作基板195、賞球モータセンサ基板196、発射装置制御基板201等が接続されている。メモリクリアスイッチ基板191は、電源投入時に残存している各種データを全てクリアするためのスイッチ基板であって、賞球流路切替ソレノイド194は賞球払出装置109における球貸しと賞球払出しの流路を切り替えるためのソレノイドである。また、CR操作基板195はCRユニット(プリペイドカードユニット)13との間で、球貸し、カード残り数等の信号を入出力するための基板で、賞球モータセンサ基板196は賞球払出しに係る賞球モータ297の動作状態を検知するためのセンサ基板である。
発射装置制御基板201には、図16に示すように、球送りソレノイド中継基板92、発射モータ(打撃装置)93、発射停止スイッチ9b、発射ハンドル9が接続されている。球送りソレノイド中継基板92には球送りソレノイド(送り装置)91が接続され、上皿部5(図1参照)に貯留された遊技球を1個ずつ発射位置に送り込むためのものである。発射モータ93は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域11(図1参照)に打ち込むための打撃装置たる発射ハンマ93a(図34参照)を稼働させるモータである。
図3に戻り、図柄表示装置制御部160は、演算回路構成要素(図示略)として、CPUと、RAMと、ROMと、入出力ポートと、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)とを含み、それら演算回路構成要素はバスにより相互に接続して構成され、入出力ポートにおいて主制御部140に接続されている。図柄表示装置制御部160には、図6に示すように、表示盤を備える誘導図柄表示装置基板17dが接続され、CPUはROMに格納された制御プログラムにより、RAMをワークエリアとして誘導図柄表示装置(表示盤)17の作動制御(すなわち、表示装置の表示制御)を行っている。入球図柄表示装置25の表示制御は、主制御部140が担うことも、図柄表示装置制御部160で行うことも可能である。この場合、入球図柄表示装置基板25dが接続され、入球図柄表示装置25の表示制御が行われる。
ランプ出力装置制御部170は、図柄表示装置制御部160と同様の演算回路構成要素(CPU,ROM,RAM,入出力ポート等)を含んで構成され、入出力ポートにおいて主制御部140に接続されている。ランプ出力装置制御部170には、図5に示すように、電飾中継基板171a、各種LED基板、得点表示灯基板29a等が接続されている。電飾中継基板171aには、遊技効果ランプ基板4g、賞球表示LED基板4d等が接続され、さらに賞球表示LED基板4dには、ストップ表示LED基板4f等が接続され、得点表示灯基板29aには、得点表示装置29(図1参照)が接続されている。これらのランプ等はゲームの進行に対応して点灯・消灯又は点滅し、遊技効果を高めている。
音声出力装置制御部180は、図柄表示装置制御部160と同様の演算回路構成要素(CPU,ROM,RAM,入出力ポート等)及びサウンドジェネレータ(図示略)を含んで構成され、入出力ポートにおいて主制御部140に接続されている。音声出力装置制御部180には、図4に示すように、音声中継基板203が接続され、該音声中継基板203に接続された音量スイッチ基板12は、図示しない音量スイッチの操作に伴い、出力音量の設定を行うもので、スピーカー400aから遊技の進行に対応して各種サウンド、音声等が出力される。
さらに、遊技効果ランプ基板4g等の各種ランプや音声出力装置制御基板380に搭載されたサウンドジェネレータは、図柄表示装置制御部160の制御による図柄の可変・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様、特別遊技態様、及び遊技モード等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、ランプ出力装置制御部170あるいは音声出力装置制御部180を作動指令対象とする指令信号として、主制御部140から一方向に送信される。
なお、上述した図柄表示装置制御部160、ランプ出力装置制御部170及び音声出力装置制御部180は、主制御部140や賞球制御部150と同様の回路部から構成されるものとすることもできる。すなわち、図14に示したような内部にROM、RAMが内蔵されたCPUを用いることもできる。
次に、図3に示した電子制御装置130における電源供給経路について説明する。図18は、電子制御装置130(図3参照)の電源部における基板接続レイアウトの一例を示す回路図である。電子制御装置130(図3参照)は、電源受電基板128において電源ケーブル501により交流電圧(AC24V)を受電する。この交流電圧は、電源受電基板128内にてコネクタ413とコネクタ414とに分配される。コネクタ413には、変圧供給用ケーブル503が接続され、交流電圧が電源ユニット127に供給される。また、コネクタ414には、交流電圧供給用ケーブル514が接続され、交流電圧(賞球モータ297駆動用)が賞球制御基板350(図3参照)に供給される。なお、電源受電基板128には、過電流保護のため受電電圧を遮断する電源ヒューズ416と、プリペイドカードユニット(CRユニット)13(図1参照)へのAC24Vの供給を遮断するヒューズ417が取り付けられている。
電源受電基板128からの交流電圧は、コネクタ413から変圧供給用ケーブル503により、電圧変換部(図示略)を備えた電源ユニット127に分配される。電源ユニット127には、変圧供給用ケーブル503が接続される入力コネクタ421が形成される一方、各変換電圧の出力端子(1,2,3,6)、接地端子(4,5)及びバックアップ端子(7,8)を含んだ出力コネクタ422が設けられている。なお、図18に示す出力コネクタ422では24Vの出力端子を1個のみ描いているが、実際はDC用と脈流用との2つの24V端子が形成されている。また、バックアップ端子は8番端子がDC5V用の電圧変換部(図示略)の接地端子と共通結線され、7番端子との間にまたがるように蓄電手段(バックアップ用電力供給手段)としてのコンデンサ423が接続されて、DC5Vのバックアップ電圧が該7番端子から出力されるようになっている。
電源ユニット127の出力コネクタ422は、ケーブル504により電源中継基板121の入力コネクタ433に接続され、電源ユニット127にて変換・生成された各種電源電圧が供給されるようになっている。そして、電源中継基板121には、パチンコ機1の各種遊技装置の作動を司る複数の制御基板、ここでは主制御基板340、賞球制御基板350、図柄表示装置制御基板360、ランプ出力装置制御基板370、音声出力装置制御基板380及び発射装置制御基板201を接続するために、各基板にて使用される電源電圧の出力端子を一まとめとした基板側コネクタ434が、各基板に対応して設けられており、各端子に入力コネクタ433からの電源電圧及びバックアップ電圧が分配されるようになっている。なお、図面上では便宜上、一つのコネクタ434を示したが、実際は各制御基板にそれぞれ対応して、電源中継基板121にはコネクタが複数設けられている。また、バックアップ電圧は、本実施例の場合、遊技球の流通に直接的に関連する、すなわち遊技者の利益に直接的に関連する主制御基板340及び賞球制御基板350に供給される。
ここで、基板側コネクタ434は全て予備端子部を有さない構成となっており、対応する基板に向かう配線が、形成された全ての端子部に接続されている。具体的には、基板側コネクタ434は、各電源電圧の出力端子及び接地端子のみ、又は各電源電圧の出力端子、接地端子及びバックアップ電源用端子のみを含むものとされている。電源系統の設計変更等に柔軟に対応するためには、新たな電源電圧端子の増設を容易とするために、予備端子部を形成しておくと便利な場合もあるが、上記のように予備端子部を敢えて形成せず、全ての端子を過不足なく使用し尽くす構成とすることで、予備端子を利用した不正操作を効果的に防止することができる利点が生ずる。
次に、図19は、上述の電源ユニット127について電源監視モジュール553を含む内部構成の一例を示す回路図である。まず、電源受電基板128からの出力電圧は、電源ユニット127内の定電圧回路部552にてDC5V等に整流・平滑化されて、例えば賞球制御部150(主制御部140)の電源端子VCCに入力される一方、補助電源回路(蓄電手段)556を介してバックアップ端子に接続されている。この補助電源回路556は、停電等による電源受電基板128からの電力供給の遮断等により、定電圧回路部552からの電力供給が途絶えるか、あるいは出力電圧が所定値以下に降下した場合に、RAM681,481を備えたCPU601,401(図14参照)に必要な作動電圧を確保するためのものである。ここでは、出力電圧維持用の蓄電手段、具体的にはコンデンサ(バックアップ用蓄電手段)557が補助電源回路556の主体をなしている。なお、定電圧回路部552から電源端子VCCへの途上にはコンデンサ(補償用蓄電手段)557bが設けられ、電源供給の遮断時等に、このコンデンサ557bにより補助電源回路556からのバックアップ電圧が供給されるまでの間の電圧供給が補償される。また、コンデンサ557bの容量は、後述するバックアップ処理が完了するまでの間は少なくとも、RAM681,481を含むCPU601,401(図14参照)の作動を確保できる程度に設定されていることが望ましい。
コンデンサ557は、定電圧回路部552からVCCへの電力供給線に対して並列に接続されており、常時はダイオード558を経て定電圧回路部552から電力供給を受けることにより充電状態を維持している。そして、電力供給が途絶えた場合は、コンデンサ557がダイオード558により逆流防止されつつ放電し、RAM681,481を含むCPU601,401(図14参照)に作動電圧を供給する。なお、コンデンサ557の容量は、電断時のバックアップ処理から復帰処理に至る一連の処理が完了するまでの間は少なくとも、RAM681,481の作動を確保できる程度に設定されていることが望ましい。また、補助電源回路556は、コンデンサ557に代えて電池(この場合、一次電池、二次電池のいずれでもよい)557aを用いて構成してもよい。
一方、定電圧回路部552からの出力電圧VXは、異常検出手段(ここでは、電源遮断検出手段)として機能するコンパレータ569に分岐入力され、ここで電圧監視基準信号567の電圧レベルVSと比較される。VSは、定電圧回路部552の所定の端子からの出力電圧(例えば12V)で、例えばCPU601,401(図14参照)の安定した作動が不能となる下限の電圧レベルに対応して設定することができる。常時はVX>VSであり、コンパレータ569の出力は第一状態(ここではLレベル)となっているが、停電等によりVX<VSになると、コンパレータ169の出力は前記した第一状態と異なる第二状態(ここではHレベル)となる。
そして、このコンパレータ569の出力は、電源遮断信号(異常検出信号)の出力手段であるANDゲート570(異常確定情報生成手段)の一方の端子に入力される。そして、ANDゲート570の他方の端子には、電源遮断信号発生用基準信号568が入力されている。この電源遮断信号発生用基準信号568は、前記したコンパレータ569の第二状態に対応する電圧レベルVYを有する(ここでは便宜的にVS=VYとしている)。従って、コンパレータ569の出力が前記した第二状態になった場合にのみ、ANDゲート570は電源遮断信号VKを出力し(ここではLレベル)、これがCPU601,401(図14参照)の割込端子に入力される。
