JP4453496B2 - マーキング方法、ディスクカートリッジ、及びシャッター部材 - Google Patents

マーキング方法、ディスクカートリッジ、及びシャッター部材 Download PDF

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本発明は、例えばディスクカートリッジのシャッター部材の表面に文字、数字、図形等でなる情報の表示部を形成するのに好適なマーキング方法およびこの方法を用いて製造されたシャッター部材を備えたディスクカートリッジに関する。
従来より、ディスクカートリッジにおけるシャッター部材は、当該ディスクカートリッジの外観を構成し人目に触れることから、シャッター部材の表面に美的処理を施してデザイン性を持たせたり、ディスク商品情報を付加している。具体的には、金属製のシャッター部材表面にヘアライン等の表面処理を施したり、シャッター部材表面にディスク名(例えば「Mini Disk」)、記録時間、メーカーロゴ名等を印刷、刻印等の手法により形成している(下記特許文献1参照)。
一方、従来より、レーザーマーキングによる印刷が知られている。レーザーマーキング法は、基材表面に形成したベタ状の着色膜に対してレーザー光を選択的に照射して不要着色膜領域を除去することにより、当該着色膜の下地色で文字、図形等を表示させる方法である。上記下地色としては、基材の素地色であったり、当該着色膜の下層に設けた他の色の着色層であったりする場合が多い(下記特許文献2参照)。
特開2001−297555号公報 特開平10−138641号公報
さて、例えば上述したディスクカートリッジにおけるシャッター部材の表面に、そのシャッター部材の素地色を用いて、図8Aに示すようなレーザーマーキング法による情報の表示部Pを形成したい場合がある。この場合、従来では、シャッター部材の構成基材1の表面所定範囲にわたって着色層2をベタ状に形成した後、図8Bに示すように、炭酸ガス(CO2)レーザー等のレーザー光3を照射して着色層2を選択的に除去し、基材1の素地色で形成された文字や図形等のパターン(図9A)を外部に引き出すようにしている。
しかしながら、基材1の表面にヘアライン等の加工処理を施した場合には、図8Cに示すように基材1の表面には微細な凹凸5が形成されているため、レーザーマーキング法を実施しても凹凸5内部の着色層2を完全に除去することができず、パターンの内部に着色層2の一部が残留し、基材1の素地色を鮮明に引き出せないという問題がある(図9B参照)。
この問題は、レーザーマーキング法の基本原理がレーザー光の照射によって発生する熱エネルギーで塗膜を溶融、気化させて除去することにあるため、基材1が熱伝導性に優れた金属材料である場合、基材1にレーザー光3が到達した際に熱エネルギーが基材1に奪われ、これにより凹部5の内部に入り込んだ着色層2を完全に除去できなくなるのが、その主な理由である。
また、適正なマーキング(印字)が行えたとしても、その印字条件幅は小さく、製品によって印字条件のバラツキが大きくなるため、着色層の除去ムラが発生したり、レーザー光の印字条件出しに多大な時間を要することになるため、生産性及び作業性が悪いという問題もある。
以上のように、従来のレーザーマーキング法では、表面粗さが比較的大きな基材表面に適用する場合には基材1の素地色を鮮明に引き出すことができず、また、基材1の素地色を鮮明に引き出すためには基材1の表面に高い平滑性が要求され、これが原因でデザイン上の設計自由度が小さくなる等の弊害が生じている。更に、印字条件幅が狭いため、作業性及び生産性が悪いという問題もある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされ、作業性及び生産性に優れ、基材の表面粗さが比較的大きな場合でもその素地色を鮮明に引き出すことができるマーキング方法、及びこの方法を用いて製造されたシャッター部材を備えたディスクカートリッジを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明のマーキング方法は、基材の表面を覆う透明被覆層と、この透明被覆層を覆う着色層とを有し、レーザー光の照射により上記着色層を選択的に除去することで、基材の素地色を外部に引き出し、マーキングを行うことを特徴とする。
