<<実施の形態1>>
図1〜図3はこの発明の実施の形態1であるSOI構造の半導体装置の構成を示す図である。図1及び図2は断面図、図3は平面図であり、図3のA−A断面及びB−B断面がそれぞれ図1及び図2となる。
これらの図に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層からなるSOI構造の半導体装置におけるSOI層3の各トランジスタ形成領域は下層部にウェル領域が形成される部分酸化膜31によって分離される。そして、NMOSトランジスタ間を分離する部分酸化膜31の下層にp型のウェル領域11が形成され、PMOSトランジスタ間を分離する部分酸化膜31の下層にn型のウェル領域12が形成され、NMOSトランジスタ,PMOSトランジスタ間を分離する部分酸化膜31の下層にp型のウェル領域11(NMOSトランジスタ側)及びn型のウェル領域12(PMOSトランジスタ側)が形成される。なお、ウェル領域11はNMOSトランジスタ群のドレイン領域5及びソース領域6を囲うように形成され、ウェル領域12はPMOSトランジスタ群のドレイン領域5及びソース領域6を囲うように形成される。また、実施の形態1ではSOI層3上を層間絶縁膜4で覆っている。
実施の形態1において、部分酸化膜31よって他のトランジスタから分離される1単位のMOSトランジスタは、SOI層3中に形成されるドレイン領域5、ソース領域6及びチャネル形成領域7、チャネル形成領域7上に形成されるゲート酸化膜8、ゲート酸化膜8上に形成されるゲート電極9から構成される。また、層間絶縁膜4上に形成された配線層22は、層間絶縁膜4中に設けられたコンタクト21を介してドレイン領域5あるいはソース領域6と電気的に接続される。
また、図2及び図3に示すように、SOI層3中のウェル領域11の間にボディー領域10が形成され、ボディー領域10は隣接するウェル領域11に接している。そして、層間絶縁膜4上に形成された配線層25は、層間絶縁膜4中に設けられたボディーコンタクト23を介してボディー領域10と電気的に接続される。また、層間絶縁膜4上に形成された配線層26は、層間絶縁膜4中に設けられたゲートコンタクト24を介してゲート電極9と電気的に接続される。
このように、実施の形態1の半導体装置では、図1〜図3に示すように、図102で示した従来構成と異なり素子分離領域の部分酸化膜31がSOI層3の下部にまで到達せず、分離対象となるトランジスタのチャネル形成領域と同一の導電型の不純物が導入されたウェル領域11,12が部分酸化膜31の下層に設けられている。
したがって、各トランジスタの基板電位の固定を、配線層25、ボディーコンタクト23、高濃度のボディー領域10及びウェル領域11を介して行うことができる。なお、PMOSトランジスタ側も同様に、ボディー領域を介して各トランジスタの基板電位を固定することができる。
以下、図1〜図3を参照してその詳細を説明する。埋め込み酸化膜2の膜厚は例えば100〜500nm程度であり、SOI層3の膜厚は30〜200nm程度である。チャネル形成領域7は、例えば1017〜1018/cm3程度の第1導電型の不純物(NMOSではp型不純物、PMOSではn型不純物)の導入によって形成される。ドレイン領域5及びソース領域6はチャネル形成領域7と隣接して、例えば1019−1021/cm3程度の第2導電型の不純物(NMOSではn型不純物、PMOSではp型不純物)の導入によって形成される。
隣接するトランジスタ間を分離する部分酸化膜31はSOI層3の下層部をウェル領域形成用に例えば10〜100nm程度残して形成される。部分酸化膜31の上面高さはSOI層3の表面高さと同一であることが微細加工上好ましいが、SOI層3が薄い場合は素子分離に必要な部分酸化膜31の膜厚をとることが難しいため、SOI層3より上に持ち上げた方が素子分離性能が向上する。
そして、素子分離用の部分酸化膜31の下部にはチャネル形成領域と同じ導電型のウェル領域11,12(たとえば1017〜5・1018/cm3の不純物濃度、不純物濃度はチャネル形成領域と同じかそれ以上、濃度が高いほどパンチスルーが防止でき分離性能は良くなる)が設けられている。
また、ボディー領域10は、図2に示すように、隣接するウェル領域11と同じ導電型で1019〜1021/cm3の高濃度の不純物が導入される。
なお、図2のボディー領域10は、SOI層3の上面から下面にかけてボディー領域10を形成し層間絶縁膜4を貫通してボディーコンタクト23を形成したが、図4のようにボディー領域を形成しても良い。
図4の例では、ボディーコンタクト23の形状に合わせてSOI層3の下層部のみにボディー領域20を形成し、層間絶縁膜4及び部分酸化膜31を貫通してボディーコンタクト23を形成することになる。この場合、ボディー領域20に隣接して部分酸化膜31下にウェル領域28が形成される。
ただし、図4の構造を形成する場合はコンタクト開口後にボディー領域20を形成するための高濃度不純物注入を行うことが望ましい。
ここで、同じ導電型の素子分離においては、ウェル領域11,12はチャネル形成領域の導電型と同一の不純物を導入して形成するだけでよいが、図1に示すように、PMOSとNMOSにまたがる分離においてはNMOS隣接部でp型のウェル領域11、PMOS隣接部でn型のウェル領域12を設ける必要がある。
このようなSOI構造は後述する実施の形態2の部分トレンチによる分離法を用いて製造することができる。
<<実施の形態2>>
<第1の態様>
図5はこの発明の実施の形態2であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。
図5に示すように、実施の形態2ではNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタそれぞれの内部のトランジスタ分離を部分酸化膜31とその下層のウェル領域11(12)によって行い、一方、PMOSトランジスタ,NMOSトランジスタ間の分離を完全酸化膜32よって行っている。このような構成にすることにより、実施の形態1の構造に比べて、PMOS、NMOS間の分離幅を小さくできたり、ラッチアップを防いだりすることができる。
図5の構造を実現する際には、ソース領域6、ドレイン領域5をイオン注入で形成する際に、注入イオンが部分酸化膜31を通り抜けて、本来はドレイン領域5及びソース領域6と逆の導電型式にする必要のある部分酸化膜31下のウェル領域11(12)に、ドレイン領域5及びソース領域6用の不純物が導入されることにより、部分酸化膜31及びウェル領域11による分離特性を損ねる恐れがある。
<第2の態様>
これを避けるためには、図6に示す第2の態様に示すように、形成深さがSOI層3の膜厚より十分に浅いドレイン領域5s及びソース領域6sを形成する方が好ましい。すなわち、部分酸化膜31の下面よりもドレイン領域5s及びソース領域6sを浅く形成すると良い。図6のように、形成深さの浅いドレイン領域5s及びソース領域6sを形成するためには、低エネルギーイオン注入によってソース、ドレイン領域6s,5sを形成すればよい。
なお、ドレイン領域5s及びソース領域6sの形成深さは、ビルトイン状態(PN接合にかかっているバイアス電圧が0Vのときの状態)で、ソース/ドレインからの空乏層が埋め込み酸化膜2まで到達するという条件を満足する深さで形成するのが理想的である。
なぜならば、ビルトイン状態で、ソース/ドレイン空乏層が埋め込み酸化膜2まで到達するため、ソース/ドレイン領域6s/5sとウェル領域11(12)との接合容量の低減化を図りながら、部分酸化膜31及びウェル領域11(12)による部分分離領域による分離特性の向上が図れるからである。
<第3の態様>
なおここで、図7に示す実施の形態2の第3の態様のように、下層部の一部がウェル領域29となるがSOI層3の上面から下面にかけて酸化膜33を用いてNMOSトランジスタ,PMOSトランジスタ間を完全分離することもできる。第3の態様では酸化膜33用のトレンチを部分酸化膜31用のトレンチと同時に設けて形成しやすい分、完全酸化膜32による分離よりレイアウトが容易になる可能性が高い。
以下、酸化膜33による完全分離を、SOI層3を貫通した貫通部の酸化膜33による完全分離領域と、SOI層3を貫通しない非貫通部の酸化膜33とその下方のSOI層3であるウェル領域29とによる部分分離領域とが連続して形成される複合分離領域による分離と称する場合がある。
<第4の態様>
また、図55に示す第4の態様のように、単独で部分分離を行う部分酸化膜31と複合分離領域の酸化膜33の上面は凹凸がなく均一になるように形成することにより、ゲート電極9の形成時のパターニングが容易になる効果を奏する。
<第5の態様>
図56は図7で示した複合分離領域の酸化膜33の構造の詳細を示す断面図である。同図に示すように、酸化膜33は中心部(貫通部)がSOI層3の上面から下面に達して形成されるが周辺部(非貫通部)は下面に達することなく形成される。酸化膜33の周辺部の下方に残存するSOI層3の一部がウェル領域29となる。このような構造の酸化膜33において、酸化膜33の周辺部下のSOI層3(ウェル領域29)の膜厚TBと、ウェル領域29より上方のSOI層3の膜厚TAとの間に、TA>TBが成立するように形成する。すなわち、SOI層3の膜厚(TA+TB)の半分未満にウェル領域29の膜厚を設定する。
第5の態様のようにTA>TBが成立するように形成すると、酸化膜33の分離による閾値電圧(酸化膜33をゲート酸化膜と見立てた時の閾値電圧)を十分に上昇させ、十分高度な分離耐性を得ることができ、ウェル領域29に接して形成されるドレイン/ソース領域とウェル領域29とのPN接合面積を十分に低下させることによりリーク電流の発生を抑え、上記PN接合容量を低下させることにより高速動作が可能となる。
<第6の態様>
図57は図7で示した酸化膜33の構造の詳細を示す断面図である。同図に示すように、SOI層3の上面から下面に達して形成される酸化膜33の中心部の形成幅である完全分離幅WCと、酸化膜33全体の酸化膜分離幅WDとの間に、WC<WD/2が成立するように形成する。
第6の態様のように構成することにより、酸化膜33の周辺部下に形成されるウェル領域29の面積を十分確保できるため、ウェル領域29を介して基板浮遊効果を十分抑制するレベルでトランジスタの基板電位固定を図ることができ、その結果、トランジスタの安定動作を可能にする。
