JP4437293B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は半導体装置に関し、特に配線構造が積層構造からなる半導体装置に関する。
近年の半導体装置の高集積化と高速化に伴い、従来のアルミニウム(Al)配線に比べて低い電気抵抗を持つ銅(Cu)配線が導入されつつある。しかし、銅(Cu)原子が拡散してシリコン(Si)基板や絶縁膜に入り込むとデバイス特性を劣化させる恐れがあり、銅(Cu)原子の拡散を防ぐための隣接導電体膜(第一導電体膜)が銅(Cu)膜に隣接して形成されている。この隣接導電体膜の材料として,日経マイクロデバイス(1992年6月号74〜77ページ)に記載されているように窒化チタン(TiN) 、タングステン(W)、タンタル(Ta) などの高融点金属が検討されている。しかし、これらの材料を隣接導電体膜として用いた場合、配線として用いられる銅(Cu)のメッキ膜との密着性が弱いため、この密着性を向上する隣接導電体膜材料として、特開平10−229084号公報において、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)が提案されている。
日経マイクロデバイス(1992年6月号74〜77ページ) 特開平10−229084号公報
高集積化のために微細化された半導体装置の製造においては、平坦化するための手法として化学的機械研磨(Chemical Mechanical Polishing, CMP)が用いられる場合があるため、形成された各膜の間の密着性を向上することが重要である。
しかし、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)を銅(Cu)配線の隣接導電体膜材料として用いた場合、銅(Cu)と隣接導電体膜の間の密着性は向上するが、隣接導電体膜と絶縁膜の間の密着性が弱いという問題がある。また、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)は膜形成時に高い応力を生じやすく、隣接する膜にクラック等の欠陥を起こす原因となる場合がある。さらに、高集積化のために微細化された半導体装置では、配線幅が狭くなり、マイグレーションによるボイドや断線が発生しやすくなるという問題がある。
本発明の一つ目の目的は、信頼性の高い半導体装置を提供することにある。また、本発明の二つ目の目的は、歩留りの高い配線構造を有する半導体装置を提供することにある。本発明の三つ目の目的は、配線を構成する主導電体膜および絶縁膜のいずれとも密着性の強い隣接導電体膜材料を用いることにより、はく離を起こしにくい積層構造を有する半導体装置を提供することにある。また、本発明の四つ目の目的は、クラック等の欠陥を起こしにくい積層構造を有する半導体装置を提供することにある。また、本発明の五つ目の目的は、マイグレーションによるボイドや断線の生じにくい半導体装置を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を行い、主構成元素が窒化チタン(TiN)、タングステン(W)、タンタル(Ta)である拡散防止用の第一導電体膜を、主構成元素が銅(Cu)である第二導電体膜に隣接させて用いた場合、第一導電体膜材料と銅(Cu)の単位結晶格子の辺の長さが大きく異なるために、第一導電体膜と第二導電体膜の界面において原子配列が乱れ、銅(Cu)原子の拡散が活発になるためにはく離が生じやすくなることを見出し、銅(Cu)膜と第一導電体膜の界面でのはく離を防止するためには、単位結晶格子の辺の長さ(格子定数)が銅(Cu)に近い材料、すなわち、銅(Cu)との格子定数の差(格子不整合)が小さい材料を第一導電体膜材料として用いることにより銅(Cu)原子の拡散を抑制すれば良いこと、また、第一導電体膜の融点が低い場合には、第一導電体膜を構成する元素の拡散が活発になり、銅(Cu)原子の拡散を加速してしまうので、融点の高い材料が適していることを見出した。
そして、発明者らは、銅(Cu)との格子不整合が小さく、銅(Cu)の1.4倍以上の融点を持つ材料を拡散防止用の隣接導電体膜として用いることが、銅(Cu)との密着性向上に有効であることを明らかにした。より一般的には、第一導電体膜と該第一導電体膜に接触して第二導電体膜が形成された積層配線構造において、前記第一導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺anと前記第二導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺apの差{|ap-an|/ap}×100=A(%)と、前記第一導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bnと前記第二導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bpの差{|bp-bn|/bp}×100=B(%)が{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足し、前記第一導電体膜の主構成元素の融点が前記第二導電体膜の主構成元素の融点の1.4倍以上である場合に前記主導電性膜での拡散が抑制され、前記第一導電体膜と前記第二導電体膜の間の密着性が向上することを明らかにした。ここで、バルクの結晶において原子密度が最大である結晶面、すなわち最密結晶面を構成する単位長方格子の短辺aと長辺bの定義は図2に示すものであり、ここでは、a、bを格子定数と呼ぶ。
短辺aは、バルクの結晶における最近接原子間距離のことであり、例えば、固体物理学入門上巻第5版(チャールズ・キッテル著)の28ページに記述されている。長辺bは、面心立方構造、または最密六方構造を持つ結晶については短辺aの約1.73倍であり、体心立方構造を持つ結晶については短辺aの約1.41倍である。ここでは、短辺aの差Aと長辺bの差Bを格子不整合と呼ぶ。ここで、膜の主構成元素とは、膜に最も多く含まれる元素を意味する。また、温度の単位としてはK(ケルビン)を用いる。
