JP4437904B2 - 感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システム - Google Patents

感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システム Download PDF

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Description

本発明は感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムに関し、例えば、ある物品が所定温度以上の環境下に置かれたか否かを検出するシステムに適用し得るものである。
電子部品には、その動作を保証する保存温度や使用温度の定格値(管理温度)が提示されている。パーソナルコンピュータや携帯電話機等の電子部品の耐熱温度は約150℃〜250℃と低く、近年、鉛フリーを担う半田として多用されているSn−Ag−Cu系溶融温度とほぼ同じである。そのため、電子部品の性能を維持させるために、熱に直接にさらされる製造過程の一つである半田漕工程などを経た後においては、温度の定格値を超過したか否かの温度履歴を調べる必要がある。
そのため、従来においては、電子部品に特定温度で変色する感熱シールを貼り付けてその変色状態を目視検査したり、直接に温度センサを当てて測定することが行われている。感熱シールの利用などは、他の物体の温度管理でも同様になされている(特許文献1参照)
特開平11−296086
ところが、電子部品に感熱シールを貼り付けて、その変色状態に基づいて温度検出する方法は、測定精度が低い欠点がある。また、大量生産の電子部品では目視検査のために、作業効率が悪く、生産性が低い問題がある。
また、温度センサを用いて温度検出する方法は、高精度の測定ができる反面、大量生産の基板上の電子部品の温度履歴を管理するには、電子部品それぞれに温度センサを接触させるなど装置も複雑となり、現実的方法とは言い難い。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであり、被測定物の温度履歴を非接触にて簡単かつ高精度に検出することができる感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、第1の本発明の感温磁性体タグは、温度履歴の測定対象である被測定物に取り付けられ、上記被測定物の管理温度近傍の所定温度を超えたか否かを検出するものであって、第1の磁性体と、この第1の磁性体に近接して設けられた第2の磁性体とを備え、上記第1の磁性体が、上記被測定物の管理温度近傍にキュリー温度を有する磁化された硬質磁性体であり、上記第2の磁性体が、上記第1の磁性体のキュリー温度より高い領域にキュリー温度を有し、かつ、飽和磁束密度が上記第1の磁性体の残留磁束密度より低いものであることを特徴とする。
この場合において、上記第2の磁性体は、ヒシテリシス曲線が上記第1の磁性体に比して急傾斜であり、かつ、高調波信号が励起される化合物で形成された軟質磁性体であること、又は、大バルクハウゼン効果を有する化合物で形成されていることが好ましい。
また、第2の本発明の感温磁性体タグは、温度履歴の測定対象である被測定物に取り付けられ、上記被測定物の管理温度近傍の所定温度を超えたか否かを検出するものであって、第1の磁性体と、この第1の磁性体に近接して設けられた第2の磁性体とを備え、上記第1の磁性体が、上記被測定物の管理温度近傍にキュリー温度を有する磁化された硬質磁性体であり、上記第2の磁性体が、上記第1の磁性体のキュリー温度より高い領域にキュリー温度を有し、かつ、飽和磁束密度が上記第1の磁性体の残留磁束密度より低い磁歪材料でなるものであることを特徴とする。
第1及び第2の本発明の感温磁性体タグにおいて、接着層を有し、上記被測定物に貼着し得ることも好ましい。
第3の本発明は、第1の本発明の感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かの温度履歴情報を得る感温磁性体タグ読取装置であって、上記磁性体タグに交流の電磁界を照射する電磁界照射手段と、上記電磁界照射手段から上記磁性体タグに照射された電磁界を検知して電気信号に変換する電磁界検知手段と、上記電磁界検知手段が得た電気信号に基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力する信号処理手段とを有することを特徴とする。
ここで、上記信号処理手段が、上記電磁界検知手段が得た電気信号に、照射交流電磁界と同じ周波数を基本周波とした場合における、所定次数の高調波信号が所定レベル以上存在するか否かに基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することが好ましい。
又は、上記信号処理手段が、上記電磁界検知手段が得た電気信号に含まれている、照射交流電磁界と同じ周波数を基本周波とした場合における、複数の次数の高調波信号及び又は基本周波信号のレベル分布に基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することが好ましく、しかも、上記信号処理手段が、予め記憶している基準のレベル分布情報との照合により、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することが好ましい。
第4の本発明は、第2の本発明の感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かの温度履歴情報を得る感温磁性体タグ読取装置であって、上記磁性体タグに交流電磁界又はパルス電磁界を照射する電磁界照射手段と、上記電磁界照射手段から上記磁性体タグに電磁界が照射された際の上記磁性体タグからの音波を検知して電気信号に変換する音波検知手段と、上記音波検知手段が得た電気信号に基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力する信号処理手段とを有することを特徴とする。
ここで、上記信号処理手段が、上記音波検知手段が得た電気信号が所定レベル以上であるか否かに基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することが好ましい。
