JP4445694B2 - ニコチン性アセチルコリン受容体結合阻害剤 - Google Patents

ニコチン性アセチルコリン受容体結合阻害剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、ニコチン性及びムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、γ−アミノ酪酸(GABA)受容体に関する障害により引き起こされる疾患に有用な組成物及びそれらを含有する経口又は非経口組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
脳内の神経細胞(ニューロン)は、様々な化学伝達物質を介して互いに情報伝達を行っている。情報伝達について、細胞膜での電位差による電流の連鎖が、イオンチャネルを変化させ、さらに軸索の先端まで伝わると、神経伝達物質が放出される。それから、シナプス(細胞間の接触部位)を介して受信側の細胞の受容体に到達する。
【0003】
しかし、神経伝達物質の放出の不適切なレベル、神経伝達物質受容体の不適切な性質、または神経伝達物質と神経伝達物質受容体の間の相互作用から起こる障害などによって、中枢神経系(Central Nervous System:CNS)障害が引き起こされている。CNS障害には、精神分裂病及びツーレット症候群、注意欠如障害、不安、読字障害、初老人性痴呆(アルツハイマー病の早期の発病)、老人性痴呆(アルツハイマー型痴呆)、パーキンソン病を含むパーキンソンニズム、ハンチントン舞踏病、晩期の運動異常、運動過剰症などが挙げられる。
【0004】
アセチルコリン系は中枢神経系の主要な神経伝達物質の一つであり、大脳皮質や海馬の神経活動の調節に重要な役割を果たしていることが知られており、CNS障害に関与している可能性が指摘されている。従ってアセチルコリン神経系の賦活によりこれらの障害が改善される可能性がある。アセチルコリン系神経伝達機能の賦活のためには、いくつか考えられる。第一に、脳内で低くなったアセチルコリンの濃度を高めるために、その分解酵素であるアセチルコリンエステラーゼを阻害することであり、第二に、シナプスにおいてアセチルコリンの放出を促進させることであり、第三に、アセチルコリン受容体に結合し、これを作動化させることなどである。例えば、アルツハイマー病患者の剖検脳の大脳皮質や海馬では、アセチルコリン系の中でニコチン受容体の減少が報告されている(Alzheimer's Disease Reviews, 3:20-34, 1998)。従って、アセチルコリンの代わりにニコチン受容体を直接に活性化するか、あるいはこれらのニコチン受容体の喪失を最小にするなどの治療用薬剤を提供する必要がある。
【0005】
ニコチンによって、ドーパミン(J.Pharmacol.47,765,1973)、ノルエピネフリン(Biochem.Pharmacol.21,1829,1972)、セロトニン(Arch.Int.Pharmacodyn.Ther.296,1829,1972)などの神経伝達物質が放出促進されることが報告されている。従って、このような障害に罹り易い、あるいは既に罹っている患者にニコチン化合物を投与することにより、障害の予防及び治療に有用な方法を提供することは望ましいであろう。実際、種々のニコチン化合物は、上述した種々のCNS障害の治療に使用されている(Exp.Opin.Invest.Drugs 5(1),79-100,1996)。
【0006】
しかしながら、ニコチンには一般的に、嗜癖性、バイオアベイラビリティ(生物学的利用率)の低さ、循環器系への副作用などの問題点がある。従って、心臓血管部位との相互作用に付随する脈拍及び血圧の増加などの副作用を有さず、なおかつニコチンの薬理を有する活性成分を含み、ニコチン受容体と相互作用する医薬組成物を提供することは極めて望ましいであろう。
【0007】
また、ムスカリン性アセチルコリン受容体に関しても着目されており、受容体作動化物質に関して、多数の研究が行われている。ムスカリン性アセチルコリン受容体は二種類あり、ムスカリン1受容体とムスカリン2受容体が知られている。ムスカリン1受容体は大脳皮質や海馬に局在し、ムスカリン2受容体は視床や脳幹、小脳、シナプス前部、心臓に局在する(御子柴 克彦 編;用語ライブラリー 脳神経,pp92,羊土社,1997)。ムスカリン1受容体を作動化させるものとして、2−(2−モルホリノエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−オキサ−3,4−ジアザフェナントレンジヒドロクロライド(特開平1-203387)やモルホリノエチルアミノ−3−ベンゾジクロヘプタ−(5,6−C)−ビリタジン・2塩酸塩(Eur. J. Pharm.,166,139−147,1989)などが報告されている。
【0008】
