JP4447796B2 - 前立腺癌と良性前立腺肥大とを識別する方法 - Google Patents
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Description
(発明の背景)
(発明の分野)
本発明は、概して前立腺特異抗原(PSA)に関し、具体的には様々な型のPSAならびにそれらと前立腺癌および良性前立腺疾患との関連に関する。
【0002】
(従来技術の説明)
本明細書では様々な文献をカッコ内に挙げる。これら刊行物の開示内容は、本願が属する技術分野の到達水準をより詳しく記載するために、参照をもってそれぞれ完全な形で本明細書に組み込まれるものとする。本願の末尾、図面の詳細な説明の前に、これらの文献に関する詳細な書誌事項を記載する。
【0003】
血清PSAの測定はヒト前立腺癌の早期発見に広く使用されているマーカーである(1〜3)。血中PSAレベルの上昇は、主に良性前立腺肥大(BPH)または前立腺癌(PCa)として現れる前立腺疾患の徴候である。しかし、PSAが血清1mlあたり4〜10ngの範囲にある場合は、直腸内触診および前立腺針生検などの追加検査を行なわなければ、BPHとPCaとを識別することは困難である。
【0004】
最近、遊離PSAまたは非複合体型PSAの血清レベルによって、PCaとBPHの弁別が改良され得ることが実証された(4〜6)。高い遊離PSA対総PSAの比はBPHとより高い相関関係にある。したがって血清に遊離PSAが存在する理由は徹底的な研究の対象になっている。
【0005】
血清中の遊離PSAが酵素的に不活性であることは一般に受け入れられている。PSAは血清プロテアーゼ阻害剤と複合体を形成する能力を持つセリンプロテアーゼである。ヒト血清は高レベルのα1アンチキモトリプシン(ACT)およびα2マクログロブリンを含有しており、これらはどちらもPSAと複合体を形成することが明らかにされている(7)。イムノアッセイで検出できる血清中のPSAの大部分はACTと複合体を形成している(4、6)。血清中のPSAの70〜95%がACTと複合体を形成している。精漿から精製されたPSAを使った研究では、そのPSAの約30%がACTと複合体を形成していないことがわかっている。PSAのこの画分はLys145に内部ペプチド結合切断を含有し、それがこの画分を不活性にしている(4、6、7)。この精漿由来の不活性型PSAをさらに詳しく特徴づけたところ、切断されていないがACTとは複合体を形成しないPSAの画分と共に、Lys145とArg85の両方で切断されたPSAが明らかになった(8)。
【0006】
精漿以外の供給源に由来するPSAの分析はさらに限られている。BPH結節からPSAが単離されたが(9)、これは酵素的に不活性なPSAを精漿PSAより多く含有し、Ile1、His54、Phe57およびLys146の後ろにさらに新たな切断点を含有することがわかった。PCa患者の血清にはプロ酵素型のPSA(pPSA)も報告されている(10)。したがって切断型PSAもプロ酵素型PSAも共に前立腺疾患患者の血清成分でありうる。
【0007】
しかし血清中の様々な型のPSAの供給源に関する研究は誰も行なっていない。切断型PSAおよびプロ酵素型PSAと様々な前立腺疾患との関連はわかっていない。したがって様々な型のPSAならびにそれらと様々な前立腺組織および前立腺疾患との関連を研究する必要がある。またBPHとPCaとを識別する方法を開発する必要もある。
【0008】
(発明の概要)
血清中の様々な型のPSAの供給源を決定することが本発明の目的である。様々な型のPSAと様々な前立腺組織または前立腺疾患との関連を研究することも本発明の目的である。BPHと前立腺癌とを識別するための高感度な方法を提供することが、本発明のさらなる目的である。
【0009】
これらの目的および利点ならびに他の目的および利点は血清中の様々な型のPSAの供給源としての前立腺組織に研究を集中させることによって達成される。なぜなら、PSAは前立腺から血清へのPSAの逆行的放出に起因すると考えられるからである(11)。どんな分子型のPSAが前立腺中に存在するかを決定するために、本発明は3つの異なる型の前立腺組織、すなわち1)非癌性辺縁領域組織(PZ−N)、2)少なくとも80%腫瘍を含有する癌性辺縁領域組織(PZ−C)、および3)非癌性移行領域組織(TZ)を調べた。BPH患者で過形成性になるのはTZである。これに対し、ほとんどの癌は辺縁領域(PZ)に見出される。
【0010】
これらの研究から本発明は前立腺TZおよびPZ中で差次的に上昇する遊離PSAの2つの部分集合を同定した。これら遊離型PSAの測定は前立腺疾患を持つ患者におけるBPHとPCaの識別に役立ちうると考えられる。
【0011】
したがって本発明は、その一側面として、試料中に含まれる異なる型の前立腺特異抗原(PSA)を決定する方法であって、
(a)試料に含まれているプロPSAの量を決定すること、
(b)試料中のBPSAの量を決定すること、および
(c)工程(a)および工程(b)の結果を数学的に組み合わせること、
を含んでなる方法を提供する。
【0012】
本発明は、もう一つの側面として、試料中のBPHまたは前立腺癌の存在を決定するための診断方法であって、
(a)プロPSAに特異的に結合する第1薬剤を用意する工程、
(b)BPSAに特異的に結合する第2薬剤を用意する工程、
(c)該第1薬剤および第2薬剤を、第1薬剤およびプロPSAを含んでなる第1二元複合体ならびに第2薬剤およびBPSAを含んでなる第2二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、
(d)該第1複合体および第2複合体の存在または量を検出または決定する工程、
(e)第1複合体および第2複合体の量またはプロPSAの量およびBPSAの量を数学的に組み合わせる工程、および
(f)その組み合わせを試料中のBPHまたは前立腺癌の存在と関連付ける工程、
を含んでなる方法を提供する。
【0013】
本発明は、さらにもう一つの側面として、試料中のBPHまたは前立腺癌の存在を決定するための診断キットであって、
(a)プロPSAに特異的結合する既知量の第1薬剤、および
(b)BPSAに特異的に結合する既知量の第2薬剤、
を含んでなり、第1薬剤および第2薬剤がそれぞれに検出可能な標識を含んでなるか、または検出可能な標識に結合するキット。
【0014】
本願特許請求の範囲には本発明を最も広義に定義し、その好ましい実施態様について以下に説明する。
【0015】
上述した本発明の特徴および本発明の他の特徴ならびにそれらを獲得する方法は、以下の説明を添付の図面と共に参照することによって、より明白になり、最もよく理解されるだろう。添付の図面は本発明の典型的実施態様を図示しているに過ぎず、したがって本発明の範囲を限定するものではない。添付の図面は具体性と詳細を付け加える役割を果たす。
【0016】
(発明の詳細な説明)
本発明は、異なる型のPSAが異なる前立腺組織または異なる前立腺疾患と関連しているという予想外の発見に基づいている。
【0017】
