JP4445744B2 - 超音波画像生成装置の作動方法及び超音波画像生成プログラム - Google Patents
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Description
上記従来の超音波診断装置は、被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、ラジアル画像(超音波振動子の走査軸に対して垂直断面)やリニア画像(超音波振動子の走査軸に対して水平断面)等の2次元断層像から構築される3次元(立体)の超音波画像を生成する超音波画像生成方法を備えている。
上記特開平10−192号公報に記載の超音波画像生成方法は、得られた超音波エコーデータに対してスキャンライン開始点からスキャンライン上を遠方側にスキャンした場合、表面抽出のための輝度値以上のエコーデータをつないだランに対し、ノイズ等によるランの長さに応じて設定されるランの閾値以上で、最もスキャンライン開始点に近い点を表面位置と設定するようになっている。
一方、上記特開2001−212147号公報に記載の超音波画像生成方法は、得られた超音波エコーデータから組織断面像(テクスチャ)を張り合わせて斜視画像を構築しているので、上記構築した斜視画像にノイズが含まれてしまい、このノイズが含まれた斜視画像に基づき、上記体腔内の内壁を抽出してしまう問題がある。
また、本発明による第2の超音波画像生成装置の作動方法は、被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像生成方法において、前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出ステップと、前記算出ステップにより算出された前記体腔表面の予想抽出点と前記体腔表面の実抽出点とを比較する比較ステップと、前記比較ステップの比較結果に基づき、前記体腔表面の表面抽出点を決定する決定ステップと、を有することを特徴とする。
本発明による第1の超音波画像生成プログラムは、被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像処理装置におけるコンピュータに、前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出手順を実行させ、前記算出手順は、前記所定の音線及びこの所定の音線の前後の音線に対して音線の長さと、前記前後の音線との差分とに基づき、前記予想抽出点を算出することを特徴とする。
また、本発明による第2の超音波画像生成プログラムは、被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像処理装置におけるコンピュータに、前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出手順と、前記算出手順により算出された前記体腔表面の予想抽出点と前記体腔表面の実抽出点とを比較する比較手順と、前記比較手順の比較結果に基づき、前記体腔表面の表面抽出点を決定する決定手順と、を実行させることを特徴とする。
超音波プローブ2Bは、体腔内に挿入可能な細長で可撓性を有する挿入部11と、この挿入部11の基端側が着脱自在に連設される駆動部12とから構成される。挿入部11は、この先端部11aに超音波を送受信する超音波振動子2aが内蔵されている。
先ず、表面抽出処理について説明する。
表面抽出処理は、超音波伝達媒体や体液等の水と生体組織との識別を行う処理である。ここで、上記ラジアル画像Grは、例えば、数百本の音線と呼ばれる線データで構成され、これら音線のエコー輝度により表されている。図2に示すように各音線をプローブ中心(超音波振動子)から周縁方向に探索し、水から生体組織に変化する部分を探索する。この探索の精度を上げるため、次の処理を用いている。
次に、上記ヒストグラムのピークを判定する。
ピークの判定は、グラフ上各点の微分値(傾き)と絶対値(高さ)とから、判断する。 通常、ヒストグラム上のピークは次の2パターンとなる。
2つのピークは、水部分と組織部分である。このため、閾値は、これら2つのピークの中間値とする。
(2)1つのピークが出現する。
コントラストの低い画像の場合、ピークが一つ(組織分)のみ、現れる場合が多い。この場合、ピークと最大輝度との中間値を閾値とする。
上記ノイズを除去する最も一般的な方法は、フレーム相関であるが、極力画像自体の平滑化を避けるために、本実施例では、対象物の厚みを測定して判断するようになっている。
そこで、ある一定の厚みを設定し、対象物がその設定値以上の場合、生体組織と判定する。設定値が小さいと、誤抽出が増え、大きすぎると生体組織の層構造をノイズと判定してしまう。