発明者らは、銅(Cu)との格子不整合A、Bが前記不等式{A+B×(ap/bp)}<13%を満たすほどに小さく、なおかつ銅(Cu)の1.4倍以上の融点を持つロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)からなる第一導電体膜を銅(Cu)配線の隣接導電体膜として用いた場合、第一導電体膜と銅(Cu)膜の密着性は向上するが、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、 白金(Pt)は、シリコン(Si)との結合が弱い上に、シリコン(Si)を含む絶縁膜は通常アモルファスであるために、第一導電体膜とシリコン(Si)を含む絶縁膜の間では強い結合が作られず、はく離が生じやすいことを明らかにした。したがって、第一導電体膜と銅(Cu)膜の密着性を強く保ちながら、第一導電体膜と絶縁膜の間の密着性を向上させるためには、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os) 、白金(Pt)を主構成元素とする第一導電体膜に、シリコン(Si)と強く結合し、なおかつ第一導電体膜の原子配列を乱さない添加元素を含有させれば良い。発明者らは、この添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが第一導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上である場合に第一導電体膜と絶縁膜の間の密着強度が向上することを明らかにした。ただし、添加元素の原子半径と、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os) 、白金(Pt)といった主構成元素の原子半径との差が、10%以上になると、第一導電体膜の原子配列が乱れるために、第一導電体膜と銅(Cu)膜の密着性は弱くなる。したがって、添加元素の原子半径と第一導電体膜の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつシリコン(Si)との結合エネルギーが第一導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上である添加元素が有効となる。これらの条件を満たす添加元素として、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)が有効であることを明らかにした。また、このような添加元素を含有させることが、第一導電体膜の内部応力を低減させる上で有効であることを明らかにした。
さらに、発明者らは、銅(Cu)との格子不整合A、Bが前記不等式{A+B×(ap/bp)}<13%を満たすほどに小さく、なおかつ銅(Cu)の1.4倍以上の融点を持つロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)を、銅(Cu)膜に隣接する導電体膜の主構成元素とした場合、銅(Cu)原子の拡散が抑制され、マイグレーション耐性が向上することを明らかにした。
すなわち、本願発明の課題を解決するためには、半導体基板の一主面側にシリコン(Si)を含む絶縁膜と該絶縁膜に接触して形成された第一導電体膜と該第一導電体膜に接触して形成された第二導電体膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺anと前記第二導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺apの差{|ap-an|/ap}×100=A(%)と、前記第一導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bnと前記第二導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bpの差{|bp-bn|/bp}×100=B(%)が{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足し、前記第一導電体膜の主構成元素の融点が前記第二導電体膜の主構成元素の融点の1.4倍以上であり、前記第一導電体膜が主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を添加元素として含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の添加元素の原子半径と前記第一導電体膜の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつ前記添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記第一導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることが重要であることを見出した。そして、具体的には、 半導体基板の一主面側に形成されたシリコン(Si)を含む絶縁膜と、該絶縁膜に接触して形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された第二導電体膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第二導電体膜は銅(Cu)を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の元素を添加元素として含むこと。
半導体基板の一主面側に形成されたシリコン(Si)を含む絶縁膜と、該絶縁膜に接触して形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を10at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側に形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側に形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜はパラジウム(Pd)を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側に形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜は酸化ロジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、、酸化オスミウムからなる群から選ばれる一種類以上の元素を主構成材料とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側に形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された金(Au)膜または金(Au)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側に形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された銀(Ag)膜または銀(Ag)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側に形成された第一導電体膜と、該第一導電体膜に接触して形成された白金(Pt)膜または白金(Pt)合金膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第一導電体膜はオスミウム(Os)を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有すること。
