JP4442329B2 - 動力伝達チェーンおよび動力伝達装置 - Google Patents

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Description

この発明は、動力伝達チェーン、さらに詳しくは、自動車の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達チェーンおよびこれを用いた動力伝達装置に関する。
自動車用無段変速機として、図11に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたドライブプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたドリブンプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
動力伝達チェーンとしては、特許文献1に、前後に並ぶ貫通孔を有する複数のリンクと、一のリンクの前貫通孔と他のリンクの後貫通孔とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前貫通孔に固定されかつ他のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後貫通孔に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされているものが提案されている。
特開平8−312725号公報
上記特許文献1の動力伝達チェーンは、チェーンが連続体でないことから生じる多角形振動を抑制し、これを使用する無段変速機の騒音の低減が図られているが、ピン形状やリンク形状を決定する際には、次のような制約がある。
すなわち、リンクの貫通孔形状は、ピン同士の転がり接触移動を案内するように決定されるが、案内のために貫通孔の曲率を小さくした場合には、この部分への応力集中によって疲労寿命が低下する懸念がある。また、ピン形状を2種類として、これをランダムに配列することが騒音低減上好ましいが、転がり接触移動距離が増大すると、リンクに作用する最大応力が増加し、この点からもリンクの疲労寿命低下が問題となる。
この発明の目的は、リンクの疲労寿命を向上させ、これにより、リンク形状およびピン形状に対する制約が緩くなることで、騒音低減効果を向上させることができる動力伝達チェーンおよび動力伝達装置を提供することにある。
この発明による動力伝達チェーンは、前後に並ぶ貫通孔を有する複数のリンクと、一のリンクの前貫通孔と他のリンクの後貫通孔とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前貫通孔に固定されかつ他のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後貫通孔に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、第1ピンおよび第2ピンは、リンクの前後貫通孔の周縁で案内されており、傾き角をαとして、リンクの貫通孔は、チェーン直線部分にあるピンを案内する直線時案内部と、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるピンを案内する傾き角小時案内部と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるピンを案内する傾き角大時案内部とを有しており、直線時案内部および傾き角大時案内部が、ピン外周面に接触する形状とされるとともに、傾き角小時案内部が、ピン外周面との間に所定の間隙を有する形状とされ、これにより、第1ピンと第2ピンとの転がり接触移動の案内は、チェーン直線時と傾き角α以上の曲線時とでは位置決め規制とされ、傾き角が0からαとなるまでの曲線時では所定の範囲から外れないようにする範囲規制とされていることを特徴とするものである。
傾き角は、チェーンの曲線部の中心を原点、チェーンの直線部の方向をX軸、これに直交する方向をY軸として、原点と転がり接触中心とを結ぶ線とY軸とのなす角を意味する。0<傾き角(θ)<αの間は、転がり接触移動の案内がされないことから、この範囲では、リンク形状について、疲労寿命を重視して曲率半径の小さい曲線部をなくすことが可能となる。αは、任意の角度とされるが、好ましくは、α=4°〜20°とされる。
相対的に転がり接触移動するピン同士の接触位置の軌跡は、例えば、円のインボリュート曲線とされる。ピン同士の接触位置の軌跡を円のインボリュート曲線とするには、例えば、一方のピンの接触面が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、他方のピンの接触面が平坦面(断面形状が直線)とすればよい。ピン同士の接触位置の軌跡は、両方のピンの接触面がともに曲面であっても円のインボリュート曲線とすることができ、この場合には、両方のピンの断面形状が同一とされることが好ましい。
第1ピンおよび第2ピンについては、これらの少なくとも一方の接触面形状が変更されることにより、転がり接触移動の軌跡が相違する2つの組が形成され、これらの組がランダムに配列されることが好ましい。接触面形状が相違するピンの組を得るには、例えば、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡が円のインボリュートとされかつインボリュートの基礎円半径が異なる2種類の第1ピンおよび第2ピンの組を形成すればよい。
