JP4445115B2 - 破砕装置の防塵・飛散防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕機から排出される製品を搬送するベルトコンベアを有する破砕装置の、製品搬送時の防塵・飛散防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図7は、従来の移動式破砕装置1aの全体構成の一例を示す一部破断側面図である。クローラ式走行体2に搭載された破砕装置搭載用フレーム3には、水平往復動により搬送するプレートフィーダ53を有するホッパ4と、ロータ51を有するインパクトクラッシャ50とが搭載されている。インパクトクラッシャ50の下方には、破砕された製品を搬送する排出用ベルトコンベア20が斜め上方に向けて配置されている。インパクトクラッシャ50の下部排出口と、排出用ベルトコンベア20との間には、排出シュート52が設けられている。ホッパ4に投入された被破砕物6はプレートフィーダ53によってインパクトクラッシャ50に供給され、インパクトクラッシャ50で破砕された後、排出用ベルトコンベア20により外部に排出される。
【0003】
図8は、従来の移動式破砕装置1aに設けられた第1例の防塵・飛散防止装置の構成を示す側面断面図である。インパクトクラッシャ50と排出用ベルトコンベア20との間には、排出側が開口した平面視コ字型の排出シュート52が設けられている。また、排出シュート52の開口部の前方で、かつ排出用ベルトコンベア20の上部にはトンネルカバー54が設けられており、トンネルカバー54の出口には1対の弾性プレート55,55が排出用ベルトコンベア20の長手方向に間隔をおいて設けられて防塵している。
【0004】
図9は、従来の第2例の防塵・飛散防止装置を有する移動式破砕装置1bの構成の一例を示す一部破断側面図である。クローラ式走行体2に搭載された破砕装置搭載用フレーム3には、振動篩式フィーダ5を有するホッパ4と、固定歯11及び動歯12を有するジョー式の破砕機10とが搭載されている。破砕機10の固定歯11と動歯12とは、上部の開いたV型形状を形成し、上部隙間より投入された被破砕物は破砕されて下部の排出口13から排出される。排出口13の下方には製品を搬送する排出用ベルトコンベア20が斜め上方に向けて配置されている。破砕機10の下方で、かつ排出用ベルトコンベア20の中間部の上方には、破砕装置搭載用フレーム3に固設されたメンバー7が車両左右方向に横切って設けられている。ホッパ4の下方には、振動篩式フィーダ5により篩い分けられた製品を排出用ベルトコンベア20の上に導いて供給するシュート8が設けられている。シュート8は、破砕機10に対して排出用ベルトコンベア20の搬送側と反対側に位置している。ジョー式の破砕機10の排出口13の下部には、破砕物即ち製品を排出用ベルトコンベア20上に導く1対のガイドプレート60,60が配置されている。
【0005】
図10は図9のD−D矢視図であり、ガイドプレート60の構成を示している。図9、図10において、破砕機10の排出口13の車両左右方向には両側面を覆う1対の側面板63,63が設けられ、1対の側面板63,63には、排出口13から落下する製品を排出用ベルトコンベア20のベルト22上に導く1対のガイドプレート60,60が、それぞれボルト64により着脱自在に締着されている。ガイドプレート60は、外側プレート61と内側プレート62とを重ね合わせて構成されている。外側プレート61と内側プレート62との大きさはほぼ同一であり、その大きさは例えば長さL3が1500mm、幅が400mm、厚さが15mm程度である。内側プレート62は磨耗が激しいため交換可能となっている。
【0006】
図11は、図9のE矢視図である。図9、図11において、メンバー7よりも排出用ベルトコンベア20の排出側の近傍の、側面板63の先端部には、複数の上下方向のスリット66を有する弾性プレート65が上端部をボルト67で吊着されている。弾性プレート65は防塵の機能を有している。
【0007】
図9において、振動篩式フィーダ5のシュート8の下部には、排出用ベルトコンベア20との間を覆う後部カバー70が取着されている。図12は後部カバー70の斜視図である。後部カバー70は破砕機10側が開口する平面視コ字形状の弾性体よりなり、例えば9本のボルト71によりシュート8の下端部に締着されている。後部カバー70はシュート8から落下する製品を排出用ベルトコンベア20に導くとともに、後方の防塵の役目も果たしている。
【0008】