半導体基板の一主面側にシリコン(Si)を含む絶縁膜と該絶縁膜に接触して形成された第一導電体膜と該第一導電体膜に接触して形成された第二導電体膜とを有する積層構造を備えた半導体装置において、前記第二導電体膜は銅(Cu)を主構成元素とし、前記第一導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一導電体膜は前記主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の元素の原子半径と前記主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、前記異種元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記第一導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることがそれぞれ重要であることを見出した。
本発明によれば、隣接導電体膜と絶縁膜の間の密着性を向上させることができるため、はく離を起こしにくい信頼性の高い半導体装置が提供できる。また、積層構造でクラック等の欠陥を生じにくい信頼性の高い半導体装置が提供できる。
また、マイグレーションによるボイドや断線を生じにくい信頼性の高い半導体装置が提供できる。
以下、本発明の実施の形態を図に示した実施例により詳細に説明する。
まず、本発明における第一の実施例である半導体装置における主要部分の断面構造を図1に示す。本実施例の半導体装置は、図1に示すように、シリコン基板1の上に拡散層2、3、4、5が形成され、この上にゲ−ト絶縁膜6、7およびゲ−ト電極8、9が形成されることによってMOSトランジスタが構成されている。ゲート絶縁膜6、7は、例えばシリコン酸化膜あるいは窒化珪素膜であり、ゲート電極8、9は、例えば多結晶シリコン膜や金属薄膜、あるいは金属シリサイド膜あるいはこれらの積層構造である。 MOSトランジスタは、例えばシリコン酸化膜からなる素子分離膜10によって分離されている。前記ゲート電極8、9の上部および側壁には例えばシリコン酸化膜からなる絶縁膜11、12が形成されている。 MOSトランジスタの上部全面には、例えばBPSG(Boron−Doped Phospho Silicate Glass)膜やSOG(Spin On Glass)膜、あるいは化学気相蒸着法やスパッタ法で形成したシリコン酸化膜や窒化膜等からなる絶縁膜13が形成されている。絶縁膜13に形成されたコンタクトホールには拡散防止用の隣接導電体膜(第一導電体膜)14a、14bに被覆された主導電体膜15からなるプラグが形成され、拡散層2、3、4、5に接続されている。このプラグを通じて、拡散防止用の隣接導電体膜16a、16bに被覆された主導電体膜17からなる積層配線が接続されている。この積層配線は、例えば、絶縁膜18に配線用の溝を形成し、その上に隣接導電体膜16aを例えば化学気相蒸着法により成膜した後、主導電体膜17を例えばメッキ法により形成し、この上に隣接導電体膜16bを例えば化学気相蒸着法により形成することにより得られる。この上には、絶縁膜21に形成されたコンタクトホールに隣接導電体膜19に被覆された主導電体膜20からなるプラグが形成され、前記積層配線に接続されている。このプラグを通じて、隣接導電体膜22a、22bに被覆された主導電体膜23からなる第二の積層配線
が接続されている。この第二の積層配線は、例えば、絶縁膜24に配線用の溝を形成し、その上に隣接導電体膜22aを例えば化学気相蒸着法により成膜した後、主導電体膜23を例えばメッキ法により形成し、この上に隣接導電体膜22bを例えば化学気相蒸着法により形成することにより得られる。
この実施例において、隣接導電体膜14a、14bに被覆された主導電体膜15、隣接導電体膜16a、16bに被覆された主導電体膜17、隣接導電体膜19に被覆された主導電体膜20、隣接導電体膜22a、22bに被覆された主導電体膜23のうちの少なくとも一組については、隣接導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺anと前記主導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺apの差{|ap-an|/ap}×100=A(%)と、前記隣接導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bnと前記主導電体膜の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bpの差{|bp-bn|/bp}×100=B(%)が{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足し、なおかつ前記隣接導電体膜の主構成元素の融点が前記主導電体膜の主構成元素の融点の1.4倍以上であり、なおかつ前記隣接導電体膜が主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の添加元素の原子半径と前記隣接導電体膜の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつ前記添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記隣接導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることをすべて満足するように前記隣接導電体膜の構成元素を選択する。具体的には、主導電体膜として銅(Cu)膜を用いた場合、隣接導電体膜が、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含むようにすればよい。このような添加元素を含有したロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)または白金(Pt)からなる膜は、例えば、化学気相蒸着法、メッキ法あるいはスパッタ法により形成される。
以下、本実施例の半導体装置の効果について説明する。密着性向上の効果としては次の二つがあるので、二つに分けて説明する。第一の効果は、隣接導電体膜の主構成元素と主導電体膜の主構成元素の格子不整合A、Bが前記不等式{A+B×(ap/bp)}<13%を満足し、なおかつ隣接導電体膜の主構成元素の融点が、主導電体膜の主構成元素の融点の1.4倍以上であるようにしていることによって、隣接導電体膜と主導電体膜の密着性を向上させるという効果である。第二の効果は、隣接導電体膜が主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の添加元素の原子半径と前記隣接導電体膜の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつ前記添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記隣接導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることを満足させることによって、隣接導電体膜と主導電体膜の密着性を保ちながら、隣接導電体膜とシリコン(Si)を含む絶縁膜の密着性を向上させるという効果である。
