JP4444019B2 - 熱交換器の製造方法、熱交換器、硫酸分解器、及び、水素製造装置 - Google Patents

熱交換器の製造方法、熱交換器、硫酸分解器、及び、水素製造装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱交換器の製造方法、熱交換器、硫酸分解器、及び、水素製造装置に関し、特にプレート型の熱交換器の製造方法、熱交換器、硫酸分解器、及び、水素製造装置に関する。
ヨウ素と二硫化硫黄と水とを用いて熱化学的に水素を製造する方法が知られている。図1は、その方法を用いた従来の水素製造装置を示すブロック図である。
水素製造装置は、反応器110、分離器120、濃縮器130、分解器140、冷却分離器150、濃縮器160、分解器170、冷却分離器180を具備する。
反応器110は、ヨウ素(I)と二酸化硫黄(SO)と水(HO)とをブンゼン反応させて硫酸(HSO)及びヨウ化水素(HI)を生成する。当該反応により生成された硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液の流通する配管で分離器120に接続されている。分離器120は、硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液を比重差により分離する。ヨウ化水素水溶液の流通する配管で濃縮器130に接続されている。硫酸水溶液の流通する配管で濃縮器160に接続されている。
濃縮器130は、ヨウ化水素水溶液を、水分を減少させて濃縮する。除去された水分の流通する配管で反応器110に接続されている。濃縮されたヨウ化水素水溶液の流通する配管で分解器140に接続されている。分解器140は、濃縮されたヨウ化水素水溶液を加熱してヨウ素(I)ガスと水素(H)ガスと水蒸気とに分解する。ヨウ素ガス、水素ガス及び水蒸気の流通する配管で冷却分離器150に接続している。冷却分離器150は、分解生成したヨウ素ガス及び水素ガスを冷却してヨウ素を液化させることによりヨウ素と水素ガスとを分離する。水素ガスは、水素回収容器101に回収される。水素ガスの流通する配管で水素回収装置101に接続されている。ヨウ素及び水の流通する配管で反応器110に接続されている。
濃縮器160は、硫酸水溶液を、水分を減少させて濃縮する。除去された水分の流通する配管で反応器110に接続されている。濃縮された硫酸水溶液の流通する配管で分解器170に接続されている。分解器170は、濃縮された硫酸水溶液を加熱して二酸化硫黄(SO)ガスと酸素(O)ガスと水蒸気とに分解する。二酸化硫黄ガス、酸素ガス及び水蒸気の流通する配管で冷却分離器180に接続されている。冷却分離器180は、分解生成した二酸化硫黄ガス、酸素ガス及び水蒸気を冷却して水蒸気を液化させることにより水と二酸化硫黄ガス及び酸素ガスとを分離する。二酸化硫黄ガス及び酸素ガスの流通する配管で反応器110に接続されている。水(一部硫酸水溶液)の流通する配管で、濃縮器160と接続されている。反応器110の酸素ガスは、酸素回収容器102に回収される。
分解器170について、詳細に説明する。図2は、従来の分解器170を示す斜視図である。分解器170は、セラミックスのような材料からなるブロック状の本体171を有する。本体171は、第1面とそれに対向する第2面との間を連通する複数の流通路171aと、第3面とそれに対向する第4面との間を連通する複数の流通路171bとを形成されている。流通路171aの方向と流通路171bの方向とは直交している。
一方の流通路171a内に加熱ガス(例示:ヘリウム)を流通させ、他方の流通路171bに濃縮された硫酸水溶液を流通させる。それにより、その硫酸水溶液を加熱して、二酸化硫黄ガスと酸素ガスと水蒸気とに分解することができる。
このような従来の水素製造装置を使用する水素製造方法を次に説明する。
反応器110内に水を供給すると共に、ヨウ素及び二酸化硫黄を供給して反応させると、ブンゼン反応により、下記の式(1)に示す発熱反応(約100℃)を生じて硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液が生成する。
2H0(L)+I(L)+SO(G)→HSO(aq)+2HI(aq)…(1)
上記反応により生成した液分(硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液)を反応器110から分離器120に送給する。分離器120では、下方に位置するヨウ化水素水溶液を濃縮器130に送給し、上方に位置する硫酸水溶液を濃縮器160に送給する。
ヨウ化水素水溶液を濃縮器130で加熱(約100〜250℃)して水分を蒸発留去することにより、ヨウ化水素水溶液を濃縮する。その後、濃縮されたヨウ化水素水溶液を分解器140に供給する。なお、留去された水分は、反応器110に戻されて、原料として再利用される。
濃縮されたヨウ化水素水溶液を分解器140で加熱(約250℃)する。そうすると、下記の式(2)に示すように、ヨウ化水素がヨウ素ガスと水素ガスとに分解する。
2HI(L)→H(G)+I(C)…(2)
分解生成したヨウ素ガス及び水素ガスを冷却分離器150に供給して冷却(約100〜200℃)する。それにより、ヨウ素ガスが液化され、水素ガスとヨウ素とが分離される。水素ガスは、水素凹収容器101に回収される。分離されたヨウ素は、付随していた水分と共に反応器110に再び供給されて、再利用される。
他方、濃縮器160に送給された硫酸水溶液を加熱(約100〜450℃)して水分を蒸発留去することにより、硫酸水溶液を濃縮する。その後、濃縮された硫酸を分解器170に供給する。なお、留去された水分は、反応器110に戻されて、原料として再利用される。
濃縮された硫酸を分解器170で加熱(約450〜850℃)する。そうすると、下記の式(3)に示すように、硫酸が二酸化硫黄ガスと酸素ガスと水蒸気とに分解する。
SO(L)→SO(G)+H0(G)
→SO(G)+1/2O(G)+HO(G)…(3)
分解生成した上記ガスを冷却分離器180に供給して冷却(約100℃)する。それにより、水蒸気が液化される。二酸化硫黄ガスと酸素ガスとは、反応器110に供給される。二酸化硫黄は、再利用される。酸素ガスは、酸素回収容器102に回収される。水は、濃縮器160に供給され、残存する硫酸が再分解される。
したがって、上述したような水素製造装置は、ヨウ素及び二酸化硫黄を利用することにより、水のみを原料として水素を製造することができる。
前述したようなヨウ素及び二酸化硫黄を利用する水素製造装置において、熱交換により硫酸を濃縮、気化、分解する装置(熱交換器)は、高温、高濃度硫酸中で使用される。そのため、セラミックスのような耐熱性、耐食性を有する材料で製造される必要がある。セラミックスを用いて複数の流通路を有する構造を製造するには、非常にコストと労力とを必要とする。加えて、設計変更に柔軟に対応することが難しい。
また、水素製造装置において、効率の向上のために、熱エネルギをできるだけ有効に利用することが求められる。特に、分解器による硫酸のガス化エネルギ効率の向上が強く求められる。
特開昭63−248701号公報
本発明の目的は、コストを抑制しつつ、設計変更に柔軟に対応できる熱交換器、熱交換器の製造方法、その熱交換器を用いた硫酸分解器、及び、水素製造装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、複雑な流路形成や流路の最適化が可能な熱交換器、熱交換器の製造方法、その熱交換器を用いた硫酸分解器、及び、水素製造装置を提供することにある。
本発明の別の目的は、硫酸のガス化エネルギ効率が高い熱交換器、熱交換器の製造方法、その熱交換器を用いた硫酸分解器、及び、水素製造装置を提供することにある。
以下に、発明を実施するための最良の形態で使用される番号・符号を用いて、課題を解決するための手段を説明する。これらの番号・符号は、特許請求の範囲の記載と発明を実施するための最良の形態との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、特許請求の範囲に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
従って、上記課題を解決するために、本発明の熱交換器の製造方法は、(a)ステップ〜(e)ステップを具備する。(a)ステップは、第1マニホールド(73)と、第2マニホールド(74)と、少なくとも一つの第1板(472)と、少なくとも一つの第2板(471)とを準備する。ここで、第1マニホールド(73)は、第1供給口(82)と、第1供給口(82)に連通する第1送出口(84)とを有する。第1板(472)は、第1面と第2面と第3面と第4面とを含み、その第1面からその第2面へ貫通する第1穴(472d)及び第2穴(472e)と、その第1面に形成され第1穴(472d)と第2穴(472e)の間をつなぐ第1溝(472f)と、その第2面に形成されその第3面からその第4面へ達する第2溝(472b、472a、472c)とを有する。第2板(471)は、第5面と第6面とを含み、その第5面からその第6面へ貫通する第3穴(471b)及び第4穴(471a)と、を有する。第2マニホールド(74)は、第2供給口(85)と、第2供給口(85)に連通する第2送出口(86)とを有する。(b)ステップは、第1板(472)及び第2板(471)のいずれか一方としての第1積層板(472/471)を、第1マニホールド(73)上に接着層を介して配置する。(c)ステップは、第1積層板(472/471)とは異なる第1板(472)及び第2板(471)のいずれか一方としての第2積層板(471/472)を、第1積層板(472/471)上に接着層を介して配置する。(d)ステップは、第2マニホールド(74)を、第2積層板(471/472)上に接着層を介して配置し、構造体とする。(e)ステップは、その構造体に所定の熱処理を施して、その接着層を、シール性を有する接合層にする。その第1面とその第5面又はその第6面とは実質的に同じ方向を向く。第1送出口(84)と第1穴(472d)と第3穴(471b)とは連通する。第2穴(472e)と第4穴(471a)と第2供給口(85)とは連通する。