各ピンは、リンクの貫通孔の周縁で案内されていることが好ましい。この場合に、リンクの貫通孔は、チェーン直線部分にあるピンを案内する直線時案内部と、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるピンを案内する傾き角小時案内部と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるピンを案内する傾き角大時案内部とを有しているものとされ、直線時案内部および傾き角大時案内部は、ピン形状にしたがってピン外周面に接触してピンを位置決めする形状とされ、傾き角小時案内部は、疲労寿命を考慮して、曲率の小さい曲線部をなくすように形成される。傾き角小時案内部によるピンの案内は、所定の範囲から外れないようにする範囲規制となる。
チェーン直線時での第1ピンと第2ピンとの接触部を原点とし、チェーン直線方向をx軸、これに直交する方向をy軸、チェーン曲線部の第1ピンと第2ピンの接触位置におけるピン接線方向とy軸のなす角をγ、CVT用チェーンとして使用される際のチェーン曲線部の最小半径をR、CVTの変速比をrとして、転がり接触移動の軌跡は、次の式で与えられる許容下限の円のインボリュート曲線と許容上限の円のインボリュート曲線との範囲内にあるインボリュート曲線または非インボリュート曲線であることが好ましい。
許容下限 x=0.25R・(sinγ−γ・cosγ)
y=0.25R・(cosγ+γ・sinγ)−0.25R
許容上限 x=2r・R・(sinγ−γ・cosγ)
y=2r・R・(cosγ+γ・sinγ)−2r・R
第1ピンおよび第2ピンのうちのいずれか一方は、このチェーンが無段変速機で使用される際にプーリに接触する方のピン(以下「ピン」と称す)とされ、他方は、プーリに接触しない方のピン(インターピースまたはストリップと称されており、以下では「インターピース」と称す)とされる。
そして、リンクの前貫通孔は、ピンが固定されるピン固定部およびインターピースが移動可能に嵌め入れられるインターピース可動部からなり、リンクの後貫通孔は、ピンが移動可能に嵌め入れられるピン可動部およびインターピースが固定されるインターピース固定部からなるものとされる。前後貫通孔は、結合されて1つの孔とされてもよい。
なお、この明細書において、リンクの長さ方向の一端側を前、同他端側を後としているが、この前後は便宜的なものであり、リンクの長さ方向が前後方向と常に一致することを意味するものではない。
この発明による動力伝達チェーンは、いずれか一方のピン(インターピース)が他方のピン(ピン)よりも短くされ、長い方のピンの端面が無段変速機のプーリの円錐状シーブ面に接触し、この接触による摩擦力により動力を伝達するものであることが好ましい。各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化し、スムーズな動きで無段の変速を行うことができる。
この発明による動力伝達装置は、円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備えたもので、動力伝達チェーンが上記いずれかに記載のものとされる。
この動力伝達装置は、自動車の無段変速機としての使用に好適なものとなる。
この発明の動力伝達チェーンによると、0<傾き角θ<αの間は、転がり接触移動の案内をしないことから、この範囲では、リンク形状の設計に際し、疲労寿命を重視して曲率半径の小さい曲線部をなくすことが可能となるので、リンクの疲労寿命を向上させることができる。これにより、リンク形状およびピン形状に対する制約が緩くなり、進入角を小さくすることで多角形振動を低減することを目的として、基礎円の半径を大きくしたり、多角形振動による共振を回避することを目的として、基礎円の半径が異なる2種類のピンをランダム配列とすることが容易となり、チェーンに起因する騒音の低減が可能となる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、図3の左を前、右を後というものとする。
図1および図2は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後貫通孔(12)(13)を有する複数のリンク(11)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。
図3に示すように、前貫通孔(12)は、ピン(14)(実線で示す)が固定されるピン固定部(12a)およびインターピース(15)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め入れられるインターピース可動部(12b)からなり、後貫通孔(13)は、ピン(14)(二点鎖線で示す)が移動可能に嵌め入れられるピン可動部(13a)およびインターピース(15)(実線で示す)が固定されるインターピース固定部(13b)からなる。そして、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)を連結するに際しては、一のリンク(11)の前貫通孔(12)と他のリンク(11)の後貫通孔(13)とが対応するようにリンク(11)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)の前貫通孔(12)に固定されかつ他のリンク(11)の後貫通孔(13)に移動可能に嵌め入れられ、インターピース(15)が一のリンク(11)の前貫通孔(12)に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンク(11)の後貫通孔(13)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の接触面(14a)が、図4に示すように、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート形状を有し、インターピース(15)の接触面(15a)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)がチェーン(1)の直線部分から曲線部分へまたは曲線部分から直線部分へと移行する際、前貫通孔(12)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(12b)内を固定状態のピン(14)に対してその接触面(15a)がピン(14)の接触面(14a)に転がり接触(厳密には若干のすべり接触を含む転がり接触(転がり滑り接触)となっている)しながら移動し、後貫通孔(13)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその接触面(14a)がインターピース(15)の接触面(15a)に転がり接触(厳密には若干のすべり接触を含む転がり接触(転がり滑り接触)となっている)しながらピン可動部(13a)内を移動する。