近年、米国においてアルツハイマー型痴呆症治療剤としてTHA(1,2,3,4−テトラヒドロ−9−アミノアクリジン)が開発され、話題となっている。しかしながら、有効性と副作用に関する問題が生じている。従って、薬理作用が確実に発現し、且つ毒性が低い痴呆症の予防及び治療剤の開発が急務となっている。
【0009】
このように、アセチルコリン系の障害に対する研究は進んでいるが、その効力、持続性、副作用の面で必ずしも充分でなく、優れた治療剤及び治療法は現在までのところ、全く見出されていないのが現状である。
【0010】
ドーパミンは、交感神経節後線維や副腎髄質に含まれるノルエピネフリンやエピネフリンなど生体内アミンの一種であり、中枢神経系の重要な神経伝達物質である。その作用は、精神機能や運動機能に関与しており、精神分裂病、パーキンソン病、鬱病や摂食障害、睡眠、学習、記憶、性的挙動、および血圧などの障害発生に関連性があると考えられている。
【0011】
パーキンソン病患者では、脳の運動制御に関与する領域である大脳基底核内の線条体ドーパミンが減少しているため、脳内でドーパミンに変換されるL―ドーパ(3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン)を用いるドーパミン補充療法が行われている。また、L―ドーパと共にドーパミンアゴニストであるブロモクリプチンなども用いられている。
【0012】
一方、脳内のドーパミン過剰は、思考過程障害、幻覚及び現実的触覚喪失を伴う精神分裂症の原因となる。抗精神分裂症剤は、ドーパミン受容体を遮断することによって、過剰な受容体刺激を抑制している(Developments in the drug treatment of shizophrenia,TIPS,13,116-121,1992)。
【0013】
ドーパミン受容体は、生化学的及び薬理学的相違に基づいて、現在ではD1様受容体(D1、D5)とD2様受容体(D2、D3、D4)に分類される(Molecular Biology of Dopamine receputors,TIPS,13,61-69,1992)。これまでに、D1受容体系の機能不全に関連した適応症の治療用組成物として、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン化合物の酸付加塩(特表平11−512403)が、D4受容体に関してはピペラジン、ピペリジン及び1,2,5,6−テトラヒドロピリジン化合物(特開平08−325257号公報)などが報告されている。
【0014】
このように、ドーパミン受容体に対して、親和性を有するものが開発され、各種疾患に用いられているが、しばしば副作用の問題が挙げられる。副作用としては、遅発性ジスキネジア、悪性神経疾患症候群、高プロラクチン血症、無月経、不随意運動、錐体外路作用、低血圧などがある。
ベンゾジアゼピン(BZD)系化合物は抗不安作用、抗痙攣作用、鎮静・催眠作用などを有しており、抗不安薬、睡眠薬、筋弛緩薬、抗てんかん薬などとして広範囲に臨床応用されている。BZD受容体には、3種のサブタイプが存在することが明らかにされ、それぞれω1 ,ω2 およびω3 受容体と名付けられている。ω1 受容体は鎮静・睡眠作用や抗不安作用の発現に、ω2 受容体は筋弛緩作用に、ω3 受容体は抗狭心作用などの薬理作用や耐性形成に深く関わっていることが示唆されている。従来のBZD系化合物はω1 およびω2 受容体に結合してその薬理作用を発現するものと考えられている。BZD系化合物の薬理作用は、それぞれ独立した作用機序により出現するものではなく、密接に関連した神経薬理学的機序に起因すると解釈されている。その作用機序は、BZD系薬物による中枢神経系のγ−アミノ酪酸(GABA)作動性神経情報伝達機構の増強現象である。抑制性の神経伝達物質であるGABAは、その受容体にGABA−A受容体やGABA−B受容体などが存在している。GABA−A受容体はClチャネルと共役しており、抗不安作用・睡眠導入作用と関係しており、一方GABA−B受容体はGタンパク質と共役しており、さらにはGタンパク質を介してCa2+及びKチャネルとリンクし、うつ病と関連していると考えられている(CLINICAL NEUROSCIENCE,14(4)404−407,1996)。BZD系薬物はGABA−A受容体のBZD結合部位に結合し、GABAの作用を強める。
【0015】
BZD受容体に対して親和性があるものは、5−ヘテロアリールインドール誘導体(特表平9−501949号公報)や1,2,4,−オキサジアゾリルキノロン誘導体(特開平11−279176号公報)など多数報告されている。また、β−カルボリン誘導体(ヨーロッパ特許公開第499527号公報)は、変性中枢神経系障害(例えばアルツハイマー病)の治療において有用な薬剤として記載されている。
【0016】
しかし、BZD系化合物にはふらつき,眠気,筋弛緩,あるいは認知力や反射運動能力の低下などの副作用や、耐性,依存性形成など改善すべき問題点が多く残されている。そこで諸問題を解決する目的で、安定性、安全性があり価格の面でも問題のないBZD受容体作動化剤が必要とされている。
