JP4434659B2 - 低温液体加熱方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アンモニア液、LPG、液体エチレンなど低温液体を、スチームで0℃以上に加熱するための低温液体加熱器に係り、特に、流量が100〜25%と広範囲に亘って変動してもこれを精度よく加熱できる低温液体加熱方法及びその装置に関するものである。
通常、例えばアンモニア液(−33℃)を、シェル&チューブ式の熱交換器で、スチームを用いて0℃以上に加熱しようとする場合、温水式加熱システムと中間熱媒体式加熱器で加熱する2つの方式が知られている。
(1)温水式加熱器システム
このシステムは、スチームを熱源とする場合、循環水にスチームを吹き込んで温水とし、この温水をシェル&チューブ式の熱交換器の外胴側に流し、低温液体を伝熱管内に流して、伝熱管の出口での低温液体の温度を制御するようにしている。
(2)中間熱媒体式加熱器
加熱源(スチーム、その他)から低温流体への熱伝達を中間に熱媒体を経由して行う方式である。すなわち、加熱源で中間熱媒体を蒸発させ、この蒸気で低温流体を凝縮加熱する。例えば、容器にアンモニア液をあるレベル迄溜めて、このアンモニア液中に加熱するスチームの伝熱管を設け、スチームでアンモニア液を蒸発させ、上部の気相に設けられている低温流体の伝熱管を凝縮加熱する間接加熱方式である。
特開平11−210992号公報
しかしながら、(1)のシステムの構成機器は、スチーム吹き込みによる一定温度の循環水の製造装置、温水循環ポンプ、加熱器等と制御計器となり、装置構成が複雑となる問題がある。また、一般に加熱器をシェル&チューブの形式で制作する場合、精度良く被加熱流体の温度を制御できる流量変動範囲は70〜100%程度であり、25〜100%の広範囲に流量が変化する場合には、熱交換器を3基に分割して流量の変化に応じて使用基数を選択して低温液体の温度制御を行わなければならない。従って、(1)のシステムでは、設置機器の数が多くなり制御点数が多くなると共に設置面積も広くなり、このため全体のコストも高くなる。
また(2)の加熱器では、広範囲の流量域で精度良く加熱温度を制御できるが、中間に熱媒体が介在しているので、伝熱のための温度差が蒸発側と加熱側(凝縮側)に二重に存在するため、一定流量で運転していれば支障がないものの、流量変動がある場合には、応答が遅いため安定する迄に時間がかかる。特に、スチームに比べて使用する熱媒体の熱伝達率は、蒸発と凝縮の熱伝達とも数分の1と劣るので、蒸発器、加熱器共に伝熱面積が非常に大きくなり、収容する容器も大型となる。しかもシェルは使用する熱媒体の性状から常温で高圧になる場合には、十分な耐圧設計とする必要があるため、コストが高くなる。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、流量範囲の広い低温液体を、スチームで加熱するにおいて、簡単な装置構成で、0℃以上に精度良く加熱できる低温液体加熱方法及びその装置を提供することにある。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、横型の外胴内に多数の伝熱管を、その外胴内の上方から下方にかけて折り返すように設けた熱交換器を用い、その上部伝熱管からアンモニア液等の低温液体を流し、外胴内にスチームを供給して下部の伝熱管から排出される低温液体を0℃以上に加熱するための低温液体加熱方法において、上部伝熱管の上流側の外胴内にスチームの凝縮水相とガス相とを形成し、その下流側の外胴内のガス相に窒素などの不活性ガスを供給して、上部伝熱管に沿ったガス相内にスチーム相と不活性ガス相とを形成し、伝熱管を流れる低温液体がスチーム相から不活性ガス相を通り凝縮水相を通って排出されるようになし、伝熱管出口の低温液体温度に応じてスチームの供給量を調整すると共に、凝縮水相の凝縮水面が一定となるように制御し、さらにスチーム相内の圧力を検出してガス相の圧力が一定となるように不活性ガスを供給して、スチーム相温度を制御し、これによりスチーム相と不活性ガス相の拡散境界面に対するスチーム相内のスチーム流速を制御して上部伝熱管がスチーム相に接する伝熱面積を制御するようにした低温液体加熱方法である。