上記課題を解決するために、本発明の熱交換器の製造方法は、(a)ステップ〜(e)ステップを具備する。(a)ステップは、第1マニホールド(73)と、第2マニホールド(74)と、少なくとも一つの第1板(71)と、少なくとも一つの第2板(72)とを準備する。ここで、第1マニホールド(73)は、第1供給口(82)と、第1供給口(82)に連通する第1送出口(84)とを有する。第1板(71)は、第1面と第2面とを含み、その第1面からその第2面へ貫通する第1穴(71b)及び第2穴(71c)と、その第1面に形成され第1穴(71b)と第2穴(71c)の間をつなぐ第1溝(71a)とを有する。第2板(72)は、第3面と第4面と第5面と第6面とを含み、その第3面からその第4面へ貫通する第3穴(72d)及び第4穴(72e)と、その第3面に形成されその第5面からその第6面へ達する第2溝(72b、72a、72c)とを有する。第2マニホールド(74)は、第2供給口(85)と、第2供給口(85)に連通する第2送出口(86)とを有する。(b)ステップは、第1板(71)及び第2板(72)のいずれか一方としての第1積層板(71/72)を、第1マニホールド(73)上に接着層を介して配置する。(c)ステップは、第1積層板(71/72)とは異なる第1板(71)及び第2板(72)のいずれか一方としての第2積層板(72/71)を、第1積層板(71/72)上に接着層を介して配置する。(d)ステップは、第2マニホールド(74)を、第2積層板(72/71)上に接着層を介して配置し、構造体とする。(e)ステップは、その構造体に所定の熱処理を施して、その接着層を、シール性を有する接合層にする。その第1面とその第3面とは実質的に同じ方向を向く。第1送出口(84)と第1穴(71b)と第3穴(72d)とは連通する。第2穴(71c)と第4穴(72e)と第2供給口(85)とは連通する。
上記の熱交換器の製造方法において、(d)ステップの前に、(f)他の第1積層板(71/72)を、接着層を介して第2積層板(72/71)上に配置するステップをさらに具備する。(d)ステップは、第2積層板(72/71)の代わりに、他の第1積層板(71/72)上に接着層を介して第2マニホールド(74)を配置する。
上記の熱交換器の製造方法において、(c)ステップの前に、(g)別の第2積層板(72/71)を、第1積層板(71/72)上に接着層を介して配置するステップと、(h)別の第1積層板(71/72)を、第2積層板(72/71)上に接着層を介して配置するステップとを更に具備する。(b)及び(c)ステップを、第1板及(71)び第2板(72)が所定の枚数となるまで繰り返す。
上記の熱交換器の製造方法において、(e)ステップは、(e1)その接着層を加熱処理して焼結させるステップと、(e2)焼結されたその接着層にシール材を付与するステップとを具備する。
上記の熱交換器の製造方法において、第1マニホールド(73)、第1板(71)、第2板(72)及び第2マニホールド(74)は、第1セラミックス材料及び炭素材料のうちの少なくとも一つを材料として含む。
上記の熱交換器の製造方法において、その接着層は、第2セラミックス材料を含むスラリを塗布して形成される。
上記の熱交換器の製造方法において、その第1セラミックス材料及びその第2セラミックス材料は、炭化ケイ素を含む。そのシール材は、溶融したシリコンを含む。
上記の熱交換器の製造方法において、第1マニホールド(73)、第1板(71)、第2板(72)及び第2マニホールド(74)は、第1マニホールド(73)、第1板(71)、第2板(72)及び第2マニホールド(74)の四隅を貫通する四つの棒(91)を利用して一体化される。
上記課題を解決するために、本発明の熱交換器は、第1流体と第2流体とを供給され、その第1流体とその第2流体との間で熱交換を行う熱交換器本体(471,472)と、熱交換器本体(471,472)に結合された第1マニホールド(73)と、熱交換器本体(471,472)に結合された第2マニホールド(74)とを具備する。第1マニホールド(73)は、その第1流体が流入する第1供給口(82)と、その第1流体が流出する第1送出口(84)とを有する。第2マニホールド(74)は、その第1流体が流入する第2供給口(85)と、その第1流体が流出する第2送出口(86)とを有する。熱交換器本体(471,472)は、複数の第1板(472)と複数の第2板(471)とを備える。第1板(472)と第2板(471)とは所定の順番で積層される。第1板(472)は、第1面と第2面と第3面と第4面とを含み、その第1面からその第2面へ貫通する第1穴(472d)及び第2穴(472e)と、その第1面に形成され第1穴(472d)と第2穴(472e)の間をつなぐ第1溝(472f)と、その第2面に形成されその第3面からその第4面へ達する第2溝(472b、472a、472c)とを有する。第2板(471)は、第5面と第6面とを含み、その第5面からその第6面へ貫通する第3穴(471b)及び第4穴(471a)とを有する。その第1面とその第5面又はその第6面とは実質的に同じ方向を向く。第1供給口(84)と第1穴(472d)と第3穴(471b)とは連通する。第2穴(472e)と第4穴(472a)と第2供給口(85)とは連通する。
上記課題を解決するために、本発明の熱交換器は、第1流体と第2流体とを供給され、その第1流体とその第2流体との間で熱交換を行う熱交換器本体(71,72)と、熱交換器本体(71、72)に結合された第1マニホールド(73)と、熱交換器本体(71,72)に結合された第2マニホールド(74)とを具備する。第1マニホールド(73)は、その第1流体が流入する第1供給口(82)と、その第1流体が流出する第1送出口(84)とを有する。第2マニホールド(74)は、その第1流体が流入する第2供給口(85)と、その第1流体が流出する第2送出口(86)とを有する。熱交換器本体(71、72)は、複数の第1板(71)と複数の第2板(72)とを備える。第1板(71)と第2板(72)とは所定の順番で積層される。第1板(71)は、第1面と第2面とを含み、その第1面からその第2面へ貫通する第1穴(71b)及び第2穴(71c)と、その第1面に形成され、第1穴(71b)と第2穴(71c)の間をつなぐ第1溝(71a)とを有する。第2板(72)は、第3面と第4面と第5面と第6面とを含み、その第3面からその第4面へ貫通する第3穴(72d)及び第4穴(72e)と、その第3面に形成され、その第5面からその第6面へ達する第2溝(72b、72a、72c)とを有する。その第1面とその第3面とは実質的に同じ方向を向く。第1供給口(84)と第1穴(71b)と第3穴(72d)とは連通する。第2穴(71c)と第4穴(72e)と第2供給口(85)とは連通する。
上記の熱交換器において、第1マニホールド(73)、第1板(71)、第2板(72)及び第2マニホールド(73)は、セラミックス材料、及び炭素材料のうちの少なくとも一つを材料として含む。
上記の熱交換器において、そのセラミックス材料は、炭化ケイ素を含む。
上記課題を解決するために、本発明の硫酸分解器(70)は、上記のいずれか一項に記載の熱交換器(70A)と、熱交換器(70A)の第1マニホールド(73)へ硫酸を含む流体としての第1流体を供給する第1供給配管と、熱交換器(70A)の第2マニホールド(74)にからその第1流体を送出する第1送出配管と熱交換器(70A)の第2板(72)の第2溝(72b、72a、72c)へ熱媒としての第2流体を供給する第2供給配管と、第2溝(72b、72a、72c)からその第2流体を送出する第2送出配管とを具備する。
上記課題を解決するために、本発明の水素製造装置は、反応器(10)と、分離器(20)と、ハロゲン化水素濃縮器(30)と、ハロゲン化水素分解器(40)と、ハロゲン再利用器(50)と、硫酸濃縮器(60)と、硫酸分解器(70)と、二酸化硫黄再利用器(80)とを具備する。反応器(10)は、ヨウ素又は臭素のハロゲンと二酸化硫黄と水とを反応させて硫酸水溶液とハロゲン化水素水溶液とを生成させる。分離器(20)は、硫酸水溶液とハロゲン化水素水溶液とを比重差により分離する。ハロゲン化水素濃縮器(30)は、分離されたハロゲン化水素水溶液を濃縮する。ハロゲン化水素分解器(40)は、濃縮されたハロゲン化水素水溶液をハロゲンと水素とに分解する。ハロゲン再利用器(50)は、分解された水素を単離し、分解されたハロゲンを反応部(10)に供給する。硫酸濃縮器(60)は、分離された硫酸水溶液を濃縮する。硫酸分解器(70)は、濃縮された硫酸を二酸化硫黄と酸素と水とに分解する。上記の各項に記載されている。二酸化硫黄再利用器(80)は、分解された二酸化硫黄、酸素、水のうち、少なくとも二酸化硫黄を反応器(10)に供給する。
本発明により、コストを抑制しつつ、設計変更に柔軟に対応できる。複雑な流路形成や流路の最適化が可能となる。硫酸のガス化エネルギ効率を高くすることができる。
以下、本発明の熱交換器、熱交換器の製造方法、その熱交換器を用いた硫酸分解器、及び、水素製造装置の実施の形態に関して、水素製造装置の硫酸分解器に熱交換器を適用した例を用いて、添付図面を参照して説明する。ただし、本発明はこの実施の形態に限定されるものではない。
(第1の実施の形態)
本発明の熱交換器を適用した硫酸分解器及び水素製造装置の第1の実施の形態について説明する。
まず、本発明の熱交換器を適用した硫酸分解器及び水素製造装置の実施の形態の構成について説明する。図3は、本発明の水素製造装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。水素製造装置は、反応器10、分離器20、濃縮器30、分解器40、冷却分離器50、濃縮器60、分解器70、冷却分離器80を具備する。
反応器10は、ヨウ素(I)と二酸化硫黄(SO)と水(HO)とをブンゼン反応させて硫酸(HSO)及びヨウ化水素(HI)を生成する。生成された硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液の流通する配管で分離器20に接続されている。分離器120は、硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液を比重差により分離する。分離されたヨウ化水素水溶液の流通する配管で濃縮器30に接続されている。分離された硫酸水溶液の流通する配管で濃縮器60に接続されている。