【0017】
GABAは、抑制性後シナプス電位を生じさせ、哺乳類の脳及び脊髄に高い濃度で分布していることにより、哺乳類における最も重要な抑制性神経伝達物質の一つであると考えられている。ストレスによって脳が異常に興奮した場合、脳内のGABAは脳の興奮を鎮め、気持ちを落ち着かせる働きをしている。このGABAは、脳内のGABA受容体に結合して、はじめてその作用を発揮することが明らかとなっている。さらに、GABAは脳の血流を活発にさせ、酸素供給量を増大させて脳の代謝機能を亢進する、脊髄の血管運動中枢に作用して血圧を降下させる、抗利尿ホルモンであるバソプレッシンの分泌を抑制して、血管を拡張して血圧を下げる、TCAサイクルの導入部に必要なヘキソキナーゼ活性を高め、糖代謝を促進させることに関与することなどが報告されている[大友 英一 編:新編脳代謝賦活剤,医薬ジャーナル社(1987)]。
【0018】
これまでに、脳内でのGABA濃度を高めて脳代謝賦活や抗うつ病、鎮静、抗不安、睡眠障害の改善又は治療、血圧の降下を目的として、GABAトランスアミナーゼ(GABAアミノ基転移酵素)を阻害したりGABA受容体作動化作用を有する医薬(特開昭60-36448号公報、特開平2-32029号公報、特表平8-509238号公報、特表平11-509194号公報、特表2001-515033)やGABAを高含有した食品(特開2000-14356、特開2000-321100、特開2000-60536、特開2001-352940、特開2001-120179など)が開発されているが、長期間服用しても安全で尚且つ確実な治療を行うのに充分満足できるような医薬は開発されておらず、また、GABAを高含有させた食品は多く開発されているものの、GABA受容体作動化作用を有する天然物由来の食品は、発明者の知る限りでは全く報告されていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安定性、安全性、価格に優れたニコチン性及びムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体に関する疾患を改善する組成物を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ケール及びプロポリスがニコチン性及びムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体に親和性を有することを見出し、本発明を完成させた。
【0021】
すなわち、本発明は、ケール又はケール抽出物を含有することを特徴とする、ニコチン性アセチルコリン受容体結合阻害剤(食品を除く)に関する。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明で使用されるケール(Brassicca Oleracea L.var.acephala DC.)には、キッチンケール、マローケール、ブッシュケール、ツリーケール、コラード、緑葉カンランなどがある。アブラナ科の植物でもともと南ヨーロッパ原産の野菜であり、キャベツの原種といわれている。葉など通常食用として供されているもので構わないし、栽培方法や栽培地も特に限定されるものでもない。
【0023】
ケール、その抽出物としては、ケール自身を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、圧搾汁、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
【0024】
例えば、ケールの葉、茎、花や根などの乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのままニコチン性及びムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体の作動化剤として使用しても良いし、その抽出液を各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い
【0025】
プロポリスは、蜂が集めた樹脂状の黒い塊であり、ブラジル産プロポリス、中国産プロポリス、オーストラリア産プロポリス、ウルグアイ産プロポリス、日本産プロポリスなど何れの産地のものでもよく、特に限定されるものではないが、汎用性の面から見て、ブラジル産プロポリス、中国産プロポリスが好ましい。
【0026】
本発明におけるプロポリスは、プロポリス自身を乾燥させた乾燥物、その粉砕物、超臨界抽出物、水あるいはアルコール、エーテル、アセトンなどの有機溶媒による粗抽出物、および粗抽出物を分配、カラムクロマトなどの各種クロマトグラフィーなどで段階的に精製して得られた抽出物画分など、全てを含む。これらは単独で用いても良く、また2種以上混合して用いても良い。
