JP4446086B2 - 溶湯充填方法及び鋳造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、溶湯保持炉から鋳型へ溶湯を充填する溶湯充填方法、及び、その方法の実施に使用される鋳造装置に関するものである。
従来、溶湯保持炉内の金属溶湯を鋳型のキャビティ内に充填するには、ピストンとシリンダとを備えた定量供給装置によっておこなわれている。また、溶湯保持炉内の金属溶湯面をガスで加圧して、金属溶湯を給湯管を介して鋳型のキャビティ内に充填する低圧鋳造方法及び装置が知られている。その場合、溶湯面を加圧するガスとして、不活性ガスを使用することにより、溶湯保持炉や給湯管内での酸化物の発生を少なくするものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平4−13468号公報
しかし、上記ピストンとシリンダとを備えた定量供給装置は、ピストンとシリンダとの間の摩擦による摩耗を回避するため、セラミックス等の高コストな材料を用いる必要があり、装置コストが非常に高い。そして、当該装置の立ち下げ時にはシリンダ内の溶湯を抜き取る必要がありメンテナンスに難点がある。さらに、停電などの緊急時に溶湯の温度が降下すると、シリンダ内で溶湯が固化し、ピストンが破壊されるおそれがある。
一方、低圧鋳造方法及び装置においても、不活性ガスの吹き込み部や溶湯原料の補給経路などから空気が侵入して溶湯と接触することにより、主に酸化膜からなる酸化物を発生するおそれがある。その結果、操業中に鋳型内へ酸化膜が混入し、製品の不良の発生要因となるおそれがある。
本発明は、上記事情を考慮し、鋳型内への酸化膜の混入を有効に回避することのできる、溶湯充填方法及び鋳造装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明の溶湯充填方法は、溶湯保持炉内の溶湯を鋳型に充填するための給湯管の先端に、開口の大きさが制限されたノズルを設け、そのノズルを通して鋳型に溶湯を充填することを特徴とする。
請求項2の発明の溶湯充填方法は、密閉保持した溶湯保持炉内の溶湯面に不活性ガスによるガス圧力を加えることで、溶湯保持炉内の溶湯中に基端が差し込まれ且つ先端が外部の鋳型の注湯口に密着接続された給湯管を通して、溶湯を鋳型に充填する溶湯充填方法において、少なくとも前記鋳型の周囲、並びに、鋳型の注湯口と給湯管の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持し、その状態で、溶湯保持炉内の溶湯面に不活性ガスによるガス圧力を加えることにより、給湯管の先端に設けた、開口の大きさが制限されたノズルを通して、鋳型に溶湯を充填することを特徴とする。
請求項3の発明の溶湯充填方法は、請求項1または2に記載の溶湯充填方法であって、前記ノズルの先端開口が、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破る所定幅のスリット形状に形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明の溶湯充填方法は、請求項1〜3のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、前記鋳型の上部に設けられた注湯口に前記ノズルを下向きに密着接続させて、その状態で、鋳型への溶湯の充填を行うことを特徴とする。
請求項5の発明の溶湯充填方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、前記溶湯保持炉の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて前記鋳型に対する溶湯の充填量を制御することを特徴とする。
請求項6の発明の溶湯充填方法は、請求項1〜4のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、前記鋳型の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて前記鋳型に対する溶湯の充填量を制御することを特徴とする。
