JP4453220B2 - ディーゼルエンジンの制御装置 - Google Patents

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディーゼルエンジンの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンでは、高温の燃焼室の内部に燃料が噴射され、噴射された燃料が自然発火することにより燃焼が行われる。そのため、ディーゼルエンジンの場合、安定した燃焼を確保するために圧縮比は一般に20程度と高く設定されている。一方、圧縮比を高めることにより、燃焼室の内部の温度が上昇し燃料の着火性は向上するものの、燃焼温度が高くなるためNOxの発生が増加する。また、圧縮比を高めることにより、NOxの発生が増加するだけでなく、アイドリング時の騒音の増大、ならびに高い圧縮比に耐えうる構造とするためディーゼルエンジンのコストが増大するという問題がある。
【0003】
近年、燃料の噴射をディーゼルエンジンの運転状況に合わせて電子的に制御する燃料噴射の電子制御化にともない、燃料の噴射量および噴射時期の自由度が向上している。これにより、圧縮比を従来より低く設定し燃焼温度を低下させたディーゼルエンジンが実現可能となっている。しかし、圧縮比を低く設定すると、低温時のエンジンの始動性、ならびに低負荷域での着火性および燃焼安定性が悪化する。そのため、圧縮比の低減には限界がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、例えば特開平5−52130号公報に開示されているディーゼルエンジンのように、二段階の噴射が可能なインジェクタと可変バルブタイミング機構とを組み合わせたディーゼルエンジンを制御することにより、燃焼温度の低下を図る技術が公知である。特開平5−52130号公報に開示されている技術によると、二段階噴射が可能なインジェクタはノズルニードルのリフト量を機械的に二段階に変化させる機構を有している。当該技術によると、一段目の燃料噴射によって発生した燃焼の燃焼速度が大きく燃焼室の温度が上昇する場合、可変バルブタイミング機構により吸気バルブの閉弁を遅角させ、実質的な圧縮比を低減している。これにより、燃焼温度が低下し、NOxの発生が低減される。
【0005】
すなわち、低負荷運転時、燃料の噴射量が小さいため二段目の燃料噴射に至ることなく一段目の燃料噴射のみで燃料の噴射が終了する。このため、燃料の燃焼が短時間に進行して燃焼室温度が上昇しNOxの発生が増大する。そこで、一段目の燃料噴射のみを用いる低負荷域での運転時、可変バルブタイミング機構により吸気弁の閉弁タイミングを遅角させ、圧縮比を低減することで燃焼温度の低減ならびにNOx発生の低減を図っている。すなわち、高圧縮比のディーゼルエンジンを低負荷域の限られた領域でのみ可変バルブタイミング機構を用いて圧縮比を低減している。
【0006】
しかしながら、NOxの発生を決定する因子となる燃焼室の温度は、燃料の噴射量、燃料の噴射時期、EGR量(排気再循環量)、圧縮比、吸入空気温度および冷却水の温度などにより複合的に決定される。特開平5−52130号公報に開示されている技術では、ディーゼルエンジンの運転状態ごとにそれらの因子に応じた制御は考慮されておらず、NOxの十分な低減を図ることができない。また、NOxの低減に重点を置いた制御をすると、NOxの低減と相反する関係にある粒子状物質の排出の増加を招くおそれがあるという問題がある。
【0007】
さらに、ディーゼルエンジンに触媒あるいは粒子状物質の捕捉装置(以下、粒子状物質の捕捉装置を「DPF」という。)などを装備した場合、触媒反応のためには一定の排気温度が必要となる。ディーゼルエンジンは熱効率が高いため、排気温度がガソリンエンジンに比較して低くなる。その結果、触媒活性が得られる200℃以上の排気を得るには主噴射後にさらに燃料を噴射する後噴射が必要となる。