JP4442167B2 - フィルタ装置 - Google Patents

フィルタ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4442167B2
JP4442167B2 JP2003316248A JP2003316248A JP4442167B2 JP 4442167 B2 JP4442167 B2 JP 4442167B2 JP 2003316248 A JP2003316248 A JP 2003316248A JP 2003316248 A JP2003316248 A JP 2003316248A JP 4442167 B2 JP4442167 B2 JP 4442167B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
group
transducer
filter device
frequency
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003316248A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005086469A5 (ja
JP2005086469A (ja
Inventor
和弘 松久
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP2003316248A priority Critical patent/JP4442167B2/ja
Publication of JP2005086469A publication Critical patent/JP2005086469A/ja
Publication of JP2005086469A5 publication Critical patent/JP2005086469A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4442167B2 publication Critical patent/JP4442167B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Micromachines (AREA)
  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Description

本発明は、いわゆるマイクロマシン(超小型電気的・機械的複合体;Micro Electro-Mechanical Systems、以下「MEMS」という)を用いてなるフィルタ装置に関するものである。
近年、基板上の微細化製造技術の進展に伴い、MEMSやMEMSを組み込んだ小型機器等が注目されている。MEMSは、可動構造体である振動子と、その振動子の駆動を制御する半導体集積回路等とを、電気的・機械的に結合させた素子である。そして、振動子が素子の一部に組み込まれており、その振動子の駆動を電極間のクーロン引力等を応用して電気的に行うようになっている。
このようなMEMSのうち、特に半導体プロセスを用いて形成されたものは、デバイスの占有面積が小さいこと、高いQ値(振動系の共振の鋭さを表す量)を実現できること、他の半導体デバイスとのインテグレーション(統合)が可能であること等の特徴を有することから、無線通信用のIFフィルタ装置やRFフィルタ装置等としての利用が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。具体的には、例えば図8に示すように、可動構造体である振動子51を備えるとともに、その振動子51と相対する下部電極52がそれぞれ入力、出力電極として機能するようになっており、振動子51の振動を利用して特定周波数帯域の信号を透過または遮断することで、フィルタ装置を構成する。
Frank D.bannon III,John R.Clark,Clark T.-C.Nguyen,"High-Q HF Microelectromechanical Filters"IEEE JOURNAL OF SOLID-STATE CIRCUITS,VOL.35,NO.4,APRIL2000,pp.512-526
ところで、図8に示したようなMEMS構造では、振動子51と相対する下部電極52をそれぞれ入力、出力電極として機能させているが、信号を増大させようとして電極間ギャップを小さくすると、電極間の寄生容量が増大してしまい、信号の直接漏洩成分が増えてSN比を十分に確保できない可能性がある。このことから、フィルタ装置を構成するのにあたっては、例えば図9に示すように、可動構造体である振動子53とは別に、その振動子53に振動を励起するための入力電極54と、振動子53に励起された振動を検出するための出力電極55とをそれぞれ設け、振動子53に直流バイアス電圧を印加するMEMS構造とすることも考えられる。このようなMEMS構造とすれば、出力信号と寄生容量の相関を無くすことができ、SN比を十分に確保し得るようになるからである。
しかしながら、図9に示すMEMS構造においても、可動構造体である振動子53を単独で、または複数個用いて、フィルタ装置を構成するわけであるが、その振動子53は、例えばプロセス変動やばらつき等によって長さ、幅、厚さ、物性等が変動してしまい所望の通りにならないおそれがある。したがって、その振動子53を用いたMEMS構造によりフィルタ装置を構成しても、狙い通りの透過周波数や遮断周波数等が得られないこともあり得る。