はじめに前記第一の密着性向上効果について詳細に説明する。発明者らは、隣接導電体膜の主構成元素と主導電体膜の主構成元素の格子不整合A、Bに着目し、この差がはく離エネルギーUに与える影響を分子動力学シミュレーションにより調べた。分子動力学シミュレーションとは、例えばジャーナルオブアプライドフィジックス(Journal of Applied Physics)の第54巻(1983年発行)の4864ページから4878ページまでに記述されているように、原子間ポテンシャルを通して各原子に働く力を計算し、この力を基にニュートンの運動方程式を解くことによって各時刻における各原子の位置を算出する方法である。はく離エネルギーUは、隣接導電体膜と主導電体膜の間ではく離を起こさせるために必要なエネルギーを表し、例えばインターナショナルジャーナルオブフラクチャー(International Journal of Fracture)の第66巻(1994年発行) の45ページから70ページまでに説明されている。本シミュレーション例では、隣接導電体膜内部の原子間ポテンシャルの総和に主導電体膜内部の原子間ポテンシャルの総和を加えた量から、隣接導電体膜と主導電体膜の両方からなる系の内部における原子間ポテンシャルの総和を減じることによってUを計算した。例として、以下では、主導電体膜が銅(Cu)膜である場合についてシミュレーション結果を示す。この場合、面心立方格子である銅(Cu)の最密結晶面は(111)面であり、格子定数apは約0.26 nmであり、格子定数bpは約0.44 nmである。
ここで示すシミュレーション例では、900 Kの温度において、膜厚3 nmのSiO2膜の上に隣接導電体膜の構成原子を堆積し、続いてCu原子を堆積することにより、膜厚3 nmの隣接導電体膜と膜厚3 nmのCu膜を形成した。この後温度を300 Kまで下げた。この状態において、隣接導電体膜内部の原子間ポテンシャルの総和にCu膜内部の原子間ポテンシャルの総和を加えた量から、隣接導電体膜とCu膜の両方からなる系の内部における原子間ポテンシャルの総和を減じることによってはく離エネルギーUを計算した。分子動力学シミュレーションでは、隣接導電体膜の構成元素の原子間ポテンシャルの深さを変化させることによって、隣接導電体膜の格子定数を一定に保ちながら隣接導電体膜の融点を変化させることができる。隣接導電体膜の格子定数をRu、Ptと同じに保ちながら隣接導電体膜の融点を変化させた結果、図3に示すように、隣接導電体膜の融点が銅(Cu)の1.4倍以上である場合には、はく離エネルギーUはほとんど隣接導電体膜の融点に依存しないことがわかった。また、図3からわかるように、隣接導電体膜の融点が銅(Cu)の1.4倍よりも小さくなると、はく離エネルギーUも小さくなり、はく離強度は弱くなることがわかった。図3において、UCuは銅(Cu)膜と銅(Cu)膜の間のはく離エネルギーを表す。隣接導電体膜の融点が銅(Cu)の1.4倍以上である場合には、図4および図5に示すように、はく離エネルギーUは格子不整合 AとBに依存することがわかった。図4は、横軸として格子不整合Aをとり、縦軸として格子不整合Bに(ap/bp)を乗じた量をとったマップを作成し、このマップを網羅するようにAとBの値を設定し、はく離エネルギーUの値を分子動力学シミュレーションによって算出することによって得られる。図4において、境界線の内側、すなわち、原点よりの領域は、はく離エネルギーUがUCuの0.5倍よりも大きく、隣接導電体膜と銅(Cu)膜との間ではく離の起こりにくい領域である。ここで、 UCuは銅(Cu)膜と銅(Cu)膜の間のはく離エネルギーを表す。図4において、境界線の外側は、はく離エネルギーUがUCuの0.5倍よりも小さく、隣接導電体膜と銅(Cu)膜との間ではく離の起こりやすい領域である。はく離エネルギーUの格子不整合依存性を詳細に見るために、はく離エネルギーの変化を図4の破線に沿って調べた結果を図5に示す。図5を見ると、 U/UCu=0.5の近傍ではく離エネルギーが急激に変化するので、ここを境界にしてはく離防止効果が顕著となる。 U/UCuが0.5よりも小さい側に、銅(Cu)とのはく離が問題となっている窒化チタン(TiN)などが位置することがわかる。図4を見るとタングステン(W) 、タンタル(Ta)もU/UCu=0.5の境界線の外側にあることがわかる。一方、図4の境界線の内側、すなわち原点側にはロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os) 、白金(Pt)が位置し、これらが銅(Cu)膜との密着性向上に有効であることがわかる。図4の境界線を直線近似すると{A+B×(ap/bp)}=13%となるから、{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足する場合に隣接導電体膜と銅(Cu)膜の密着性が強いといえる。ただし、この不等式を満足しても、隣接導電体膜の主構成元素の融点が、銅(Cu)の1.4倍よりも小さい場合には、隣接導電体膜を構成する元素の拡散が活発になり、銅(Cu)原子の拡散を加速してしまうので、はく離エネルギーUは小さくなり、隣接導電体膜と銅(Cu)膜の間ではく離が起こりやすくなることが図3からわかる。例えば、銅(Cu)の融点1358 Kの1.27倍の融点を持つニッケル(Ni)は、銅(Cu)との格子不整合A、Bが{A+B×(ap/bp)}=4%であり、前記不等式{A+B×(ap/bp)}<13%を満足するが、はく離エネルギーUは0.4UCuと小さく、密着性は向上しない。以上のシミュレーション結果に見られる本実施例の効果は、温度や膜厚等のシミュレーション条件を変えても示すことができる。
本実施例では、隣接導電体膜と主導電体膜の格子不整合がA、Bが前記不等式{A+B×(ap/bp)}<13%を満足し、なおかつ隣接導電体膜の構成元素の融点が、主導電体膜の構成元素の1.4倍以上であるようにしているので、隣接導電体膜と主導電体膜の密着性は強い。この効果は、主導電体膜がメッキまたはCVDにより形成されたCu膜である場合に顕著である。
次に、前記第二の密着性向上効果について説明する。発明者らは、隣接導電体膜と絶縁膜の間のはく離エネルギーが隣接導電体膜に含まれる添加元素によってどのように変化するかを分子動力学シミュレーションによって調べた。図6は、一例として、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)からなる 隣接導電体膜にパラジウム(Pd)を添加元素として含有させた膜をSiO2膜の上に900 Kで成膜し、300 Kまで冷却するシミュレーションを行った場合の、パラジウム(Pd)の濃度に対するはく離エネルギーの変化を示した図である。 膜厚は隣接導電体膜も SiO2膜も3nmとした。ここでのはく離エネルギーは、隣接導電体膜とシリコン酸化膜(SiO2膜)の間にはく離を起こさせるために必要なエネルギーである。この図から、パラジウム(Pd)の濃度が約10at.%(アトミックパーセント)以上になると、はく離エネルギーが急激に増加し、隣接導電体膜とシリコン酸化膜(SiO2膜)の間の密着性が向上することがわかる。同様にして、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)からなる 隣接導電体膜にチタン(Ti)を添加元素として含有させた場合の、チタン(Ti)の濃度に対するはく離エネルギーの変化を図7に示す。