コンパレータ569及びANDゲート570の作動電圧は、定電圧回路部552(出力:+12V)により供給されている。なお、ANDゲート570の作動電圧は+5Vなので、分圧抵抗570a、570bからなる調整部570c(DC−DCコンバータ等であってもよい)により電圧調整されている。また、前記した電圧監視基準信号567及び電源遮断信号発生用基準信号568も定電圧回路552により作られる(電圧レベルは分圧抵抗563、564からなる調整部560により調整されている)。なお、停電時には定電圧回路552からの電力供給も途絶えるので、ダイオード562とコンデンサ561を有する、補助電源回路556と同様の構成の基準信号用補助電源回路559が設けられている。
本実施態様においては、停電等の電断発生時には、上記蓄電手段からの補助電力の供給により、RAM681,481(図14参照)内に遊技態様を成立させるための遊技媒体情報が記憶・保持(バックアップ)されることとなる。例えば、異常発生時にCPU601,401(図14参照)がNMI割込み信号を受けると、CPU601,401(図14参照)のレジスタに書き込まれている遊技態様を成立させるための制御プログラム情報が、該CPU601,401(図14参照)の制御に基づいてRAM681,481(図14参照)に移管され、該制御プログラム情報が記憶・保持(バックアップ)される。また、異常発生時のRAM681,481(図14参照)に記憶されている遊技情報も、該RAM681,481に記憶・保持される。
なお、電源受電基板128からのAC24V等、その他の電圧レベル値を監視し、該電圧レベルが所定値よりも低下した場合に、上記バックアップ電圧を供給する構成とすることも可能である。これら監視する電圧値、電断信号(NMI割込み信号)を変化させるタイミングは、バックアップの対象とする制御部に応じて種々変更することが可能である。例えば、上述の賞球モータ297(図3参照)に対して余分な払出しを防止するためには、該モータ297の駆動電圧を参照して決定することが可能である。また、払出しに要する時間を考慮して、電断信号及びシステムリセット信号を変化させるタイミングを決定することが可能である。
図18に示した電源ユニット127の変形例について説明する。図27に示した電源ユニット420においては、入力交流電圧(AC24V)は以下の手順にて変換出力される。なお、電源ユニット420には、入出力コネクタ421,422としてCN1〜CN4が設けられている。
まず、電源受電基板410から入力される交流電圧は、例えばダイオード等の整流回路素子を備えた整流回路760aにおいて整流される(例えば上記ダイオードブリッジ574等による全波整流)。整流された電圧は、脈流(24V)として例えばコネクタCN2の10番端子から副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)に出力することが可能である。なお、この脈流電圧は、供給先の各制御基板において種々の目的に応じて平滑化することが可能で、コンデンサ又は三端子レギュレータ等により平滑化可能である。例えば、抵抗フィラメントを含む発光装置、例えばランプ制御基板においてランプ類の点灯駆動用に使用する場合には、そのまま脈流電圧を用いることが可能で、発射制御基板において発射装置用トルクモータの駆動用に使用する場合には、該発射制御基板において脈流を平滑化して、安定な直流電圧を用いることが可能である。
また、電源受電基板410から入力され、整流回路760bにおいて整流された電圧は、上記と同様の三端子レギュレータを備えた降圧型チョッパレギュレータIC763にて変圧・安定化された後、再び整流回路素子及び平滑化回路素子を含む整流・平滑化部(平滑フィルタ)764において整流・平滑化され、DC12V−Aとして出力される。なお、このDC12V−Aは、例えばコネクタCN2の8番端子から電源中継基板121(図18参照)を介して、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380に出力されるものとされている。
また、電源受電基板410から入力され、整流回路760cにおいて整流された電圧は、さらに整流された後、DC32Vとして例えばコネクタCN2の9番端子から副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)に、またコネクタCN4の4番端子から主制御基板340に出力される。同じく整流回路760cにおいて整流された電圧は、一方で上記と同様の三端子レギュレータを備えた2出力チョッパレギュレータIC765にて変圧・安定化された後、再び整流回路素子及び平滑化回路素子を含む整流・平滑化部(平滑フィルタ)764において整流・平滑化され、DC12V−B及びDC5Vとして例えばコネクタCN2の7番及び4番、5番端子から副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)に、またコネクタCN4の3番及び2番端子から主制御基板340に出力される。なお、このDC12V−Bは、主制御基板340、枠制御基板350、発射制御基板201に出力されるものとされており、DC5Vは主制御基板340及び副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)に出力されるものとされている。なお、DC5Vの出力は、電源遮断時において、内蔵RAM481及び681(図14参照)の内容をバックアップするための電圧供給を補償するために、電気二重層コンデンサ等を含むバックアップ回路769を介してCN2の3番端子に出力されている。
次に、電源受電基板410から入力され、整流回路760cにおいて整流された電圧は、電断検知回路771に出力される。この電断検知回路771は、電源電圧の監視を行う回路であって、出力される電源電圧が一定値以下となった場合に、電断信号を出力する回路部である。この電断信号は、出力バッファ772からフィルタ773を介して、コネクタCN3の2番端子から主制御基板340及び賞球制御基板350に出力される。主制御基板340及び賞球制御基板350に電断信号が入力されると、該主制御基板340及び賞球制御基板350はバックアップ処理を行うものとされている。
また、電断検知回路771はメモリクリア信号を出力する。このメモリクリア信号は、電源投入時に主制御基板340及び賞球制御基板350のRAM481及び681(図14参照)の内容を消去(クリア)するための信号である。具体的には、電源投入時のみに有効とされるメモリクリアスイッチ(電源ユニット420に設けられている(図示略))を人為的に押しながら、電源を投入することによりメモリクリア信号が生成され、CN3の1番端子から主制御基板340及び賞球制御基板350に出力される。
一方、電断検知回路771は副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)用のシステムリセット信号を出力する。すなわち、本実施例においては、主制御基板用のシステムリセット信号は主基板電源制御部870にて生成され、該主制御部用のシステムリセット信号と副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)用のシステムリセット信号が異なる回路部にて生成されるとともに、異なるコネクタ及び信号線を介して出力される。この副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)用のシステムリセット信号は、電源投入時に各副制御基板350〜380にコネクタCN3の3番端子から出力されて、該副制御基板350〜380にて初期化が行われる。その後、主制御基板用のシステムリセット信号が、主基板電源制御部870から出力されて主制御基板340の初期化が行われる。
次に、主制御基板(主基板)340への電源電圧の出力は、各副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)への電源電圧の出力が行われた後に行われるものとされている。このような出力制御は、具体的には、図27に示す主基板電源制御部(主制御基板電源制御部)870により行われている。この主基板電源制御部870は、主制御基板340への電源電圧の出力を制御するものであって、各副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)からの信号に基づいて主制御基板340に対して電源電圧を供給するものとされている。すなわち、各副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)に電源電圧が供給され、該副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)における制御(作動)が開始された場合に当該副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)から出力される作動生起信号(起動信号)が主基板電源制御部870に入力された場合に、主制御基板340に対して電源電圧を供給するものとされている。副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)においては、電源電圧が供給されて、その制御が開始された場合に作動生起信号を出力する作動生起信号出力手段(各副制御部のCPU)が設けられ、該作動生起信号出力手段にて出力された作動生起信号は、中継基板121(図18参照)を介して電源ユニット420のコネクタCN4の5〜8番端子に入力される。なお、該作動生起信号は電源ユニット420に直接入力されるものとすることも可能である。
主基板電源制御部870は、図28に示すように、ANDゲート(論理回路)871と、リレー(継電器)872を備えている。コネクタCN4の5〜8番端子(図27参照)に入力された各副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)からの作動生起信号は、ANDゲート(論理回路)871に入力され、全ての入力がHレベルとなった場合に、ANDゲート(論理回路)871からHレベル信号がリレー872に対して出力されて、リレー872が作動する。リレー872の作動により、主基板電源制御部870に供給される各電源電圧(5V,12V−B,32V)が通電され、これに基づいてリセットIC873にてシステムリセット信号が生成されるとともに、該システムリセット信号が主制御基板340に出力されて主制御基板340の制御が初期化される。さらに各電源電圧(5V,12V−B,32V)が主制御基板340に出力され、該主制御基板340の制御(作動)が開始される。
また、主基板電源制御部870としては、図29に示すようにCPU877を主体として構成し、該CPUが副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)からの作動生起信号に基づき、主制御基板340への電源電圧を出力する構成とすることも可能である。すなわち、各副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)からの作動生起信号は、I/Oポート875及びデコード回路876を介してCPU877に入力され、該入力に基づいてCPU877は、リレー872に作動指令信号を出力するものとすることができる。