さらに、完全分離幅WCをチップ内で同一にすることにより、分離形状管理が容易になる。さらに、酸化膜33のパターニングさえできれば素子間を電気的に完全分離できるため、完全分離幅WCを最小デザイン幅に設定することができ、チップ面積を必要最小限まで低減させ集積度の大幅な向上を図ることができる。
<その他>
実施の形態2では、少なくともNMOSトランジスタ,PMOSトランジスタ間を完全分離する構造を示したが、それ以外にも、メモリ混載論理回路において、雑音対策のためメモリ部と論理回路部との間を完全分離する構造も考えられる。
また、完全分離領域と部分分離領域とを併用する代わりに、形成深さの異なる酸化膜を用いて複数種の部分分離を行う方法も考えられる。この場合、形成深さが深い酸化膜下のウェル領域にはボディー領域等のボディーコンタクト材料を接続することなくフローティング状態にして完全分離領域として用いることもできる。
<製造方法(その1)(第1及び第2の態様)>
図8〜図11は実施の形態2の第1及び第2の態様における製造方法の素子分離工程を示す断面図である。図8〜図11で示す方法は部分トレンチ分離と完全トレンチ分離を併用による方法である。
まず、図8に示すように、酸素イオン注入によって埋め込み酸化膜2を形成するSIMOX法などにより形成した、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI基板を出発材料とする。通常、SOI層3の膜厚は50〜200nm、埋め込み酸化膜2の膜厚は100〜400nmになる。
そして、図9に示すように、SOI基板上に、20nm程度の酸化膜41と200nm程度の窒化膜42を順次堆積した後、パターニングしたレジスト43をマスクとして分離領域をパターニングし、窒化膜42、酸化膜41、SOI層の3多層膜を、SOI層3の下層部が残存するようにエッチングして複数の部分トレンチ44を形成する。複数の部分トレンチ44は、所定の幅でシリコン基板1に対してほぼ垂直方向に延びて形成されるため、集積度を損ねることなく微細化を維持した素子分離を行うことができる。この状態で、図12に示すように高濃度ウェル領域52(ウェル領域11、12に相当)形成のため、イオン注入を行えば分離耐圧をより高めることができる。
次に、図10に示すように、複数の部分トレンチ44のうち、一部を覆うようにレジスト45を形成して、レジスト45で覆われなかった部分トレンチ44をさらにエッチングすることにより、SOI層3を貫通させた完全トレンチ48を形成する。
次に、図11に示すように、500nm程度の酸化膜を堆積し、通常のトレンチ分離と同様の手法でCMP処理により窒化膜42の途中まで研磨し、その後、窒化膜42、酸化膜41の除去を行うことにより、部分酸化膜31及びその下のSOI層3(ウェル領域)と完全酸化膜32とが選択的に形成された構造を得ることができる。このように、CMP処理による酸化膜を研磨することにより、部分酸化膜31及び完全酸化膜32の上面を凹凸なく均一に形成することができる。なお、図9の構造を得た後、図12で示すイオン注入を行った場合は、図13に示すように、部分酸化膜31下に高濃度ウェル領域52が形成されることになる。高濃度ウェル領域52により安定性良く基板電位固定することができる。
以下、既存の方法で、NMOSトランジスタ形成領域にNMOSトランジスタを形成し、PMOSトランジスタ形成領域にPMOSトランジスタを形成することにより、図5で示した第1の態様のSOI構造、あるいは図6で示した第2の態様のSOI構造を得ることができる。
また、図10で示した工程を省略して他の工程を上述したように実施すれば、全てが部分トレンチ44となるため、図1〜図3で示した実施の形態1の構造(全てが部分酸化膜31によって素子分離された構造)を得ることができる。
<製造方法(その2)(第1及び第2の態様)>
図14〜図18は実施の形態2の第1及び第2の態様における製造方法の素子分離工程を示す断面図である。図14〜図18で示す方法は部分トレンチ分離と完全トレンチ分離を併用による方法である。
まず、図14に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びシリコン層50からなる積層構造を出発材料とする。この際、シリコン層50は最終的に得られるSOI層3の膜厚よりも薄くする。
そして、図15に示すように、SOI基板上に、酸化膜41と窒化膜42を順次堆積した後、パターニングしたレジスト46をマスクとして分離領域のパターニング処理を行い、シリコン層50の表面が露出するように窒化膜42及び酸化膜41をエッチングして複数の部分トレンチ44を形成する。
次に、図16に示すように、複数の部分トレンチ44のうち、一部を覆うようにレジスト49を形成して、レジスト49で覆われなかった部分トレンチ44をさらにエッチングすることにより、シリコン層50を貫通させた完全トレンチ48を形成する。
次に、図17に示すように、酸化膜を堆積し、通常のトレンチ分離と同様の手法でCMP処理により窒化膜42の途中まで研磨し、その後、窒化膜42、酸化膜41の除去を行うことにより、部分酸化膜31及びその下のシリコン層50(ウェル領域)と完全酸化膜32とが選択的に形成された構造を得ることができる。
そして、図18に示すように、シリコン層50からエピタキシャル成長させてエピタキシャルシリコン層51を形成することにより、シリコン層50及びエピタキシャルシリコン層51からなる結晶性の良いSOI層3を得る。
以下、既存の方法で、NMOSトランジスタ形成領域にNMOSトランジスタを形成し、PMOSトランジスタ形成領域にPMOSトランジスタを形成することにより、図5で示した第1の態様のSOI構造、あるいは図6で示した第2の態様のSOI構造を得ることができる。
<製造方法(その3)(第3の態様)>
図19〜図22は実施の形態2の第3の態様の製造方法における素子分離工程を示す断面図である。図19〜図22で示す方法は形成幅の異なる部分トレンチ形成による方法である。
まず、図19に示すように、比較的幅の広い部分トレンチ44Aと比較的幅の狭い部分トレンチ44Bとを形成する。部分トレンチ44Aが完全分離用であり、部分トレンチ44Bが部分分離用である。この際、SOI層3の下層の一部が残るように部分トレンチ44A及び44Bは形成される。
次に図20に示すように、酸化膜47で部分トレンチ44A及び44Bの側面に、部分トレンチ44Bの底面は塞ぐが部分トレンチ44Aの底面中心部が露出するようにサイドウォールを形成する。これは、部分トレンチ44Bの形成幅が部分トレンチ44Aの形成幅より狭いことを利用している。
次に、図21に示すように、酸化膜47をマスクとして、SOI層3に対するシリコンエッチングを行うことにより、部分トレンチ44Aの底面の中心部下のSOI層3を含む、上部に酸化膜47が形成されていないSOI層3が除去され、埋め込み酸化膜2の表面が露出する。
次に、図22に示すように、500nm程度の酸化膜を堆積し、通常のトレンチ分離と同様の手法でCMP処理により窒化膜42の途中まで研磨し、その後、窒化膜42、酸化膜41の除去を行うことにより、部分酸化膜31(及びその下のSOI層3)と酸化膜33(及びその一部下のSOI層3)とが選択的に形成された構造を得ることができる。
以下、既存の方法で、NMOSトランジスタ形成領域にNMOSトランジスタを形成し、PMOSトランジスタトランジスタ形成領域にPMOSトランジスタを形成することにより、図7で示した実施の形態2の第3の態様のSOI構造を得ることができる。
<製造方法(その4)(第3の態様)>
図23〜図27は実施の形態2の第3の態様の製造方法における素子分離工程を示す断面図である。図23〜図27で示す方法は形成幅の異なる部分トレンチ形成による方法である。
まず、図23に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI基板を出発材料とする。
そして、図24に示すように、比較的幅の広い部分トレンチ44Aと比較的幅の狭い部分トレンチ44Bとを形成する。部分トレンチ44Aが完全分離用であり、部分トレンチ44Bが部分分離用である。この際、SOI層3の下層の一部が残るように部分トレンチ44A及び44Bは形成される。
次に、図25に示すように、部分トレンチ44B内全体を充填し、部分トレンチ44Aの側壁を覆うように、レジスト49をパターニングする。したがって、部分トレンチ44Aの底面中心部が確実に露出している。
その後、図26に示すように、レジスト49をマスクとして、SOI層3に対するシリコンエッチングを行うことにより、部分トレンチ44Aの底面の中心部下のSOI層3を含む、レジスト49が上部に形成されていないのSOI層3が除去され、埋め込み酸化膜2の表面が露出する。
次に、図27に示すように、酸化膜を堆積し、通常のトレンチ分離と同様の手法でCMP処理により窒化膜42の途中まで研磨し、その後、窒化膜42、酸化膜41の除去を行うことにより、部分酸化膜31(及びその下のSOI層3)と酸化膜33(及びその下のSOI層3)とが選択的に形成された構造を得ることができる。
<製造方法(その5)(第3の態様)>
図58〜図62は実施の形態2の第3の態様の製造方法における素子分離工程を示す断面図である。
まず、図58に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI基板を出発材料とする。
そして、図59に示すように、SOI基板上に、酸化膜41と窒化膜42を順次堆積した後、パターニングしたレジスト213をマスクとして分離領域のパターニング処理を行い、埋め込み酸化膜2の表面が露出するように窒化膜42、酸化膜41及びSOI層3をエッチングにより貫通して複数のトレンチ214を形成する。
次に、図60に示すように、残存した窒化膜42上に選択的にレジスト215を形成する。この際、複数のトレンチ214それぞれを含みトレンチ214の形成幅より広い領域が開口部となるようにレジスト215を形成する。
そして、図61に示すように、レジスト215をマスクとして窒化膜42及び酸化膜41とSOI層3の一部とをエッチングすることにより、下層にSOI層3が残存した部分トレンチ216と、中心部の下層がSOI層3を貫通した貫通部とそれ以外の下層にSOI層3が残存した非貫通部とからなる複合トレンチ217とを同時に形成する。
その後、図62に示すように、HDP(高密度プラズマ)CVD方等によって酸化膜を堆積し、通常のトレンチ分離と同様の手法でCMP処理により窒化膜42の途中まで研磨し、その後、窒化膜42、酸化膜41の除去を行うことにより、部分酸化膜31(及びその下のSOI層3)と酸化膜33(及びその一部下のSOI層3)とが選択的に形成された構造を得ることができる。
