JP4451812B2 - ブラジャー - Google Patents

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Description

本発明はブラジャーに関する。
従来のブラジャーとして、例えば、特許文献1には、カップ部およびバック部を含む一体成型で形成された外カップ層と内綿層とを緊密に貼合することにより形成されるブラジャーが開示されている。また、特許文献2に記載されているブラジャーでは、熱可塑性的に溶融可能な繊維材からなる左、右サイト部が熱プレスにより結合されている。
実用新案登録第3087144号公報 特許第3057027号公報
しかし、上記のブラジャーでは、着用状態において、バック部の端部である上縁および下縁に力がかからないため、バック部の端部にはめくれや浮きが生じやすく、バック部の安定性が欠けている。また、バック部が一体成型や熱可塑性の繊維を熱成型することにより形成されるため、バック部の通気性が悪いという問題があった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、バック部の安定性および通気性を向上するブラジャーを提供することにある。
本発明に係るブラジャーは、着用状態において、左右一対のカップ部と、カップ部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、バック部の上縁と下縁とが波状に形成されており、バック部は、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、少なくともバック部の上縁部若しくは下縁部が隣接部分よりも高い圧縮率で薄く形成されており、バック部の長手方向において、薄く形成された部分とその隣接部分との境界線が蛇行状に延在していることを特徴とする。
本発明によれば、バック部が連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成され、少なくともバック部の上縁部若しくは下縁部が隣接部分よりも高い圧縮率で薄く形成されているため、バック部の上縁部若しくは下縁部またはこれらのすべては隣接部分より低い伸縮性を有することとなる。このため、着用状態において、これらの部分の押さえが強くなり、上縁部もしくは下縁部またはこれらのすべては肌に密着にフィットし、縁部が肌から浮き上がることやめくれのような不都合の発生を防止でき、バック部の安定性を向上することができる。そして、連続気泡樹脂を用いることにより、無数の気泡がバック部の内部で相互に連続しているため、バック部の両面間で気泡による空隙が連続しており、充分な通気性が確保される。また、バック部の上縁および下縁が波状に形成されているので、この上縁および下縁は着用者の肌にフィットしやすく、肌にかかる力を緩和し、縁部による肌への食い込むことを防止する効果をもたらし、やさしい着け心地が得られる。しかも、バック部の長手方向において、薄く形成された部分とその隣接部分との境界線が蛇行状に延在しているので、バック部の安定性を確保できると共に、通気性の良い部分の範囲を拡大させることにより、高い圧縮率を有する上縁部若しくは下縁部またはこれらのすべての部分の通気性を改善し、蒸れの抑制が図られる。
また、本発明に係るブラジャーは、着用状態において、左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する土台部と、土台部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、バック部の上縁と下縁とが波状に形成されており、バック部は、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、少なくともバック部の上縁部若しくは下縁部が隣接部分よりも高い圧縮率で薄く形成されており、バック部の長手方向において、薄く形成された部分とその隣接部分との境界線が蛇行状に延在していることを特徴とする。
本発明によれば、左右のカップ部を連結する土台部が設けられ、バック部が土台部の脇側に連結されるため、土台部とバック部との協働によりバック部の安定性を向上することができる。さらに、バック部については、上述したものと同様の作用効果を有する。
本発明に係るブラジャーにおいて、カップ部およびバック部は、一体成型により形成されることとしてもよい。このようにすれば、ブラジャーの製造が簡単化され、作業性を向上できると共に、カップ部とバック部とを連結するための縫い目が生じないため、縫い目による肌への不快感を与えることはなく、快適な着け心地が得られる。
また、本発明に係るブラジャーにおいて、土台部の脇側には、土台部を横断するように可撓性を有するボーン部材が設けられることとしてもよい。このようにすれば、可撓性を有するボーン部材によって脇部分における安定性を高め、バック部との協働によりさらなるバック部の安定性を向上できる。