なお、図3において、符号AおよびBで示す箇所は、チェーン(1)の直線部分においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)であり、AB間の距離がピッチとなる。
このような動力伝達チェーン(1)では、図5に示すピンの運動軌跡に伴う多角形振動が生じる。図5において、ピン(四角印で示す)が直線部分からプーリと接触する曲線状部分に移行する噛込位置においては、プーリの接線方向とピン進入方向とが異なっており(これらの方向同士のなす角が進入角)、ピンは下降しながらプーリと接触する。プーリと接触する際のピンの下降量が初期噛込位置変化量として示されている。直線部分にあるピンも噛込位置におけるピンの下降の影響を受けて上下移動し、この上下移動量が振幅となる。このようなピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じる。
ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、上記の振幅を小さくすることができる。しかしながら、この構成であっても、リンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)を1種類とした場合、大きな音圧レベルのピークが生じ、これが人間には騒音として感じられる。したがって、接触位置の軌跡が円のインボリュートとされているものにおいても、多角形振動のより一層の減少が望まれている。
そこで、この発明による動力伝達チェーンにおいては、すべてのリンク(11)、ピン(14)およびインターピース(15)が同一形状になされているのではなく、多角形振動による共振を回避するために、図6に示すように、異なる基礎円半径R1またはR2を有する2種類のピン(14A)(14B)およびインターピース(15A)(15B)の組が使用されており、これらが不規則な順で(ランダムに)配列されている。なお、図6において、基礎円半径がR2のピン(14B)の形状は、基礎円半径R1のピン(14A)と形状が違うことを示すために描かれたもので、実際の形状とは相違している。
基礎円の半径が異なるピン(14A)(14B)およびインターピース(15A)(15B)の組を2種類製作するには、例えば、リンク(11)の形状は貫通孔(12)(13)を含めて同一形状とし、ピン(14A)の接触面(14a)を半径R1の基礎円を持つインボリュート形状に、ピン(14B)の接触面(14a)を半径R2の基礎円を持つインボリュート形状に形成し、インターピース(15A)(15B)は、その接触面(15a)が平坦面のもの1種類とすればよい。ピン(14A)(14B)とインターピース(15A)(15B)とはその断面形状を逆にしてもよく、ピンとインターピースとの接触位置の軌跡が円のインボリュートとなりかつピンとインターピースとが同じ断面形状を有するようにしてもよい。
この動力伝達チェーン(1)によると、接触位置の軌跡をインボリュート曲線とすることにより、図7に示すように、ピン(14)(15)がプーリ(2)に噛み込まれても同図に一点鎖線で示す直線Lの方向にチェーン(1)が引き続けられることにより、噛み込む位置と噛み込み後の移動によるチェーン(1)の多角形振動を最小限に抑えることができる。そして、ピン(14A)(14B)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされかつインボリュートの基礎円半径が異なる2種類のピン(14A)(14B)およびインターピース(15)の組が設けられるとともに、これらのピン(14A)(14B)およびインターピース(15)の組がランダムに配列されているとともに、これらのピン(14A)(14B)の組がランダムに配列されていることにより、打音発生の周期がずれ、音のエネルギが異なる周波数帯に分散されるので、音圧レベルのピークを低減することができる。
この発明の動力伝達チェーンでは、上記のように基礎円半径が異なる2種類のピン(14)を使用するに際して、リンク(11)が次のように形成されている。
図8に示すように、リンク(11)の前貫通孔(12)のインターピース可動部(12b)下縁部は、チェーン直線部分にあるインターピース(15)の下面を案内する直線時案内部(21a)と、傾き角(図7にθで示す角度)が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるインターピース(15)の下面を案内する傾き角小時案内部(21b)と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるインターピース(15)の下面を案内する傾き角大時案内部(21c)とを有しており、リンク(11)の前貫通孔(12)のインターピース可動部(12b)上縁部は、チェーン直線部分にあるインターピース(15)の上面を案内する直線時案内部(22a)と、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるインターピース(15)の上面を案内する傾き角小時案内部(22b)と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるインターピース(15)の上面を案内する傾き角大時案内部(22c)とを有している。