前立腺は3つの領域、すなわち中心領域、辺縁領域(PZ)および移行領域(TZ)から構成される。PZは正常前立腺の体積の約70%を構成し、中心領域とTZはそれぞれ約25%および5%である。当技術分野ではこれらは3つの領域は全て明確に定義されている(例えば米国チャップマン・アンド・ホール(ニューヨーク州10003ニューヨーク・フィフスアベニュー115)発行のデービッド・ジー・ボストウィックおよびポール・エイ・ダンドア著「前立腺の生検病理学」を参照されたい)。簡単に述べると、TZが緻密な支質に埋まった小さく単純な腺を特徴とするのに対し、PZは目の粗い支質に埋まった小さい腺を特徴とする。TZ組織はPZと明確に識別できる境界を形成する。PZとTZは最も関心が持たれる領域である。なぜなら、癌が主としてPZに局在するのに対し、BPHはTZの組織肥大の結果だからである。多数のBPHでは、TZが他の前立腺領域の体積の数倍に肥大する。TZ組織は近位前立腺尿道を取り囲んでおり、そのことが、制限された尿流量がBPHに起因する肥大TZの症状である理由になっている。
【0018】
プロPSAがPZ中に高いレベルで存在することは、本発明の発見である。また、BPSAがTZ中に高いレベルで存在することも、本発明の発見である。癌は主にPZに局在し、BPHはTZの組織肥大の結果であることから、本発明は、プロPSAとBPSAの比をBPHと前立腺癌組織とを識別するためのマーカーとして使用できることを発見した。
【0019】
したがって本発明は、その一側面として、試料中の異なる型の前立腺特異抗原(PSA)の比を決定する方法を提供する。この方法には、
(a)試料に含まれているプロPSAの量を決定すること、
(b)試料中のBPSAの量を決定すること、および
(c)プロPSAの量とBPSAの量を数学的に組み合わせること、
が含まれる。
【0020】
本明細書で使用する「プロPSA」または「pPSA」という用語は前駆体型PSAを指す。完全長前駆体型PSAは7アミノ酸のプロペプチドAPLILSRを含み、その後ろに237アミノ酸の成熟PSAタンパク質が続いている。プロPSAの完全長アミノ酸配列は当技術分野既知であって、文献(15)に完全に記載されており、この文献の該当する内容は参照をもって本明細書に組み込まれるものとする。本明細書ではプロペプチド配列の最後のアミノ酸「R」を[−1]アミノ酸とカウントする。例えば[−7]プロPSAとはその末端がプロペプチドの−7アミノ酸(aa)から始まっているプロPSAである。これは完全長プロPSAを含有する。また、例えば[−5]プロPSAは、プロPSAの末端がプロペプチドの−5アミノ酸から始まることを示し、これはプロPSAのプロペプチド配列の最後の5アミノ酸を含有する。本発明では、プロPSAのプロペプチドのいずれかのアミノ酸で始まる末端を持つ、完全長型プロPSAと切断型プロPSAとの両方が、本発明のプロPSAに包含されるものとする。本発明プロPSAの例には[−1]pPSA、[−2]pPSA、[−4]pPSA、[−5]pPSAおよび[−7]pPSAなどがあるが、これらに限るわけではない。
【0021】
本発明のプロPSA、特に[−2]pPSAおよび[−4]pPSAは、前立腺組織の移行領域と比較して、辺縁領域により高いレベルで存在する。本発明では、総PSAと比較したプロPSAの百分率が前立腺組織の移行領域中に存在するプロPSAの百分率より高い場合に、プロPSAのレベルが高いという。本発明の一実施態様では、前立腺組織から抽出されたプロPSAが最大35%の本発明プロPSAを含有する。プロPSAは移行領域では低レベルであるか、または存在しない。前立腺癌は主にPZに局在し、腫瘍性損傷による血清へのPSA漏出はPZ中のPSAの集団を含有すると予想されるので、プロPSAは前立腺癌に関連するマーカーとして使用できると考えられる。
【0022】
プロPSAは不活性である。すなわちプロPSAはキモトリプシン様の酵素活性を欠く。したがってプロPSAは血清中にPSAアンチキモトリプシン複合体としてではなく遊離PSAとして存在する。本発明では、遊離PSAとは、アンチキモトリプシン複合体の一部として複合体を形成していないPSAをいう。
【0023】
本発明のプロPSAは、当技術分野において、例えばタンパク質精製技術、組換えタンパク質技術およびタンパク質合成技術など(ただし、これらに限定されない)の分野で広く知られている方法によって製造できる。本発明のプロPSAの製造および検出に関する詳細は、米国特許出願第08/846,408号の一部継続出願であって本願と同時出願される「前立腺特異抗原の型およびそれらの検出方法」と題する同時係属中の米国特許出願に記載されており、同特許出願の該当する内容は参照をもって完全な形で本明細書に組み込まれるものとする。
【0024】
本明細書で使用する「BPSA」という用語は、少なくとも1つの切断を成熟型PSAのアミノ酸配列のLys182に含む型のPSAを指す。成熟型PSAは28,400Dの分子量を持つ237アミノ酸残基からなり(13)、そのアミノ酸配列は文献(14)に完全に記載されている。成熟型PSAの配列を図6に示す。本発明のBPSAは少なくとも1つの切断を成熟型PSAのアミノ酸配列のリジン182に持つ。言い換えると本発明のBPSAは、本発明のPSAのポリペプチド鎖が残基182と残基183の間で加水分解されている点を除いて、成熟型PSAと同じアミノ酸配列を持っている。本発明の諸実施態様として、本発明のBPSAは成熟PSAのアミノ酸配列のIle1、Lys145およびLys146にさらに1つまたは複数の切断を含みうる。本発明の一実施態様では、本発明のBPSAがLys145とLys182に2つの切断からなる。
【0025】
本発明のBPSAは、辺縁領域癌性および非癌性前立腺組織と比較して、BPH組織の移行領域に高レベルに存在する。本発明では、総PSAと比較したBPSAの百分率が辺縁領域癌性および非癌性前立腺組織中に存在するBPSAの百分率より高い場合に、BPSAのレベルが高いという。本発明の一実施態様では、BPH組織から抽出したPSAが5〜30%の本発明BPSAを含有する。BPSAは辺縁領域癌性および非癌性前立腺組織では低レベルであるかまたは存在しない。BPHを持つ患者で過形成性になるのはTZであるので、本発明のBPSAはBPHに特異的であると考えられる。
【0026】
BPSAは不活性である。すなわちBPSAはキモトリプシン様の酵素活性を欠く。したがってBPSAは血清中にPSAアンチキモトリプシン複合体としてではなく遊離PSAとして存在する。本発明では、遊離PSAとは、アンチキモトリプシン複合体の一部として複合体を形成していないPSAをいう。
【0027】
本発明のBPSAは、本明細書に記載の方法または当技術分野で知られる他の方法により、組織または精漿から単離するか、またはインビトロトリプシン処理によって調製できる。本発明のBPSAは、当技術分野で周知のHIC−HPLC技術によって他の型のPSAから分離できる。本発明のBPSAはHIC−HPLCで主要ピークを形成する。BPSAの単離または調製法に関する詳細は、本願と同時出願される「良性前立腺肥大(BPH)に特異的な新しい型の前立腺特異抗原(PSA)およびその使用法」と題する同時係属中の米国特許出願に記載されており、同特許出願の該当する内容は参照をもって完全な形で本明細書に組み込まれるものとする。
【0028】
本発明のプロPSAおよびBPSAを特徴づけて、それらを抗体開発に使用することができる。係属中の米国特許出願第08/846,408号にはそれらの抗体および抗体(特に本発明のプロPSAに対するモノクローナル抗体)の開発法が詳述されており、同特許出願の該当する内容は参照をもって完全な形で本明細書に組み込まれるものとする。本願と同時出願される「良性前立腺肥大(BPH)に特異的な新しい型の前立腺特異抗原(PSA)およびその使用法」と題する同時係属中の米国特許出願には、それらの抗体および抗体(特に本発明のBPSAに対するモノクローナル抗体)の作成方法が詳述されており、同特許出願の該当する内容は参照をもって完全な形で本明細書に組み込まれるものとする。