この図から、添加元素がチタン(Ti)の場合にも、濃度が約10at.%以上になると、はく離エネルギーが急激に増加し、隣接導電体膜とシリコン酸化膜(SiO2膜)の間の密着性が向上することがわかる。図6、7から、添加元素の濃度が約15at.%になるとはく離エネルギーはほぼ一定となり、密着性向上の効果が飽和することがわかる。次にどのような添加元素がシリコン酸化膜(SiO2膜)との密着性を向上させるかを調べるために、添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーを横軸にとり、添加元素の濃度を20at.%に設定した場合のはく離エネルギーを縦軸にとったグラフを図8に示す。この図の横軸のEB-Siは隣接導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーを表す。図8から、シリコン(Si)との結合エネルギーが隣接導電体膜の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの約1.9倍以上である添加元素がシリコン酸化膜(SiO2膜)との密着性を向上させることがわかった。
具体的には、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)がシリコン酸化膜(SiO2膜)との密着性向上に有効である。しかし、添加元素を隣接導電体膜に含有させたことによって、隣接導電体膜と銅(Cu)膜の密着性が弱くなる場合には、添加元素として適さないので、これに相当する元素は除かなければならない。以下では銅(Cu)膜との密着性に対する添加元素の影響について説明する。図4、5に示したように、隣接導電体膜と銅(Cu)膜の密着性は、銅(Cu)との格子不整合が小さい、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)を隣接導電体膜の主構成元素として用いることによって向上するので、この格子不整合を大きくしない添加元素が好ましいといえる。すなわち、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)の原子配列を乱さないことが重要であり、このためには、原子半径の近い添加元素が良い。この様子を詳細に見るために、ルテニウム(Ru)を隣接導電体膜の主構成元素とした場合を例にとり、横軸として添加元素とルテニウム(Ru)の原子半径の差、縦軸としてルテニウム(Ru)膜と銅(Cu)膜の間のはく離エネルギーをとって、添加元素が銅(Cu)膜との密着性に与える影響を調べた。この結果を図9に示す。図からわかるように、原子半径の差が10%以上である添加元素は、濃度が20at.%以下であっても銅(Cu)膜との密着性を弱くしてしまう。具体的には、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)がこれに相当する。これらは、図8に示したようにシリコン(Si)との結合エネルギーが大きく、シリコン酸化膜(SiO2膜)との密着性向上に有効であるが、ルテニウム(Ru)との原子半径差が大きく、ルテニウム(Ru)の原子配列を乱すために、銅(Cu)膜との密着性を弱くしてしまう。図8と図9を合わせて考慮すると、銅(Cu)膜とルテニウム(Ru)膜の密着性を強く保ちながらシリコン酸化膜(SiO2膜)とルテニウム(Ru)膜の密着性を向上する添加元素としては、ルテニウム(Ru)との原子半径差が10%以下であり、なおかつシリコン(Si)との結合エネルギーがルテニウム(Ru)とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上である、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)が挙げられる。ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt)はいずれもルテニウム(Ru)に近い原子半径を持つため、これらに対しても同様の添加元素が挙げられる。図9より、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)を添加する場合でも、濃度が30at.%以上になると銅(Cu)膜との密着性が弱くなることがわかる。図6、7と合わせて考慮すると、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の濃度は、10at.%以上で25at.%以下が好ましい。以上のシミュレーション結果に見られる本実施例の効果は、温度や膜厚等のシミュレーション条件を変えても示すことができる。
本発明の第一の実施例である半導体装置の別の効果は、隣接導電体膜14、16、19、22a、22bの応力が添加元素の含有により低減され、クラック等の欠陥が起こりにくくなることである。隣接導電体膜の内部応力が隣接導電体膜に含まれる添加元素によってどのように変化するかを分子動力学シミュレーションによって調べた。図10は、一例として、ルテニウム(Ru)に添加元素としてパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)をそれぞれ含有させた膜をSiO2膜の上に900 Kで成膜し、300 Kまで冷却するシミュレーションを行った場合の、Ru膜に残留した内部応力Sの添加元素濃度に対する変化を示した図である。膜厚はRu膜も SiO2膜も3 nmとした。図10において、S0は添加元素を含有させない場合の内部応力を示す。図10より、添加元素の濃度が約0.14at.%以上の場合に内部応力が低減されることがわかる。これら四つの元素の中でも、より融点の低いニッケル(Ni)、コバルト(Co)が内部応力低減に対しては特に有効となることが図10よりわかる。パラジウム(Pd)やチタン(Ti)も、ルテニウム(Ru)よりは融点がかなり低いので、内部応力を低減する効果が図10に示されている。
比較のために、ルテニウム(Ru)よりも融点の高いタングステン(W)やタンタル(Ta)を添加した場合には、図11に示すように内部応力が添加元素濃度とともに増大してしまい、内部応力低減に対しては有効でないことがわかる。図9と合わせて考慮すると、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の添加元素濃度は、0.14at.%以上で25at.%以下が好ましいといえる。以上のシミュレーション結果に見られる本実施例の効果は、温度や膜厚等のシミュレーション条件を変えても示すことができる。