【0027】
例えば、ブラジル産プロポリスの原塊乾燥物1Kgに99.5%エタノール抽出液3Lを加え、室温で一晩浸漬することにより得た抽出液を、そのまま使用しても良いし、各種クロマトグラフィーを組み合わせて、精製したものを使用しても良い。
【0028】
抽出されたケール及びプロポリス抽出物の溶液中の抽出物濃度は特に制限はないが、15〜70質量%、好ましくは20〜60質量%程度が好ましい。この濃度が15質量%未満では、乾燥時に多量のエタノールや水などの溶液を蒸発させる必要があり、70質量%を超えると溶液の粘度が高くなり過ぎ、加工適性が悪くなる恐れがある。
【0029】
ケール、プロポリス又はそれらの抽出物は、ニコチン性アセチルコリン受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体の作動化作用を有する。
【0030】
アセチルコリン受容体に結合して、これを作動化させることにより、脳内で低くなったアセチルコリンの濃度を高めることができ、このようなアセチルコリン濃度の上昇によって、アセチルコリン神経伝達機能を賦活させることができる。そこで、CNS障害を改善させることができる。例えば、アセチルコリン系の受容体の中で、ニコチン受容体の減少が生じているアルツハイマー病患者に適用することができる。
【0031】
ムスカリン性アセチルコリン受容体を作動化させることにより、大脳皮質におけるコリン性の欠損による症状やアルツハイマー型の痴呆症に使用することができる。
【0032】
ドーパミン1受容体作動化作用によって、ドーパミン作用系の活動亢進による精神分裂症など、その活動低下によるパーキンソン病など、抑鬱、記憶障害などのドーパミンの関与する中枢神経系疾患に使用される。
【0033】
ベンゾジアゼピン受容体を作動化することによって、従来からベンゾジアゼピンアゴニストが使用されている、抗不安薬、睡眠障害治療剤として、さらに、インバースアゴニストが使用される、脳賦活剤として、老年性痴呆、アルツハイマー型痴呆などの記憶障害の治療薬として使用できる。
【0034】
GABA受容体を作動化することにより、GABAの濃度の低下により誘発される脳機能障害の改善用に使用できる。
【0035】
さらに、ケール、プロポリス又はそれらの抽出物は、前述した各種受容体を作動化させることにより、その関連性が指摘されているツーレット症候群、注意欠如障害、読字障害、初老人性痴呆(アルツハイマー型痴呆の早期の発病)、パーキンソン症候群、ハンチントン舞踏病、晩期の運動異常、運動過剰症などの治療、予防に有用である。
【0036】
本発明のケール或はプロポリス、及びその抽出物を含有するニコチン性及びムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体に親和性を有する組成物は、経口用あるいは非経口用の医薬として製造することができる。
【0037】
医薬としての適用方法は、経口投与又は非経口投与のいずれも採用することができる。投与に際しては、有効成分を経口投与、直腸内投与、注射などの投与方法に適した固体又は液体の医薬用無毒性担体と混合して、慣用の医薬製剤の形態で投与することができる。このような製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤などの固形剤、溶液剤、懸濁剤、乳剤などの液剤、凍結乾燥製剤などが挙げられ、これらの製剤は製剤上の常套手段により調製することができる。上記の医薬用無毒性担体としては、例えば、グルコース、乳糖、ショ糖、澱粉、マンニトール、デキストリン、脂肪酸グリセリド、ポリエチレングルコール、ヒドロキシエチルデンプン、エチレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アミノ酸、ゼラチン、アルブミン、水、生理食塩水などが挙げられる。また、必要に応じて、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、結合剤、等張化剤などの慣用の添加剤を適宜添加することもできる。
【0039】
本発明のケール又はプロポリス又はそれらの抽出物の有効投与量は、患者の年齢、体重、症状、患者の程度、投与経路、投与スケジュール、製剤形態などにより、適宜決定することができ、例えば、ケール抽出物の経口投与の場合、乾燥重量として、通常成人換算で0.1g/体重kg以上である。1日に数回に分けて投与してもよい。プロポリス抽出物の経口投与の場合、一般に1日当たり10〜500mg/kg体重程度、好ましくは、1日当たり150〜350mg/kg体重程度とされ、1日に数回に分けて投与してもよい。
【0040】