【0029】
簡単に述べると、本質的にさまざまなエピトープ特異性を持つモノクローナル抗体が集まってなる抗体および明確なモノクローナル調製物を提供する。モノクローナル抗体は、本発明の新しい型のPSAまたはその断片を含有する抗原から当技術分野で周知の方法によって製造される(イー・ハーロウら著「抗体:実験マニュアル」コールドスプリングハーバー研究所、1988年)。一般にこの方法では、例えば適合する骨髄腫細胞の継代細胞株と融合した初代脾細胞から抗体産生融合細胞株が調製され、その融合細胞を大量培養によって成長させるか、または使用した骨髄腫細胞株が由来するまたは適合する動物種の体内で成長させる。かかる抗体は、特異性および感度が高く免疫学的「純度」が比較的高いため、動物への接種によって産生される抗体と比較して多くの利点を持っている。f(ab)断片などの免疫学的に活性な抗体断片および部分的にヒト化されたモノクローナル抗体も、本発明の範囲に包含される。
【0030】
所望であれば、ポリクローナル抗体は、その抗体を産生させたポリペプチドまたはペプチドを結合したマトリックスに結合しそこから溶出することによって、さらに精製することができる。当業者には、免疫学分野で一般的なポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体の様々な精製および/または濃縮法が知られているだろう。(例えば参照をもって本明細書に組み込まれるコリガンら著「免疫学の最新プロトコール」(ワイリー・インターサイエンス、1991年)のユニット9を参照されたい。)
【0031】
本発明で使用する「抗体」という用語は完全な抗体ならびにエピトープ決定基を結合する能力を持つその断片、例えばFab、F(ab’)2およびFvなどを包含する。これらの抗体断片はそれぞれの抗原またはレセプターと選択的に結合する能力をいくらか保持している。
【0032】
したがって本発明は、その一側面として、本発明のプロPSAまたはBPSAと特異的に免疫反応し、それらに結合する抗体を提供する。本明細書で使用する「特異的に免疫反応しまたは特異的に結合する」という用語は、本発明の抗体がプロPSAまたはBPSAを他の型のPSA(例えば他の切断または非切断成熟型PSA)より選択的に認識し結合することを示す。本明細書で使用する「選択的に認識し結合する」という用語は、本発明の抗体が本発明のプロPSAまたはBPSAを同じ条件下に他の型のPSAへの結合より高い程度に結合することを意味する。プロPSAに選択的に結合するモノクローナル抗体の例には、例えばPS1Z134、PS1Z120、PS1Z125およびPS1Z80などがあるが、これらに限らない。BPSAに選択的に結合するモノクローナル抗体の例には、例えばPS2C109、PS2C501、PS2C634、PS2C807およびPS2C837などがあるが、これらに限らない。
【0033】
本発明の抗体は、試料中のプロPSAまたはBPSAの存在および量を検出および決定するために使用できる。本発明によれば、プロPSAおよびBPSAを免疫組織化学的方法によって患者組織試料中に、そして/またはインビトロ(in vitro)イムノアッセイ法によって患者液体試料中に検出できる。
【0034】
患者組織検体中の抗原を検出するための免疫組織化学的方法は当技術分野では周知であり、本明細書に詳述する必要はない。例えば抗原の免疫組織化学的検出法はテーラー、Arch.Pathol.Lab.Med.102:113(1978)に概説されている。本発明との関連で簡単に述べると、前立腺関連の問題を持つと疑われる患者から採取した組織検体を、プロPSAまたはBPSAを認識する抗体(好ましくはモノクローナル抗体)と接触させる。次に、標準的な免疫組織化学的方法による組織検体の選択的染色によって、抗体が結合する部位を決定する。BPSAまたはプロPSAを認識する別の抗体を使って同じ方法を同じ試料で繰り返すことができる。もう一つの選択肢として、プロPSAに対する抗体とBPSAに対する抗体が異なる方法で標識されているか、異なる標識に結合できるのであれば、試料をそれら2つの抗体と同時に接触させてもよい。本発明の一実施態様では、組織検体が患者の前立腺から採取される組織検体である。その前立腺組織は正常前立腺組織、癌前立腺組織または良性前立腺肥大組織であることができる。
【0035】
同様に、患者液体試料中の抗原物質をイムノアッセイ法によりインビトロで検出するための一般的方法も当技術分野ではよく知られており、ここに繰り返す必要はない。例えばイムノアッセイ法は、パターソンら、Int.J.Can.37:659(1986)およびバーチェルら、Int.J.Can.34:763(1984)に概説されている。本発明の一実施態様によれば、生物学的試料中のプロPSAおよびBPSAを検出するためのイムノアッセイは、(a)プロPSAに特異的に結合するある量の第1薬剤を、第1薬剤およびプロPSAを含んでなる二元複合体の形成が可能な条件下に、試料と接触させる工程および(b)プロPSAの量の尺度として複合体の存在または量を検出または決定する工程からなるか、または(a)BPSAに特異的に結合するある量の第2薬剤を、第2薬剤およびBPSAを含んでなる二元複合体の形成が可能な条件下に、試料と接触させる工程および(b)試料中に含まれるBPSAの量の尺度として複合体の存在または量を検出または決定する工程を含んでなる。もう一つの選択肢として、第1薬剤と第2薬剤が異なる方法で標識されているかまたは異なる標識に結合する能力を持つ場合は、試料を第1薬剤および第2薬剤と同時に接触させてもよい。
【0036】
本発明の目的にとって生物学的試料は、本発明のプロPSAまたはBPSAを含有するヒトの生理学的液体の試料のいずれでもよい。ヒトの生理学的液体試料の例には、血清、精漿、尿および血漿などがあるが、これらに限らない。
【0037】
本発明では、本発明によって提供される抗原に対して必要な特異性を有する抗体である限り、モノクローナル抗体とポリクローナル抗体の両方を使用できるものとする。好ましくはモノクローナル抗体を使用する。
【0038】
モノクローナル抗体は液相で使用するか、固相担体に結合して使用することができる。モノクローナル抗体は多くの異なる担体に結合でき、本発明の新しい型のPSAを決定するために使用できる。周知の担体の例にはガラス、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、デキストラン、ナイロン、アミラーゼ、天然セルロース、修飾セルロース、ポリアクリルアミド、アガロースおよび磁鉄鉱などがある。本発明において、担体の性質は可溶性であることも不溶性であることもできるものとする。不溶性担体の例には、ビーズおよびマイクロタイタープレートなどがあるが、これらに限らない。当業者は、モノクローナル抗体を結合するのに適した他の担体を知っているか、日常的な実験下でそれらを確かめることができるだろう。
【0039】