このような図28,29に示した主基板電源制御部870を設けることにより、副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)における制御の起動が主制御基板340の制御の起動よりも早くなり、主制御基板340からの制御信号を取りこぼす等の不具合が生じ難くなる。なお、本実施例においては、主制御部140の制御が開始されると、後述する動作開始許可信号(図23参照)が賞球制御部150に送信されるものとされている。また、主基板電源制御部870を設けることなく、主制御基板340と副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)の上記不具合を解消する方法も考えられる。すなわち、電源ユニット420から各制御基板(主制御基板340、副制御基板)に出力するシステムリセット信号の共通化を行い、各制御基板に出力されるシステムリセット信号の出力タイミングを一定とする一方、主制御基板340にのみ遅延回路を設ける。この方法により、電源投入時に電源ユニット420からシステムリセット信号が出力され、主制御基板340にのみ遅延回路が設けられていることから、副制御基板(賞球制御基板350、図柄制御基板360、ランプ制御基板370、音声制御基板380)における制御の起動が主制御基板340の制御の起動よりも早くなる。
次に、遊技機1の動作について、主制御部140のCPU401が実行する処理を中心にして説明する。遊技機1が起動されると、CPU401は初期設定処理を実行し、その後はタイマリセットされる毎に(本実施例の場合、リセット周期は2.048ms)、図31に示されるメインジョブを繰り返し実行する。
図9に示すように、メインジョブにおいては、CPU401はスタートスイッチチェックジョブ(S100)として、発射ハンドル9(図16参照)に付属しているスタート/ストップスイッチがスタート状態にされているか否か、ゲーム開始フラグがセットされているか否か、入球領域に設けられた各種入球検知スイッチ25a,23c,21c(図3及び図7参照)のカウント値が16個未満か否かの判定を行う。
次にゲーム開始ジョブ(S200)では、図10に示すように、CPU401はS201においてゲーム終了フラグは「1」か否かを判断し、肯定判断ならば、S202においてゲーム終了フラグを0クリアするとともに、ゲームの開始に必要な各種のフラグやタイマーに対して確認、設定あるいはクリア等の処理を行い、否定判断のときにはリターンする。なお、ゲーム終了フラグは前述の初期設定でセットされ、その後はS1000の遊技終了ジョブ(図9参照)においてセットされる。
図9に戻り、続く発射ジョブ(S300)では、CPU401は設定時間や発射ハンドル9(図16参照)の操作状態を確認し、確認結果に基づいて発射装置ユニット8(図2参照)の発射モータ93(図16参照)のON/OFF制御を実行する。そして、発射ジョブ(S300)に続いて、発射数カウントジョブ(S400)が実行され、この発射数カウントジョブ(S400)では、球送りカウントスイッチ95,槌先球検知スイッチ94(図8参照)の検知情報、ファール球センサ197(図8参照)の信号に基づくファール球などのそれぞれの確認及び発射回数カウンタの更新が行われる。なお、主制御部140(図3参照)に設けられた発射回数カウンタには、球送りカウントスイッチ95(図8参照)によってカウントされた発射球数とファール球センサ197(図8参照)にて検出されたファール球との差、すなわち有効発射球数が書き込まれる。また、槌先球検知スイッチ94(図8参照)にて発射位置における遊技球の有無が検出される。
ここで、発射数カウントジョブ(S400)について実施可能な態様を説明する。まず、図30に球送りフラグセットジョブの流れを示す。このジョブにてセットされる球送りフラグは図31に示した発射数カウントジョブにて参照される。球送りフラグセットジョブにおいては、S490にて球送りカウントスイッチ95(図8及び図22参照)を読み込み、検知があった場合に(S491:YES)、S492にて球送りフラグメモリ(RAM481)に球送りフラグ「1」をセットするものとされている。
このようにセットされる球送りフラグを参照して、図31に示す発射数カウントジョブが行われる。この発射数カウントジョブにおいては、槌先球検知スイッチ94(図8及び図22参照)からの割込信号があった場合(S410)に、S415にて上述の球送りフラグメモリ(RAM481)を読み込み、球送りフラグがセットされている場合(S420:YES)、S425において、発射数カウンタ(有効発射球数)を+1更新するものとされている。なお、S430において、上記球送りフラグが「0」にリセットされるものとされている。
一方、図32に示すような回路構成により発射数をカウントすることも可能である。すなわち、球送りカウントスイッチ95からのパルスの立上りエッジにより出力レベルを変化させることが可能なフリップフロップ861(例えばJKフリップフロップ)からの信号と、槌先球検知スイッチ94からのパルスの立下りエッジにより出力レベルを変化させることが可能なフリップフロップ862(例えばJKフリップフロップ)からの信号とが、ANDゲート863を介してCPU141に入力されるものとされている。この場合、ANDゲート863からの出力があった場合に、発射数(有効発射球数)をカウントするものとすることができる。なお、槌先球検知スイッチ94からのパルスの立下りエッジが検出された場合、すなわちフリップフロップ862の出力をCPU141が読み込み、該出力があった場合に、両フリップフロップ861,862がリセットされるものとされている。
上記のような発射数カウントの態様について、そのタイミングチャートを図33に示す。例えば、上皿5(図1参照)に15球の遊技球しかない場合に、該上皿5(図1参照)にある15球目の遊技球が、球送りソレノイド91(図16参照)の作動により図34に示した発射レール881の発射位置882に送られると、球送りカウントスイッチ95から検知信号(パルス)が出力される。そして、該15球目の遊技球は、槌先球検知スイッチ94にて検知され、その検知信号(パルス)が出力されるとともに、発射ハンマ(打撃装置)93aの作動により該15球目の遊技球が発射される。その発射によって、上記槌先球検知スイッチ94の検知がなくなり、その検知信号(パルス)の出力がOFFとなる。この場合、球送りカウントスイッチ95からの立上りエッジが検出された場合であって、且つ槌先球検知スイッチ94からの立下りエッジが検出された場合に、発射球数を「15」にカウント更新するものとされている。
続いて、所定時間経過後に、球送りソレノイド91(図16参照)が作動するが、16球目の遊技球がないために球送りカウントスイッチ95から検知信号(パルス)は出力されない。ここで、例えば図35に示すように、15球目の遊技球が発射位置882に戻ってきた場合には、該戻り球が槌先球検知スイッチ94に検知され、槌先球検知スイッチ94からの立下りエッジが検出される(図33参照)。しかしながら、この場合、球送りカウントスイッチ95からの立上りエッジが検出されていないため、戻り球と判断し、発射球はカウントされないものとされている。なお、該戻り球は図34と同様に発射ハンマ(打撃装置)93aの作動により15球目の遊技球として再び発射されるものとされている。
図33に戻り、15球目が発射された後、16球目の遊技球を上皿5に投入し、該16球目の遊技球が球送りソレノイド91(図16参照)の作動により発射レール881の発射位置882に送られると(図36参照)、球送りカウントスイッチ95から検知信号(パルス)が出力される。そして、該16球目の遊技球は、槌先球検知スイッチ94にて検知され、その検知信号(パルス)が出力されるとともに、発射ハンマ(打撃装置)93aの作動により該16球目の遊技球が発射される。その発射によって、上記槌先球検知スイッチ94の検知がなくなり、その検知信号(パルス)の出力がOFFとなる。この場合、球送りカウントスイッチ95からの立上りエッジが検出された場合であって、且つ槌先球検知スイッチ94からの立下りエッジが検出された場合であるため、発射球数を「16」にカウント更新する。
図9に戻り、発射数カウントジョブにて更新される発射回数カウンタを参照してS450の発射制御ジョブが行われる。具体的には図26に示すように、例えば1回のゲームにおいて、有効発射球数が上限値16未満の場合(S451:YES)は、S452に進んで主制御部140は球送りソレノイド91(図16参照)を作動させるべく、制御信号を賞球制御部150(図3参照)を介して発射制御部201aに送信する。若しくはS451にて否定判断された場合、S453にて槌先球検知スイッチ94(図8参照)の検知の有無を確認し、該槌先球検知スイッチ94(図8参照)にて遊技球が検知された場合には、S454に進み発射モータ93(図16参照)のみを作動させるべく、制御信号を同様に発射制御部201aに送信する。なお、上記球送りソレノイド91と発射モータ93の作動はそれぞれ別途制御信号を送信して行われるものとされているが、球送りソレノイド91と発射モータ93とを逐次的に作動させるシーケンス信号(逐次信号)を発射制御部201aに送信することで、それぞれの装置を同一シーケンスで逐次的に作動させることも可能である。なお、槌先球検知スイッチ94(図8参照)にて遊技球の検知が無い場合(S453:NO)は、各種入球検知スイッチ25a,23c,21c(図3及び図7参照)のカウント値が16個未満か否かの判定が行われ、16個あった場合は当該単位遊技における発射制御が終了される。
次に、当否判定用の乱数カウンタのカウント値を更新する乱数更新ジョブ(S500)が行われる。これは、誘導図柄表示装置17における図柄の当否判定を乱数によって行うための乱数更新ジョブであって、図11に示すように、乱数処理として実行される乱数更新ジョブ(S500)では、CPU401は、S501においてRAM481(図14参照)の設定エリアに設けられている乱数の値を1インクリメントさせ、続くS502において1インクリメントされた乱数の値が50以上か否かを判断する。ここで、乱数の値が50以上との肯定判断がなされると、S503で乱数の値を0クリアする処理がなされる。この後、乱数の値が50未満との否定判断がなされたときには、リターンする。このように更新される乱数値を所定のタイミング(誘導図柄作動ゲート16での通過検知時)で取得し、予め定められた当否決定値と比較して上記当否判定を行っている(当否判定ジョブ)。
図9に戻り、続いて遊技ジョブ(S600)が実行される。この遊技ジョブ(S600)のサブルーチンとして図12に示される図柄表示ジョブ(S610)が行われる。この図柄表示ジョブ(S610)では、CPU401は、S611において役物作動口入球検知スイッチ21c(図7参照)、役物作動口(得点増加装置作動口)入球検知スイッチ23c(図7参照)、16連入球検知スイッチ25a(図3参照)等の遊技領域に設けられた各入球領域の入球検知スイッチをスキャンする。これらからの検知信号があれば、S612において入球図柄表示装置25に対応する数字のランプを点灯表示させる。入球図柄表示装置25において、例えば4つの連続した数字ランプが組合せ点灯表示すれば得点成立となり、所定数の遊技球等が払い出される。
また、遊技ジョブ(S600)のサブルーチンとして図17に示す誘導図柄表示ジョブ(S620)が別途行われる。なお、誘導図柄作動ゲート16への入球(すなわち誘導図柄作動口入球(ゲート通過)検知スイッチ16dにおける検知)に基づき、上記当否判定ジョブが行われ、さらには、外れないし当りの図柄決定用乱数及びリーチ態様決定用乱数の取得が行われ、その結果がRAM481(図14参照)に記憶される。まず、S621において、誘導図柄作動ゲート16への遊技球の通過に基づき、誘導図柄表示装置17において各図柄(この場合3桁の誘導図柄とする)の可変表示を開始させる。次いで、S622において、上記当否判定ジョブで得られた当否結果を参照し、当り判定(「1」)の場合は(S623:YES)、S632に進み、上記乱数により決定されたリーチ態様決定用値を読み出し、さらにS633に進み、同様に乱数により決定された大当り番号を読み出し、S631に進んで、例えば左図柄及び中図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、右図柄を左図柄及び中図柄と同一図柄に揃えて停止表示させ確定させる。