濃縮器30は、ヨウ化水素水溶液を、水分を減少させて濃縮する。除去された水分の流通する配管で反応器10に接続されている。濃縮されたヨウ化水素水溶液の流通する配管で分解器40に接続されている。分解器40は、濃縮されたヨウ化水素水溶液を加熱してヨウ素(I)ガスと水素(H)ガスと水蒸気とに分解する。ヨウ素ガス、水素ガス及び水蒸気の流通する配管で冷却分離器50に接続している。冷却分離器50は、分解生成したヨウ素ガス及び水素ガスを冷却してヨウ素を液化させることによりヨウ素と水素ガスとを分離する。水素ガスは、水素回収容器1に回収される。水素ガスの流通する配管で水素回収装置1に接続されている。ヨウ素及び水の流通する配管で反応器10に接続されている。
濃縮器60は、硫酸水溶液を、水分を減少させて濃縮する。除去された水分の流通する配管で反応器10に接続されている。濃縮された硫酸の流通する配管で分解器70に接続されている。分解器70は、濃縮された硫酸を加熱して二酸化硫黄(SO)ガスと酸素(O)ガスと水蒸気とに分解する。二酸化硫黄ガス、酸素ガス及び水蒸気の流通する配管で冷却分離器80に接続されている。冷却分離器80は、分解生成した二酸化硫黄ガス、酸素ガス及び水蒸気を冷却して水蒸気を液化させることにより水と二酸化硫黄ガス及び酸素ガスとを分離する。二酸化硫黄ガス及び酸素ガスの流通する配管で反応器10に接続されている。水(一部硫酸)の流通する配管で、濃縮器60と接続されている。反応器10の酸素ガスは、酸素回収容器2に回収される。
分解器70について、詳細に説明する。
図4は、硫酸分解器としての分解器70を示す斜視図である。分解器70は、本体部70Aを備える。本体部70Aは、第1流通プレート71と第2流通プレート72とが交互に複数積層され、その積層方向の一方の側の端部に供給マニホールド73が、他方の側の端部に送出マニホールド74がそれぞれ配設されたプレート積層型である。
第1流通プレート71は、第1流体の流れる連絡穴及び流通路(後述)を有する。第2流通プレート72は、第1流体の流れる連絡穴及び第2流体の流れる流通路(72bなど、後述)を有する。供給マニホールド73は、供給マニホールド部材73a及び73bを含み、第1流体の供給口及び流通路(後述)、貫通穴(87)を有する。送出マニホールド74は、送出マニホールド部材74a、74b及び74cを含み、第1流体の流通路及び送出口(86など、後述)、貫通穴88を有する。
第1流通プレート71、第2流通プレート72、供給マニホールド73及び送出マニホールド74は、その内部又は外部に高濃度の硫酸が流通するので、化学的に安定で耐食性の高い材料で形成されることが好ましい。また、熱交換に関与する高温の流体と低温の流体とが混ざることがないように緻密性の高い材料で形成されることが好ましい。そのような材料は、炭化ケイ素やシリコン−炭化ケイ素のようなセラミックス材料に例示される。
第1流通プレート71及び第2流通プレート72について、詳細に説明する。
図5は、第1流通プレート及び第2流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。図5(a)は第1流通プレート、図5(b)は第2流通プレートを示す。
図5(a)を参照して、第1流通プレート71は、窪(溝)状を成す流通路71aが、一方の面に形成されている。加えて、一方の面から他方の面へ貫通し、流通路71aと連通する連絡穴71b及び71cがそれぞれ複数設けられている。連絡穴71bは一方の辺の側に、連絡穴71cは対向する他方の辺の側に沿って、それぞれ並んで配置されている。
第1流体は、連絡穴71b及び71cを通りつつ、流通路71aを介して連絡穴71b−連絡穴71c間を移動する。
図5(b)を参照して、第2流通プレート72は、蛇行型の溝状を成す流通路72aが、一方の面に形成されている。流通路72aの一方の端部は連通溝72bの一方の端に接続され、他方の端部は連通溝72cの一方の端に接続されている。連通溝72bの他方の端は、第2流通プレート72の一つの辺縁に達している。連通溝72cの他方の端は、第2流通プレート72の対向する他の一つの辺縁に達している。第2流通プレート72は、更に、一方の面から他方の面へ貫通する連絡穴72d及び72eがそれぞれ複数設けられている。連絡穴72dは一方の辺の側に、連絡穴72eは対向する他方の辺の側にそれぞれ並んで配置されている。
第1流体は、連絡穴72d及び72eを通る。第2流体は、連通溝72b−流通路72a−連通溝72c間を移動する。
第1流通プレート71と第2流通プレート72とを積層したとき、第1流通プレート71の連絡穴71b及び71cと、第2流通プレート72の連絡穴72d及び72eとがそれぞれ連通するように、各連絡穴(71b、71c、72d及び72e)が形成されている。そこを第1流体が移動する。
供給マニホールド73について、詳細に説明する。
図6は、供給マニホールド73の構成の詳細を示す正面図である。図6(a)は供給マニホールド部材73a、図6(b)は供給マニホールド部材73bを示す。
図6(a)を参照して、供給マニホールド73の供給マニホールド部材73aは、複数の連通溝82が一方の辺の側に沿って、並んで配置されている。連通溝82の一方の端は辺縁に達し、他方の端は途中で閉止している。中央には、重量を低減するための貫通穴87aが設けられている。
図6(b)を参照して、供給マニホールド73の供給マニホールド部材73bは、複数の連絡穴84が一方の辺の側に沿って、並んで配置されている。中央には、重量を低減するための貫通穴87bが設けられている。供給マニホールド部材73aと供給マニホールド部材73bとを積層して供給マニホールド73を形成するとき、連絡穴84は連通溝82と連通する。
供給マニホールド73と第1流通プレート71又は第2流通プレート72とを積層したとき、連絡穴84は、連絡穴71b又は連絡穴72cと連通する。そして、連通溝82の辺縁側から第1流体が供給されたとき、第1流体は連絡穴84を通り、連絡穴71b又は連絡穴72cへ供給される。
送出マニホールド74について、詳細に説明する。
図7は、送出マニホールド74の構成の詳細を示す正面図である。図7(a)は送出マニホールド部材74a、図7(b)は送出マニホールド部材74bを示す。
図7(a)を参照して、送出マニホールド74の送出マニホールド部材74aは、中央に、重量を低減するための貫通穴88aが設けられている。
図7(b)を参照して、送出マニホールド74の送出マニホールド部材74bは、複数の連通溝86が一方の辺の側に沿って、並んで配置されている。連通溝86の一方の端は辺縁に達し、他方の端は途中で閉止している。中央には、重量を低減するための貫通穴88bが設けられている。
図7(c)を参照して、送出マニホールド74の送出マニホールド部材74cは、複数の連絡穴85aが一方の辺の側に沿って、及び、複数の連絡穴85bが一方の辺に対向する他方の辺の側に沿って、それぞれ並んで配置されている。送出マニホールド部材74aと送出マニホールド部材74bと送出マニホールド部材74cとを積層して送出マニホールド74を形成するとき、連絡穴85aは連通溝86と連通する。
送出マニホールド74と第1流通プレート71又は第2流通プレート72とを積層したとき、連絡穴85aは、連絡穴71c又は連絡穴72eと連通する。連絡穴85bは、連絡穴71b又は連絡穴72dと連通する。そして、連絡穴71c又は連絡穴72eを介して第1流体が供給されたとき、第1流体は連絡穴85aを通り連通溝86の辺縁側から送出される。
図4に示すように、供給マニホールド73は、前述の第1流通プレート71の連絡穴71b及び第2流通プレート72の連絡穴72dのいずれか一方と連絡(連通)している。一方、送出マニホールド74は、前述の第1流通プレート71の連絡穴71c及び第2流通プレート72の連絡穴72eのいずれか一方と連絡(連通)している。
貫通穴87(a、b)、88(a、b)を設けることで、部材間を隙間無く確実に接着させ易くなる(接着性の向上)ことや、接着剤の材料が少なくて済むこと、部材が軽量化して取り扱い易く製造が容易となること(製作性の向上)等の効果がある。ただし、貫通穴87(a、b)、88(a、b)は無くても良い。
分解器70には、本体部70Aの供給マニホールド73に連通溝82を介して濃縮された硫酸(第1流体)が供給される。その硫酸は、連絡穴84を介して、第1流通プレート71の連絡穴71bに流入する。第1流通プレート71の連絡穴71bに流入した硫酸は、一部が第2流通プレート72の連絡穴72dへ供給される。残りの硫酸は流通路71aを通る。このとき、第2流通プレート72の連通溝72b−流通路72a−連通溝72cを通るヘリウム等の加熱ガス(第2流体)との熱交換により、硫酸が熱分解される。分解され生成した熱分解ガスは、連絡穴71cへ達し、第2流通プレート72の連絡穴72eへ供給される。第2流通プレート72の連絡穴72d及び72eに流入した硫酸又は熱分解ガスは、次の第1流通プレート71の連絡穴71b及び71cへそれぞれ供給される。最終的に、硫酸又は分解生成物は、第1流通プレート71の連絡穴71c又は第2流通プレート72の連絡穴72eから連絡穴85aを介して送出マニホールド74へ送出される。
このように、第1流通プレート71の流通路71aを流通する硫酸と、隣接する第2流通プレート72の流通路72aを流通する加熱ガスとの熱交換により、硫酸が加熱され、分解されて、二酸化硫黄ガス、酸素ガス及び水蒸気が生成する。第1流通プレート71、第2流通プレート72、供給マニホールド73及び送出マニホールド74は耐食性が高く、緻密性の高い材料で形成されているので、硫酸や二硫化硫黄ガスなどで腐食されず、また、それらがリークすることは無い。分解により生成した各ガスは、本体部70Aから次工程に送出される。
第1流通プレート71の流通路71aでの厚みや第2流通プレート72の流通路72aの厚みは薄いので、硫酸と加熱ガスとが効率的に熱交換を行うことができる。また、薄い第1流通プレート71や第2流通プレート72を積層しているので、熱交換を行う単位部材(第1流通プレート71と第2流通プレート72の一組)の体積あたりの数が多くなる。すなわち、単位体積当たりの熱交換の断熱面積が多くなることも、効率的な熱交換に寄与している。