また、これらのイムノアッセイにおけるモノクローナル抗体は、様々な方法で検出可能に標識できる。例えば本発明のモノクローナル抗体は、低分子量ハプテンに結合することができる。次にこれらのハプテンを第2の反応を使って特異的に検出することができる。例えばアビジンと反応するビオチンを使用するか、または特異的抗ハプテン抗体と反応できるジニトロフェニル、ピリドキサルおよびフルオレセインなどのハプテンを使用することが一般的である。また、本発明のモノクローナル抗体に、酵素、放射性同位体、蛍光化合物、蛍光金属、化学発光化合物または生物発光化合物などの検出可能な標識を結合することもできる。さらにまた、これらの標識は、当業者によく知られている標準的技術を使って所望の分子に結合することができる。
【0040】
抗体を検出可能に標識する方法の1つは、それを酵素に結合することである。その場合、この酵素は、後にその基質にさらされた時に、例えば分光光度法的手段または蛍光測定法的手段によって検出できる化学部分を生成するような形で、その基質と反応するだろう(ELISAシステム)。検出可能な標識として使用できる酵素の例は、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、マレイン酸デヒドロゲナーゼ、スタフィロコッカスヌクレアーゼ、デルタ−5−ステロイドイソメラーゼ、酵母アルコールデヒドロゲナーゼ、アルファ−グリセロリン酸デヒドロゲナーゼ、トリオースリン酸イソメラーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、アスパラギナーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼ、リボヌクレアーゼ、ウレアーゼ、カタラーゼ、グルコール−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、グルコアミラーゼおよびアセチルコリンエステラーゼである。
【0041】
ELISAシステムの感度を向上させるために、アビジン−ペルオキシダーゼ複合体と反応するビオチン化抗体を使って、上記の方法を改変することができる。
【0042】
抗原の量は放射性同位体で抗体を標識することによって決定することもできる。その場合、放射性同位体の存在は、ガンマカウンターまたはシンチレーションカウンターの使用などの手段で決定されるだろう。とりわけ有用な同位体は3H、125I、123I、32P、35S、14C、51Cr、36Cl、57Co、58Co、59Fe、75Se、111N、99mTc、67Gaおよび90Yである。
【0043】
抗原の決定は、蛍光化合物で抗体を標識することによっても可能である。蛍光標識分子を適切な波長の光にさらすと、色素の蛍光によってその存在を検出できる。最も重要な蛍光標識化合物としてはフルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、フィコエリトリン、フィコシアニン、アロフィコシアニン、o−フタルアルデヒドおよびフルオレサミンが挙げられる。
【0044】
Eu(ユーロピウム)および他のランタニドなどの蛍光放出金属原子も使用できる。これらはDTPAまたはEDTAなどの金属キレート基を使って所望の分子に結合させることができる。
【0045】
抗体を検出可能に標識するもう一つの方法は、それを化学発光化合物に結合することである。その場合、化学発光基標識免疫グロブリンの存在は、化学反応の過程で生じるルミネセンスの存在を検出することによって決定される。とりわけ有用な化学発光標識化合物の例はルミノール、イソルミノール、芳香族アクリジニウムエステル、イミダゾール、アクリジニウム塩およびシュウ酸エステルである。
【0046】
同様に生物発光化合物も標識として使用できる。生物発光は生物系に見出される特殊なタイプの化学発光であり、生物発光では触媒タンパク質が化学発光の効率を増大させる。生物発光分子の存在は発行(ルミネッセンス)の存在を検出することによって検出される。重要な標識用生物発光化合物はルシフェリン、ルシフェラーゼおよびエクオリンである。
【0047】
試料中の本発明のプロPSAおよびBPSAの定性的および/または定量的決定は、直接型または間接型の競合または非競合イムノアッセイ法によって達成できる。かかるイムノアッセイ(免疫検定)の例はラジオイムノアッセイ(RIA;放射線免疫検定)およびサンドイッチ(イムノメトリック)アッセイである。本発明のモノクローナル抗体を用いた抗原の検出は、フォワード形式、リバース形式または同時形式で行なわれるイムノアッセイ(生理学的試料に対する免疫組織化学的アッセイを含む)を使って行なうことができる。当業者は他のイムノアッセイ形式を知っているか、甚だしい実験を行なわずに他のイムノアッセイ形式を容易に認識することができる。
【0048】
「イムノメトリックアッセイ」または「サンドイッチイムノアッセイ」という用語は、同時サンドイッチイムノアッセイ、フォワードサンドイッチイムノアッセイおよびリバースサンドイッチイムノアッセイを包含する。これらの用語は当業者にはよく知られている。当業者には、本発明の抗体が現在知られているまたは将来開発されるかもしれない他の変形または形態のアッセイに有用であることも理解されるだろう。これらは本発明の範囲に包含されるものとする。
【0049】
BPSAはTZ中で選択的に高く、pPSAはPZ中で高いので、遊離PSAのこれら2つの亜型を組み合わせると、BPHとPCaとをより良く弁別できる。BPHを持つ患者で過形成性になるのはTZであり、一方、ほとんどの癌はPZに見出される。したがって、プロPSAおよびBPSAの量の数学的組み合わせは、BPHと前立腺癌とを識別するのに役立つ血清マーカーとしてまたは免疫学的組織学的マーカーとして使用できる。ただしプロPSAとBPSAは、BPHと前立腺癌とを識別するための血清マーカーとして、または免疫組織学的マーカーとして、単独でも使用できることに注意すべきである。本明細書で使用する「数学的組み合わせ」という用語は、プロPSAおよびBPSAの量の任意の数学的計算を指す。一実施態様として数学的組み合わせは比である。試料中のプロPSAとBPSAの比は、試料中のプロPSAまたはプロPSA複合体の量をBPSAまたはBPSA複合体の量と比較することによって決定できる。
【0050】
したがって本発明のもう一つの側面は、試料中のBPHまたは前立腺癌の存在を決定するための診断方法であって、
(a)プロPSAに特異的に結合する第1薬剤を用意する工程、
(b)BPSAに特異的に結合する第2薬剤を用意する工程、
(c)上記第1薬剤および第2薬剤を、第1薬剤およびプロPSAを含んでなる第1二元複合体ならびに第2薬剤およびBPSAを含んでなる第2二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、
(d)上記第1複合体および第2複合体の存在または量を検出または決定する工程、
(e)第1複合体および第2複合体の量またはプロPSAの量およびBPSAの量を数学的に組み合わせる工程、および
(f)その組み合わせを試料中のBPHまたは前立腺癌の存在と関連付ける工程、
を含んでなる方法を提供する。
【0051】
本発明の諸実施態様では、薬剤が抗体、特に本発明のモノクローナル抗体を含んでなる。好ましくは、試料を第1薬剤および第2薬剤と接触させる場合、第1薬剤および第2薬剤は異なる方法で標識されているか、または異なる標識に結合して個別に検出できるそれぞれの複合体を形成することができる。もう一つの選択肢として、プロPSAまたはBPSAがまず検出されるように試料を一方の薬剤とまず接触させ、次にもう一つの型のPSAを検出するために同じ試料をもう一つの薬剤と接触させてもよい。