本発明では、基材表面と着色層との間に透明被覆層を介在させているので、基材が金属製で、表面粗さが比較的大きな場合でも、基材表面との密着層が当該透明被覆層であるため、レーザーマーキング処理の際、基材の素地色を鮮明に引き出すことが可能となり、マーキングの高品質化が図れる。
透明被覆層の構成材料は、透明であれば特に限定されず、例えばポリエステル系、エポキシ系等の透明な合成樹脂塗装膜が適用可能である。また、上層の着色層との間の融点の大小、熱吸収率の優劣等は問われない。透明被覆層および着色層は、基材の表面の全域に形成されていてもよいし、マーキング領域にのみ形成されていてもよい。
レーザー光の照射エネルギーは、着色層の除去が行える大きさのエネルギーであることは勿論、更に下地の透明被覆層の少なくとも一部をも除去できる大きさとする。これにより、着色層の完全除去が図れるとともに、レーザー光の条件出し作業が容易となり、作業性及び生産性の向上を図ることができる。なお、用いるレーザー光はCO2レーザーやYAGレーザー等、着色層および透明樹脂層の構成材料に合わせて適宜選定することができる。
また、透明被覆層の形成厚を基材の表面粗さ(Ry)以上の大きさとすることにより、基材の表面性状の影響を少なくでき、これにより印字条件幅の拡大が図られ、レーザーマーキング処理の容易化及び作業性の向上を図ることができる。
また、本発明のディスクカートリッジは、シャッター部材の表面に、透明被覆層と、この透明被覆層を覆う着色層とが形成されており、この着色層を選択的に除去して引き出されたシャッター部材の素地色によって、情報の表示部が形成されているので、シャッター部材の材質、表面性状に関係なく、高品質に表示部を形成することができる。
更に、本発明は、基材の表面に形成された着色層を選択的に除去することによって引き出された基材の素地色で所定の表示が形成されているマーキング体であって、上記基材と上記着色層との間に透明被覆層が設けられており、この透明被覆層を介して上記基材の素地色が外部に引き出されていることを特徴とする。着色層の除去は、レーザー光の照射に限らず、ルーター等の機械加工でもよい。この場合、透明被覆層は基材表面の保護膜として機能させることができる。
以上述べたように、本発明のレーザーマーキング法によれば、基材の材質、表面粗さの程度に関係なく、基材の素地色を鮮明に引き出すことが可能となるので、設計自由度、印字品質、デザイン性、作業性及び生産性等に優れたマーキング体(印刷物)を得ることができる。
また、本発明のディスクカートリッジによれば、上記手法でシャッター部材表面に高品質の表示部を形成することができるので、ディスクカートリッジの意匠性が高まるとともに、その生産性を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下の実施の形態では、ディスクカートリッジにおけるシャッター部材の表面に形成された表示部の印刷に本発明のマーキング方法を適用した例について説明する。
図1〜図3は本発明の実施の形態によるディスクカートリッジ20を示している。ここで、図1はディスクカートリッジ20の分解斜視図、図2はディスクカートリッジ20を上ハーフ22側から見たときの全体斜視図、図3はディスクカートリッジ20を下ハーフ23側から見たときの全体斜視図である。
本実施の形態のディスクカートリッジ20は、例えばポリカーボネート等の合成樹脂製の方形状に形成された上ハーフ22と下ハーフ23とを互いに突き合わせ結合してカートリッジ本体24を構成している。このカートリッジ本体24内にディスク状記録媒体21を回転可能に収納している。ディスク状記録媒体21としては、一度記録した情報を消去しその上から新たな情報信号の再記録が可能な光磁気ディスクが用いられている。