<製造方法(その6)(第3の態様)>
製造方法の極端な例として、部分分離により素子分離されたトランジスタのゲート電極形成後、あるいはコンタクトや配線工程などの後工程の実施段階で、部分分離領域をSOI層3を貫通するようにエッチング除去し、その後酸化膜を埋め込んで完全分離領域に変更することも可能である。
<その他>
上記実施の形態2の製造方法は、トレンチ分離法としてSiN/SiO2の積層をSOI層上に形成して、素子分離用の酸化膜の埋め込みを行ったが、他の方法、SiN/SiO2の積層に代えて、例えばSiN/poly−Si/SiO2による積層を用いて埋め込み後酸化を行い、トレンチの角丸めを行うなど、より多様な方法を行っても同様な効果を示すことは言うまでもない。
<<実施の形態3>>
<第1の態様>
図28はこの発明の実施の形態3であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。
図28に示すように、集積性が要求される(部分酸化膜31は下層にウェル領域を形成する関係で完全酸化膜32より集積度が若干劣る)が基板浮遊効果の影響の少ない回路(第1の回路)の形成領域を完全酸化膜32を用いた完全分離構造にし、基板浮遊効果の影響が問題となる回路(第2の回路)の形成領域には部分酸化膜31及びその下層のウェル領域11(12)を用いた部分分離構造にし、第1,第2の回路の形成領域間の分離は完全酸化膜32を用いた完全分離構造にしている。
また、それ以外に第1の回路例として、稠密構造が要求されるSRAM,DRAM等のメモリセル部分の回路、第2の回路例としてメモリセル部分以外の回路がある。
図28に示すように、第1の回路例としては、内部回路及びデジタル回路等があり、第2の回路回路の例としては、I/Oバッファー回路、アナログ回路(PLL回路、センスアンプ回路)等がある。さらに、第2の回路例として、タイミング回路、ダイナミック回路等がある。
このように、実施の形態3の第1の態様は、設けられる回路の基板浮遊効果の影響度を考慮して、部分酸化膜31による部分分離と完全酸化膜32とによる完全分離とを使い分けることにより、基板浮遊効果の抑制と集積度の向上をバランス良く行った素子分離構造を得ることができる。
なお、図28の構造は、実施の形態2の製造方法のその1〜その4等を用いて、部分酸化膜31及び完全酸化膜32(酸化膜33)を選択的に形成して素子分離を行って第1の回路及び第2の回路を形成することにより得ることができる。
<第2の態様>
図29はこの発明の実施の形態3であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、完全分離を行う第1の回路形成用の部分SOI層3Bの膜厚を、部分分離を行う第2の回路形成用の部分SOI層3Aの膜厚よりも薄くしている。したがって、部分SOI層3Bに形成される完全酸化膜34,ドレイン領域5t,ソース領域6t及びチャネル形成領域7tの膜厚も薄くなる。
第2の態様では、第1の回路形成用の部分SOI層3Bの膜厚を第2の回路形成用の部分SOI層3Aの膜厚よりも薄く形成したため、同じトレンチエッチング条件を用いても、部分SOI層3Aには部分トレンチを部分SOI層3Bには完全トレンチを形成し分けることができる。したがって、製造方法その1の図10で示した工程が省略できる等の製造方法の簡略化を図って、完全分離及び部分分離をそれぞれ部分SOI層3B及び部分SOI層3A上で行うことができる。
また、完全分離、部分分離に関係なく、基板電位固定が要求される第2の回路である、I/Oバッファ回路、アナログ回路(PLL、センスアンプ)、タイミング回路、ダイナミック回路などを形成するSOI層の膜厚は厚くすることが好ましく、その点からも第2の態様は理にかなっており、特に保護回路では膜厚により温度上昇を抑制でき効果的である。
<第3の態様>
また、実施の形態3の第3の態様として、ノイズ発生源となるI/O回路やRF回路と他の回路との分離は少なくとも完全酸化膜32を用いた完全分離を行い、他の部分の分離は部分酸化膜31を用いた分離を行うことにより、内部回路やノイズに弱いアナログ回路へのノイズの影響を減らしながら、基板浮遊効果の影響を最小限に抑えたSOI構造の半導体装置を得ることができる。
<<実施の形態4>>
図30及び図31はこの発明の実施の形態4のSOI構造の半導体装置の構造を示す断面図である。なお、図30及び図31はそれぞれ実施の形態1の図3のA−A断面及びB−B断面に相当する。
同図に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI構造の半導体装置におけるSOI層3の各トランジスタ形成領域は下層部にウェル領域が形成される部分酸化膜71によって分離される。そして、NMOSトランジスタ間を分離する部分酸化膜71の下層にp型のポリシリコン領域61が形成され、PMOSトランジスタ間を分離する部分酸化膜71の下層にn型のポリシリコン領域62が形成され、NMOSトランジスタ,PMOSトランジスタ間を分離する部分酸化膜71の下層にp型のポリシリコン領域61(NMOSトランジスタ側)及びn型のポリシリコン領域62(PMOSトランジスタ側)が隣接して形成される。
また、図31に示すように、SOI層3中のポリシリコン領域61の間にボディー領域10が形成され、ボディー領域10は隣接するポリシリコン領域61に接している。そして、層間絶縁膜4上に形成された配線層25は、層間絶縁膜4中に設けられたボディーコンタクト23を介してボディー領域10と電気的に接続される。
このように、実施の形態4の半導体装置は部分酸化膜71下に形成されるポリシリコン領域61,62をウェル領域として利用し、ボディー領域10を介してその電位が固定される。したがって、チャネル形成領域7の電位が安定し基板浮遊効果を低減させることができる。
なお、図32に示すように、NMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタそれぞれの内部のトランジスタ分離を部分酸化膜71とその下層のポリシリコン領域61(62)によって行い、一方、PMOSトランジスタ,NMOSトランジスタ間の分離を完全酸化膜32よって行っても良い。このような構成にすることにより、図30及び図31の構造に比べて、PMOS、NMOS間の分離幅を小さくできたり、ラッチアップを防いだりすることができる。
<製造方法>
図33〜図37は実施の形態4の半導体装置の製造方法における素子分離工程を示す断面図である。
まず、図33に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI基板を出発材料とし、SOI基板上に酸化膜41と窒化膜42を順次堆積した後、パターニングしたレジスト43をマスクとして分離領域をパターニングし、窒化膜42、酸化膜41、SOI層の3多層膜を貫通させてトレンチ53を形成する。
そして、図34に示すように、全面にポリシリコン層65を膜厚制御性良く堆積した後、図35に示すように、複数のトレンチ53のうち、一部を覆うようにレジスト66を形成して、レジスト66で覆われなかったトレンチ53内のポリシリコン層65をエッチングして除去することにより、完全トレンチ48を形成する。
次に、図36に示すように、全面にトレンチ埋め込み用の酸化膜を堆積し、通常のトレンチ分離と同様の手法でCMP処理により窒化膜42の途中まで研磨し、その後、窒化膜42、酸化膜41の除去を行うことにより、ポリシリコン領域67及びその内部に残存する酸化膜68と完全酸化膜32とが選択的に形成された構造を得ることができる。
そして、図37に示すように、ポリシリコン領域67を酸化させることにより、酸化膜68とポリシリコン領域67が酸化された領域とからなる部分酸化膜71と、酸化されずに残存したポリシリコン領域61(62)とによる部分分離構造が完成する。
ポリシリコン領域67の酸化度合いの方がSOI層3上に形成される酸化膜70より高いため、SOI層3の表面とポリシリコン領域61(62)の最上部との間に十分に段差が生じ、ゲート酸化膜形成時に酸化膜不良によりゲート電極9とポリシリコン領域61とがショートすることを防ぐことができる。
以下、既存の方法で、NMOSトランジスタ形成領域にNMOSトランジスタを形成し、PMOSトランジスタ形成領域にPMOSトランジスタを形成することにより、図32で示したSOI構造を得ることができる。
<<実施の形態5>>
<第1の態様>
図38はこの発明の実施の形態5のSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI構造の半導体装置におけるSOI層3の各トランジスタ形成領域は下層部にウェル領域が形成される低誘電率膜(埋め込み酸化膜2等の一般的な絶縁膜より誘電率が低い絶縁膜)75によって分離される。そして、図1で示した実施の形態1のように、NMOSトランジスタ間を分離する低誘電率膜75の下層にp型のウェル領域11が形成され、PMOSトランジスタ間を分離する低誘電率膜75の下層にn型のウェル領域12が形成され、NMOSトランジスタ,PMOSトランジスタ間を分離する低誘電率膜75の下層にp型のウェル領域及びn型のウェル領域(図38では共に図示せず)が形成される。上記したウェル領域は実施の形態1と同様、電気的に接続関係にあるボディー領域を介して電位固定が可能である。
SOI構造の場合、SOI層3の膜厚が50nm程度に薄くなる場合がある。このとき、素子分離用酸化膜(図1の部分酸化膜31)下に形成されるウェル領域が空乏化あるいは反転し、本来素子分離すべきトランジスタ間にリーク電流が流れる恐れがある。
しかしながら、実施の形態4の第1の態様では、素子分離用に低誘電率膜75を用いているため、膜厚が薄くともその容量を十分低く抑えることができ、上記したリーク電流発生を確実に回避することができる。
なお、低誘電率膜75としては、埋め込み酸化膜2等に用いられるシリコン酸化膜(比誘電率が3.9〜4程度)にフッ素を混入されたり、有機膜を用いることにより、比誘電率が3程度のものを用いている。
<第2の態様>
図39は実施の形態5の第2の態様を示す断面図である。同図に示すように、図38の低誘電率膜75に代えて、低誘電率膜76と低誘電率膜76の底面及び側面に形成されるシリコン酸化膜78とにより素子分離を行っている。なお、他の構成は図38で示した第1の態様と同様である。
このように、低誘電率膜76の底面及び側面にシリコン酸化膜78を形成するのは、シリコン(ドレイン領域5、ソース領域6、ウェル領域11,12等)との界面に生じる欠陥や界面電荷の発生を確実に抑制するためである。なお、シリコン酸化膜78は熱酸化法やCVD法を用いて形成される。