本発明の第一の実施例である半導体装置のさらに別の効果は、導電体膜のエレクトロマイグレーション耐性が向上するという点である。例として、主導電体膜が銅(Cu)膜である場合についてこの効果の説明をする。前に説明した図5は、はく離エネルギーに及ぼす格子不整合の影響を分子動力学シミュレーションの結果として得たものであるが、これと同様のシミュレーションから、銅(Cu)原子の拡散係数に及ぼす格子不整合の影響を調べることができる。図5と同様に、横軸に格子不整合Aをとり、縦軸に銅(Cu)原子の拡散係数をとったグラフを図12に示す。ただし、Dは、隣接導電体膜を下地とした銅(Cu)膜における銅(Cu)原子の拡散係数であり、D0はバルクの銅(Cu)における拡散係数である。
格子不整合が境界線より大きくなると拡散係数は急激に大きくなり、銅(Cu)原子が動きやすくなることがわかる。原子が動きやすいと、電流が流れた時等にボイドや断線が生じやすくなる。すなわち、マイグレーション耐性が低くなる。逆に、拡散係数が小さい領域では、原子が動きにくく、マイグレーション耐性が優れているといえる。図からわかるように、拡散係数が小さい領域には、ロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os) 、白金(Pt)が含まれる。したがって、本実施例では、銅(Cu)を主構成元素とする導電体膜に隣接する導電体膜の主構成元素として、銅(Cu)との格子不整合が小さいロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os) 、白金(Pt)を用いるので、マイグレーション耐性が向上する。
本実施例のこれら以外の効果としては、主導電体膜として銅(Cu)膜を用いた場合、隣接導電体膜が、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含むようにすることにより、隣接導電体膜の中を銅(Cu)原子が拡散しにくくなり、半導体装置の信頼性が向上する。
本実施例では、主導電体膜として銅(Cu)膜を用いた場合、隣接導電体膜が、ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含む膜である例を示したが、隣接導電体膜はこれら以外に別の添加元素を含んでいても本実施例の効果は得られる。また、隣接導電体膜は、酸化ロジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、または酸化オスミウム のうちの少なくとも一つの材料を主構成材料とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含む膜でもよい。また、この隣接導電体膜は、これら以外に別の添加元素を含んでいても本実施例の効果は得られる。
次に、本発明における第二の実施例である半導体装置における主要部分の断面構造を図13に示す。第二の実施例の第一の実施例との違いは、第一の実施例における主導電体膜17の側壁と主導電体膜23の側壁は被覆されていないが、第二の実施例における主導電体膜17の側壁と主導電体膜23の側壁は、それぞれ隣接導電体膜16cと隣接導電体膜22cに被覆されているという点である。これによって、側壁から主導電体膜17、23の構成元素が絶縁膜18、24に拡散するのを防止する構造となっている。
続いて、本発明における第三の実施例である半導体装置における主要部分の断面構造を図14に示す。第三の実施例の第一の実施例との違いは、主導電体膜17からなる配線層が、被覆されない導電体プラグ26に接続されている点と、主導電体膜23からなる配線層が、被覆されない導電体プラグ27に接続されている点である。これらの導電体プラグ26、27は、それぞれ主導電体膜17、23および絶縁膜13、21と接触しているので、信頼性向上のために、導電体プラグ26の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺anと前記主導電体膜17の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺apの差{|ap-an|/ap}×100=A(%)と、前記導電体プラグ26の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bnと前記主導電体膜17の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bpの差{|bp-bn|/bp}×100=B(%)が{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足し、なおかつ前記導電体プラグ26の主構成元素の融点が前記主導電体膜17の主構成元素の融点の1.4倍以上であり、なおかつ前記導電体プラグ26が主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の添加元素の原子半径と前記導電体プラグ26の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつ前記添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記導電体プラグ26の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることをすべて満足するように前記導電体プラグ26の構成元素を選択する。具体的には、主導電体膜17が銅(Cu)を主構成元素とする場合には、導電体プラグ26は、ロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含むようにすればよい。同様に、導電体膜プラグ27と主導電体膜23の間の密着性および導電体膜プラグ27と絶縁膜21の間の密着性を向上させるために、導電体プラグ27の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺anと前記主導電体膜23の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺apの差{|ap-an|/ap}×100=A(%)と、前記導電体プラグ27の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bnと前記主導電体膜17の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bpの差{|bp-bn|/bp}×100=B(%)が{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足し、なおかつ前記導電体プラグ27の主構成元素の融点が前記主導電体膜23の主構成元素の融点の1.4倍以上であり、なおかつ前記導電体プラグ27が主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の添加元素の原子半径と前記導電体プラグ27の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつ前記添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記導電体プラグ27の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることをすべて満足するように前記導電体プラグ27の構成元素を選択する。具体的には、主導電体膜23が銅(Cu)を主構成元素とする場合には、導電体プラグ27は、ロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含むようにすればよい。以上により、導電体プラグ26、27は、主導電体膜17、23よりも高い融点を持つようになるので、耐熱性およびマイグレーション耐性に優れた構造となる。図14では、導電体プラグ26、27がそれぞれ絶縁膜13、21と直接接触する場合について示したが、導電体プラグ26と絶縁膜13の間や、導電体プラグ27と絶縁膜21の間に中間膜が形成された構造であってもよい。