さらに、MEMS構造によるフィルタ装置では、振動子53という機械的な構造の特性を利用しているため、中心周波数の温度特性が数十〜数百ppm程度とそれほど良くない。そのため、振動子53が所望の通りに精度良く形成されている場合であっても、環境温度によっては透過周波数や遮断周波数等が変動してしまう可能性もある。
また、フィルタ装置に対しては、これを使用する際の汎用性等の観点から、同一構造で異なる仕様(中心周波数、遮断周波数、リップル、スカート特性等)に対応可能にするための技術が常に求められている。
そこで、本発明は、MEMS構造を用いた場合であっても、プロセス変動や外乱等の影響を極力受けることなく、適切な透過周波数や遮断周波数等に対応することが可能なフィルタ装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために案出されたフィルタ装置である。すなわち、特定周波数帯域の信号を透過するMEMS構造のフィルタ装置であって、直流電圧が印加される可動構造体である少なくとも一つの振動子と、前記振動子に振動を励起するための入力電極と、前記振動子に励起された振動を検出するための出力電極とを有してなる振動子群を複数備え、前記複数の振動子群は、第一の振動子群、第二の振動子群および第三の振動子群からなり、前記第一の振動子群、前記第二の振動子群および前記第三の振動子群における各振動子は、それぞれが異なる中心周波数に対応したものであり、前記各振動子が対応する中心周波数から特定される周波数帯域に信号を透過するように、前記第一の振動子群がシリーズ側に位置し、前記第二の振動子群および前記第三の振動子群がシャント側に位置して、それぞれが電気的に接続されており、前記第一の振動子群、前記第二の振動子群および前記第三の振動子群のそれぞれには、当該振動子群における振動子への印加電圧の値を連続可変させる電圧調整手段が設けられているものである。
上記構成のフィルタ装置は、第一の振動子群、第二の振動子群および第三の振動子群のそれぞれが、いずれも、電圧調整手段を備えていることから、その電圧調整手段によって振動子への印加電圧の値を可変させることができる。
ここで、一般に、振動子に直流電圧を印加すると、振動子と下部電極(入力電極または出力電極)が当接する電圧に向けて徐々に共振周波数が下がっていくが、その度合いは当接電圧に近づくにつれて大きくなっていく。これは、静電バネのソフトニング効果によるものである。つまり、例えば電圧を余計に印加することで共振周波数を低周波側に変化させたり、また印加する電圧を抑えることで共振周波数を高周波側に変化させたりすることが可能となる。
したがって、振動子への印加電圧の値を可変させれば、その振動子における共振周波数が想定した共振周波数と異なる場合であっても、その相違の修正が行えるようになる。
本発明のフィルタ装置によれば、振動子への印加電圧の値を可変させることで、その振動子における共振周波数を適宜修正し得るようになる。つまり、プロセス変動やばらつき、環境温度といった外乱等によって狙い通りの透過周波数や遮断周波数等が得られない場合であっても、振動子への印加電圧の値を可変させて修正することで、所望の透過周波数や遮断周波数等を実現し得るようになる。
したがって、本発明のフィルタ装置では、MEMS構造を用いた場合であっても、プロセス変動や外乱等の影響を極力受けることなく、適切な透過周波数や遮断周波数等に対応することが可能となる。
以下、図面に基づき本発明に係るフィルタ装置について説明する。
先ず、フィルタ装置の基本的な構成について説明する。図1は、本発明に係るフィルタ装置の基本的な構成例を示す説明図である。
図1に示すように、ここで説明するフィルタ装置は、MEMS構造を利用して構成されたもので、直流電圧が印加される可動構造体である振動子1と、その振動子1に振動を励起するための入力電極2と、振動子1に励起された振動を検出するための出力電極3とを備えている。そして、入力電極2に特定の周波数電圧が印加された場合に、例えばポリシリコン(Poly-Si)といった絶縁材料からなる振動子1の可動部分が固有振動周波数で振動し、出力電極3と振動子1の可動部との間の空間で構成されるキャパシタの容量が変化し、これが出力電極3から出力されるようになっている。これにより、フィルタ装置では、高いQ値を実現することができるのである。
これらの振動子1、入力電極2および出力電極3は、いずれも、例えばSi(単結晶シリコン)からなる半導体基板5上にSiO2(二酸化ケイ素)膜6およびSiN(窒化ケイ素)膜7が積層された、さらにその上方に形成されている。つまり、これらを備えてなるフィルタ装置は、半導体基板5上に形成されるものであることから、他の半導体デバイスとのインテグレーションが可能である。
また、振動子1には、直流電圧が印加されることから、出力信号と寄生容量の相関を無くすことができ、SN比を十分に確保することが可能となる。
なお、振動子1は、必ずしも単独である必要はなく、複数が組み合わされてなるもの、すなわち振動子群を構成するものであってもよい。
さらに、ここで説明するフィルタ装置は、その特徴的な構成として、電圧調整手段8を備えている。
電圧調整手段8は、振動子1とその振動子1への電圧の印加を行うための電源9との間に配設されたもので、振動子1への印加電圧の値を可変させるためのものである。具体的には、ボリュームやレギュレータ等を用いて構成することが考えられるが、その詳細については公知技術を利用すればよいため、ここではその説明を省略する。