<第3の態様>
図40は実施の形態5の第3の態様を示す断面図である。同図に示すように、図38の低誘電率膜75に代えて、低誘電率膜77と低誘電率膜77の側面に形成されるシリコン酸化膜79とにより素子分離を行っている。なお、他の構成は図38で示した第1の態様と同様である。
このように、低誘電率膜77の側面にシリコン酸化膜79を形成するのは、チャネル形成領域7が存在する側面方向のシリコン(ドレイン領域5、ソース領域6)との界面に生じる欠陥や界面電荷の発生を確実に抑制することを主眼としたためである。
<<実施の形態6>>
<第1の態様>
図41はこの発明の実施の形態6であるSOI構造の半導体装置における第1の態様の構造を示す断面図である。
同図に示すように、各素子間は層間絶縁膜4(説明の都合上、完全酸化膜32相当する部分も層間絶縁膜4で示す)によって完全分離し、ボディー領域となる接続領域80を埋め込み酸化膜2の上層部に形成し、その一部がSOI層3(図41ではドレイン領域5,チャネル形成領域7)の端部裏面と接することにより、電気的接続関係を保っている。なお、接続領域80の導電型はチャネル形成領域7と同じである。また、図1及び図2と同様の部分については同一の参照符号を付しその説明を適宜省略する。
このように、第1の態様の半導体装置はボディー領域となる接続領域80をSOI層3ではなく、埋め込み酸化膜2の上層部に設けたため、ゲート電極9との間に少なくともSOI層3の膜厚以上の高低差を設けることができる。その結果、製造時にゲート電極9と接続領域80とが短絡するという不具合を確実に回避することができる。
<第2の態様>
図42はこの発明の実施の形態6であるSOI構造の半導体装置における第2の態様の構造を示す断面図である。
同図に示すように、ドレイン領域5s及びソース領域6sはSOI層3の上層部に浅く形成される。なお、他の構成は図41で示した第1の態様と同様である。
このように、第2の態様の半導体装置はドレイン領域5s及びソース領域6sをSOI層3上層部に浅く形成したため、ドレイン領域5sあるいはソース領域6と接続領域80とが接触関係を持ちリーク電流を引き起こすことを確実に回避することができる。
<製造方法(概念)>
図43〜図45は接続領域80となるポリシリコン領域を形成する工程を概念的に示す断面図である。
まず、図43に示すように、シリコン基板1、埋め込み酸化膜2及びSOI層3からなるSOI構造から、SOI層3を表面から選択的に除去することにより、トレンチ分離が施された素子形成領域を形成する。
そして、図44に示すように、SOI層3をマスクとして埋め込み酸化膜2に対するウェットエッチングを施し、SOI層3の端部下面の埋め込み酸化膜2が除去しながら、SOI層3が上部に存在しない埋め込み酸化膜2の上層部を除去した穴部94を形成する。
そして、図45に示すように、穴部94にポリシリコンを埋め込むことにより、接続領域80用のポリシリコン領域81を形成する。
<製造方法(その1)>
図46〜図48は接続領域80となるポリシリコン領域を形成するその1の工程をより具体的に示す断面図である。
まず、図46に示すように、SOI基板のSOI層3上にシリコン酸化膜91及びシリコン窒化膜92を堆積し、SOI層3、シリコン酸化膜91及びシリコン窒化膜92をパターニングしてトレンチ分離を行った後、パターニング後のSOI層3、シリコン酸化膜91及びシリコン窒化膜92の側面に側壁シリコン窒化膜93を形成する。
そして、図47に示すように、シリコン窒化膜92及び側壁シリコン窒化膜93をマスクとして、埋め込み酸化膜2に対するウェットエッチングを行い、SOI層3の端部裏面の埋め込み酸化膜2を除去しながら、SOI層3が上部に存在せずに露出した埋め込み酸化膜2の上層部を除去することにより、穴部94を形成する。
その後、図48に示すように、全面にポリシリコン層を堆積した後、ポリシリコン層をドライエッチングによりエッチバックすることにより、穴部94にポリシリコンを埋め込んで接続領域80用のポリシリコン領域81を形成する。
以下、図11で示した工程のように、トレンチに酸化膜を埋め込む等の方法により複数の素子形成領域を絶縁分離し、接続領域80を外部から電位固定可能にし、さらに、複数の素子形成領域それぞれに所定の素子を形成することにより、図41あるいは図42で示した構造が完成する。
<製造方法(その2)>
図49〜図51は接続領域80となるポリシリコン領域を形成するその2の工程を具体的に示す断面図である。
まず、既に取り上げた図46に示すように、SOI層3、シリコン酸化膜91及びシリコン窒化膜92をパターニングしてトレンチ分離を行った後、パターニング後のSOI層3、シリコン酸化膜91及びシリコン窒化膜92の側面に側壁シリコン窒化膜93を形成する。
そして、図49に示すように、シリコン窒化膜92及び側壁シリコン窒化膜93をマスクとして、埋め込み酸化膜2に対するウェットエッチングを行い、SOI層3の端部裏面の埋め込み酸化膜2を除去しながら、SOI層3が上部に存在しない埋め込み酸化膜2の上層部を除去することにより、穴部94を形成する。
次に、図50に示すように、SOI層3の露出した裏面からのエピタキシャル成長により側壁シリコン窒化膜93下にエピタキシャル成長層82を形成する。
その後、図51に示すように、全面にポリシリコン層を堆積した後、ポリシリコン層をエッチバックすることにより、穴部94にポリシリコンを埋め込んで接続領域80用のポリシリコン領域83を形成する。その結果、エピタキシャル成長層82とポリシリコン領域83とからなる接続領域80を形成することができる。
以下、トレンチに酸化膜を埋め込む等の方法により複数の素子形成領域を絶縁分離し、接続領域80を外部から電位固定可能にし、さらに、複数の素子形成領域それぞれに所定の素子を形成することにより、図41あるいは図42で示した構造が完成する。
第2の態様の構造は、エピタキシャル成長層82を介している分、ドレイン領域5あるいはソース領域6とチャネル形成領域7とによるPN接合部分とポリシリコン領域83との距離を十分とることができ、良好な電気的特性を得ることができる。
<第3の態様>
図52は実施の形態6の第3の態様を示す断面図である。同図の構造は図41で示した構造(接続領域80,ボディーコンタクト23、ゲートコンタクト24及び配線層22,25を除く)から、シリコン基板1及び埋め込み酸化膜2を研摩により除去した後、表裏面を反対にした後、新たな裏面にシリコン基板90を張り合わせ、接続領域86を表面に形成した構造である。したがって、シリコン基板90、層間絶縁膜4及び素子形成領域(ドレイン領域5、ソース領域6、チャネル形成領域7等)からなるSOI構造となる。
第3の態様は結果的に接続領域86を表面に形成することになるため、製造工程が容易になる。
<第4の態様>
図53は実施の形態6の第4の態様を示す断面図である。同図に示すように、埋め込み酸化膜2を貫通して接続領域87を形成している。他の構成は図41で示した第1の態様と同様である。
このように、第4の態様は、埋め込み酸化膜2を貫通して接続領域87を形成したため、支持基板であるシリコン基板1から電位を固定することができる。この際、図54に示すように、接続領域87形成をウェットエッチングにより埋め込み酸化膜2の上層部に形成された穴部89と、ドライエッチングにより横方向に広がりなく埋め込み酸化膜2を貫通して形成された貫通部88とにより貫通口を設けた後、ポリシリコン等を埋め込んで接続領域87を形成すれば、貫通口形成時の横方向の広がりを抑えながら、埋め込み酸化膜2を貫通した接続領域87を得ることができる。
<<実施の形態7>>
図63はこの発明の実施の形態7であるSOI構造の半導体装置の完全分離領域の設計方法説明用の平面図である。同図に示すように、CMOSトランジスタを形成する場合、仮想nウェル領域104内にPMOS活性領域101及びPMOSボディーコンタクト領域102が選択的に設けられ、仮想nウェル領域104外のP領域(図示せず)にNMOS活性領域111及びNMOSボディーコンタクト領域112を選択的に設けられる形状が一般的である。
一方、実施の形態2の第3の態様(図7)等で示した複合分離領域によってNMOS,PMOS間を分離する場合、仮想nウェル領域104と部分分離領域とがほぼ一致し、部分分離領域に連続して完全分離領域が形成される。
このような複合分離領域を用いた半導体装置のレイアウト構成は蓄積された過去のレイアウトデータを利用できる可能性は高い。
したがって、完全分離領域は以下の(1)〜(3)で示す設計方法を実行することにより自動生成することができる。
(1)ウェル領域内形成されるPMOSトランジスタとウェル領域外に形成されるNMOSトランジスタとからなるCMOSデバイスの過去データを得る。
(2)過去データに基づき第1及び第2のMOSトランジスタの形成領域(PMOS活性領域101,PMOSボディーコンタクト領域102,NMOS活性領域111,NMOSボディーコンタクト領域112)を設定する。
(3)上記過去データにおけるウェル領域を仮想nウェル領域104として、nウェル領域104の外周近傍領域に、完全分離領域105設定する。
仮想nウェル領域104は通常、NMOS領域とPMOS領域とを区別する領域であるため、仮想nウェル領域104を基準にして完全分離領域を設定することによりNMOSトランジスタ,PMOSトランジスタ間を効果的に分離することができる。
図63の例では、仮想nウェル領域104の外縁を完全分離幅Wの半分の幅W/2で外側にオーバーサイズ設定するとともに、同外縁を幅W/2で内側にアンダーサイズ設定することにより完全分離領域105を設定している。
このように、通常のCMOSトランジスタを製造する過去データのウェル領域の外周近傍に完全分離幅Wに基づき完全分離領域を自動設定することができる。
さらに、部分分離領域113をPMOS活性領域101、PMOSボディーコンタクト領域102、nウェル領域104、NMOS活性領域111及びNMOSボディーコンタクト領域112以外の領域にnウェル領域104に連続して形成されるように設定することにより、完全分離領域105及び部分分離領域113からなる複合分離領域を設計することができる。
<<実施の形態8>>
<ラッチアップ現象>