第1流通プレート71、第2流通プレート72、供給マニホールド73及び送出マニホールド74としてセラミックス材料を用いる場合、このようなプレート状の形状とすることは、製造や加工のしやすさの面で好ましい。溝や穴を有するセラミックスのプレートを形成することは比較的行いやすい。それにより、セラミックスのような材料を用いても、プレートの組み合わせで所望の(複雑な)流路を形成することができる。そして、熱エネルギーの授受を考慮した熱交換用の流路の最適化を行うことが可能となる。
本発明における図5〜図7に説明した第1マニホールド73、第1流通プレート71、第2流通プレート72及び第2マニホールド74の有する各穴や各溝の形状、全体形状は、図の例に限定されるものではない。
なお、第2流通プレート72の流通路72aを流通して熱交換により温度の下がった加熱ガスは、連通溝72cから本体部70Aの外部へ送出された後、所定の加熱(熱交換)工程で加熱され、再び本体部70Aの第2流通プレート72の連通溝72bに供給される。
このような水素製造装置を使用する水素製造方法を次に説明する。
反応器10内に水を供給すると共に、ヨウ素及び二酸化硫黄を供給して反応させると、ブンゼン反応により、下記の式(1)に示す発熱反応(約100℃)を生じて硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液が生成する。
2H0(L)+I(L)+SO(G)→HSO(aq)+2HI(aq)…(1)
上記反応により生成した液分(硫酸水溶液及びヨウ化水素水溶液)を反応器10から分離器20に送給する。分離器20では、下方に位置するヨウ化水素水溶液を濃縮器30に送給し、上方に位置する硫酸水溶液を濃縮器60に送給する。
ヨウ化水素水溶液を濃縮器30で加熱(約100〜250℃)して水分を蒸発留去することにより、ヨウ化水素水溶液を濃縮する。その後、濃縮されたヨウ化水素水溶液を分解器40に供給する。なお、留去された水分は、反応器10に戻されて、原料として再利用される。
濃縮されたヨウ化水素水溶液を分解器40で加熱(約250℃)する。そうすると、下記の式(2)に示すように、ヨウ化水素がヨウ素ガスと水素ガスとに分解する。
2HI(L)→H(G)+I(C)…(2)
分解生成したヨウ素ガス及び水素ガスを冷却分離器50に供給して冷却(約100〜200℃)する。それにより、ヨウ素ガスが液化され、水素ガスとヨウ素とが分離される。水素ガスは、水素凹収容器1に回収される。分離されたヨウ素は、付随していた水分と共に反応器10に再び供給されて、再利用される。
他方、濃縮器160に送給された硫酸水溶液を加熱(約100〜450℃)して水分を蒸発留去することにより、硫酸水溶液を濃縮する。その後、濃縮された硫酸を分解器70に供給する。なお、留去された水分は、反応器10に戻されて、原料として再利用される。
濃縮された硫酸を分解器70で加熱(約450〜850℃)する。そうすると、下記の式(3)に示すように、硫酸が二酸化硫黄ガスと酸素ガスと水蒸気とに分解する。
SO(L)→SO(G)+H0(G)
→SO(G)+1/2O(G)+HO(G)…(3)
分解生成した上記ガスを冷却分離器80に供給して冷却(約100℃)する。それにより、水蒸気が液化される。二酸化硫黄ガスと酸素ガスとは、反応器10に供給される。二酸化硫黄は、再利用される。酸素ガスは、酸素回収容器2に回収される。水は、濃縮器60に供給され、残存する硫酸が再分解される。
したがって、上述したような水素製造装置は、ヨウ素及び二酸化硫英を利用することにより、水のみを原料として水素を製造することができる。
次に、分解器70の製造方法について説明する。図8は、分解器70の製造方法のフローを示す図である。図9(a)〜(f)、図10(a)〜(c)は、分解器70の製造過程を示す斜視図である。
(1)ステップS01
分解器70を構成するセラミックスの各部品を準備(製造)する。各部品は、複数の第1流通プレート71(図5(a))、複数の第2流通プレート72(図5(b))、供給マニホールド部材73a及び73b(図6(a)及び(b))、送出マニホールド部材74a、74b及び74c(図7(a)、(b)及び(c))、複数の炭素棒91である。なお、溝や穴の形状、数は、設計により種々に変更可能である。ここでは、炭素棒91を除く各部材の四隅に炭素棒91を通す貫通穴を設けることとする。また、各マニホールドの部材(マニホールド部材)及び流通プレートの部材(流通プレート部材)は、同じ材料(例示:炭化ケイ素)を用いることとする。
(2)ステップS02
供給マニホールド部材73aを連通溝82が上になるように静置する。供給マニホールド部材73aの四隅の穴に炭素棒91を取り付ける(図9(a))。
その後、供給マニホールド部材73a上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、マニホールド部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、供給マニホールド部材73bの四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、供給マニホールド部材73bを供給マニホールド部材73a上に積層する(図9(b))。炭素棒91と供給マニホールド部材73a、73bとの接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。
(3)ステップS03
供給マニホールド部材73b上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、マニホールド部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、第1流通プレート71の四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、第1流通プレート71を流通路71aが上になるように供給マニホールド部材73b上に積層する(図9(c))。炭素棒91と第1流通プレート71との接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。なお、供給マニホールド部材73aと供給マニホールド部材73bとが一体となった部材を用いても良い。
(4)ステップS04
第1流通プレート71上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、流通プレートと同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、第2流通プレート72の四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、第2流通プレート72を第1流通プレート71上に積層する(図9(d))。炭素棒91と第2流通プレート72との接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。
(5)ステップS05
所定の枚数の第1流通プレート71及び第2流通プレート72を積層したか否かを判定する。Yesの場合、ステップS06へ進む。Noの場合、ステップS03に戻って、ステップS03、S04を繰り返す。ただし、必ずしもステップS04まで行う必要はなく、ステップS03で止めても良い。
図9の例では、更に(e)(f)(S03、S04)を行っている。ただし、図9(e)の場合、第2流通プレート72上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、流通プレート部材と同じセラミックス材料を用いたスラリを接着剤として塗布し、第1流通プレート71を流通路71aが上になるように供給マニホールド部材73b上に積層する。
(6)ステップS06
第2流通プレート72上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、流通プレート部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、送出マニホールド部材74cの四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、送出マニホールド部材74cを第2流通プレート72上に積層する(図10(a))。
送出マニホールド部材74c上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、マニホールド部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、送出マニホールド部材74bの四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、送出マニホールド部材74bを連通溝86が上になるように送出マニホールド部材74c上に積層する(図10(b))。
送出マニホールド部材74b上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、マニホールド部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、送出マニホールド部材74aの四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、送出マニホールド部材74aを送出マニホールド部材74b上に積層する(図10(c))。炭素棒91と送出マニホールド部材74c、74b、74aとの接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。なお、送出マニホールド部材74aと送出マニホールド部材74bと送出マニホールド部材74cとが一体となった部材を用いても良い。
(7)ステップS07
熱処理装置において、出来上がった本体部70Aを所定の温度で熱処理する。それにより、各部材の間の接着剤(塗布されたスラリ)が焼結して、接着層が形成される。接着層により、接着層を挟んだ両部材が密着することができる。接着層は、各部材と同じセラミックス(炭化ケイ素)を含む材料を用いているので、熱処理により強固な接着力を持たせることができる。