しかし、所定の排気温度を確保するためには多量の後噴射を必要とし、燃料の消費量の増大を招くおそれがある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび粒子状物質、ならびにディーゼルエンジンから発生する騒音を低減するディーゼルエンジンの制御装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、排気温度を制御することにより、燃料の消費量を低減し、触媒活性を保持するディーゼルエンジンの制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置によると、制御手段は燃焼室の温度が所定の温度以上となると、圧縮比を変更する。圧縮比の変更は、制御手段がバルブタイミング変更手段を制御し、吸気バルブの開閉タイミングを変更することにより行われる。これにより、通常の圧縮比の高いディーゼルエンジンを制御する場合、始動時は高い圧縮比により始動性を保持することができる。そして、始動後はNOxの発生が燃焼室の温度に依存することに着目し、燃焼室の温度が所定の温度以上とならないように吸気バルブの開閉タイミングを変更して圧縮比を変更することにより、燃焼室の内部への吸気の充填効率を制御することができる。そのため、燃焼室内部での燃焼温度を低下させることができる。
【0010】
すなわち、燃焼室の内部が所定の温度以上となると、吸気バルブの開閉タイミングを変更することにより吸気の充填効率を低減し、NOxの発生を低減することができる温度に維持する。また、燃焼室の温度を制御することによりディーゼルエンジンからの粒子状物質の排出を低減することができる。したがって、ディーゼルエンジンから排出されるNOxあるいは粒子状物質を低減することができる。
また、燃焼室の温度を低下させることにより、燃料の燃焼速度を低下させることができる。そのため、ディーゼルエンジンから発生する振動を低減することができる。
【0011】
本発明の請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置によると、制御手段は燃焼室へ供給される吸気量を補正する。燃焼室の内部が所定の温度となるように吸気バルブの開閉タイミングを変更し圧縮比を低下させると、吸気の通路を流れる吸気の流量と燃焼室の内部へ充填される空気の量との間には誤差が生じる。これは、吸気バルブの閉弁タイミングを遅角する場合、燃焼室に一旦流入した空気が吸気側に押し出されて、吸気流量に脈動が生じ、例えば吸気の通路に設けられている吸入空気量センサなどにより測定された吸入空気量と実際の空気量との間に誤差が生じるからである。吸気バルブの閉弁タイミングを遅角する量が大きい場合、圧縮行程で吸気弁が閉弁されるため吸気の流量と充填される空気の量との相違は顕著になる。そこで、例えば燃焼室の内部に設置した圧力センサの出力値、ディーゼルエンジンの回転数、吸気の圧力、吸気の温度、吸入空気量センサの出力値および吸気バルブの閉弁タイミングなどから実際に燃焼室の内部へ充填される空気量を推定する。燃焼室の内部へ充填される空気量を推定することにより、バルブタイミング変更手段の作動に応じて燃焼室の内部に吸入される空気の量を補正することができる。そのため、燃焼室の内部へ吸入される空気の量、ならびに燃焼室の内部の温度を正確に算出することができる。したがって、ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0012】
本発明の請求項記載のディーゼルエンジンの制御装置によると、燃焼状態検出手段は圧縮端温度および燃焼時の最高温度を算出する算出手段を有している。圧縮端温度および最高温度は、例えば吸気量、回転数、冷却水温度、吸気温度、燃料の噴射量、燃料の噴射時期および吸気バルブの開閉タイミングなど燃焼状態検出手段からの出力値により算出される。圧縮端温度は、吸気の圧縮のみによって上昇する燃焼室の内部の温度である。最高温度は、吸気の圧縮に加え燃料の燃焼によって上昇する燃焼室の内部の温度の最高値である。
【0013】
制御手段は、算出された圧縮端温度および最高温度を用いて吸気バルブの開閉タイミングを変更する。低負荷運転時、燃焼による燃焼室の内部の温度の上昇は小さい。そのため、吸気バルブの閉弁時期を遅角することにより、燃焼室への吸気の充填効率が低下される。これにより、圧縮比が低下し圧縮端温度を低減することができる。また、低負荷運転時は燃料の噴射量が少ないため、燃焼による温度上昇も小さい。一方、中高負荷運転時に同様に圧縮比を低減させて圧縮端温度を低減した場合、この運転状態では燃料の噴射量が大きいため、吸気の充填効率が小さな燃焼室の内部の熱容量が小さいものとなる。このため、燃焼による発熱で燃焼室の内部の温度が大きく上昇する。そこで、吸気の充填効率を高めるように吸気バルブの閉弁時期を変更することにより、熱容量を増大し燃焼による燃焼室の内部の温度上昇を低減することができる。