図4及び図5は、それぞれ上ハーフ22及び下ハーフ23の内面構成を示している。図4及び図5に示すように、カートリッジ本体24を構成する上ハーフ22及び下ハーフ23には、立上がり周壁38及び立上がり周壁39がそれぞれ周回りに一体に立設されている。これら立上がり周壁38,39は、上ハーフ22と下ハーフ23とを、突合せ嵌合凸部40A〜40Cと突合せ嵌合凸部41A〜41Cを介して一体に結合した状態において、互いに突き合わされてカートリッジ本体24の外周壁を構成する。
また、図4及び図5に示すように、上ハーフ22及び下ハーフ23には、相対向する内面に、壁部42及び壁部43がそれぞれ一体に立設されている。これら壁部42及び壁部43は、上ハーフ22と下ハーフ23とを結合した状態においてディスク状記録媒体21を回転自在に収納するディスク収納部44を区画、形成する。また、これら壁部42及び壁部43は、立上がり周壁38及び立上がり周壁39にそれぞれほぼ内接する同一円周上に位置された複数の円弧に沿って形成されている。
カートリッジ本体24には、このディスクカートリッジ20を記録再生装置に装着したときに、カートリッジ本体24に収納された光磁気ディスク21を回転操作するディスク回転駆動装置のディスクテーブルが進入する、ディスクテーブル進入用開口部25が形成されている。このディスクテーブル進入用開口部25は、具体的には、上記ディスクテーブル上に載置される光磁気ディスク21のセンター孔21aを含む内周側部分を外側に露出させるように、下ハーフ23のほぼ中央部に円形の開口をもって形成されている。
カートリッジ本体24の上ハーフ22及び下ハーフ23には、光磁気ディスク21の信号記録領域を、その円周方向の一部で、かつその内周側から外周側に亘って外部に露出させる情報記録再生用開口部26,27がそれぞれ形成されている。これらの情報記録再生用開口部26,27は、ディスクテーブル進入用開口部25の近傍位置から、カートリッジ本体24の前面24aの近傍位置に亘って、かつその前面24aの長さ方向のほぼ中央部に位置すると共に、情報記録再生用開口部26,27はほぼ方形状に形成されている。
そして、カートリッジ本体24には、情報記録再生用開口部26,27を通って内部に塵埃等が侵入して、内部に収納された光磁気ディスク21に塵埃等が付着することを防止するため、情報記録再生用開口部26,27を閉塞するシャッター部材28が設けられている。
シャッター部材28は、薄い金属板を所定の形状に打ち抜き、それを折り曲げて形成されたものであって、情報記録再生用開口部26,27をそれぞれ閉塞するシャッター部28a,28bと、これらシャッター部28a,28bの側部を連結する連結片28cとから構成され、全体として断面が略コの字形状に形成されている。連結片28cの一端側には、シャッター部材28がカートリッジ本体24の前面24aに沿って平行にスライドし得るようにガイドするシャッタースライドガイド28dが延設されている。
そして、シャッター部材28は、各シャッター部28a,28bが情報記録再生用開口部26,27を閉塞する開口部閉塞位置と、情報記録再生用開口部26,27を開放する開口部開放位置間に亘って、図2において矢印C方向及びD方向にスライド可能となってカートリッジ本体24に取り付けられている。シャッター部材28は、バネ部材29の付勢力を受けて開口部閉塞位置へ付勢されている。
なお、シャッター部材28のシャッター部28a,28bの少なくとも何れか一方の表面には、後述するレーザーマーキング処理によってデザイン上の加飾が施されているが、その詳細については後述する。
一方、図1に示すように、カートリッジ本体24を構成する下ハーフ23の前面24a側の一方のコーナー部には、シャッターロック部材31が設けられている。このシャッターロック部材31は、シャッター部材28が図2及び図3に示すように、情報記録再生用開口部26,27を閉塞する位置にあるときに、不用意に移動操作されて情報記録再生用開口部26,27を開放しないようにするために設けられている。このシャッターロック部材31は、図1に示すシャッター部材28のシャッタースライドガイド部28dの一部を折り曲げて形成した被係合片30と係合して、シャッター部材28を上記閉塞位置に保持する。
