JP4455844B2 - ガラスの製造装置、ガラス溶融容器用保護部材及びガラスの製造方法 - Google Patents

ガラスの製造装置、ガラス溶融容器用保護部材及びガラスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガラスの材料を連続的又は間歇的に溶融容器に供給し、この溶融容器内で前記材料を溶融させるガラスの製造装置及び製造方法に関し、特に、白金などの貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器を用いて前記材料を溶融させる光学ガラスの製造に好適な装置と方法に関する。
ガラスは、主として粉体のガラス成分酸化物を材料とし、これを高温で溶融することによって製造される。特に、光学ガラスは、正確で均質な光学的特性を必須とするため、製造に際しては、材料の配合を厳密に行った上で、これを適量ずつ溶融容器に投入することが要求される。
光学ガラスの材料を溶融容器に供給し、加熱によって溶融ガラスとする工程では、白金や白金合金からなる溶融容器を用いることが知られている。これら白金などの貴金属溶融容器は、加工が容易なだけでなく、溶融した光学ガラスを収容しても比較的侵食が少ないため、光学ガラスの溶融に適している。
しかしながら、このような溶融容器は、光学ガラスの溶融温度である1000〜1400℃程度の過酷な条件で使用され、熱による変形や亀裂が発生する可能性があるため、予め補強などの対策を講じる必要がある(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、白金容器又は白金管における溶接部分の変形を防止するために、白金テープによる鍛接補強を行っている。また、白金テープは、端部が波型としてあり、鍛接位置の境界に亀裂が生じることを防止している。
特公昭64−6854号公報
上記した特許文献1の溶融容器では、溶接部分の補強を行っているが、光学ガラスの溶融工程では、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分にも亀裂などが発生するという問題がある。その第一の原因としては、溶融ガラスの液面と溶融容器の接触点が、気相、液相、固相の共存点になることが挙られる。これは、気相、液相、固相の共存点が、化学的に活性なため、溶融容器が侵食されやすいからである。
また、光学ガラスの製造においては、生産効率を高めるために、いわゆる連続溶融が行われている。この場合、溶融するガラス材料(ガラス原料、又はガラス原料をいったん溶融した後に固化した粗ガラス、いわゆるカレットなどを含む。)は、連続的又は間歇的に溶融容器に供給される。
ガラス材料を連続的又は間歇的に溶融容器に供給すると、溶融容器内で既に溶融された溶融ガラスの液面付近は、それよりも低温のガラス材料が供給されることによって瞬間的に降温する。通常、供給するガラス材料と溶融容器内の溶融ガラスには、1000℃を超える温度差があるため、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面に接触する部分が、大きな熱衝撃を受けることになる。これが、上記問題の第二の原因である。
なお、上記の熱衝撃を緩和するために、ガラス材料を予め加温しておくことも考えられるが、その場合でも、ガラス材料と溶融ガラスの温度差は1000℃前後であり、熱衝撃の影響は大きい。
したがって、ガラス材料が連続的に供給される溶融容器では、その液面付近に、降温による局所的な体積収縮に起因する大きな応力がかかることになる。更に、ガラス材料が間歇的に投入される溶融容器では、ガラス材料の供給周期で熱衝撃が繰り返され、そのたびに溶融容器の液面付近に大きな応力がかかる。これにより、溶融容器の液面付近は、次第に疲労して強度が損なわれるだけでなく、亀裂などが発生して破損する可能性がある。
溶融容器が一部でも破損した場合は、溶融ガラスが漏れ出し、製造を続けることが困難になるため、溶融容器の補修や交換が必要になる。溶融容器の補修や交換を行うには、多額のコストに加え、相当期間の製造中止を強いられることになる。
本発明は、上記の事情にかんがみなされたものであり、ガラスの材料を溶融容器に供給する際、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分に生じる熱衝撃を緩和し、熱衝撃による溶融容器の疲労や破損を防止することができるガラスの製造装置及び製造方法の提供を目的とする。特に、溶融温度における粘性が低く、溶融容器を浸食しやすい光学ガラスの製造に適した装置と方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明におけるガラスの製造装置は、ガラス材料を溶融させる貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器と、前記溶融容器の内側における溶融ガラス液面と接触する部分を覆い、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置されて、前記溶融容器の受ける熱衝撃を緩和する、着脱自在な保護部材とを備えた構成としてある。