炭素棒91と各部材との接着も同様に、各部材と同じセラミックス(炭化ケイ素)を含む接着剤の焼結により行われる。それにより、炭素棒91と各部材との接合面に炭化ケイ素が形成され強固な接着力を持たせることができる。
ただし、焼結の際の焼き締りにより、接着層に微細な隙間や穴が出来ている可能性がある。そのため、熱処理後の本体部70Aの接着層の隙間や穴に、毛細管現象を利用してシール材を充填する。例えば、各部材及び接着層が炭化ケイ素の場合、開口部分を目張りした本体部70Aを、溶融したシリコンが入ったバスの中に浸す。そうすることで、溶融したシリコンが微細な隙間や穴に含浸し、隙間や穴をふさぐことができる。それにより、リークにより加熱ガスと硫酸とが反応することを防止することが可能となる。本体部70Aを浸す材料としては、シリコン−アルミ合金のようなシリコンを含む材料でも良い。合金を使用すると、その取り扱いが容易となる場合がある。例えば、シリコン−アルミ合金の場合、融点が下がり、装置コストを低く抑えることができるほか、材料の取り扱いが容易である。
以上のようにして、分解器70が形成される。分解器70は所定の配管が施され、水素製造装置に用いられる。
ここでは、炭素棒を用いているが、本発明がそれに限定されるものではない。例えば、炭化ケイ素の棒を用いることも可能である。また、ここでは、各部材の位置決めを、炭素棒を用いて行っているが、本発明がそれに限定されるものではない。例えば、外側に枠を設け、その枠にはめ込むように製造(最後に枠をはずすしても良い)することも可能である。また、塗布された接着剤の層(接着層)は、他のプレートを含んでいてもよい。
ここでは、各部材として同一の材料のものを用いて製造しているが、本発明がそれに限定されるものではない。硫酸分解器としての使用に耐えうる耐食性、ガスシール性、機械的強度、化学的安定性を有している材料であって、互いの熱膨張係数の相違が所定の範囲内であるような材料であれば、互いに異なっていても良い。
本実施の形態では、プレート積層型の分解器70により濃縮された硫酸を分解ガス化するようにしている。その際、複数の流通プレートを用い、その各々において熱交換により分解を行っている。それにより、硫酸と加熱ガスとの間の隔壁の厚みを薄くすることができる。このため、従来のようなブロック型の分解器70により硫酸を分解ガス化する場合よりも、硫酸のガス化エネルギ効率を向上させることができる。すなわち、熱エネルギ効率を向上させることができる。
また、例えば、第1流通プレート71の流通路71aや第2流通プレートの流通路72aの形状、各流通プレートの枚数、並べる順番、並べる周期を様々に変えることができる。それにより、熱交換する部分での硫酸や加熱ガスの流量、全体の硫酸や加熱ガスの流量などを所望の値に調整することができる。それにより、所望の熱エネルギ変換率を得ることができる。積層する第1流通プレート71や第2流通プレート72の種類を、本体部70Aの場所ごとに変更すことができ、温度分布や硫酸や加熱ガスの流量の分布等の調整を自在に行うことができる。
(第2の実施の形態)
本発明の熱交換器を適用した硫酸分解器及び水素製造装置の第2の実施の形態について説明する。図11は、硫酸分解器としての分解器を示す斜視図である。なお、前述した第1の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第1の実施の形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、その説明を省略する。
本実施の形態における分解器470は、第1の実施の形態の本体部とは異なる第3流通プレート及び第4流通プレートを用いている点が第1の実施の形態と異なる。第4流通プレートの一方の面には第1流通プレートが、他方の面には第2流通プレートがそれぞれ設けられている。それらは、薄い第3流通プレートを介して積層されている。それにより、体積当たりの熱交換効率を向上させることができる。
分解器470について、詳細に説明する。
分解器470は、本体部470Aを備える。本体部470Aは、第3流通プレート471と第4流通プレート472とが交互に複数積層され、その積層方向の一方の側の端部に供給マニホールド73が、他方の側の端部に送出マニホールド74がそれぞれ配設されたプレート積層型である。
第3流通プレート71は、第1流体の流れる連絡穴(後述)を有する。第4流通プレート472は、第1流体の流れる連絡穴及び第2流体の流れる流通路(472bなど、後述)を有する。供給マニホールド73は、供給マニホールド部材73a、73b及び送出マニホールド部材74cを含み、第1流体の供給口及び流通路(後述)、貫通穴(87)を有する。送出マニホールド74は、送出マニホールド部材74a、74b及び74cを含み、第1流体の流通路及び送出口(86など、後述)、貫通穴88を有する。
第3流通プレート471、第4流通プレート472は、その内部又は外部に高濃度の硫酸が流通するので、化学的に安定で耐食性の高い材料で形成されることが好ましい。また、熱交換に関与する高温の流体と低温の流体とが混ざることがないように緻密性の高い材料で形成されることが好ましい。そのような材料は、炭化ケイ素やシリコン−炭化ケイ素のようなセラミックス材料に例示される。
第4流通プレート472について、詳細に説明する。
図12は、第4流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。図12(a)は第4流通プレートの一方の面(表面)、図12(b)は第4流通プレートの他方の面(裏面)を示す。
図12(a)を参照して、第4流通プレート472の一方の面(表面)は、蛇行型の溝状を成す流通路472aが形成されている。流通路472aの一方の端部は連通溝472bの一方の端に接続され、他方の端部は連通溝472cの一方の端に接続されている。連通溝472bの他方の端は、第4流通プレート472の一つの辺縁に達している。連通溝472cの他方の端は、第4流通プレート472の対向する他の一つの辺縁に達している。第4流通プレート472は、更に、一方の面(表面)から他方の面(裏面)へ貫通する連絡穴472d及び472eがそれぞれ複数設けられている。連絡穴472dは一方の辺の側に、連絡穴472eは対向する他方の辺の側にそれぞれ並んで配置されている。
第1流体は、連絡穴472d及び472eを通る。第2流体は、連通溝472b−流通路472a−連通溝472c間を移動する。
図12(b)を参照して、第4流通プレート472の他方の面(裏面)は、窪(溝)状を成す流通路472fが形成されている。加えて、一方の面(表面)から他方の面(裏面)へ貫通する連絡穴472d及び連絡穴472eが、それぞれ流通路472fと連通する。
第1流体は、連絡穴472d及び472eを通りつつ、流通路472fを介して連絡穴472d−連絡穴472e間を移動する。
第3流通プレート471について、詳細に説明する。
図13は、第3流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。第3流通プレート471は、複数の連絡穴471aが一方の辺の側に沿って、及び、複数の連絡穴471bが一方の辺に対向する他方の辺の側に沿って、それぞれ並んで配置されている。
第3流通プレート471と第4流通プレート472とを積層したとき、第3流通プレート471の連絡穴471b及び471aと、第4流通プレート472の連絡穴472d及び472eとがそれぞれ連通するように、各連絡穴(471b、471a、472d及び472e)が形成されている。そこを第1流体が移動する。
分解器470には、本体部470Aの供給マニホールド473に連通溝482を介して濃縮された硫酸(第1流体)が供給される。その硫酸は、連絡穴484−連絡穴85b(送出マニホールド74c)を介して、第4流通プレート472(裏面)の連絡穴472dに流入する。第4流通プレート472の連絡穴472dに流入した硫酸は、一部が第3流通プレート471の連絡穴471bへ供給される。残りの硫酸は流通路472fを通る。このとき、この流通路472fを通る硫酸と、第4流通プレート472(表面)の連通溝472b−流通路472a−連通溝472cを通るヘリウム等の加熱ガス(第2流体)と、次の第4流通プレート472(裏面)の流通路472fを通る硫酸との熱交換により、硫酸が熱分解される。分解され生成した熱分解ガスは、連絡穴472eへ達する。
その後、第4流通プレート472(表面)の連絡穴472d及び472eに流入した硫酸又は熱分解ガスは、次の第3流通プレート471の連絡穴471b及び471aへそれぞれ供給される。第3流通プレート471の連絡穴471b及び471aへ供給された硫酸又は熱分解ガスは、次の第4流通プレート472(裏面)の連絡穴472d及び472eへ供給される。最終的に、硫酸又は分解生成物は、第4流通プレート472(表面)の連絡穴472eから連絡穴85aを介して送出マニホールド74へ送出される。
このように、第4流通プレート472(裏面)の流通路472fを流通する硫酸と、第2流通プレート472(表面)の流通路472aを流通する加熱ガスと、次の第4流通プレート472(裏面)の流通路472fを流通する硫酸との熱交換により、硫酸が加熱され、分解されて、二酸化硫黄ガス、酸素ガス及び水蒸気が生成する。第3流通プレート471、第4流通プレート472、供給マニホールド73及び送出マニホールド74は耐食性が高く、緻密性の高い材料で形成されているので、硫酸や二硫化硫黄ガスなどで腐食されず、また、それらがリークすることは無い。分解により生成した各ガスは、本体部470Aから次工程に送出される。
第3流通プレート471の厚み、第2流通プレート472の流通路472aと流通路472fとの間の厚みは薄いので、硫酸と加熱ガスとが効率的に熱交換を行うことができる。また、薄い第3流通プレート471や第4流通プレート472を積層しているので、熱交換を行う単位部材(第3流通プレート471と第4流通プレート472の一組)の体積あたりの数が多くなる。すなわち、単位体積当たりの熱交換の断熱面積が多くなることも、効率的な熱交換に寄与している。