第3の本発明や第4の本発明の感温磁性体タグ読取装置において、上記信号処理手段が、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを表示する表示部を有していることは好ましい。
第5の本発明の温度履歴検出システムは、交流電磁界の照射下で高調波を発する第1の本発明の感温磁性体タグと、第3の本発明の感温磁性体タグ読取装置とを有することを特徴とする。
第6の本発明の温度履歴検出システムは、交流電磁界又はパルス電磁界の照射下で音波を発する第2の本発明の感温磁性体タグと、第4の本発明の感温磁性体タグ読取装置とを有することを特徴とする。
本発明によれば、感温磁性体タグからの高調波信号若しくは音波信号を非接触で検出し、この検出結果を処理して被測定物の温度履歴情報を得るので、被測定物の温度履歴を簡単かつ高精度に検出することができるようになる。
以下、本発明による感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムの最良な実施の形態を説明する。
図1は、本発明による温度履歴検出システムの第1実施例の構成を示すブロック図である。第1実施例の温度履歴検出システムは、半田漕工程を経た電子部品の温度履歴情報を検出するものである。
図1において、第1実施例の温度履歴検出システムは、感温磁性体タグ読取装置(非接触型温度履歴検出装置)1Aと、感温磁性体タグ(以下、単に、磁性体タグと呼ぶ)14とでなる。
感温磁性体タグ読取装置1Aは、プリント配線基板10上の電子部品であるCPUチップ12に取り付けられた磁性体タグ14の温度履歴(言い換えるとCPUチップ12の温度履歴)を検出するものであり、電磁界照射回路20と、電磁界検知回路30と、信号処理回路40とから構成されている。なお、CPUチップ12の管理温度の上限は、例えば、約250℃である。
磁性体タグ14は、図2に示すように、矩形平板状の磁化された硬質磁性体14Aと、矩形平板状の軟質磁性体14Bとが例えば接着層14Cを介して面接合されて一体化されており、また、CPUチップ12に取り付けるための感圧性接着剤、感熱性接着剤や熱硬化性接着剤などからなる接着層14Dを、例えば、CPUチップ12の管理温度に近いキュリー温度を有する硬質磁性体14A側に有している。
硬質磁性体14Aとしては、例えば、そのキュリー温度が約277℃(約550K)の化合物MnSbを適用しており、また、軟質磁性体14Bとしては、例えば、そのキュリー温度が約415℃(約688K)のアモルファス金属(Fe、B、Siからなる)である光洋マテリカ(株)製の「METGLAS−2605 TCA」を適用する。
図2に示した磁性体タグ14は、軟質磁性体14Bである厚さ25μmの「METGLAS−2605 TCA」の片面に、エポキシ系接着剤(3g/m)を塗布し、硬質磁性体14Aである厚さ12μmのMnSb箔を積層し、接着層14Dとしてシリコーン系感圧接着剤を20g/m塗布形成した後、縦1cm横2cmの大きさに作製したものである。なお、軟質磁性体14Bとしては、ポリエステルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、テトラフルオロエチレンフィルムなどの耐熱性合成樹脂フィルムの片面にアモルファス金属などの軟質磁性体をスパッタリングなどで、0.5〜2μmの厚さに設けたものでも良い。また、接着層14Dとしては、アクリル系、エポキシ系などの感圧性接着剤、感熱性接着剤や熱硬化性接着剤も用いることができる。
硬質磁性体14Aとしては、磁性体タグ14がCPUチップ12の管理温度を超えた温度にさらされたか否かをキュリー温度を超えたか否かで判別できるように、そのキュリー温度が、CPUチップ12の管理温度より僅かに高いものが選定されている。軟質磁性体14Bとしては、そのキュリー温度が、硬質磁性体14Aのキュリー温度より十分に高いものが選定されている。
図3は、磁性体タグ14の硬質磁性体14A及び軟質磁性体14Bの単体でのヒシテリシス特性を示している。図3において、符号HA及びHBで図示する曲線はそれぞれ、キュリー温度を超えた温度にさらされたことがない状態での硬質磁性体14A及び軟質磁性体14Bのヒステリシス特性を示している。
硬質磁性体14Aは、軟質磁性体14Bの飽和磁界以上の残留磁束密度を有する。軟質磁性体14Bは、硬質磁性体14Aに比して急傾斜のヒステリシス曲線を持ち、かつ、軟質磁性体14Bの磁性保持力HCBは硬質磁性体14Aの磁性保持力HCAより十分に小さい。このような特性を有する軟質磁性体14Bには、交流電磁界が照射されると高調波を発生する特徴がある。
このような2つの磁性体を面接合させて一体化すると、軟質磁性体14Bは硬質磁性体14Aによって磁化され、そのヒステリシス曲線(HB)は、図4に示すようにほとんど一定となり、高調波が発生しなくなる。
また、硬質磁性体14Aは、自身のキュリー温度に達すると磁化率が急激に低下し、常温に置かれても常磁性体としての性質を持続するようになる。これにより、軟質磁性体14Bは、硬質磁性体14Aからの磁界を受けることが激減し、自身のヒシテリス特性(図3のHB)を示すようになる。
すなわち、硬質磁性体14Aが、自身のキュリー温度に達しない場合と、自身のキュリー温度に達した場合とで、軟質磁性体14Bは、交流電磁界が照射された際の高調波の発生有無が異なっている。
このような性質を有する磁性体タグ14は、感温磁性体タグ読取装置1Aの電磁界の磁場内に置かれる。例えば、半田漕工程を経た製造ライン上に、感温磁性体タグ読取装置1Aの磁場を設定する。
電磁界照射回路20は、交流電源22と、電磁界照射用駆動コイル24とを有する。電磁界照射回路20は、駆動コイル24を介して磁性体タグ14に交流の電磁界を照射するものであり、例えば、その周波数は約500Hzに設定されている。また例えば、電界強度は、駆動コイル24の中心部において、約10A/mの大きさになるようになされている。
電磁界検知回路30は、磁性体タグ14の交流磁化信号を検知するものであり、電磁界検知用コイル32と、増幅器34とを有する。
電磁界検知用コイル32は、主として、2つのコイル部分32A及び32Bからなり、当該装置1A以外からの電磁界に起因する不要な励起電流(又は電圧)が互いに打ち消されるように、2つのコイル部分32A及び32Bコイルの巻き方向や空間的な位置が決定されている。増幅器34は、電磁界検知用コイル32によって検知された交流磁化信号icを所定レベルまで増幅するものである。