また、本発明に係るブラジャーにおいて、バック部において、薄く形成された部分の隣接部分の通気性が13.3cm/cm・sec以上であることとしてもよい。このようにすれば、バック部の通気性が改善され、蒸れの発生を抑制することができる。
また、本発明に係るブラジャーにおいて、連続気泡樹脂は、ポリウレタンであることとしてもよい。このようにすれば、ポリウレタンは肌触りが良く、かつ通気性が良好で肌にやさしい材質のため、快適な着け心地が得られる。また、ポリウレタンは安価のため、コストを削減する効果が期待できる。
本発明に係るブラジャーは、着用状態において、左右一対のカップ部と、カップ部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、バック部は、上縁部と、下縁部と、上縁部と下縁部との間に配置される本体部とを有し、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、バック部の上縁部および下縁部は、本体部よりも高い圧縮率で薄く形成されており、バック部の上下方向において、上縁部の幅をWとし、本体部の幅をWとし、下縁部の幅Wとしたときに、「W>W>W」なる関係式を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、バック部が連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成され、バック部の上縁部および下縁部が本体部よりも高い圧縮率で薄く形成されているため、バック部の上縁部および下縁部は本体部より低い伸縮性を有することとなる。このため、着用状態において、これらの部分の押さえが強くなり、上縁部および下縁部は肌に密着にフィットし、バック部の安定性を向上することができる。そして、連続気泡樹脂を用いることにより、無数の気泡がバック部の内部で相互に連続しているため、バック部の両面間で気泡による空隙が連続しており、充分な通気性が確保される。さらに、バック部の上下方向において、上縁部の幅をWとし、本体部の幅をWとし、下縁部の幅Wとしたときに、「W>W>W」なる関係式を満たすため、バック部の通気性を確保することができると共に、着用時にバック部の下縁部に生じる横方向に引く力を大きくすることにより、カップ部を上方に持ち上げる力を高め、優れたバストの造形性を実現できる。
本発明に係るブラジャーは、着用状態において、左右一対のカップ部と、左右のカップ部を連結する土台部と、土台部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、バック部は、上縁部と、下縁部と、上縁部と下縁部との間に配置される本体部とを有し、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、バック部の上縁部および下縁部は、本体部よりも高い圧縮率で薄く形成されており、バック部の上下方向において、上縁部の幅をWとし、本体部の幅をWとし、下縁部の幅Wとしたときに、「W>W>W」なる関係式を満たすことを特徴とする。
本発明によれば、左右のカップ部を連結する土台部が設けられ、バック部が土台部の脇側に連結されるため、土台部とバック部との協働によりバック部の安定性を向上することができる。さらに、バック部については、上述したものと同様の作用効果を有する。
本発明によれば、バック部の安定性および通気性を向上するブラジャーを提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態に係るブラジャーを説明する。なお、本明細書において、上下、左右および前後の方向は、ブラジャーの着用者から見た方向である。また、図面の説明において同一又は同等の構成要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1は第1実施形態に係るブラジャー10を外側(前側)から見た平面図であり、図2はブラジャー10を示す斜視図である。図示のように、ブラジャー10は、前中心の左右両側に配置され連結された一対のカップ部12と、カップ部12の下縁部にそれぞれ配置された円弧状のカップワイヤ部14と、カップ部12の両脇側に連結され後背部に延びる左右一対の帯状のバック部16と、バック部16それぞれの後背側端部に設けられ、互いに係脱自在のホック18とを備えている。なお、カップ部12およびバック部16は一体成型により形成されている。
また、図2に示すように、ブラジャー10の肌側において、カップ部12の脇側上縁部およびバック部16の上縁部には、ストラップを取り付けるためのストラップ用凹部13と凹部15とがそれぞれ設けられている。本実施形態では、ストラップが取り付けられていない、いわゆるストラップレス型のブラジャーであるが、必要に応じてストラップを取り付けても可能である。