第3流通プレート471、第4流通プレート472、供給マニホールド73及び送出マニホールド74としてセラミックス材料を用いる場合、このようなプレート状の形状とすることは、製造や加工のしやすさの面で好ましい。溝や穴を有するセラミックスのプレートを形成することは比較的行いやすい。それにより、セラミックスのような材料を用いても、プレートの組み合わせで所望の(複雑な)流路を形成することができる。そして、熱エネルギーの授受を考慮した熱交換用の流路の最適化を行うことが可能となる。
本発明における図12〜図13に説明した第3流通プレート471、及び第4流通プレート472の有する各穴や各溝の形状、全体形状は、図の例に限定されるものではない。
なお、第4流通プレート472の流通路472aを流通して熱交換により温度の下がった加熱ガスは、連通溝472cから本体部470Aの外部へ送出された後、所定の加熱(熱交換)工程で加熱され、再び本体部470Aの第4流通プレート472の連通溝472bに供給される。
次に、分解器470の製造方法について説明する。図14は、分解器470の製造方法のフローを示す図である。図15(a)〜(f)、図16(a)〜(c)は、分解器470の製造過程を示す斜視図である。
(1)ステップS11
分解器470を構成するセラミックスの各部品を準備(製造)する。各部品は、複数の第3流通プレート471(図13)、複数の第4流通プレート472(図12)、供給マニホールド部材73a及び73b(図6(a)及び(b))、送出マニホールド部材74a、74b及び74c(図7(a)、(b)及び(c))、複数の炭素棒91である。なお、溝や穴の形状、数は、設計により種々に変更可能である。ここでは、炭素棒91を除く各部材の四隅に炭素棒91を通す貫通穴を設けることとする。また、各マニホールドの部材(マニホールド部材)及び流通プレートの部材(流通プレート部材)は、同じ材料(例示:炭化ケイ素)を用いることとする。
(2)ステップS12
供給マニホールド部材73aを連通溝82が上になるように静置する。供給マニホールド部材73aの四隅の穴に炭素棒91を取り付ける(図15(a))。
その後、供給マニホールド部材73a上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、マニホールド部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、供給マニホールド部材73bの四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、供給マニホールド部材73bを供給マニホールド部材73a上に積層する(図15(b))。
更に、供給マニホールド部材73b上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、マニホールド部材と同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、送出マニホールド部材74cの四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、送出マニホールド部材74cを供給マニホールド部材73b上に積層する(図15(c))。炭素棒91と供給マニホールド部材73a、73b及び送出マニホールド部材74cとの接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。
なお、供給マニホールド部材73aと供給マニホールド部材73bとが一体となった部材を用いても良い。
(3)ステップS13
送出マニホールド部材74c上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、流通プレートと同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、第4流通プレート472の四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、第4流通プレート472を送出マニホールド部材74c上に積層する(図15(d))。炭素棒91と第4流通プレート472との接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。
(4)ステップS14
第4流通プレート472上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、流通プレートと同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、第3流通プレート471の四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、第3流通プレート471を第4流通プレート472上に積層する(図15(e))。炭素棒91と第3流通プレート471との接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。
(5)ステップS15
第3流通プレート471上の所定の位置(例えば溝や穴を除く全面)に、流通プレートと同じセラミックス材料(例示:炭化ケイ素)を用いたスラリを接着剤として塗布する。そして、第4流通プレート472の四隅の穴に炭素棒91を通しつつ、第4流通プレート472を第3流通プレート471上に積層する(図15(f))。炭素棒91と第4流通プレート472との接合も、炭化ケイ素を含むセラミック系接着剤を用いる。
(6)ステップS16
所定の枚数の第4流通プレート472及び第3流通プレート471を積層したか否かを判定する。Yesの場合、ステップS17へ進む。Noの場合、ステップS14に戻って、ステップS14、S15を繰り返す。ただし、必ずしもステップS15まで行う必要はなく、ステップS14で止めても良い。
以下、ステップS17及びS18については、第1の実施の形態のステップS06及びステップS07と同じであるので、その説明を省略する。
以上のようにして、分解器470が形成される。分解器470は所定の配管が施され、水素製造装置に用いられる。
ここでは、炭素棒を用いているが、本発明がそれに限定されるものではない。例えば、炭化ケイ素の棒を用いることも可能である。また、ここでは、各部材の位置決めを、炭素棒を用いて行っているが、本発明がそれに限定されるものではない。例えば、外側に枠を設け、その枠にはめ込むように製造(最後に枠をはずすしても良い)することも可能である。また、塗布された接着剤の層(接着層)は、他のプレートを含んでいてもよい。
ここでは、各部材として同一の材料のものを用いて製造しているが、本発明がそれに限定されるものではない。硫酸分解器としての使用に耐えうる耐食性、ガスシール性、機械的強度、化学的安定性を有している材料であって、互いの熱膨張係数の相違が所定の範囲内であるような材料であれば、互いに異なっていても良い。
本発明により、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。加えて、第3流通プレート471の厚み、第2流通プレート472の流通路472aと流通路472fとの間の厚みは薄いので、硫酸と加熱ガスとがより効率的に熱交換を行うことができる。加えて、熱交換を行う単位部材(第3流通プレート471と第4流通プレート472の一組)の体積あたりの数がより多くなる。すなわち、単位体積当たりの熱交換の断熱面積がより多くでき、より効率的な熱交換が可能となる。
(第3の実施の形態)
本発明の熱交換器を適用した硫酸分解器及び水素製造装置の第3の実施の形態について説明する。図17は、硫酸分解器としての分解器の概略構成図である。なお、前述した第1、2の実施の形態の場合と同様な部分については、前述した第1、2の実施の形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、その説明を省略する。
本実施の形態における分解器270は、第1の実施の形態の本体部を直列に複数個連結した構成を有する。形状的には上方に複数段積み重ねている。ここでは、三つの本体部270A〜270Cを有する。このように連結することで、分解器をコンパクトに形成することが出来、体積当たりのエネルギー効率を向上させることができる。
具体的には、本体部270Aの送出マニホールド274の送出口を本体部270Bの供給マニホールド273の受入口に連絡させる。本体部270Bの送出マニホールド274の送出口を本体部270Cの供給マニホールド273の受入口に連絡させる。更に、本体部270Cの第2流通プレート72の連通溝72cを本体部270Bの第2流通プレート72の連通溝72bに連絡させる。本体部270Bの第2流通プレート72の流通溝72cを本体部270Aの第2流通プレート72の流通溝72bに連絡させる。
さらに、直列に連結されて隣り合う本体部270Cの第2流通プレート72と本体部270Bの第2流通プレート72との間、及び、本体部270Bの第2流通プレート72と本体部270Aの第2流通プレート72との間には、流通する加熱ガスの温度分布を均一にする混合空間部270aがそれぞれ介在している。この混合空間270aは、2枚の補助プレート276で外部から遮断されている。また、本体部270A、270Bの送出マニホールド274の送出口周辺部分には、流通する硫酸の温度分布を均ーにする混合空間部274aが形成されている。
個々の本体部270A、270B及び270Cは、第1の実施の形態における製造方法により製造することができる。これらの本体部を一体化する製造方法としては、まず、本体部270A及び本体部270Bの所定の位置に、流通プレート部材と同じセラミックス材料を用いたスラリを接着剤として塗布された補助プレート276を取り付ける。次に、本体部270Aの送出マニホールド274と本体部270Bの供給マニホールド273との接触面、本体部270Aの供給マニホールド273と本体部270Bの送出マニホールド274との接触面、本体部270Bの送出マニホールド274と本体部270Cの供給マニホールド273との接触面、本体部270Bの供給マニホールド273と本体部270Cの送出マニホールド274との接触面、のそれぞれに、マニホールド部材と同じセラミックス材料を用いたスラリを接着剤として塗布し、それらを重ねて一体化する。その後、一体化された各本体部について、第1の実施の形態における製造方法のステップS07のような熱処理を行う。それにより、分解器270を製造することができる。
