JP4455704B2 - 液晶表示装置及び画素欠陥修復方法 - Google Patents
液晶表示装置及び画素欠陥修復方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置(Liquid Crystal Display:LCD)及び画素欠陥修復方法に関し、特に、各画素領域にスイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:以下、TFTという)が形成されたアクティブマトリクス型のLCD及びその画素欠陥修復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非晶質(アモルファス)シリコンや多結晶シリコン(ポリシリコン)を動作半導体膜として用いたTFTアレイは、アクティブマトリクス型の液晶表示パネル等のスイッチング素子として用いられている。
【0003】
図14は、従来の液晶表示パネルのアレイ基板200を液晶層側から見た基板面を示している。図14に示すように、アレイ基板200上には図中左右方向に延びる複数のゲート・バスライン204が形成されている。またアレイ基板200上には、図中上下方向に延びる複数のデータ・バスライン(ドレイン・バスライン)206が形成されている。これらゲート・バスライン204とデータ・バスライン206とで画定される領域に画素が形成される。そして、各ゲート・バスライン204とデータ・バスライン206との交差位置近傍にTFT208が形成されている。TFT208のドレイン電極216は、図中左側に示されたデータ・バスライン206から引き出されて、その端部がゲート・バスライン204上に形成されたチャネル保護膜214上の一端辺側に位置するように形成されている。
【0004】
一方、ソース電極218はチャネル保護膜214上の他端辺側に位置するように形成されている。このような構成においてチャネル保護膜214直下のゲート・バスライン206領域がTFT208のゲート電極として機能するようになっている。図示は省略しているが、ゲート・バスライン204上にはゲート絶縁膜が形成され、その上にチャネルを構成する動作半導体膜が形成されている。このように図14に示すTFT構造は、ゲート電極がゲート・バスライン204から引き出されて形成されておらず、直線状に配線されたゲート・バスライン204の一部をゲート電極として用いる構成になっている。また、画素領域ほぼ中央を左右に延びる破線で示された領域に、蓄積容量配線212が形成されている。ソース電極218および蓄積容量配線212の上層には透明電極からなる画素電極210が形成されている。画素電極210は、その下方に形成した保護膜に設けられたコンタクトホール220を介してソース電極218と電気的に接続されている。
【0005】
このような構成のアレイ基板200と所定のセルギャップで対向する対向基板(図示せず)により液晶を封止してLCDが構成される。対向基板にはコモン電極が形成されている。画素電極210及びコモン電極間に所定の電圧を印加することにより両電極間に狭持された液晶分子の傾きを制御して所定の階調表示ができるようになっている。
【0006】
ところで、画素電極210に電圧を印加しない状態で白を表示するノーマリホワイト方式のLCDでは、いずれかの画素領域のTFT208に動作不良が発生すると、当該画素領域の画素電極210に電圧が印加されなくなるため、画素電極210とコモン電極とが同電位となり、当該画素領域は常時光が透過してしまう点欠陥となる。
【0007】
点欠陥の数が多くなると、表示領域全面に黒色や中間調を表示させた際等にそれらの点欠陥が目立ってしまうため画像品質が低下してしまう。これに対処するため、点欠陥を生じている不良画素を常に黒色表示させて目立たなくさせる画素欠陥修復方法が用いられている。この画素欠陥修復方法では、点欠陥を生じている画素領域において図14に示す2箇所のレーザ照射位置222、224にレーザ光を照射して、ソース電極218とゲート・バスライン204とを電気的に接続する。画素電極210はソース電極218を介してゲート・バスライン204と接続されるため、画素電極210の電位はゲート・バスライン204と同電位となる。通常ゲート電位はコモン電位と異なるため点欠陥を生じている画素の液晶に電圧が印加されて黒表示が可能になる。
【0008】
図15は基板に垂直な面で切断したLCDの断面を模式的に示している。図15(a)は点欠陥を生じていない正常な画素を示している。例えば、コモン電極に+5Vのコモン電圧が印加され、画素電極に0〜10Vの範囲内の階調電圧が印加される場合には、液晶には−5V〜+5Vの電圧が印加される。この印加電圧の大きさに応じて液晶分子の傾きが変化して階調を表示することができる。
【0009】