本実施形態の一つ特徴として、バック部16の長手方向において、バック部16の上縁16aと下縁16bとが波状に形成されている。すなわち、バック部16の上縁16aおよび下縁16bは、バック部16とカップ部12との連結側からバック部16の後背側端部に設けられるホック18側にかけて、滑らかな波状に延在している。
バック部16は、上縁部16cと、下縁部16dと、上縁部16cと下縁部16dとの間に配置される本体部16eとから構成されている。なお、上縁部16cと下縁部16dとは本体部16eよりも高い圧縮率で薄く形成されている。また、バック部16の上部において、バック部16の上縁部16cとその隣接部分である本体部16eとの上側境界線16fが、バック部16の長手方向に蛇行状に延在している。すなわち、上側境界線16fは、バック部16とカップ部12との連結側からバック部16の後背側端部に設けられるホック18側にかけて、バック部16の中央に向かったり、バック部16の外側に向かったりし、蛇行状ランダムに延在している。同様に、バック部16の下部において、バック部16の下縁部16dとその隣接部分である本体部16eとの下側境界線16gが、バック部16とカップ部12との連結側からバック部16の後背側端部に設けられるホック18側にかけて、バック部16の中央に向かったり、バック部16の外側に向かったりし、蛇行状ランダムに延在している。
ここで、図3および図4を参照し、カップ部12とバック部16との構造について説明する。図3は図1におけるIII−III線に沿って切断したカップ部12の概略断面図であり、図4は、図1におけるIV−IV線に沿って切断したバック部16の概略断面図である。
図3に示すように、カップ部12は、バストの形状にマッチしたお椀の形状を有し、外側のカップ表布121と肌側のカップ裏布123とを有し、その間に4層シート状の芯材122,124,126,128を挟んで構成されている。より具体的に説明すると、カップ部12の内部中央には、バストの形に合わせるようにカップ状に加工された芯材124と126とが緊密に接合されている。この芯材124,126の一端(カップ部12の下縁部)には、ワイヤ142が埋め込まれたカップワイヤ部14が芯材124と126とにより挟まれた状態で設けられている。そして、芯材124,126の両側には、芯材122と128とがそれぞれ外側と肌側とから芯材124,126を挟むように配置されている。この芯材122と128とは、芯材124,126の形を合わせるように弓形状の端面を有し、芯材124,126よりも大きく形成されている。さらに、この4層の芯材122,124,126,128の両側には、カップ表布121とカップ裏布123とがこれらの芯材を包むように配置されている。
従って、カップ部12において、バストを包む部分が芯材122,124,126,128、カップ表布121およびカップ裏布123により6層構造に形成され、カップ部12の上縁部と下縁部とが芯材122,128、カップ表布121およびカップ裏布123により4層構造に形成されることとなる。このため、カップ部12の保形性を高め、バストシルエットを美しく保つことができると共に、カップ部12の上縁部と下縁部とを肌にフィットさせる効果が期待できる。なお、カップ表布121およびカップ裏布123にはトリコットや天竺のような合成繊維や天然繊維の織布、編布等の素材が用いられており、芯材122,124,126,128には一定の厚みと保形性、弾力性を有し連続気泡樹脂である発泡ポリウレタンが用いられている。そして、このように連続気泡タイプのポリウレタンを用いることにより、形成されたカップ部12の両面で気泡による空隙が連続しており、良い通気性が得られる。また、ワイヤ142は、形状記憶合金などの金属や剛性のあるプラスチック等で成形されており、バストの下部の輪郭に好適にフィットする形状をなしている。
また、図3に示すように、カップ部12の肌側において、カップ部12の下部には、凹部12aが設けられていることが好適である。このようにすれば、着用状態において、バストのボリュームを下から持ち上げる作用をもたらし、バストに膨らみを持たせることにより存在感のあるバストを造形することができる。
図4示すように、バック部16は、外側のバック表布161と肌側のバック裏布163とを有し、その間に2層のシート状の芯材162,164を挟んで構成されており、バック部16の肌側(すなわちバック裏布163側)が平面状に形成され、バック部16の外側(すなわちバック表布161側)が凸形状に形成されている。バック部16の上縁部16cと下縁部16dとが、その間に配置される本体部16eよりも高い圧縮率で薄く形成されている。なお、バック表布161およびバック裏布163にはトリコットや天竺のような合成繊維や天然繊維の織布、編布等の素材が用いられており、芯材162,164には一定の厚みと保形性、弾力性を有し連続気泡樹脂である発泡ポリウレタンが用いられている。