図64はラッチアップ現象説明用の説明図である。同図に示すように、PMOS領域131にNMOS領域141が隣接するCMOS構造では、PMOS領域131内のPMOS活性領域133及びnウェル領域132とNMOS領域141内のpウェル領域142とにより形成される寄生バイポーラトランジスタT1と、NMOS領域141内のNMOS活性領域143及びpウェル領域142とPMOS領域131内のnウェル領域132とにより形成される寄生バイポーラトランジスタT2とが形成される。
n+ボディーコンタクト領域135はnウェル領域132の抵抗成分R11と介して寄生バイポーラトランジスタT1のベースに接続されることになる。同様に、p+ボディーコンタクト領域145はpウェル領域142の抵抗成分R12を介して寄生バイポーラトランジスタT2のベースに接続されることになる。n+ボディーコンタクト領域135は電源電圧Vccに設定され、p+ボディーコンタクト領域145は接地レベルVssに設定される。なお、PMOS活性領域133及びNMOS活性領域143の中心部にはゲート電極134及び144がそれぞれ形成されている。
これら寄生バイポーラトランジスタT1及びT2による寄生サイリスタ構造が形成されることにより、ノイズによって寄生サイリスタがオン状態になると電源電圧Vccから接地レベルVssにかけて電流が流れっぱなしになるというラッチアップ現象が起こる。
<第1の態様>
一般にラッチアップ現象を引き起こすノイズは入出力端子から入ってくることが多い。そこで、図65に示すように、入出力NMOS(トランジスタ形成)領域106,入出力PMOS(トランジスタ形成)領域116間の境界近傍領域を完全分離領域114で完全分離する構造が望ましい。なお、入出力NMOS領域106及び入出力PMOS領域116はそれぞれ部分分離領域107及び部分分離領域117で周辺領域と部分分離されている。
入出力領域とは入出力バッファや保護回路を主に形成する領域を意味する。図66は入力回路の一例を示す回路図である。同図に示すように、入力信号INを受ける外部入力端子P1は抵抗R1及びR2を介して入力バッファ122の入力部に接続され、入力バッファ122の出力部が内部入力端子P2に接続され、内部入力端子P2より内部信号S0が出力される。
入力保護回路121はPMOSトランジスタQ1及びNMOSトランジスタQ2から構成され、PMOSトランジスタQ1はソース及びゲートが電源電圧Vccに接続され、ドレインが抵抗R1,R2間のノードN1に接続される。NMOSトランジスタQ2はソース及びゲートが接地され、ドレインがノードN1に接続される。
入力バッファ122はPMOSトランジスタQ11,NMOSトランジスタQ12によりCMOSインバータを構成し、PMOSトランジスタQ11,NMOSトランジスタQ12のゲートが入力部、ドレインが出力部となる。
この回路例では、PMOSトランジスタQ1及びQ11が入力PMOS領域118に形成され、NMOSトランジスタQ2及びQ12が入力NMOS領域108に形成される。
図67は出力回路の一例を示す回路図である。同図に示すように、内部信号S1を受ける内部入力端子P3は出力バッファ123の入力部に接続され、出力バッファ123の出力部より得られる信号が外部出力端子P4を介して出力信号OUTとして出力される。
出力バッファ123はPMOSトランジスタQ13,NMOSトランジスタQ14によりCMOSインバータを構成し、PMOSトランジスタQ13,NMOSトランジスタQ14のゲートが入力部、ドレインが出力部となる。
出力保護回路124はPMOSトランジスタQ3及びNMOSトランジスタQ4から構成され、PMOSトランジスタQ3のソース及びゲートが電源電圧Vccに接続され、ドレインが外部出力端子P4に接続される。NMOSトランジスタQ4のソース及びゲートが接地され、ドレインが外部出力端子P4に接続される。
この回路例では、PMOSトランジスタQ3及びQ13が出力PMOS領域119に形成され、NMOSトランジスタQ4及びQ14が出力NMOS領域109に形成される。
このように、実施の形態8の第1の態様は、ラッチアップ現象が生じやすい入出力NMOS領域106,入出力PMOS領域116間の少なくとも境界近傍領域に完全分離領域114を形成して完全分離することにより、ラッチアップ現象が生じない構造にしている。
また、実施の形態8の第1の態様はNMOS領域,PMOS領域間の全領域に完全分離領域を設けるのではなく、入出力NMOS領域,入出力PMOS領域の境界近傍領域のみに完全分離領域114を設けることにより、ラッチアップ現象を効果的に抑制しながら、回路形成面積の増大を最小限に抑えることができる。
<第2の態様>
なお、入出力NMOS領域106,入出力PMOS領域116間の完全分離は、図65のように、入出力NMOS領域106,入出力PMOS領域116間の境界近傍領域のみに設けてる以外に、図68に示す第2の態様のように、入出力NMOS領域106及び入出力PMOS領域116を完全に囲うように完全分離領域115を形成してもよい。
さらに、入出力NMOS領域,入出力PMOS領域間に加え、アナログ回路,ディジタル回路間のように特定の回路間に完全分離領域を設けることも考えられる。
<第3の態様>
図69は実施の形態8の第3の態様を示す説明図である。同図に示すように、NMOS領域(入出力NMOS領域106,内部NMOS領域180),PMOS領域(入出力PMOS領域116,内部PMOS領域190)間に加え、入出力領域(入出力PMOS領域116),内部回路領域(内部NMOS領域180)間をも完全分離領域110で完全分離している。
第3の態様により、第1及び第2の態様の効果に加え、ノイズ影響を受けやすい入出力領域の影響を内部回路領域から完全に遮断することができる。
<<実施の形態9>>
<第1の態様>
図70はこの発明の実施の形態9であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の平面構造を示す平面図であり、図71は図70のA−A断面構造を示す断面図である。これらの図に示すように、NMOS(トランジスタ形成)領域126とPMOS(トランジスタ形成)領域136とが隣接して設けられている。NMOS領域126内に複数のゲート電極129を有するNMOS活性領域128とp+ボディー領域130とが形成され、NMOS活性領域128の周囲を部分分離領域127で囲っている。
一方、PMOS領域136内に複数のゲート電極139を有するPMOS活性領域138とn+ボディー領域140とが形成され、PMOS活性領域138の周囲を部分分離領域137及び完全分離領域120によって囲っている。完全分離領域120は、NMOS領域126とPMOS領域136との境界近傍のPMOS領域136内におけるゲート電極139のPMOS活性領域138からのはみだし部分に設けられる。
したがって、NMOS領域126とPMOS領域136との境界近傍領域は、図71に示すように、NMOS領域126は酸化膜54とウェル領域169とによる部分分離領域127で周囲と分離されるのに対し、PMOS領域136は酸化膜54のみによる完全分離領域120で周囲と分離される。
このように、NMOS領域126には完全分離領域を全く形成せず、部分分離領域127を設けることにより、酸化膜54下のウェル領域169を介してNMOSトランジスタの基板電位の固定が不足なく行えるため、基板浮遊効果の激しいNMOSトランジスタの基板浮遊効果を効果的に抑えることができる。
また、基板浮遊効果がNMOSトランジスタに比べて穏やかなPMOSトランジスタは、周辺の一部に完全分離領域を形成しても大きな悪影響はなく、NMOS領域126,PMOS領域136間を完全分離領域120によって絶縁分離しながら面積効率を高めた配置となり、レイアウトに余裕がない場合等に有効となる。
<第2の態様>
図72はこの発明の実施の形態9であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の平面構造を示す平面図であり、図73は図72のB−B断面構造を示す断面図である。これらの図に示すように、p-型のウェル領域169内に形成されるNMOS領域126と、n-型のウェル領域179内に形成されるPMOS領域136とが隣接して設けられる。
NMOS領域126内に複数のゲート電極129を有するNMOS活性領域128が形成され、NMOS活性領域128の周囲の大部分を完全分離領域125で囲っている。そして、ゲート電極129の一方側(PMOS領域136と反対側)のゲート電極129の端部のみ部分分離領域127で周囲と分離している。
図73に示すように、酸化膜54と酸化膜54の下方に形成されたウェル領域169とにより部分分離領域127を構成している。なお、部分分離領域127の形成幅は、ゲート電極129の形成幅よりも大きくても(図73の左側)、小さくても(図73の右側)良い。また、ウェル領域169内の上記ゲート電極129の一方側付近にp+ボディー領域130が設けられる。
一方、PMOS領域136内に複数のゲート電極139を有するPMOS活性領域138が形成され、PMOS活性領域138の周囲の大部分を完全分離領域125で囲っている。そして、NMOS領域126と同様、ゲート電極139の一方側(NMOS領域126と反対側)のゲート電極139の端部のみ部分分離領域137で周囲と分離している。また、ウェル領域179内の上記ゲート電極139の一方側付近にn+ボディー領域140が設けられる。
このように、実施の形態9の第2の態様は、ゲート電極の端部を部分分離領域によって分離して、ゲート電極下に存在するチャネル形成領域と部分分離領域のウェル領域とが接するように形成することにより、各トランジスタ形成領域の基板電位を固定することができる。
なお、NMOS領域126及びPMOS領域136の周囲の大部分を完全分離領域125で囲っているのは、PN接合面積を減らすためとラッチアップ現象が生じる経路を遮断するためである。
<<実施の形態10>>
<第1の態様>
図74はこの発明の実施の形態10であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構成を示す平面図である。同図に示すように、NMOS活性領域128内に複数のゲート電極129が形成され、NMOS活性領域128の周囲を囲って部分分離領域127を設けている。さらに、部分分離領域127の周囲を囲ってp+ボディ領域146を設けている。なお、図101は図74のE−E断面構造を示す断面図である。
部分分離領域127は図101に示すように、酸化膜54とウェル領域169とから構成されており、このウェル領域169はNMOS活性領域128に形成されるチャネル形成領域と接して形成されるため、ノイズやラッチアップの影響を受けやすい構造になっている。