しかしながら、第1例および第2例のものにおいては、防塵・飛散防止用のカバーは破砕機10の下部の排出口13近傍のみにあるため、製品がカバーの出口の弾性プレート65を出てから排出用ベルトコンベア20上を先端部近傍まで運搬される間に、多量のほこりが発生する。この問題を解決する方策としては、排出用ベルトコンベア20を破砕機10の近傍から先端部近傍までトンネル状にカバーで被覆する方法がある。その一例としては、特開平7−96209号公報に開示されたものがある。
【0009】
特開平7−96209号公報に開示されたものは、破砕機の下方に配置された搬送コンベアの搬送路を、破砕機の搬送位置から搬送方向の所定の位置まで、防塵カバーでトンネル状に覆ったものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記従来の構成においては、以下のような問題点がある。
1)上記第2例に述べた、排出用ベルトコンベア20の上方に破砕装置搭載用フレーム3のメンバー7が位置する移動式破砕装置において、排出用ベルトコンベア20の上方に防塵カバーを設けるとすると,メンバー7は防塵カバーの上方に設けられることとなる。これにより、破砕装置全体の高さが高くなり、ホッパ4への積み込み性や、破砕装置の輸送性を損なうという問題がある。
2)第1例及び第2例においては、破砕機10の下部は排出シュート52や側面板63,63により囲われているため、破砕された製品の中に混入していた鉄筋や針金等の異物の除去作業が極めて困難である。
3)第2例のものは、内側のガイドプレート60を磨耗のために交換する場合、ガイドプレート60の重量(従来例では一枚約8kg)が重く、狭い場所での交換作業が困難である。また、このときに後部カバー70をボルト9本を取って、取り外す必要があり、作業が面倒で時間を要する。
4)また第2例のものは、内側のガイドプレート60が大きいので、磨耗時の狭い場所での交換作業が困難であり、また維持費が高くなり、不経済である。
【0011】
本発明は、上記の問題点に着目してなされたものであり、破砕装置の全高を低くでき、防塵、飛散防止効果が大きく、整備作業が短時間でできる破砕機の防塵・飛散防止装置を提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段、作用及び効果】
上記の目的を達成するために、本発明に係る破砕装置の防塵・飛散防止装置の第1発明は、破砕された製品を搬出するために、破砕機の排出口の下方から斜め上方に向けて配置された排出用ベルトコンベアを備えた破砕装置の防塵・飛散防止装置において、前記破砕機の排出口の下方に、排出用ベルトコンベアの両側部に製品ガイド用の1対の排出部サイドカバーを設け、この排出部サイドカバーを外側板と内側板とから構成し、内側板の長手方向の長さを外側板よりも短くした構成としている。
【0013】
第1発明によると、破砕された製品(破砕物)は排出用ベルトコンベアの両側方を被覆するように設けた左右1対の排出部サイドカバーによって排出用ベルトコンベアに誘導されるから、製品の飛散が防止されるとともに防塵される。また、排出部サイドカバーを外側板と内側板とから構成し、内側板の長さを外側板の長さよりも短くしたため、磨耗頻度の高い内側板が小型で、軽量化されるので、内側板の交換の場合の作業が非常に容易で作業時間も短くなり、作業性を向上できるとともに、経済的で維持費も安くできる。
【0014】
第2発明は、第1発明において、前記破砕機の下方で、かつ前記排出用ベルトコンベアの上方に配置された破砕装置搭載用フレームのメンバーを備え、前記1対の排出部サイドカバーは前記メンバーとの間に長手方向に所定の隙間を有して設けられた構成となっている。
【0015】
第2発明によると、排出部サイドカバーとメンバーとの間に長手方向に所定隙間を設けたため、製品(破砕物)に鉄筋や針金等の異物が混在しても、排出口側方から容易に除去することができるので、作業能率を向上できる。
【0018】
第3発明は、破砕された製品を搬出するために、破砕機の排出口の下方から斜め上方に向けて配置された排出用ベルトコンベアを備えた破砕装置の防塵・飛散防止装置において、前記排出用ベルトコンベアの搬出方向と反対側に、排出用ベルトコンベアの上面との間を覆う後部カバーが設けられ、この後部カバーは、排出用ベルトコンベアを横切る後面部に開口する窓部を形成したカバー部材と、この窓部を覆う着脱自在な窓カバーとを有する構成としている。
【0019】