図15(b)は、点欠陥を生じた画素領域に上述の画素欠陥修復方法を用いたときのLCDの断面を模式的に示している。この例はゲートオフ電圧が0Vの場合を示している。従って、欠陥修復方法によりソース電極218を介してゲート・バスライン204と電気的に接続された画素電極210の電位は0Vとなり、電位5Vのコモン電極との間に挟まれた液晶には常時5Vの電圧が印加されて常時黒色表示がされる。
【0010】
図15(c)も、点欠陥を生じた画素領域に上述の画素欠陥修復方法を用いたときのLCDの断面を模式的に示している。但しこの例では、ゲートオフ電圧が−30Vであり、欠陥修復方法によりゲート・バスライン204と電気的に接続された画素電極210の電位は−30Vとなる。従って、電位5Vのコモン電極との間に挟まれた液晶には常時35Vの電圧が印加されることになる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、液晶に印加される電圧が通常の表示で用いられる±5Vより大きな電圧値であると、液晶は完全な透過/非透過の状態にならない場合が生じ、例えばLCDパネルを観察する角度により、輝点に見えたり暗点に見えたりする不都合が生じる。この現象は、各液晶材料の特性にもよるが、液晶に印加される電圧が7〜8Vを超えると確認され、液晶印加電圧が高くなるほど顕著になる。
【0012】
このように従来の画素欠陥修復方法では、欠陥修復作業後の画素電極の電圧がゲートオフ電圧の大きさに依存するため、正常時の駆動電圧より大きな電圧が液晶に印加される場合には修復の効果が得られないという問題が生じる。LCDのゲートオフ電圧の大きさはゲートドライバ等や他の回路の設計に基づいて決められるので、点欠陥の画素を修復する目的だけでゲートオフ電圧を下げる訳にはいかない。
【0013】
本発明の目的は、欠陥画素を修復した際にゲートオフ電圧の大きさに依存しない最適な電圧を液晶に印加できる液晶表示装置及び画素欠陥修復方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、基板上に形成された複数のゲート・バスラインと、前記ゲート・バスラインにほぼ直交して前記基板上に形成された複数のデータ・バスラインと、前記ゲート・バスラインと前記データ・バスラインとで画定されてマトリクス状に配列する複数の画素領域に形成された薄膜トランジスタと、前記画素領域内に形成されて前記薄膜トランジスタと接続される画素電極と、前記画素電極の下層に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜の下層に形成され、前記ゲート・バスラインと接続されると前記画素電極と前記絶縁膜とで補助容量を形成する欠陥修復用容量電極とを有することを特徴とする液晶表示装置によって達成される。
【0015】
本発明によれば、薄膜トランジスタ不良による点欠陥の修復において、ゲート・バスラインに接続された欠陥修復用容量電極と画素電極との間で補助容量が形成されるので、ゲートオフ電圧の大きさに依存せずに液晶に印加する電圧を最適化することができる。
【0016】
上記本発明の液晶表示装置において、前記欠陥修復用容量電極と前記ゲート・バスラインとを前記絶縁膜を介して接続可能な接続用金属層を有していることを特徴とする。このような構成にすることにより、薄膜トランジスタが正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合には、欠陥修復用容量電極はフローティングの状態であるため負荷容量が画素電極に与える影響を小さくすることができ、薄膜トランジスタの駆動能力に与える負荷を軽減させることができる。
【0017】
また、上記本発明の液晶表示装置において、前記欠陥修復用容量電極が、蓄積容量電極を兼ねていることを特徴とする。従って、欠陥修復用容量電極を別に配置する必要がないので、薄膜トランジスタが正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合の画素の開口率を低下させないようにすることができる。
【0018】
また、前記欠陥修復用容量電極が、遮光膜を兼ねていることを特徴とする。この構成にすることにより、液晶の配向不良による画素周辺部のディスクリネーションを遮光することができるようになる。
【0019】
さらに、前記欠陥修復用容量電極は、透明電極材料で形成されていることを特徴とする。こうすることにより画素の開口率を大きくすることができる。
【0020】