ここでの圧縮率とは、圧縮力によって生じた変形量が元の厚さに対する割合である。なお、本発明に係るバック部の上縁部および下縁部の圧縮率は90%〜95%で、本体部の圧縮率は45%〜50%であることが好ましい。本実施形態では、上縁部16cおよび下縁部16dの元の厚さが6mmであり、圧縮後の厚さは0.5mmとなったので、上縁部16cおよび下縁部16dの圧縮率は92%である。一方、本体部16eの元の厚さが6mmであり、圧縮後の厚さは3mmとなったため、本体部16eの圧縮率は50%である。
また、カップ部12およびバック部16の一体成型は熱圧縮方法が用いられることが好ましい。具体的には、まず、カップ裏布123およびバック裏布163となる裏布を用意し、その上にシート状に加工されたカップ部12の芯材128およびバック部16の芯材164となる芯材を設置する。次に、カップ部12に該当する部分に順番にシート状の芯材126と124とを載せ、カップ部12の下縁部に該当する側にカップワイヤ142入りのカップワイヤ部14を、芯材124および126との間に配置させる。そして、シート状に加工されたカップ部12の芯材122およびバック部16の芯材162となる芯材を載せ、さらにその上にカップ表布121およびバック表布161となる表布を設置する。ここでは、芯材同士の密着性を向上するため、各芯材の間にはパウダー状やネット状の接着剤が用いられることが好ましい。このようなパウダー状やネット状の接着剤を使用することにより、通常の接着剤が芯材同士の通気性を損なうことを抑制できる。
次に、180℃〜220℃の熱を加えながら、金型を用いて設置された布材および芯材を圧縮させる。このときに、バック部16の上縁部16cおよび下縁部16dが本体部16eよりも高い圧縮率で薄く形成されるように圧縮率を調整する。最後、カップ部12およびバック部16の上縁と下縁をフリーカットで波状に裁断し、本実施形態に係るブラジャー10が得られる。
本実施形態によれば、バック部16が連続気泡タイプのポリウレタンを両面から布材で挟んで熱圧縮により構成され、バック部16の上縁部16cおよび下縁部16dがその間に配置される本体部16eよりも高い圧縮率で薄く形成されるので、バック部16の上縁部16cおよび下縁部16dは本体部16eよりも低い伸縮性を有することとなる。このため、着用状態において、低い伸縮性を有するバック部16の上縁部16cおよび下縁部16dの押さえが強くなり、バック部16の上縁16aおよび下縁16bが肌に密着にフィットし、バック部端部が肌から浮き上がることやめくれのような不都合の発生を防止でき、バック部16の安定性を向上することができる。
また、カップ部12の芯材122,124,126,128およびバック部16の芯材162,164には、連続気泡タイプのポリウレタン樹脂が用いられることにより、無数の気泡がバック部16の内部で相互に連続しているため、カップ部12およびバック部16の両面間で気泡による空隙が連続しており、充分な通気性が確保される。従って、バック部16の本体部16eは、上縁部16cおよび下縁部16dよりも低い圧縮率で形成されたため、上縁部16cおよび下縁部16dよりも良い通気性が得られる。一方、上縁部16cおよび下縁部16dは高い圧縮率で薄く形成されたため、通気性が本体部16eより劣っている。
なお、ここでの通気性とは、圧力を一定にした場合の単位時間・単位面積を通って流れる空気の量のことであり、JIS L 1096:1999「一般織物試験方法」に準拠した方法により測定される。本実施形態に係るブラジャー10のバック部16において、本体部16eの通気性が13.3cm/cm・sec以上であることが好適である。このようにすれば、バック部16の通気性が改善され、蒸れの発生を抑制することができる。なお、本発明の発明者は、上記の試験方法に基づき本実施形態のバック部16の通気性測定を実施した。その結果として、バック部16の本体部16eの通気性が13.5〜15.6cm/cm・secであり、上縁部16cおよび下縁部16dの通気性が1.3〜6.6cm/cm・secであった。
そして、ポリウレタンは肌にやさしく、しかも安価のため、快適な着け心地が得られると共に、コストを削減する効果をもたらす。さらに、バック部16の長手方向において、バック部16の上縁部16cと本体部16eとの上側境界線16fおよびバック部16の下縁部16dと本体部16eとの下側境界線16gとが蛇行状に延在しているので、バック部16の安定性を確保できると共に、通気性の良い部分である本体部16eの範囲を拡大させることにより、高い圧縮率で薄く形成された上縁部16cおよび下縁部16dの通気性を改善し、蒸れの抑制が図られる。
また、バック部16の上縁16aおよび下縁16bが滑らかな波状に形成されるため、着用時において、この上縁16aおよび下縁16bは着用者の肌にフィットしやすく、肌にかかる力を緩和し、これらの縁部による肌への食い込むことを防止する効果をもたらし、やさしい着け心地が得られる。