次に、図3に示すように、カートリッジ本体24の下ハーフ23側には、このディスクカートリッジ20を記録再生装置内のカートリッジ装着部に装着させたときに、ディスクカートリッジ20の装着位置の位置決めをする位置決めピンが係合する位置決めピン係合孔34,35が設けられている。これら位置決めピン係合孔34,35は、カートリッジ本体24の側面24c側及び側面24d側の位置で、カートリッジ本体24の前面24a側寄りに位置して設けられている。
また、図3に示すように、カートリッジ本体24の下ハーフ23側には、ディスクカートリッジ20を記録再生装置内のカートリッジ装着部に自動装着させるために用いられるオートローディング機構のカートリッジ保持爪が係合するローディング機構係合凹所36,36が形成されている。ローディング機構係合凹所36,36は、カートリッジ本体24の側面24c寄りに位置して、カートリッジ本体24の下面から前面24a側に亘って、及びカートリッジ本体24の下面から背面24b側に亘ってそれぞれ形成されている。
さらに、図3に示すように、カートリッジ本体24の下ハーフ23側には、このカートリッジ本体24に収納されたディスク状記録媒体21が光磁気ディスクであることを示す光磁気ディスク表示用凹部37が設けられている。この光磁気ディスク表示用凹部37は、カートリッジ本体24の前面24a側寄りに位置して、カートリッジ本体24の側面24c側に形成されている。
そして、図3及び図5に示すように、カートリッジ本体24の下ハーフ23側であって、カートリッジ本体24の側面24dと背面24bとが交差するコーナー部には、誤記録検出孔33が穿設されている。この誤記録検出孔33は、このディスクカートリッジ20の誤記録防止機構の一部を構成しており、誤記録防止部材32(図1)の移動操作によって開閉され、その開閉状態に対応して記録可能状態及び記録不可能状態がそれぞれ検出される。誤記録防止部材32は、カートリッジ本体の側面24dに形成された操作窓51を介して移動操作されるようになっている。
本実施の形態のディスクカートリッジ20は以上のように構成される。続いて、このディスクカートリッジ20におけるシャッター部材28の加飾構造及びその形成方法について説明する。
シャッター部材28は、例えばアルミニウム系金属材料の薄板基材を所定の形状に打ち抜いた後、図1に示した形状に折り曲げて形成されている。シャッター部材28(より具体的には、シャッター部28a,28b)の表面及び裏面には、記録再生装置内のカートリッジ装着部への出し入れ時における基材の摩耗防止、及び、シャッター開閉時におけるカートリッジ本体24に対する摺動性向上を目的とした透明被覆層がそれぞれ設けられている。そして、シャッター部材28の表面側には、上記透明被覆層の上から赤、青、黒等の着色層(インク層)が設けられている。この着色層は後に、レーザー光で選択的に除去されることにより、図9Aに示したような文字、数字、図形等の組合せで形成された表示部Pがパターニングされる。
透明被覆層10a,10bは透明であれば良く、特に材料は限定されないが、例えばポリエステル系、エポキシ系等の合成樹脂被膜が適用可能である。着色層2も同様に、特に材料は限定されず、例えば上記合成樹脂被膜に形成色の顔料を添加したものが適用可能である。レーザー光は、少なくとも着色層2を加熱溶融除去できる波長帯域のレーザー源が適用可能であり、CO2レーザーやYAGレーザー等、仕様に応じて選定される。
図6Aは、シャッター部材28の断面構造を示す模式図である。図示するように、シャッター部材28は、基材1の表面(図において上面側)と裏面(図において下面側)には所定厚の透明被覆層10a,10bがそれぞれ形成されており、基材1の表面側には更に着色層2が透明被覆層10aの上から形成されている。本実施の形態において、透明被覆層10a,10bは、基材1の表面全域及び裏面全域に形成されているが、着色層2は、シャッター部材28の表面一部領域に形成されている。
表示部Pは、図6Bに示すように、着色層2の所定領域にレーザー光(本実施の形態ではCO2レーザー)3を照射することによって、着色層2を選択的に溶融、気化させて除去するレーザーマーキング法によって形成される。これにより、着色層2の除去領域から基材1の素地色を外部に引き出し、図9Aに示したような表示部Pを形成することができる。