したがって、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて燃焼室の内部の温度を低下させるように吸気バルブの閉弁タイミングを変更することでき、ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0014】
本発明の請求項記載のディーゼルエンジンの制御装置によると、制御手段は燃料の噴射量またはディーゼルエンジンから発生するトルクに応じて吸気バルブの開閉タイミングを変更する。燃料の噴射量または発生するトルクが所定値未満のとき、燃焼による温度上昇が小さいため、圧縮端温度を燃焼室の内部の温度の代表値として用いる。すなわち、算出された圧縮端温度を低減するように、吸気バルブの閉弁タイミングを遅角する。一方、噴射量またはトルクが所定値以上のとき、燃焼による温度上昇が大きいため、燃焼室の内部へ吸入される空気量を増加させる、すなわち圧縮端温度が上昇するように吸気バルブの閉弁タイミングを進角する。これは、燃焼による温度上昇が大きい場合、燃焼室の内部の熱容量を増大することで燃料の燃焼による筒内温度の上昇を低減するためである。したがって、ディーゼルエンジンの運転状態に応じて燃焼室の温度を低下することができ、ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0015】
本発明の請求項記載のディーゼルエンジンの制御装置によると、制御手段は排気温度が所定の温度となるように吸気バルブの開閉タイミングを変更する。例えば、触媒あるいはDPFが装備されたディーゼルエンジンでは、触媒あるいはDPFの活性化温度を維持するように高温の排気を供給しなければならない。燃焼室の内部の温度と排気温度との間には密接な関係があるため、吸気バルブの開閉タイミングを遅角することにより、燃焼室の内部の温度が上昇する。これにより、排気の温度を触媒またはDPFの活性が高い高温に維持することができ、触媒またはDPFを効率よく使用することができる。また、排気の温度を高めるための燃料の後噴射が不要である。したがって、燃料の消費量を低減することができ、ディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0016】
本発明の請求項記載のディーゼルエンジンの制御装置によると、制御手段は吸気バルブの開弁タイミングの遅角ならびに排気バルブの開弁タイミングの進角を同時に変更する。低負荷時にNOxの低減を図るため吸気バルブの開閉タイミングを変更して圧縮比を低下すると、燃焼温度が低下し排気の温度も低下する。そこで、排気バルブの開閉タイミングを進角することにより、燃焼途中の高温の排気を触媒またはDPFに供給することができる。したがって、触媒またはDPFを所定の温度に維持でき、燃料の消費量ならびにディーゼルエンジンから排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す複数の実施例を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例によるディーゼルエンジンおよび制御装置を含むディーゼルエンジンシステムの概略構成を図1に示す。
本発明の第1実施例によるディーゼルエンジンシステム1は、一般にコモンレールシステムと称されるものである。ディーゼルエンジンシステム1は、ディーゼルエンジン本体10、コモンレール30、制御装置としてのECU(Electric Control Unit)40、バルブタイミング変更手段としての可変バルブタイミング装置50および燃料供給装置70などから構成されている。
【0018】
ディーゼルエンジン本体10は、複数のシリンダが形成されているシリンダブロック11、吸気通路21および排気通路22が形成されているシリンダヘッド12、吸気バルブ23ならびに排気バルブ24などを有している。シリンダブロック11にはシリンダ11aが形成されており、シリンダ11aの内部をピストン13が往復移動可能である。ピストン13はクランクシャフト14に接続されており、シリンダ11aの内部におけるピストン13の往復運動が回転運動に変換される。