信号処理回路40は、HPF(ハイパスフィルタ)42と、増幅器44と、BPF(バンドパスフィルタ)46と、比較器48と、信号出力端子aと、表示部50とを有する。
HPF42は、電磁界検知回路30によって検知された交流磁化信号icの内、電磁界照射回路20から照射された基本波信号を除去し、高調波信号ihを抽出するものである。増幅器44は、HPF42を通過した高調波信号ihを所定レベルまで増幅するものである。BPF46は、狭帯域通過フィルタであり、高調波信号ihのうち、比較的に狭帯域通過フィルタを実現し易い周波数の8次高調波信号ih8のみを抽出するものであり、また、ノイズを除去する役目を担っている。
比較器48は、BPF46からの8次高調波信号ih8が、設定された所定レベルに到達したか否かを判定するものであり、信号レベルが基準電圧E以上に達するとハイレベル(H)のデジタル信号IDを出力するようになっている。基準電圧Eの設定値は、磁性体ダク14の硬質磁性体14Aのキュリー温度を越えることによって発生する高調波信号成分のうち8次高調波信号レベルを実測して、予め決定されている。なお、比較器48にはラッチ機能が備わっており、ハイレベル(H)のデジタル信号IDが出力されると、その状態が強制的にリセットされるまで継続するようになっている。
信号出力端子aは、比較器48から出力される温度履歴情報を示す信号(データ)を取り出すための出力端子である。表示部50は、この信号出力端子aを介して温度履歴情報を示す信号(データ)を取り込むようになっている。表示部50は、例えば発光ダイオード(D)で構成されており、磁性体タグ14の温度履歴を表示するものである。表示部50は、比較器48からのデジタル信号IDがハイレベル(H)である場合に発光するようになっている。表示部50が発光した場合には、交流磁化信号icに8次高調波信号ih8が含まれていること、言い換えると、硬質磁性体14Aのキュリー温度を超えた温度にさらされたことがあることを示している。
次に、第1実施例の温度履歴検出システムの動作、特に、感温磁性体タグ読取装置1Aの動作について、図5に示す電磁界信号波形を参照しながら説明する。
プリント配線基板10は、半田漕工程を経て各種電子部品が半田付けされた後、電磁界の磁場内に置かれる。
ここで、半田漕工程を経る際、プリント配線基板10(CPUチップ12)上の磁性体タグ14が、硬質磁性体14Aのキュリー温度を超えた温度にさらされると、硬質磁性体14Aは常磁性体として機能する状態に変化しており、そのため、軟質磁性体14Bは、交流電磁界が照射された際に高調波を発生し得る状態になっている。
電磁界照射回路20の電磁界照射用駆動コイル24を介して交流の電磁界(図5(a)参照)が磁性体タグ14に照射されると、電磁界検知回路30のコイル32A、32Bを介して磁性体タグ14の温度履歴に基づく交流磁化信号icが検知される。
その際、硬質磁性体14Aが自身のキュリー温度以上を経験していない温度履歴の場合には、強磁界を発生しているので軟質磁性体14Bが磁化され、電磁界検知回路30からは高調波信号成分が存在しない基本波信号のみの交流磁化信号ic(図5(b)参照)が出力される。
一方、この場合とは、逆に半田漕工程において、CPUチップ12(磁性体タグ14の硬質磁性体14A)が、硬質磁性体14Aのキュリー温度以上の高温にさらされていると、電磁界検知回路30からは、軟質磁性体14Bによる高調波信号成分を含んだ交流磁化信号ic(図5(c)参照)が出力され、増幅器34によって所定レベルに増幅される。この信号icはHPF42を経て基本波信号成分が除去され、後段の増幅器44によって所定レベルまで増幅される(図5(d)参照)。次に、BPF46によって交流磁化信号icから8次高調波信号ih8が抽出され、また、増幅器44を含め、上記前段の各種回路で発生したノイズが除去される。BPF46からの8次高調波信号ih8は比較器48に入力され、基準電圧Eとのレベル比較が行われる。この場合には、入力信号レベルが基準電圧Eと同等以上であり、ハイレベル(H)のデジタル信号IDが信号出力端子a介して表示部50(発光ダイオードD)へ出力されるので表示部50が発光する。これにより、プリント配線基板10のCPUチップ12は管理温度を超過した温度履歴があることが示される。
以上のように、第1実施例では、磁性体タグ14に交流の電磁界を照射し、検知して得られる高調波信号のレベルと、予め実測して得られている高調波信号のレベル(基準電圧E)とを比較検討した結果に基づいて、温度履歴情報を示す信号(データ)を出力するようになっている。さらに、表示部50はこの信号に基づいて温度履歴情報を表示するようになっている。
第1実施例によれば、CPUチップ12の管理温度を超えた温度にCPUチップ12がさらされたか否かを表す温度履歴を非接触で簡単かつ高精度に検出することができる。
なお、上記説明では、高調波信号ihのうち8次高調波信号ih8に基づいて温度履歴情報を表示するものを示したが、利用する高調波信号は8次高調波信号に限らず、任意の高調波信号に基づいても構わない。また、信号出力端子aからの信号に基づいて温度履歴を発光によって表示するものを示したが、他の報知手段(例えば音響出力)を適用しても良く、また、報知以外の処理を行うようにしても良い。例えば、プリント配線基板の良品又は不良品の選別機に対する選別制御信号として、温度履歴の検出信号を出力するようにしても良い。
磁性体タグ14は、CPUチップ12に着脱自在に装着することにより、硬質磁性体14Aのキュリー温度を超えていない磁性体タグ14は、他のCPUチップ12の温度履歴の検出用に再利用するようにしても良い。また、磁性体タグ14における硬質磁性体14A及び軟質磁性体14Bを装着可能に接合しておくことにより、硬質磁性体14Aのキュリー温度を超えた温度の履歴を検出した磁性体タグ14における硬質磁性体14Aを分離し、図示しない磁化装置によって、常磁性体状態から、再度、図3に示すヒステリシス特性を有する状態に戻して、軟質磁性体14Bと接合することにより、磁性体タグ14を再利用できるようにしても良い。
次に、本発明による感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムの第2実施例を、図6を参照しながら説明する。なお、図6において、第1実施例との同一、対応部分には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第2実施例の温度履歴検出システムも、感温磁性体タグ読取装置(非接触型温度履歴検出装置)1B及び磁性体タグ14とでなり、感温磁性体タグ読取装置1Bは、電磁界照射回路20と、電磁界検知回路30と、信号処理回路410とを有している。