請求項7の発明の鋳造装置は、密閉保持可能な溶湯保持炉と、この溶湯保持炉の外部に配された鋳型と、前記溶湯保持炉内に基端が差し込まれ且つ先端が前記鋳型の注湯口に密着接続可能とされた給湯管と、前記溶湯保持炉内に不活性ガスを導入して溶湯面にガス圧力を印加する不活性ガス導入機構と、を備えており、密閉保持した溶湯保持炉内の溶湯面に不活性ガス導入機構により不活性ガスによるガス圧力を加えることで、前記給湯管を通して溶湯を鋳型に充填する鋳造装置において、前記鋳型の周囲、並びに、鋳型の注湯口と給湯管の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持する密閉容器を設けると共に、前記給湯管の先端に、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破るノズルを設けたことを特徴とする。
請求項8の発明の鋳造装置は、請求項7に記載の鋳造装置であって、前記ノズルの先端開口が、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破る所定幅のスリット形状に形成されていることを特徴とする。
請求項9の発明の鋳造装置は、請求項7または8に記載の鋳造装置であって、前記鋳型の上部に設けられた注湯口に、前記ノズルを下向きにして給湯管の先端が密着接続可能とされていることを特徴とする。
請求項10の発明の鋳造装置は、請求項7〜9のいずれかに記載の鋳造装置であって、前記溶湯保持炉の重量を計測する手段を備えていることを特徴とする。
請求項11の発明の鋳造装置は、請求項7〜9のいずれかに記載の鋳造装置であって、前記鋳型の重量を計測する手段を備えていることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、給湯管の先端に、開口の大きさが制限されたノズルを設け、そのノズルを通して鋳型内に溶湯を充填するので、主に酸化膜からなる酸化物の混入した溶湯が給湯管の先端に到達しても、ノズルを通過する際に当該酸化膜が破られてしまうので、鋳型内への酸化膜混入を回避することができる。従って、製品鋳物の不良率を低減することができると共に、品質の向上が図れる。
請求項2の発明によれば、溶湯面に不活性ガスのガス圧力を加えることで、溶湯保持炉内の溶湯を給湯管を介して鋳型に充填する場合に、少なくとも鋳型の周囲、並びに、鋳型の注湯口と給湯管の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持し、その状態で溶湯の充填を行うので、溶湯への空気の接触を極力回避し、酸化膜の発生を防ぐことができる。また、給湯管の先端に設けたノズルを通して鋳型内に溶湯を充填するので、主に酸化膜からなる酸化物の混入した溶湯が給湯管の先端に到達しても、ノズルを通過する際に当該酸化膜が破られてしまうので、鋳型内への酸化膜混入を回避することができる。従って、製品鋳物の不良率を低減することができると共に、品質の向上が図れる。
請求項3の発明によれば、ノズルの先端開口が、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破る所定幅のスリット形状に形成されているので、そのスリット形状の開口を通過する際に、溶湯中の酸化膜を有効に破ることができる。
請求項4の発明によれば、鋳型の上部に設けられた注湯口を通して鋳型へ溶湯を充填する、上方注入方式を採用しているので、溶湯表面への加圧を停止した際に、給湯管内の残液による液ダレが発生するおそれがあるが、給湯管の先端に設けたノズルの開口の大きさを制限することにより、液切れを良くし、液ダレも防止することができる。従って、鋳型内への溶湯充填量の定量性を確保することができ、コスト低減及び生産性向上に寄与することができる。また、上方注入方式の採用により、鋳型の自動搬送を追加することによって、定量充填性能を保証しながらの連続化、自動化が可能になる。
請求項5の発明によれば、溶湯保持炉の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて鋳型に対する溶湯の充填量を制御するので、鋳型に対する適正量の溶湯充填が可能となる。
請求項6の発明によれば、鋳型の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて鋳型に対する溶湯の充填量を制御するので、鋳型に対する適正量の溶湯充填が可能となる。そして、不活性ガスの圧力や流量による溶湯の充填量の制御が可能となる。