【0052】
本発明の一実施態様として、試料は、例えば血清、精漿、尿および血漿など(ただしこれらに限らない)といったヒトの生理学的液体の試料であってよい。本発明のもう一つの実施態様として、試料は患者の前立腺から採取した組織検体であってもよい。本発明では、上記薬剤は抗体、特に本発明のモノクローナル抗体でありうる。本発明の一実施態様では、数学的組み合わせが比である。
【0053】
本発明はもう一つの側面として、試料中のBPHまたは前立腺癌の存在を決定するための診断キットを提供する。本キットは、
(a)プロPSAに特異的に結合する既知量の第1薬剤、
(b)BPSAに特異的に結合する既知量の第2薬剤、
を含んでなり、第1薬剤と第2薬剤はそれぞれに検出可能な標識を含んでなるか、検出可能な標識に結合する。
【0054】
本発明の目的には、試料は、例えば血清、精漿、尿または血漿など(ただしこれらに限らない)といったヒトの生理学的液体の試料でありうる。試料は患者の前立腺から採取した組織検体であってもよい。薬剤は抗体、特に本発明のモノクローナル抗体であることができる。好ましくは第1薬剤と第2薬剤がそれぞれに異なる検出可能標識を含んでなるか、異なる検出可能標識に結合する。
【0055】
プロPSAまたはBPSAはBPHと前立腺癌とを識別するための血清マーカーとして、または免疫組織学的マーカーとして、単独で使用できるので、本発明は、試料中のプロPSAまたはBPSAの量を検出または決定することによってBPHと前立腺癌とを識別するための診断方法も提供する。患者組織試料中のプロPSAまたはBPSAの量は免疫組織化学的方法によって、そして/または患者液体試料中のプロPSAまたはBPSAの量は本明細書に記載のインビトロイムノアッセイ法によって決定できる。
【0056】
以下の実施例は本発明の範囲を例示するものであるが、本発明の範囲を限定するものではない。これらの実施例は使用されるであろう方法の典型であるが、当業者に知られる他の方法も以下の実施例に代えて使用できる。事実、当業者は本明細書の教示内容に基づいて甚だしい実験を行なうことなく、さらなる実施態様を容易に構想し、作り出すことができる。
【0057】
実施例
材料と方法
前立腺組織からのPSAの単離
前立腺組織を液体窒素で凍結し、液体窒素中に維持した金属製組織粉砕機で微粉末に粉砕した。100〜300mgの範囲のPZ−N、PZ−CおよびTZ組織試料については、プロテアーゼ阻害剤カクテル(コンプリート(Complete)、ベーリンガー・マンハイム)を含有する3mlのPBS中で、ガラス製組織ホモジナイザーを使って凍結組織をホモジナイズした。次に試料を遠心分離して細胞片を除去し、上清を0.2μm膜を通してろ過した。より大量の組織は、ポリトロン組織ホモジナイザーを使って50mlチューブ中で組織をホモジナイズした点を除いて、上と同様に抽出した。
【0058】
樹脂1mlにつき5mgの抗PSAモノクローナル抗体(mAb)PSM773が結合しているイムノアフィニティーカラムに通すことにより、ろ過した上清からPSAを精製した。0.1%還元型トリトン−X100を含有する40体積のPBSでカラムを洗浄し、200mM塩化ナトリウムを含有する100mMグリシン(pH2.5)でPSAを溶出させた。溶出液は10%(v/v)1Mトリス(pH8.0)で直ちに中和した。
【0059】
インビトロでのBPSAの調製
加工しろ過した精漿をPBSに1:10希釈し、抗PSAモノクローナル抗体PSM773を結合したイムノアフィニティーカラムに通した。0.1%還元型トリトンX100を含有する20体積のPBSでカラムを洗浄し、200mM塩化ナトリウムを含有する100mMグリシン(pH2.5)でPSAを溶出させた。精製PSAを後述するHIC−HPLCにかけ、8分のBPSAピークおよび10分のPSAピークを別々に集めた。10分ピークから得たPSAを100mMトリス(pH8)に透析し、1%(w/w)トリプシンと共に37℃で30分間インキュベートした。添加したトリプシンの二倍に相当する量のアプロチニンを添加することにより、混合物中のトリプシンを不活化した。そのインキュベーション混合物をHIC−HPLCにかけ、得られた切断型PSAピークを分析のために集めた。
【0060】
PSAのHIC−HPLC
高性能疎水相互作用クロマトグラフィー(HIC−HPLC)は、ポリプロピルアスパルトアミドカラム(ポリLC、ウェスタン・アナリティカル(カリフォルニア州テメキュラ)が販売)を使って行なった。カラムは4.6×250mm(長さ)で孔径1000Åだった。試料は1.5M硫酸アンモニウム溶液として充填し、勾配によって溶出させた。緩衝液A:1.2M硫酸ナトリウム、25mMリン酸ナトリウム、pH6.3。緩衝液B:50mMリン酸ナトリウム、5%(v/v)2−プロパノール。勾配は0〜35%Bが1分、30〜80%Bが2分、80%Bの定組成で2分の後、緩衝液Aで平衡化した。高感度ピーク検出は、バリアンモデル9070走査型蛍光検出器を使用し励起波長232nmおよび放射波長334nmでタンパク質のトリプトファン残基を検出することによって達成した。
【0061】
PSAのアミノ酸配列決定
試料のN末端配列解析はPE−アプライドバイオシステムズモデル492アミノ酸シークエンサー(パーキンエルマー、アプライドバイオシステムズ部門、カリフォルニア州フォスターシティー)で行なった。精製PSAおよびHIC−HPLCによって集めたピークをプロソーブ(Prosorb)カートリッジ(パーキンエルマー、アプライドバイオシステムズ部門、カリフォルニア州フォスターシティー)に直接かけ、0.1mLの0.01%トリフルオロ酢酸で3回洗浄し、モデル492シークエンサーにかけた。
【0062】
pPSAに対するモノクローナル抗体の作製
抗PSA抗体PSM773を使ったイムノアフィニティークロマトグラフィーを利用して、AV12の培地からプロPSAを精製した。プロPSAを発現するAV12細胞は、係属中の米国特許出願第08/846,408号に記載されているように作製した。マウスをCFA中の保護免疫原50μgで1回およびIFA中の保護免疫原25μgで2回免疫した。ハイブリドーマは公表された方法に従って作製した(16)。pPSAに対する反応性に関して培地上清をスクリーニングした。
【0063】
別法として、マウスをCFA中の突然変異型プロPSA217ser−gly免疫原50μgで1回およびIFA中の同免疫原25μgで2回免疫した。
【0064】
ハイブリドーマスクリーニングアッセイ
50μlの培養上清をストレプトアビジンマイクロプレート(ワラック、フィンランド・トゥルク)のウェルに加え、100ng/mlのビオチン化pPSA 50μlも加えた。1時間インキュベートした後、プレートをPBS/0.1%ツイーン20で洗浄し、次いでPBS/1%BSAおよび0.1%ツイーン20に希釈(1:10,000)したヤギ抗マウスIgセイヨウワサビペルオキシダーゼ50μl/ウェルと共にインキュベートした。1時間のインキュベーション後に、プレートを洗浄し、OPD基質で発色させた。モノクローナル抗体の特異性を決定するために、100ng/mlのpPSAおよび100ng/mlの無傷PSAの反応性を比較した。
【0065】
結果
HIC−HPLCによる前立腺組織中のBPSA
