JP4435299B2 - カーボンナノチューブ分類装置、コンピュータプログラム、及びカーボンナノチューブ分類方法 - Google Patents

カーボンナノチューブ分類装置、コンピュータプログラム、及びカーボンナノチューブ分類方法 Download PDF

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Description

本発明は、バンドル状のカーボンナノチューブ集合体の構成要素であるカーボンナノチューブを自動的に分類できるようにしたカーボンナノチューブ分類装置、コンピュータプログラム、及びカーボンナノチューブ分類方法に関する。
カーボンナノチューブとして市販されているバルク体は、図20に示すように複数の単層カーボンナノチューブ(Single-Walled Carbon Nano Tube:SWCNT)が束になったものであり、このようなバルク体(以下、カーボンナノチューブ集合体と称す)の構成要素である単層カーボンナノチューブの特性を個別に解析することは、カーボンナノチューブ集合体の機能及び性質等を判断する上で非常に重要である。
解析対象になる単層カーボンナノチューブの特性項目として、単層カーボンナノチューブの直径、カイラリティ(炭素原子からなる六員環がチューブ表面でどのように並んでいるかを示すもの)、及びチューブ長さ等があり、これらの特性項目が相異すれば、単層カーボンナノチューブの性質も相異する(非特許文献1参照)。
単層カーボンナノチューブの解析では、カーボンナノチューブ集合体のままでは個々の単層カーボンナノチューブの特性を測定できないので、カーボンナノチューブ集合体を各単層カーボンナノチューブへ分離する処理が必要になる。分離方法としては強酸処理と超音波処理とを組み合わせて行う方法(特許文献1参照)、ドデシル硫酸ナトリウム溶液にカーボンナノチューブ集合体を加えて超音波処理を行い可溶化する方法(非特許文献2参照)、可溶化した単層カーボンナノチューブを含む溶液を基板上に滴下して薄膜を形成する方法(特許文献2及び非特許文献3参照)などがある。
また、分離するのではなく、基板に1本の単層カーボンナノチューブを付着して成長させ、成長した1本の単層カーボンナノチューブが存在する位置をAFMで特定し、特定した位置でラマン分光法のマッピング測定を行い、単層カーボンナノチューブの直径及びカイラリティを解析することが記載されている(非特許文献4参照)。
一方、近時、単層カーボンナノチューブを用いてトランジスタ、センサー、集積回路(Integrated Circuit:IC)等を製造することが行われている。例えば、単層カーボンナノチューブを用いた集積回路では、基板上に設けた電極間に複数の単層カーボンナノチューブを分散配置して回路を形成している。このような集積回路などに用いられる単層カーボンナノチューブには、回路設計者が望む特性を具備するものが選ばれている。
特開2004−2156号公報 特開2004−167667号公報 齋藤理一郎(電気通信大学・電子工学科)"R.Saitoのカーボンナノチューブのページ"、[online]、平成13年、カーボンナノチューブのマイクロラマン分光、[平成17年8月27日検索]、インターネット<URL:flex.ee.uec.ac.jp/home/staff/rsaito/doc/http/nanotube/index-j.html> 「Science」誌、vol.297 26 JULY 2002、P593〜P596 「Science」誌、vol.301 5 SEPTEMBER 2003、P1354〜P1356 「Nanotechnology」誌(Institute of Physics Publishing)、Nanotechnology15(2004)、P562〜P567
上述した各種分離方法を用いてカーボンナノチューブ集合体から分離した多数の単層カーボンナノチューブを特性(直径など)に応じて分類するには、多大な手間と時間を要すると云う問題がある。即ち、単層カーボンナノチューブの分類を行うには、先ず各単層カーボンナノチューブの特性を解析する必要があるが、この解析の仕方としては、基板上に多数の単層カーボンナノチューブを分散配置した試料へレーザ光を移動させて照射し、照射により生じた光を分光して得られたラマンスペクトルをオペレータが観測する。カーボンナノチューブは非常に微細であるため上述したような照射を行うことで、何回かに1回の割合で単層カーボンナノチューブ特有のピーク形状を有するラマンスペクトルを観測でき、その観測できたラマンスペクトルに基づいてカーボンナノチューブの特性(直径及びカイラリティ等)を判断していた。
よって、上述したような手順で解析を行うので一本の単層カーボンナノチューブを解析するのに約半日の時間を要するため、多量の単層カーボンナノチューブを解析する場合は莫大な時間がかかり、カーボンナノチューブ集合体に含まれる多量の単層カーボンナノチューブを特性に応じて効率良く分類することは非常に手間がかかっていた。さらに、このような事情がカーボンナノチューブに関する研究、開発等を進める上での障害になっている。
また、多量の単層カーボンナノチューブの特性を判別して効率良く分類することは、上述した単層カーボンナノチューブを用いたトランジスタ、センサー、集積回路等の製品の研究開発、製造工程での検査においても、製品に含まれる単層カーボンナノチューブが所望の性質を有するかを検証する上で重要な意義を有している。
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、多量の単層カーボンナノチューブを特性に応じて効率良く自動分類するカーボンナノチューブ分類装置、コンピュータプログラム、及びカーボンナノチューブ分類方法を提供することを目的とする。
また、本発明は単層カーボンナノチューブの分類を行うにあたり、単層カーボンナノチューブの直径、カイラリティ、及びチューブ長さの比を解析できるようにしたカーボンナノチューブ分類装置を提供することを目的とする。
さらに、本発明は分類した結果を一目で確認できるように分類結果をビジュアル化したカーボンナノチューブ分類装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために第1発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、基材上に複数のカーボンナノチューブを分散配置した試料へ光を照射する光源と、該光源の照射箇所を移動させる移動手段と、該移動手段が移動させた照射箇所で前記光源が光を照射することで生じた光を分光する分光器とを備え、分光されたスペクトルに応じてカーボンナノチューブを分類するカーボンナノチューブ分類装置であって、分光されたスペクトルに含まれるピーク部に係る波数を照射箇所ごとに検出する検出手段と、該検出手段が検出した波数に基づいて各スペクトルを分類する分類手段とを備えることを特徴とする。