さらに、本発明における第四の実施例である半導体装置における主要部分の断面構造を図15に示す。第四の実施例の第一の実施例との違いは、主導電体膜17からなる配線層が、ゲート絶縁膜28の上に形成されたゲート電極29に、導電体プラグ32を通じて接続されている点である。この場合、ゲート電極29は、導電体プラグ32および絶縁膜30と接触するので、信頼性を向上させるために、ゲート電極29の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺anと前記導電体プラグ32の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における短辺apの差{|ap-an|/ap}×100=A(%)と、前記ゲート電極29の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bnと前記導電体プラグ32の主構成元素の構成する最密結晶面の単位長方格子における長辺bpの差{|bp-bn|/bp}×100=B(%)が{A+B×(ap/bp)}<13%なる不等式を満足し、なおかつ前記ゲート電極29の主構成元素の融点が前記導電体プラグ32の主構成元素の融点の1.4倍以上であり、なおかつ前記ゲート電極29が主構成元素のほかに少なくとも一種類の異種元素を含有し、該異種元素のうちの少なくとも一種類の添加元素の原子半径と前記ゲート電極29の主構成元素の原子半径の差が10%以下であり、なおかつ前記添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーが前記ゲート電極29の主構成元素とシリコン(Si)の結合エネルギーの1.9倍以上であることをすべて満足するように前記ゲート電極29の構成元素を選択する。具体的には、導電体プラグ32が銅(Cu)を主構成元素とする場合には、ゲート電極29が、ロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含むようにすればよい。
次に、本発明における第五の実施例である半導体装置における主要部分の断面構造を図16に示す。第五の実施例の第四の実施例との違いは、ゲート電極が、導電体膜29と導電体膜33からなる積層構造を持つ点である。導電体膜29は導電体プラグ32および導電体膜33と接触界面を持つ。例えば、導電体膜33が多結晶シリコンからなり、導電体プラグ32が銅(Cu)を主構成元素とする場合、信頼性を向上させるためには、導電体膜29が、ロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)または白金(Pt)のうちの少なくとも一種類の元素を主構成元素とし、なおかつパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)のうちの少なくとも一種類の元素を添加元素として含むようにすればよい。
次に、本発明における第六の実施例である半導体装置における主要部分の断面構造を図17に示す。第六の実施例の第一の実施例との違いは、隣接導電体膜14a、14bが隣接膜34a、34bと接触した構造となっている点と、隣接導電体膜16a、16bが隣接膜35a、35bと接触した構造となっている点である。隣接膜34a、34b、16a、16b16a、16bとしては、例えば、窒化チタン(TiN)、タンタル(Ta)、窒化タンタル(TaN)、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等の導電体膜を用いるか、または、窒化シリコン膜等の絶縁膜を用いる。これによって、第一の実施例に比べて、主導電体膜15、17の構成元素が絶縁膜13、18等に拡散するのをより強く防止できる構造となっている。
上述のように隣接導電体膜の主構成元素としては、ロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os) 、白金(Pt)等が適しているが、このなかで特にルテニウム(Ru)は加工性の面で優れている。また、添加元素としては、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)等が適しているが、これら四つの添加元素のうち、パラジウム(Pd)は、図9に示したようにルテニウム(Ru)との原子半径の差が最も小さいため、ルテニウム(Ru)の原子配列を乱しにくく、添加しても電気抵抗を高くしないという点で優れており、隣接導電体膜の主構成元素をルテニウム(Ru)とした場合に最も適した添加元素といえる。また、チタン(Ti)は、図8に示したようにシリコン(Si)との結合エネルギーが最も大きく、シリコン(Si)を含有する絶縁膜との密着性向上には最も有効である。また、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)は図10に示したように内部応力を低減する上では最も有効である。
また、上記において銅(Cu)を例として記述してきた部分は、銅(Cu)の代わりに金(Au)や銀(Ag)を用いた場合でも、隣接する膜の主構成元素としてロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)または白金(Pt)を用いて、前述の各効果が得られる。 また、銅(Cu)の代わりに高い融点を持つ白金(Pt)を用いた場合には、隣接する膜の主構成元素としてロジウム(Rh) 、ルテニウム(Ru) 、イリジウム(Ir) 、オスミウム(Os)または白金(Pt)を用いる代わりに、オスミウム(Os)を用いれば、前述の各効果が得られる。