そこで、図5に示すように生体組織の層構造の存在を想定して判定する。
本実施例では、輝度平均を求める対象物の厚みを2mm程度とし、この2mm程度の厚みの輝度平均が閾値以上の場合、生体組織と判定するようになっている。
本実施例では、対象となる抽出点について、プローブ中心(超音波振動子)からの距離を、その前後の音線の距離と比較し、誤抽出の補正処理を行うようになっている。
音線Nは、誤抽出により、実際の体腔表面よりも手前の体腔表面を判定している。
Lを音線の長さ,Dを次の音線Nとの差分とした場合、
音線Nの予想抽出点Lxは、
Lx=(L1+L2+Lt+L3+L4)/5+(D12+D2t+Dt3+D34)/4
但し、L1=音線N−2の長さ,L2=音線N−1の長さ,
L3=音線N+1の長さ,L4=音線N+2の長さ,
D12=音線N−2と音線N−1との差分,D2t=音線N−1と音線Nとの差分,
Dt3=音線Nと音線N+1との差分,D34=音線N+1と音線N+2との差分
ここで、上記D12とD34の平均が、プローブ中心(超音波振動子)から体腔表面までの距離の増減傾向となる。
誤抽出点は、体腔表面位置より手前もしくは、後ろにある。そこで、予想抽出点Lxと実抽出点Ltとを比較し、実抽出点Ltが上記算出した予想抽出点Lxより3mm以上離れている場合、実抽出点Ltを上記算出した予想抽出点Lxに置き換えることにより、誤抽出を補正するようにしている。尚、上記誤抽出の補正処理は、図示しないが、音線Nの前後6点の音線N−3,N−2,N−1,N+1,N+2,N+3に基づき、音線Nの予想抽出点Lxを算出するようにしても良い。
これにより、本実施例では、得られた超音波エコーデータから着実にノイズを除去し、正確で滑らかな体腔表面の超音波画像を得ることができるようになっている。
本実施例では、抽出された体腔表面を極座標(音線番号と距離)から直交座標に変換し、この直交座標上において時計回りに3、6、9、12時の位置に配置される音線の表面距離(プローブ中心(超音波振動子)から抽出点までの距離)から、体腔中心を求める。具体的には、体腔中心(X,Y)は、
X=(|3時方向の表面抽出点のX座標|+|9時方向の表面抽出点のX座標|)/2
Y=(|12時方向の表面抽出点のY座標|+|6時方向の表面抽出点のY座標|)/2
となる。
ここで、本実施例では、図9に示すようにラジアル画像Grの第n面と第n−1面との表面抽出点を用いて平滑化(平均化)している。
これにより、3Dモデル表示(サーフェイス表示)の場合、平滑化された座標値を利用することで、より自然で滑らかな体腔表面の構築が可能となる。
先ず、平滑化した体腔表面の表面位置(平滑化後の表面座標)と平滑化前の体腔表面の表面位置(平滑化前の表面座標)との距離差分を算出する。そして、平滑化前の体腔表面の表面位置(平滑化前の表面座標)と、平滑化した体腔表面の表面位置(平滑化後の表面座標)との距離Dを算出する。
(1)前提条件
a1 = Pn.y / Pn.x
b1 = 0
a2 = ( P2.y −P1.y ) / ( P2.x −P1.x )
b2 = ( P1.y −( P2.y −P1.y ) / ( P2.x −P1.x ) × P1.x )
(2)交点Qの座標
Q.x = ( b2 −b1 ) / ( a1 −a2 )
Q.y = a1 × ( b2 −b1 ) / ( a1 −a2 ) + b1
但し、R=Pnとする。
そして、上記交点Qと上記交点Rとからこれら交点QPの差分Dが算出できる。
ここで、ラジアル画像上の任意の1点P(x,y)を決定する音線データ上の点は、次の式で求まる。
(1)前提条件
T=2π/512×音線番号(N=0〜512)
L=原点Oから体腔表面までの距離,D=差分
(2)Pの座標
P.x=cosT×(L+D)
P.y=sinT×(L+D)
これにより、L(原点Oから体腔表面までの距離)に、上記算出した平滑化した体腔表面の表面位置(平滑化後の表面座標)と、平滑化前の体腔表面の表面位置(平滑化前の表面座標)との距離の差分Dを加味することで、平滑化した体腔表面の表面位置(平滑化後の表面座標)が平滑化前の体腔表面の表面位置(平滑化前の表面座標)に合わせ込む(一致させる)ことができる。即ち、所定のラジアル画像Grを伸縮する処理が可能となる。
そして、距離補正処理されたラジアル画像Grを用いることにより、拍動を軽減したリニア画像が構築されるようになっている。
先ず、図1で説明したように超音波プローブ2Bは、駆動部12の第1モータと第2モータとを同期させて同時に回動駆動させることで、超音波振動子2aが所定のピッチ単位でヘリカル走査する。