また、第2発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記分類手段は、同等の波数ごとにスペクトルを分類しており、前記分類手段が分類した波数ごとのスペクトルを計数する計数手段と、該計数手段が計数した数を分類ごとに表した分布図を作成する手段とを備えることを特徴とする。
さらに、第3発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記分類手段は、波数の検出が行われた照射箇所に対応付けてスペクトルを分類しており、複数の照射箇所を表す図を作成する作図手段を備え、該作図手段は、前記分類手段が分類したスペクトルに応じた照射箇所を、分類ごとに相異した形態で表すようにしてあることを特徴とする。
さらにまた、第4発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記検出手段は、分光されたスペクトルに対してアンチストークス側の領域及びストークス側の領域でピーク部を検出する手段を備え、アンチストークス側の領域で検出されるピーク部の有無に応じて検出対象のスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティを判別する手段を備えることを特徴とする。
また、第5発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記検出手段は、分光されたスペクトルに対してストークス側の重複しない二領域でピーク部を検出する手段を備え、二領域での検出結果に応じて検出対象のスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティを判別する手段を備えることを特徴とする。
さらに、第6発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、光源から照射される光を相異する方向に偏光させる手段と、前記検出手段で検出される相異する方向ごとのピーク部の強度に基づいてカーボンナノチューブの長手方向の向きを判別する手段とを備えることを特徴とする。
さらにまた、第7発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記光源は、一つの照射箇所に対して相異する波長の光を照射するようにしてあり、前記検出手段は、一つの照射箇所で相異する波長の光が照射されるごとに波数を検出する手段を備え、一つの照射箇所で検出された各波数に応じて検出対象のスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティを判別する手段を備えることを特徴とする。
また、第8発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記検出手段は、分光されたスペクトルに対してラマンスペクトルに係る領域でピーク部を検出する手段と、分光されたスペクトルに対してホトルミネッセンススペクトルに係る領域でピーク部を検出する手段とを備え、ラマンスペクトルに係る領域及びホトルミネッセンススペクトルに係る領域に対する検出結果に応じて、検出したスペクトルに対するカーボンナノチューブを半導体又は金属として判別する手段を備えることを特徴とする。
さらに、第9発明に係るカーボンナノチューブ分類装置は、前記検出手段が検出した一つの波数に対して複数のスペクトルのピーク部がある場合、各ピーク部の値の比を検出する比検出手段と、該比検出手段が検出した比に基づいて、前記複数のスペクトルに対する各カーボンナノチューブの長さの比を特定する手段とを備えることを特徴とする。
第10発明に係るコンピュータプログラムは、光源の照射箇所を移動させて分光器で分光を行う分光装置に対する制御を行って分光されたスペクトルを取得するコンピュータに複数のカーボンナノチューブに係るスペクトルを分類させるためのコンピュータプログラムであって、コンピュータを分光装置から取得したスペクトルに含まれるピーク部に係る波数を照射箇所ごとに検出する検出手段と、該検出手段が検出した波数に基づいて各スペクトルを分類する分類手段として機能させることを特徴とする。
第11発明に係るカーボンナノチューブ分類方法は、光源の照射箇所を移動させて分光器で分光を行う分光装置を用いて複数のカーボンナノチューブを分類するカーボンナノチューブ分類方法であって、基材上に複数のカーボンナノチューブを分散配置した試料へ照射箇所を移動させて前記光源で光を照射し、前記光源が光を照射することで生じた光を分光器で分光し、分光されたスペクトルに含まれるピーク部に係る波数を照射箇所ごとに検出し、検出した波数に基づいて各スペクトルを分類することを特徴とする。
第1発明、第10発明、及び第11発明にあっては、カーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブに相当。以下同様)の特性(直径及びカイラリティ等)に関連するスペクトルのピーク部に対する波数を照射箇所ごとに検出するので、マッピング測定を行って把握したカーボンナノチューブが存在する箇所に対応させて、その箇所のカーボンナノチューブのスペクトルに係る波数を認識可能となる。また検出した波数に基づき各スペクトルを分類(クラスタリング)するので、試料に含まれる複数のカーボンナノチューブを同等の特性を有するものごとに自動的にグループ化できるようになり、従来に比べて多量のカーボンナノチューブを短時間で分類できる。
なお、波数ごとに各スペクトルをクラスタリングするには、周知の統計的手法を用いることが多量のカーボンナノチューブを自動的に効率良く分類するために好適である。具体的には検出した各スペクトルのピーク部をパターンベクトルで表し、これらのパターンベクトル間の距離(ユークリッド距離、マンハッタン距離など)をパラメータとして各スペクトルを類似するケースに分類すること、2つのパターンベクトルが作る角度の大きさを三角関数(コサイン)で表し、その三角関数の値より各パターンベクトルの類似度を求めて各スペクトルを類似するケースへと分類すること、全パターンベクトルから主成分解析法を用いて複数の主成分ベクトルを算出し、その空間中での各ベクトルの集まりを選択する方法などが適用できる。また、上述した統計的手法に分類した結果を用いてデンドログラムを求めることで、分類した結果の抽出を容易に行えるようになる。