このような構成のフィルタ装置では、電圧調整手段8を備えていることから、その電圧調整手段8によって振動子1への印加電圧の値を可変させることができ、これによりその振動子1における共振周波数を適宜修正し得るようになる。
ここで、振動子1への印加電圧と、その振動子1における共振周波数または振幅との関係について簡単に説明する。図2は、印加電圧と共振周波数または振幅との関係の一具体例を示す説明図である。
上述した構成のフィルタ装置において、振動子1に直流電圧を印加すると、図2(a)に示すように、振動子1と入力電極2または出力電極3といった下部電極とが当接する電圧(図中におけるA部参照)に向けて、徐々に共振周波数が下がっていく。その度合いは、当接電圧に近づくにつれて大きくなっていく。これは、振動子1において、静電バネのソフトニング効果が作用することによるものである。
つまり、例えば図中において、印加する直流電圧の値を「V0」から「+ΔV」だけ大きくすれば、振動子1における共振周波数が「f0」から「−Δf」だけ低周波側に変化し、直流電圧の値を「V0」から「−ΔV」だけ小さくすれば、振動子1における共振周波数が「f0」から「+Δf」だけ高周波側に変化することになる。
また、図2(b)に示すように、印加する直流電圧の値によっては、振動子1の振幅も変化する。例えば、直流電圧の値を大きくすれば、共振周波数の変化に伴って、振動子1の振幅が大きくなるといった具合である。
以上のようなソフトニング効果の影響によって、上述した構成のフィルタ装置における振動子1に対して、その印加電圧の値を電圧調整手段8が可変させれば、その振動子1における共振周波数を適宜修正し得るようになるのである。具体的には、振動子1に対して、想定した共振周波数よりも実際の共振周波数が高い場合は印加電圧の値を大きくし、実際の共振周波数が低い場合には印加電圧の値を小さくなるように抑えることで、振動子1における実際の共振周波数を想定した共振周波数に合わせられる。つまり、電圧調整手段8を介して振動子1に適切な直流バイアス電圧を印加することで、その振動子1が透過させる透過周波数または遮断する遮断周波数を適宜調整できるようになる。
電圧調整手段8を介した周波数調整は、以下に述べるようにして行えばよい。
例えば、フィルタ装置を動作させた状態で、出力電極3にて検出された振動、すなわち出力電極3からの出力信号を、公知の波形検出装置等を用いてモニタリングし、そのモニタリングの結果に基づいて電圧調整手段8におけるボリューム等を作業員の人手により調整することで、振動子1への印加電圧の値を適宜可変させることが考えられる。このような周波数調整は、フィルタ装置の製造工程の最終段階にて行われる初期チューニングに適用するのが望ましい。当該周波数調整を行うようにすれば、初期チューニングによって、プロセス変動等に起因する製造ばらつきを抑えることができるからである。
また、例えば、フィルタ装置に公知の温度補償回路を付設し、その温度補償回路からの出力信号に応じて電圧調整手段8が振動子1への印加電圧の値を自動的に可変させる、いわゆるフィードバック制御を行うことで、電圧調整手段8を介した周波数調整を行うことも考えられる。このような周波数調整は、フィルタ装置の使用段階での周波数チューニングに適用するのが望ましい。当該周波数調整を行うようにすれば、環境温度の変化等といった外乱に対しても安定した動作が可能なフィルタ特性を得ることができるからである。
次に、以上のような基本的な構成を備えた本発明に係るフィルタ装置について、具体例を挙げてさらに詳しく説明する。
図3は、本発明に係るフィルタ装置の第1の具体的な構成例を示す説明図である。図例は、反共振を持つ振動子を備えて構成された帯域透過型のフィルタ装置の一具体例を示している。
図3(a)に示すように、ここで説明するフィルタ装置は、複数の振動子群、すなわち第一の振動子群11と第二の振動子群12とを備えている。
これら第一の振動子群11および第二の振動子群12は、いずれも、上述した基本的な構成、すなわち振動子、入力電極、出力電極および電圧調整手段を有してなるものである。ただし、振動子は、少なくとも一つを有していれば、単独のものであっても、あるいは複数の組み合わせからなるものであってもよい。また、電圧調整手段は、第一の振動子群11と第二の振動子群12の少なくとも一方が有していれば、必ずしも両方が有していなくともよい。
このような第一の振動子群11および第二の振動子群12における各振動子は、反共振を持つもの、すなわち図3(b)に示すような波形特性に対応したものである。ただし、第一の振動子群11と第二の振動子群12とは、それぞれが異なる中心周波数に対応したものである。つまり、反共振を持つものであっても、それぞれにおける振動子は、対応する中心周波数が異なるように形成されている。なお、反共振を持つ振動子については、公知技術を利用して実現すればよいため、ここではその説明を省略する。
そして、これら第一の振動子群11および第二の振動子群12は、図3(a)に示すように、第一の振動子群11がシリーズ側に位置し、第二の振動子群12がシャント側に位置するように、それぞれが電気的に接続されている。これにより、第一の振動子群11および第二の振動子群12は、図3(c)に示すように、それぞれの振動子の反共振のピークの大きさや中心周波数等に応じた周波数帯域の信号を透過させるフィルタ装置を構成することになる。換言すると、第一の振動子群11および第二の振動子群12は、それぞれの振動子が対応する中心周波数から特定される周波数帯域の信号を透過させるべく、一方がシリーズ側に、他方がシャント側に位置するように、それぞれ電気的に接続されているのである。