上述のように、本実施の形態では、基材1の表面を覆う透明被覆層10aと、この透明被覆層10aを覆う着色層2とを有し、レーザー光3の照射により着色層3を選択的に除去することで、基材1の素地色を外部に引き出し、マーキングを行うようにしている。従って、本実施の形態によれば、基材1の表面と着色層2との間に透明被覆層10aを介在させているので、基材1が伝熱性に優れた金属材料製である場合でも、レーザー光3の照射領域に位置する着色層2の完全除去が可能となる。基材1の表面に透明被覆層10aが残存していても、これが透明であるために、基材1の素地色を鮮明に引き出すことができる。
また、従来のレーザーマーキング法では、レーザーパワー(照射エネルギー)が過剰であると基材表面を変性させる場合があるためにレーザーパワーの条件出しに厳密さが要求されていたのに対し、本実施の形態によれば、基材1と着色層2との間に透明被覆層10aを介在させているので、レーザーマーキングの際、着色層2だけでなく、下地の透明被覆層10aをも除去し得る程度のレーザーパワーでも許容されることになる。これにより、レーザー光3の印字条件出し作業が従来よりも容易となり、これにより印字条件幅が広がることによって作業性の向上を図ることができる。また、この被覆透明層10aをレーザー照射の際の基材1表面の保護膜として機能させることもできる。更に、印字条件幅の拡大により、印字条件のバラツキによる着色層の除去ムラの発生が抑えられ、表示部Pの仕上げ品質を向上させることができる。
一方、本実施の形態では、図6Aに示したように、シャッター部材28を構成するアルミニウム基材1の表面側に、デザイン性を高める目的でヘアライン加工が施されており、これにより基材1の表面側に微小な凹部5が形成されている。
このような表面性状を有する基材1に対して透明被覆層10aを形成するに当たり、本実施の形態では、凹部5を有する基材1表面の表面粗さ(Ry)以上の厚さで表面被覆層10を形成している。「Ry」で表示される表面粗さ(最大高さ)は、図7Aに示すように、基準長さにおける凹部5の最低谷底から最大山頂までの高さ(JISB0601−1994)である。
透明被覆層10aの形成厚が基材1の表面粗さ(Ry)よりも小さい場合、図7Bに示すように透明被覆層10aを被覆する着色層2は凹部5に一部埋没し、これが原因でレーザーマーキング時に熱エネルギーが基材1に拡散して着色層2の完全除去が困難になる。このため図9Bに示したように、基材1の素地色で表示されるべき表示部Pは、基材1の素地色(本例では銀)に着色層2の形成色(例えば黒)が微小な点状に分布した様相を呈することになるため、基材1の素地色を鮮明に引き出すことができなくなる。
これに対して、透明被覆層10aを図7Cに示すように基材1表面の表面粗さ(Ry)以上の形成厚で設けるようにすれば、着色層2を凹部5から離して形成できるため、レーザーマーキング時に着色層2の完全除去が可能となり、図9Aに示したように基材1の素地色を鮮明に引き出して、高品質の表示部Pを形成することができるようになる。
この被覆透明層10aの形成厚の具体例を挙げると、基材1表面の表面粗さ(Ry)が1.5μm〜1.8μmである場合、被覆透明層10aの形成厚は例えば2μm以上の厚さで十分とされるが、被覆透明層10aの膜厚バラツキ等を考慮して、3μm以上が好適とされる。また、ディスクカートリッジのシャッター部材を適用例とした本例のサンプルでは、被覆透明層10a及び着色層2のトータル厚みを12μm±2μmとした。
以上のように、本実施の形態によれば、基材1の材質、表面粗さの程度に関係なく、レーザーマーキング法によって基材の素地色を鮮明に引き出すことが可能となるので、基材1の設計自由度及びデザイン性を広げて製品(本例ではディスクカートリッジ20)の意匠性を高めることができるとともに、印字品質、作業性、生産性の向上を図ることが可能となる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、シャッター部材28の基材1としてアルミニウム系合金を例に挙げて説明したが、勿論これに限られず、ステンレス等の打ち抜き鋼板や、表面に金属めっきや金属蒸着処理等が施されたプラスチック基体、あるいはプラスチック基体そのものであってもよい。また、基材1の凹部5はヘアライン加工によって形成されたものに限らず、エンボス加工やプレス加工等が施されたものであってもよい。