第2発明にあっては、分類ごとにスペクトル数を表した分布図を作成するので、この分布図により試料に含まれる複数のカーボンナノチューブが同等の特性ごとに、どの程度含まれているか一目で判断可能となり、複数のカーボンナノチューブの効率的な解析に貢献できる。また、分布図を分類し波数ごとに作成すれば、分類基準となる波数は、分類対象のスペクトルに応じたカーボンナノチューブの直径に関係した数値であるため、波数ごとの分布図は、分類対象の複数のカーボンナノチューブに対する直径分布図と同等なものとなり、どのような直径のカーボンナノチューブが、どの程度含まれるかを容易に把握できるようになる。
第3発明にあっては、分類手段が分類したスペクトルに応じた照射箇所を、分類ごとに相異した形態で各照射箇所を表した図を作成するので、同等の特性を有するカーボンナノチューブが、試料中のどのような箇所に含まれるかをビジュアル化して一目で判断可能となり、複数のカーボンナノチューブを分散した状態で含む試料の解析に好適となる。特に作成した図は、カーボンナノチューブを用いて製造されるトランジスタ、センサー、集積回路等の検証で、実際に用いられたカーボンナノチューブが所望の特性(直径等)を有するか否かの検査を視覚的に判断できるため有用である。
第4発明にあっては、分光されたスペクトル(ラマンスペクトル)に対してアンチストークス側(負の領域に相当)及びストークス側(正の領域に相当)の両方でピーク部を検出すると共に、アンチストークス側での検出結果を利用してカーボンナノチューブのカイラリティを判別するので、カーボンナノチューブの特性として直径だけでなくカイラリティも解析可能となり、多量のカーボンナノチューブを様々な特性ごとに分類できる。即ち、照射光に対して共鳴しているときは一方側のみにピーク部が表れ、共鳴波長が低い場合では両方側にピーク部が表れることが理論的に周知であるため、この周知の学術理論に基づき検出結果を判断することでカーボンナノチューブのカイラリティをも判別できる。なお、カイラリティの具体的な配向性(一般にm、nで示される値)を求めるには、「片浦プロット」と称される表を用いることが一般的である。
第5発明にあっては、ストークス側の重複しない二領域でピーク部を検出して、その検出結果に応じてカーボンナノチューブのカイラリティを判別するので、周知の学術理論に基づき複数のカーボンナノチューブに対してカイラリティも容易に判別できる。具体的には、ストークス側の重複しないRBM(Radial Breathing Mode )領域及びGバンドと称される領域で偏光したレーザ光を用いて検出を行い、Gバンドで検出される複数のピーク部の形態(各ピーク部の強度比等)に基づいて、検出されたスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティ(金属の性質を有するか、又は半導体の性質を有するか)を判別できる。
第6発明にあっては、偏光した光を照射すると共に、偏光の方向ごとにGバンドのピーク強度を検出するので、偏光の向きと検出されたピーク強度の関係からカーボンナノチューブの長手方向の向きまでも判別できるようになる。なお、光源からの光を偏光させる手段としては、光源と試料の間に向きを変えることが可能な偏光レンズ、偏光プリズムを設けること、又は光源から照射する光を一方向に偏光させると共に試料を載置する試料台の向きを変えられるようにする構成等を適用する。
第7発明にあっては、同一箇所を相異する複数の波長で照射すると共に、同一箇所で相異する波長ごとの検出を行うので、カーボンナノチューブのカイラリティを容易に判別可能となる。即ち、スペクトルのピーク部は波長ごとに応じた特徴を示すため、周知の学術理論に基づけば、これらの特徴に基づいてカイラリティが判別できるため、ストークス側の狭い領域(例えばRBM領域)だけで検出を行う場合でも、良好にカイラリティを特定できるようになる。
第8発明にあっては、分光されたスペクトルに対して、ラマンスペクトルに係る領域及びホトルミネッセンススペクトルに係る領域でピーク部を検出するので、カイラリティを詳細に判別可能になる。即ち、周知の学術理論により両方の領域でピーク部が検出されれば、カーボンナノチューブは半導体の性質を有するカイラリティになっていることが分かっており、一方ラマンスペクトルに係る領域のみでピーク部が検出されれば、カーボンナノチューブは金属の性質を有するカイラリティになっていることが分かっているため、ラマンスペクトル及びホトルミネッセンススペクトルに係る両領域で検出を行える構成にすることで、容易にカーボンナノチューブの詳細な性質までも判別でき、それに基づいた分類も実現できる。
第9発明にあっては、一つの同じ波数に対して複数のスペクトルのピーク部を検出した場合、各ピーク部の値の比を検出することで、各カーボンナノチューブのチューブ長さの比を特定でき、その特定内容に応じて各カーボンナノチューブを分類できるようになる。即ち、周知の学術理論により、各スペクトルのピーク部のパターンベクトルが同じ類似度である場合、各パターンベクトルの大きさ(ピーク部の値に相当)の比がカーボンナノチューブのチューブ長さの比に相当することが判明しているため、各ピーク部の値の比を検出する処理を行うことにより、カーボンナノチューブの特性としてチューブ長さの比までを判別でき、それに基づいた分類も行えるようになる。
第1発明、第10発明、及び第11発明にあっては、分光したスペクトルのピーク部に対する波数を照射箇所ごとに検出するので、検出した波数ごとに各スペクトルを分類でき、試料に含まれる複数のカーボンナノチューブを同等の特性ごとに短時間で自動的に分類できる。
第2発明にあっては、分類ごとにスペクトル数を表した分布図を作成するので、同等の種類のカーボンナノチューブが種類ごとにどの程度含まれるかを一目で判断できる。
第3発明にあっては、分類手段が分類したスペクトルに応じた照射箇所を、分類ごとに相異した形態で図を作成するので、同等の特性を有するカーボンナノチューブが、試料中のどのような箇所に含まれるかを視覚的に確認できる。
第4発明にあっては、アンチストークス側及びストークス側の両方でピーク部を検出するので、検出結果に基づきカーボンナノチューブのカイラリティを判別でき、カイラリティの観点から多量のカーボンナノチューブを判別して分類できる。
第5発明にあっては、ストークス側の重複しない二領域でピーク部を検出するので、その検出結果に応じてカーボンナノチューブのカイラリティを判別でき、多様な観点で多量のカーボンナノチューブを判別して分類できる。