請求項7の発明によれば、鋳型の周囲、並びに、鋳型の注湯口と給湯管の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持する密閉容器を設けたので、溶湯への空気の接触を極力回避し、酸化膜の発生を防ぐことができる。また、給湯管の先端に、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破るノズルを設けたので、もし、主に酸化膜からなる酸化物の混入した溶湯が給湯管の先端に到達しても、そのノズルを通過する際に、混入した酸化膜を破ることができ、鋳型内への酸化膜混入を回避するすることができる。従って、製品鋳物の不良率を低減することができると共に、品質の向上が図れる。
請求項8の発明によれば、ノズルの先端開口が、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破る所定幅のスリット形状に形成されているので、そのスリット形状の開口を通過する際に、溶湯中の酸化膜を有効に破ることができる。
請求項9の発明によれば、鋳型の上部に設けられた注湯口に、ノズルを下向きにして給湯管の先端が密着接続可能とされているので、溶湯表面への加圧を停止した際の給湯管内の残液による液ダレを防止することができる。従って、鋳型内への溶湯充填量の定量性を確保することができ、コスト低減及び生産性向上に寄与することができる。また、鋳型の自動搬送を追加することによって、定量充填性能を保証しながらの自動化が可能になる。
請求項10の発明によれば、溶湯保持炉の重量を計測する手段を備えているので、溶湯保持炉の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて鋳型に対する溶湯の充填量を制御することにより、鋳型に対する適正量の溶湯充填が可能となる。
請求項6の発明によれば、鋳型の重量を計測する手段を備えているので、鋳型の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて鋳型に対する溶湯の充填量を制御することにより、鋳型に対する適正量の溶湯充填が可能となる。
以下、本発明の実施形態の鋳造装置及び溶湯充填方法について、アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造を例として説明する。
図1は実施形態の鋳造装置の全体構成図、図2は給湯管の先端に設た酸化膜を破るノズルの構成図である。
図1に示すように、この鋳造装置は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の鋳造用のものであり、内部に黒鉛製のルツボ1を備えると共にルツボ1を加熱するヒータ2を備えた耐圧・密閉保持可能な溶湯保持炉3と、溶湯保持炉3の外部に配されたカーボン製あるいはモリブデン製の鋳型4と、ルツボ1内の底部付近に基端が挿入されると共に先端が溶湯保持炉3外の鋳型4の注湯口4aに密着接続可能とされたセラミック製(例えばアルミナ製)の給湯管(ストークとも呼ばれる)5と、溶湯保持炉3内を不活性ガス(例えば窒素ガス)で置換するための供給弁6aを備えたガス置換用の不活性ガス供給管6及び排気弁7aを備えた排気管7と、ルツボ1内の金属溶湯Kの液面(溶湯面)にガス圧をかけるべく加圧状態の不活性ガスを溶湯保持炉3内に導入する加圧弁8aを備えた加圧用の不活性ガス供給管8(不活性ガス導入機構)と、鋳型4の周囲、並びに、鋳型4の注湯口4aと給湯管5の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持するための密閉容器9と、密閉容器9内をガス置換するための供給弁10aを備えた不活性ガス供給管10及び排気弁11aを備えた排気管11と、を有している。尚、溶湯保持炉3に設けられたTは、金属溶湯Kの湯温を測定する温度計であり、Pは、不活性ガスの圧力を測定する圧力計である。
各不活性ガス供給管6、8、10の基端は、図示略の不活性ガスタンクに接続され、各排気管7、11の先端は、図示略の排気ラインに接続されている。なお、鋳型4を収容した密閉容器9内は、温度管理できるようになっている。また、給湯管5の周囲には、管壁への溶湯の固着を防止するための加温用ヒータ12が配されている。また、溶湯保持炉3の底部とルツボ1の間には断熱材13が配置され、溶湯保持炉3の上部にはショット補充口15が設けられている。また、溶湯保持炉3の下部には、溶湯保持炉3の重量を計測するためのロードセル16が設けられている。溶湯保持炉3の下のロードセル16の代わりに、鋳型4の下部に、鋳型4の重量を計測するロードセル17を設けてもよい。