このように構成されたフィルタ装置では、透過させる周波数帯域が第一の振動子群11および第二の振動子群12における各振動子の特性に依存する。そのため、例えば、雰囲気温度が上がると振動子を構成する部品が膨張してしまい、各振動子の共振周波数が低くなるといったことが起こり得る。
ところが、上述した構成のフィルタ装置では、第一の振動子群11および第二の振動子群12が電圧調整手段を有していることから、各振動子に印加する直流電圧(図3(a)中におけるDC1,DC2参照)を可変させることでソフトニング効果を起こし、それぞれにおける共振周波数を図3(c)中の左右方向にシフトさせて、雰囲気温度が上がった場合であっても想定した周波数帯域を確保するといったことが可能となる。これは、雰囲気温度が下がった場合についても、全く同様である。
つまり、第一の振動子群11および第二の振動子群12が電圧調整手段を有していることによって、その第一の振動子群11および第二の振動子群12が電気的に接続されてなるフィルタ装置では、ソフトニング効果による現象を利用して、透過させる周波数帯域の幅を広げたり、狭めたり、高周波側または低周波側にシフトさせるといった、周波数調整を行うことが可能となる。さらには、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を見込むことができるようになる。
したがって、プロセス変動やばらつき、雰囲気温度といった外乱等によって狙い通りの周波数帯域が得られない場合であっても、振動子への印加電圧の値を可変させて修正することで、所望の周波数帯域を実現し得るようになるので、MEMS構造を用いてフィルタ装置を構成した場合であっても、プロセス変動や外乱等の影響を極力受けることなく、適切な周波数帯域に対応することが可能となる。
なお、このような効果を得るためには、第一の振動子群11と第二の振動子群12との両方が電圧調整手段を有していることが望ましいが、これらのうちのいずれか一方のみが電圧調整手段を有している場合であっても、透過させる周波数帯域の幅を調整したり、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を図ったりすることは可能である。
図4は、上述した第1の具体的な構成の変形例を示す説明図である。
MEMS共振子は高抵抗のデバイスなので直列接続には向いていないが、図3(a)に示した構成を基本モジュールとして、図4(a)に示すように、その基本モジュール10a,10b…10nを複数直列接続した場合であっても、各基本モジュール10a,10b…10nにおける振動子群の振動子への印加電圧の値を可変させることで、透過させる周波数帯域の幅を調整したり、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を図ったりすることは可能である。
さらには、図4(b)に示すように、シリーズ側の振動子群11に対して、シャント側の振動子群12a,12bの数を増やした場合についても、全く同様のことが言える。
図5は、本発明に係るフィルタ装置の第2の具体的な構成例を示す説明図である。図例は、反共振を持たない振動子を備えて構成された帯域透過型のフィルタ装置の一具体例を示している。
図5(a)に示すように、ここで説明するフィルタ装置は、複数の振動子群、すなわち第一の振動子群21、第二の振動子群22および第三の振動子群23を備えている。
これら第一〜第三の振動子群21〜23も、上述した基本的な構成、すなわち振動子、入力電極、出力電極および電圧調整手段を有してなるものである。ただし、振動子は、少なくとも一つを有していれば、単独のものであっても、あるいは複数の組み合わせからなるものであってもよい。また、電圧調整手段は、第一〜第三の振動子群21〜23の少なくとも一方が有していれば、必ずしも全てが有していなくともよい。
このような第一〜第三の振動子群21〜23における各振動子は、反共振を持たないもの、すなわち図5(b)に示すような波形特性に対応したものであり、それぞれが異なる中心周波数に対応したものである。つまり、それぞれにおける振動子は、対応する中心周波数が異なるように形成されている
そして、これら第一〜第三の振動子群21〜23は、図5(a)に示すように、第一の振動子群21がシリーズ側に位置し、第二の振動子群22および第三の振動子群23がシャント側に位置するように、それぞれが電気的に接続されている。これにより、第一〜第三の振動子群21〜23は、図5(c)に示すように、それぞれの振動子の共振のピークの大きさや中心周波数等に応じた周波数帯域の信号を透過させるフィルタ装置を構成することになる。換言すると、第一〜第三の振動子群21〜23は、それぞれの振動子が対応する中心周波数から特定される周波数帯域の信号を透過させるべく、一つがシリーズ側に、残りがシャント側に位置するように、それぞれ電気的に接続されているのである。