一方、外れリーチ判定(「2」)の場合は(S624:YES)、S628に進み、上記乱数により決定された外れリーチ図柄番号と、外れ右図柄番号とを読み出す。そして、S629において、読み出した外れリーチ図柄番号と外れ右図柄番号とを比較し、それらの差異に基づき外れリーチ態様を決定する(S630)。具体的には、S629において、それらの番号の差(すなわち、例えば左図柄と右図柄との差)を算出し、その差に基づいてRAM481(図14参照)に予め記憶されている外れリーチ態様メモリから外れリーチ態様データを読み出す。例えば、差が「−1」の場合(すなわち、例えば右図柄が左図柄の1つ前の図柄となる場合)、複数種類(例えば3種類)の外れリーチの中から1種が選択され(例えば、所定の乱数取得により選択することができる)、読み出される。その後、例えば、左図柄及び中図柄を同一図柄に揃えて所定のリーチ表示態様を経た後に、右図柄を他の図柄とは異なる図柄で停止表示させ確定させる。
また、通常外れ判定(「3」)の場合は(S625)、S626に進み、上記乱数により決定された外れ各図柄番号を読み出し、S627に進んで、各誘導図柄を、相互にずれたタイミングで停止表示させ確定させる。なお、通常外れ判定の場合も、1つの図柄のみ可変表示時間を遅らせる等、表示態様を種々の態様に変化させることも可能である。
このような誘導図柄表示ジョブ(S620)にて決定された表示態様は、対応するコマンドデータ(指令信号)として主制御部140から図柄表示装置制御部160へ所定の時間間隔をおいて出力され、図柄表示装置制御部160は、そのコマンドデータに基づいて任された範囲で制御態様を選択して表示制御を行う。なお、上記図柄表示装置制御部160に上記コマンドデータに対応して複数の表示パターンからなる表示パターン群を記憶させておき、指令信号として送信されたコマンドデータに対応する表示パターンを表示パターン群の中から選択して(乱数取得等により選択することができる)、誘導図柄表示装置17における表示制御を、図柄表示装置制御部160において行うものとすることができる。
図9に戻り、続いてインターバルタイマセットジョブ(S700)が実行される。図15に示すように、このインターバルタイマセットジョブ(S700)では、CPU401はS701においてゲーム中か否かを判断し、ゲーム中であれば肯定判断となり、S702において各種入球検知スイッチ25a,23c,21c(図3及び図7参照)のカウント値が16個未満か否かの判定を行う。否定判断であれば、続くS703において、インターバルタイマ(遊技確認時間)のカウント値は「0」か否かを判断し、肯定判断であれば、続くS704においてインターバルフラグを「1」にセットする。なお、S701,S703において否定判断、S702において肯定判断であれば、リターンする。例えば設定球である16個目の最後の遊技球が発射されたことを球送りカウントスイッチ95及び槌先球検知スイッチ94(図8参照)によって検知してから一定時間経過後(例えば、5秒後)に、設定球である16個目の最後の遊技球が遊技領域に設けられた各種入球領域に入球したことを各種入球検知スイッチ25a,23c,21c(図3及び図7参照)からの検知信号によって検知してから一定時間経過後(例えば、2秒後)において、所定の時期を開始時間と設定し、その開始時間から次のゲームが開始されるまでの間がインターバル期間として定められる。
図9に戻り、続いて得点演算ジョブ(S800)が実行される。図13に示すように、得点演算ジョブ(S800)では、CPU401はS801において、1ゲーム中に入球図柄表示装置25における得点成立に係る組合せ表示が成立しているか否かを判断し、肯定判断であればS802に進んでその組合せに対する得点を加算する。続くS803において、得点増加装置が作動しているか否かを判断し、肯定判断であればS802で加算された得点を倍増し、否定判断であればリターンする。なお、S801において否定判断された場合にはS803にスキップするが、S803へのスキップを省略してリターンに抜けるものとしてもよい。
図9に戻り、S900では払出ジョブが実行され、得点演算ジョブ(S800)でセットされた得点データに基づいて、賞球払出のためのデータ取得等が行われる。そして1ゲームが終了したときに、得点表示装置29(図1参照)に1ゲームにおいて成立した得点を払出スコアとして表示し、そのゲームの得点1点につき16個の遊技球が賞球として払出され、入球図柄表示装置25は消灯される。ただし、得点の上限は10点で、10点を超える分は賞球払出の対象とされない。
最後に実行される遊技終了ジョブ(S1000)では、CPU401はインターバルフラグが「1」にセットされているか否かを判断し、否定判断であれば、16個の有効発射球数が発射された後の調整時間を経過したか否かを判断する。調整時間を経過していれば、インターバルフラグを「1」にセットし、次いでインターバルタイマをカウントアップすれば、ゲーム終了(単位遊技終了)フラグを「1」にセットしてリターンする。
次に、遊技機1の遊技態様について、主に図2を参照して説明する。まず、普通遊技状態の遊技態様について説明する。遊技球が誘導図柄作動ゲート16を通過すると誘導図柄表示装置17が作動する。誘導図柄表示装置17に予め定められた図柄の組合せが確定表示されると、役物誘導装置(主制御部140)が作動して、役物作動口(特定入球口)21の可動片21a,21bが開放される。開放作動中に役物作動口(特定入球口)21に遊技球が入球した場合、若しくは所定回数(例えば2回)の単位遊技が経過した後に開放を終了する。なお、役物作動口(特定入球口)21に遊技球が入球すると、入球図柄表示装置25の5番、8番が点灯表示される。この5番、8番は、16連入球口24の入球困難な入球口に対応している。
役物作動口(特定入球口)21に入球した遊技球は、誘導増加装置作動領域19a、誘導増加装置非作動領域19b,19bのいずれかに誘導される。ここで、遊技球が誘導増加装置作動領域19aに入球し、誘導増加装置作動領域通過検知スイッチ19d(図7参照)に検知されると、誘導増加装置(主制御部140)が作動し、特別遊技状態が発生する。この誘導増加装置は、最高14回の単位遊技(14ゲーム)まで継続して作動するものとされている。なお、各単位遊技において獲得された得点は、入球図柄表示装置25の下方に設けられた得点表示装置29(図1参照)にて表示される。
以上が普通遊技状態にかかる遊技態様であって、誘導図柄作動ゲート16、誘導図柄表示装置17、役物作動口(特定入球口)21、誘導装置20a、誘導増加装置作動領域19aは第1の遊技態様用(特別遊技発生用)の遊技装置群として機能している。
次に、特別遊技状態の遊技態様について説明する。上記誘導増加装置の作動中、すなわち特別遊技状態中に、遊技球が役物誘導装置作動ゲート26を通過すると、役物誘導装置(主制御部140)が作動して、役物作動口(得点増加装置作動口)23が所定時間開放される。該役物作動口23へ遊技球が入球するか、当該開放したときの単位遊技が終了した場合に開放動作を終了するものとされている。役物作動口(得点増加装置作動口)23に遊技球が入球すると、入球図柄表示装置25の8番、9番、12番、13番が点灯表示されるとともに、そのゲーム(単位遊技)中に獲得した得点が2倍となる。この8番、9番、12番、13番は、16連入球口24の入球困難な入球口に対応している。この特別遊技状態は、14回の単位遊技を上限として繰り返し行われ、該単位遊技が14回目に達するか、誘導増加装置作動領域19aに遊技球が入球するかのいずれかによって終了となる。以上が特別遊技状態にかかる遊技態様であって、役物誘導装置作動ゲート26、役物作動口(得点増加装置作動口)23は第2の遊技態様(特別遊技状態)用の遊技装置群として機能している。なお、特別遊技状態が継続する上限を抽選によって選択するものとすることもできる。例えば、誘導増加装置作動回数判定図柄表示装置を遊技領域11に配設し、誘導増加装置作動領域19aに遊技球が入球した後に該回数判定図柄表示装置にて確定表示された図柄に基づき、上記特別遊技状態の最高継続回数を決定するものとすることができる。
次に、本実施例の遊技機1には、単位遊技において発射可能な遊技球数(発射上限球数:例えば16個)の発射が行われた後、次の単位遊技に進む前に所定時間のインターバル時間が設けられている(例えば2秒)。インターバル時間の開始契機としては、例えば16個の遊技球の発射後、全ての遊技装置が作動を終了してからとすることができる(インターバル機能)。この場合、16個の遊技球が発射されてから遊技の終了までのインターバル時間において、該インターバル時間経過中である旨をランプ(LED等含む)や音声等のインターバル告知手段にて遊技者に対して知らせることが可能である。このようなインターバル告知手段としては遊技機前面に別個に表示装置を設けることや、誘導図柄表示装置(可変表示装置)17を用いて告知を行うことも可能である。
また、誘導図柄表示装置(可変表示装置)17の作動契機は、誘導図柄作動ゲート(始動検知装置)16へ遊技球が通過したことによるが、その通過検知時に、当該ゲームにおいて発射若しくは発射とみなされた遊技球の数(発射球数)に基づいて、誘導図柄表示装置(可変表示装置)17に表示される変動パターン(可変表示パターン)が選択されるものとされている。変動パターン(可変表示パターン)としては、例えば図柄等が変動(可変)表示を開始してから確定表示するまでの変動表示時間(可変表示時間)が異なる幾つかのパターンを含むものとすることができる。例えば、図25に示す変動パターン選択ジョブのように、S951において誘導図柄作動ゲート(始動検知装置)16で遊技球の通過を検知すると、S952で当該単位遊技(1ゲーム)にて発射若しくは発射とみなされた発射球数を確認する。具体的には発射球数が所定数(例えば10個)以上か否かを確認し、所定数未満の場合はS954において変動時間の相対的に長い変動パターンを選択する。一方、発射球数が所定数以上の場合は変動時間の相対的に短い変動パターンを選択するものとされている。このように選択された変動パターンに基づいて誘導図柄表示装置(可変表示装置)17における変動表示(可変表示)が行われる。なお、上記変動パターン選択ジョブは主制御部140が主体となって行うものであるが、図柄表示装置制御部160が主体となって行うものとすることも可能である。また、変動パターンについて、変動時間に応じてさらに複数の変動パターンを予め記憶しておき、それぞれ発射球数に応じて選択されるものとすることが可能である。なお、上記発射若しくは発射とみなされた発射球数とは、球送りカウントスイッチ95(図8参照)にて計数された送り球の数から、ファール球センサ197(図8参照)にて検知された遊技球(ファール球)の数を差し引いたものを言う。
また、遊技機1にはエラー検出機能が具備されている。例えば、1回の単位遊技において、発射上限球数16個の遊技球が発射されてから一定時間(例えば各入球装置(入球口)への入球確認時間として約5秒以上)が経過した後に、発射された全ての遊技球が入球装置(入球口)に入らなかった場合に、球掛かりエラー処理を行うものとされている。なお、発射上限球数16個の遊技球の発射は、球送りカウントスイッチ95(図8参照)とファール球センサ197(図8参照)によりカウントされる有効発射球数が16個となり、且つ槌先球検知スイッチ94にて遊技球が検知されてから所定時間(例えば戻り球確認時間として約2秒以上)が経過した後に該槌先球検知スイッチ94にて遊技球が検知されない場合を、発射上限球数16個の遊技球の発射が完了したものとすることができる。このようなエラー機能は、障害釘等により遊技球が遊技領域11において引っ掛かっている可能性を示唆するものである。この場合のエラー処理は、遊技機1の前面部に設けられた表示装置(エラー用表示装置を用いたり、可変表示装置等を用いたりすることができる)にエラー報知を行うものとすることができ、この場合、特に16から実際に入球した数を差し引くことにより、引っ掛かった遊技球数を算出することができ、該遊技球数を表示装置にて表示することも可能である。なお、エラー解除については、例えば遊技店の店員等により引っ掛かった遊技球をいずれかの入球装置(入球口)に入球することにより行われるものとすることができる。なお、エラー処理(エラー検出を含む)は各種スイッチ及び入球検知機構等を参照して主制御部140が主体となって行うものとされている。