第2実施例の場合、信号処理回路410の内部構成が第1実施例のものと異なっている。信号処理回路410は、HPF42と、増幅器44と、アナログ式のBPF群47(B2〜B6)と、比較器群49(C2〜C6)と、制御回路60と、信号出力端子aと、磁気記録装置(例えばハードディスク)62と、操作部64と、表示部66とを有している。
BPF群47は、高調波信号ih成分のうち、2次から6次までの高調波信号ih2〜ih6を抽出する5つのBPF(B2〜B6)から構成されている。比較器群49は、BPF群47の信号出力ラインと同数の比較器(C2〜C6)からなり、各比較器C2〜C6の基準電圧(E2〜E6)は個別に設定されている。これらの基準電圧E2〜E6の設定値は、予め、キュリー温度以上の温度にさらされたことがある磁性体タグ14の発生する各高調波の信号レベルの実測値に基づいて決定されている。例えば、各高調波信号間のレベル比率を一定にして、基準電圧E2〜E6を変化させれば、高調波信号間での検出感度を調整することができる。
制御回路60は、例えば、図示しない、CPUと、各種のインターフェースと、プログラムやデータを記憶させる電子メモリ等とから構成されている。制御回路60は、比較器49からの各高調波信号(ih2〜ih6)の有無を示すデジタル信号(D2〜D6;1ビットデータ)を取り込み、これらの入力信号と、磁気記録装置62に格納されている磁性体タグ14の高調波信号ihの分布を示す情報とを照合するものである。磁気記録装置62に予め格納されている磁性体タグ14の高調波信号ihの分布を示す情報は、磁性体タグ14の硬質磁性体14Aのキュリー温度を超えた温度にさらされた場合での情報である。
磁気記録装置62は、制御回路60におけるCPUが実行する各種のプログラムや磁性体タグ14の予め実測して得られた2次から6次までの高調波信号の分布を示す情報を記憶しているものであり、また、測定データ(D2〜D6)を一時的に保存したりするものである。
操作部64は、各種の操作を指示するものであり、図示しないキーボード等から構成されている。表示部66は、各種のデータ及び操作指示の確認や、温度履歴情報を表示したりするものであり、CRTディスプレイ等が該当する。
次に、第2実施例の温度履歴検出システムの動作、特に、信号処理回路410の動作について、図7のフローチャートをも参照しながら説明する。
電磁界照射回路20から交流の電磁界が照射され、電磁界検知回路30によって磁性体タグ14の高調波信号を含んだ交流磁化信号icが検知されると、この信号icは信号処理回路410のHPF42を経て基本波信号が除去される。これにより得られた高調波信号ihは、増幅器44によって所定レベルまで増幅される。
この増幅器44からの高調波信号ihからは、BPF群47(B2〜B6)によって、2次〜6次の5つの高調波信号(ih2〜ih6)が抽出され、比較器群49の各比較器C2〜C6に入力される。各高調波信号ih2〜ih6のレベルは、各比較器C2〜C6によって個々に調べられ、基準電圧E2〜E6と同等以上の場合にはハイレベル(H)のデジタル信号(D2〜D6)が制御回路60に出力される。
制御回路60は、これらの複数のデジタル信号(D2〜D6)を取り込み、これらデジタル信号D2〜D6と、磁気記録装置62に格納されている磁性体タグ14の2次から6次までの高調波信号分布を示す情報との照合を開始する(ステップ100)。
制御回路60は、各デジタル信号D2〜D6とそれに対応する磁気記録装置62に格納されているデータ値とが全て一致しているか否かを判別する(ステップ110〜150)。かかる判別は、デジタル信号D2からデジタル信号D6へ時間順次に行う。なお、格納されているデータ値は、その次数の高調波信号が存在しないことを表すものであっても良いが、2次〜6次のいずれか1以上の格納データ値は、ハイレベル(H)をとっている。
例えば、デジタル信号D2と対応する格納データ値との一致照合は、2次の高調波信号の存在有無を示す格納データ値に今回のデジタル信号が一致しているか否かを照合されていることを意味している。
デジタル信号D2〜D6の中に、格納データ値と1個でも一致しないものがあると、制御回路60は、磁性体タグ14がCPUチップ12の管理温度を超過した温度にさらされていないことを示す温度履歴情報を信号出力端子aを介して表示部66に表示制御する(ステップ170)。
これとは逆に、照合の結果、2次から6次までの高調波信号(ih2〜ih6)に係るデジタル信号D2〜D6と、格納データ値とが全て一致した場合には、制御回路60は、磁性体タグ14がCPUチップ12の管理温度以上にさらされたことを示す温度履歴情報を信号出力端子aを介して表示部66に表示制御する(ステップ160)。
以上のように、第2実施例では、磁性体タグ14の高調波信号(ih2〜ih6)の分布と、予め実測しておいた磁性体タグ14の高調波信号の分布とを比較検討し、この比較検討に基づく温度履歴情報を信号出力端子aを介して表示部66に表示するようになっている。
第2実施例によっても、CPUチップ12の管理温度を超えた温度にCPUチップ12がさらされたか否かを表す温度履歴を簡単かつ高精度に検出することができる。
なお、上記説明では、磁性体タグ14からの第2次から第6次までの高調波信号(ih2〜ih6)の分布に基づいて温度履歴情報を検出し、表示するようにしているが、温度履歴情報の検出に供する高調波信号の次数の組み合わせは、これに限定されない。また、組み合わせの中に、基本波成分を含めるようにしても良い。
次に、本発明による感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムの第3実施例を、図8を参照しながら説明する。なお、図8において、第1、第2実施例との同一、対応部分には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第3実施例の温度履歴検出システムも、感温磁性体タグ読取装置(非接触型温度履歴検出装置)1C及び磁性体タグ14とでなり、感温磁性体タグ読取装置1Cは、電磁界照射回路20と、電磁界検知回路30と、信号処理回路420とを有している。
第3実施例の場合、信号処理回路420の内部構成が第1実施例や第2実施例のものと異なっている。信号処理回路420は、HPF42と、増幅器44と、アナログ/デジタル(A/D)変換器440と、デジタルフィルタ446と、制御回路60と、信号出力端子aと、磁気記録装置62と、操作部64と、表示部66とを有する。