また、上記目的は、ゲート・バスライン及びそれとほぼ直交するデータ・バスラインとで画定された画素領域に形成された薄膜トランジスタの不良に基づく画素欠陥を修復する画素欠陥修復方法であって、画素電極下層に絶縁膜を介して形成された欠陥修復用容量電極と前記ゲート・バスラインとを電気的に接続して、前記画素電極と前記欠陥修復用容量電極とで前記絶縁膜を挟んだ補助容量を形成することにより、前記画素電極とコモン電極との間に封止された液晶に所定の電圧を印加することを特徴とする画素欠陥修復方法によって達成される。本発明の画素欠陥修復方法によれば、薄膜トランジスタの不良に基づく点欠陥において、ゲート・バスラインに接続された欠陥修復用容量電極と画素電極との間で補助容量を形成して、ゲートオフ電圧の大きさに依存せずに液晶に印加する電圧を最適化することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置及び画素欠陥修復方法を図1乃至図4を用いて説明する。図1はアレイ基板の基板面を示し、図2は図1のA−A線で切断した断面を示している。また、図3は、図1のB−B線で切断した断面を示している。まず、本実施の形態による液晶表示装置の概略の構成を図1を用いて説明する。図1に示すように、透明なガラス基板からなるアレイ基板1上には図中横方向に延びる複数のゲート・バスライン4が上下方向に平行に並んで形成されている。また、ゲート・バスライン4にほぼ直交する方向には複数のデータ・バスライン6が左右に平行に並んで形成されている。
【0022】
各ゲート・バスライン4と各データ・バスライン6とで画定された長方形形状の領域が画素領域となり、アレイ基板1上には複数の画素領域がマトリクス状に配置されている。各画素領域にはTFT8が形成されている。TFT8のドレイン電極16は、図中左側に示されたデータ・バスライン6から引き出されて、その端部がゲート・バスライン4上に形成されたチャネル保護膜14上の一端辺側に位置するように形成されている。
【0023】
一方、ソース電極18はチャネル保護膜14上の他端辺側に位置するように形成されている。このような構成においてチャネル保護膜14直下のゲート・バスライン6領域がTFT8のゲート電極として機能するようになっている。図示は省略しているが、ゲート・バスライン4上にはゲート絶縁膜が形成され、その上にチャネルを構成する動作半導体膜が形成されている。このように図1に示すTFT構造は、ゲート電極がゲート・バスライン4から引き出されて形成されておらず、直線状に配線されたゲート・バスライン4の一部をゲート電極として用いる構成になっている。
【0024】
画素領域内には、画素領域の輪郭とほぼ同一の外形を有する画素電極10が形成されている。画素電極10はコンタクトホール20でTFT8のソース電極18と接続されている。また、絶縁膜を介して画素電極10の下層にゲート・バスライン4と平行に画素領域ほぼ中央を左右に横切る蓄積容量配線12が形成されている。
【0025】
また、画素領域毎に絶縁膜を介して画素電極10の下層に欠陥修復用容量電極22が形成されている。欠陥修復用容量電極22の一端部はゲート絶縁膜を介して隣の画素を駆動するゲート・バスライン4上に延びて配置されている。欠陥修復用容量電極22の一端部に示す黒丸印24は、TFT8の不良により当該画素が点欠陥を生じた場合に、リペア用のレーザ光を照射する位置を示している。
【0026】
図1に加えて図2及び図3に示す素子断面を用いてより詳細に説明する。図2は、図1のA−A線で切断したTFT8を含む領域の液晶表示装置の断面を示している。また、図3は、図1のB−B線で切断した欠陥修復用容量電極22を含む領域の断面を示している。透明ガラス基板からなるアレイ基板1上に例えばAl(アルミニウム)とTi(チタン)とをこの順に積層したゲート電極(ゲート・バスライン)4が形成されている。ゲート電極4上及びアレイ基板1上の全面には、例えばシリコン窒化膜(SiN)からなるゲート絶縁膜26が形成されている。ゲート電極4上のゲート絶縁膜26の上方には動作半導体層として機能するアモルファスシリコン(a−Si)層30が形成されている。
【0027】
ゲート電極4上のa−Si層30上には、上層金属層をエッチングする際のエッチングストッパとして機能する例えばSiNからなるチャネル保護膜14が形成されている。a−Si層30の両側のゲート絶縁膜26上には、オーミックコンタクト層であるn+a−Si層28及び、その上にTi/Al/Tiをこの順に積層したドレイン電極16、データ・バスライン6(図2には現れていない)、ソース電極18が形成されている。ドレイン電極16及びソース電極18の端部は、チャネル保護膜14上に乗り上げて対向して形成されている。
【0028】
TFT8のソース電極18、ドレイン電極16、及びデータ・バスライン6上には、これらを覆う保護膜32が形成されている。保護膜32は例えば厚さ約1μmの絶縁性のノボラック樹脂系のレジストで形成されている。保護膜32上には透明電極材料の例えばITO(インジウム・ティン・オキサイド)が成膜され、ITO膜をパターニングして画素電極10が形成されている。また、ソース電極18上の保護膜32にはコンタクトホール20が形成されており、コンタクトホール20を介して画素電極10とソース電極18とが接続されている。
【0029】
図3に示すように、欠陥修復用容量電極22はゲート絶縁膜26上に形成されており、隣の画素を駆動するゲート・バスライン(ゲート電極)4上のゲート絶縁膜26上にまで延びて形成されている。欠陥修復用容量電極22は、データ・バスライン6、及びTFT8のドレイン電極16、ソース電極18の形成と同時にこれらの形成材料と同じ金属材料で形成される。欠陥修復用容量電極22は、保護膜32を介して画素電極10下層に拡がって形成されている。図3において、矢印で示す24が、欠陥修復時にレーザ光を照射する位置である。