しかしながら、実施の形態10の第1の態様は、部分分離領域127を囲ってp+ボディ領域146が形成されているため、p+ボディ領域146を接地レベルに固定する等の基板固定を行うことにより、他の回路部分からの影響を抑制し、基板電位を安定にでき、ノイズやラッチアップに対する耐性を大きく向上させることができる。
このような構成の第1の態様は、ノイズ源の回路ブロック、外部からノイズを遮断したい回路ブロック等に適している。なお、PMOS活性領域の場合は部分分離領域の周囲をn+のボディー領域で囲って形成すれば、同様な効果が得られる。
<第2の態様>
図75はこの発明の実施の形態10であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構成を示す平面図である。同図に示すように、入出力NMOS領域151と入出力PMOS領域152とが隣接して形成される。
入出力NMOS領域151において、NMOS活性領域128内に複数のゲート電極129が形成され、NMOS活性領域128の周囲を囲って部分分離領域127Aを設けている。さらに、部分分離領域127Aの周囲を囲ってp+ボディ領域146を設けている。そして、p+ボディ領域146を囲って部分分離領域127Bを設けている。
入出力PMOS領域152において、PMOS活性領域138内に複数のゲート電極139が形成され、PMOS活性領域138の周囲を囲って部が分分離領域137Aを設けている。さらに、部分分離領域137Aの周囲を囲ってn+ボディ領域147を設けている。そして、n+ボディ領域147を囲って部分分離領域137Bを設けている。
一般に入出力回路はサージやノイズの影響をチップ外から受ける場合が多いため、ラッチアップ現象やノイズ耐性を高めることが特に重要となる。
実施の形態10の第2の態様では、入出力NMOS領域151及び入出力PMOS領域152それぞれの部分分離領域127A及び137Aをp+ボディ領域146及びn+ボディ領域147で囲うことにより、サージの影響でウェル領域の電位が上昇して生じるラッチアップ現象を抑制することができる。
第2の態様では、NMOS,PMOS活性領域全体をボディー領域で覆った構造と示したが、入出力NMOS領域151と入出力PMOS領域152との境界近傍領域に、少なくともボディー領域を設ければ、ラッチアップ現象やノイズ耐性をある程度高めることができる。
<<実施の形態11>>
<第1の態様>
図76はこの発明の実施の形態11であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構成を示した平面図である。
同図に示すように、NMOS活性領域128内に複数のゲート電極129が設けられ、NMOS活性領域128の周囲を囲ってフローティング部分分離領域149を形成し、フローティング部分分離領域149の周囲を囲って完全分離領域148を形成している。
フローティング部分分離領域149は、例えば図55の部分酸化膜31とウェル領域11との関係のように酸化膜とウェル領域との2層構造で形成されるが、ウェル領域は電位固定されることなく、常にフローティング状態とされている。フローティング部分分離領域149のウェル領域をフローティング状態にしても、衝突電離によって発生したキャリアはフローティング部分分離領域149のウェル領域に流れ込むため、ポテンシャル上昇を最低限に抑えることができる。加えて、宇宙線によって発生する電荷をフローティング部分分離領域149のウェル領域に分散できるためソフトエラー耐性を向上させることもできる。
このようにフローティング部分分離領域149を設ける実施の形態11の第1の態様の構成は、SRAM等、高密度回路でボディー領域へのコンタクトが困難な場合等に有効である。
なお、完全分離領域148を設ける方がラッチアップ耐性向上等の観点から望ましいが、必ずしも必要でない。
<第2の態様>
図77はこの発明の実施の形態11であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構成を示した平面図である。
同図に示すように、フローティング部分分離領域149内にフローティングp+ボディー領域150を設けている。他の構成は図76で示した第1の態様と同様である。
フローティングp+ボディー領域150は電位固定されることなく、常にフローティング状態とされている。したがって、フローティング部分分離領域149のウェル領域もフローティング状態となる。
第2の態様のように、フローティング部分分離領域149のウェル領域をフローティング状態にしても、第1の態様と同様、ポテンシャル上昇を最低限に抑えることができ、ソフトエラー耐性を向上させることができる。
さらに、第2の態様は、フローティングp+ボディー領域150の存在により、キャリアの再結合が促進されるため、第1の態様に比べ基板浮遊効果の抑制効果が大きくなる効果を奏する。
<<実施の形態12>>
<第1の態様>
図78はこの発明の実施の形態12であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構成を示した平面図であり、図79はそのC−C断面図である。
これらの図に示すように、ドレイン領域153、ソース領域154及びゲート電極155で構成されるNMOSトランジスタのソース領域154に隣接してp+型のボディー領域156を設け、ソース領域154及びボディー領域156が共にアルミ配線層160とコンタクト158によって電気的に接続されている。
なお、ドレイン領域153はアルミ配線層159とコンタクト157によって電気的に接続され、ドレイン領域153、ソース領域154及びボディー領域156の周辺を囲って部分分離領域161が形成されている。
図79に示すように、部分分離領域161は、酸化膜162とp-型のウェル領域177とから構成されている。また、ソース領域154及びボディー領域156の共通接続を容易にすべくソース領域154及びボディー領域156の上面にまたがってシリサイド層163を形成し、シリサイド層163上にコンタクト158を形成している。なお、ゲート電極155のゲート酸化膜178下方のSOI層3の領域がチャネル形成領域170となる。
このような構成において、アルミ配線層160によって、ソース領域154及びボディー領域156を接地レベルに固定することによって、ソース領域154と同電位にウェル領域177の電位を固定し、ウェル領域177を介してチャネル形成領域170の電位を固定することができる。
そして、第1の態様は、図78及び図79のように、ソース領域154及びボディー領域156を隣接して形成できる分、集積度の向上を図ることができる。
なお、PMOSトランジスタも同様に構成することができる。ただし、ソース領域及びボディー領域の電位固定は電源レベルで行う必要がある。
<第2の態様>
図80はこの発明の実施の形態12であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構成を示した平面図であり、図81はそのD−D断面図である。
これらの図に示すように、ソース領域154と隣接してp+型のボディー領域164を設け、ソース領域154及びボディー領域164が共にアルミ配線層166とコンタクト165によって電気的に接続されている。この際、コンタクト165がソース領域154とボディー領域164とにかかるように形成される。そして、ドレイン領域153、ソース領域154及びボディー領域164の周辺を囲って部分分離領域161が形成されている。
図81に示すように、ソース領域154上にシリサイド層167が形成され、シリサイド層167の一部及び上ボディー領域164上にコンタクト165を形成している。なお、他の構成は図78及び図79で示した第1の態様と同様である。
このような構成において、アルミ配線層166によって、ソース領域154及びボディー領域164を接地レベルに固定することによって、ソース領域154と同電位にウェル領域177の電位を固定し、ウェル領域177を介してチャネル形成領域170の電位を固定することができる。
そして、第2の態様は、図80及び図81のように、ソース領域154及びボディー領域164を隣接して形成できる分、集積度の向上を図ることができる。
<第3の態様>
図82に示すように、部分分離領域161と隣接し、通常ソース領域154となる部分の一部にボディー領域164を設け、ソース領域154上にコンタクト165を設けても、第2の態様と同等の効果を奏する。
さらに、第3の態様は、図82のように、ソース領域154となる領域内にボディー領域164を完全重複して形成できる分、第1及び第2の態様以上に集積度の向上を図ることができる。
<<実施の形態13>>
図83はこの発明の実施の形態13であるSOI構造の半導体装置の断面構造を示す断面図である。同図に示すように、n+活性領域171,172間を分離する部分分離領域を酸化膜173と酸化膜173下のウェル領域(p領域174,175及びp-領域176)とから構成している。なお、n+活性領域171,172として例えば、トランジスタのソース,ドレイン領域が考えられ、p領域174,175がn+活性領域171,172に隣接するウェル領域の周辺領域となり、p-領域176がウェル領域の中心領域となる。
このように、実施の形態13は、n+活性領域171、172と隣接するp領域174及び175の不純物濃度をp-領域176より高く設定することにより、部分分離におけるパンチスルー耐性の向上を図っている。
なお、製造方法としては、酸化膜173下にp-のウェル領域形成後、斜め回転注入でボロンやBF2をウェル領域に達すように注入すれば、図83で示すように、p領域174,175を形成することができる。
例えば、ボロン(B)を注入エネルギー20keV、注入角度45度で、ドーズ量4×1013/cm2注入すれば良い。また、BやBF2の注入エネルギーが低い場合(例えば、BF2の注入エネルギー20keV)でも、n+の不純物注入時に発生する格子欠陥による増速拡散によってn+活性領域171,172の周辺にp型の領域を形成することによりp領域174,175を設けることも可能である。
<<実施の形態14>>
<第1の態様>
図84はこの発明の実施の形態14であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の断面構造を示す断面図である。同図に示すように、シリコン基板1及び埋め込み酸化膜2上のSOI層3に形成され、ドレイン領域183、ソース領域184、ゲート酸化膜185、ゲート電極186及びチャネル形成領域187で構成されるNMOSトランジスタが酸化膜181及びウェル領域182よりなる部分分離領域によって部分分離される。