A/D変換器440は、増幅器44から出力されるアナログの高調波信号ihをデジタル信号(多ビットデータ)に変換し、デジタルフィルタ446に変換信号を出力する。デジタルフィルタ446は、入力されたデジタル信号に基づいて、2次〜6次の高調波信号(多ビットデータのデジタル信号)D2〜D6を抽出して制御回路60に出力する。制御回路60は、デジタルフィルタ446から出力された2次から6次までの高調波信号を示すデジタル信号D2〜D6を取り込み、これらのデジタル信号D2〜D6と、磁気記録装置62に格納されている磁性体タグ14の高調波信号を示す情報とを照合(比較検討)する。
なお、第3実施例の場合、磁気記録装置(HD)62に、予め実測して得られた磁性体タグ14からの高調波信号(2次〜6次高調波)間の相対的なレベルを示す情報が格納されている。磁気記録装置62に予め格納されている情報は、磁性体タグ14の硬質磁性体14Aのキュリー温度を超えた温度にさらされた場合での情報である。
次に、第3実施例の温度履歴検出システムの動作、特に、信号処理回路420の動作について、図9のフローチャートをも参照しながら説明する。
電磁界照射回路20から交流の電磁界が照射され、電磁界検知回路30によって、磁性体タグ14からの高調波を含んだ交流磁化信号icが検知されると、この交流磁化信号icは信号処理回路420のHPF42によって基本波信号が除去される。これにより、HPF42からは高調波信号ihのみが出力され、この高調波信号ihは増幅器44を経て所定レベルまで増幅される。
この増幅器44からの出力信号はA/D変換器440を経てデジタルフィルタ446によって、2次から6次までの高調波信号を示すデジタル信号D2〜D6に信号変換され、制御回路60に入力される。
制御回路60は、これらのデジタル信号D2〜D6を取り込み(ステップ200)、各高調波信号間の相対的な信号レベル差を算出したデータを作成する(ステップ210)。
例えば、2次高調波信号のデジタル信号D2と3次高調波信号のデジタル信号D3とのレベル差|D2−D3|、3次高調波信号のデジタル信号D3と4次高調波信号のデジタル信号D4とのレベル差|D3−D4|、4次高調波信号のデジタル信号D4と5次高調波信号のデジタル信号D5とのレベル差|D4−D5|、5次高調波信号のデジタル信号D5と6次高調波信号のデジタル信号D6とのレベル差|D5−D6|などを求める。また例えば、ある次数(ここでは2次とする)の高調波信号のデジタル信号D2を基準とした他の次数の高調波信号のデジタル信号とのレベル差|D2−D3|、|D2−D4|、|D2−D5|、|D2−D6|などを求める。これらの算出式におけるD2〜D6としては、その平均値や実効値やピーク値などを適用しても良い。
制御回路60は、これら算出データと、磁気記録装置62に格納されている実測済みの高調波信号間の相対的な信号レベル差を示す情報とを照合(比較検討)する(ステップ220)。
その結果、両者間のデータが1個でも一致しないと判断した場合には、磁性体タグ14がCPU12の管理温度以下の温度履歴であることを示す情報を信号出力端子aを介して表示部66に表示制御する(ステップ230)。これとは逆に、比較検討の結果、両者間のデータが全て一致すると判断した場合には、磁性体タグ14がCPU12の管理温度を超過した温度履歴があることを示す情報を表示部66に表示制御する(ステップ240)。なお、一致するとは、完全に値が一致する場合だけでなく、その差が所定の閾値以下である場合を含んでも良い。
以上のように、第3実施例では、磁性体タグ14の高調波信号の相対的な信号レベル差を示すデータと、実測済みの高調波信号の信号レベル差を示すデータとを比較することにより、CPUチップ12の温度履歴を捉えることができる。
第3実施例によっても、CPUチップ12の管理温度を超えた温度にCPUチップ12がさらされたか否かを表す温度履歴を簡単かつ高精度に検出することができる。
なお、上記説明では、磁性体タグ14からの第2次から第6次までの高調波信号(ih2〜ih6)の相対的なレベル差に基づいて温度履歴情報を検出し、表示するようにしているが、温度履歴情報の検出に供する高調波信号の次数の組み合わせは、これに限定されない。また、このような相対的なレベル差の算出に、基本波成分を利用するようにしても良い。
さらに、上記説明では、相対的なレベル差から温度履歴の判定を行う場合を示したが、相対的なレベルの比率から温度履歴の判定を行うようにしても良い。
次に、本発明による感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムの第4実施例を、図10を参照しながら説明する。なお、図10において、第1〜第3実施例との同一、対応部分には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第4実施例の温度履歴検出システムも、感温磁性体タグ読取装置(非接触型温度履歴検出装置)1D及び磁性体タグ14とでなり、感温磁性体タグ読取装置1Dは、電磁界照射回路20と、電磁界検知回路30と、信号処理回路500とを有している。
信号処理回路500は、HPF42と、増幅器44と、アナログ/デジタル(A/D)変換器440と、DSP(Digital Signal Processor)510と、入出力インターフェース520と、磁気記録装置62と、操作部64と、表示部66とを有する。なお、入出力インターフェース520には信号出力端子aが設けられており、この出力端子aを介して表示部66に温度履歴情報を示す信号(データ)が出力されるようになっている。
第4実施例のA/D変換器440も、増幅器44から出力されるアナログの高調波信号ihをデジタル信号に変換するものであり、変換後のデジタル信号をDSP510に出力する。
DSP510は、デジタルフィルタなどの信号処理を高速で行うものであり(後述する図11参照)、命令用とデータ用として用いられる2つ以上の電子メモリ等を内蔵する。第4実施例の場合、DSP510には、2次から6次までの各高調波信号を抽出するデジタルフィルタ(BPF)として機能するプログラムが組み込まれている。なお、デジタルフィルタ(BPF)としての伝達関数の次数(タップ数)Nとして、例えば、200を適用する。
入出力インターフェース520は、DSP510と、磁気記録装置62、操作部64及び表示部66などの周辺機器とを接続するものである。