先ず、画像処理部33Bは、連続した複数のラジアル画像Grに対して各画像の表面座標を抽出し、表面抽出点を決定する(ステップS12)。
先ず、対象とする音線Nの前後の2本ずつ(N−2,N−1,N+1,N+2)を指定する(ステップS21)。
これにより、画像処理部33Bは、連続した複数のラジアル画像Grに対して各画像の表面座標を抽出できる。
(付記項1)
被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像生成方法において、
前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出ステップを有することを特徴とする超音波画像生成方法。
前記算出ステップにより算出された前記体腔表面の予想抽出点と前記体腔表面の実抽出点とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップの比較結果に基づき、前記体腔表面の表面抽出点を決定する決定ステップと、
を更に有することを特徴とする付記項1に記載の超音波画像生成方法。
前記算出ステップは、前記所定の音線及びこの所定の音線の前後の音線に対して音線の長さと、前記前後の音線との差分とに基づき、前記予想抽出点を算出することを特徴とする付記項1に記載の超音波画像生成方法。
被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像処理装置におけるコンピュータに、
前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出手順を実行させることを特徴とする超音波画像生成プログラム。
前記算出手順により算出された前記体腔表面の予想抽出点と前記体腔表面の実抽出点とを比較する比較手順と、
前記比較手順の比較結果に基づき、前記体腔表面の表面抽出点を決定する決定手順と、
を更に実行させることを特徴とする付記項4に記載の超音波画像生成プログラム。
前記算出手順は、前記所定の音線及びこの所定の音線の前後の音線に対して音線の長さと、前記前後の音線との差分とに基づき、前記予想抽出点を算出することを特徴とする付記項4に記載の超音波画像生成プログラム。
2B 超音波プローブ
2a 超音波振動子
3B 装置本体(超音波画像処理装置)
11 挿入部
12 駆動部
31 超音波観測部
33B 画像処理部
代理人 弁理士 伊藤 進
Claims (4)
- 被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像生成装置の作動方法において、
前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出ステップを有し、
前記算出ステップは、前記所定の音線及びこの所定の音線の前後の音線に対して音線の長さと、前記前後の音線との差分とに基づき、前記予想抽出点を算出することを特徴とする超音波画像生成装置の作動方法。 - 被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像生成装置の作動方法において、
前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出ステップと、
前記算出ステップにより算出された前記体腔表面の予想抽出点と前記体腔表面の実抽出点とを比較する比較ステップと、
前記比較ステップの比較結果に基づき、前記体腔表面の表面抽出点を決定する決定ステップと、
を有することを特徴とする超音波画像生成装置の作動方法。 - 被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像処理装置におけるコンピュータに、
前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出手順を実行させ、
前記算出手順は、前記所定の音線及びこの所定の音線の前後の音線に対して音線の長さと、前記前後の音線との差分とに基づき、前記予想抽出点を算出することを特徴とする超音波画像生成プログラム。 - 被検体に対して超音波を送受信して得られた超音波エコーデータに基づき、超音波画像を生成する超音波画像処理装置におけるコンピュータに、
前記超音波エコーデータの所定の音線を挟む前後の音線を用いて体腔表面の実抽出点から予想抽出点を算出する算出手順と、
前記算出手順により算出された前記体腔表面の予想抽出点と前記体腔表面の実抽出点とを比較する比較手順と、
前記比較手順の比較結果に基づき、前記体腔表面の表面抽出点を決定する決定手順と、
を実行させることを特徴とする超音波画像生成プログラム。
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