このとき、図84の右側に示すように、ドレイン領域183及びソース領域184の不純物濃度プロファイルと、ウェル領域182の不純物濃度プロファイルとの比較した場合、ウェル領域182の不純物濃度ピークがドレイン領域183及びソース領域184の不純物濃度ピークよりSOI層3の表面からの深さが深くなるように設定する。
このような構成の第1の態様の半導体装置は、ドレイン領域183及びソース領域184とウェル領域182とのPN接合部分を薄い不純物プロファイル同士で形成することができるため、ドレイン領域183及びソース領域184とウェル領域182とのPN接合耐圧を高めることができる。
<第2の態様>
図85はこの発明の実施の形態14であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の断面構造を示す断面図である。同図に示すように、第1の態様と同様な構造を呈している。
このとき、図85の右側に示すように、ウェル領域182の不純物プロファイルとチャネル形成領域187の不純物プロファイルとの比較した場合、ウェル領域182の不純物ピークがチャネル形成領域187の不純物ピークよりSOI層3の表面からの深さが浅くなるように設定する。例えば、部分分離用の酸化膜181の上面がSOI層3の表面より上部にある状態で不純物注入することによりウェル領域182及びチャネル形成領域187を同時に形成すれば、チャネル形成領域187は自動的にウェル領域182より深い位置にピークとなる不純物プロファイルとなる。
このような構成の第2の態様の半導体装置は、チャネル形成領域187の表面の不純物濃度を十分に下げ、閾値電圧が所望の値より大きくならないようにすることができる。
<<実施の形態15>>
<第1の態様>
図86はこの発明の実施の形態15であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、シリコン基板1及び埋め込み酸化膜2上のSOI層3にn+活性領域191〜193が選択的に形成され、n+活性領域191,192間が完全分離領域209で分離され、n+活性領域192,193間が部分分離領域219で分離されている。
完全分離領域209は酸化膜188と酸化膜188下に形成されるウェル領域(p-ウェル領域194,195及びpウェル領域196,197)とから構成される。酸化膜188は中心部の完全絶縁部分229がSOI層3を貫通して形成されることにより、n+活性領域191,192間を完全分離することができる。一方、部分分離領域219は酸化膜189と酸化膜189下のp-ウェル領域198とにより構成される。
酸化膜188下のウェル領域において、完全絶縁部分229に隣接して形成されるpウェル領域196,197の不純物濃度を他の領域194,195より高く設定している。
完全絶縁部分229の近傍領域ではSOI層3にかかるストレスにより電荷が発生したり不純物の酸化膜への偏析によりパンチスルーしやすい状態になるという不具合が生じる可能性が高い。
しかしながら、実施の形態15の第1の態様は、完全絶縁部分229の近傍に比較的不純物濃度の高いpウェル領域196,197を設けているため、上記不具合の発生の可能性を抑制することができる。
<第2の態様>
図87はこの発明の実施の形態15であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構成を示す平面図である。同図に示すように、ドレイン領域201,ソース領域202及びゲート電極203からなるNMOSトランジスタの周囲を部分分離領域204〜207で囲い、さらに部分分離領域204〜207の周囲を完全分離領域208で囲っている。
部分分離領域204〜207において、ゲート電極203の近傍領域は不純物濃度が比較的高いpウェル領域206及び207を形成し、それ以外のドレイン領域201及びソース領域202に接した領域は不純物濃度が低いp--ウェル領域204及び205を形成している。
このような構成の実施の形態15の第2の態様は、p--ウェル領域204及び205によってPN接合容量の低下を図り、pウェル領域206及び207によってパンチスルーを防止することができる。
<<実施の形態16>>
<第1の態様>
図88はこの発明の実施の形態16であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、シリコン基板1及び埋め込み酸化膜2上のSOI層3内に部分分離領域用の酸化膜211を形成している。
分離形状の最適化において、分離幅の縮小とSOI層にかかるストレス緩和の両面のバランスをとる必要がある。部分分離領域用の酸化膜の形状において、分離幅の縮小のためにはできるだけ角部の曲率をきつく(曲率半径を小さく)し、また深さ方向の面を垂直に近づけるのが良い。逆にストレス緩和のためには角部の曲率を緩く(曲率半径を大きく)する方が良い。また、バーズビーク部は有効な活性領域幅を確保するためにできるだけ小さくするのが好ましい。
このような観点から、第1の態様の酸化膜211の断面形状は、分離幅を縮小するために、表面の角部であるバーズビーク部の形状FA(凸部分)の曲率をきつくし、ストレスを緩和するために底面の角部の形状FCの曲率を緩く設定している。また、分離幅を縮小するために、深さ方向の面の形状FBの少なくとも一部は垂直に近づけることが望ましい。
<第2の態様>
図89はこの発明の実施の形態16であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、シリコン基板1及び埋め込み酸化膜2上のSOI層3内に完全分離領域用の酸化膜212を形成している。
第2の態様も第1の態様と同様の観点から、酸化膜212の断面形状は、第1の態様と同様な形状FA,FB,FCに設定し、さらに、底部の完全絶縁部分と部分分離部分との段差部の形状FDの曲率を形状FCよりもきつく設定して分離幅の縮小を図っている。
<<実施の形態17>>
<第1の態様>
図90はこの発明の実施の形態17であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。なお、第1の態様は図91で示す回路を実現している。図91に示すように、アナログ回路用トランジスタQ21のゲート電極とアナログ回路用トランジスタQ22の一方電極との間がスパイラルインダクタ199を介して接続される回路構成が第1の態様の回路構成である。
図90に示すように、高抵抗シリコン基板200上に埋め込み酸化膜2が形成され、埋め込み酸化膜2上のSOI層3にアナログ回路用トランジスタQ21及びQ22が作り込まれている。
アナログ回路用トランジスタQ21及びQ22は共にドレイン領域5、ソース領域6、チャネル形成領域7、ゲート酸化膜8及びゲート電極9から構成され、アナログ回路用トランジスタQ21,Q22間は比較的形成面積が大きい酸化膜210により完全分離され、アナログ回路用トランジスタQ21,22と他の周辺部とは比較的形成面積が小さい酸化膜33で完全分離されている。なお、酸化膜210及び33の下方の一部にはウェル領域29が形成されている。
アナログ回路用トランジスタQ21,Q22を含むSOI層3全面に層間絶縁膜4が形成され、層間絶縁膜4上に選択的に第1配線層221が形成される。第1配線層221の一部はコンタクトホール244を介してアナログ回路用トランジスタQ21,Q22それぞれのドレイン領域5及びソース領域6と電気的に接続される。
第1配線層221を含む層間絶縁膜4上の全面に層間絶縁膜220が形成され、層間絶縁膜220上に選択的に第2配線222が形成され、第2配線222の一部によってスパイラルインダクタ199を形成している。第2配線222の一部はコンタクトホール254を介して対応する第1配線層221(221A)と電気的に接続される。なお、アナログ回路用トランジスタQ21のゲート電極9は図示しない領域で層間絶縁膜4に形成されるコンタクトホールを介して第1配線層221Aと接続される。
このような構成の第1の態様は、スパイラルインダクタ199の下方に酸化膜210及びウェル領域29からなる完全絶縁領域を設けることにより、スパイラルインダクタ199に付随する寄生容量の低減を図っている。すなわち、スパイラルインダクタ199下の分離領域を酸化膜とウェル領域との部分分離領域で形成した場合に、ウェル領域とスパイラルインダクタ199との間で寄生容量が発生し、性能指数Q(エネルギーロスとストアの比)が低下しエネルギーロスが発生する等によって所望のインダクタンス性能が得られないという不具合を解消している。
また、第1の態様はSOI基板の下地基板として高抵抗シリコン基板200を用いることにより、渦電流や容量を介した電力ロスの低減化、寄生容量の低減化を図り、性能指数Qの向上させることができる。
また、アナログ回路は外来ノイズを嫌うため、アナログ回路用トランジスタQ21,Q22の周辺を酸化膜210あるいは酸化膜33によって完全分離して、外部との電気的遮断し、性能の向上を図っている。
また、図90では図示していないが、パッド部の下方に部分分離領域を形成するとスパイラルインダクタと同様に大きな寄生容量が発生しやすく電量ロスを生じ易いため、パッド部下方にもスパイラルインダクタ199の下方と同様に完全分離領域を設けるのが望ましい。
<第2の態様>
図92はこの発明の実施の形態17であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構造を示す断面図である。なお、第2の態様は第1の態様と同様に図91で示す回路を実現している。
図92に示すように、アナログ回路用トランジスタQ21,Q22間は比較的形成面積が大きい酸化膜218並びにその下方の高抵抗領域223及びウェル領域224によりにより部分分離され、アナログ回路用トランジスタQ21,22と他の周辺部とは比較的形成面積が小さい酸化膜31及びその下方のウェル領域11(12)で部分分離されている。
酸化膜218下の大部分の領域は高抵抗領域223で形成され、周辺部の一部のみウェル領域224が形成されている。なお、他の構成は図90で示した第1の態様と同様である。
第2の態様のように、部分分離を行いながら、スパイラルインダクタ199下の部分分離領域の大部分は酸化膜218と高抵抗領域223とにより構成することにより、スパイラルインダクタ199に付随する寄生容量を十分抑えることができる。
