JP4450227B2 - 気液分離器及びオイルタンク構造 - Google Patents
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Description
上記気液分離器としては、円筒状の本体内に導入された気液混合体を気体と液体とに遠心分離するものが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
上記特許文献1には、本体3Aの周面に遠心方向に延びる1本のノズル11Aを設け、このノズル11Aから液体を吐出するものが開示されている(図7参照)。
上記特許文献2には、本体の下端開口から液体を吐出するようにしたものが開示されている。
また、上記特許文献2では、液体を下方に吐出するようにしているので、液面の浅いタンク等の容器の場合、大流量の吐出時に高い吐出圧の噴流が容器の底壁面に衝突して、液面近傍で液面の乱れが発生すると共に、液体排出口の圧力が高まり気液分離器の性能が低下する恐れがあった。さらに、液体排出口が液面より上方に位置してしまい、液面に噴流が衝突して液面の乱れや液体の跳ね上がりが生じ、やはり液体内に気泡を再度巻き込む可能性があった。
1.円筒状の本体内に導入された気液混合体を気体と液体とに遠心分離する気液分離器において、
前記本体には、分離された液体を該本体の周方向の面に沿って吐出させる液体排出口が設けられ、
前記本体は、筒状ケースの一端開口縁にリブを介して底板を設けてなり、前記液体排出口は、該筒状ケースの一端開口縁、該底板及び該リブで囲まれる空間により形成されていることを特徴とする気液分離器。
2.前記リブは、前記筒状ケースの遠心方向に向って厚肉となるように形成されており、且つ、分離された液体を案内する案内曲面を有している上記1.記載の気液分離器。
3.前記気液分離器は、内燃機関で使用されるオイルに混入した気泡を除去するためのものである上記1.又は2.記載の気液分離器。
4.上記1.乃至3.のいずれか一項に記載の気液分離器をオイルタンク内に配設してなることを特徴とするオイルタンク構造。
また、前記本体が、筒状ケースの一端開口縁にリブを介して底板を設けてなり、前記液体排出口が、該筒状ケースの一端開口縁、該底板及び該リブで囲まれる空間により形成されているので、筒状ケースの一端側に液体排出口を容易に設けることができる。
また、前記リブは、前記筒状ケースの遠心方向に向って厚肉となるように形成されており、且つ、分離された液体を案内する案内曲面を有している場合は、吐出時の圧力損失を低減でき、液体をより円滑に吐出することができる。
また、前記気液分離器が、内燃機関で使用されるオイルに混入した気泡を除去するためのものである場合は、オイルに混入した気泡を好適に除去できる。
本発明のオイルタンク構造によると、気液分離器によって、オイルに混入した気泡が除去され、その気泡が除去されたオイルが液体排出口を介して周方向の面に沿って一様に分散してオイルタンク内に吐出され、一方向へ高い吐出圧が集中することが防止される。これにより、オイルタンク内のオイル面の乱れを低減して気泡の再巻き込みを抑制することができる。
本実施形態に係る気液分離器は、円筒状の本体内に導入された気液混合体を気体と液体とに遠心分離するものである。この本体には、以下に述べる液体排出口が形成されている。
なお、上記気液分離器の用途は特に問わないが、内燃機関で使用されるオイルに混入した気泡を除去するためのものとして好適に用いられる。
上記リブは、筒状ケースの一端開口縁と底板とを接続し得る限り、その形状、個数等は特に問わない。このリブは、例えば、筒状ケースの遠心方向に向って厚肉となるように形成され、且つ、分離された液体を案内する案内曲面を有することができる。この案内曲面は、通常、筒状ケース内での液体の回転方向に沿って湾曲されている。
上記底板は、通常、筒状ケースの一端開口を覆うことができる形状を有している。この底板の形状としては、例えば、円盤状、傘状、皿状、トレイ状等を挙げることができる。
本実施形態に係るオイルタンク構造は、上記実施形態1.で説明した気液分離器をオイルタンク内に配設してなることを特徴とする。
上記オイルタンクは、例えば、ドライサンプ用であることができる。
(1)気液分離器の構成