抗PSAモノクローナル抗体PSM773を使って組織抽出物からPSAをイムノアフィニティー精製した後、高性能疎水相互作用クロマトグラフィー(HIC−HPLC)によってさらに分割した。いくつかの試料に、主要PSAピークより速く溶出するもう一つの小さいPSAピークが観察された。この変種型PSAのレベルは主にPZ組織よりTZ組織の方が高いことが確認された。図1はマッチド前立腺組織領域から精製されたPSAのHIC−HPLCプロファイルを比較した図である。同じ前立腺から得た3つのマッチド組織、すなわち移行領域(TZ)、80〜100%腫瘍を含有する辺縁領域(PZ−C)および癌を含まない辺縁領域(PZ−N)を分析した。通常、PSAはこれらのクロマトグラフィー条件で10分に溶出する。この例では、8分に溶出するPSAピークはTZ抽出物中の総PSAの28%を含有するのに対し、PZ−CおよびPZ−N組織中ではそれぞれ3%および8%に過ぎない。
【0066】
本発明では8分に溶出するPSAをBPSAと命名した。異なるTZ患者試料間ではBPSAの絶対値が5%〜30%の間で変動することがわかったので、本発明ではTURP組織も調べた。TURP術はBPHを持つ患者に施される。TURP術では移行領域が切除されるので、単一の患者から得たTURP抽出物のPSA分析によりTZ全体にわたるBPSAの平均レベルが得られる。図2はTURP組織から精製したPSAのHIC−HPLCプロファイルである。BPSAはこの試料中の総PSAの22%を占めた。試験した8つの異なるTURP試料のうち6つのTZ組織は、総PSAの平均20%±3%という高いBPSAレベルを含有していた。TURP試料のうち2つはBPSAレベルが低く、平均3.2%±0.5%だった。
【0067】
抽出物の分画を取り出し、37℃で1時間インキュベートして追加の内部切断が起こるかどうかを決定する対照実験を組織抽出物で行なった。HIC−HPLCとそれに続く精製PSAのN末端配列決定によれば、追加の内部切断部位は得られなかった(非掲載データ)。これは、抽出およびPSA精製作業中に有意なインビトロタンパク質分解切断が起こらないこと、および観察されたPSA切断がいずれも精製および分析に先立ち、PSAにとって内因的に起こることを示している。
【0068】
前立腺組織由来のBPSAの特徴づけ
さらなる分析に十分な量を得るために前立腺切除術で得た前立腺組織約50g(n>40)を抽出した。これらの組織はTZまたはPZに由来したものとはしなかった。図3Aに、約15%のBPSAを含有するこの組織から精製したPSAのHIC−HPLCプロファイルを示す。8分のBPSAピークと10分のPSAピークを個別に収集し、N末端配列決定によって分析した。図3BはHIC−HPLC精製したBPSAおよびPSAが互いにきれいに分割されていることを示す。
【0069】
表1は各型のPSA中に存在する内部切断の百分率を表す。5つの主要な切断部位、すなわちIle1、Arg85、Lys145、Lys146およびLys182が検出された。これらの2つのピークの配列を比較すると、次の2つの特徴があった。1)8分ピークはLys182の特徴的な切断を含めて内部切断率が高い。2)10分に溶出するPSAの大半は低レベルの内部切断しか含有していない。
【0070】
【表1】
【0071】
Lys182の切断は8分BPSAピークの最も弁別的な特徴であり、10分から8分へのシフトの原因であると思われる。BPSA中ではN末端バリンから始まるPSAを生成するIle1での切断のレベルも高い。Ile1切断はLys146切断と共に、BPH結節から得られるPSAに報告されている(9)。Lys145での切断は精漿から精製されるPSA中の主要な内部切断部位である。Lys145だけが切断されたPSAは10分に溶出しつづける(非掲載データ)。したがってBPSAは精漿から特徴づけられているものとは異なる型の不活性PSAに相当する。
【0072】
組織中のBPSAの分布
18組のマッチド前立腺組織(10組は大体積前立腺(>50g)および8組は小体積前立腺(<20g))から得られるPSAを調べた。BPSAとして存在する総PSAの百分率を表2に示す。大半の試料では、TZがマッチドPZ組織と比較して高レベルのBPSAを含有している。大体積前立腺と小体積前立腺の間に明らかな相違はない。
【0073】
【表2】
【0074】
前立腺組織中のpPSAの測定
組織抽出物中の不活性型PSAには、BPSAの他に、[−1]pPSA、[−2]pPSA、[−4]pPSA、[+5]PSA、Lys145で切断されたPSAおよび成熟不活性PSAがある。これらの不活性型はPSAをACTと共にインキュベートした後、ACTと複合体を形成しないPSAのN末端配列分析を行なうことによって明らかになった。図4はACTと共にインキュベートしたPZ−N PSAのHIC−HPLCプロファイルを表す。このPZ−N試料の元のプロファイルは図1に示すものである。図4のピーク1はPSAとのインキュベーション後に形成された不活性切断ACTである(7)。ピーク2はインキュベーション後に残った残留過剰活性ACTである。ピーク3はPSA−ACT複合体であり、ピーク4はACTと複合体を形成しなかった不活性PSAである。不活性PSAであるピーク4のN末端配列決定をパネルBに示す。この不活性PSAピークの前半分は主に成熟PSA、Lys145で切断されたPSAおよびGly4の後ろで切断されたPSAを含有する。この不活性PSAピークの後ろ半分は[−2]pPSAの大半を含有する。[−2]pPSAは7アミノ酸プロリーダーペプチドの最後の2アミノ酸を含有する切断型pPSAである。PPSAはAPLILSRからなるヘプタペプチドプロリーダー配列を伴なって発現される。したがって[−2]pPSAは成熟PSAのN末端イソロイシン上にセリン−アルギニンジペプチドを含有している。12分に溶出する小ピークは[−4]pPSAを含有する。[−4]pPSAの保持時間は先に報告されている(10)。[−2]pPSAはこの試料中の不活性PSAの65%を構成し、[−4]pPSAは6%だった。
【0075】
組織試料のバルクで形成されるpPSAの百分率は、ACTインキュベーション後の不活性PSAを配列決定するのではなく、イムノアフィニティー精製したPSA全体を直接N末端配列決定することによって決定した。表3はこれらの試料中に見出される[−2]pPSAの百分率を表す。数個のサンプルでは極低レベルの他のプロ型が全PSA中に検出されたが、[−2]pPSAが主要なプロ型だった。表3はpPSAが主としてPZ(癌性および非癌性の両方)に見出されることを示している。これに対し、測定可能なpPSAを示すTZ試料は4つだけだった。プロPSAは表3のTZ試料の大半で検出できなかった。プロPSAはTURP組織にも検出されなかった。
【0076】
【表3】
【0077】
前立腺組織におけるプロPSA対BPSAの比
BPSAのレベルはTZで選択的に高く、pPSAのレベルはPZで高いので、これら2つの遊離SPAの亜型を組み合わせると、BPHとPCaとをより良く弁別できるようになる。BPHを持つ患者で過形成性になるのはTZであり、ほとんどの癌はPZに見出される。図5は18のマッチド組織試料に関する%BPSA、%pPSAおよびBPSA/pPSAの比のドットプロットである。図5はTZ組織とPZ組織との有意な弁別を示している。
【0078】
考察