鋳型4へ注湯する給湯管5の先端には、酸化膜を破るノズル20が設けられている。このノズル20は、給湯管5の先端から吐出しようとする、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破るためのもので、その先端開口は、図2に示すように、酸化膜を破る所定幅(短手方向寸法a、長手方向寸法b)の単スリット21に形成されている。例えば、短手方向寸法a=0.1〜0.7mm好ましくは0.3〜0.6mm、長手方向寸法b=5〜15mm好ましくは8〜12mmの、単スリット21とするのがよい。鋳型4の注湯口4aは上向きに設けられており、給湯管5の先端は、ノズル20を下向きにして、注湯口4aに密着接続可能となっている。この例では、鋳型4を昇降させることで、ノズル20と注湯口4aを密着させたり離反させたりできるようになっている。
次に鋳造を行う場合の溶湯充填工程(溶湯充填方法)について説明する。
まず、溶湯保持炉3内を1000(Pa)程度に加圧した状態でルツボ1において金属を溶解し、生成した溶湯Kをヒータ2の加熱制御により一定温度に保持する。その際、溶解前に溶湯保持炉3内を不活性ガスで置換し、溶湯Kへの酸化膜の生成を防止する。これと並行して給湯管5の先端のノズル20と鋳型4の注湯口4aとを密着させ、その状態で、鋳型4を収容する密閉容器9内を不活性ガス(例えば窒素ガス)で置換することにより、鋳型4の周囲、並びに、鋳型4の注湯口4aと給湯管5の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持する。不活性ガスへの置換は、排気弁7a、11aを開いて排気管7、11から空気を排気し、供給弁6a、10aを開いて供給管6、10から不活性ガスを供給することにより行い、酸素濃度10ppm以下まで不活性ガスで置換する。また、この状態で、給湯管5や鋳型4の周囲も一定温度に保つ。
次に、密閉保持した溶湯保持炉3内に加圧用の供給管8から不活性ガスを導入することにより、溶湯面に不活性ガスによるガス圧を加えて、給湯管5内に溶湯Kを押し上げ、給湯管5の先端のノズル20を通して溶湯を鋳型4に充填する。その過程で、溶湯保持炉3の重量変化をロードセル16で計測し、その重量変化に基づいて鋳型4に対する溶湯の充填量を制御する。または、鋳型4の重量変化をロードセル17で計測し、その重量変化に基づいて鋳型4に対する溶湯の充填量を制御する。この制御は、ロードセル16、17の測定値と目標値との差に基づて加圧用の供給弁8aを制御することで行う。
このように、溶湯面に不活性ガスのガス圧力を加えることで、溶湯保持炉3内の溶湯を給湯管5を介して鋳型4に充填する場合に、少なくとも鋳型4の周囲、並びに、鋳型4の注湯口4aと給湯管5の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持し、その状態で溶湯の充填を行うので、溶湯への空気の接触を極力回避することができ、酸化膜の発生を防ぐことができる。また、給湯管5の先端に設けたノズル20を通して鋳型4内に溶湯を充填することにより、もし、主に酸化膜からなる酸化物の混入した溶湯が給湯管5の先端に到達しても、そのノズル20を通過する際に、混入した酸化膜は破られて酸化膜が鋳型4内へ混入するのを回避することができる。即ち、所定寸法のスリット形状の開口を通過する際に、溶湯中の酸化膜を有効に除去することができる。従って、製品鋳物の不良率を低減することができると共に、品質の向上が図れる。
また、この鋳造装置の場合、鋳型4の上部に設けられた注湯口4aを通して鋳型4へ溶湯を充填する上方注入方式を採用しているので、溶湯表面への加圧を停止した際に、給湯管5内の残液による液ダレが発生するおそれがあるが、給湯管5の先端に設けたノズル20は、開口の大きさを制限したものであり、当該スリット幅を適宜な大きさとすることにで、液ダレを防止することができる。従って、鋳型4内への溶湯充填量の定量性を確保することができ、コスト低減及び生産性向上に寄与することができる。また、上方注入方式の採用により、鋳型4の自動搬送機構を追加することによって、定量充填性能を保証しながらの非酸化性雰囲気中での連続的な鋳造及び自動化が可能になる。