【0019】
シリンダヘッド12は、シリンダブロック11の反クランクシャフト側に設置されている。シリンダ11aの内周面、ピストン13のシリンダヘッド側の端面ならびにシリンダヘッド12のピストン側の端面により包囲されて形成される空間が燃焼室15である。本実施例では、ディーゼルエンジン本体10の幾何学的圧縮比を約16に設定している。
【0020】
シリンダヘッド12には、燃焼室15へ通じる吸気通路21および排気通路22が形成されている。また、シリンダヘッド12には燃焼室15へ燃料を噴射するインジェクタ16が設置されている。インジェクタ16の端部は燃焼室15へ突出している。
【0021】
吸気通路21には吸気バルブ23が設置されている。吸気バルブ23は、吸気通路21を開閉し燃焼室15へ吸入される吸気の流れを断続する。排気通路22には排気バルブ24が設置されている。排気バルブ24は、排気通路22を開閉し燃焼室15から排出される排気の流れを断続する。
【0022】
吸気バルブ23および排気バルブ24は、それぞれ吸気カム51および排気カム52により駆動され、開弁および閉弁時期が制御される。吸気カム51および排気カム52は、それぞれ吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54に設けられており、吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54は図示しないチェーンによりクランクシャフト14と接続され駆動される。これにより、吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54はクランクシャフト14の回転に同期して駆動される。通常カムシャフトはクランクシャフト14の回転が1/2に減速されて駆動される。吸気バルブ23および排気バルブ24はそれぞれ吸気カム51および排気カム52のプロフィルにしたがって開閉される。
【0023】
コモンレール30には、燃料タンク71から給送され高圧ポンプ72で加圧された高圧の燃料が所定圧力の蓄圧状態で蓄えられている。コモンレール30には、ディーゼルエンジン本体10の気筒数に応じた複数の燃料配管31が接続されている。燃料配管31は、反コモンレール側の端部が各燃焼室に設けられているインジェクタ16に接続され、コモンレール30に蓄えられた燃料をインジェクタ16へ供給する。
【0024】
ECU40は、ディーゼルエンジンシステム1の各部を制御する。ECU40には、燃料圧センサ81、クランク角センサ82およびカムシャフト角センサ83などが接続されている。燃料圧センサ81は、コモンレール30に設置され、コモンレール30の内部の燃料の圧力を検出する。クランク角センサ82は、クランクシャフト14の回転角度を検出する。カムシャフト角センサ83は、吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54の回転角度を検出する。ECU40は、燃料圧センサ81、クランク角センサ82およびカムシャフト角センサ83から出力される信号に基づいてインジェクタ16の燃料噴射時期ならびに高圧ポンプ72の燃料圧送期間を制御する。
【0025】
また、ECU40には、アクセルセンサ84および冷却水温センサ85などが接続されている。アクセルセンサ84は、アクセル開度を検出する。冷却水温センサ85は、シリンダブロック11の内部に形成されている冷却水流路に設置され、冷却水の温度を検出する。ECU40は、アクセルセンサ84、クランク角センサ82、冷却水温センサ85から出力された信号に基づいて、インジェクタ16から噴射される燃料の噴射量を算出する。ECU40は、算出された燃料の噴射量によりインジェクタ16の燃料噴射期間を決定し、決定された燃料噴射期間に基づいてインジェクタ16を駆動する。
【0026】