また、本発明は、光学ガラスの材料を溶融させる貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器と、この溶融容器に連続的又は間歇的に前記材料を供給する材料供給手段とを備えるガラスの製造装置であって、前記溶融容器の内側における溶融ガラスの液面と接触する部分を、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置される着脱自在な保護部材で覆う構成とすることができる。
そして、前記保護部材は、熱衝撃を受けたときに、収縮及び膨張が許容されるものであるとすることができる
このように構成すれば、ガラスの材料を溶融容器に供給する際、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分に生じる熱衝撃を緩和し、熱衝撃による溶融容器の疲労や破損を防止することができる。これにより、溶融容器の寿命を延長することができるだけでなく、溶融容器の破損による生産性の低下や溶融容器の補修コストを抑制することができる。しかも、保護部材は、溶融容器に対して着脱自在であるため、その劣化に応じて適宜交換することができる。
また、本発明では、前記保護部材が、筒形状であり、前記溶融容器の開口部周縁で支持される構成とし、これによって保護部材の位置が保たれるようにすることができる。
また、本発明は、前記保護部材が有する端部のうち、少なくとも一つが、前記溶融容器に固定されない自由端としてある。
このように構成すれば、保護部材が熱衝撃を受けても、収縮及び膨張が許容されるので、それに伴う内部応力を軽減し、保護部材の変形や破損を防止することができる。
また、本発明は、前記保護部材が、筒形状であり、その周方向に自由端を備える構成としてある。好ましくは、前記保護部材が、縦方向の切断部を有する構成としてある。
このように構成すれば、保護部材における周方向の収縮及び膨張が許容され、熱衝撃に伴う内部応力を更に軽減することができる。
また、本発明は、前記保護部材が、前記溶融容器と同一の素材で形成される構成としてある。
このように構成すれば、侵食によって保護部材の成分が溶融ガラスに混入しても、その成分が溶融容器の成分と同一であるため、製造されるガラスへの影響を可及的に小さくすることができる。
また、本発明は、前記溶融容器から供給されてきた溶融ガラスを脱泡処理する清澄容器と、前記清澄容器から供給されてきた溶融ガラスを粘度調整する作業容器とを備える構成としてある。
このように構成すれば、材料の溶融、溶融ガラスの脱泡及び粘度調整を連続的に行うことができるので、ガラスの製造効率を高めることができる。しかも、このように構成される製造装置では、溶融容器における溶融ガラスの液面がほぼ一定し、溶融容器の液面付近に集中的に熱衝撃が作用するので、本発明を適用すると効果が顕著である。
また、上記目的を達成するため本発明におけるガラス溶融容器用保護部材は、ガラス材料を溶融させる貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器に着脱可能な保護部材であって、前記溶融容器の内側における溶融ガラス液面と接触する部分を覆い、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置されて、前記溶融容器の受ける熱衝撃を緩和する構成としてある。
そして、本発明は、前記保護部材が、熱衝撃を受けたときに、収縮及び膨張が許容されるものとすることができ、また、前記保護部材は、フランジ部を備えた筒形状とすることができる。
また、本発明は、筒形状の一部に縦方向の切断部を有する構成とし、さらに、筒形状の周方向に自由端を有し、自由端同士が重なる構成とすることもできる。
また、上記目的を達成するため本発明におけるガラスの製造方法は、ガラスの材料を連続的又は間歇的に貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器に供給し、この溶融容器内で前記材料を溶融させる工程を含むガラスの製造方法であって、前記溶融容器の内側における溶融ガラスの液面と接触する部分を、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置される保護部材で覆いながら、前記材料を溶融させる方法としてある。そして、本発明は、前記保護部材が熱衝撃を受けたときに、収縮及び膨張することを許容しつつ、前記材料を溶融させる方法とすることができる。
このような方法にすれば、ガラスの材料を溶融容器に供給する際、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分に生じる熱衝撃を緩和し、熱衝撃による溶融容器の疲労や破損を防止することができる。これにより、溶融容器の寿命を延長することができるだけでなく、溶融容器の破損による生産性の低下や溶融容器の補修コストを抑制することができる。
また、本発明は、前記溶融容器内で溶融したガラスが、連続的に次工程に移動し、かつ前記次工程において、少なくとも、脱泡、均質化、粘度調整のいずれかを行う方法とすることができる。
また、本発明は、前記保護部材が劣化したときに、前記溶融容器から取り外して、補修又は交換する方法とすることができる。
このような方法にすれば、保護部材による溶融容器の保護効果を長期にわたって維持し、溶融容器の寿命を更に延長することができる。