また、以上の実施の形態では、ディスクカートリッジ20におけるシャッター部材28の表面加飾に本発明のレーザーマーキング法を適用した例について説明したが、これに限らず、他の製品の金属部品またはプラスチック部品等をその適用対象とすることも可能である。
なお、着色層2を異なる形成色の多層膜として形成し、レーザー光3の照射によるパターニング深さを調整することによって、表示部2の多色化を図ることも可能である。
本発明の実施の形態によるディスクカートリッジ20の分解斜視図である。 ディスクカートリッジ20を上ハーフ22側から見たときの全体斜視図である。 ディスクカートリッジ20を下ハーフ23側から見たときの全体斜視図である。 上ハーフ22の内面図である。 下ハーフ23の内面図である。 ディスクカートリッジ20のシャッター部材28の要部の構成を模式的に示す側断面図であり、表示部Pのレーザーマーキング工程を示している。 シャッター部材28の構成基材の表面性状を模式的に示す側断面図であり、Aは表面粗さ(Ry)の説明図、Bは透明被覆層10aの形成厚がRy以下の断面図、Cは透明被覆層10aの形成厚がRy以上の断面図である。 従来のレーザーマーキング方法を説明する図である。 シャッター部材表面に形成される表示部Pの一具体例を示す図で、Aは本発明による処理例、Bは従来例による処理例をそれぞれ示している。
符号の説明
1…シャッター部材の基材、2…着色層、3…レーザー光、5…凹部、10a,10b…透明被覆層、20…ディスクカートリッジ、21…ディスク状記録媒体、24…カートリッジ本体、26,27…情報記録再生用開口部、28…シャッター部材、P…表示部。

Claims (3)

  1. 信号記録領域を有するディスク状記録媒体と、
    前記信号記録領域を露出させる開口部を有し、前記ディスク状記録媒体を回転可能に収容するカートリッジ本体と、
    ヘアライン加工が施された表面を有する基材と、前記表面の表面粗さ(Ry)以上の厚さで、前記表面上の全体に亘って形成された透明被覆層と、前記透明被覆層の一部に積層された有色層と、レーザー光の前記有色層への照射により、前記有色層の一部が選択的に除去されて形成された情報表示部とを有し、前記カートリッジ本体に前記開口部を開閉可能に設けられたシャッター部材と
    を具備するディスクカートリッジ。
  2. 信号記録領域を有するディスク状記録媒体と、前記信号記録領域を露出させる開口部を有し、前記ディスク状記録媒体を回転可能に収容するカートリッジ本体と、ヘアライン加工が施された表面を有する基材を有し、前記カートリッジ本体に前記開口部を開閉可能に設けられたシャッター部材とを有するディスクカードリッジの、前記シャッター部材にマーキングを施すマーキング方法であって、
    前記表面の表面粗さ(Ry)以上の厚さで、前記表面上の全体に亘って透明被覆層を形成し、
    前記透明被覆層の一部に有色層を積層し、
    レーザー光を前記有色層へ照射して、前記有色層の一部を選択的に除去する
    マーキング方法。
  3. 信号記録領域を有するディスク状記録媒体と、前記信号記録領域を露出させる開口部を有し、前記ディスク状記録媒体を回転可能に収容するカートリッジ本体とを有するディスクカートリッジの前記カートリッジ本体に、前記開口部を開閉可能に設けられたシャッター部材であって、
    ヘアライン加工が施された表面を有する基材と、
    前記表面の表面粗さ(Ry)以上の厚さで、前記表面上の全体に亘って形成された透明被覆層と、
    前記透明被覆層の一部に積層された有色層と、
    レーザー光の前記有色層への照射により、前記有色層の一部が選択的に除去されて形成された情報表示部と
    を具備するシャッター部材。
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