また、溶湯保持炉3の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて鋳型4に対する溶湯の充填量を制御するので、鋳型4に対する適正量の溶湯充填が可能である。この点は、鋳型4の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて鋳型4に対する溶湯の充填量を制御することでも同様である。なお、溶湯の充填量は具体的には不活性ガスの圧力と流量により制御する。
以上、上方注入方式による鋳造装置を例として、本発明に係るノズル、溶湯充填工程について説明してきたが、当該ノズルは、下方注入方式等の鋳造装置および鋳造方法にも適用可能である。
実施例1では、ノズル20には、a=0.5mm、b=10mmの単スリット形状の開口が形成されている。まず、溶湯保持炉3内のルツボ1にアルミニウムのインゴットを装填し、ルツボ1の周囲をアルミニウム融点の660℃以上に加熱してインゴットを溶解し、溶解後は内部の溶湯Kを720℃に保った。この時、内部の気密を保持した状態で、溶湯保持炉3内を不活性ガス(窒素ガス)で置換することにより、溶湯表面への酸化膜の生成を防止した。また、溶湯保持炉3内の温度上昇に伴い、内部圧力が上昇するので、排気弁7aを調節して、溶湯保持炉3内が溶湯吐出圧力以上にならないようにした。
これと並行して、密閉容器9の内部も不活性ガスでガス置換すると共に、給湯管5及び密閉容器9内を加熱して720℃の一定温度に保った。次いで、溶湯量、温度、圧力、鋳型温度が鋳造できる条件であることを確認し、鋳型4を給湯管5の先端のノズル20の高さまで上昇させ、鋳型4の注湯口4aとノズル20とを密着させた。そして、ノズル20と鋳型4の密着後に、溶湯保持炉3内に、供給管8の供給弁8aを開いて、設定圧7000Paの不活性ガスを導入した。これにより、溶湯Kを給湯管5を経由して、ノズル20を通して鋳型4の内部に充填することができた。
この時、溶解前のインゴット表面の酸化物等により、給湯管5内に酸化膜が混入している場合でも、その酸化膜は、ノズル20を通過する際に有効に破ることができた。従って、鋳型4内への酸化膜混入の回避が図れた。
また、鋳型4へのアルミニウム溶湯の充填量は、溶湯保持炉3の重量を計測しているロードセル16により計量しており、設定値到達により加圧用の供給弁8aを閉じることで、適正量の充填を完了する。充填後は、鋳型4を下降することにより、鋳型4とノズル20を切り離す。このように切り離した場合にも、ノズル20の先端開口を所定幅のスリット形状にしているので、給湯管5内の溶湯による液ダレを防止でき、鋳型4への充填量の安定が図れる。
なお、この1連の処理を1サイクルとし、鋳型4を自動搬送することにより、自動鋳造装置への展開が図れる。また、鋳型4側にロードセル17を設置する場合には、給湯管5の先端を昇降させる方式を採用しても良い。
〔比較例1〕
比較例1では、ノズル20に、短手方向寸法1.0mm、長手方向寸法5.0mmの単スリットを形成して、実施例1と同条件で溶湯を充填した。この場合、鋳型4の内部への酸化膜の混入が見られた。また、ノズル20からの液ダレも見られた。
以上のことから、スリットの大きさや形状には好ましい範囲があることが分かった。
本発明の実施形態の鋳造装置の全体構成図である。 実施形態の鋳造装置における給湯管の先端に設けられたノズルの構成図で、(a)は側面図、(b)は下面図である。
符号の説明
3 溶湯保持炉
4 鋳型
4a 注湯口
5 給湯管
6,10 不活性ガス供給管
7,11 排気管
8 不活性ガス供給管(不活性ガス導入機構)
9 密閉容器
16,17 ロードセル(重量測定する手段)
20 ノズル
21 スリット
K 溶湯

Claims (16)

  1. 溶湯保持炉内の溶湯を鋳型に充填するための給湯管の先端に、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破り且つ溶湯の液ダレを防止する、先端開口がスリット形状に形成されているノズルを設け、当該ノズルを通して上方注入方式で溶湯を鋳型に充填することを特徴とする溶湯充填方法
  2. 密閉保持した溶湯保持炉内の溶湯面に不活性ガスによるガス圧力を加えることで、溶湯保持炉内の溶湯中に基端が差し込まれ且つ先端が外部の鋳型の注湯口に密着接続された給湯管を通して、溶湯を鋳型に充填する溶湯充填方法において、