可変バルブタイミング装置50は、ECU40から送出された信号に基づいてクランクシャフト14と同期して回転する吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54の位相を変更する。可変バルブタイミング装置50は、吸気バルブ23の開閉タイミングを変更する吸気バルブタイミング変更部および排気バルブ24の開閉タイミングを変更する排気バルブタイミング変更部を有している。吸気バルブタイミング変更部により変更された吸気カム51の位相の変化量は、吸気カム51に設置された図示しない吸気カム変位センサにより検出される。同様に、排気バルブタイミング変更部により変更された排気カム52の位相の変化量は、排気カム52に設置された図示しない排気カム変位センサにより検出される。可変バルブタイミング装置50は油圧により吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54を駆動しているため、エンジンが停止した後は油圧の低下により吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54は初期位置に移動する。
【0027】
燃料供給装置70は、燃料タンク71、高圧ポンプ72およびフィードポンプ73を有している。フィードポンプ73は燃料タンク71に蓄えられている燃料を高圧ポンプ72へ給送する。高圧ポンプ72は、ECU40からの指示により所定量の燃料を加圧してコモンレール30に圧送する。
【0028】
排気通路22にはバリアブルノズルターボ(以下、バリアブルノズルターボを「VNT」という。)25が設置されている。VNT25はタービン251を有しており、タービン251は排気の流れにより回転する。タービン251は回転すると、吸気通路21に設置されているタービン252を駆動する。そして、吸気通路21を流れる空気を燃焼室15へ過給する。VNT25の出口側には、図示しない触媒およびマフラーが設置されている。燃焼室15から排出された排気は、タービン251を駆動した後、触媒およびマフラーを経て排出される。VNT25は、吸気圧センサ86およびVNT駆動量センサ87からの出力された信号に基づいてECU40により駆動される。
【0029】
排気通路22はVNT25の入口側でEGR通路61へ分岐し、EGR通路61はEGRバルブ62へ接続されている。EGRバルブ62は、排気の一部を吸気に再循環する際、排気のEGR量を制御する。EGRバルブ62は、ECU40により運転状態にあわせて設定されているEGR量となるように開口度が制御される。これにより、タービン252により過給された吸気には排気通路22から再循環された排気が混合され、燃焼室15へ吸入される。EGR量は、吸気通路21の上流に設置されている吸気量センサ88、EGRバルブ62に設置されている開口度センサ89ならびに吸気温度センサ90から出力された信号に基づいてECU40により決定される。ECU40は、EGR量が所定値を保持するようにフィードバック制御する。
【0030】
次に、本実施例によるディーゼルエンジンシステム1の作動について説明する。
(始動時)
ディーゼルエンジンの始動時、可変バルブタイミング装置50は初期状態であり、吸気カムシャフト53および排気カムシャフト54は初期位置に位置している。そのため、吸気バルブ23および排気バルブ24は、吸気カム51および排気カム52のカムプロフィールに応じたタイミングで駆動される。バルブタイミングが初期状態のとき、吸気バルブ23の閉弁タイミングは下死点側へ進角された状態である。これにより、ディーゼルエンジン本体10のスタータの始動回転数により最大の充填効率を確保できるように設定され、燃焼室15の内部の温度は圧縮端において最大となるように設定されている。その結果、着火性が向上し、容易に始動可能である。
【0031】
始動後、ディーゼルエンジン本体10の冷却水温、大気温度、吸気温度、燃料噴射量およびエンジンの回転数などの情報から燃焼が不安定であると判断された場合、ECU40からの指示にしたがって可変バルブタイミング装置50は燃焼による燃焼室15の内部の温度が最大となるように吸気カム51の位相を変更し吸気バルブ23の閉弁時期を遅角する。
【0032】
(定常運転時)