本発明のケール又はプロポリス又はその抽出物は、天然物であるためその毒性は低く、有害な副作用など報告されていない。また、ケールは栽培により入手できる野菜類であるから、ケール、ケール抽出物を有効成分とする本発明の組成物は、安全であるとともに、価格面においても問題のない優れたものである。また、プロポリスは日本を始め世界中で健康補助食品として一般に利用されていることから、プロポリス、プロポリス抽出物を有効成分とする本発明の組成物は、安全であるとともに、価格面においても問題のない優れたものである。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を挙げて具体的に説明するが、これに限定されるものではない。
【0042】
[製造例1]ケール抽出物
ケールの葉を90℃で乾燥させ、苦みの渋味成分となる酵素を失活させた。なお、ケール葉乾燥方法については、特に限定されるものではない。その粉砕物4kgを電熱式水浴機で加熱還流しながら、99.5%エタノール(和光純薬工業)20Lを用いて抽出を行い、ケール抽出物80gを得た。
【0043】
[製造例2]プロポリス抽出物
ブラジル産及び中国産プロポリス原塊それぞれ10gに99.5%エタノール3Lを加え、50℃で一晩浸漬した後、ロータリーエバポレーターにてエタノールを除去することにより、プロポリス抽出物をそれぞれ324mg、216mgを得た。
【0044】
[実施例1]ニコチン性アセチルコリン受容体結合阻害試験
ニコチン性アセチルコリン受容体結合阻害試験は、Laurie A. Pabrezaらの方法(Molecular Pharmacology,39,9-12,1991)を参考に行った。ラット大脳皮質を50 mM トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、120 mM塩化ナトリウム、5 mM 塩化カリウム、1 mM 塩化マグネシウム、2.5 mM 塩化カルシウムを含む緩衝液(pH7.0)でホモジナイズし、懸濁した。その後、40,000 ×gで10分間(4℃)遠心分離した後、ペレットを再度、前記緩衝液でホモジナイズした。再び同条件で遠心分離を行った後、2回分の上清を40,000 ×gで10分間(4℃)遠心分離した。それから、沈渣を前記緩衝液で懸濁して、大脳皮質の膜標品とした。この膜標品(400−600μgの蛋白質含む)に、[3H]シチシン(最終濃度1.5 nM)、製造例1で得られたケール抽出物或は製造例2で得られた各プロポリス抽出物(最終濃度:500μg/ml)をそれぞれ加え(最終液量250μl)、4℃で75分間インキュベーションした。反応は、すばやくブランデール社セルハーベスタを用いて、ワットマンGF/Bフィルター(0.1%ウシ血清アルブミン含有の0.5%ポリエチレンイミン水溶液に最低3時間前処理する)上に吸引濾過し、冷却した緩衝液で3回洗浄した。フィルターをバイアル瓶に入れ、液体シンチレータを加えた後、フィルターに結合した放射能(トリチウム)を液体シンチレーションカウンターで測定を行った。また、非特異的結合は、10μM(−)−ニコチンの存在下で測定した。結果を表1に示すが、ここで示す阻害率(%)は、次式により算出した。
阻害率(%)=100−〔(C−B0)/(C0 −B0)〕×100
(式中、C1 は、既知量のサンプルと[3H]シチシンが共存している状態での[3H]シチシンの膜画分に対する結合量を表わし、C0 は、サンプルを除いた時の[3H]シチシンの膜画分に対する結合量を表わし、B0は、過剰のニコチン(10μM)存在下での[3H]シチシンの膜画分に対する結合量を表わす。)なお、本反応系におけるポジティブコントロールとしてのニコチン性アセチルコリン受容体の作動化剤であるニコチンのIC50値(ニコチン性アセチルコリン受容体結合を50%阻害する濃度)は8.0 nMであった。表1から、本発明のケール抽出物及びプロポリス抽出物は、ニコチン性アセチルコリン受容体に対するシチシン結合を競合的に阻害し、ニコチン性アセチルコリン受容体作動化作用を有することがわかる。
【0045】
【表1】
Figure 0004445694
【0046】
[実施例2]ムスカリン性アセチルコリン受容体結合試験
ムスカリン受容体に対する結合試験評価は、FRANK DORJEらの方法(J. Pharmaco. Exp. Ther.,256(2),727−733,1990)を、一部改変して行った。
【0047】
[細胞の培養]
チャイニーズハムスター卵巣細胞(以下、CHO細胞と略す)を、ATCC(American Type Culture Collection)より購入した。導入操作を行うまでは、細胞を5%CO下で、10%牛胎児血清、100 units/ml ペニシリンG、100 units/mlストレプトマイシン及び4 mM グルタミン(M.A. Bioproducts社製)を含むDMEM培地(Gibco社製)中で単層培養した。
【0048】
[導入操作]