さらに、カップ部12およびバック部16が一体成型により形成されるため、ブラジャー10の製造が簡単化され、作業性を向上する効果が期待できる。そして、一体成型によりカップ部12とバック部16とを連結するための縫い目が生じないため、縫い目による肌への不快感を与えることはなく、快適な着け心地が得られる。また、バック部16の上縁部16cおよび下縁部16dは、ポリウレタン製の芯材と布材とを高い圧縮率で熱圧縮することにより形成されるため、その上縁16aおよび下縁16bはフリーカットで簡単にできる。従って、端部処理が不要となり、通常の端部縫製処理で形成された段差による肌への摩擦が生じることはなく、且つ端面のほつれ、捲れ等もない。
次に、本発明に係るブラジャーのその他の実施形態を説明する。
図5は第2実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。この実施形態に係るブラジャー20は、土台部22を有することが上記した第1実施形態と相違している。すなわち、ブラジャー20は、前中心の左右両側に配置された一対のカップ部12と、カップ部12の下縁部にそれぞれ配置された円弧状のカップワイヤ部14と、両カップ部12を連結する土台部22と、土台部22の脇側に連結し背部に延びる左右一対の帯状のバック布26と、バック部26それぞれの後背側端部に設けられ、互いに係脱自在のホック18とを備えている。なお、カップ部12および土台部22は一体成型により形成されたものであり、土台部22とバック部26とは縫着により連結されている。また、土台部22の脇側である土台部22とバック部26との縫着部には、土台部22を横断するように可撓性を有するボーン部材24が設けられている。その他の構成については第1実施形態と同様のため説明を省略する。
本実施形態によれば、上記の第1実施形態と同様に、バック部26の安定性を向上することができると共に、連続気泡タイプのポリウレタン樹脂を用いることにより、充分な通気性が確保され、バック部26における蒸れの抑制が図られる。また、バック部26の上縁および下縁が滑らかな波状に形成されるため、着用時において、上縁および下縁は着用者の肌にフィットしやすく、肌にかかる力を緩和し、これらの縁部による肌への食い込むことを防止する効果をもたらし、やさしい着け心地が得られる。さらに、ブラジャー20には土台部22が設けられ、バック部26が土台部22の脇側に連結されており、しかも土台部22の脇側に可撓性を有するボーン部材24が設けられるため、このボーン部材24によって脇部分における安定性を高める効果をもたらし、土台部22とバック部26との協働によりさらなるバック部26の安定性を向上できる。
図6は第3実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。この実施形態に係るブラジャー30は、バック部36の上側境界線36fと下側境界線36gとの形状およびバック部36の上縁部36cと下縁部36dとの幅が上記の第1実施形態と相違している。具体的には、バック部36は上縁部36cと、下縁部36dと、上縁部36cと下縁部36dとの間に配置される本体部36eとから構成されている。バック部36の上部において、上縁部36cとその隣接部分である本体部36eとの上側境界線36fが、バック部36の上縁36aの波形状に沿って一定の幅Wを保ちながら、バック部36とカップ部12との連結側からバック部36の後背側端部に設けられるホック18側にかけて延在している。同様に、バック部36の下部において、下縁部36dとその隣接部分である本体部36eとの下側境界線36gが、バック部36の下縁36bの波形状に沿って一定の幅Wを保ちながら、バック部36とカップ部12との連結側からバック部36の後背側端部に設けられるホック18側にかけて延在している。また、着用時にバック部36の上下方向において、上縁部36cの幅Wと、本体部36eの幅Wと、下縁部36dの幅Wとは、「W>W>W」なる関係式を満たしている。なお、その他の構成については第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
本実施形態によれば、上記の第1実施形態と同様に、上縁部36cおよび下縁部36dが肌に密着にフィットし、バック部36の安定性を向上できると共に、連続気泡樹脂を用いることにより、充分な通気性が確保され、バック部36における蒸れの抑制が図られる。また、バック部36の上縁36aおよび下縁36bが滑らかな波状に形成されるため、着用時において、この上縁36aおよび下縁36bは着用者の肌にフィットしやすく、肌にかかる力を緩和し、これらの縁部による肌への食い込むことを防止する効果をもたらし、やさしい着け心地が得られる。さらに、本実施形態はバック部36の上下方向において、上縁部36cの幅Wと、本体部36eの幅Wと、下縁部36dの幅Wとは、「W>W>W」なる関係式を満たしているため、通気性の良い本体部36eの幅Wを大きく確保することにより、バック部36の通気性を維持できると共に、下縁部36dの幅Wを上縁部36cの幅Wより大きくすることで、着用時にバック部36の下縁部36dに生じる横方向に引く力を高めることができる。このため、カップ部12を上方に持ち上げる力が強められ、優れたバストの造形性を実現できる。