その他のエラー検出機能としては、例えば発射された遊技球の無効条件が設定されている。具体的には、遊技領域11に発射された遊技球数は、槌先球検知スイッチ94を参照しつつ、球送りカウントスイッチ95(図8参照)とファール球センサ197(図8参照)との検知結果から差を算出することで計数可能であって、該発射された遊技球数よりも多くの遊技球数が1回の単位遊技において入球装置(入球口)に入球した場合(各入球領域の入球検知スイッチに検知された場合)に、その入球を無効とするとともに、エラー処理を行う。具体的には、当該エラーが生じた場合に各入球装置(入球口)の各種スイッチ及び入球検知機構を無効とするとともに、エラー用表示装置等によりエラー表示を行うものとすることができる。
上記実施例の遊技機の賞態様として、遊技球(賞球)の払出し制御態様について説明する。当該実施例の遊技機においては、賞態様(得点)があった時点で遊技球の払出しが行われるものとされている。遊技球の払出しを行った後に役物作動口(得点増加装置作動口)23への有効な入球が検知され、得点増加装置が作動した場合は、その作動時点において得点増加装置の作動による増加分の遊技球を払い出すものとされている。なお、この得点増加装置の作動による増加分の遊技球の払出しは、当該作動した単位遊技の16個目の発射が終了した場合、又は16個目の入球が検知された場合、若しくは当該作動した単位遊技の次の単位遊技が開始された場合に行うこともでき、さらには全ての遊技装置の作動終了が確認された場合に払出しを行うことも可能である。また、上記インターバル時間が終了した後に遊技球を払い出すことも可能であり、上記全ての遊技装置の作動が終了した後の所定時間(遊技確認時間)経過後に遊技球を払い出すことも可能である。
次に、発射装置制御基板201(図16参照)に接続された発射モータ93は、発射位置に送り込まれた遊技球を遊技領域11(図1参照)に打ち込むための発射ハンマを稼働させるモータであって、該モータ93の作動を検知し外部出力させることができる。例えば、発射装置が作動中であることを検知する発射モータ検知スイッチを発射装置ユニット8(図2参照)に設け、該検知信号を主制御部140(図3参照)に送ることで発射装置が作動しているか否かを判断することが可能となる。また、発射モータ検知スイッチからの検知信号を試験端子342,343(図20及び21参照)から試験装置807(図3及び20,21参照)に出力させて、発射タイミングすなわち遊技の開始タイミングを判断することが可能となる。したがって、第三者検査機関による的確且つ迅速な試験を行うことが可能となる。
なお、ここで球送りソレノイド91を含む球送り装置の概略について図37の正面図及び断面図を参照しつつ説明する。図37(a)は、球送りソレノイド91がOFFとなり、球送り弁99が上皿5(図1参照)からの遊技球を受入れ不可能な状態となった場合の、球送り装置の正面図及び断面図である。この場合、球送りソレノイド91が消磁することに連動し、球送り弁99が相対的に下側に揺動して、上皿5(図1参照)にある遊技球を、当該球送り弁99に設けられた送り待機部96に受入れ不能な状態にしている。
また、図37(b)は、球送りソレノイド91がONになり、球送り弁99が上皿5(図1参照)からの遊技球を受入れ可能な状態となった場合の、球送り装置の正面図及び断面図である。この場合、球送りソレノイド91が励磁することに連動し、球送り弁99が相対的に上側に揺動して、上皿5(図1参照)にある遊技球を該上皿5と連通する入口部98を介して当該球送り装置内部の送り待機部96に受入れ可能となる。また、球送り弁99は、発射位置882(図34参照)に連通する出口部97からの、送り待機部96に受け入れた遊技球の該発射位置882への送り(流出)を阻害する状態とされている。
さらに、図37(c)は、球送りソレノイド91がOFFとなり、球送り弁99が上皿5(図1参照)からの遊技球を受入れ不可能な状態であって、発射位置882(図34参照)への遊技球の送り(流出)を可能とした場合の、球送り装置の正面図及び断面図である。この場合、球送りソレノイド91が消磁することに連動し、球送り弁99が相対的に下側に揺動して、上皿5(図1参照)にある遊技球の送り待機部96への受入れ(流入)を阻害する状態となる。また、球送り弁99は、発射位置882(図34参照)に連通する出口部97からの、送り待機部96に受け入れた遊技球の該発射位置882への送り(流出)を許容する球送り状態でとされている。
上記のような球送りソレノイド91のON−OFFと、それに伴う球送り弁の揺動の位置変化により、遊技球が発射位置882(図34参照)に送られるものとされている。
以下、主制御部140から払出制御部(賞球制御部)150に送信される制御信号の内容について図面を参照しつつ説明する。送信側制御部としての主制御部140から送信される信号として図23(主制御部140から賞球制御部150に送信される制御信号の一例を示す図)に示すように、発射停止解除信号、発射停止信号、ハンマ作動信号(打撃装置特別作動信号)があり、これら信号は受信側制御部としての賞球制御部150に送信され、該賞球制御部150から発射制御部201aに所定のタイミングで送信されるものとされている。そして、これら賞球制御部150又は発射制御部201aにおいて予め定められた時期に上記各信号が受信できなかった場合に、エラー検出を行うものとすることができる。
ここで、発射停止解除信号は、16個の遊技球が各入球検知スイッチ25a,21c,23cにて検知され、遊技領域に設けられた誘導図柄表示装置17等の遊技装置の作動が終了した場合に送信されるものとされ、発射停止信号は、球送りカウントスイッチ95(図8参照)にて16個の遊技球が計数された場合に送信されるものとされている。また、ハンマ作動信号は、16個の遊技球が発射された後に槌先球検知スイッチ94(図8参照)にて遊技球が検知された場合に送信されるものとされている。このような各信号(発射制御信号)がそれぞれの送信時期と異なる不正確なタイミングで送信された場合にエラー検出するものとされている。
上記のような発射制御信号の送信タイミングに関連するエラー検出の具体例について図24を参照しつつ説明する。例えば、発射停止解除信号を賞球制御部150で受信した後に、発射停止信号を受信する前にハンマ作動信号を受信した場合にエラーを検出するものとされている(図24[2]上段)。この場合、16個の遊技球の発射が終了する前に賞球制御部150にてハンマ作動信号を受信したためにエラーとなる。すなわち、16個の発射が終了したにも拘らず槌先球検知スイッチ94(図8参照)にて遊技球が検知された場合に該遊技球のみを発射するために送信されるハンマ作動信号が、16個の発射が終了していない場合に送信されたことによるエラーである。この場合のエラー処理としては、該エラーを主制御部140で検知し、当該遊技機に設けられたランプ、音声、表示等のエラー報知手段(例えば誘導図柄表示装置17を使用可能)にてエラー報知し、当該遊技機を作動させるための電源を遮断させた後、電源を復帰させることより行うことが可能である。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
また、賞球制御部150が発射停止解除信号を受信する前に、発射停止信号又はハンマ作動信号を受信した場合にエラーを検出するものとすることができる(図24[3])。この場合、発射の停止が解除される前に、すなわち発射が許される前に発射停止信号又はハンマ作動信号が送信されたためにエラーとなる。具体的には、発射停止信号又はハンマ作動信号を受信してから所定時間経過後、発射停止解除信号が受信されない場合にエラー処理を行うものとすることができる。この場合のエラー処理としては、該エラーを賞球制御部150で検知し、当該遊技機に設けられたランプ、音声、表示等のエラー報知手段(例えば誘導図柄表示装置17を使用可能)にてエラー報知し、当該遊技機を作動させるための電源を遮断させた後、電源を復帰させ発射停止解除信号を主制御部140から賞球制御部150に送信することより行うことが可能である。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
また、発射停止解除信号を受信し、発射停止信号を受信した後に、ファール球スイッチ197(図8参照)にて検知された遊技球数よりも多くの数の遊技球が球送りカウントスイッチ95にて計数された場合にエラーを検知するものとすることができる。この場合、ファール球(発射した遊技球のうち、遊技領域に到達せずに外レール10c(図22参照)から下皿部6に戻ってきた遊技球)よりも多くの遊技球を発射可能となる(すなわち1ゲームにおいて16個よりも多くの遊技球が発射可能となる)ためにエラーとなる。この場合のエラー処理としては、該エラーを主制御部140で検知し、当該遊技機に設けられたランプ、音声、表示等のエラー報知手段(例えば誘導図柄表示装置17を使用可能)にてエラー報知し、当該遊技機を作動させるための電源を遮断させた後、電源を復帰させることより行うことが可能である。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
次に、主制御部140から賞球制御部150に送信される制御信号のうち、賞球に関する信号について説明する。図23に示すように、本実施例においては、賞球の制御内容は10種類あり、賞球の払出しは16球の払出しを単位としてその整数倍(10倍まで)が払い出されるものとされている。その10種類の払出しの処理プログラムは、該整数倍の払出数毎に払出制御コマンド(60h01h〜60h0Ah)と対応付けて払出処理プログラム記憶手段(主制御部140のROM482(図14参照))に予め記憶されている。例えば賞態様があった場合は、主制御部140は該賞態様に応じて払出制御コマンド(60h01h〜60h0Ah)のいずれかを賞球制御部150に送信し、賞球制御部150は送信された払出制御コマンドに対応する処理プログラムを上記払出処理プログラム記憶手段から読み出し、遊技球の払出しに関連する制御を行うものとされている。
このように、本実施例の遊技機1においては、発射制御内容及び払出制御内容を含む制御プログラムが、制御コマンド(発射制御コマンド及び払出制御コマンド)と対応付けられて主制御部140に予め記憶されており、主制御部140は所定のタイミングで制御コマンドを賞球制御部150に送信するものとされている。さらに、発射制御コマンドは賞球制御部150から発射制御部201aに送信されて、該発射制御部201aは発射装置を各種態様にて作動させるものとされている。
また、本実施例の遊技機1においては、図23に示すように動作開始許可コマンドが、主制御部140から賞球制御部150に送信されるものとされている。例えば、電源入力時又は電断回復時には、賞球制御部150に電源電圧が出力されるものとされており、主制御部140に電源電圧が出力される前(すなわち主制御部140の作動開始前)に賞球制御部150が電断前の記憶状態等により作動を開始してしまう場合があり、この場合、賞球払出しの管理が主制御部140側でできなくなってしまう場合がある。そこで、例えば主制御部140の起動後に主制御部140から賞球制御部150に上記動作開始許可コマンドを送信するものとすることにより、賞球制御部150側では、該動作開始許可信号を待って賞球払出しに関連する制御を行うことが可能となる。したがって、主制御部140において賞球払出しの管理を確実に行うことが可能となり、一層正確な遊技機の作動制御を行うことが可能となる。