【0030】
さて次に、図1乃至図3と共に図4を用いて本実施の形態による画素欠陥修復方法について説明する。アレイ工程におけるTFTの検査で図1及び図2に示すTFT8に不良が発生しており画素電極10に電圧が印加されないと判断されたら、当該TFT8が形成された画素領域内の欠陥修復用容量電極22と当該画素領域の隣の画素を駆動するゲート・バスライン4とに対して図1に示す黒丸印24を目標にしてレーザ光を照射する。レーザ光の照射エネルギにより生じる熱により、照射領域近傍の保護膜32、欠陥修復用容量電極22、ゲート絶縁膜26、及びゲート・バスライン4が溶融し、欠陥修復用容量電極22とゲート・バスライン4の溶融金属が接続されて電気的に導通する。
【0031】
この結果、保護膜32を介して画素電極10の下層に拡がる欠陥修復用容量電極22と画素電極10との間で容量が形成される。図4は、欠陥修復用容量電極22と画素電極10との間で容量が形成された状態の等価回路を示している。図4(a)はゲート・バスライン4及びコモン電極間の電位差を表している。図示のように、ゲート・バスライン4及び画素電極10間の電圧をv2とし、画素電極10及びコモン電極間の電圧をv1とし、ゲート・バスライン4及びコモン電極間の電圧をviとする。図4(b)は、ゲート・バスライン4及びコモン電極間の容量を示している。図4(b)に示すように、ゲート・バスライン4に接続された欠陥修復用容量電極22及び画素電極10間に補助容量c2が形成され、画素電極10及びコモン電極間には液晶容量c1が形成されている。
【0032】
ゲート・バスライン4から欠陥修復用容量電極22に印加される電圧はゲートオフ電圧に等しい−30V(相対電圧0V)であり、コモン電極には+5V(相対電圧+35V)が印加される。この状態において、画素電極10から取り出される電圧が±0V(相対電圧+30V)となるように補助容量c2が決められる。
【0033】
ここで、液晶容量c1に蓄積される電荷をq1とし、補助容量c2に蓄積される電荷をq2とすると、
vi=v1+v2
q1=c1×v1
q2=c2×v2
q1=q2
である。上記式に、v2=30(V)、vi=35(V)を代入して、
c2=c1/6 ・・・式(1)
が得られる。
【0034】
また、一般に容量は、
C=ε・s/d ・・・式(2)
で表される。但し、Cは容量、εは誘電体の誘電率、sは電極面積、dは電極間距離である。
【0035】
画素電極10及びコモン電極間に封止された液晶の比誘電率と保護膜32の比誘電率はほぼ等しく、コモン電極及び画素電極10間の距離は5μm程度とし、画素電極10及び欠陥修復用容量電極22間の距離は1μm程度とすると、式(2)から、液晶容量c1及び補助容量c2は、
c1=ε・s1/(5×10-3) ・・・式(3)
c2=ε・s2/(1×10-3) ・・・式(4)
である。但し、s1は画素電極10の面積、s2は欠陥修復用容量電極22の面積である。
【0036】
上記式(3)、(4)を式(1)に代入して、
s2=s1/30
上式から、欠陥修復用容量電極22の面積s2は、画素電極10の面積の1/30程度でよいことが解る。例えば、画素電極10の面積が100×300=30000μm2である場合には、欠陥修復用容量電極22の面積は1000μm2程度でよいことになる。
【0037】
つまり、欠陥修復用容量電極22の領域の面積を制御して画素電極10の電位を調節できるので、液晶に所定の電圧を印加して安定した非透過状態を作り出すことができるようになる。図4に示した例では、コモン電位(+5V)とゲート電位(−30V)の間で画素電極10が0Vの値を取るように欠陥修復用容量電極22の領域の面積を制御することで、液晶に5Vの電圧を印加して安定した非透過状態を作り出すことができる。
【0038】
次に、本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置及び画素欠陥修復方法を図5乃至図7を用いて説明する。まず、本実施の形態による液晶表示装置の概略の構成を図5及び図6を用いて説明する。図5はアレイ基板の基板面を示し、図6は図5のB−B線で切断した断面を示している。なお、第1の実施の形態による液晶表示装置の構成要素と同一の機能作用を有する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。本実施の形態による液晶表示装置は、欠陥修復用容量電極に特徴を有している。図5において、アレイ基板1上に形成されたゲート・バスライン4、データ・バスライン6、TFT8、及び蓄積容量配線12の構成は図1に示したものと同一である。
【0039】