このように構成されたフィルタ装置では、透過させる周波数帯域が第一〜第三の振動子群21〜23における各振動子の特性に依存するが、それぞれが電圧調整手段を有していることから、各振動子に印加する直流電圧(図5(a)中におけるDC1〜DC3参照)を可変させることでソフトニング効果を起こし、それぞれにおける共振周波数を図5(c)中の左右方向にシフトさせて、例えば雰囲気温度に変化があった場合でも想定した周波数帯域を確保するといったことが可能となる。つまり、第一〜第三の振動子群21〜23が電圧調整手段を有していることによって、その第一〜第三の振動子群21〜23が電気的に接続されてなるフィルタ装置では、ソフトニング効果による現象を利用して、透過させる周波数帯域の幅を広げたり、狭めたり、高周波側または低周波側にシフトさせるといった、周波数調整を行うことが可能となる。さらには、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を見込むことができるようになる。
したがって、プロセス変動やばらつき、雰囲気温度といった外乱等によって狙い通りの周波数帯域が得られない場合であっても、振動子への印加電圧の値を可変させて修正することで、所望の周波数帯域を実現し得るようになるので、MEMS構造を用いてフィルタ装置を構成した場合であっても、プロセス変動や外乱等の影響を極力受けることなく、適切な周波数帯域に対応することが可能となる。
なお、このような効果を得るためには、第一〜第三の振動子群21〜23との全てが電圧調整手段を有していることが望ましいが、これらのうちのいずれか一つのみが電圧調整手段を有している場合であっても、透過させる周波数帯域の幅を調整したり、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を図ったりすることは可能である。
図6は、上述した第2の具体的な構成の変形例を示す説明図である。図例のように、第一〜第三の振動子群21〜23の並べ方としては、一般的なπ型も考えられる。このような電気的接続をした場合であっても、第一〜第三の振動子群21〜23における振動子への印加電圧の値を可変させることで、透過させる周波数帯域の幅を調整したり、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を図ったりすることが可能である。
図7は、本発明に係るフィルタ装置の第3の具体的な構成例を示す説明図である。図例は、反共振を持たない振動子を備えて構成された帯域遮断型のフィルタ装置の一具体例を示している。
図例のように、ここで説明するフィルタ装置は、一つの振動子群31がシャント側に配置されてなるものである。振動子群31は、上述した基本的な構成、すなわち振動子、入力電極、出力電極および電圧調整手段を有してなるものである。ただし、振動子は、少なくとも一つを有していれば、単独のものであっても、あるいは複数の組み合わせからなるものであってもよい。このような振動子群31における振動子は、上述した実施例2の場合と同様に、反共振を持たないものである。これにより、振動子群31は、その振動子群31における振動子の共振のピークの大きさや中心周波数等に応じた周波数帯域の信号を遮断するフィルタ装置を構成することになる。
このように構成されたフィルタ装置では、遮断する周波数帯域が振動子群31における振動子の特性に依存することになるが、その振動子群31が電圧調整手段を有していることから、振動子に印加する直流電圧(図7中におけるDC参照)を可変させることでソフトニング効果を起こし、その共振周波数をシフトさせるといったことが可能となる。つまり、振動子群31が電圧調整手段を有していることによって、その振動子群31が電気的に接続されてなるフィルタ装置では、ソフトニング効果による現象を利用して、遮断する周波数帯域を高周波側または低周波側にシフトさせるといった、周波数調整を行うことが可能となる。さらには、リップルの調整やアイソレーション特性等の改善を見込むことができるようになる。
したがって、プロセス変動やばらつき、雰囲気温度といった外乱等によって狙い通りの周波数帯域が得られない場合であっても、振動子への印加電圧の値を可変させて修正することで、所望の周波数帯域を実現し得るようになるので、MEMS構造を用いてフィルタ装置を構成した場合であっても、プロセス変動や外乱等の影響を極力受けることなく、適切な周波数帯域に対応することが可能となる。
なお、当然のことではあるが、上述した実施例1〜3は、本発明の好適な一実施具体例に過ぎず、本発明がこれに限定されるものでないことは勿論である。
本発明に係るフィルタ装置の基本的な構成例を示す説明図である。 印加電圧と共振周波数または振幅との関係の一具体例を示す説明図であり、(a)は電圧−周波数の関係を示す図、(b)は周波数−振幅の関係を示す図である。 本発明に係るフィルタ装置の第1の具体的な構成例を示す説明図であり(実施例1)、(a)は電気的接続状態の概要を示す図、(b)は振動子の波形特性を示す図、(c)は透過させる周波数帯域を示す図である。 本発明に係るフィルタ装置の第1の具体的な構成の変形例を示す説明図であり、(a)は一つの変形例を示す図、(b)は他の一つの変形例を示す図である。 本発明に係るフィルタ装置の第2の具体的な構成例を示す説明図であり(実施例2)、(a)は電気的接続状態の概要を示す図、(b)は振動子の波形特性を示す図、(c)は透過させる周波数帯域を示す図である。 本発明に係るフィルタ装置の第2の具体的な構成の変形例を示す説明図である。 本発明に係るフィルタ装置の第3の具体的な構成例を示す説明図である(実施例3)。 従来のMEMS構造を用いたフィルタ装置の一構成例を示す説明図である。 従来のMEMS構造を用いたフィルタ装置の他の構成例を示す説明図である。
符号の説明
1…振動子、2…入力電極、3…出力電極、8…電圧調整手段、11、21…第一の振動子群、12,12a,12b、22…第二の振動子群、23…第三の振動子群、31…振動子群