本発明の第一の実施例に係る半導体装置の主要部分の断面図である。 最密結晶面における原子配列と単位長方格子の格子定数a、bを示す図である。 銅(Cu)膜を主導電体膜とした場合の隣接導電体膜と主導電体膜の間のはく離エネルギーの融点依存性を示す図である。 銅(Cu)膜を主導電体膜とした場合の隣接導電体膜と主導電体膜の間のはく離エネルギーの格子不整合依存性を示す図である。 銅(Cu)膜を主導電体膜とした場合の隣接導電体膜と主導電体膜の間のはく離エネルギーの格子不整合依存性を図4の破線に沿って示した図である。 ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)からなる 隣接導電体膜にパラジウム(Pd)を添加元素として含有させた場合の隣接導電体膜とシリコン酸化膜の間のはく離エネルギーのパラジウム(Pd)含有濃度に対する依存性を示した図である。 ロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、白金(Pt)からなる隣接導電体膜にチタン(Ti)を添加元素として含有させた場合の隣接導電体膜とシリコン酸化膜の間のはく離エネルギーのチタン(Ti)含有濃度に対する依存性を示した図である。 添加元素の濃度を20at.%に設定した場合の隣接導電体膜とシリコン酸化膜の間のはく離エネルギーの、添加元素とシリコン(Si)の結合エネルギーに対する依存性を示した図である。 ルテニウム(Ru)を隣接導電体膜の主構成元素とした場合のルテニウム(Ru)膜と銅(Cu)膜の間のはく離エネルギーの、添加元素とルテニウム(Ru)の原子半径の差に対する依存性を示した図である。 ルテニウム(Ru)を隣接導電体膜の主構成元素とし、パラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)を添加元素とした場合のルテニウム(Ru)膜の内部応力の、添加元素含有濃度に対する依存性を示した図である。 ルテニウム(Ru)を隣接導電体膜の主構成元素とし、タングステン(W)、タンタル(Ta)を添加元素とした場合のルテニウム(Ru)膜の内部応力の、添加元素含有濃度に対する依存性を示した図である。 銅(Cu)膜を主導電体膜とした場合の銅(Cu)原子の拡散係数に及ぼす格子不整合の影響を図4の破線に沿って示した図である。 本発明の第二の実施例に係る半導体装置の主要部分の断面図である。 本発明の第三の実施例に係る半導体装置の主要部分の断面図である。 本発明の第四の実施例に係る半導体装置の主要部分の断面図である。 本発明の第五の実施例に係る半導体装置の主要部分の断面図である。 本発明の第六の実施例に係る半導体装置の主要部分の断面図である。
符号の説明
1…シリコン基板、2、3、4、5…拡散層、6、7、28…ゲート絶縁膜、8、9、29…ゲート電極、10…素子分離膜、11、12、13、18、21、24、25、30…絶縁膜、14a、14b、16a、16b、16c、19、22a、22b、22c、31…隣接導電体膜、15、17、20、23…主導電体膜、26、27、32…導電体プラグ、33…導電体膜、34a、34b、35a、35b…隣接膜。

Claims (7)

  1. 半導体基板の一主面側に形成されたMOSトランジスタと、該MOSトランジスタの上部に形成されたシリコン(Si)を含む絶縁膜と、該絶縁膜に接触して形成された隣接導電体膜と、該隣接導電体膜に被覆され前記MOSトランジスタの拡散層に接続されたプラグと、該プラグに接続された積層配線とを有する半導体装置において、前記プラグは銅(Cu)を主構成元素とし、前記隣接導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記隣接導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を10at.%以上25at.%以下の濃度で含有することを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板の一主面側に形成された隣接導電体膜と、該隣接導電体膜に被覆された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜のプラグとを有する半導体装置において、前記隣接導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記隣接導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有することを特徴とする半導体装置。
  3. 半導体基板の一主面側に形成された隣接導電体膜と、該隣接導電体膜に被覆された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜のプラグとを有する半導体装置において、前記隣接導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記隣接導電体膜はパラジウム(Pd)を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有することを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体基板の一主面側に形成された隣接導電体膜と、該隣接導電体膜に被覆された銅(Cu)膜または銅(Cu)合金膜のプラグとを有する半導体装置において、前記隣接導電体膜は酸化ロジウム、酸化ルテニウム、酸化イリジウム、酸化オスミウムからなる群から選ばれる一種類以上の元素を主構成材料とし、前記隣接導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有することを特徴とする半導体装置。
  5. 半導体基板の一主面側に形成されたMOSトランジスタと、該MOSトランジスタのゲート電極に接続されたプラグと、該プラグに接続された積層配線とを有する半導体装置において、前記プラグは銅(Cu)膜を主構成元素とし、前記プラグと接触界面を持つ前記ゲート電極の導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を10at.%以上25at.%以下の濃度で含有することを特徴とする半導体装置。
  6. 半導体基板の一主面側に形成されたMOSトランジスタと、該MOSトランジスタのゲート電極に接続されたプラグと、該プラグに接続された積層配線とを有する半導体装置において、前記プラグは銅(Cu)膜を主構成元素とし、前記ゲート電極は前記プラグと接触界面を持つ第一の導電体膜と多結晶シリコンからなる第二の導電体膜とを有し、前記第一の導電体膜は少なくともロジウム(Rh)、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、白金(Pt) からなる群から選ばれる一種類の元素を主構成元素とし、前記第一の導電体膜は少なくともパラジウム(Pd)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti) からなる群から選ばれる一種類の添加元素を10at.%以上25at.%以下の濃度で含有することを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項において、前記添加元素は0.14at.%以上25at.%以下の濃度で含有されることを特徴とする半導体装置。
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