第6発明にあっては、照射した光の偏光の向きごとにピーク部の強度を検出するので、カーボンナノチューブの長手方向がいずれの向きであるかも判別でき、より詳細な分析を実現できる。
第7発明にあっては、同一箇所を相異する波長の光で順次照射すると共に、同一箇所で相異する波長ごとの検出を行うので、カーボンナノチューブのカイラリティを容易に判別できる。
第8発明にあっては、分光されたスペクトルに対して、ラマンスペクトルに係る領域及びホトルミネッセンススペクトルに係る領域でピーク部を検出するので、分類対象のカーボンナノチューブの詳細な性質も判別できる。
第9発明にあっては、同等の波数に対して複数のスペクトルのピーク部を検出した場合、各ピーク部の値の比を検出するので、各カーボンナノチューブのチューブ長さの比を特定でき、チューブ長さの観点でも各カーボンナノチューブを判別して分類できる。
図1は、本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ分類装置1を示している。本実施形態のカーボンナノチューブ分類装置1は、図3(b)に示すように複数のカーボンナノチューブ(単層カーボンナノチューブ)が分散配置した試料10に対し、試料10に含まれる多量のカーボンナノチューブを短時間で効率良く分類する処理を行えることが特徴である。
なお、カーボンナノチューブ分類装置1を説明する前に、本実施形態で用いる試料10の生成の仕方について簡単に説明しておく。本実施形態では、図20に示すカーボンナノチューブ集合体と糖類溶液(例えば、多糖類に属するシクロアミロース溶液)とを混合して超音波処理を行い、カーボンナノチューブ集合体を複数の単層カーボンナノチューブへ分離して可溶させる。この可溶化したカーボンナノチューブ含有溶液をフィルターで濾過してから図2に示すように、回転している基板(シリコン基板。基材に相当)に滴下して均等に拡散し、スピンコートを行い、所定時間乾燥させて図3(a)に示す単層カーボンナノチューブが含まれるカーボンナノチューブ薄膜10aを形成し、重ならないように分散配置した単層カーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブ薄膜10aをシリコン基板10b上に形成した試料10を生成する。
このように生成された試料10は、単層カーボンナノチューブの位置が固定されると共に、各単層カーボンナノチューブが分散された状態になっているため、各単層カーボンナノチューブが個々に測定しやすくなっている。なお、上述した試料の生成は一例であり、測定しやすいように単層カーボンナノチューブを分散配置できるのであれば、試料10の生成に他の方式を適用することは勿論可能である。
次に、本発明のカーボンナノチューブ分類装置1を説明する。カーボンナノチューブ分類装置1は、ラマン顕微分光に係る部分としてレーザ光源2、ハーフミラー3、対物レンズ4、試料台5、ノッチフィルタ6、分光器7、及び検出器8を設けており、また、試料の測定制御及び検出結果に基づく分類処理等を行う部分としてコンピュータ11を備えている(図1参照)。以下、装置各部を説明する。
レーザ光源2は所定波長(例えば、He-Ne レーザであれば632.8nm)のレーザ光Rを照射するものであり、レーザ光Rの照射と非照射はコンピュータ11が制御する。ハーフミラー3はレーザ光Rの進行方向を試料台5の方向へ変更するものであり、対物レンズ4はレーザ光Rの試料10への照射状態を最適な状態に調整しており、具体的にはレーザ光Rの光径を適宜調整できるように光軸方向に移動可能になっている。また、試料台5は試料10を載置するものであり、レーザ光Rが照射される箇所を移動できるように試料台5は移動レール5a上を摺動し、図示しない駆動部(モータ)により試料台5は図4に示すx方向及びy方向で自由に移動可能になっている。なお、試料台5の移動もコンピュータ11が制御している。
ノッチフィルタ6は、試料10へのレーザ光Rの照射により生じたラマン散乱光及びレーリー散乱光を含む散乱光から、レーリー散乱光を除去するものである。また、分光器7は、レーリー散乱光が除去された散乱光(ラマン散乱光)を波長ごとに分光している。さらに、検出器8はCCD(Charge Coupled Device )を内蔵し、分光器7で分光されたスペクトルを測定し、測定結果をコンピュータ11へ出力する。
一方、コンピュータ11は、CPU12、データ及びファイル等を一時的に記憶するRAM13、基本的な処理内容を予め記憶したROM14、入力インタフェース部15、及び記憶部16を内部バス11aで接続した構成であり、オペレータからの操作を受け付けるキーボード17及びマウス18、並びに測定結果、分類結果、画像処理の結果等を適宜表示するモニタ19も内部バス11aに接続している。
本実施形態のコンピュータ11は、カーボンナノチューブの測定及び測定結果に基づいた分類処理等を規定したプログラム20を記憶部16に記憶することで、CPU12がカーボンナノチューブの測定及び分類処理を行って多量のカーボンナノチューブを短時間で自動的に分類できるようにしている。なお、図1では、コンピュータ11が制御するレーザ光源2、試料台5等と接続される制御線の図示は省略している。以下、コンピュータ11の各部及び処理内容を詳説する。
入力インタフェース部15は、検出器8と接続されており、検出器8から送られる測定結果を受け付ける処理を行う。また、記憶部16は大容量記憶媒体であるハードディスク装置であり、本発明の特徴的な処理内容を規定したプログラム20、メニュー21、及び分類処理等に用いる基準データ22等を記憶している。
記憶部16に記憶されるメニュー21はモニタ19に表示されて各種設定及び測定開始指示等を行うためにオペレータへ案内を行う。例えば、試料10の測定及び分類処理を開始するにあたり、初期値の設定が必要な内容(照射範囲、試料台5の移動単位など)、測定結果の表示形式、及び分類結果の表示形式等をオペレータに示す。なお、オペレータはメニュー21の表示内容に従ってキーボード17又はマウス18を適宜操作して、必要な事項の入力、指示等をコンピュータ11へ与えることになる。
記憶部16に記憶されるプログラム20は、CPU12が行う処理を規定し、規定内容は測定に関する処理と、測定結果に基づく分類処理に大別される。測定に関する処理には、準備段階におけるメニュー21をモニタ19への表示処理、オペレータからの入力に基づく図4に示す試料10の測定範囲M(レーザ光Rの照射範囲)、移動単位等の設定処理等がある。なお、設定内容を例示すると、測定範囲Mの各辺の寸法L1、L2として10μm、移動単位として1μm程度の数値が設定される場合がある。