次に、図23に示した主制御部140から賞球制御部150に送信される制御コマンド(制御信号)について、その変形例を図38に示す。この場合、図23に示した制御コマンドとは、発射に関連する制御が異なるものとされている。すなわち、図38に示す例では制御コマンド(制御信号)として、球送り禁止信号、球送り許可信号、発射禁止信号、発射許可信号、遊技開始許可信号が主制御部140から賞球制御部150に対して送信可能とされている。球送り禁止信号は、球送りソレノイド91(図16参照)の作動を停止(禁止)させるための信号で、球送り許可信号は、球送りソレノイド91(図16参照)を作動させるための信号である。また、発射禁止信号は、発射モータ93(図16参照)の作動を停止(禁止)させるための信号で、発射許可信号は、発射モータ93(図16参照)を作動させるための信号である。なお、これら信号は送信側制御部としての主制御部140から受信側制御部としての賞球制御部150に送信され、該賞球制御部150から発射制御部201aに送信されるものとされている。
このような制御コマンド(制御信号)を送信可能とすることで、球送りソレノイド91(図16参照)、発射モータ93(図16参照)をそれぞれ別個に作動させることが可能となり、1ゲームにおける上限値(16個)の遊技球を正確に超過なく遊技領域11に発射することが可能となる。例えば、遊技領域に到達せずに外レール(発射誘導レール若しくは遊技領域区画部材)10cに沿って発射方向とは逆方向に戻ってきた遊技球(戻り球)が、槌先球検知スイッチ94(図8,図22参照)にて検知された場合、主制御部140において球送り禁止信号を出力し、発射許可信号を特別に出力することで、上記発射モータ93のみを作動させることが可能となり、発射ハンマ93a(図34参照)により該戻り球を確実に再発射させることが可能となる。
また、球送りカウントスイッチ95(図8,図22参照)で1ゲームにおける上限値(16個)の遊技球を検知した後に、ファール球センサ197(図8参照)にて遊技球の検知があった場合にも、球送り許可信号及び発射許可信号を検知されたファール球数分に対応して出力することにより、そのファール球数分の遊技球を発射位置に送ることが可能となる。該信号を受信した賞球制御部150(発射制御部201a)においては該信号に基づいて発射モータ93(図16参照)を作動制御し、その発射モータ93(図16参照)の作動により発射ハンマ93a(図34参照)が作動し、遊技球が発射されるものとされている。
なお、遊技開始許可信号は、1ゲームの開始時若しくは遊技機1の電源投入時、若しくは停電等の電断回復時に送信されるものであって、球送りソレノイド91(図16参照)及び発射モータ93(図16参照)の作動を開始させるための信号である。ここで、遊技開始許可信号が送信された後に、球送りカウントスイッチ95(図8,図22)にて1ゲームに発射(使用)可能な上限値たる16個の遊技球が検知(計数)された場合、上記球送り禁止信号が主制御部140から賞球制御部150(発射制御部201a)に送信されるものとされている。
また、槌先球検知スイッチ94(図8,図22)にて1ゲームに発射(使用)可能な上限値たる16個の遊技球が検知(計数)された場合、上記発射禁止信号が主制御部140から賞球制御部150(発射制御部201a)に送信されるものとされている。具体的には、図44に示すように、槌先球検知スイッチ94(図8,図22)にて上限値たる16個目の検知信号(出力レベル「HIGH」)があった場合であって、その検知信号の出力レベルが変化した場合(すなわち出力レベルが「LOW」となった場合)に発射禁止信号が出力される。なお、図44に示すように、実際にはこれら発射禁止信号及び球送り禁止信号は、発射許可信号及び球送り禁止信号の出力レベルが反転したものに相当する。
さらに、図45に示すように、主制御部140において、上記発射禁止信号を送信した後、すなわち発射許可信号がLOWレベルとなった後であって、上記槌先球検知スイッチ94(図8,図22参照)からの遊技球の検知信号があった場合には、戻り球の検出とされ、該戻り球を発射させるために発射許可信号(HIGHレベル)が送信されるものとされている。なお、該戻り球に対する上記槌先球検知スイッチ94(図8,図22参照)からの検知信号について、その出力レベルが変化した場合(槌先球検知信号がLOWレベルとなった場合)には、上記発射禁止信号が再び送信されるものとされている(すなわち、発射許可信号の出力レベルがLOWとなる)。
以上のような図38に示した球送り禁止信号、球送り許可信号、発射禁止信号、発射許可信号、遊技開始許可信号が、主制御部140若しくは賞球制御部150(発射制御部201a)において予め定められた時期に送信若しくは受信できなかった場合に、エラー検出が行われるものとされている。
まず、図39[2]に示すように、主制御部140において、球送り禁止信号を送信した後に、球送りカウントスイッチ95(図8,図22参照)から検知信号があった場合、該主制御部140にてエラー検出される。
なお、ファール球センサ197(図8,図22参照)にてファール球が検知された場合には、球送り禁止信号を送信した後であっても、そのファール球センサ197(図8,図22参照)で検知したファール球分に対応して、球送りソレノイド91(図16参照)が作動されるため、該検知したファール球分を超える数の遊技球が球送りカウントスイッチ95(図8,図22参照)にて検知された場合にエラー検出とされる。若しくは、ファール球分の球送りソレノイド91(図16参照)の作動が完了し、球送り禁止信号を再び送信した後に、球送りカウントスイッチ95(図8,図22参照)から検知信号があった場合にエラー検出とされる。
この場合、上限値たる16個の遊技球が発射位置882(図34参照)に送られ、球送りソレノイド91(図16参照)の作動が停止(禁止)となったにも関わらず球送りカウントスイッチ95(図8,図22参照)にて遊技球が検知されたため、また、ファール球数分を超える遊技球が球送りソレノイド91(図16参照)により発射位置882(図34参照)に送られたためエラー検出となる。この場合のエラー処理は、図40[2]に示すように、該エラーを主制御部140(主制御基板340)が処理するものとされており、まず、ランプ4g(図5参照)等のエラー報知手段にてエラーを報知する。そして、エラー回復処理として、当該遊技機1を作動させるための電源を一旦遮断させた後、電源を復帰させることによりエラーを回復させるものとされている。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
次に、図39[3]に示すように、賞球制御部150若しくは発射制御部201aにおいて、発射禁止信号を受信した後であって、所定時間(例えば60秒後)経過した後に遊技開始許可信号を受信しない場合、該賞球制御部150若しくは発射制御部201aにてエラー検出される。この場合、エラー処理は賞球制御部150若しくは発射制御部201aにて行われるものとされ、そのエラー報知は、例えば図40[3]に示すように、払出制御基板350若しくは発射制御基板201に設けられたLED等のエラー報知手段により行われる。また、エラー回復処理は、該エラーの発生後において遊技開始許可信号があった場合に、又は当該遊技機1を作動させるための電源を一旦遮断させた後、電源を復帰させることによりエラーを回復させるものとされている。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
さらに、図39[4]に示すように、賞球制御部150若しくは発射制御部201aにおいて、球送り禁止信号を受信した後であって、所定時間(例えば0.6秒)経過した後に、発射禁止信号を受信しない場合、賞球制御部150若しくは発射制御部201aにてエラー検出される。この場合、エラー処理は賞球制御部150若しくは発射制御部201aにて行われるものとされ、そのエラー報知は、例えば図40[4]に示すように、払出制御基板350若しくは発射制御基板201に設けられたLED等のエラー報知手段により行われる。また、エラー回復処理は、該エラーの発生後において遊技開始許可信号があった場合に、又は当該遊技機1を作動させるための電源を一旦遮断させた後、電源を復帰させることによりエラーを回復させるものとされている。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
次に、図41は、図38に示したような発射制御コマンドを送信可能とした場合の、発射に関連するタイミング制御を行うための構成を模式的に示した回路図である。すなわち、図41に示した例においては、タイミング制御回路921は、発射ハンドル9のタッチ端子(図16参照)からの検知信号(ハンドル入力信号)と、上記発射許可信号(図38参照)とがANDゲート922を介して入力された場合に、発射モータ93(図16参照)及び球送りソレノイド91(図16参照)を逐次的に作動させるための発射モータ作動指令信号及び球送りソレノイド作動指令信号を出力する。なお、発射モータ93(図16参照)は、ANDゲート923を介して、主制御部140からの発射許可信号(図38参照)と、タイミング制御回路921からの発射モータ作動指令信号との入力があった場合に作動する。また、球送りソレノイド91(図16参照)は、ANDゲート924を介して、主制御部140からの球送り許可信号(図38参照)と、タイミング制御回路921からの球送りソレノイド作動指令信号との入力があった場合に作動する。
上記ハンドル入力信号は、図42に示す入力回路の端子STOP1から入力されるものとされており、具体的には発射停止スイッチ9b(図16参照)と、発射ハンドル部9のタッチ端子(図16参照)との信号に基づいて入力される。すなわち、発射停止スイッチ9b(図16参照)から該スイッチ9bの出力OFFを示す信号が出力され、発射ハンドル部9のタッチ端子(図16参照)から該タッチ端子の検知を示す信号が出力された場合に、ハンドル入力信号が入力される。また、図41に示した発射許可信号は、図42に示す入力回路の端子STOP2から入力され、球送り許可信号は、図42に示す入力回路の端子STOP3から入力されるものとされている。
図43は、図41に示したタイミング制御回路921の一例である。発射モータ93(図16参照)の作動制御信号は端子MOUTから出力され、球送りソレノイド91(図16参照)の作動制御信号は端子SOUTから出力されるものとされている。これら作動制御信号は、発射許可信号(端子STOP2)、ハンドル入力信号(端子STOP1)、システムクロック信号(端子SCLK)、リセット信号(端子RES)等の入力に基づいて所定のタイミングでそれぞれ出力される。具体的には、球送りソレノイド91(図16参照)の作動制御信号が出力された後、所定時間の経過後に逐次的に発射モータ93(図16参照)の作動制御信号が出力されるものとされている。
ここで、図43に示したゲートIC及びフリップフロップ等の回路素子の組合せは、球送りソレノイド91(図16参照)と発射モータ93(図16参照)との逐次的作動を実現する逐次作動制御手段として機能しており、球送りソレノイド91(図16参照)の作動制御信号と、発射モータ93(図16参照)の作動制御信号との出力を逐次的に行うことが可能となっている。なお、図43において、発射モータ93(図16参照)の作動制御信号は、端子COUTからモータ駆動制御信号として出力されるものとされている。また、図41及び図44に示すように、例えばタイミング制御回路921から所定のタイミングで上記各作動制御信号の出力があった場合でも、発射許可信号又は球送り許可信号が出力されていない場合には、発射モータ93(図16参照)又は球送りソレノイド91(図16参照)は作動しないものとされている。