図5及び図6に示すように、画素領域毎に絶縁膜を介して画素電極10の下層に欠陥修復用容量電極23が形成されている。欠陥修復用容量電極23は、ゲート・バスライン4の形成と同時にその形成材料と同じ金属材料で形成されている。 欠陥修復用容量電極23上にはゲート絶縁膜26が形成されている。
【0040】
図5及び図6に示すように、欠陥修復用容量電極23の一端部及び隣の画素を駆動するゲート・バスライン4の上方のゲート絶縁膜26上に接続用金属層34が形成されている。接続用金属層34は、データ・バスライン6、及びTFT8のドレイン電極16、ソース電極18の形成と同時にこれらの形成材料と同じ金属材料で形成される。図5に示すように、欠陥修復用容量電極23の一端部に示す黒丸印36と、ゲート・バスライン4上に示す黒丸印38は、TFT8の不良により当該画素が点欠陥を生じた場合に、リペア用のレーザ光を照射する位置を示している。同様に図6において、矢印36、38はリペア用のレーザ照射位置を示している。
【0041】
次に、図5及び図6と共に図7を用いて本実施の形態による画素欠陥修復方法について説明するが、その前に、図7(a)に示す等価回路を用いて画素欠陥が生じていない状態について説明する。レーザ光の照射を行わない限り、図6に示すように接続用金属層34はフローティングの状態でゲート・バスライン4とゲート絶縁膜26とで容量を形成し、同様に、欠陥修復用容量電極23もフローティングの状態で接続用金属層34及びゲート絶縁膜26とで容量を形成する。さらに欠陥修復用容量電極23がフローティングの状態で画素電極10とゲート絶縁膜26及び保護膜32を挟んで容量を形成する。図7(a)はこの状態の等価回路を示している。この等価回路が示すように、TFT8が正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合には、欠陥修復用容量電極23による負荷容量が画素電極10に与える影響を小さくすることができ、TFT8の駆動能力に与える負荷を軽減させることができる。
【0042】
さて、アレイ工程におけるTFTの検査で図5に示すTFT8に不良が発生しており画素電極10に電圧が印加されないと判断された場合について説明する。当該TFT8が形成された画素領域内の欠陥修復用容量電極23と接続用金属層34との図5から見たオーバーラップ領域の黒丸印36を目標にしてリペア用レーザ光を照射して欠陥修復用容量電極23と接続用金属層34とを電気的に接続する。さらに、接続用金属層34とゲート・バスライン4とのオーバーラップ領域の黒丸印38を目標にしてリペア用レーザ光を照射して、接続用金属層34とゲート・バスライン4とを電気的に接続する。こうすることにより、欠陥修復用容量電極23とゲート・バスライン4とが接続用金属層34を介して電気的に接続される。
【0043】
この結果、保護膜32及びゲート絶縁膜26を介して画素電極10の下層に拡がる欠陥修復用容量電極23と画素電極10との間で容量が形成される。このときの等価回路を図7(b)に示す。図7(b)は第1の実施の形態における図4(b)に示す状態と実質同一であるのでその説明は省略する。本実施の形態においても、コモン電位とゲートオフ電位の間で画素電極10が0Vの値を取るように欠陥修復用容量電極23の領域の面積を制御することで、液晶に5Vの電圧を印加して安定した非透過状態を作り出すことができるようになる。
【0044】
次に、本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置及び画素欠陥修復方法を図8及び図9を用いて説明する。図8はアレイ基板の基板面を示し、図9は図8のB−B線で切断した断面を示している。なお、第1及び第2の実施の形態による液晶表示装置の構成要素と同一の機能作用を有する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。本実施の形態による液晶表示装置は、蓄積容量配線と欠陥修復用容量電極に特徴を有している。図8において、アレイ基板1上に形成されたゲート・バスライン4、データ・バスライン6、及びTFT8の構成は図1に示したものと同一である。
【0045】
第1の実施の形態で図1に示した蓄積容量配線12は、画素電極10のほぼ中央を通ってゲート・バスライン4に平行に形成されていたが、本実施の形態による蓄積容量配線40は、図8及び図9に示すように、隣接する画素を駆動するゲート・バスライン4近傍にゲート・バスライン4と平行に形成されている。そして、画素領域毎に絶縁膜を介して画素電極10の下層に、欠陥修復用容量電極42を兼ねる蓄積容量電極が形成されている。欠陥修復用容量電極42は黒丸印46が示されたくびれ部で蓄積容量配線40と接続されており、ゲート・バスライン4の形成と同時にその形成材料と同じ金属材料で形成されている。
【0046】