本実施例に係る気液分離器1は、図1に示すように、ドライサンプ用のオイルタンク2内に配設されて使用される。
なお、上記オイルタンク2内に溜められるオイル(気泡が除去されたオイル)は、フィードポンプFPにより内燃機関の各部に圧送されることとなる。
次に、上記構成の気液分離器1の作用について説明する。
図1に示すように、スカベンジポンプSPの作用でオイル(気泡が混入したオイル)が導入口6から筒状ケース4内に接線方向から導入される。すると、その導入されたオイルの遠心力によって、比重の大きなオイルが筒状ケース4の内壁側へ、比重の小さな気体が筒状ケース4の中心側へ集まる。その結果、気体は、排気ノズル7を介してオイルタンク2の外部に排気される一方、オイル(気泡が除去されたオイル)は、オイル排出口11を介して周方向の面に沿って一様に分散してオイルタンク2内に吐出されることとなる。
本実施例の気液分離器1によると、気泡が除去されたオイルを、オイル排出口11を介して周方向の面に沿って一様に分散して吐出するようにしたので、一方向へ高い吐出圧が集中することが防止される。これにより、従来のように、一方向にオイルを吐出するものに比べて、オイルをオイルタンク2内に吐出する際に、オイル液面の乱れを低減して気泡の再巻き込みを抑制することができる。また、気液分離器1の性能低下を抑制できる。
また、本実施例では、筒状ケース4の下端開口縁、底板5の上面周縁、及びリブ10の案内曲面10aで囲まれる空間によってオイル排出口11を構成したので、筒状ケース4の一端側にオイル排出口11を容易に設けることができる。
また、本実施例では、リブ10を、筒状ケース4の遠心方向に向って厚肉となるように形成すると共に、リブ10の両側に案内曲面10aを設けたので、オイル吐出時の圧力損失を低減でき、オイルをより円滑に吐出することができる。
また、上記実施例では、本体3の全周に亘って複数のオイル排出口11を分散配置するようにしたが、これに限定されず、例えば、図6に示すように、本体3の周方向の所定の角度範囲(例えば、約90度等)に亘って延びるリブ10’を設け、本体3の周方向の所定の角度範囲(例えば、約270度等)に亘って複数のオイル排出口11’を分散配置するようにしてもよい。これにより、オイルタンク2内において隅角部や壁面近傍等に気液分離器を配置した場合であっても、その隅角部や壁面に向って直接的にオイルを吐出させることなく、且つ、オイル排出口11を介して周方向の面に沿って一様に分散して吐出でき、オイル液面の乱れを低減することができる。
また、上記実施例では、筒状ケース4の下端開口縁、底板5の上面周縁、及びリブ10の案内曲面10aで囲まれる空間によってオイル排出口11を構成したが、これに限定されず、例えば、筒状ケース4の下部周面にスリット状の切欠部を形成して、この切欠部によりオイル排出口を構成するようにしてもよい。
また、上記実施例では、オイル排出口11を、側方から見て略矩形状に形成したが、これに限定されず、例えば、オイル排出口を、側方から見て略テーパ状に形成するようにしてもよい。
さらに、上記実施例のオイル排出口11に、筒状ケース4の遠心方向に延びるノズルを設けるようにしてもよい。
Claims (4)
- 円筒状の本体内に導入された気液混合体を気体と液体とに遠心分離する気液分離器において、
前記本体には、分離された液体を該本体の周方向の面に沿って吐出させる液体排出口が設けられ、
前記本体は、筒状ケースの一端開口縁にリブを介して底板を設けてなり、前記液体排出口は、該筒状ケースの一端開口縁、該底板及び該リブで囲まれる空間により形成されていることを特徴とする気液分離器。 - 前記リブは、前記筒状ケースの遠心方向に向って厚肉となるように形成されており、且つ、分離された液体を案内する案内曲面を有している請求項1記載の気液分離器。
- 前記気液分離器は、内燃機関で使用されるオイルに混入した気泡を除去するためのものである請求項1又は2記載の気液分離器。
- 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の気液分離器をオイルタンク内に配設してなることを特徴とするオイルタンク構造。
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