なお、熱処理に関しては、個々の本体部の熱処理と、それらを一体化する熱処理とを一度に行っても良い。
このような本実施の形態に係る上記分解器270においては、本体部270Aの供給マニホールド273に濃縮された硫酸が供給きれると共に、本体部270Cの各第2流通プレート72の連通溝72bにヘリウムのような加熱ガスが供給される。そして、濃縮された硫酸が、第1の実施の形態の場合と同様にして本体部270A、270B、270Cの順にその内部を流通する。一方、加熱ガスが、第1の実施の形態の場合と同様にして本体部270C、270B、270Aの順にその内部を流通する。それにより、濃縮された硫酸が加熱ガスとの熱交換で加熱されて分解ガスとなり、本体部270Cの送出マニホールド274から当該ガスが次工程に送出される。また、加熱ガスが本体部270Aから送出されて、加熱された後に本件部270Cに再び供給される。
このとき、本体部270C、270Bの各第2流通プレート72の連通溝72cから送出した加熱ガスは、混合空間部270aで一旦混合された後、本体部270B、270Aの各第2流通プレート72の連通溝72b内に流入するので、本体部270C、270B内で流通した各第2流通プレート72ごとに温度ムラを生じたとしても、混合空間部270aで混合されて温度分布を均一にされてから次の本体部270B、270Aに供給される。
また、本体部270B、270Cの供給マニホールド273に流入する硫酸が混合空間部274aで一旦混合されるため、当該硫酸は、本件部270A、270Bで流通した各第1流通プレート71ごとに温度ムラを生じたとしても、上記混合空間部274aで混合されてから次の本体部270B、270Cに供給される。
第1の実施の形態では、単一の本体部70を揃えた分解器70を用いるようにした。しかし、本実施の形態では、複数の本体部270A〜270Cを直列に連結している。すなわち、複数に分割して本体部270A〜270Cを構成し、これら本体部270A〜270Cを分岐して流通する硫酸や加熱ガスを当該本体部270A〜270Cの間の混合空間部270a、274aで一旦集合させて混合することにより硫酸や加熱ガスの温度ムラを極力少なくするようにした。
このため、上記分解器270においては、各本体部270A〜270C内に生じる温度差を非常に小さく抑えることができ、各本体部270A〜270Cにそれぞれ生じる熱歪みを極力抑えることができる。
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の場合と同様な効果を得ることができるとともに、分解器270に生じる熱応力を極力抑えることができ、分解器270の長寿命化を図ることができる。
なお、本実施の形態では、本体部270A、270Bの送出マニホールド274の送出口周辺部分に混合空間部274aを形成した。しかし、これに代えて、本件部270B、270Cの供給マニホールド273の受入口周辺部分に混合空間部を形成することも可能である。さらに、送出マニホールド274及び供給マニホールド273の両方に混合空間部を形成することも可能である。
また、本実施の形態では、3つの本体部270A〜270Cを連結するようにしたが、種々の条件に応じて、2つの本体部を連結したり、4つ以上の本体部を連結するようにすることも可態である。
ただし、第2の実施の形態の本体部を直列に複数個連結して、図17のように構成することも可能である。その場合、第2及び第3の実施の形態の効果を得ることができる。
(第4の実施の形態)
本発明に係る硫酸分解器及びこれを利用する水素製造装置の第4の実施の形態を図18、19に基づいて説明する。図18は、硫酸分解器としての分解器70を示す斜視図である。図19は、第1流通プレート及び第2流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。図19(a)は第1流通プレート、図19(b)は第2流通プレートを示す。
なお、第1、2の実施の形態の場合と同様な部分については、第1、2、3の実施の形態の説明で用いた符号と同様な符号を用いることにより、第1、2、3の実施の形態での説明と重複する説明を省略する。
分解器370について、詳細に説明する。図18を参照して、分解器370は、本体部370Aを備える。本体部370Aは、第2流通プレート372を用いている点で第1、2、3の実施の形態と異なる。
図19(b)を参照して、第2流通プレート372は、蛇行型の溝状を成す流通路372aが、一方の面に形成されている。流通路372aの一方の端部は連通溝372bの一方の端に接続され、他方の端部は連通溝72cの一方の端に接続されている。連通溝72cの他方の端は、第2流通プレート72の一つの辺縁に達している。連通溝372bの他方の端は、連通溝72cを形成された辺と交差する辺縁に達している。第2流通プレート372は、更に、一方の面から他方の面へ貫通する連絡穴72d及び72eがそれぞれ複数設けられている。連絡穴72dは一方の辺の側に、連絡穴72eは対向する他方の辺の側にそれぞれ並んで配置されている。第2流通プレート372は、耐食性の高い材料で形成されている。そのような材料は、炭化ケイ素やシリコン−炭化ケイ素のようなセラミックス材料に例示される。
この場合、本体部370Aは、第2流通プレートの種類が異なるほかは、第1の実施の形態と同様の方法で製造することができる。
このような本実施の形態に係る分解器370においては、第1、2、3の実施の形態と同様に、本体部370Aの供給マニホールド73に濃縮された硫酸が供給される。それと共に、本体部370Aの各第2流通プレート372の連通溝372bに加熱ガスが供給される。それにより、濃縮された硫酸が加熱ガスとの熱交換で加熱されてガス化する。
このとき、図19に示すように、第1流通プレート71の流通路71aを流通する硫酸の液面が、第2流通プレート372の流通路372aと連結穴72eとの間に位置するように設定される。すなわち、第2流通プレート372の流通路372aが、第1流通プレート71の流通路71aの硫酸分解ガスの流通する部分と重ならないように設定されている。したがって、加熱ガスの熱のほとんどは、硫酸の加熱のみに用いられることになり、硫酸の分解効率が向上する。加えて、加熱により生成した分解ガスが第2流通プレート372の他方の面と接触することにより生じる熱衝撃を大幅に緩和することができる。
なお、本実施の形態の本体部370を第3の実施の形態のように直列に連結して用いることも可能である。
したがって、本実施の形態によれば、第1の実施の形態の場合と同様な効果を得ることができると共に、硫酸の分解効率の向上や、分解器370の本体部370Aの第2流通プレート372に加わる熱衝撃の低減を図ることができる。それにより、分解器370の本体部370Aの長寿命化を図ることができる。
なお、第2の実施の形態の第3流通プレートの一方の面を図19(a)のように、他方の面を図19(b)のようにすることも可能である。その場合、第2及び第4の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
図1は、その方法を用いた従来の水素製造装置を示すブロック図である。 図2は、従来の分解器を示す斜視図である。 図3は、本発明の水素製造装置の実施の形態の構成を示すブロック図である。 図4は、硫酸分解器としての分解器を示す斜視図である。 図5(a)及び(b)は、それぞれ第1流通プレート及び第2流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。 図6(a)及び(b)は、それぞれ供給マニホールド部材の構成の詳細を示す正面図である。 図7(a)〜(c)は、それぞれ送出マニホールド部材の構成の詳細を示す正面図である。 図8は、分解器の製造方法のフローを示す図である。 図9(a)〜(f)は、分解器の製造過程を示す斜視図である。 図10(a)〜(c)は、分解器の製造過程を示す斜視図である。 図11は、硫酸分解器としての分解器を示す斜視図である。 図12(a)(b)は、第4流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。 図13は、第3流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。 図14は、分解器470の製造方法のフローを示す図である。 図15(a)〜(f)は、分解器の製造過程を示す斜視図である。 図16(a)〜(c)は、分解器の製造過程を示す斜視図である。 図17は、硫酸分解器としての分解器の概略構成図である。 図18は、硫酸分解器としての分解器を示す斜視図である。 図19(a)及び(b)は、それぞれ第1流通プレート及び第2流通プレートの構成の詳細を示す正面図である。
符号の説明
10、110 反応器
20、120 分離器
30、130 濃縮器
40、140 分解器
50、150 冷却分離器
60、160 濃縮器
70、170、270、370 分解器
80、180 冷却分離器
70A、270A、270B、270C、370A 本体部
71 第1流通プレート
72、372 第2流通プレート
73、273 供給マニホールド
74、274 送出マニホールド
91 炭素棒
171 本体
71a、72a、171a、171b、372a、472a、472f 流通路
71b、71c、72d、72e、84、85a、85b、471a、471b、472d、472e 連絡穴
72b、72c、82、86、372b、472b、472c 連通溝
73a、73b 供給マニホールド部材
74a、74b、74c 送出マニホールド部材
87a、87b 貫通穴
270a 混合空間部
274a 混合空間部
276 補助プレート
471 第3流通プレート
472 第4流通プレート

Claims (15)

  1. (a)第1マニホールドと、第2マニホールドと、少なくとも一つの第1板と、少なくとも一つの第2板とを準備するステップと、
    ここで、
    第1マニホールドは、第1供給口と、前記第1供給口に連通する第1送出口とを有し、