欠陥修復用容量電極23からゲート・バスライン4に至るゲート絶縁膜26上に接続用金属層44が形成されている。接続用金属層44はデータ・バスライン6の形成と同時にその形成材料と同じ金属材料で形成されている。図8に示すように、欠陥修復用容量電極42の一端部に示す黒丸印48と、ゲート・バスライン4上に示す黒丸印50、及びくびれ部の黒丸印46は、TFT8の不良により当該画素が点欠陥を生じた場合に、リペア用のレーザ光を照射する位置を示している。同様に図9において、矢印46、48、50はリペア用のレーザ照射位置を示している。
【0047】
TFT8が正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合には、欠陥修復用容量電極42は蓄積容量配線40と接続されて蓄積容量電極として機能する。アレイ工程におけるTFTの検査で図8に示すTFT8に不良が発生しており画素電極10に電圧が印加されないと判断された場合について説明する。当該TFT8が形成された画素領域内の欠陥修復用容量電極42と接続用金属層44との図8から見たオーバーラップ領域の黒丸印48を目標にしてリペア用レーザ光を照射して欠陥修復用容量電極42と接続用金属層44とを電気的に接続する。さらに、接続用金属層44とゲート・バスライン4とのオーバーラップ領域の黒丸印50を目標にしてリペア用レーザ光を照射して、接続用金属層44とゲート・バスライン4とを電気的に接続する。
【0048】
こうすることにより、欠陥修復用容量電極42とゲート・バスライン4とが接続用金属層44を介して電気的に接続される。さらに、くびれ部の黒丸印46にレーザ光を照射してくびれ部の金属を溶融して切断し、欠陥修復用容量電極42と蓄積容量配線40とを電気的に分離する。この結果、保護膜32及びゲート絶縁膜26を介して画素電極10の下層に拡がる欠陥修復用容量電極42と画素電極10との間で容量が形成される。
【0049】
本実施の形態においても、コモン電位とゲートオフ電位の間で画素電極10が0Vの値を取るように欠陥修復用容量電極42の領域の面積を制御することで、液晶に5Vの電圧を印加して安定した非透過状態を作り出すことができるようになる。また、本実施の形態では画素電極10下層の蓄積容量電極が欠陥修復用容量電極42を兼ねている。従って、欠陥修復用容量電極を別に配置しなくても済むので、TFT8が正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合の画素の開口率を低下させないようにすることができる。
【0050】
次に、本実施の形態による液晶表示装置の変形例を図10を用いて説明する。図10に示す液晶表示装置は、図8に示す液晶表示装置と比較して、蓄積容量配線40と欠陥修復用容量電極42との接続部のくびれ部を欠陥修復用容量電極42両端部の2箇所に配置した点だけが異なっている。すなわち、欠陥修復用容量電極42を蓄積容量配線40から分離するためのレーザ光照射位置が黒丸印46、52の2箇所になっている。このように蓄積容量配線40と欠陥修復用容量電極42との接続部を2箇所に分散配置して冗長性を高めたことにより、接続部の細いくびれ部が製造工程中に誤って切断することがあっても、残りのくびれ部により所期の機能を発揮させることができるので製造歩留まりを向上させることができるようになる。
【0051】
次に、本発明の第4の実施の形態による液晶表示装置及び画素欠陥修復方法を図11及び図12を用いて説明する。図11はアレイ基板面を示し、図12は図11のB−B線で切断した断面を示している。なお、第1乃至第3の実施の形態による液晶表示装置の構成要素と同一の機能作用を有する構成要素には同一の符号を付してその説明は省略する。本実施の形態による液晶表示装置は、欠陥修復用容量電極の配置形状に特徴を有している。図11において、アレイ基板1上に形成されたゲート・バスライン4、データ・バスライン6、及びTFT8の構成は図1に示したものと同一である。また、蓄積容量配線40は、図8に示したものと同様に、隣接する画素を駆動するゲート・バスライン4近傍にゲート・バスライン4と平行に形成されている。
【0052】
そして、画素領域毎に絶縁膜を介して画素電極10の下層に、欠陥修復用容量電極54を兼ねる蓄積容量電極が形成されている。欠陥修復用容量電極54は全体としてU字状をしており、蓄積容量配線40からほぼ直角に延びる電極部54aと、電極部54aから直角に分岐した電極部54bと、その先端部から直角に曲げられて延びる電極部54cとで構成されている。図11に示すように、これら電極部54a、54b、54cは画素電極10の周辺部に配置されて、画素領域端部の液晶分子の配向状態が不安定な領域を遮光する遮光膜を兼ねている。
【0053】
欠陥修復用容量電極54は黒丸印62が示された接続部で蓄積容量配線40と接続されており、ゲート・バスライン4の形成と同時にその形成材料と同じ金属材料で形成されている。
【0054】