以上のように、本発明によれば、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分を、溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置される着脱自在な保護部材で覆うことにより、ガラスの材料を溶融容器に供給する際、溶融容器の内側における溶融ガラスの液面と接触する部分に生じる熱衝撃を緩和し、熱衝撃による溶融容器の疲労や破損を防止することができる。これにより、溶融容器の寿命を延長することができるだけでなく、溶融容器の破損による生産性の低下や溶融容器の補修コストを抑制することができる。しかも、保護部材は、溶融容器に対して着脱自在であるため、その劣化に応じて、適宜補修あるいは交換を容易に行うことができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、以下の実施形態では、光学ガラスを製造する装置と方法について説明するが、本発明は、光学ガラス以外のガラスを製造する場合の装置と方法にも適用することができる。
[光学ガラスの製造装置]
まず、本発明に係る光学ガラスの製造装置について、図1〜図3を参照して説明する。
図1は、光学ガラスの製造装置を示す正面図、図2は、光学ガラスの製造装置を示す平面図、図3は、保護部材の斜視図である。
これらの図に示すように、光学ガラスの製造装置は、光学ガラスの材料を連続的又は間歇的に供給する材料供給部(材料供給手段)10と、材料供給部10から供給される材料を収容し、これを溶融する溶融槽(溶融容器)20と、連結パイプ30を介して溶融槽20に接続され、溶融槽20から供給される溶融ガラスの脱泡処理などを行う清澄槽40と、連結パイプ50を介して清澄槽40に接続され、清澄槽40から供給される溶融ガラスの粘度調整などを行う作業槽60とを備えている。
溶融槽20は、上方が開口した容器であり、例えば、白金・ロジウム、白金・金などの白金含有合金や、ロジウム、金、イリジウム、パラジウムなどの貴金属又は貴金属合金からなっている。また、溶融槽20は、高周波誘導などの加熱手段を備え、その加熱により光学ガラスの材料が溶融される。加熱手段は、溶融ガラスの温度をほぼ一定に保つように加熱を行うが、低温の材料を溶融槽20に供給すると、溶融ガラスの液面付近において温度が急激に低下し、溶融槽20の液面接触部分が大きな熱衝撃を受けることになる。本発明では、この問題を解決するために保護部材70を用いる。
保護部材70としては、溶融槽20に着脱自在に取り付けられ、溶融槽20の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分を覆うように、溶融槽20の内面に所定の間隔をおいて配置されるものであれば、その形状は特に限定されない。例えば、溶融槽20の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分を覆う筒部71と、筒部71の上端から外側方へ延出するフランジ部72とを備えるものとできる。この場合、フランジ部72を溶融槽20の開口部周縁で支持することにより、筒部71の位置が保たれる
上記のように溶融槽20に取り付けられた保護部材70は、溶融槽20に光学ガラスの材料が投入されたときに発生する溶融ガラスの急激な降温に伴う熱衝撃(収縮)を吸収し、溶融槽20への熱衝撃を和らげる働きをする。また、ガラス材料の投入後における溶融ガラスの昇温に伴う熱衝撃(膨張)も吸収し、この場合にも、溶融槽20への熱衝撃を和らげる働きをする。
例えば、光学ガラスの材料を溶融槽20に間歇投入する場合、保護部材70が無ければ、その周期毎に溶融槽20の内部における液面付近が数100℃〜1000℃超の温度振動を受けることになる。この温度振動は、投入量が多いほど大きく、また、溶融槽20の径が小さいほど大きい。保護部材70を取り付けた場合は、温度振動による熱衝撃を数分の一以下に抑えることができる。
保護部材70は、長期使用によって侵食が進んだとしても、溶融ガラスを外部に流出させることがないので、生産への影響は軽微である。また、侵食により保護部材70が劣化した場合は、保護部材70を補修あるいは交換することにより、溶融槽20を継続的に熱衝撃から保護することができる。
保護部材70自体も、上記材料の投入による溶融ガラスの降温及びその後の昇温による温度振動により、液面付近で局所的に収縮及び膨張を繰り返すことになる。このときに作用する応力を極力小さくするためには、保護部材70の少なくとも一端に、溶融槽20に固定されていない自由端を有することが好ましい。例えば、本実施形態の保護部材70では、筒部71の下端を自由端73としている。これにより、保護部材70は、温度振動による上下方向の収縮及び膨張が許容され、内部応力による変形や破損が防止される。
また、保護部材70を筒状に形成する場合は、その周方向にも自由端74を設けることが好ましい。このように保護部材70を構成すると、保護部材70における周方向の収縮及び膨張が許容され、熱衝撃に伴う内部応力を更に軽減することができる。周方向の自由端74は、筒部71の一部を縦方向に切断すれば、容易に形成することが可能であるが、この場合には、周方向の熱膨張によって筒部71に間隙が生じ、保護部材70による溶融槽20の保護効果が低下する可能性がある。本実施形態では、筒部71に形成した自由端74同士を予めオーバーラップさせることにより、筒部71が周方向に熱膨張しても間隙が生じないようにしている。