    少なくとも前記鋳型の周囲、並びに、鋳型の注湯口と給湯管の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持し、その状態で、溶湯保持炉内の溶湯面に不活性ガスによるガス圧力を加えることにより、給湯管の先端に設けられた、先端開口が、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破り且つ溶湯の液ダレを防止するスリット形状に形成されているノズルを通して、上方注入方式で溶湯を鋳型に充填することを特徴とする溶湯充填方法。
  3. 前記ノズルが、短手方向寸法0.1〜0.7mm、長手方向寸法5〜15mm幅の前記スリット形状に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の溶湯充填方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、
    前記スリットが単スリットであることを特徴とする溶湯充填方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、
    前記鋳型の上部に設けられた注湯口に前記ノズルを下向きに密着接続させて、その状態で、鋳型への溶湯の充填を行うことを特徴とする溶湯充填方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、
    前記溶湯保持炉の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて前記鋳型に対する溶湯の充填量を制御することを特徴とする溶湯充填方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、
    前記鋳型の重量変化を計測し、その重量変化に基づいて前記鋳型に対する溶湯の充填量を制御することを特徴とする溶湯充填方法。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の溶湯充填方法であって、
    前記鋳型を自動搬送することを特徴とする溶湯充填方法。
  9. 密閉保持可能な溶湯保持炉と、この溶湯保持炉の外部に配された鋳型と、前記溶湯保持炉内に基端が差し込まれ且つ先端が前記鋳型の注湯口に密着接続可能とされた給湯管と、前記溶湯保持炉内に不活性ガスを導入して溶湯面にガス圧力を印加する不活性ガス導入機構と、を備えており、密閉保持した溶湯保持炉内の溶湯面に不活性ガス導入機構により不活性ガスによるガス圧力を加えることで、前記給湯管を通して溶湯を鋳型に充填する鋳造装置において、
    前記鋳型の周囲、並びに、鋳型の注湯口と給湯管の先端との密着接続部分の周囲を不活性ガス雰囲気に保持する密閉容器を設けると共に、前記給湯管の先端に、先端開口が、溶湯中や溶湯表面に存在する酸化膜を破り且つ溶湯の液ダレを防止するスリット形状に形成され、上方注入方式で溶湯を鋳型へ充填させるノズルが設けられていることを特徴とする鋳造装置。
  10. 前記ノズルが、短手方向寸法0.1〜0.7mm、長手方向寸法5〜15mm幅の前記スリット形状に形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の鋳造装置。
  11. 請求項9または10に記載の鋳造装置であって、
    前記スリットが単スリットであることを特徴とする鋳造装置。
  12. 請求項9〜11のいずれかに記載の鋳造装置であって、
    前記給湯管の周囲に加温用ヒーターが設けられていることを特徴とする鋳造装置。
  13. 請求項9〜12のいずれかに記載の鋳造装置であって、
    前記鋳型の上部に設けられた注湯口に、前記ノズルを下向きにして給湯管の先端が密着接続可能とされていることを特徴とする鋳造装置。
  14. 請求項9〜13のいずれかに記載の鋳造装置であって、
    前記溶湯保持炉の重量を計測する手段を備えていることを特徴とする鋳造装置。
  15. 請求項9〜14のいずれかに記載の鋳造装置であって、
    前記鋳型の重量を計測する手段を備えていることを特徴とする鋳造装置。
  16. 請求項9〜15のいずれかに記載の鋳造装置であって、
    前記鋳型を自動搬送することを特徴とする鋳造装置。
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