また、表示されたメニュー21で測定開始指示がオペレータにより出されると、CPU12は測定に係る制御処理を開始し、試料台5を移動させると共にレーザ光源2からレーザ光Rの照射を行い、測定範囲Mの左上の箇所にレーザ光Rを照射させると共に、照射に伴い発生させた散乱光の測定値(スペクトル)を入力インタフェース部15で取得し、照射箇所と対応付けて取得した測定値をRAM13に記憶させることをプログラム20は規定している。
プログラム20は、設定された測定範囲M及び移動単位等に従って上述した測定処理を繰り返してマッピング測定を行い、測定範囲Mに対してレーザ光Rの照射を順次走査し、それによりコンピュータ11が測定結果を得られるようにしている。なお、レーザ光Rの照射はx方向及びy方向に順次走査させる以外にも、測定範囲M内をランダムに順次移動させることも可能であり、いずれの場合でも測定されたスペクトルと測定に係る照射箇所を対応付けておくことがマッピング測定では重要になる。
図5は、RAM13に記憶されたマッピング測定による測定結果を概念的に示した図であり、図4の測定範囲Mのx方向の寸法L1が図5のx方向の8個分のブロックに相当し、図4のy方向の寸法L2が図5のy方向の8個分のブロックに相当し、一個のブロックがレーザ光Rの移動単位に相当する。図4に示す測定範囲Mをレーザ光Rで順次走査した結果、図5においてカーボンナノチューブが存在する箇所(ブロック)にはカーボンナノチューブに係るスペクトル(ラマンスペクトル)が対応付けて格納される。例えば、(x、y)=(1、1)ではカーボンナノチューブに係るスペクトルが測定されており、このようなマッピング測定を行うことで、照射箇所に対応付けて測定されたスペクトルをコンピュータ11が認識できる。
また、プログラム20は測定されたスペクトルをオペレータに設定された表示形式でモニタ19にグラフとして表示させることも規定しており、図6は測定された全スペクトルを重ねた状態で表示した場合を示し、図7は測定されたスペクトルを重ねずに縦方向に並べた状態で表示した場合を示している。なお、モニタ19の画面寸法の関係から図7では全スペクトルを一度に表示できず、全スペクトルの中の一部を順次スクロールさせて表示することになる。
図6、図7のグラフにおいて横軸は分光器7で分光された各波長の逆数(Wave number:波数)であり、縦軸は波長ごとに対応して測定されたスペクトルの強度(Intensity)である。また、図7のグラフでスペクトルS11は、図5の(x、y)=(1、1)の箇所におけるカーボンナノチューブに対するスペクトルであることを意味し、スペクトルS71は(x、y)=(7、1)の箇所に存在するカーボンナノチューブに係るスペクトルであり、他のスペクトルS32、S52等も同様に図5における箇所に対応したスペクトルを表している。
次に、プログラム20が規定する分類処理に係る内容を説明する。プログラム20は、上述したように得られた測定結果に対して各スペクトルのRBM領域におけるピーク部を検出すると共に、そのピーク部に係る波数の検出処理をCPU12に行わせることを規定している。具体的には、CPU12は図7に示すスペクトルS11が有するピーク部S11aを検出し、そのピーク部S11aに係る波数A1を検出する。以降、測定された全スペクトルS71、S32・・・のピーク部S71a、S32a・・・を検出して、それらの波数A1、A2、A3等を検出する。なお、測定段階で各スペクトルは照射箇所ごとに対応付けられているため、各スペクトルを上述したように検出することで、検出自体も照射箇所ごとに行われることになる。
また、プログラム20は、上述した検出結果(検出した波数)に基づいて各スペクトル(各スペクトルに応じたカーボンナノチューブ)を分類して図8に示すようなデンドログラム(樹形図)を求めるために、周知の統計的手法を用いることを規定している。即ち、検出されたピーク部S11a、S71a等は、波数及び強度の値よりベクトル(パターンベクトル)で表すことができ、ピーク部S11a、S71a等をパターンベクトルにして、パターンベクトル同士の距離及び角度を求めて分類を行うようにしている。
例えば、図9(a)に示すようなスペクトルS1、S2の場合、スペクトルS1の波数A10におけるピーク部S1aは、図9(b)のベクトルV1で表すことができ、スペクトルS2の波数A11におけるピーク部S2aは、図9(b)のベクトルV2で表すことができる。ここで、ベクトルV1、V2の先端間の距離dがユークリッド距離に相当し、ベクトルV1、V2が作る角度θの三角関数(cosθ)で類似度を判別することになる。また、図9(c)に示すようなスペクトルS3、S4の場合、スペクトルS1の波数A12におけるピーク部S3aは、図9(d)のベクトルV3で表すことができ、スペクトルS4の波数A12におけるピーク部S4aは、図9(d)のベクトルV4で表すことができる。この場合、距離dがユークリッド距離に相当するが、ベクトルV3、V4が作る角度θは0度になり、両ベクトルV3、V4の類似度は高くなっている。
上述したような一対のベクトルに対するユーグリッド距離及びcosθの値を、図6、7に示す検出した全スペクトルS11、S71・・・について算出する。なお、算出の仕方は周知の技術であるため詳細な説明は省略するが、ユーグリッド距離の算出に関する主な式を下記の数式(1)〜(3)として挙げる。
Figure 0004435299
Figure 0004435299
Figure 0004435299
なお、数式(1)で、nは分類するクラスタ数(スペクトルS11、S71・・・等の個数)が該当し、n個のスペクトルを分析する場合、Xi1、Xi2・・・Xipのようなp個の変数がある(初期値として、n個のクラスタを設定し、各クラスタに一つのスペクトルがあるとして算出を行う)。また、dijの2乗は対象となる一対のベクトルに係るユーグリッド距離を意味し、数式(2)、(3)でdab、dxa、dxbは各ペアとなるクラスタ間の距離を意味する(但し、xはa、bと等しくない)。また、αa、αb、β、γは所定の定数であり、これらの定数の値に応じて数式(2)又は(3)を選択することになる。なお、αa、αb、β、γに対する値は周知の表にまとめられており、この表のデータは本実施形態では図1に示す基準データ22に含まれているため、CPU12は基準データ22を参照して数式を選択し、算出処理を行う。