次に、第4実施例の温度履歴検出システムの動作、特に、DSP510の動作について、図11のフローチャートをも参照しながら説明する。
電磁界照射回路20から交流の電磁界が照射されると、電磁界検知回路30によって磁性体タグ14の高調波信号を含んだ交流磁化信号icが検知され、この信号icはHPF42を経て基本波信号が除去され、増幅器44によって所定レベルまで増幅され、更に、A/D変換器440によってデジタル信号に変換されて、DSP510に入力される。
DSP510は、A/D変換器440からの出力信号を取り込み(ステップ300)、フィルタ機能により2次から6次までの高調波信号を抽出し、これら高調波信号を示すデータH2(z)〜H6(z)を順次、内蔵する電子メモリに保存する(ステップ310)。
次に、各高調波信号のデータH2(z)〜H6(z)間のレベル比率を算出し(ステップ320)、この算出結果と磁気記録装置62に格納されている実測済みの各高調波信号間のレベル比率を示すデータとを照合(比較検討)する。
レベル比率としては、例えば、2次高調波信号データH2(z)と3次高調波信号データH3(z)との比率、3次高調波信号データH3(z)と4次高調波信号データH4(z)との比率、4次高調波信号データH4(z)と5次高調波信号データH5(z)との比率、5次高調波信号データH5(z)と6次高調波信号データH6(z)との比率などを求める。また例えば、ある次数(ここでは2次とする)の高調波信号データH2(z)を基準とした他の次数の高調波信号データとの比率などを求める。これらの算出式における高調波信号データとしては、その平均値や実効値やピーク値などを適用しても良い。
DSP510は、照合の結果、2次から6次までの各高調波信号データの相対的なレベル比率が一致しない場合には、磁性体タグ14がCPUチップ12の管理温度を超過した温度にさらされていない旨を示す温度履歴情報を入出力インターフェース520の信号出力端子aを介して表示部66に表示制御する(ステップ340)。これとは逆に、2つのデータが一致(近似している場合を含む)している場合には、磁性体タグ14がCPUチップ12の管理温度を超過していると判断し、表示部66にその旨を示す温度履歴情報についての表示制御を行う(ステップ350)。
以上のように、第4実施例では、磁性体タグ14の高調波信号の信号レベル比率を算出して得られたデータと、実測済みの高調波信号の信号レベル比率を示すデータとを比較検討することにより、CPUチップ12の温度履歴情報を検出し、その検出結果を表示する。
第4実施例によっても、CPUチップ12の管理温度を超えた温度にCPUチップ12がさらされたか否かを表す温度履歴を簡単かつ高精度に検出することができる。
なお、上記説明では、磁性体タグ14からの第2次から第6次までの高調波信号(ih2〜ih6)の相対的なレベル比率に基づいて温度履歴情報を検出し、表示するようにしているが、温度履歴情報の検出に供する高調波信号の次数の組み合わせは、これに限定されない。また、このような相対的なレベル比率の算出に、基本波成分を利用するようにしても良い。
さらに、上記説明では、相対的なレベル比率から温度履歴の判定を行う場合を示したが、相対的なレベル差から温度履歴の判定を行うようにしても良い。
次に、本発明による感温磁性体タグ、感温磁性体タグ読取装置、温度履歴検出システムの第5実施例を、図12を参照しながら説明する。なお、図12において、第1実施例との同一、対応部分には、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
第5実施例の温度履歴検出システムも、感温磁性体タグ読取装置(非接触型温度履歴検出装置)1E及び磁性体タグ15とでなり、感温磁性体タグ読取装置1Eは、電磁界照射回路20と、音波検知回路600と、信号処理回路610とを有している。
第5実施例の場合、磁性体タグ15は、第1〜第4実施例のものと異なっている。磁性体タグ15は、図13に示すように、矩形平板状の磁化された硬質磁性体(バイアス素子)15Aと、矩形平板状の軟質磁性体(磁歪素子でなる)15Bとが例えば接着層15Cを介して面接合されて一体化されており、また、CPUチップ12に取り付けるための感圧性接着剤、感熱性接着剤や熱硬化性接着剤などからなる接着層15Dを、例えば、CPUチップ12の管理温度に近いキュリー温度を有する硬質磁性体15A側に有している。
硬質磁性体15Aは、第1〜第4実施例の硬質磁性体14Aとほぼ同様なものである。一方、軟質磁性体(磁歪素子)15Bは、電磁界の強さに応じて生じる応力変化量が十分に大きい材質に選定されている。軟質磁性体(磁歪素子)15Bのキュリー温度は、硬質磁性体15Aのキュリー温度より十分に高く、飽和磁束密度は硬質磁性体15Aの残留磁束密度より低い。
硬質磁性体15Aとしては、例えば、日立金属株式会社のFe−Cu合金からなる製品名「ZMG243」の半硬質磁性材料から形成されたものを適用できる。また、軟質磁性体(磁歪素子)15Bとしては、例えば、製品名「ETREMA Terfenol−D」でモリテックス販売(株)から販売されているテルビウム、ディスプロシウム、鉄からなる単結晶超磁歪材料から形成されたものを適用できる。なお、磁性体タグ15は、前記した磁性体タグ14と同様な方法によって作製できる。
この第5実施例では、軟質磁性体(磁歪素子)15Bの応力変化量にともなって発生する音波(超音波)Sに基づいて温度履歴情報を検出するようになっている。
音波検出回路600は、マイクロホン31と、増幅器35とを有する。マイクロホン31は、磁歪素子15Bから励起される音波Sを受波し、この受波の強度に応じた電気信号(音波信号is)を出力するものであり、増幅器35は、音波信号isを所定レベルまで増幅するものである。
信号処理回路610は、比較器48と、信号出力端子aと、表示部50とを有する。比較器48は、音波信号isが、設定された所定レベルに到達したか否かを判定するものであり、信号レベルが基準電圧E以上に達するとハイレベル(H)のデジタル信号IDを出力するようになっている。基準電圧Eの設定値は、磁性体タグ15のバイアス素子15Aが自身のキュリー温度を超過した温度にさらされたことによって磁歪素子15Bから励起される音波Sに基づく音波信号isを実測して、予め決定されている。表示部50は、主に発光ダイオードで構成されており、磁性体タグ15の温度履歴を表示するものである。表示部50は、比較器48からのデジタル信号IDがハイレベルHである場合に発光するようになっている。表示部50が発光した場合には、磁歪素子15Bから音波Sが励起されていることを表している。