始動後、冷却水の温度が所定の温度となると、定常運転状態へ移行する。冷却水の温度が所定の温度を上回ると、ECU40により燃焼室15の内部の温度が所定の温度を上回らないように可変バルブタイミング装置50は制御される。燃焼室15の内部の温度は、冷却水温センサ85、吸気圧センサ86、吸気量センサ88および図示しない燃焼室圧力センサなどから出力される信号に基づいてECU40により算出される。ECU40では、図2に示すように燃料の噴射の有無に関係なく燃焼室15の内部の空気が圧縮されることにより上昇する圧縮端温度ならびに燃料の燃焼によって上昇する燃焼温度の最高値の双方が算出される。
【0033】
比較的負荷の小さい低負荷域での運転時、燃料の噴射量が小さく、図3に示すように燃料の燃焼によって上昇する温度は小さい。そのため、ECU40は圧縮端温度が所定の温度を上回らないように充填効率を下げ閉弁タイミングを遅角するように可変バルブタイミング装置50を駆動する。
負荷の大きな中高負荷域での運転時、燃料の噴射量が増大する。そのため、燃焼室15の内部の温度は、燃料の燃焼が燃焼室15の内部の温度上昇に寄与する割合が大きくなる。そこで、吸気バルブ23の閉弁タイミングを進角して燃焼室15の内部の充填効率を高める。これにより、圧縮端温度が上昇するものの燃焼室15の内部の熱容量が増大するため、図4に示すように燃焼による燃焼室15の内部の温度上昇は低減される。
【0034】
(加速時)
加速時、燃料の噴射量は増大する。一方、EGRバルブ62の応答の遅れ、VNT25の過給の遅れなどにより、燃焼室15の内部の酸素は一時的に不足する。燃焼室15の内部の酸素の不足は、粒子状物質の排出を招く。そこで、ECU40がアクセルセンサ84から出力された信号により加速指令を認識すると、ECU40は可変バルブタイミング装置50を燃焼室15の内部へ吸入される空気量が最大となるように制御する。例えば、吸気バルブ23の閉弁タイミングを進角することにより実際の圧縮比を大きくする。
【0035】
(触媒使用時)
NOxを還元する触媒は、200℃以上の限られた温度範囲でのみ触媒活性を示す。そのため、排気温度の制御は非常に重要である。ディーゼルエンジンの場合、熱効率が高いため、排気の温度は低くアイドリング時などは100℃以下となることもある。そこで、本実施例では可変バルブタイミング装置50を制御して吸気バルブ23の閉弁タイミングを遅角し、充填効率を低下させることで高温の排気を燃焼室15から排出させる。これにより、高温の排気が触媒へ供給され、触媒の温度が上昇する。このとき、ECU40は排気温度センサから出力された信号に基づいて吸気バルブ24の閉弁タイミングを変更する。
【0036】
以上説明したように、本発明の第1実施例によると、ディーゼルエンジン本体10の運転状態に応じて吸気バルブ23のバルブタイミングを変更して圧縮比を変更している。運転状態は、各部のセンサにより検出し、ECU40はそれらのセンサから出力された信号に基づいて運転状態を判別しそれに応じて可変バルブタイミング装置50を制御している。これにより、燃焼室15の内部の温度を制御している。そのため、圧縮比によらずディーゼルエンジン本体10の始動性を向上することができる。また、燃焼室15の内部の温度を制御することにより、排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。さらに、圧縮比を小さくすることにより、発生する騒音を低減することができる。
【0037】
本発明の第1実施例によると、排気バルブ24の開弁タイミングを進角することにより排気温度を高めることができる。そのため、触媒の温度を触媒反応が進行する温度まで高めることができる。したがって、排気に含まれるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0038】
(第2実施例)
本発明の第2実施例について説明する。
第2実施例では、可変バルブタイミング装置50の吸気バルブタイミング変更部と排気バルブタイミング変更部とを同時に制御する点で第1実施例と異なる。その他の点は、第1実施例と同様である。
【0039】
第2実施例では、吸気バルブ23の開閉タイミングの変更と排気バルブ24の開閉タイミングの変更とを同時に実施する。上記の第1実施例で説明したように、吸気バルブ23のバルブタイミングを変更することにより燃焼室15の内部の温度が低下する。そのため、排気の温度も低下し、触媒へ供給される温度が低下する。そこで、第2実施例では、吸気バルブ23の閉弁タイミングを遅角し燃焼室15の温度を低下させた場合、排気バルブ24の閉弁タイミングを進角している。これにより、燃焼中の排気が燃焼室15から排出され、排気の温度低下が防止される。