保護部材70の素材としては、白金・ロジウム、白金・金などの白金含有合金や、ロジウム、金、イリジウム、パラジウムなどの貴金属又は貴金属合金を用いることができる。溶融工程では、侵食された溶融槽成分や保護部材成分が溶融ガラスへ混入すると、溶融ガラスが着色される可能性があるため、白金又は白金合金などの侵食の小さい素材を選択することが好ましい。ただし、白金を用いると着色が大きくなるガラス成分の場合は、他の素材を適宜選択する。また、保護部材70の素材は、溶融槽20のものと別素材にせず、同一の素材とすることが好ましい。このようにすれば、侵食によって保護部材70の成分が溶融ガラスに混入しても、その成分が溶融槽20の成分と同一であるため、製造される光学ガラスへの影響を小さくすることができる。
本発明を適用した溶融槽20は、いわゆるポット溶融炉にも用いることはできるが、連続溶融を行う連続溶融炉に用いることが好ましい。この場合、溶融槽20で溶融したガラスは、連続的に次の工程に移動する。次の工程は、例えば、清澄槽40とすることができる。清澄槽40では、溶融ガラスの脱泡や均質化が行われる。更に、清澄槽40の後工程は、作業槽60とすることができる。作業槽60では、溶融ガラスが成形に適した粘度に調整される。言うまでもなく、溶融槽20、清澄槽40、作業槽60の他に、それらの中間工程又は後工程として、他の工程を加えても良い。例えば、中間工程として攪拌槽を設け、ガラスの均質性を更に高める場合がある。
このような連続溶融炉では、ポット溶融の場合と異なり、溶融ガラスの液面に大きな変動が生じない。すなわち、溶融ガラスの流出と同時にガラス材料の供給が行われ、ガラス液面がほぼ一定の位置に保たれる。したがって、溶融槽20の液面付近が集中的に熱衝撃を受けるため、本発明を適用すると効果が顕著である。
本発明に適用される光学ガラスの組成には特に制約は無い。例えば、リン酸塩ガラス、ホウ酸塩ガラス、ケイ酸塩ガラス、ホウケイ酸塩ガラス、フツリン酸塩ガラスなどに好適に用いられる。特に、アルカリ成分を含有する、侵食作用の強いガラスにおいても適用でき、また、溶融時の粘度が30ポアズ以下の低粘性のガラスにおいて効果が顕著である。
[光学ガラスの製造方法]
つぎに、本発明に係る光学ガラスの製造方法について説明する。
本発明に係る光学ガラスの製造方法は、光学ガラスの材料を連続的又は間歇的に溶融容器に供給し、この溶融容器内で前記材料を溶融させる工程に適用することができる。具体的には、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分を、溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置される着脱自在な保護部材で覆いながら、前記材料を溶融させる。
このような光学ガラスの製造方法を用いれば、光学ガラスの材料を溶融容器に供給する際、溶融容器の内側で、かつ、溶融ガラスの液面と接触する部分に生じる熱衝撃を緩和し、熱衝撃による溶融容器の疲労や破損を防止することができる。これにより、溶融容器の寿命を延長することができるだけでなく、溶融容器の破損による生産性の低下や溶融容器の補修コストを抑制することができる。
また、本発明における光学ガラスの製造方法では、前記保護部材を、その劣化に応じて交換することが好ましい。このような方法を用いれば、保護部材による溶融容器の保護効果を長期にわたって維持し、溶融容器の寿命を更に延長することが可能になる。
図1及び図2に示す光学ガラスの製造装置において、溶融槽20に保護部材70を取り付けて光学ガラスの材料を溶融した場合と、溶融槽20に保護部材70を取り付けずに光学ガラスの材料を溶融した場合とを比較した。
材料供給部10から溶融槽20に間歇的に材料を投入し、溶融槽20の溶融ガラスの液面と接触する部分と対向する外側部分の温度変化を観察した。
保護部材70を取り付けていない溶融槽20では、図5に示すように、溶融槽20における液面付近の温度を1190℃程度に保つように加熱したが、材料を投入すると、1060℃程度まで温度が低下し、その温度差は、ほぼ130℃に達した。溶融槽20の内側では、更に大きな温度変動が起きていることになる。
一方、保護部材70を取り付けた溶融槽20では、図4に示すように、溶融槽20における液面付近の温度を1200℃程度に保つように加熱した。材料を投入すると、溶融槽20における液面付近の温度は低下したが、1180℃程度までであり、その温度差は20℃程度であった。これは、溶融槽20の液面付近を覆う保護部材70が熱衝撃を吸収したためと考えられる。
本発明は、ガラスの材料を連続的又は間歇的に溶融容器に供給し、この溶融容器内で前記材料を溶融させるガラスの製造装置及び製造方法に適用することができる。特に、白金などの貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器を用いて前記材料を溶融させる光学ガラスの製造装置や製造方法と有用である。