ChenとOkayamaの方法(Chen, C. AND Okayama, H.:Mol. Cell. Biol. 7,2745−2752,1987)を参考に、選択マーカーとしてpcD neoを用いる改良型カルシウムリン酸法を用いた。CHO細胞は、ヒトムスカリンM1受容体の遺伝子配列を含むpcD発現ベクターが挿入されたプラスミドを用いて形質転換した。抗生物質の一種ネオマイシンのアナローグであるG-418(Gibco社製)600μg/mlを用いた選択操作は、導入後72時間目より開始し、2〜3週間、継続して行った。培地は、3日おきに交換した。クローナル細胞株は、リミッティングダイリューションクローニングを行うことにより得た。すなわち、理論的密度として1ウエルあたり1細胞になるように96ウエルプレートに移し、約2週間後、単コロニー、すなわち、性質的に同じな純粋な細胞をサブクローンし、[H]ピレンゼピン結合能を測定することにより得た。
【0049】
[膜画分の調製]
細胞を約80%のコンフルエントにまで培養し、洗浄後、氷冷した5mM 塩化マグネシウムを含む25 mM リン酸ナトリウムから成る結合緩衝液(pH7.4)(以下、結合緩衝液と略す)中で剥離し、Brinkmann Homogenizer(調節位置5)を用いて30秒間、ホモジナイズした。膜を16,000×gで15分間遠心分離して沈殿させ、この沈殿物を同条件でもう一度ホモジナイズした。タンパク質濃度は、Bradfordの方法(Bradford, M. M.:Anal. Biochem. 72,248-254,1976)に従って、Bio-Rad protein assay kit(Bio-Rad社製)を用いて測定した。膜画分は、使用するまで−80℃で凍結保存した。
結合緩衝液を用いて、分析は総容量1ml中で行い、膜画分は、タンパク質濃度が6μg/mlとなるように調整した。[H]ピレンゼピンの飽和結合試験は、放射性リガンドの濃度(2〜1400 pM)を8〜10段階の濃度に分けて行った。結合阻害試験においては、[H]ピレンゼピン(最終濃度2 nM)と製造例1で得られたケール抽出物或は製造例2で得られた各プロポリス抽出物(最終濃度:500μg/ml)とを同時に加えることにより行った。非特異的結合は、1μMのアトロピンの存在化中で結合する[H]ピレンゼピンの差として定義した。インキュベーションは、22℃で60分間行い、ガラスフィルター(Model 7019、Skatron Inc.製)を用いて迅速にろ過することにより反応を停止させた。フィルター上に結合した膜画分を、氷冷した結合緩衝液5 mlを用いて3回洗浄し、乾燥させ、シンチレーションカクテル(New England Nuclear Aquasol)10ml中に移し、LKB β-カウンターを用いて放射活性を測定した。その結果を表2に示した。阻害率(%)は、次式により算出した。
阻害率(%)=100−〔(C3−B1)/(C2 −B1)〕×100
(式中、C3は、既知量のサンプルと[3H]ピレンゼピンが共存している状態での[3H]ピレンゼピンの膜画分に対する結合量を表わし、C2は、サンプルを除いた時の[3H]ピレンゼピンの膜画分に対する結合量を表わし、B1は、過剰のアトロピン(1μM)存在下での[3H]ピレンゼピンの膜画分に対する結合量を表わす。)
【0050】
なお、本反応系におけるポジティブコントロールとしてのムスカリン1受容体の拮抗剤であるピレンゼピンのIC50値は、13 nM(4.57×10−3μg/ml)であった。表2から、本発明のケール抽出物及びプロポリス抽出物は、ムスカリン1受容体に対するピレンゼピン結合を競合的に阻害し、強いムスカリン性受容体作動化作用を有することがわかる。
【0051】
【表2】
Figure 0004445694
【0052】
[実施例3]ドーパミン1受容体結合阻害試験
ドーパミン1受容体結合阻害試験は、Zhouらの方法を参考に行った(Nature,347,76-80,1990)。3.0 kbのEcoRl-Sacl断片をpBC12BlベクターのHind lllの Bam H lサイト間にインサートし、カルシウムリン酸法によってCOS-7細胞に導入した。それから膜標品の調製は、既存の方法に従って行い、最終的にTEM緩衝液[25 mM トリス緩衝液pH7.4、6 mM 塩化マグネシウム、1 mM エチレンジアミン四酢酸(EDTA)]に懸濁し、受容体膜標品とした。各試験管に、製造例1で得られたケール抽出物或は製造例2で得られた各プロポリス抽出物(最終濃度:500μg/ml)をそれぞれ加え、ドーパミン1受容体拮抗薬である[3H]SCH 23390(アマシャム社製、最終濃度0.3 nM)、受容体膜標品(20〜30μgの蛋白質を含む)および上記緩衝液を加えて反応液(総量500 μl)とし、反応の開始は膜標品の添加により行った。30℃、60分間のインキュベーションの後、受容体に結合した標識リガンドをセルハーベスター(ブランデル社製)を用いてワットマンGF/Bグラスファイバーフィルター上に吸引濾過して反応を停止し、直ちに、氷冷50 mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)5 mlで3回洗浄した。次いで、フィルター上の放射能活性を液体シンチレーションカウンターにより測定し、全結合量を求めた。また、同時に測定した1 μM SCH 23390存在下における結合量を非特異的結合量とし、これを全結合量から差し引くことにより特異的結合量を求めた。結果を表3に示す。ここで示す阻害率(%)は、次式により算出した。