TZ組織ではBPSAと名付けたPSAの特定アイソフォームのレベルが高くなっていたことが、本発明の発見である。BPSAはHIC−HPLCで弁別的なクロマトグラフィープロファイルを持ち、Lys182にある少なくとも1つの切断を特徴とする(表1)。BPSAレベルが癌性前立腺のTZ中および非癌性前立腺から採取したTURP組織中で選択的に高いという知見は、この型のPSAがTZ由来のPSAに関する一般的マーカーになりうることを示唆している。
【0079】
同じマッチド組織を調べたところ、PZ組織中の高い[−2]pPSAレベルとの相補的相関関係が明らかになった。PPSAはTZにはほとんど存在しなかった。PZと関連するpPSA、したがって前立腺癌とより高度に相関するpPSAの発見は、本発明者らが先に報告したPCa患者血清中のpPSAと一致する。
【0080】
したがってTZ関連BPSAとPZ関連pPSAの両方を検出する能力を組み合わせたアッセイはBPHとPCaとの弁別の特異性を有意に向上させるだろう。図5に、本発明者らの組織試料から得たBPSA/pPSAの比をプロットした。これらのプロットはTZとPZとの明らかな弁別を示している。
【0081】
本発明によれば、組織中のPSAの型は精漿で報告されているものとは異なる(7、8)。表1は組織から抽出されたPSAの大半が低レベルの切断を含有しているのに対し、BPSAは著しく切断されていることを示している。2つの型のPSA間の切断の層化により、BPSAはより高度にタンパク質分解的な環境に由来する区画化されたPSAであることが、さらに示唆される。
【0082】
プール精漿由来のPSAは5〜10%の範囲の低レベルのBPSAを含有したが、HIC−HPLCで10分に溶出するPSAの主要画分は約30%がLys145で切断されていた(非掲載データ)。精漿由来PSAを精製し特徴づけるために行なわれた最初期の研究の一つにより、Arg85、Lys148およびLys185に内部切断が存在することが報告された(12)。(今考えると、この文献の配列は3アミノ酸分ずれていると思われる。したがってLys148はLys145であり、Lys185はLys182であるべきと思われる。)不活性PSAのその後の研究は、ほとんどLys145での切断だけに集中してきた。なぜなら、これが主な切断であり、これがPSAを実際に不活性にするからである。
【0083】
個々のドナーから得た精漿中のBPSAレベルを調べると、前立腺疾患状態におけるBPSAの変動への洞察をさらに得ることができる。本発明によれば、個々の癌患者は調べていないが、プール精漿からは不活性PSA中にpPSAは検出されない。
【0084】
本発明はBPSAおよびpPSAに特異的なモノクローナル抗体も提供する。血清遊離PSAレベルが前立腺組織疾患状態で存在するPSAの集団を反映するなら、BPSAおよびpPSAを測定するイムノアッセイにより、BPHと前立腺癌とがより良く弁別できるようになるだろう。
【0085】
本発明はその本質的特徴から逸脱することなく他の具体的実施態様で実施することができる。上述した実施態様はあらゆる面で単なる例示に過ぎず、限定ではないとみなすべきである。したがって本発明の範囲は上述の説明よりもむしろ特許請求の範囲によって示される。したがって本願請求項と等価な意味および範囲に含まれる全ての変更は、本願請求項の範囲に包含されるものとする。
【0086】
文献目録
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【図面の簡単な説明】
【図1】 前立腺組織から単離されたイムノアフィニティー精製PSAの高性能疎水相互作用クロマトグラフィープロファイル。同じ前立腺から得た3つのマッチド組織、すなわち移行領域(TZ)、80〜100%腫瘍を含有する辺縁領域(PZ−C)、および癌を含有しない辺縁領域(PZ−N)を分析した。
【図2】 TURP前立腺組織から精製したPSAのHIC−HPLCプロファイル。BPSA(22%)は8分に溶出し、他の型のPSAは10分に溶出する。
【図3A】 前立腺組織から精製したPSAのHIC−HPLCプロファイル。図3AはBPSA(15%)が8分に溶出し、他の型のPSAが10分に溶出することを示している。図3BはHIC−HPLC精製したBPSAおよびPSAを表す。
【図3B】 前立腺組織から精製したPSAのHIC−HPLCプロファイル。図3AはBPSA(15%)が8分に溶出し、他の型のPSAが10分に溶出することを示している。図3BはHIC−HPLC精製したBPSAおよびPSAを表す。
【図4A】 過剰のACTと共にインキュベートしたPZ−N PSAの反応混合物のHIC−HPLCプロファイル。ピーク1はPSAで切断されている不活性ACTである。ピーク2は残存している過剰な活性ACTである。ピーク3は共有結合したPSA−ACT複合体である。ピーク4はACTと反応しなかった不活性PSAである。3BはPSA−ACTピークおよび不活性PSAピークを示す3Aの拡大図である。矢印で示すように、不活性PSAピークの様々な画分を集めて、N−末端配列決定によって分析した。
【図4B】 過剰のACTと共にインキュベートしたPZ−N PSAの反応混合物のHIC−HPLCプロファイル。ピーク1はPSAで切断されている不活性ACTである。ピーク2は残存している過剰な活性ACTである。ピーク3は共有結合したPSA−ACT複合体である。ピーク4はACTと反応しなかった不活性PSAである。3BはPSA−ACTピークおよび不活性PSAピークを示す3Aの拡大図である。矢印で示すように、不活性PSAピークの様々な画分を集めて、N−末端配列決定によって分析した。
【図5】 18組のマッチド前立腺組織中のBPSAおよびpPSAのドットプロット。下部のパネルはBPSA/pPSAの比を表す。TZは移行領域、PZ−Nは辺縁領域−非癌、PZ−Cは辺縁領域−癌を表す。
【図6】 PSAのアミノ酸の一次配列。矢印は本文中に説明する内部ペプチド結合切断部位を表す。
Claims (43)
- 試料中に含まれる異なる型の前立腺特異抗原(PSA)を使って前立腺癌と良性前立腺肥大とを識別する方法であって、(a)試料に含まれているプロPSAの量を決定すること、(b)試料中のBPSAの量を決定すること、および(c)工程(a)および工程(b)の結果を数学的に組み合わせること、を含んでなる方法。
- 該工程(c)の数学的組み合わせがプロPSAとBPSAの比であることを特徴とする請求項1の方法。
- 該プロPSAが[−1]pPSA、[−2]pPSA、[−4]pPSA、[−5]pPSAおよび[−7]pPSAからなる群より選択されることを特徴とする請求項1の方法。
- 該プロPSAが[−2]pPSAまたは[−4]pPSAであることを特徴とする請求項3の方法。
- 該BPSAが成熟型PSAのアミノ酸配列のLys182に1つの切断を含み、Ile1、Lys145およびLys146からなる群より選択される位置に0〜1以上の追加の切断を含んでなることを特徴とする請求項1の方法。
- 該試料が哺乳動物組織試料であることを特徴とする請求項1の方法。
- 該試料がヒトの生理学的液体の試料であることを特徴とする請求項1の方法。
- 該ヒトの生理学的液体が血清、精漿、尿または血漿であることを特徴とする請求項7の方法。
- 工程(a)が、さらに(a)プロPSAに特異的に結合するある量の薬剤を、その薬剤およびプロPSAを含んでなる二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、および(b)該複合体の存在または量を検出または決定する工程、を含んでなることを特徴とする請求項1の方法。