光学ガラスの製造装置を示す概略正面図である。 光学ガラスの製造装置を示す概略平面図である。 保護部材の斜視図である。 実施例における溶融槽(液面付近)の温度変化を示す説明図である。 比較例における溶融槽(液面付近)の温度変化を示す説明図である。
符号の説明
10 材料供給部
20 溶融槽
40 清澄槽
60 作業槽
70 保護部材
71 筒部
72 フランジ部
73 自由端
74 自由端

Claims (18)

  1. ガラス材料を溶融させる貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器と、
    前記溶融容器の内側における溶融ガラス液面と接触する部分を覆い、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置されて、前記溶融容器の受ける熱衝撃を緩和する、着脱自在な保護部材とを備えたガラスの製造装置。
  2. ガラスの材料を溶融させる貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器と、この溶融容器に連続的又は間歇的に前記材料を供給する材料供給手段とを備えるガラスの製造装置であって、
    前記溶融容器の内側における溶融ガラス液面と接触する部分を、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置される着脱自在な保護部材で覆うことを特徴とするガラスの製造装置。
  3. 前記保護部材が、熱衝撃を受けたときに、収縮及び膨張が許容されるものであることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  4. 前記保護部材が、筒形状であり、前記溶融容器の開口部周縁で支持されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  5. 前記保護部材が有する端部のうち、少なくとも一つが自由端であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  6. 前記保護部材が、筒形状であり、その周方向に自由端を備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  7. 前記保護部材が、縦方向の切断部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  8. 前記保護部材が、前記溶融容器と同一の素材で形成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  9. 前記溶融容器から供給されてきた溶融ガラスを脱泡処理する清澄容器と、前記清澄容器から供給されてきた溶融ガラスの粘度を調整する作業容器と、を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のガラスの製造装置。
  10. ガラス材料を溶融させる貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器に着脱可能な保護部材であって、
    前記溶融容器の内側における溶融ガラス液面と接触する部分を覆い、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置されて、前記溶融容器の受ける熱衝撃を緩和することを特徴とするガラス溶融容器用保護部材。
  11. 前記保護部材が、熱衝撃を受けたときに、収縮及び膨張が許容されるものであることを特徴とする請求項10に記載のガラス溶融容器保護部材。
  12. 前記保護部材が、フランジ部を備えた筒形状であることを特徴とする請求項10又は11のいずれか1項に記載のガラス溶融容器保護部材。
  13. 筒形状の一部に縦方向の切断部を有することを特徴とする請求項12に記載のガラス溶融容器用保護部材。
  14. 筒形状の周方向に自由端を有し、自由端同士が重なることを特徴とする請求項12又は13のいずれか1項に記載のガラス溶融容器用保護部材。
  15. ガラスの材料を連続的又は間歇的に貴金属又は貴金属合金からなる溶融容器に供給し、この溶融容器内で前記材料を溶融させる工程を含むガラスの製造方法であって、
    前記溶融容器の内側における溶融ガラスの液面と接触する部分を、前記溶融容器の内面に所定の間隔をおいて配置される保護部材で覆いながら、前記材料を溶融させることを特徴とするガラスの製造方法。
  16. 前記保護部材が熱衝撃を受けたときに、収縮及び膨張することを許容しつつ、前記材料を溶融させることを特徴とする請求項15に記載のガラスの製造方法。
  17. 前記溶融容器内で溶融したガラスが、連続的に次工程に移動し、かつ前記次工程において、少なくとも、脱泡、均質化、粘度調整のいずれかを行うことを特徴とする請求項15又は16のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
  18. 前記保護部材が劣化したときに、前記溶融容器から取り外して、補修又は交換することを特徴とする請求項15〜17のいずれか1項に記載のガラスの製造方法。
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