同様に、リンク(11)の後貫通孔(13)のピン可動部(13a)下縁部は、チェーン直線部分にあるピン(14)の下面を案内する直線時案内部(23a)と、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるピン(14)の下面を案内する傾き角小時案内部(23b)と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるピン(14)の下面を案内する傾き角大時案内部(23c)とを有しており、リンク(11)の後貫通孔(13)のピン可動部(13a)上縁部は、チェーン直線部分にあるピン(14)の上面を案内する直線時案内部(24a)と、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるピン(14)の上面を案内する傾き角小時案内部(24b)と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるピン(14)の上面を案内する傾き角大時案内部(24c)とを有している。
ここで、前貫通孔(12)のインターピース可動部(12b)の各直線時案内部(21a)(22a)および各傾き角大時案内部(21c)(22c)は、インターピース(15)形状にしたがってその外周面に接触してインターピース(15)を位置決めする形状とされている。これに対し、前貫通孔(12)のインターピース可動部(12b)の上縁部および下縁部の傾き角小時案内部(21b)(22b)は、疲労寿命を考慮して、曲率の小さい曲線部をなくすように形成されており、この曲線部を削って曲率を大きくすることで、インターピース(15)の外周面と前貫通孔(12)のインターピース可動部(12b)の上縁部(傾き角小時案内部(22b))および下縁部(傾き角小時案内部(21b))との間には、所定の隙間が存在するようになされている。これにより、傾き角小時案内部(21b)(22b)によるインターピース(15)の案内は、所定の範囲から外れないようにする範囲規制となっている。したがって、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるインターピース(15)は、その上縁がインターピース可動部(12b)の傾き角小時案内部(22b)に接触する位置とその下縁がインターピース可動部(12b)の傾き角小時案内部(21b)に接触する位置との間で若干の上下移動を許容された状態で、ピン(14)に対して転がり接触しながら移動する。また、後貫通孔(13)のピン可動部(13a)の各直線時案内部(23a)(24a)および各傾き角大時案内部(23c)(24c)は、ピン(14)形状にしたがってその外周面に接触してピン(14)を位置決めする形状とされている。これに対し、後貫通孔(13)のピン可動部(13a)の上縁部の傾き角小時案内部(24b)は、疲労寿命を考慮して、曲率の小さい曲線部をなくすように形成されており、この曲線部を削って曲率を大きくすることで、ピン(14)の外周面と後貫通孔(13)のピン可動部(13a)の上縁部(傾き角小時案内部(24b))および下縁部(傾き角小時案内部(23b))との間には、所定の隙間が存在するようになされている。これにより、傾き角小時案内部(23b)(24b)によるピン(14)の案内は、所定の範囲から外れないようにする範囲規制となっている。したがって、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるピン(14)は、その上縁がピン可動部(13a)の傾き角小時案内部(24b)に接触する位置とその下縁がピン可動部(13a)の傾き角小時案内部(23b)に接触する位置との間で若干の上下移動を許容された状態で、インターピース(15)に対して転がり接触しながら移動する。このようにすると、前後貫通孔(12)(13)の曲率が小さい部分がなくなり、リンク(11)の疲労寿命を向上させることができる。これにより、リンク(11)形状およびピン(14A)(14B)形状に対する制約が緩くなり、進入角を小さくすることで多角形振動を低減することを目的として、基礎円の半径を大きくしたり、多角形振動による共振を回避することを目的として、基礎円の半径が異なる2種類のピン(14A)(14B)をランダム配列とすることが容易となり、チェーンに起因する騒音の低減が可能となる。なお、前後貫通孔(12)(13)のインターピース可動部(12b)およびピン可動部(13a)の形状は、上記のものに限定されるものではなく、ピン(14)とインターピース(15)との転がり接触移動の位置決め規制がチェーン直線時と傾き角α以上の曲線時とでのみ行われることを可能とする範囲で、種々変更可能である。
図7において、チェーンの曲線部の中心を原点、チェーンの直線部の方向をX軸、これに直交する方向をY軸、原点とチェーン曲線部のピン転がり中心とを結ぶ線とY軸とのなす角をθとする。また、チェーン直線時でのピン(14A)(14B)とインターピース(15)との接触部を原点とし、チェーン直線方向をx軸、これに直交する方向をy軸とし、チェーン曲線部のピン(14A)(14B)とインターピース(15)の接触位置におけるピン接線方向とy軸のなす角をγとすると、円のインボリュート曲線は、基礎円の半径をRbとして、次の式で与えられる。
x=Rb・(sinγ−γ・cosγ)
y=Rb・(cosγ+γ・sinγ)−Rb
基礎円半径Rbは、例えば、CVT用チェーンとして使用される際の最小半径とされる。