    前記第1板は、第1面と第2面と第3面と第4面とを含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する第1穴及び第2穴と、前記第1面に形成され前記第1穴と前記第2穴の間をつなぐ第1溝と、前記第2面に形成され前記第3面から前記第4面へ達する第2溝とを有し、
    前記第2板は、第5面と第6面とを含み、前記第5面から前記第6面へ貫通する第3穴及び第4穴を有し、
    前記第2マニホールドは、第2供給口と、前記第2供給口に連通する第2送出口とを有し、
    (b)前記第1板及び前記第2板のいずれか一方としての第1積層板を、前記第1マニホールド上に接着層を介して配置するステップと、
    (c)前記第1積層板とは異なる前記第1板及び前記第2板のいずれか一方としての第2積層板を、前記第1積層板上に接着層を介して配置するステップと、
    (d)前記第2マニホールドを、前記第2積層板上に接着層を介して配置し、構造体とするステップと、
    (e)前記構造体に所定の熱処理を施して、前記接着層を、シール性を有する接合層にするステップと
    を具備し、
    前記第1面と前記第5面又は前記第6面とは実質的に同じ方向を向き、前記第1送出口と前記第1穴と前記第3穴とは連通し、前記第2穴と前記第4穴と前記第2供給口とは連通する
    熱交換器の製造方法。
  2. (a)第1マニホールドと、第2マニホールドと、少なくとも一つの第1板と、少なくとも一つの第2板とを準備するステップと、
    ここで、
    第1マニホールドは、第1供給口と、前記第1供給口に連通する第1送出口とを有し、
    前記第1板は、第1面と第2面とを含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する第1穴及び第2穴と、前記第1面に形成され前記第1穴と前記第2穴の間をつなぐ第1溝とを有し、
    前記第2板は、第3面と第4面と第5面と第6面とを含み、前記第3面から前記第4面へ貫通する第3穴及び第4穴と、前記第3面に形成され前記第5面から前記第6面へ達する第2溝とを有し、
    前記第2マニホールドは、第2供給口と、前記第2供給口に連通する第2送出口とを有し、
    (b)前記第1板及び前記第2板のいずれか一方としての第1積層板を、前記第1マニホールド上に接着層を介して配置するステップと、
    (c)前記第1積層板とは異なる前記第1板及び前記第2板のいずれか一方としての第2積層板を、前記第1積層板上に接着層を介して配置するステップと、
    (d)前記第2マニホールドを、前記第2積層板上に接着層を介して配置し、構造体とするステップと、
    (e)前記構造体に所定の熱処理を施して、前記接着層を、シール性を有する接合層にするステップと
    を具備し、
    前記第1面と前記第3面とは実質的に同じ方向を向き、前記第1送出口と前記第1穴と前記第3穴とは連通し、前記第2穴と前記第4穴と前記第2供給口とは連通する
    熱交換器の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記(d)ステップの前に、
    (f)他の前記第1積層板を、接着層を介して前記第2積層板上に配置するステップをさらに具備し、
    前記(d)ステップは、前記第2積層板の代わりに、前記他の第1積層板上に接着層を介して前記第2マニホールドを配置する
    熱交換器の製造方法。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記(c)ステップの前に、
    (g)別の前記第2積層板を、前記第1積層板上に接着層を介して配置するステップと、
    (h)別の前記第1積層板を、前記第2積層板上に接着層を介して配置するステップと
    を更に具備し、
    前記(b)及び前記(c)ステップを、前記第1板及び前記第2板が所定の枚数となるまで繰り返す
    熱交換器の製造方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記(e)ステップは、
    (e1)前記接着層を加熱処理して焼結させるステップと、
    (e2)焼結された前記接着層にシール材を付与するステップと
    を具備する
    熱交換器の製造方法。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記第1マニホールド、前記第1板、前記第2板及び前記第2マニホールドは、第1セラミックス材料及び炭素材料のうちの少なくとも一つを材料として含む
    熱交換器の製造方法。
  7. 請求項6に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記接着層は、第2セラミックス材料を含むスラリを塗布して形成される
    熱交換器の製造方法。
  8. 請求項6又は7に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記第1セラミックス材料及び前記第2セラミックス材料は、炭化ケイ素を含み、
    前記シール材は、溶融したシリコンを含む
    熱交換器の製造方法。
  9. 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の熱交換器の製造方法において、
    前記第1マニホールド、前記第1板、前記第2板及び前記第2マニホールドは、前記第1マニホールド、前記第1板、前記第2板及び前記第2マニホールドの四隅を貫通する四つの棒を利用して一体化される
    熱交換器の製造方法。
  10. 第1流体と第2流体とを供給され、前記第1流体と前記第2流体との間で熱交換を行う熱交換器本体と、
    前記熱交換器本体に結合された第1マニホールドと、
    前記熱交換器本体に結合された第2マニホールドと
    を具備し、
    第1マニホールドは、前記第1流体が流入する第1供給口と、前記第1流体が流出する第1送出口とを有し、
    前記第2マニホールドは、前記第1流体が流入する第2供給口と、前記第1流体が流出する第2送出口とを有し、
    前記熱交換器本体は、複数の第1板と複数の第2板とを備え、前記第1板と前記第2板とは所定の順番で積層され、
    前記第1板は、第1面と第2面と第3面と第4面とを含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する第1穴及び第2穴と、前記第1面に形成され前記第1穴と前記第2穴の間をつなぐ第1溝と、前記第2面に形成され前記第3面から前記第4面へ達する第2溝とを有し、
    前記第2板は、第5面と第6面とを含み、前記第5面から前記第6面へ貫通する第3穴及び第4穴と、を有し、
    前記第1面と前記第5面又は前記第6面とは実質的に同じ方向を向き、前記第1供給口と前記第1穴と前記第3穴とは連通し、前記第2穴と前記第4穴と前記第2供給口とは連通する
    熱交換器。
  11. 第1流体と第2流体とを供給され、前記第1流体と前記第2流体との間で熱交換を行う熱交換器本体と、
    前記熱交換器本体に結合された第1マニホールドと、
    前記熱交換器本体に結合された第2マニホールドと
    を具備し、
    第1マニホールドは、前記第1流体が流入する第1供給口と、前記第1流体が流出する第1送出口とを有し、
    前記第2マニホールドは、前記第1流体が流入する第2供給口と、前記第1流体が流出する第2送出口とを有し、
    前記熱交換器本体は、複数の第1板と複数の第2板とを備え、前記第1板と前記第2板とは所定の順番で積層され、
    前記第1板は、第1面と第2面とを含み、前記第1面から前記第2面へ貫通する第1穴及び第2穴と、前記第1面に形成され、前記第1穴と前記第2穴の間をつなぐ第1溝とを有し、
    前記第2板は、第3面と第4面と第5面と第6面とを含み、前記第3面から前記第4面へ貫通する第3穴及び第4穴と、前記第3面に形成され、前記第5面から前記第6面へ達する第2溝とを有し、
    前記第1面と前記第3面とは実質的に同じ方向を向き、前記第1供給口と前記第1穴と前記第3穴とは連通し、前記第2穴と前記第4穴と前記第2供給口とは連通する
    熱交換器。
  12. 請求項11に記載の熱交換器において、
    前記第1マニホールド、前記第1板、前記第2板及び前記第2マニホールドは、セラミックス材料、及び炭素材料のうちの少なくとも一つを材料として含む
    熱交換器。
  13. 請求項12に記載の熱交換器において、
    前記セラミックス材料は、炭化ケイ素を含む
    熱交換器。
  14. 請求項10乃至13のいずれか一項に記載の熱交換器と、
    前記熱交換器の第1マニホールドへ硫酸を含む流体としての第1流体を供給する第1供給配管と、
    前記熱交換器の第2マニホールドにから前記第1流体を送出する第1送出配管と
    前記熱交換器の第2板の第2溝へ熱媒としての第2流体を供給する第2供給配管と、
    前記第2溝から前記第2流体を送出する第2送出配管と
    を具備する
    硫酸分解器。
  15. ヨウ素又は臭素のハロゲンと二酸化硫黄と水とを反応させて硫酸水溶液とハロゲン化水素水溶液とを生成させる反応器と、
    硫酸水溶液とハロゲン化水素水溶液とを比重差により分離する分離器と、
    分離されたハロゲン化水素水溶液を濃縮するハロゲン化水素濃縮器と、
    濃縮されたハロゲン化水素水溶液をハロゲンと水素とに分解するハロゲン化水素分解器と、
    分解された水素を単離し、分解されたハロゲンを前記反応部に供給するハロゲン再利用器と、
    分離された硫酸水溶液を濃縮する硫酸濃縮器と、
    濃縮された硫酸を二酸化硫黄と酸素と水とに分解する請求項14に記載の硫酸分解器と、
    分解された二酸化硫黄、酸素、水のうち、少なくとも二酸化硫黄を前記反応器に供給する二酸化硫黄再利用器と
    を具備する
    水素製造装置。
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