次に、第5実施例の温度履歴検出システムの動作、特に、感温磁性体タグ読取装置1Eの動作について説明する。
プリント配線基板10は半田漕工程を経て、各種電子部品が半田付けされた後、感温磁性体タグ読取装置1Eによる電磁界の磁場内に置かれる。電磁界照射回路20の電磁界照射用駆動コイル24を介して交流若しくはパルス状の電磁界が磁性体タグ15に照射され、これにより、音波検出回路600のマイクロホン31によって、磁性体タグ15の温度履歴に基づく音波Sが受波される。
その際、バイアス素子15Aは自身のキュリー温度以上を経験していない温度履歴の場合には、強磁界を発生しているので、磁歪素子15Bが磁化され、音波検出回路600からは音波信号isが出力されることはない。
一方、この場合とは逆に、半田漕工程において、CPUチップ12が磁性体タグ15のバイアス素子15Aのキュリー温度以上の高温にさらされていると磁化率が急激に低下するので、電磁界照射回路20からの交流(又はパルス状)の電磁界によって磁歪素子15Bからは音波Sが励起される。この音波Sはマイクロホン31によって受波され、音波信号isに機械/電気変換される。音波信号isは、増幅器35を経て所定レベルに増幅された後、比較器48に入力され、基準電圧Eとのレベル比較が行われる。その結果、入力信号レベルが基準電圧Eと同等以上の場合には、ハイレベルHのデジタル信号IDが信号出力端子a介して表示部50へ出力され、表示部50(発光ダイオードD)が発光する。これにより、プリント配線基板10のCPUチップ12が管理温度を超過した温度履歴があることが示される。
以上のように、第5実施例では、CPUチップ12の磁性体タグ15に交流の電磁界を照射し、磁歪素子15Bから励起された音波Sを受波して得られる音波信号isのレベルと、予め実測して得られている音波信号のレベル(基準電圧E)とを比較検討した結果に基づいて温度履歴情報を示す信号(データ)を出力する。さらに、表示部50はこの信号に基づいた温度履情報を表示するようになっている。これにより、CPUチップ12が管理温度を超過したか否かの温度履歴情報を確認することができる。
第5実施例によっても、CPUチップ12の管理温度を超えた温度にCPUチップ12がさらされたか否かを表す温度履歴を簡単かつ高精度に検出することができる。
上記第1〜第5実施例の説明においても種々変形例を説明したが、さらに、以下に例示するような変形例を挙げることができる。
第1〜第5実施例の変形例の中で、他の実施例の変形例となり得るものは、他の実施例(第1〜第5実施例)に適用するようにしても良い。
上記第1〜第4実施例においては、磁性体タグ14の軟質磁性体14Bが硬質磁性体14Aに比して急傾斜のヒステリシス曲線を有することに起因して発生する高調波信号(成分)に基づいて温度履歴情報を検出するものを示したが、これに代え、大バルクハウゼン効果によって発生する高調波信号(成分)を利用して温度履歴情報を検出するようにしても良い。この場合でも、予め、磁性体タグ14の大バルクハウゼン効果により発生する高調波信号成分を測定し、この信号成分を示すデータを磁気記録装置62に保存して置くことによって、適時、実測値とのデータ比較ができ、比較結果に基づく温度履歴情報の検出が可能となる。
このような場合の軟質磁性体14Bの材料としては、大バルクハウゼン効果が顕著に現れる化合物が望ましい。このような材料としては、例えば、光洋マテリカ株式会社の製品名「METGLAS」シリーズの軟質磁性材料や、(Fe0.06Co0.9479SixB21−x(x=2.1,x=4.2)を挙げることができる。
上記第1〜第5実施例においては、磁性体層として2層構造のものを示したが、軟質磁性体を、2枚の同一組成の硬質磁性体で挟み込み、硬質磁性体の磁化の有無を明確に軟質磁性体に影響させるようにしても良い。また、第1〜第4実施例での軟質磁性体14Bと、第5実施例での軟質磁性体15Bとを硬質磁性体(14A、15A)に接合し、高調波信号に基づく温度履歴の検出と、音波に基づく温度履歴の検出とを併用するようにし、検出精度を高めるようにしても良い。
第5実施例では、音波の有無により温度履歴を検出するものを示したが、音波信号を周波数分析し、周波数成分の分布の照合などによって、温度履歴を検出するようにしても良い。第1〜第4実施例においても、高調波信号成分や基本波成分ではない、周波数成分を検出に利用するようにしても良い。
本発明による温度履歴の検出対象は、プリント配線基板10上の電子部品に限らず、温度履歴の管理が必要な全ての物がなり得る。例えば、図14に示す冷凍食品の温度履歴情報を検出する場合には、キュリー温度が例えば零度(又は品質保証温度)近傍の管理温度を有する硬質磁性体14A(又はバイアス素子15A)と、このキュリー温度領域より高いキュリー温度を有する軟質磁性体14B(又は磁歪素子15B)とから成る磁性体タグ14(又は磁性体タグ15)を、直に食品に取り付けるか、若しくは収納箱700に取り付けておけば良い。また、被測定物が大きい場合には、検出温度を異なる2個の磁性体タグを、互いの磁界が影響しない被測定物の位置に取り付け、2種類の管理温度に対応するようにしても良い。
また、上記各実施例では、被測定物に接着層による貼着で磁性体タグ(14、15)を取り付けるものを示したが、他の方法により装着するようにしても良い。例えば、袋体に磁性体タグを収容し、紐体を介して、被測定物に装着するようにしても良い。
さらに、上記各実施例では、被測定物に取り付いた状態の磁性体タグ(14、15)から温度履歴情報を検出するものを示したが、被測定物から取り外した磁性体タグ(14、15)から温度履歴情報を検出するようにしても良い。
さらにまた、第1〜第5実施例における硬質磁性体のキュリー温度は、管理温度より大きいことに限定されず、管理温度と同等とみなせる範囲では、低い温度であっても良い。
上記各実施例では、硬質磁性体及び軟質磁性体が板状のものを示したが、線状や直方体状などの他の外形形状のものであっても良い。