プログラム20は、上述した算出結果を利用して図8に示すデンドログラムをCPU12が作成することを規定しており、また、作成したデンドログラムに対して距離Bをスレッショルド(閾値)として分類する。図8では波数A1、A2、A3等の種類に分類されている。なお、閾値である距離Bは規定値を用いる以外に、ユーザが設定した値を用いることも勿論可能である。
さらに、プログラム20は、上述したように分類した結果に基づき、図10に示すような分類ごとの数を表したヒストグラム30(分布図)をCPU12に作成させることを規定しており、具体的には、同等の波数ごとに分類されたスペクトルの数を計数し(波数A1は3個、波数A2は3個、波数A3は2個)、その結果をヒストグラム化してモニタ19に表示させる。よって、オペレータはモニタ19に表示されたヒストグラム30を見ると、試料10の中に含まれるカーボンナノチューブが特性ごとに、どの程度含まれるかを一目で確認できるようになる。特に、分類基準である波数はカーボンナノチューブの直径に関連した数値であるため、ヒストグラム30は試料10に含まれるカーボンナノチューブに対して直径ごとにカーボンナノチューブの数を表したものとして見ることもできる。
さらにまた、本実施形態のプログラム20は、オペレータからの表示形式の切替指示を受けると、図11に示すような画像31を作図してモニタ19に表示させることを規定している。図11の画像31は全体的に、図4に示すレーザ光Rを照射する範囲(測定範囲M)及び図5の概念的な測定結果に相当するものであり、全体的な範囲中の各照射箇所に位置するスペクトルの分類結果を分類ごとに相異する形態で表したものである。
即ち、画像31において、(x、y)=(1、1)(5、2)(1、3)のブロックは右上がりの斜めハッチングで表されており、これらのブロック(位置)には、同等の特性(同等の直径)を有するカーボンナノチューブが存在することが一目で分かる。同様に、(x、y)=(3、2)(6、4)(2、5)の各ブロックは右下がりの斜めハッチングで表されているため、これらのブロックにも共通の特性を有するカーボンナノチューブが存在することが容易に分かる。なお、(x、y)=(2、1)(3、1)のように特別な表示が行われていないブロックは、カーボンナノチューブが存在しない箇所を示す。また図11では図示していないが、表示形態(ハッチングの種類)が何を表すかを示す注釈(例えば、右上がりの斜めハッチングは波数がA1であり、右下がりの斜めハッチングは波数がA2であること等)を付すことが、画像31の理解を助ける点で好適である。
さらに、本実施形態のプログラム20は、画像31において、カーボンナノチューブが存在するブロックがオペレータにより選択されると、その選択されたブロックに位置するカーボンナノチューブの直径及びカイラリティをCPU12に算出させて、算出結果をモニタ12に表示することを規定している。具体的には、周知の関数を用いて検出された波数から直径を求めると共に、その波数に対応するピーク部の値より図12に示す片浦プロットを用いて対象となるカーボンナノチューブのカイラリティ(m、nの値)を求めるようにしている。なお、本実施形態では、片浦プロットのデータは図1の基準データ22に含ませている。
図13のフローチャートは、上述したプログラム20に基づきカーボンナノチューブ分類装置1が行う処理内容(カーボンナノチューブ分類方法)の一連の流れを示したものである。このフローチャートに従って、カーボンナノチューブ分類装置1を用いたカーボンナノチューブ分類方法の処理手順を整理して説明する。
先ず、オペレータは試料台5に試料10をセットし(S1)、次に初期値等を設定してから(S2)、測定開始指示を出すことになる。カーボンナノチューブ分類装置1は、測定開始指示を受けると、最初の照射箇所に対してレーザ光源2を照射して測定を行う(S3)。それから、設定された全ての箇所を照射したか否かを判断し(S4)、全ての箇所を照射していない場合(S4:NO)、照射箇所を移動させて(S5)、照射及び測定の段階(S3)へ戻る。以降、全ての箇所を測定するまで上述した段階(S3〜S5)を繰り返してマッピング測定を行う。
また、カーボンナノチューブ分類装置1が全ての箇所を照射したと判断した場合(S4:YES)、カーボンナノチューブ分類装置1は測定されたスペクトルのピーク部に係る波数を検出し(S6)、統計的手法を用いて分類を行い(S7)、その分類した結果を表すヒストグラム(図10参照)を作成し(S8)、それを表示する。
以上のように本発明のカーボンナノチューブ分類装置1を用いると、多量のカーボンナノチューブを従来に比べて大幅に少ない時間で(約1万本を約30分で分類可能)自動分類できるため、カーボンナノチューブの研究開発に有用となる。なお、本発明のカーボンナノチューブ分類装置1は、上述した実施形態に限定されるものではなく種々の変形例の適用が可能である。
例えば、分類の仕方には周知の他の統計的手法(マンハッタン距離を利用するもの、主成分解析法を用いるもの)を適用することも可能であり、また分類した結果は、図10に示すように棒グラフ状のヒストグラムで表す以外に、他の形態のグラフ又は単に表の形態でモニタ19に表示するようにしてもよい。また、仕様を簡易化する場合は、図11に示すような画像31を表示するための処理、分類した各スペクトルの直径及びカイラリティを求める処理等を省略してもよい。
一方、分類した結果は、図10のように波数ごとに表す以外に、求めた直径ごと、カイラリティごとに分類した結果を示す内容(ヒストグラム、表、グラフ等)を作成して表示するようにしてもよい。また、カイラリティに関しては、別の処理方式で求めるようにしてもよい。
例えば、カーボンナノチューブ分類装置1のCPU12は、図14(a)(b)に示すように、測定されたスペクトルに対してアンチストークス側のRBM領域(例えば−300〜−120cm-1)と、ストークス側のRBM領域(例えば120〜300cm-1)を検出対象にして、両方の領域でピーク部を検出するようにしてもよい。この場合、周知の学術理論に基づいて両方の領域で対称にピーク部が存在するときと、ストークス側の領域でのみピーク部が存在するときとに分けて(アンチストークス側の領域で検出されるピーク部の有無に応じて)スペクトルに係るカーボンナノチューブのカイラリティをCPU12に判別させるようにプログラミングすることになる。