図7は第4実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。この実施形態に係るブラジャー40は、土台部42を有すること、バック部46の上側境界線46fと下側境界線46gとの形状、および上縁部46cと下縁部46dとの幅が上記の第1実施形態と相違している。具体的には、ブラジャー40は、前中心の左右両側に配置された一対のカップ部12と、カップ部12の下縁部にそれぞれ配置された円弧状のカップワイヤ部14と、両カップ部12を連結する土台部42と、土台部42の脇側に連結し背部に延びる左右一対の帯状のバック布46と、バック部46それぞれの後背側端部に設けられ、互いに係脱自在のホック18とを備えている。カップ部12および土台部42は一体成型により形成されたものであり、土台部42とバック部46とは縫着により連結されている。土台部42の脇側である土台部42とバック部46との縫着部には、土台部42を横断するように可撓性を有するボーン部材44が設けられている。
また、バック部46は上縁部46cと、下縁部46dと、上縁部46cと下縁部46dとの間に配置される本体部46eとから構成されている。バック部46の上部において、上縁部46cとその隣接部分である本体部46eとの上側境界線46fが、バック部46の上縁46aの波形状に沿って一定の幅Wを保ちながら、バック部46と土台部42との連結側からバック部46の後背側端部に設けられるホック18側にかけて延在している。同様に、バック部46の下部において、バック部46の下縁部46dとその隣接部分である本体部46eとの下側境界線46gが、バック部46の下縁46bの波形状に沿って一定の幅Wを保ちながら、バック部46と土台部42との連結側からバック部46の後背側端部に設けられるホック18側にかけて延在している。また、着用時にバック部46の上下方向において、上縁部46cの幅Wと、本体部46eの幅Wと、下縁部46dの幅Wとは、「W>W>W」なる関係式を満たしている。なお、その他の構成については第1実施形態と同様のため、説明を省略する。
本実施形態によれば、上記の第1実施形態と同様に、上縁部46cおよび下縁部46dが肌に密着にフィットし、バック部46の安定性を向上することができると共に、連続気泡樹脂を用いることにより、充分な通気性が確保され、バック部46における蒸れの抑制が図られる。また、バック部46の上縁46aおよび下縁46bが滑らかな波状に形成されるため、着用時において、この上縁46aおよび下縁46bは着用者の肌にフィットしやすく、肌にかかる力を緩和し、これらの縁部による肌への食い込むことを防止する効果をもたらし、やさしい着け心地が得られる。さらに、本実施形態はバック部46の上下方向において、上縁部46cの幅Wと、本体部46eの幅Wと、下縁部46dの幅Wとは、「W>W>W」なる関係式を満たしているため、通気性の良い本体部46eの幅Wを大きく確保することにより、バック部46の通気性を維持できると共に、下縁部46dの幅Wを上縁部46cの幅Wより大きくすることで、着用時にバック部の下縁部46dに生じる横方向に引く力を高めることができる。このため、カップ部12を上方に持ち上げる力が強められ、優れたバストの造形性を実現できる。また、ブラジャー40には土台部42が設けられ、バック部46が土台部42の脇側に連結されており、しかも土台部42の脇側に可撓性を有するボーン部材44が設けられるため、このボーン部材44によって脇部分における安定性を高める効果をもたらし、土台部42とバック部46との協働によりさらなるバック部46の安定性を向上できる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の第1実施形態では、バック部16の上縁部16cと本体部16eとの上側境界線16fおよび下縁部16dと本体部16eとの下側境界線16gの模様は、上記図示の模様に限らず、種々の変形が可能である。また、本発明はカップ部12の保形性に優れたワイヤフォーム型ブラジャーに特に好適であるが、ノンワイヤのブラジャーにも適用できる。また、カップ部12をフルカップ、3/4カップ、ハーフカップのブラジャー等に適用される。
また、上記の第3、第4実施形態では、バック部36,46の上縁36a,46aと、下縁36b,46bと、上側境界線36f,46fと、下側境界線36g,46gとは、波状に形成されているが、これに限らず、直線状に形成されてもよい。但し、着用者の肌によりフィットすることを考慮した場合、波状に形成されることが好ましい。