第3発明によると、排出用ベルトコンベアの後端部に設けた後部カバーによって、破砕機の排出口近傍と排出用ベルトコンベアの上面との間を覆うため、製品の飛散防止及び防塵ができる。また、後部カバーの後面部(後端側)に窓部を形成し、この窓部を着脱自在な窓カバーで覆うようにしたため、破砕機の排出口下部の整備や、前述した排出部サイドカバーの内側板の交換等の作業が短時間で、容易にできるので、作業性を向上できる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下に本発明に係る破砕機の防塵・飛散防止装置の実施形態について、図面を参照して詳述する。
【0021】
図1は、本発明の防塵・飛散防止装置を備えた移動式破砕装置1の一部断面側面図である。クローラ式走行体2に搭載された破砕装置搭載用フレーム3には、振動篩式フィーダ5を有するホッパ4と、固定歯11および動歯12を有するジョー式の破砕機10が搭載されている。破砕機10下部の排出口13の下方には、排出用ベルトコンベア20が、ホッパ4の反対側の斜め上方に向けて配置されている。破砕機10の下方で、かつ排出用ベルトコンベア20の搬出側の上方には、排出用ベルトコンベア20を横切って、破砕装置搭載用フレーム3のメンバー7が設けられている。振動篩式フィーダ5の破砕機10側の端部には篩い分けられた製品を排出用ベルトコンベア20に供給するシュート8が設けられている。排出用ベルトコンベア20の上部には、搬出側のメンバー7の近傍から上方の排出部21の近傍まで、トンネル状に被覆する防塵カバー23が取着されている。
【0022】
図2は図1のA−A矢視図であり、防塵カバー23の構成を示している.図2において、排出用ベルトコンベア20を支持する1対のサイドフレーム24,24の上部間には防塵カバー23がボルト25により取着され、ベルト22とともにトンネル部26を形成している。製品搬送時の埃は防塵カバー23により防塵される。メンバー7から破砕機10の下方にかけて開放部分があるが、排出用ベルトコンベア20の運転を開始すると、前記トンネル部26は煙突効果を発揮し、開放部分の埃もトンネル部26に吸引され、埃は四散しない。このことは、本発明者らの実験により確認されている。尚、防塵カバー23は鉄、布又はビニール等により構成される。
【0023】
図3は破砕機10の下部の詳細を示す側面断面図である。破砕機10の排出口13の下方には排出用ベルトコンベア20の長手方向の左右側部に1対の排出部サイドカバー30,30が設けられている。排出部サイドカバー30とメンバー7との間には隙間Sが設けられている。図4は図3のB−B矢視図である。図3,図4において、破砕機10の下部の左右に固設された側面板34,34に取着されたブラケット35,35には、排出部サイドカバー30,30がボルト33,33により締着されている。排出部サイドカバー30は外側板31と、内側板32とを2枚重ねて構成されており、図3に示すように、内側板32の長さL2は外側板31の長さL1よりも短い。例えば,外側板31の長さL1の1320mmに対して、内側板32の長さL2は660mmである。
【0024】
また図3において,シュート8の下端部と排出用ベルトコンベア20の上面との間には、後部カバー40が設けられている.図5は図3のC矢視図であり,図6は後部カバー40の構成を示す斜視図である。図3,図5,図6において、後部カバー40はカバー部材41と窓カバー45とを備えている。即ち、シュート8の下端部には、後面部42と左右の側面部43,43とからなるコ字形状のカバー部材41が取着されている。後面部42には、下方が開口した窓部44が形成されている。また後面部42の後方には、この窓部44を覆う窓カバー45が、シュート8の下端部近傍に位置する破砕装置搭載用フレーム3に固設されたメンバー47に、例えば4本のボルト46により締着されている。
【0025】
以下に作動について説明する。図1において,ホッパ4に投入された被破砕物は振動篩式フィーダ5により篩い分けられ、所定粒径以下の製品はシュート8から落下し、後部カバー40にガイドされて排出用ベルトコンベア20上に落ちる。篩上の被破砕物は破砕機10の上部から投入され、固定歯11と動歯12とで破砕されて排出口13から排出され、排出部サイドカバー30でガイドされて排出用ベルトコンベア20上に落下する。排出用ベルトコンベア20上に落下した製品は,排出用ベルトコンベア20のトンネル部26を通って排出部21から排出される。このとき、製品中に混入した鉄筋や針金等の異物は、メンバー7と排出部サイドカバー30との隙間S(図3参照)から除去することができる。また、磨耗した排出部サイドカバー30の内側板32は、後部カバー40の窓カバー45を取り外して交換することができる。