また、レーザ光Rを偏光して照射した場合、測定されたスペクトルに対し、図15(a)(b)に示すようにストークス側の領域における重複しない二領域であるRBM領域(例えば120〜300cm-1)とGバンドの領域(例えば1530〜1600cm-1)でピーク部を検出し、各領域での検出結果に応じてカイラリティを判別してもよい。この場合、周知の学術理論に基づいてGバンドで検出される複数のピーク部の形態(各ピーク部の強度比等)に基づいて、検出されたスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティ(金属の性質を有するか、又は半導体の性質を有するか)をCPU12判別させるようにプログラミングする。
さらに、偏光したレーザ光Rを照射してGバンド領域の検出を行う場合は、偏光の向きを図4、5に示すx方向及びy方向に可変できる構成にすると共に、各方向でのGバンド領域でのピーク強度を検出して、偏光の方向とピーク強度の関係から検出されたスペクトルに対応するカーボンナノチューブの長手方向の向きを判別することも可能である。例えば、RBM領域とGバンド領域の両領域でピーク部を検出できた場合で、x方向の偏光照射時よりもy方向の偏光照射時の方がより大きなピーク値が検出されるときは図5のy方向に沿ってカーボンナノチューブが位置し、y方向の偏光照射時よりもx方向の偏光照射時の方がより大きなピーク値が検出されるときは図5のx方向に沿ってカーボンナノチューブが位置することをCPU12に判別させるようにプログラミングしてもよい。なお、偏光の方向を可変にする構成としては、レーザ光源2と試料台5の間の光路中にコンピュータ11の制御により偏光の向きをx方向とy方向に変えることが可能な偏光レンズ、偏光プリズム等を配置すること、又は、レーザ光源Rの偏光をx方向又はy方向のいずれかに固定すると共に、試料台5の向きをx方向とy方向にコンピュータ11の制御により回転駆動できるようにすることが考えられる。
また、図16に示すように、装置の光源として波長がそれぞれ相異する第1レーザ光源2a、第2レーザ光源2b、及び第3レーザ光源2cを設けると共に、各レーザ光源2a〜2cの位置を切替可能にして、コンピュータ11の制御により図5に示す一つのブロック(一つの照射箇所)ごとに各レーザ光源2a〜2cでハーフミラー3へ順次照射を行うと共に、CPU12が一つのブロックにおいて相異する波長ごとに波数の検出を行うようにしてもよい。この場合、周知の学術理論に基づいて波長ごとに検出した波数から、スペクトルに係るカーボンナノチューブのカイラリティをCPU12が判別できるようにプログラミングする。
さらに、図17に示すように、分光器7で分光された結果を、RBM検出部80a及びPL(Photo Luminescence)スペクトル検出部80bを設けた検出器80でホトルミネッセンス顕微分光に係る測定も行う構成にしてもよい。RBM検出部80aはRBM領域でラマンスペクトルの測定を行い、PLスペクトル検出部80bは蛍光スペクトル領域でホトルミネッセンススペクトルの測定を行い、検出器80はそれぞれの測定結果をコンピュータ11へ送ることになる。また、コンピュータ11のCPU12は、両方の領域でスペクトルに係るピーク部を検出し、周知の学術理論に基づいて両方の領域でピーク部を検出したときは、そのスペクトルに係るカーボンナノチューブが半導体の性質を有するとCPU12に判別させ、RBM領域のみでピーク部を検出したときは金属の性質を有するとCPU12に判別させるようにプログラミングすることになる。
さらにまた、直径及びカイラリティ以外にも試料10に含まれるカーボンナノチューブのチューブ長さの比も特定できるように処理を追加してもよく、この処理は、図9(d)に示すように各ベクトルV3、V4が作る角度θが0度のときにのみ行うようにする。具体的には、周知の学術理論により角度θが0度、即ち各スペクトルが類似していると判断される場合は、ベクトルの長さの比(ピーク部の強度値の比)が、そのままチューブ長の比になることが分かっているため、類似するカーボンナノチューブのスペクトルに対してCPU12にピーク部の強度の値の比を検出させて、その検出結果の比を対象となるカーボンナノチューブのチューブ長さの比として特定させるようにプログラミングする。
また、測定したスペクトルを三次元的に把握できるように、図18に示すような測定範囲に応じた三次元的なスペクトル図32をカーボンナノチューブ分類装置1のコンピュータ11で作成するようにしてもよく、この場合、さらにデンドログラムで分類されたグループが含まれる箇所を三次元的なスペクトルに色分けしてもよい。このようなスペクトル図32を作成することで、場所に応じたカーボンナノチューブの分類結果を、立体的に把握可能となり好適である。なお、図18中、AS−RBM領域の「AS」はアンチストークス側を意味し、S−RBM領域の「S」はストークス側を意味する。
なお、試料としては、図19に示す複数のカーボンナノチューブを回路として分散配置した試料40(単層カーボンナノチューブを用いた集積回路)も対象にでき、このような試料40に含まれる単層カーボンナノチューブも本発明のカーボンナノチューブ分類装置1を用いることにより短時間で特性ごとに分類できる。このように分類することで、カーボンナノチューブを用いたIC等の製品に対する研究開発に貢献できる。特に、分類結果を図11に示す画像31で表示するときは、一目で回路を形成するカーボンナノチューブの特性が所定のものになっているかを回路上の位置と対応付けて判断できるため好適である。
本発明の実施形態に係るカーボンナノチューブ分類装置を示す概略図である。 カーボンナノチューブを含む試料の生成に対して用いるスピンコートを説明する概略図である。 (a)は生成された試料の厚み方向からの拡大断面図であり、(b)は生成された試料のイメージを示す概略平面図である。 試料台に載置された試料へのレーザ光の照射状況を示す概略図である。 照射箇所に対応付けて測定された結果のイメージを示す概略図である。 測定された全スペクトルを重ねた状態で示したグラフである。 測定された各スペクトルを並べた状態で示したグラフである。 求めたデンドログラムの一例を示す概略図である。 (a)は一対のスペクトルを示すグラフ、(b)はスペクトルのピーク部に応じたベクトルを示す図、(c)は別の一対のスペクトルを示すグラフ、(d)はスペクトルのピーク部に応じたベクトルを示す図である。 分類結果に基づき作成したヒストグラムを示すグラフである。 分類結果を照射箇所に対応付けて分類ごとに相異する形態で表した画像の概略図である。 片浦プロットを示すグラフである。 カーボンナノチューブ分類方法の一連の処理手順を示すフローチャートである。 (a)はストークス側でピーク部を有するスペクトルを示すグラフであり、(b)はアンチストークス側及びストークス側の両方でピーク部を有するスペクトルを示すグラフである。 (a)はRBM領域でピーク部を有するスペクトルを示すグラフであり、(b)はRBM領域及びGバンドでピーク部を有するスペクトルを示すグラフである。 相異する波長のレーザ光を照射可能な光源の構造を示す概略図である。 ラマンスペクトル及びホトルミネッセンススペクトルの測定検出が可能な検出器の構造を示す概略図である。 測定されたスペクトルを三次元的に表したスペクトル図を示す概略図である。 複数の単層カーボンナノチューブで回路が形成された集積回路の試料を示す概略図である。 バンドル状のカーボンナノチューブ集合体を示す概略図である。