高抵抗領域223の形成方法としては、高抵抗領域223には不純物を導入しないように製造する等が考えられる。また、例えば1×1020/cm2程度の高濃度のシリコン注入を行って酸化膜の下方領域をアモルファス化し、その後、熱処理でポリシリコン化して高抵抗領域223を形成することもできる。
<<実施の形態18>>
図93はこの発明の実施の形態18であるSOI構造の半導体装置の構成を示す平面図である。同図に示すように、DT−MOS領域225,226間を完全分離領域240で完全分離している。なお、DT−MOSとは、ゲート電極とボディー領域(チャネル形成領域)とを同一電位に設定するMOSトランジスタである。
DT−MOS領域225,226はそれぞれp型のウェル領域231(部分分離領域230)内にn+のNMOS活性領域232とp+のボディー領域234とを設け、NMOS活性領域232はコンタクト238を介して配線層239に接続するとともに、NMOS活性領域232の中心部に設けられるゲート電極233はコンタクト235(ゲートコンタクト)を介して配線層237に電気的に接続され、ボディー領域234はコンタクト236(ボディーコンタクト)を介して配線層237に電気的に接続される。
配線層237によってゲート電極233とボディー領域234とを同一電位に設定して、オン状態の閾値電圧を低下させて動作速度の向上を図っている。
このように、実施の形態18は、ボディー領域234及びウェル領域231を介してチャネル形成領域の電位を固定することができるとともに、完全分離領域240によってDT−MOS領域225,226間を完全分離することができるため、性能の良いDT−MOSを比較的容易に形成することができる。なお、ボディーコンタクトとゲートコンタクトはシェアードコンタクトによって同時に接続してもよい。
<<実施の形態19>>
図94はこの発明の実施の形態19であるSOI構造の半導体装置の構造を示す断面図である。
同図に示すように、ゲート幅Wが比較的狭いトランジスタを形成するトランジスタ形成領域227には、ドレイン領域245、ソース領域246、チャネル形成領域247、ゲート酸化膜248及びゲート電極249からなるMOSトランジスタを構成し、各MOSトランジスタ間を部分酸化膜31及びウェル領域11(12)によって部分分離し、周囲とは完全酸化膜32によって完全分離している。
MOSトランジスタを含むSOI層3上の全面に層間絶縁膜4が形成され、層間絶縁膜4上に選択的に配線層242が形成される。配線層242はコンタクトホール241を介してドレイン領域245及びソース領域246に電気的に接続される。
一方、ゲート幅Wが比較的広いトランジスタを形成するトランジスタ形成領域228には、ドレイン領域255、ソース領域256、チャネル形成領域257、ゲート酸化膜258及びゲート電極259からなるMOSトランジスタを構成し、各MOSトランジスタ間を部分酸化膜31及びウェル領域11(12)によって部分分離し、周囲とは完全酸化膜32によって完全分離している。
MOSトランジスタを含むSOI層3上の全面に層間絶縁膜4が形成され、層間絶縁膜4上に選択的に配線層252が形成される。配線層252はコンタクトホール251を介してドレイン領域255及びソース領域256に電気的に接続される。
ゲート幅Wが狭いトランジスタ形成領域227に形成されるドレイン領域245及びソース領域246の形成深さを、ビルドイン状態時にドレイン/ソースからの空乏層243の少なくとも一部が埋め込み酸化膜2に到達する深さに設定して、接合容量の低減化を図っている。なお、ドレイン領域245及びソース領域246の形成深さを埋め込み酸化膜2に到達する深さに設定しても良い。
一方、ゲート幅Wが広いトランジスタ形成領域228に形成されるドレイン領域255及びソース領域256の形成深さを、ビルドイン状態時のドレイン/ソースからの空乏層253が埋め込み酸化膜2に到達しないように設定して、確実にチャネル形成領域257の電位固定が行えるようにしている。
なお、トランジスタ形成領域227及び228に形成される2種類のドレイン/ソース領域は、ソース/ドレイン形成時の不純物の注入エネルギーを変化させたり、NUDC(Non Uniformly Doped Channel)の注入量を変化させることで実現できる。
また、ビルドイン状態時に空乏層が埋め込み酸化膜2に到達しない程度の深さのソース/ドレイン領域を仮に形成した後、トランジスタ形成領域227側のソース/ドレイン領域に対してのみ形成深さが深くなるように、再度不純物の追加注入を行うことによっても実現できる。
<<実施の形態20>>
<第1の態様>
図95はこの発明の実施の形態20であるSOI構造の半導体装置の第1の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、シリコン基板1及び埋め込み酸化膜2上のSOI層3にn+領域261,262を選択的に設け、n+領域261,262間にp-領域263及び酸化膜264からなる部分分離領域を設けている。そして、n+領域261,262、p-領域263及び酸化膜264からなるフィールドトランジスタを構成している。なお、フィールドトランジスタは、MOSトランジスタのゲート部(ゲート酸化膜、ゲート電極)に置き換えて酸化膜を設けた構造を呈している。
このように第1の態様は、p-領域263及び酸化膜264からなる部分分離領域構造を用いてフィールドトランジスタを構成している。フィールドトランジスタは保護回路用素子等に応用できる。
実施の形態20のフィールドトランジスタのゲート部の構成は部分分離領域と基本的に同じ構成であるため、部分分離領域と同時にゲート部を構成することにより、比較的容易にフィールドトランジスタを形成することができる。
図96は回路の入力部におけるフィールドトランジスタ利用例を示す回路図である。同図に示すように、フィールドトランジスタQ31の一方電極が外部入力端子P1に接続され他方電極が接地される。また、電源,接地間にフィールドトランジスタQ33を設けている。なお、他の構成は図66で示し回路構成と同様であるため、説明は省略する。
このように、フィールドトランジスタQ31によって外部入力端子P1,接地レベル間に保護回路を設け、フィールドトランジスタQ33によって電源,接地レベル間の寄生ダイオードパスを設けている。
図97は回路の出力部におけるフィールドトランジスタ利用例を示す回路図である。同図に示すように、フィールドトランジスタQ32の一方電極が外部出力端子P4に接続され他方電極が接地される。また、電源,接地間にフィールドトランジスタQ34を設けている。なお、他の構成は図67で示し回路構成と同様であるため、説明は省略する。
このように、フィールドトランジスタQ32によって外部出力端子P4,接地レベル間の保護,フィールドトランジスタQ34によって電源,接地レベル間の寄生ダイオードパスを設けている。
なお、フィールドトランジスタは図95に示すようにNMOS類似構造が放電能力が高いため望ましいが、PMOS類似構造を用いても良い。この場合、フィールドトランジスタQ31,Q32の代わりに、電源と外部入力端子P1との間にフィールドトランジスタを設ける必要がある。
<第2の態様>
図98はこの発明の実施の形態20であるSOI構造の半導体装置の第2の態様の構造を示す断面図である。同図に示すように、n+領域261,262の周囲を完全酸化膜265によって完全分離している。他の構成は図95で示した第1の態様と同様であるため、説明を省略する。
第2の態様は、フィールドトランジスタ全体を完全酸化膜265で囲っているため、雑音遮断などにおいて大きな効果が期待できる。また、フィールドトランジスタを保護回路として用いる際、他の構成素子への電流の寄生パスを確実に防ぐことができる。
<第3の態様>
図99はこの発明の実施の形態20であるSOI構造の半導体装置の第3の態様の構成を示す平面図である。複数のn+領域261,262を交互に配置し、各n+領域261,262間を酸化膜264及びp-領域263によって部分分離し、周囲全体を完全酸化膜265によって完全分離している。
複数のn+領域261は共通に接続端子P11に接続され、複数のn+領域262は共通に接続端子P12に接続される。このように、櫛形構造で配置された複数のn+領域261及び262を電気的に並列に接続することにより、放電能力を高めることができる。
<その他>
なお、フィールドトランジスタのソース/ドレイン領域(n+領域261,262)を埋め込み酸化膜2に到達させることなく、空乏層が埋め込み酸化膜2に到達するレベルの深さに形成しても良い。
<<補足>>
ソース/ドレイン領域を埋め込み酸化膜に到達させるために、通常の手法として不純物の注入深さを十分深くしてソース/ドレイン領域を形成したり、不純物ピークが浅い不純物注入の後に不純物ピークが深い不純物注入を行うようにしても良い。
しかしながら、上記した方法では、図85に示す実施の形態14の第1の態様のようにソース/ドレイン領域の浅い部分に不純物濃度のピークをもたせ、かつSOI層3を貫通する深さで不純物分布をもたせることができない。
そこで、注入角度を0度近傍に注入エネルギーを十分小さくして不純物のイオン注入を行う等の方法を適用することにより、不純物ピークは図100のL1で示すようにSOI層3の比較的浅い位置に設定するとともに、チャネリング現象によるテールプロファイルによって、図100のL2で示す不純物分布のように、不純物がSOI層3を貫通して埋め込み酸化膜2に到達するように分布させることができる。
1 シリコン基板、2 埋め込み酸化膜、3 SOI層、3A,3B 部分SOI層、4 層間絶縁膜、5,5s,5t,245,255 ドレイン領域、6,6s,6t,246,256 ソース領域、7 チャネル形成領域、8 ゲート酸化膜、9 ゲート電極、10,20,146,147,156,164 ボディー領域、11 ウェル領域(p型)、12,28 ウェル領域(n型)、31 部分酸化膜、32 完全酸化膜、33,210〜212,218 酸化膜、44,44A,44B 部分トレンチ、48 完全トレンチ、61,62 ポリシリコン領域、75〜77 低誘電率膜、78,79 シリコン酸化膜、80,86〜89 接続領域 104 nウェル領域、105,110,114,115,120 完全分離領域、107,117,127,137,148 部分分離領域、149 フローティング部分分離領域、150 フローティングp+ボディー領域、182,224 ウェル領域、199 スパイラルインダクタ、200 高抵抗シリコン基板、223 高抵抗領域、Q21,Q22 アナログ回路用トランジスタ。