欠陥修復用容量電極54の金属部54aの先端部は、当該画素領域を駆動するゲート・バスライン4近傍まで延びている。金属部54a先端部とその先端部近傍のゲート・バスライン4上のゲート絶縁膜26上に接続用金属層56が形成されている。接続用金属層56はデータ・バスライン6の形成と同時にその形成材料と同じ金属材料で形成されている。図11に示すように、金属層54aの一端部に示す黒丸印58と、ゲート・バスライン4上に示す黒丸印60、及び接続部の黒丸印62は、TFT8の不良により当該画素が点欠陥を生じた場合に、リペア用のレーザ光を照射する位置を示している。同様に図12において、矢印58、60、62もリペア用のレーザ照射位置を示している。
【0055】
TFT8が正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合には、欠陥修復用容量電極54は蓄積容量配線40と接続されて蓄積容量電極として機能し、さらに画素周辺部の遮光膜として機能する。アレイ工程におけるTFTの検査で図11に示すTFT8に不良が発生しており画素電極10に電圧が印加されないと判断された場合について説明する。
【0056】
当該TFT8が形成された画素領域内の欠陥修復用容量電極54の電極層54a先端部と接続用金属層56との図11から見たオーバーラップ領域の黒丸印58を目標にしてリペア用レーザ光を照射して欠陥修復用容量電極54と接続用金属層56とを電気的に接続する。さらに、接続用金属層56とゲート・バスライン4とのオーバーラップ領域の黒丸印60を目標にしてリペア用レーザ光を照射して、接続用金属層56とゲート・バスライン4とを電気的に接続する。こうすることにより、欠陥修復用容量電極54とゲート・バスライン4とが接続用金属層56を介して電気的に接続される。
【0057】
さらに、接続部の黒丸印62にレーザ光を照射して接続領域の金属を溶融して切断し、欠陥修復用容量電極54と蓄積容量配線40とを電気的に分離する。この結果、保護膜32及びゲート絶縁膜26を介して画素電極10の下層に拡がる欠陥修復用容量電極54と画素電極10との間で容量が形成される。本実施の形態においても、コモン電位とゲートオフ電位の間で画素電極10が0Vの値を取るように欠陥修復用容量電極54の領域の面積を制御することで、液晶に5Vの電圧を印加して安定した非透過状態を作り出すことができるようになる。
【0058】
また、本実施の形態では画素電極10下層の蓄積容量電極が欠陥修復用容量電極54及び遮光膜を兼ねている。従って、欠陥修復用容量電極を別に配置する必要がないので、TFT8が正常に機能しており欠陥修復をする必要がない場合の画素の開口率を低下させないようにすることができると共に、液晶の配向不良により生じる画素周辺部のディスクリネーションを遮光することができる。
【0059】
次に、本実施の形態による液晶表示装置の変形例を図13を用いて説明する。図13に示す液晶表示装置は、図11に示す液晶表示装置と比較して、蓄積容量配線40と欠陥修復用容量電極54との接続部を欠陥修復用容量電極54の電極部54b両端部の2箇所に配置した点が異なっている。すなわち、欠陥修復用容量電極54を蓄積容量配線40から分離するためのレーザ光照射位置が黒丸印62、64の2箇所になっている。このように蓄積容量配線40と欠陥修復用容量電極54との接続部を2箇所持たせて冗長性を高めたことにより、細い接続部が製造工程中に誤って切断されてしまうことがあっても、残りの接続部により所期の機能を発揮させることができるので製造歩留まりを向上させることができるようになる。
【0060】
本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。
例えば、上記実施の形態では、逆スタガ型でチャネル保護膜が形成されたTFTを例にとって説明したが、本発明はこれに限らず、チャネル保護膜がない逆スタガ型TFT、あるいはスタガ型やプレーナ型のTFTにももちろん適用することができる。
【0061】
さらに上記実施の形態では、バックライト機構を備えた透過型液晶表示装置を前提に説明しているが、本発明はこれに限られず、反射型液晶表示装置に適用することももちろん可能である。
【0062】
上記第1乃至第3の実施の形態では、隣の画素のゲート・バスラインに欠陥修復用容量電極を接続しているが、本発明はこれに限らず、点欠陥を生じた画素のゲート・バスラインに欠陥修復用容量電極を接続してももちろんよい。
【0063】
また、上記実施の形態では、欠陥修復用容量電極をゲート・バスライン形成用金属あるいはデータ・バスライン形成用金属で形成しているが、本発明はこれに限らず、画素電極10の形成とは独立した別工程でITO等の透明電極材料を用いて欠陥修復用容量電極を形成してもよい。こうすることで、製造工程数は増えるが画素の開口率を大きくすることができる。