符号の説明
1 カーボンナノチューブ分類装置
2 レーザ光源
3 ハーフミラー
4 対物レンズ
5 試料台
6 ノッチフィルタ
7 分光器
8 検出器
10 試料
11 コンピュータ
19 モニタ
R レーザ光

Claims (11)

  1. 基材上に複数のカーボンナノチューブを分散配置した試料へ光を照射する光源と、該光源の照射箇所を移動させる移動手段と、該移動手段が移動させた照射箇所で前記光源が光を照射することで生じた光を分光する分光器とを備え、分光されたスペクトルに応じてカーボンナノチューブを分類するカーボンナノチューブ分類装置であって、
    分光されたスペクトルに含まれるピーク部に係る波数を照射箇所ごとに検出する検出手段と、
    該検出手段が検出した波数に基づいて各スペクトルを分類する分類手段と
    を備えることを特徴とするカーボンナノチューブ分類装置。
  2. 前記分類手段は、同等の波数ごとにスペクトルを分類しており、
    前記分類手段が分類した波数ごとのスペクトルを計数する計数手段と、
    該計数手段が計数した数を分類ごとに表した分布図を作成する手段と
    を備える請求項1に記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  3. 前記分類手段は、波数の検出が行われた照射箇所に対応付けてスペクトルを分類しており、
    複数の照射箇所を表す図を作成する作図手段を備え、
    該作図手段は、前記分類手段が分類したスペクトルに応じた照射箇所を、分類ごとに相異した形態で表すようにしてある請求項1又は請求項2に記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  4. 前記検出手段は、分光されたスペクトルに対してアンチストークス側の領域及びストークス側の領域でピーク部を検出する手段を備え、
    アンチストークス側の領域で検出されるピーク部の有無に応じて検出対象のスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティを判別する手段を備える請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  5. 前記検出手段は、分光されたスペクトルに対してストークス側の重複しない二領域でピーク部を検出する手段を備え、
    二領域での検出結果に応じて検出対象のスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティを判別する手段を備える請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  6. 光源から照射される光を相異する方向に偏光させる手段と、
    前記検出手段で検出される相異する方向ごとのピーク部の強度に基づいてカーボンナノチューブの長手方向の向きを判別する手段と
    を備える請求項5に記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  7. 前記光源は、一つの照射箇所に対して相異する波長の光を照射するようにしてあり、
    前記検出手段は、一つの照射箇所で相異する波長の光が照射されるごとに波数を検出する手段を備え、
    一つの照射箇所で検出された各波数に応じて検出対象のスペクトルに対するカーボンナノチューブのカイラリティを判別する手段を備える請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  8. 前記検出手段は、
    分光されたスペクトルに対してラマンスペクトルに係る領域でピーク部を検出する手段と、
    分光されたスペクトルに対してホトルミネッセンススペクトルに係る領域でピーク部を検出する手段とを備え、
    ラマンスペクトルに係る領域及びホトルミネッセンススペクトルに係る領域に対する検出結果に応じて、検出したスペクトルに対するカーボンナノチューブを半導体又は金属として判別する手段を備える請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  9. 前記検出手段が検出した一つの波数に対して複数のスペクトルのピーク部がある場合、各ピーク部の値の比を検出する比検出手段と、
    該比検出手段が検出した比に基づいて、前記複数のスペクトルに対する各カーボンナノチューブの長さの比を特定する手段と
    を備える請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載のカーボンナノチューブ分類装置。
  10. 光源の照射箇所を移動させて分光器で分光を行う分光装置に対する制御を行って分光されたスペクトルを取得するコンピュータに複数のカーボンナノチューブに係るスペクトルを分類させるためのコンピュータプログラムであって、
    コンピュータを
    分光装置から取得したスペクトルに含まれるピーク部に係る波数を照射箇所ごとに検出する検出手段と、
    該検出手段が検出した波数に基づいて各スペクトルを分類する分類手段として機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  11. 光源の照射箇所を移動させて分光器で分光を行う分光装置を用いて複数のカーボンナノチューブを分類するカーボンナノチューブ分類方法であって、
    基材上に複数のカーボンナノチューブを分散配置した試料へ照射箇所を移動させて前記光源で光を照射し、
    前記光源が光を照射することで生じた光を分光器で分光し、
    分光されたスペクトルに含まれるピーク部に係る波数を照射箇所ごとに検出し、
    検出した波数に基づいて各スペクトルを分類することを特徴とするカーボンナノチューブ分類方法。
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