阻害率(%)=100−〔(C5−B2)/(C4 −B2)〕×100
(式中、C5は、既知量のサンプルと[3H]SCH 23390が共存している状態での[3H]SCH 23390の膜画分に対する結合量を表わし、C4は、サンプルを除いた時の[3H]SCH 23390の膜画分に対する結合量を表わし、B2は、過剰のSCH 23390(1μM)存在下での[3H]SCH 23390の膜画分に対する結合量を表わす。)なお、本反応系におけるポジティブコントロールとしてのドーパミン1受容体の拮抗剤であるSCH 23390のIC50値(ドーパミン1受容体結合を50%阻害する濃度)は、1.2 nMであった。表3からもわかるように、本発明のケール抽出物及びプロポリス抽出物に、ドーパミン1受容体作動化作用を有することがわかる。
【0053】
【表3】
Figure 0004445694
【0054】
[実施例4](ベンゾジアゼピン受容体結合阻害試験)
ベンゾジアゼピン受容体結合阻害試験は、Robert C. Spethらの方法を参考に行った(Life Sciences,24,351-358,1979)。7〜8週令のウイスター系ラットの脳より調製した粗シナプトゾーム膜分画を118 mM塩化ナトリウム,4.8 mM塩化カリウム,1.28 mM塩化カルシウムおよび1.2 mM硫酸マグネシウムを含む15 mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に懸濁(1g脳湿重量/ 20ml)し、受容体膜標品とした。また、標識リガンドとしては[3H]フルニトラゼパムを用いた。各試験管に製造例1で得られたケール抽出物或は製造例2で得られた各プロポリス抽出物(最終濃度:500μg/ml)をそれぞれ加え、[3H]フルニトラゼパム(最終濃度0.4 nM)、受容体膜標品および上記緩衝液を加えて反応液(総量1ml)とし、反応の開始は膜標品の添加により行った。0℃、20分間のインキュベーションの後、受容体に結合した標識リガンドをセルハーベスター(ブランデル社製)を用いてワットマンGF/Bグラスファイバーフィルター上に吸引濾過して反応を停止し、直ちに、氷冷50 mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.7)5mlで3回洗浄した。次いで、フィルター上の放射能活性を液体シンチレーションカウンターにより測定し、全結合量を求めた。また、同時に測定した1 μMジアゼパム存在下における結合量を非特異的結合量とし、これを全結合量から差し引くことにより特異的結合量を求めた。結果を表4に示す。ここで示す阻害率(%)は、次式により算出した。
阻害率(%)=100−〔(C7−B3)/(C6 −B3)〕×100
(式中、C7は、既知量のサンプルと[3H]フルニトラゼパムが共存している状態での[3H]フルニの膜画分に対する結合量を表わし、C6は、サンプルを除いた時の[3H]フルニトラゼパムの膜画分に対する結合量を表わし、B3は、過剰のジアゼパム(1μM)存在下での[3H]フルニトラゼパムの膜画分に対する結合量を表わす。)なお、本反応系におけるポジティブコントロールとしてのベンゾジアゼピン受容体の作動化剤であるジアゼパムのIC50値(ベンゾジアゼピン受容体結合を50%阻害する濃度)は、10 nMであった。表4から、本発明のケール抽出物及びプロポリス抽出物は、ベンゾジアゼピン受容体に対するフルニトラゼパム結合を競合的に阻害し、ベンゾジアゼピン受容体作動化作用を有することがわかる。
【0055】
【表4】
Figure 0004445694
【0056】
[実施例5](GABA受容体結合阻害試験)
ケール抽出物或はプロポリス抽出物の[H]GABAのラット由来大脳皮質GABA受容体への結合阻害試験は、AKIRA TSUJIらの方法(ANTIMICROB. AGENTS CHEMOTHER.,32(2)190-194,1988)を、一部改変して行った。
【0057】
すなわち、230-270kg体重のSD系ラット(日本クレア(株))の大脳皮質を摘出し、ポリトロンホモジナイザー(Brinkman Instrument Co. Inc.製)を用いて、速度5にて30秒間、50倍容量の1mM アスコルビン酸、1 mM テトラ酢酸ジナトリウムエチレンジアミンを含む50 mM トリス緩衝液(pH7.4)(以下、緩衝液Aと略す)中にてホモジナイズした。すべての操作において、組織を0℃に維持した。その後、ホモジネートを40,000×gにて15分間遠心分離し、得られた沈殿物を50倍容量(原重量)の緩衝液Aに再懸濁し、上述の条件と同条件で、ポリトロンにてホモジナイズした。遠心分離及び再懸濁を、3回繰り返して行った。次いで、37℃にて10分間、インキュベーションを行った。このホモジネートを、40,000×gで15分間、遠心分離し、10倍容量(原重量)の緩衝液Aに再懸濁させ(以下、膜画分と略す)、測定まで、−20℃以下で保存した。