【0026】
本発明の破砕機の防塵・飛散防止装置は上述のような構成としたため,以下のような効果が得られる。
1)前述のように、ベルトコンベア20にメンバー7の近傍から排出部21近傍まで、防塵カバー23によりトンネル部26を設けたため、排出部サイドカバー30の端部との間に隙間Sがあってもトンネル部26の煙突効果によって埃はトンネル部26に吸引され、防塵される。
2)ベルトコンベア20の防塵カバー23をメンバー7の端部から設けたため、図1に示す移動式破砕装置1の高さHを低くすることができ,ホッパ4への積み込み作業性および破砕装置の輸送性を向上できる。
3)メンバー7と排出部サイドカバー30との間に隙間Sを設けたため、例えば破砕物に鉄筋や針金等の異物が混入していた場合でも、これの除去作業を容易に行うことができ,作業性が向上する。
4)排出部サイドカバー30の磨耗頻度が高い内側板32の長さを外側板31よりも短くしたため、その重量は例えば従来のものの8kgに比して約4kgと軽い。従って、内側板32の交換作業が非常に容易となり、また維持費が安く経済的である。
5)後部カバー部40に窓部44を設け、窓カバー45でボルト46により着脱自在にカバーしたため、窓カバー45取り外すだけで破砕機10の下部の整備や,排出部サイドカバー30の内側板32の交換が容易に可能となり、作業性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の防塵・飛散防止装置を備えた移動式破砕装置の側面図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】本発明の防塵・飛散防止装置の詳細側面断面図である。
【図4】図3のB−B矢視図である。
【図5】図3のC矢視図である。
【図6】後部カバーの構成を示す斜視図である。
【図7】従来の移動式破砕装置の一部破断側面図である。
【図8】従来の第1例の防塵・飛散防止装置の側面断面図である。
【図9】従来の第2例の防塵・飛散防止装置の一部破断側面図である。
【図10】図9のD−D矢視図である。
【図11】図9のE矢視図である。
【図12】従来の第2例の防塵・飛散防止装置の後部カバーの斜視図である。
【符号の説明】
1…移動式破砕装置、3…破砕装置搭載用フレーム、7…メンバー、8…シュート、10…破砕機、13…排出口、20…排出用ベルトコンベア、21…排出部、22…ベルト、23…防塵カバー、24…サイドフレーム、26…トンネル部、30…排出部サイドカバー、31…外側板,32…内側板,40…後部カバー、41…カバー部材、42…後面部,43…側面部、44…窓部、45…窓カバー。
Claims (3)
- 破砕された製品を搬出するために、破砕機(10)の排出口(13)の下方から斜め上方に向けて配置された排出用ベルトコンベア(20)を備えた破砕装置の防塵・飛散防止装置において、
前記破砕機(10)の排出口(13)の下方に、排出用ベルトコンベア(20)の両側部に製品ガイド用の1対の排出部サイドカバー(30,30)を設け、この排出部サイドカバー(30)を外側板(31)と内側板(32)とから構成し、内側板(32)の長手方向の長さを外側板(31)よりも短くしたことを特徴とする破砕装置の防塵・飛散防止装置。 - 前記破砕機(10)の下方で、かつ前記排出用ベルトコンベア(20)の上方に配置された破砕装置搭載用フレーム(3)のメンバー(7)を備え、前記1対の排出部サイドカバー(30,30)は前記メンバー(7)との間に長手方向に所定の隙間を有して設けられたことを特徴とする請求項1に記載の破砕装置の防塵・飛散防止装置。
- 破砕された製品を搬出するために、破砕機(10)の排出口(13)の下方から斜め上方に向けて配置された排出用ベルトコンベア(20)を備えた破砕装置の防塵・飛散防止装置において、
前記排出用ベルトコンベア(20)の搬出方向と反対側に、排出用ベルトコンベア(20)の上面との間を覆う後部カバー(40)が設けられ、この後部カバー(40)は、排出用ベルトコンベア(20)を横切る後面部(42)に開口する窓部(44)を形成したカバー部材(41)と、この窓部(44)を覆う着脱自在な窓カバー(45)とを有することを特徴とする破砕装置の防塵・飛散防止装置。
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