以上のような構成により、球送りソレノイド91(図16参照)により送られた遊技球は、発射モータ93(図16参照)の作動に基づいて確実に発射される。また、例えば戻り球があった場合においても、それを確実に検知し発射することができる。さらに、例えばファール球があった場合においても、それを確実に検知し対応した数の遊技球を発射することできる。したがって、1ゲームにおいて、上限値たる16個の遊技球を過不足無く遊技領域11(図1参照)に発射させることが可能となる。
次に、本実施例の遊技機1には、停電等の電力供給異常発生時に各遊技制御部に記憶されている遊技情報をバックアップする機能が具備されている。図18及び図19に示したように、本実施例では、停電等により電源受電基板128からの電力供給が遮断され、定電圧回路部552からの電力供給が途絶えるか、あるいは出力電圧が所定値以下に降下した場合(電断時)にバックアップ電源が供給され、そのバックアップ電圧に基づいて主制御部140のRAM481又は賞球制御部(払出制御部)150のRAM681に記憶されている遊技情報が記憶保持されるものとされている。
具体的に、停電等による電源電圧低下を異常として検出し、停電復帰後に停電前の遊技状態に基づく遊技続行が可能となるように、停電直前の制御部のワークメモリ(記憶領域)内に記憶された、遊技状態を示す遊技状態情報(以下、単に遊技情報とも言う)をバックアップする態様を例にとり説明する。なお、本実施例における遊技状態情報とは、各制御部のCPUに内蔵される各種レジスタ(詳細は後述する)に記憶された遊技機の遊技態様を成立させるための一連の遊技制御プログラムにて定義される制御プログラム情報、あるいは各制御部のRAM(詳細は後述する)に記憶された、遊技機の遊技態様を成立させる遊技価値媒体に関する遊技媒体情報、すなわち例えば上記遊技球(価値媒体)の払出しや、遊技球(価値媒体)の発射数等に関連する賞球情報及び/又は貸球情報、ないし発射数情報等を意味する。
上述したように、遊技機1は、少なくとも3つの制御部、すなわち主制御部140、賞球制御部(払出制御部)150及び図柄表示装置制御部160を有している。従って、停電直前作動状態の正確な回復を行う観点においては、それら全ての制御部140、150、160のそれぞれに上記バックアップ機能実現部分を付加しておくことが望ましいといえる。しかし、遊技者の利益に直接的に関連する制御部、すなわち価値媒体としての遊技球の流通に関連する情報(価値媒体情報)についての制御を行う主制御部140及び賞球制御部(払出制御部)150の遊技情報をバックアップするのみでも停電直前作動状態をかなりの精度で回復できることも多く、この場合は主制御部140及び/又は賞球制御部(払出制御部)150にバックアップ機能実現部分を付加する態様とすることができる。なお、本実施例においては、これら2つの制御部140、150においてバックアップ処理を行う場合を例に取るが、以下に示すバックアップ処理は、上記少なくとも3つの制御部のうち、1又は2以上の制御部に対して行うことが可能である。なお、図柄表示装置制御部160にバックアップ処理を行う場合は、図18に示す電源中継基板121から図柄表示装置制御部160に対してバックアップ端子を接続させればよい。
図46は、バックアップ機能実現のための基本的な回路構成の一例を表すブロック図である。なお、回路構成及びバックアップ処理の基本的な制御の流れは、バックアップするデータの種別が異なるだけで、主制御部140、賞球制御部(払出制御部)150のいずれについてもほぼ同じである。以下において、主制御部140、賞球制御部(払出制御部)150はバックアップ対象制御部(あるいは単に制御部)140,150と称することもある。
まず、バックアップ対象制御基板340,350には、CPU401,601及びRAM481,681(ROMは図示省略)が搭載されている。このCPU401,601及びRAM481,681への電圧は、電源受電基板128からの出力電圧を電源ユニット127により、変圧ないし整流・平滑化して供給されている。CPU401,601及びRAM481,681への作動電圧を供給する電源ユニット127は、例えば図19に示した構成のものが採用されており、供給電力量を監視し、電力供給の異常の有無を判断するための電源監視モジュール(電力監視手段)553を備えている。なお、電源ユニット127からCPU401,601及びRAM481,681への出力電圧は、例えば5Vに設定されており、さらに停電等の異常時には、バックアップ端子(図19参照)からバックアップ電源が供給される。なお、本実施例においては、上記CPU401,601及びRAM481,681等は各々がワンチップ化されたマイコンとされているが、CPU401,601及びRAM481,681等が別体の素子で形成され、各素子が基板上に実装された形態のものを採用することも可能である。
本実施態様においては、図46及び図19に示すように、CPU401,601のワークメモリエリアを形成するRAM481,681に、バックアップ電源としての蓄電手段が接続されている。この場合、停電等の異常発生時には、蓄電手段からの補助電力の供給により、RAM481,681内に遊技態様を成立させるための遊技媒体情報(賞球数情報、貸球数情報、入球数情報、発射数情報等)が記憶・保持(バックアップ)されることとなる。例えば、異常発生時にCPU401,601がNMI割込み信号を受けると、CPU401,601のレジスタに書き込まれている遊技態様を成立させるための制御プログラム情報が、該CPU401,601の制御に基づいてRAM481,681に移管され、該制御プログラム情報が記憶・保持(バックアップ)される。また、異常発生時のRAM481,681に記憶されている遊技情報も、該RAM481,681に記憶・保持される。
なお、電源受電基板128からのAC24V等、その他の電圧レベル値を監視し、該電圧レベルが所定値よりも低下した場合に、上記バックアップ電圧を供給する構成とすることも可能である。これら監視する電圧値、電断信号(NMI割込み信号)を変化させるタイミングは、バックアップの対象とする制御部に応じて種々変更することが可能である。例えば、上述の賞球払出モータに対して余分な払出しを防止するためには、該モータの駆動電圧を参照して決定することが可能である。また、払出しに要する時間を考慮して、電断信号及びシステムリセット信号を変化させるタイミングを決定することが可能である。
次に、本実施例の遊技機1においては、停電等の異常が発生した場合に、図47に示す各レジスタの記憶内容が、図48に示すRAM481(681)内に形成されたバックアップ退避領域595内に移管されて記憶保持される。図47は、CPU401(601)内に備えられたレジスタの一構成例を示すものである。汎用レジスタ690には、主レジスタ群692と補助レジスタ群693とがあって、主レジスタ群692だけでは不都合となった場合に、プログラムで補助レジスタ群693へ切り換えて使用される。Aレジスタは8ビットで、アキュムレータとも呼ばれ、演算過程で使用したり、演算結果を一時記憶するのに使用される。Fレジスタ699は、フラグレジスタとも呼ばれ、演算の結果内容を示すものである。B,C,D,E,H,Lの各レジスタは8ビットのレジスタで、BC,DE,HLの組み合わせで16ビットのレジスタとして使うことも可能である。
一方、専用レジスタ691は、アドレスを間接的に指定する16ビットのインデックス・レジスタ(IX,IY)696,697と、RAM481,681のスタック領域のアドレスを記憶するスタック・ポインタ(SP)695と、当該CPU401,601が次に実行する命令のアドレスが入るプログラム・カウンタ(PC)694とを含んで構成されている。
このような構成の各レジスタは、停電、瞬断等の電力供給の異常発生時に補助的に電力が供給されないものであって(第1記憶手段)、そのままでは記憶内容が消えてしまう。本実施例の場合、異常発生時には、各レジスタの記憶内容が、図48に示すRAM481(681)のワークメモリエリア590内の退避領域595にバックアップされる。RAM481(681)はCPU401,601のワークメモリエリア590を備え、遊技態様を成立させるための遊技媒体情報として、1ゲームに各入球領域(16連入球口24、役物作動口21、得点増加装置作動口23)に入球した遊技球の数を記憶する入球数データ記憶領域591と、遊技態様を成立させるための制御プログラムや各種遊技態様に関連するデータ等を記憶する遊技データ記憶領域594とを少なくとも含んで構成されている。
さらに、異常発生時に電源遮断フラグ(バックアップフラグ)を記憶する異常確定情報記憶領域(バックアップフラグ記憶領域)592と、上記スタックポインタを記憶するスタックポインタ記憶領域593と、上記レジスタの内容及びプログラムカウンタを退避させて記憶するバックアップ退避領域595とを含んで構成されている。ワークメモリエリア590内には、通常時の遊技データを記憶する遊技データ格納エリア(入球数データ記憶領域、遊技データ記憶領域)591,594が形成されているが、これはバックアップ処理時にはそのままバックアップデータ格納エリアとして機能し、異常発生時に記憶がそのまま保持されるものである。なお、入球数データ及び/又は遊技データをバックアップ待避領域に移管し、異常発生から該異常回復まで該データを記憶保持するものとすることも可能である。
以下、バックアップ処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。
各制御部140,150の処理の流れは、1)電源遮断時(バックアップ)処理,2)通常時処理,3)電源投入時処理,の3つに分類される。図49は、電源遮断時の処理を示しており、NMI割込み信号が入ると、S1においてNMI割込み前のプログラムカウンタ(図47参照)をRAMのバックアップ退避領域595(図48参照)に退避させるとともに、S2において図46に示した全レジスタをバックアップ退避領域595に退避(バックアップ)させる。さらに、S3においてスタックポインタ(図47参照)をスタックポインタ記憶領域593に記憶させる。その後、S4に進んで、開口している役物作動口(特定入球口)21及び/又は役物作動口(得点増加装置作動口)23(図1参照)を閉鎖する。続いて、S5において、賞球計数センサ198(図8参照)のポーリング処理として所定時間(例えば約84ms)、該賞球計数センサ198(図8参照)で遊技球の通過(入球)を監視する。また、役物作動口(特定入球口)入球検知スイッチ21c(図7参照)と役物作動口(得点増加装置作動口)入球検知スイッチ23c(図7参照)、誘導増加装置作動領域通過検知スイッチ19d(図7参照)、誘導増加装置非作動領域(排出口)通過検知スイッチ19e(図7参照)のポーリング処理として所定時間(例えば約132ms)遊技球の通過(入球)を監視する。
次に、S6において、使用しているRAM481(681)のチェックサムを作成し、これを保存する。さらに、S7に進み、上述したバックアップフラグ(バックアップの有無を示すための情報)をONにしてバックアップフラグ記憶領域592(図48参照)に記憶する。このバックアップフラグのセットは、電源遮断信号の入力と対になるバックアップ処理が実行された場合にのみセットされる。すなわち、電源遮断異常以外のトラブル発生(例えばプログラム暴走など)時にはセットされることはないものである。なお、以上の処理が行われた後にRAM481(681)へのアクセスが禁止される(S8)。