- 該薬剤がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする請求項9の方法。
- 該薬剤がPS1Z134、PS1Z120、PS1Z125およびPS1Z80からなる群より選択されるモノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする請求項9の方法。
- 請求項9の工程(b)において、該抗体が検出可能な標識を含んでなるか、検出可能な標識に結合して検出可能な三元複合体を形成することを特徴とする請求項10の方法。
- 工程(b)が、さらに(a)BPSAに特異的に結合するある量の薬剤を、その薬剤およびBPSAを含んでなる二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、および(b)該複合体の存在または量を検出または決定する工程、を含んでなる請求項1の方法。
- 該薬剤がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする請求項13の方法。
- 該薬剤がPS2C109、PS2C501、PS2C634、PS2C807およびPS2C837からなる群より選択されるモノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする請求項14の方法。
- 請求項13の工程(b)において、該抗体が検出可能な標識を含んでなるか、検出可能な標識に結合して検出可能な三元複合体を形成することを特徴とする請求項14の方法。
- 工程(c)の数学的組み合わせをBPHまたは前立腺癌の存在に関連付ける工程をさらに含んでなることを特徴とする請求項1の方法。
- 試料中に含まれる異なる型の前立腺特異抗原(PSA)を試料中のBPHまたは前立腺癌の存在と関連付ける方法であって、(a)プロPSAに特異的に結合する第1薬剤を用意する工程、(b)BPSAに特異的に結合する第2薬剤を用意する工程、(c)該第1薬剤および第2薬剤を、第1薬剤およびプロPSAを含んでなる第1二元複合体ならびに第2薬剤およびBPSAを含んでなる第2二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、(d)該第1複合体および第2複合体の存在または量を検出または決定する工程、(e)工程(d)の結果を数学的に組み合わせる工程、および(f)工程(e)の数学的組み合わせを試料中のBPHまたは前立腺癌の存在と関連付ける工程、を含んでなる方法。
- 工程(e)の数学的組み合わせがプロPSAとBPSAの比であることを特徴とする請求項18の方法。
- 工程(c)が、さらに(a)第1薬剤を、第1薬剤およびプロPSAを含んでなる第1二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、および(b)第2薬剤を、第2薬剤およびBPSAを含んでなる第2二元複合体の形成が可能な条件下で、試料と接触させる工程、を含んでなることを特徴とする請求項18の方法。
- 工程(d)が、さらに(a)第1複合体の存在または量を検出または決定する工程、(b)第2複合体の存在または量を検出または決定する工程、を含んでなることを特徴とする請求項18の方法。
- 該第1薬剤および該第2薬剤がそれぞれに検出可能な標識を含んでなるか、検出可能な標識に結合してそれぞれ検出可能な三元複合体を形成することを特徴とする請求項21の方法。
- 該第1薬剤および該第2薬剤がそれぞれに異なる検出可能標識を含んでなるか、異なる検出可能標識に結合してそれぞれ検出可能な三元複合体を形成することを特徴とする請求項22の方法。
- 該試料が哺乳動物組織試料であることを特徴とする請求項18の方法。
- 該試料がヒトの生理学的液体の試料であることを特徴とする請求項18の方法。
- 該ヒトの生理学的液体が血清、精漿、尿または血漿であることを特徴とする請求項25の方法。
- 該第1薬剤がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする請求項18の方法。
- 該第1薬剤がPS1Z134、PS1Z120、PS1Z125およびPS1Z80からなる群より選択されるモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項27の方法。
- 該第2薬剤がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項18の方法。
- 該第2薬剤がPS2C109、PS2C501、PS2C634、PS2C807およびPS2C837からなる群より選択されるモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項29の方法。
- 該プロPSAが[−2]、[−4]、[−5]および[−7]プロPSAからなる群より選択されることを特徴とする請求項18の方法。
- 該BPSAがLys182に1つの切断を含み、Ile1、Lys145およびLys146からなる群より選択される位置に0〜1以上の切断を含んでなることを特徴とする請求項18の方法。
- (a)プロPSAに特異的に結合する既知量の第1薬剤、および(b)BPSAに特異的に結合する既知量の第2薬剤、を含んでなり、第1薬剤および第2薬剤がそれぞれに検出可能な標識を含んでなるか、検出可能な標識に結合することを特徴とする試料中のBPHまたは前立腺癌の存在を決定するためのキット。
- 該第1薬剤および該第2薬剤がそれぞれ異なる検出可能標識を含んでなるか、異なる検出可能標識に結合して検出可能なそれぞれ三元複合体を形成することを特徴とする請求項33のキット。
- 該試料が哺乳動物組織試料であることを特徴とする請求項33のキット。
- 該試料がヒトの生理学的液体の試料であることを特徴とする請求項33のキット。
- ヒトの生理学的液体が血清、精漿、尿または血漿であることを特徴とする請求項36のキット。
- 該第1薬剤がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体を含んでなることを特徴とする請求項33のキット。
- 該第1薬剤がPSM773、PS1Z134、PS1Z120、PS1Z125およびPS1Z80からなる群より選択されるモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項38のキット。
- 該第2薬剤がポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項31のキット。
- 該第2薬剤がPS2C109、PS2C501、PS2C634、PS2C807およびPS2C837からなる群より選択されるモノクローナル抗体であることを特徴とする請求項40のキット。
- 該プロPSAが[−2]、[−4]、[−5]および[−7]プロPSAからなる群より選択されることを特徴とする請求項33のキット。
- 該BPSAがLys182に1つの切断を含み、Ile1、Lys145およびLys146からなる群より選択される位置に0〜1以上の切断を含むことを特徴とする請求項33のキット。
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