インボリュート曲線は、基礎円半径に応じて無数にあり、基礎円半径が変化しても同様の効果を維持できるので、RをCVT用チェーンの最小半径として、インボリュート曲線の許容範囲は、次の式で表される。
x=k・R・(sinγ−γ・cosγ)
y=k・R・(cosγ+γ・sinγ)−k・R
ここで、CVT用チェーンとして使用される際のチェーン曲線部の最小半径をR、CVTの変速比をrとして、kを次の範囲とすることが好ましい。
0.25<k<2r
すなわち、図9に示すように、k=0.25としたときのインボリュート曲線(許容下限曲線)とk=2rとしたときのインボリュート曲線(許容上限曲線)との間にある任意のインボリュート曲線から2種類(必要に応じて3種類以上)のインボリュート曲線を選択することで、騒音を低減することができる。
転がり接触移動の軌跡は、第1ピンと第2ピンとの接触位置の軌跡が円のインボリュートに限られるものではなく、k=0.25としたときのインボリュート曲線(許容下限曲線)とk=2rとしたときのインボリュート曲線(許容上限曲線)との間にある非インボリュート曲線(インボリュート類似曲線)としてもよい。
上記の動力伝達チェーンは、図11に示したCVTで使用されるが、この際、図10に示すように、インターピース(15)がピン(14)よりも短くされ、インターピース(15)の端面がプーリ(2)の固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)の各円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触しない状態で、ピン(14)の端面がプーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)に接触し、この接触による摩擦力により動力が伝達される。ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。
図1は、この発明による動力伝達チェーンの一部を示す平面図である。 図2は、同拡大斜視図である。 図3は、同拡大側面図である。 図4は、接触面の基礎円半径を説明する図である。 図5は、ピンの運動軌跡を示す図である。 図6は、異なる形状のピンがランダムに配列された一例を示す図である。 図7は、この発明による動力伝達チェーンの噛み込み前後のピンの状態を示す図である。 図8は、この発明による動力伝達チェーンのリンクの好ましい形状を示す図である。 図9は、この発明による動力伝達チェーンのピンの好ましい接触面形状の範囲を示す図である。 図10は、動力伝達チェーンがプーリに取り付けられた状態を示す正面図である。 図11は、この発明による動力伝達チェーンが使用される一例の無段変速機を示す斜視図である。
符号の説明
(1) 動力伝達チェーン
(2)(3) プーリ
(2a)(3a) 固定シーブ
(2b)(3b) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(11) リンク
(12)(13) 貫通孔
(14)(14A)(14B) ピン(第1ピン)
(15) インターピース(第2ピン)

Claims (3)

  1. 前後に並ぶ貫通孔を有する複数のリンクと、一のリンクの前貫通孔と他のリンクの後貫通孔とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、一のリンクの前貫通孔に固定されかつ他のリンクの後貫通孔に移動可能に嵌め入れられた第1ピンと一のリンクの前貫通孔に移動可能に嵌め入れられかつ他のリンクの後貫通孔に固定された第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンにおいて、
    第1ピンおよび第2ピンは、リンクの前後貫通孔の周縁で案内されており、傾き角をαとして、リンクの貫通孔は、チェーン直線部分にあるピンを案内する直線時案内部と、傾き角が0からαとなるまでのチェーン曲線部分にあるピンを案内する傾き角小時案内部と、傾き角がα以上のチェーン曲線部分にあるピンを案内する傾き角大時案内部とを有しており、直線時案内部および傾き角大時案内部が、ピン外周面に接触する形状とされるとともに、傾き角小時案内部が、ピン外周面との間に所定の間隙を有する形状とされ、これにより、第1ピンと第2ピンとの転がり接触移動の案内は、チェーン直線時と傾き角α以上の曲線時とでは位置決め規制とされ、傾き角が0からαとなるまでの曲線時では所定の範囲から外れないようにする範囲規制とされていることを特徴とする動力伝達チェーン。
  2. チェーン直線時での第1ピンと第2ピンとの接触部を原点とし、チェーン直線方向をx軸、これに直交する方向をy軸、チェーン曲線部の第1ピンと第2ピンの接触位置におけるピン接線方向とy軸のなす角をγ、CVT用チェーンとして使用される際のチェーン曲線部の最小半径をR、CVTの変速比をrとして、転がり接触移動の軌跡は、次の式で与えられる許容下限の円のインボリュート曲線と許容上限の円のインボリュート曲線との範囲内にあるインボリュート曲線または非インボリュート曲線である請求項1の動力伝達チェーン。
    許容下限 x=0.25R・(sinγ−γ・cosγ)
    y=0.25R・(cosγ+γ・sinγ)−0.25R
    許容上限 x=2r・R・(sinγ−γ・cosγ)
    y=2r・R・(cosγ+γ・sinγ)−2r・R
  3. 円錐面状のシーブ面を有する第1のプーリと、円錐面状のシーブ面を有する第2のプーリと、これら第1および第2のプーリに掛け渡される動力伝達チェーンとを備え、動力伝達チェーンが請求項1または2に記載のものである動力伝達装置。
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