【0058】
ラット由来大脳皮質GABA受容体への結合試験を行うにあたり、上述の膜画分を37℃にまで解氷した後、136 mM 塩化ナトリウム、5 mM 塩化カリウム、2 mM 硫酸マグネシウム、2 mM リン酸二水素カリウム、2 mM 塩化カルシウム及び1 mM アスコルビン酸、1 mM テトラ酢酸ジナトリウムエチレンジアミンを含む20 mM トリス緩衝液(pH7.4)から成る20 mM トリス−クレブス緩衝液(以下、緩衝液Bと略す)で20容量(原重量)にまでメスアップした。この膜画分を、ポリトロンホモジナイザーを用いて、速度5にて30秒間ホモジナイズし、37℃にて15分間インキュベーションし、20,000×gで10分間、遠心分離した。これにより得られた沈殿物に、洗浄、再懸濁を2回以上繰り返し、最終的に得られた沈殿物を、100倍容量(原重量)の緩衝液Bに再懸濁し、これを以下の試験に用いた。
【0059】
次ぎに、製造例1で得られたケール抽出物或は製造例2で得られた各プロポリス抽出物50μl(最終濃度:500μg/ml)と、[H]GABA(最終濃度10 nM)を50μl加え、これに上述の膜画分900μlを加えることにより反応を開始させた。22℃で20分間インキュベーションした後、ブランデル・セル・ハーベスター(Brandell Cell Harvester)を用い、減圧下、2×7.5mlのろ過洗液を用い、ホワットマン(Whatman)GF/Bフィルターを介するろ過により、反応を停止させた。ろ過後フィルター上に保持された放射能を、液体シンチレーションカウンター(Packard Model 2425、30−40% efficiency)により測定した。
【0060】
また、同時に測定した100μM非放射標識GABA存在下における結合量を非特異的結合量とし、これを全結合量から差し引くことにより特異的結合量を求めた。結果を表5に示す。ここで示す阻害率(%)は、次式により算出した。
阻害率(%)=100−〔(C9−B4)/(C8 −B4)〕×100
(式中、C9は、既知量のサンプルと[3H]GABAが共存している状態での[3H]GABAの膜画分に対する結合量を表わし、C8は、サンプルを除いた時の[3H]GABAの膜画分に対する結合量を表わし、B4は、過剰のGABA(100μM)存在下での[3H]GABAの膜画分に対する結合量を表わす。)
【0061】
なお、本測定系におけるポジティブコントロールとしてのGABAのIC50値(GABA受容体結合を50%阻害する濃度)は、11 nM(1.13×10−3μg/ml)であった。
【0062】
表5からもわかるように、本発明のケール抽出物及びプロポリス抽出物に、強いGABA受容体作動化作用を有することがわかる。
【0063】
【表5】
Figure 0004445694
【0064】
以下に処方例を示す。
【0065】
[錠剤の製造]
製造例2で得られたブラジル産プロポリスのエタノール抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成の錠剤を製造した。
(組 成) (配合:質量%)
ブラジル産プロポリス抽出物 24
乳糖 63
コーンスターチ 12
グァーガム 1
【0066】
[ジュースの製造]
製造例2で得られた中国産プロポリスの抽出物を用いて、常法に従って、下記の組成のジュースを製造した。
(組 成) (配合:質量%)
冷凍濃縮温州みかん果汁 5.0
果糖ブドウ糖液糖 11.0
クエン酸 0.2
L−アスコルビン酸 0.02
香料 0.2
色素 0.1
中国産プロポリス抽出物 0.2
水 83.28
【0067】
【発明の効果】
本発明のケール及びプロポリス、その抽出物は、ニコチン性及びムスカリン性アセチルコリン受容体、ドーパミン1受容体、ベンゾジアゼピン受容体、GABA受容体に親和性を有することから、これら受容体に関する疾患、例えば精神分裂病及びツーレット症候群、注意欠如障害、不安、読字障害、初老人性痴呆(アルツハイマー病の早期の発病)、老人性痴呆(アルツハイマー型痴呆)、パーキンソン病を含むパーキンソンニズム、ハンチントン舞踏病、晩期の運動異常、運動過剰症などに使用することができる。

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  1. ケール又はケール抽出物を含有することを特徴とするニコチン性アセチルコリン受容体結合阻害剤(食品を除く)
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