Claims (1)

  1. 特定周波数帯域の信号を透過するMEMS構造のフィルタ装置であって、
    直流電圧が印加される可動構造体である少なくとも一つの振動子と、前記振動子に振動を励起するための入力電極と、前記振動子に励起された振動を検出するための出力電極とを有してなる振動子群を複数備え、
    前記複数の振動子群は、第一の振動子群、第二の振動子群および第三の振動子群からなり、
    前記第一の振動子群、前記第二の振動子群および前記第三の振動子群における各振動子は、それぞれが異なる中心周波数に対応したものであり、
    前記各振動子が対応する中心周波数から特定される周波数帯域に信号を透過するように、前記第一の振動子群がシリーズ側に位置し、前記第二の振動子群および前記第三の振動子群がシャント側に位置して、それぞれが電気的に接続されており、
    前記第一の振動子群、前記第二の振動子群および前記第三の振動子群のそれぞれには、当該振動子群における振動子への印加電圧の値を連続可変させる電圧調整手段が設けられている
    フィルタ装置。
JP2003316248A 2003-09-09 2003-09-09 フィルタ装置 Expired - Fee Related JP4442167B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003316248A JP4442167B2 (ja) 2003-09-09 2003-09-09 フィルタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003316248A JP4442167B2 (ja) 2003-09-09 2003-09-09 フィルタ装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005086469A JP2005086469A (ja) 2005-03-31
JP2005086469A5 JP2005086469A5 (ja) 2006-06-29
JP4442167B2 true JP4442167B2 (ja) 2010-03-31