第1実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。 第1実施形態に係るブラジャーを肌側から見た平面図である。 図1におけるIII−III線断面図。 図1におけるIV−IV線断面図である。 第2実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。 第3実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。 第4実施形態に係るブラジャーを前側から見た平面図である。
符号の説明
10,20,30,40…ブラジャー、12…カップ部、16,26,36,46…バック部、16a,36a,46a…バック部の上縁、16b,36b,46b…バック部の下縁、16c,36c,46c…バック部の上縁部、16d,36d,46d…バック部の下縁部、16e,36e,46e…バック部の本体部、16f,36f,46f…上側境界線、16g,36g,46g…下側境界線、22,42…土台部、24,44…ボーン部材、161…バック表布、163…バック裏布、162,164…芯材。

Claims (8)

  1. 着用状態において、
    左右一対のカップ部と、前記カップ部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、
    前記バック部の上縁と下縁とが波状に形成されており、
    前記バック部は、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、
    少なくとも前記バック部の上縁部若しくは下縁部が隣接部分よりも高い圧縮率で薄く形成されており、
    前記バック部の長手方向において、前記薄く形成された部分とその隣接部分との境界線が蛇行状に延在していることを特徴とするブラジャー。
  2. 着用状態において、
    左右一対のカップ部と、前記左右のカップ部を連結する土台部と、前記土台部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、
    前記バック部の上縁と下縁とが波状に形成されており、
    前記バック部は、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、
    少なくとも前記バック部の上縁部若しくは下縁部が隣接部分よりも高い圧縮率で薄く形成されており、
    前記バック部の長手方向において、前記薄く形成された部分とその隣接部分との境界線が蛇行状に延在していることを特徴とするブラジャー。
  3. 前記カップ部および前記バック部は、一体成型により形成されることを特徴とする請求項1に記載のブラジャー。
  4. 前記土台部の脇側には、前記土台部を横断するように可撓性を有するボーン部材が設けられることを特徴とする請求項2に記載のブラジャー。
  5. 前記バック部において、前記薄く形成された部分の隣接部分の通気性が13.3cm/cm・sec以上であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のブラジャー。
  6. 前記連続気泡樹脂は、ポリウレタンであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のブラジャー。
  7. 着用状態において、
    左右一対のカップ部と、前記カップ部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、
    前記バック部は、上縁部と、下縁部と、前記上縁部と前記下縁部との間に配置される本体部とを有し、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、
    前記バック部の前記上縁部および前記下縁部は、前記本体部よりも高い圧縮率で薄く形成されており、
    前記バック部の上下方向において、前記上縁部の幅をWとし、前記本体部の幅をWとし、前記下縁部の幅Wとしたときに、「W>W>W」なる関係式を満たすことを特徴とするブラジャー。
  8. 着用状態において、
    左右一対のカップ部と、前記左右のカップ部を連結する土台部と、前記土台部の脇側に連結し背部に延びる左右一対のバック部と、を備え、
    前記バック部は、上縁部と、下縁部と、前記上縁部と前記下縁部との間に配置される本体部とを有し、連続気泡樹脂を両面から布材で挟んで熱圧縮により構成されており、
    前記バック部の前記上縁部および前記下縁部は、前記本体部よりも高い圧縮率で薄く形成されており、
    前記バック部の上下方向において、前記上縁部の幅をWとし、前記本体部の幅をWとし、前記下縁部の幅Wとしたときに、「W>W>W」なる関係式を満たすことを特徴とするブラジャー。
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