第1実施例の温度履歴検出システムの構成を示すブロック図である。 第1実施例の感温磁性体タグの構成を示す説明図である。 第1実施例の感温磁性体タグのヒステリシス特性を示す図である。 第1実施例の感温磁性体タグにおける軟質磁性体固有のヒステリシス特性を示す図である。 第1実施例の温度履歴検出システムの動作を説明するための信号波形図である。 第2実施例の温度履歴検出システムの構成を示すブロック図である。 第2実施例の感温磁性体タグ読取装置の動作を示すフローチャートである。 第3実施例の温度履歴検出システムの構成を示すブロック図である。 第3実施例の感温磁性体タグ読取装置の動作を示すフローチャートである。 第4実施例の温度履歴検出システムの構成を示すブロック図である。 第4実施例の感温磁性体タグ読取装置の動作を示すフローチャートである。 第5実施例の温度履歴検出システムの構成を示すブロック図である。 第5実施例の感温磁性体タグの構成を示す説明図である。 本発明の他の利用用途の説明図である。
符号の説明
1A、1B、1C、1D、1E…感温磁性体タグ読取装置、12…CPUチップ(被測定物)、14、15…感温磁性体タグ、14A、15A…硬質磁性体、14B、15B…軟質磁性体、20…電磁界照射回路、30…電磁界検知回路、40、410、420、500、610…信号処理回路、600…音波検知回路。

Claims (14)

  1. 温度履歴の測定対象である被測定物に取り付けられ、上記被測定物の管理温度近傍の所定温度を超えたか否かを検出する感温磁性体タグであって、
    第1の磁性体と、この第1の磁性体に近接して設けられた第2の磁性体とを備え、
    上記第1の磁性体が、上記被測定物の管理温度近傍にキュリー温度を有する磁化された硬質磁性体であり、
    上記第2の磁性体が、上記第1の磁性体のキュリー温度より高い領域にキュリー温度を有し、かつ、飽和磁束密度が上記第1の磁性体の残留磁束密度より低いものである
    ことを特徴とする感温磁性体タグ。
  2. 上記第2の磁性体は、ヒシテリシス曲線が上記第1の磁性体に比して急傾斜であり、かつ、高調波信号が励起される化合物で形成された軟質磁性体であることを特徴とする請求項1に記載の感温磁性体タグ。
  3. 上記第2の磁性体は、大バルクハウゼン効果を有する化合物で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の感温磁性体タグ。
  4. 温度履歴の測定対象である被測定物に取り付けられ、上記被測定物の管理温度近傍の所定温度を超えたか否かを検出する感温磁性体タグであって、
    第1の磁性体と、この第1の磁性体に近接して設けられた第2の磁性体とを備え、
    上記第1の磁性体が、上記被測定物の管理温度近傍にキュリー温度を有する磁化された硬質磁性体であり、
    上記第2の磁性体が、上記第1の磁性体のキュリー温度より高い領域にキュリー温度を有し、かつ、飽和磁束密度が上記第1の磁性体の残留磁束密度より低い磁歪材料でなるものである
    ことを特徴とする感温磁性体タグ。
  5. 接着層を有し、上記被測定物に貼着し得ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感温磁性体タグ。
  6. 請求項1〜3のいずれかに記載の感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かの温度履歴情報を得る感温磁性体タグ読取装置であって、
    上記磁性体タグに交流の電磁界を照射する電磁界照射手段と、
    上記電磁界照射手段から上記磁性体タグに照射された電磁界を検知して電気信号に変換する電磁界検知手段と、
    上記電磁界検知手段が得た電気信号に基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力する信号処理手段と
    を有することを特徴とする感温磁性体タグ読取装置。
  7. 上記信号処理手段は、上記電磁界検知手段が得た電気信号に、照射交流電磁界と同じ周波数を基本周波とした場合における、所定次数の高調波信号が所定レベル以上存在するか否かに基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することを特徴とする請求項6に記載の感温磁性体タグ読取装置。
  8. 上記信号処理手段は、上記電磁界検知手段が得た電気信号に含まれている、照射交流電磁界と同じ周波数を基本周波とした場合における、複数の次数の高調波信号及び又は基本周波信号のレベル分布に基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することを特徴とする請求項6に記載の感温磁性体タグ読取装置。
  9. 上記信号処理手段は、予め記憶している基準のレベル分布情報との照合により、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することを特徴とする請求項8に記載の感温磁性体タグ読取装置。
  10. 請求項4に記載の感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かの温度履歴情報を得る感温磁性体タグ読取装置であって、
    上記磁性体タグに交流電磁界又はパルス電磁界を照射する電磁界照射手段と、
    上記電磁界照射手段から上記磁性体タグに電磁界が照射された際の上記磁性体タグからの音波を検知して電気信号に変換する音波検知手段と、
    上記音波検知手段が得た電気信号に基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力する信号処理手段と
    を有することを特徴とする感温磁性体タグ読取装置。
  11. 上記信号処理手段は、上記音波検知手段が得た電気信号が所定レベル以上であるか否かに基づき、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを判定、出力することを特徴とする請求項10に記載の感温磁性体タグ読取装置。
  12. 上記信号処理手段は、上記感温磁性体タグが、上記所定温度を超えた温度下にさらされたことがあるか否かを表示する表示部を有していることを特徴とする請求項6〜11のいずれかに記載の感温磁性体タグ読取装置。
  13. 請求項1〜3のいずれかに記載の感温磁性体タグと、請求項6〜9のいずれかに記載の感温磁性体タグ読取装置とを有することを特徴とする温度履歴検出システム。
  14. 請求項4に記載の感温磁性体タグと、請求項10又は11に記載の感温磁性体タグ読取装置とを有することを特徴とする温度履歴検出システム。
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