図50は、電源投入(電源復帰)時の処理を示しており、システムリセット信号が入力されると、S61においてRAM481(681)へのアクセスが許可され、S62にてバックアップフラグがONされているか否かが確認される。バックアップフラグがONされていない場合(S62:NO)、S63に進み、RAM481(681)の初期化を行った後、図9に示す一連の通常時処理を行う。ここでは、入球図柄表示装置25、誘導図柄表示装置17の初期図柄の表示を行うため、図柄表示装置制御部160に図柄制御信号を送信し、通常処理にて遊技機の状態を払出制御部150に送信するための設定をする。また、通常処理にて役物作動口(特定入球口)21(図1参照)及び/又は役物作動口(得点増加装置作動口)23(図1参照)を閉口するための設定を行うとともに割込み処理を行う。
一方、バックアップフラグがONされている場合(S62:YES)、図48に示したRAM481(681)内に記憶保持された内容を参照して、復帰処理が行われる。すなわち、S64にてスタックポインタを復帰させた後、バックアップフラグをOFFし(S65)、S66にて電源遮断時に退避させた全レジスタを復帰させ、記憶されたプログラムカウンタのアドレスへジャンプし、電源遮断発生時の記憶状態を回復する。
具体的には、例えば誘導図柄表示装置17を電断直前時の状態に戻すため、図柄表示装置制御部160へ図柄表示関連制御信号を送信するとともに、入球数データ記憶領域591(図48参照)に記憶保持された入球数データを参照して、電断時のゲームを継続するべく該電断時の既入球数を反映させた態様にて発射制御信号を賞球制御部(払出制御部)150に送信する。また、通常処理にて遊技機の状態を電断直前の状態に戻すため、賞球制御部(払出制御部)150へ賞球制御信号(払出制御信号)を送信するための設定が行われる。なお、電断回復時の遊技状態は、下受け皿満タンスイッチ199(図8参照)、タンク球切れスイッチ104(図3参照)により下受け皿の満タン及びタンク球切れが検知された状態で、さらに球送りソレノイド91(図16参照)の作動及び発射モータ93(図16参照)の作動が禁止された状態とされている。
電断回復時の発射制御について詳細を説明すると、本実施例の遊技機1は、1ゲーム中に発射された遊技球の数を計数する発射数カウンタ(CPU401)と、該発射数を記憶する発射数データ記憶領域(RAM481)とを備えている。また、1ゲーム中に各入球領域(16連入球口24、役物作動口21、得点増加装置作動口23等)に入球した遊技球の数を計数する入球数カウンタ(CPU401)と、該入球数を記憶する入球数データ記憶領域591(RAM481)とを備えている。ここで、電断発生時には、上記入球数データ記憶領域591に記憶されている入球数をバックアップするべく処理がなされる。具体的には、本実施例においては入球数データ記憶領域591(RAM481)がそのままバックアップデータ格納エリアとして機能し、電断発生時の入球数が記憶保持される。なお、入球数データをバックアップ待避領域595に移管し、電断発生から該電断回復まで入球数データを記憶保持するものとすることも可能である。
そして、電断から回復したときには、バックアップデータ格納エリア(若しくはバックアップ待避領域595)に記憶されている入球数データを、電断回復後の発射数データとして発射数データ記憶領域(RAM481)の値に置き換えて、電断回復後の遊技が行われるものとされている。すなわち、電断回復後においては、電断時の入球数を発射数に置き換え、該置き換えた発射数から上限値たる16個に満たない分を発射する処理を行うものとしている。
図50のS67の処理を行った後、通常処理にて役物作動口(特定入球口)21等を電断直前の状態に戻すための設定を行うとともに、同じく通常処理にて得点表示装置29(図1参照)を電断直前の状態に戻すための設定を行う。また、入球図柄表示装置25を電断直前の状態に戻すため、図柄表示装置制御部160へ図柄表示装置制御信号を送信する。そして、レジスタを電断直前の状態に戻し、電断直前時のプログラム実行位置に戻りプログラムを再開する。さらに、ランプ出力装置制御部170(図3参照)へエラーランプの点灯のため、ランプ制御信号を送信する。
なお、役物作動口(特定入球口)21、役物作動口(得点増加装置作動口)23等の開閉式の遊技装置については、開状態にある遊技装置は電断発生により閉鎖されるものとされている。ここで、閉鎖作動中に遊技球が入球ないし通過する場合も考えられるが、本実施例の場合、各開閉式の遊技装置への入球ないし通過を検知するスイッチに対してはバックアップ電源の供給により該スイッチを読み込み可能としており、電断発生後の入球ないし通過も有効となる構成とされている。
このようなバックアップ処理に関与する遊技データの種別は、制御部毎に異なる。主制御部140に関しては、その一例を上述したが、その他の制御部について以下に述べる。例えば、主制御部150の場合、得点獲得に伴う16個賞球回数データの加算値をバックアップ処理するものとされている。
また、各スイッチ等の検知結果や、誘導図柄の当否を判定する乱数の取得値などを用いて、遊技が行われていない客待ちの状態、通常遊技状態、若しくは特別遊技状態などの判別に使用するデータ等も、主制御部140が取り扱う遊技データである。
なお、例えば、賞球払出ジョブ(例えば賞球制御部150)に係るバックアップ処理の場合は、図51に示すように、処理待ち賞球データ(例えば、処理待ちの賞球個数データ)あるいは処理途中の賞球データ(賞球払出状況を示すデータ)を用いて、ワークメモリエリアの記憶状態を回復させ、この回復された記憶内容に基づき賞球払出動作が再開される。一方、主制御部140における誘導図柄の当否判定後の制御指令の流れをバックアップする場合は、図52に示すように、処理待ちあるいは処理途中の当否データを用いて、ワークメモリエリア590(図48参照)の記憶状態を回復させ、この回復された記憶内容に基づき当否判定後に係る制御指令(例えば、図17の誘導図柄表示ジョブ等)が再開される。
次に、停電等による電源遮断異常が発生した場合は、以下のようにしてバックアップ処理がハード的に行われる。すなわち電源遮断が発生すると、図19において定電圧回路部552の出力電圧が低下し、結果として既に説明した通り、電力監視手段として機能する電源監視モジュール553において、ANDゲート570が電源遮断信号をCPU401,601の割込端子に入力する。これを受けてCPU401,601は、図49のバックアップ処理ルーチンを起動する。なお、CPU401,601は、ROM482,682に格納されたバックアップ処理実行プログラムを参照しつつ、例えばコンデンサ557bからの補助電力供給に基づいてバックアップ処理を実行する。ここで、コンデンサ557bは、情報移管手段(CPU401,601)に、異常発生時における情報移管処理(バックアップ処理)を行うための電力を供給する特別電力供給手段として構成されている。
ここで、図46において電源遮断信号が入力される割込端子は、NMI端子であり、この端子を能動化することにより実行される割込処理ルーチン(バックアップ処理ルーチン)は、他の割込信号が通常割込のINT端子に入力されても、一切中断されることなく処理が行われる。また、先に実行されている割込処理があれば強制的に終了され、NMI割込処理(バックアップ処理)が優先される。
なお、遊技店の営業終了時等において、電源スイッチのOFFにより正常に終了する場合は、これを電源遮断異常として検出せず、バックアップ処理を行わせない(あるいは、一旦行ったものを無効化する)ようにしておくことが望ましい。これには種々方法があるが、例えば電源スイッチをOFFにすることにより終了信号を発生させ、この終了信号により電源遮断信号の発生を禁止化する手段を設けておく方法がある。そして、この電源遮断信号発生の禁止化処理が完了した後、電源からの電力供給を遮断するようにする。例えば、図46に示すように、電源監視モジュール553からの電源遮断信号の出力線上に、上記終了信号をインヒビット入力として使用するトライステートバッファ595を設けておく。終了信号がLレベルとしてトライステートバッファ595のインヒビット端子に入力されると、トライステートバッファ595の出力はハイインピーダンス状態となり、電源遮断信号の出力が禁止される。この方法は、上記のように、プログラム中断不能なNMI割込によりバックアップ処理を行う場合に特に有効である。
次に、図柄表示装置制御部160におけるバックアップ処理について説明する。図53は誘導図柄表示装置17(図1参照)の動作状態を示す説明図である。電源投入後、図柄表示装置制御部160において初期画面指定コマンド(A)を受信すると、誘導図柄表示装置17にて所定の初期画面が表示される(例えばアレンジボール遊技機の紹介)。そして、客待ちデモ画面指定コマンド(B)を受信すると、誘導図柄表示装置17において所定のデモ画面が表示され(例えばアレンジボール遊技機のゲーム内容ないしルール紹介)、変動パターン指定コマンド(C)を受信すると、誘導図柄表示装置17にて誘導図柄の変動が開始され、さらに左・中・右誘導図柄指定コマンドを受信し、全誘導図柄停止指定コマンドを受信すると誘導図柄の変動が停止される。
ここで、各コマンドの送信後において電断が生じた場合、電断復帰のためには、主制御部140は図柄表示装置制御部160に対し、図54に示すように、電源復旧コマンド、左誘導図柄指定コマンド、中誘導図柄指定コマンド、右誘導図柄指定コマンドの順でコマンドを送信する必要がある。さらに、初期画面指定コマンド、客待ちデモ画面指定コマンド、全誘導図柄停止指定コマンドの送信後においては、上記電源復旧コマンド、左誘導図柄指定コマンド、中誘導図柄指定コマンド、右誘導図柄指定コマンドをそれぞれ送信した後に、全誘導図柄停止指定コマンドを送信して電断を復帰させる。
次に、図55は入球図柄表示装置25(図1参照)の動作状態を示す説明図である。電源投入後、図柄表示装置制御部160において電源投入コマンド(A)を受信し、客待ちデモ(B)のコマンドを受信すると、客待ちデモ画面が表示される。その後、入球図柄表示コマンド(C)を受信すると、入球図柄表示装置25にて対応する入球図柄が表示される。そして、全図柄消灯コマンド(D)を受信すると、入球図柄表示装置25にて点灯表示されている図柄が消灯される(全入球図柄消灯)。
ここで、主制御部140から電源投入コマンド(A)を送信した後において、電断やエラーが発生した場合、図56に示すように、主制御部140が図柄表示装置制御部160に対し電源復旧コマンドを送信することで電断やエラー状態から復帰される。また、主制御部140から客待ちデモ(B)のコマンドを送信した後、又は入球図柄表示コマンド(C)を送信した後において、電断やエラーが発生した場合には、主制御部140が図柄表示装置制御部160に対し電源復旧コマンド、入球図柄表示コマンドを送信することで電断やエラー状態から復帰される。なお、入球図柄表示コマンドは、当該ゲームにおいて表示していた入球図柄に対応する入球図柄表示コマンドを全て送信するものとされている。さらに、全図柄消灯コマンド(D)送信後において電断やエラーが生じた場合は、主制御部140が図柄表示装置制御部160に対し電源復旧コマンドを送信することで電断やエラー状態から復帰される。このようにして正常な遊技に迅速に復帰することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、また、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者の通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。例えば、本実施例では、入球数の値の記憶ないし記憶保持を主制御部にて行うものとしているが、これを払出制御部(賞球制御部)にて行うものとすることも可能である。