Family

ID=34416206

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003316248A Expired - Fee Related JP4442167B2 (ja) 2003-09-09 2003-09-09 フィルタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4442167B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007174438A (ja) 2005-12-23 2007-07-05 Toshiba Corp フィルタ回路及びフィルタを備えた無線通信システム
JP2008132583A (ja) 2006-10-24 2008-06-12 Seiko Epson Corp Memsデバイス
CN101168434B (zh) * 2006-10-24 2011-06-15 精工爱普生株式会社 Mems器件
JP5169518B2 (ja) * 2008-06-18 2013-03-27 セイコーエプソン株式会社 共振回路及びその製造方法並びに電子装置
JP5505596B2 (ja) * 2008-06-18 2014-05-28 セイコーエプソン株式会社 共振回路、発振回路、フィルタ回路及び電子装置
JP2012195829A (ja) 2011-03-17 2012-10-11 Seiko Epson Corp 発振回路
JP2012222718A (ja) 2011-04-13 2012-11-12 Seiko Epson Corp 発振器

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005086469A (ja) 2005-03-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7511870B2 (en) Highly tunable low-impedance capacitive micromechanical resonators, oscillators, and processes relating thereto
US6909221B2 (en) Piezoelectric on semiconductor-on-insulator microelectromechanical resonators
Bannon et al. High frequency microelectromechanical IF filters
US8253514B2 (en) Array of coupled resonators, bandpass filter and oscillator
US8760233B2 (en) Frequency selection and amplifying device
US7876177B2 (en) Resonator having an output electrode underneath first and second electrode arms
JP5505596B2 (ja) 共振回路、発振回路、フィルタ回路及び電子装置
EP3210303A1 (en) Compound spring mems resonator for oscillators and real-time clock applications
JP2002535865A (ja) 動作周波数を有するマイクロメカニカル共振器を含むデバイス及び動作周波数を拡張する方法
JP4617904B2 (ja) 微小振動子、半導体装置及び通信装置
JP4977431B2 (ja) マイクロメカニカル共振器
JP4442167B2 (ja) フィルタ装置
US6853041B2 (en) Micro-machined coupled capacitor devices
JP5105345B2 (ja) 発振器
JP2007013447A (ja) 微小共振器、バンドパスフィルタ、半導体装置、並びに通信装置
JP2007013447A5 (ja)
JP2009088685A (ja) 電気機械素子および半導体デバイス
JP4965962B2 (ja) マイクロメカニカル共振器
US8373513B2 (en) Compensated micro/nano-resonator with improved capacitive detection and method for producing same
Yan et al. Narrow bandwidth single-resonator MEMS tuning fork filter
JP4930769B2 (ja) 発振器
JP4415616B2 (ja) マイクロマシン
JP2009118331A (ja) 電気機械フィルタ
JP5081586B2 (ja) マイクロメカニカル共振器
US6965274B2 (en) Thin film bulk acoustic resonator for controlling resonance frequency and voltage controlled oscillator using the same

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060512

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060512

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090818

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091006

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20091007

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20091015

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091222

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100104

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130122

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees