JP4444029B2 - 冷却装置 - Google Patents
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Description
金属製の熱導体は例えば熱伝導性に優れた銅板、アルミニウム板等が用いられる。発熱体からの熱を銅板、アルミニウム板によって熱移動し、熱的に接続された放熱フィンによって、所定の場所に放熱される。
ヒートパイプには、その形状において、丸パイプ形状のヒートパイプ、平面形状の板状ヒートパイプがある。複数個のセルを備えた二次電池等の被冷却部品の冷却用としては、個々のセルの発生する熱を放熱するために、広い接触面が得られることから、板状ヒートパイプが好んで用いられる。
ヒートパイプの内部には作動流体の流路となる空間が設けられ、その空間に収容された作動流体が、蒸発、凝縮等の相変化や移動をすることによって、熱の移動が行われる。
ヒートパイプの吸熱側において、ヒートパイプを構成する容器の材質中を熱伝導して伝わってきた被冷却部品が発する熱を潜熱として吸収して、作動流体が蒸発し、その蒸気がヒートパイプの放熱側に移動する。放熱側においては、作動流体の蒸気は凝縮して潜熱を放出するとともに、再び液相状態に戻る。このように液相状態に戻った作動流体は再び吸熱側に移動(還流)する。このような作動流体の相変態や移動によって熱の移動が行われる。
重力式のヒートパイプにおいては、相変態によって液相状態になった作動流体は、重力によって、吸熱側に移動(還流)する。
冷却空洞部102は、空気が送り込まれる送風口2a及び冷却空洞部内を通過した空気が排出される排気口2bを備えており、これらの開口部がある部分以外は、閉鎖された空洞からなっている。
この理由は、冷却風に対する抵抗(風損)が、送風口2aから排気口2bまでの冷却風が通り抜ける距離の大きさに従うためで、当然ながら送風口2aに近い(=排気口2b)に近い側では風損が小さく、遠い側では風損が大きくなるためである。
この発明の冷却装置の1つの態様は、冷却用空気を送りこむ送風口と、冷却用空気を排出する排気口と、送風口から排気口に冷却用空気が循環する冷却空洞部と、冷却用空洞部内にその一部が収納された、複数の放熱フィンからなるフィン列を備えて並列配置された複数の熱導体と、送風口からの冷却用空気の流れを規制する空気流規制部材とを備えた冷却装置である。
空気流規制部材は、例えば、記送風口からの冷却用空気の一部を並列配置された熱導体の送風口から離れた所定位置のフィン列に移動させる補助ダクトからなっている。空気流規制部材は、例えば、熱導体の上端部に配置されて、冷却用空気の各フィン列への流入を規制する板部材からなっていてもよい。熱導体は、ヒートパイプからなっていてもよい。
図示しないが収容部3内には、複数の概ね矩形の熱導体、例えば板状ヒートパイプが、その短軸が垂直方向に沿って位置するように並列して配置されている。板状ヒートパイプの長軸方向の一方の端部には、図1に示すように、放熱部1が位置し、図示しない他方の端部には吸熱部が連接して設けられている。この吸熱部には例えば電子機器等の複数個の発熱体が取り付けられて、収容部3内に収容されている。
冷却空洞部2は、空気が送り込まれる送風口2a及び冷却空洞部内のフィン列の間を通過した空気が排出される排気口2bを備えており、これらの開口部がある部分以外は、閉鎖された空洞からなっている。
冷却風は矢印aに示す様に、送風口2aから冷却空洞部2の内部に送り込まれる。冷却風の一部は、補助ダクト4内を矢印a−1に示すように進み、送風口から遠くに位置する熱導体に取り付けられたフィン列に送り込まれる。フィン列に送り込まれた冷却風は、ほぼ直角に向きを変えて各冷却フイン1aを吹き抜けて冷却した後に、矢印c−1に示す様に再びほぼ直角に向きを変えて最終的に排気口2bから冷却空洞部の外部に排出される。
冷却風の残りは、補助ダクトの外側を矢印a−2に示すように進み、送風口の近くに位置する熱導体に取り付けられたフィン列に送り込まれる。フィン列に送り込まれた冷却風は、ほぼ直角に向きを変えて各冷却フイン1aを吹き抜けて冷却した後に、矢印c−2に示す様に再びほぼ直角に向きを変えて、送風口から遠くに位置するフィン列を吹きぬけた冷却風と共に最終的に排気口2bから冷却空洞部の外部に排出される。
即ち、送風ダクトを改良して、各放熱フィンを吹き抜ける冷却風を、送風口に近い側と遠い側とで均一にして、それぞれの放熱フィンの冷却効率を均一にする。
以上の様に、平面型ヒートパイプの放熱部1の各々に冷却風が送りこまれて、これらを冷却し、結果的には、板状ヒートパイプの放熱部1に連接された吸熱部に取り付けられた例えば電子機器等の発熱体を冷却する。
補助ダクトの開口面積が0.3α未満の場合には、送風口から遠く位置するフィン列の間に冷却用空気を充分に送り込むことができず、風損の均一化による熱導体の均一な冷却が困難になる。補助ダクトの開口面積が0.7αを超えると、送風口から近くに位置するフィン列の間を通過させる冷却用空気の量が不十分になり、風損の均一化による熱導体の均一な冷却が困難になる。
図2は、この発明の冷却装置の他の1つの態様を示す概念図(部分斜視図)である。図2に示すように、複数の概ね矩形の熱導体が、その短軸が垂直方向に沿って位置するように並列して配置されている。熱導体の長軸方向の一方の端部には、放熱部1が位置し、図示しない他方の端部には吸熱部が連接して設けられている。この吸熱部には例えば電子機器等の複数個の発熱体が取り付けられて、収容部3内に収容されている。
冷却空洞部2は、空気が送り込まれる送風口2a及び冷却空洞部内のフィン列の間を通過した空気が排出される排気口2bを備えており、これらの開口部がある部分以外は、閉鎖された空洞からなっている。
即ち、冷却風は矢印aに示す様に、送風口2aから冷却空洞部2の内部に送り込まれる。冷却風は矢印a−1に示すように板部材5の表面に沿って進み、一部が矢印b−1に示すようにほぼ直角に向きを変えて第1の板部材と隣接する第2の板部材の間の間隙を通って垂直方向に各冷却フイン1aを吹き抜けて冷却した後に、更に、矢印c−1に示すように直角方向に向きを変えて最終的に排気口2bから冷却空洞部の外部に排出される。
このように空気の流れが、板部材およびその間に設けられた間隙によって規制されているので、送風口の近くのフィン列を通過する冷却用空気の量を相対的に減少し、送風口から遠い位置のフィン列を通過する冷却用空気の量を相対的に増加させることができ、各放熱フィンを通過する風量の格差を少なくして発熱体を均等に冷却することができる。
即ち、冷却風は矢印aに示す様に、送風口2aから冷却空洞部2の内部に送り込まれる。冷却風は矢印a−1に示すように板部材7の表面に沿って進み、一部が矢印b−1に示すようにほぼ直角に向きを変えて第1のスリットを通って垂直方向に各冷却フイン1aを吹き抜けて冷却した後に、更に、矢印c−1に示すように直角方向に向きを変えて排気口2bから冷却空洞部の外部に排出される。
このように空気の流れが、板部材およびそれに設けられた複数のスリットによって規制されているので、送風口の近くのフィン列を通過する冷却用空気の量を相対的に減少し、送風口から遠い位置のフィン列を通過する冷却用空気の量を相対的に増加させることができ、各放熱フィンを通過する風量の格差を少なくして発熱体を均等に冷却することができる。
即ち、冷却風は矢印aに示す様に、送風口2aから冷却空洞部2の内部に送り込まれる。冷却風は矢印a−1に示すように板部材10の表面に沿って進み、一部が矢印b−1に示すようにほぼ直角に向きを変えて第1のスリットを通って垂直方向に各冷却フイン1aを吹き抜けて冷却した後に、更に、矢印c−1に示すように直角方向に向きを変えて排気口2bから冷却空洞部の外部に排出される。
このように空気の流れが、板部材およびそれに設けられた送風口から遠ざかるに従って順次その幅が大きくなる複数のスリットによって規制されているので、送風口の近くのフィン列を通過する冷却用空気の量を相対的に減少し、送風口から遠い位置のフィン列を通過する冷却用空気の量を相対的に増加させることができ、各放熱フィンを通過する風量の格差を少なくして発熱体を均等に冷却することができる。
図6(b)に示すように、一方の端部に送風口、他方の端部に排気口を設ける場合には、スリットは、図5(d)に示すように設ける。即ち、図5(d)に示すように、送風口から排気口に向かって冷却用空気が流れる。その際、送風口から排気口に向かって風の通路の幅が次第に狭くなっている。この態様においては、送風口から排気口への直進通路を通る風が量的に多くなりがちとなるので、送風口近傍のスリット(風の通路)の幅を大きくして、流入空気の源で風量の分散化を図っている。その結果、冷却用空気の大部分が送風口から排気口への直進通路を通過するのではなく、設定された風の通路を必要な量の風が流れ、冷却効率を高めることができる。
熱導体は、板状ヒートパイプであってもよい。板状ヒートパイプは、例えば、2枚の銅板によって形成された密閉された空洞部を備える銅製コンテナからなっている。銅製コンテナの内部には、ウイックおよび作動液としての水が、脱ガス処理後に封入されている。2枚の銅板の四周を囲む周辺部は、シーム溶接によって水密に接合されている。一方の板材で他方の板材の周辺部を挟み込んでカシメ等によって機械的に接合してもよい。
その結果を図7に示す。図7において、縦軸は風量を、横軸は送風口からの距離をそれぞれ示す。従来の冷却装置においては、送風口の近くでは風量が著しく多く、送風口から概ね1/3のところまで急激に風量が低下し、空洞部の概ね半分の距離で殆ど風量がなくなっている。即ち、送風口から遠い位置の板状ヒートパイプには、吹き込まれた冷却用空気が殆ど到達しないことがわかる。これに対して、図2に示す態様のこの発明の冷却装置および図4に示す態様のこの発明の冷却装置においては、送風口の近くの板状ヒートパイプにも、送風口から遠くに位置する板状ヒートパイプにも概ね同一風量が確保されていることがわかる。
1a.放熱フィン
・ 空洞部
2a.送風口
2b.排気口
・ 収容部
・ 補助ダクト
5.板部材(仕切板)
・ 間隙
7、10.板部材
8、11.スリット
101.熱導板(板状ヒートパイプ)
101a.冷却フィン
102.冷却空洞部
Claims (4)
- 冷却用空気を送りこむ送風口と、前記送風口と同じ端部に設けられた前記冷却用空気を排出する排気口と、前記送風口から前記排気口に前記冷却用空気が流れる冷却用空洞部と、前記冷却用空洞部内にその一部が収納された、複数の放熱フィンからなるフィン列を備えて並列配置された複数の熱導体と、前記送風口からの冷却用空気の流れを規制する空気流規制部材とを備えた冷却装置であって、
前記空気流規制部材が、前記熱導体の上端部に配置されて前記冷却用空気の各フィン列への流入を規制する、幅の異なる複数のスリットを備えた1つの板部材であって、前記スリットの幅が排気口から遠ざかるに従って順次大きくなっている板部材、または、前記熱導体の上端部に配置されて前記冷却用空気の各フィン列への流入を規制する、別個の板部材であって、前記別個の板部材の間隔が排気口から遠ざかるに従って順次大きくなっている板部材であることを特徴とする冷却装置。 - 前記冷却用空洞部は、前記熱導体の前記その一部と少なくとも1つの発熱体が熱的に接続された他の部分との間が仕切り部材によって仕切られて形成されており、前記フィン列は、複数の前記放熱フィンが前記熱導体の短軸方向に沿って並列配置されて形成されており、前記フィン列の先端部が隣接する他の熱導体のフィン列の先端部と概ね接するように前記熱導体が並列に配置されており、前記送風口からの前記冷却用空気が前記放熱フィンの長軸方向に沿って流れる、請求項1に記載の冷却装置。
- 前記冷却用空気が前記1つの板部材または前記別個の板部材の表面に沿って流れ、前記1つの板部材または前記別個の板部材によって規制された量の前記冷却用空気が対応するフィン列を流れる、請求項1に記載の冷却装置。
- 前記熱導体が板状ヒートパイプからなっている、請求項1に記載の冷却装置。
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