【0064】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、欠陥画素を修復した際にゲートオフ電圧の大きさに依存しない最適な電圧を液晶に印加できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置をアレイ基板面から見た概略の構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置を図1のA−A線で切断した断面で示す図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置を図1のB−B線で切断した断面で示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による液晶表示装置及びその画素欠陥修復方法を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置をアレイ基板面から見た概略の構成を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置を図5のB−B線で切断した断面で示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による液晶表示装置及びその画素欠陥修復方法を説明する図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置をアレイ基板面から見た概略の構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置を図8のB−B線で切断した断面で示す図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による液晶表示装置及びその画素欠陥修復方法の変形例を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態による液晶表示装置をアレイ基板面から見た概略の構成を示す図である。
【図12】本発明の第4の実施の形態による液晶表示装置を図11のB−B線で切断した断面で示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態による液晶表示装置及びその画素欠陥修復方法の変形例を示す図である。
【図14】従来の液晶表示パネルのアレイ基板を液晶層側から見た基板面を示す図である。
【図15】基板に垂直な面で切断したLCDの断面を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1、200 アレイ基板
4、204 ゲート電極(ゲート・バスライン)
6、206 データ・バスライン(ドレイン・バスライン)
8、208 TFT
10、210 画素電極
12、40 蓄積容量配線
14、214 チャネル保護膜
16、216 ドレイン電極
18、218 ソース電極
20、220 コンタクトホール
22、23、42、54 欠陥修復用容量電極
26 ゲート絶縁膜
30 アモルファスシリコン(a−Si)層
32 保護膜
34、44,56 接続用金属層
54a、54b、54c 電極部
212 蓄積容量配線
222、224 レーザ照射位置
Claims (5)
- 基板上に形成された複数のゲート・バスラインと、
前記ゲート・バスラインにほぼ直交して前記基板上に形成された複数のデータ・バスラインと、
前記ゲート・バスラインと前記データ・バスラインとで画定されてマトリクス状に配列する複数の画素領域に形成された薄膜トランジスタと、
前記画素領域内に形成されて前記薄膜トランジスタと接続される画素電極と、
前記画素電極の下層に形成された絶縁膜と、
前記絶縁膜の下層に形成され、前記薄膜トランジスタに不良が発生して前記画素電極に電圧が印加されないときに、前記ゲート・バスラインに接続されて前記画素電極と前記絶縁膜とで補助容量を形成する欠陥修復用容量電極と
を有することを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置において、
前記欠陥修復用容量電極と前記ゲート・バスラインとを前記絶縁膜を介して接続可能な接続用金属層を有していること
を特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1又は2に記載の液晶表示装置において、
前記欠陥修復用容量電極が、蓄積容量電極又は遮光膜を兼ねていること
を特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の液晶表示装置において、
前記欠陥修復用容量電極は、透明電極材料で形成されていること
を特徴とする液晶表示装置。 - ゲート・バスライン及びそれとほぼ直交するデータ・バスラインとで画定された画素領域に形成された薄膜トランジスタの不良に基づく画素欠陥を修復する画素欠陥修復方法であって、
画素電極下層に絶縁膜を介して形成された欠陥修復用容量電極と前記ゲート・バスラインとを電気的に接続して、前記画素電極と前記欠陥修復用容量電極とで前記絶縁膜を挟んだ補助容量を形成すること
を特徴とする画素欠陥修復方法。
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