したがって、触媒活性の低下を防止することができ、排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【0040】
(第3実施例)
本発明の第3実施例について説明する。
第3実施例では、上述の第1実施例または第2実施例と比較してディーゼルエンジン本体10の圧縮比を高めている。第3実施例では、幾何学圧縮比を約18以上に設定している。
【0041】
圧縮比を高めることにより、定常運転時の燃焼室15の内部の温度は第1実施例と比較して高くなる。そのため、中高負荷域では燃焼室15の内部の温度が高くなり、排出されるNOxおよび粒子状物質が増加する。そこで、第3実施例では、吸気バルブ23の閉弁タイミングを遅角している。吸気バルブ23の閉弁タイミングを遅角することにより、圧縮端温度の上昇が低減される。
したがって、燃焼室15の内部の温度上昇が低減され、排出されるNOxおよび粒子状物質を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるディーゼルエンジンシステムの構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第1実施例によるディーゼルエンジンシステムにおいて、クランクシャフトの回転角度とECUにより算出された圧縮端温度および燃焼温度との関係を示す図である。
【図3】本発明の第1実施例によるディーゼルエンジンシステムにおいて、クランクシャフトの回転角度と低負荷時の温度変化との関係を示す図である。
【図4】本発明の第1実施例によるディーゼルエンジンシステムにおいて、クランクシャフトの回転角度と中高負荷時の温度変化との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ディーゼルエンジンシステム
10 ディーゼルエンジン本体
11a シリンダ
15 燃焼室
16 インジェクタ
21 吸気通路
22 排気通路
23 吸気バルブ
24 排気バルブ
40 ECU(制御手段、補正手段、算出手段)
50 可変バルブタイミング装置(バルブタイミング変更手段)
85 冷却水温センサ(燃焼状態検出手段)
86 吸気圧センサ(燃焼状態検出手段)
88 吸気量センサ(燃焼状態検出手段)

Claims (3)

  1. 燃焼室へ吸入される吸気の通路を開閉する吸気バルブの開閉タイミングを可変するバルブタイミング変更手段を備えるディーゼルエンジンを制御する制御装置であって、
    前記燃焼室における燃焼状態を検出する燃焼状態検出手段と、
    前記バルブタイミング変更手段の作動に応じて前記燃焼室の内部に吸入される空気量を補正し、前記燃焼状態に基づいて前記燃焼室における圧縮端温度および燃焼時の最高温度を算出する算出手段と、
    前記バルブタイミング変更手段を制御し、圧縮比が変更されるように前記吸気バルブの開閉タイミングを変更する制御手段と、
    を備え
    前記制御手段は、
    低負荷運転時であり、かつ、前記算出手段により算出された前記圧縮端温度が前記ディーゼルエンジンを冷却する冷却水の温度が上限閾値を上回らないように設定された第1の所定値以上のとき前記吸気バルブの閉弁タイミングを遅らせて前記圧縮端温度を低下させ、
    中高負荷運転時であり、かつ、前記算出手段により算出された前記最高温度が前記ディーゼルエンジンを冷却する冷却水の温度が前記上限閾値を上回らないように設定された第2の所定値以上のとき前記吸気バルブの閉弁タイミングを早めて前記最高温度を低下させることを特徴とするディーゼルエンジンの制御装置。
  2. 前記制御手段は、前記排気の温度が所定の温度となるように前記吸気バルブの開閉タイミングを変更することを特徴とする請求項1記載のディーゼルエンジンの制御装置。
  3. 前記制御手段は、前記ディーゼルエンジンの運転状態にあわせて前記吸気バルブの開弁タイミングならびに前記排気バルブの開弁タイミングを同時に変更することを特徴とする請求項記載のディーゼルエンジンの制御装置。
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