請求項2の発明は、低温液体の供給量が100〜25%で調整され、凝縮水相中とガス相中の伝熱面積の比が1:3〜1:5に設定される請求項1記載の低温液体加熱方法である。
請求項3の発明は、外胴内のゲージ圧力が常にプラス圧力になるように不活性ガス相に供給する不活性ガスの供給量を調整する請求項記載の低温液体加熱方法である。
請求項4の発明は、横型の外胴内に多数の伝熱管を、その外胴内の上方から下方にかけて折り返すように設けた熱交換器を用い、その上部伝熱管からアンモニア液等の低温液体を流し、外胴内にスチームを供給して下部の伝熱管から排出される低温液体を0℃以上に加熱するための低温液体加熱装置において、外胴上部でかつ上部伝熱管の上流側に位置してスチームの供給ラインを接続し、低温液体の排出ラインに出口温度計を接続し、スチームの供給ラインに、出口温度計の出口温度でスチームの流量(圧力)を設定する流量調節計を接続すると共にその流量調節計で制御される流量調整弁を接続し、上記外胴に、凝縮水を排出して加熱流体の凝縮水面を制御する液面調節手段を設け、さらに外胴の上部でかつスチームの供給ラインの下流側に位置して不活性ガス供給ラインを接続し、上記外胴にスチーム相の圧力を検出する圧力調整計を接続し、上記不活性ガス供給ラインに圧力調整計で制御される不活性ガス注入弁を接続した低温液体加熱装置である。
以上要するに本発明によれば、低温液体をスチームなどの加熱流体で加熱するにおいて、外胴内にガス相と凝縮水の相とを形成し、さらにスチームを供給する位置のガス相の下流側に不活性ガスを供給することで、ガス相内をスチーム相と不活性ガス相に形成でき、スチーム相に供給するスチーム流速を制御することで、スチーム相での伝熱面積を自動的に変えて、低温液体の流量範囲が広くても、精度良い加熱が行える。
以下、本発明の好適な一実施形態を添付図面に基づいて詳述する。
図1において、10はシェルアンドチューブ式の熱交換器で、横型の外胴11
内に多数の伝熱管12が、その外胴11内の上方から下方にかけて折り返すように設けられて構成される。
この熱交換器10は、具体的には、外胴11の一方に管板13を介して胴蓋14が取り付けられ、その胴蓋14が、上下に3室のチャネル15,16、17に仕切られる。上部の入口チャネル15には、加熱すべきアンモニア液等の低温液体Waの供給ライン19が接続され、下部の出口チャネル17には、加熱後の低温液体の排出ライン20が接続される。
管板13には、入口チャネル15と中間チャネル16とを結んで横型のU字状の上部伝熱管12aが設けられ、中間チャネル16と出口チャネル17とを結んで同じくU字状の伝熱管12bが設けられ、低温液体の供給ライン19から入口チャネル15に流入した低温液体が上部伝熱管12aを通って中間チャネル16に流れ、さらに下部伝熱管12bを通って出口チャネル17に流れ、排出ライン20から排出されるようになっている。
外胴11の頂部には、その入口チャネル15から上部伝熱管12aの上流側に位置してスチームWsの供給ライン21が接続され、底部には、凝縮水28を排出する凝縮水排出ライン23が接続される。
凝縮水排出ライン23は、凝縮水槽24に接続される。凝縮水槽24には、ガス排気ライン25と液排出ライン26が接続される。
加熱流体Wsの供給ライン21より下流側に位置した外胴11の頂部には、外胴11内のガス相Gに窒素などの不活性ガスWnを供給する不活性ガスライン27が接続される。
このように、加熱流体Wsの供給ライン21が、入口チャネル15から上部伝熱管12aの上流側に位置するよう、また、下流側に不活性ガスWnを供給する不活性ガスライン27が下流側に位置するように外胴11の頂部に接続することで、後で詳述するが往路側上部伝熱管12aの下部より上方の外胴11内にガス相Gが形成され、さらに往路側上部伝熱管12aの上流側にスチーム相Sが形成され、下流側に不活性ガス相Nが形成され、低温熱流体Waの流量に対応して供給ライン21からのスチーム流量と不活性ガスライン27からの不活性ガス量を調整することで、そのスチーム相Sと不活性ガス相Nとの拡散境界面Bを自在に変えることが可能となり、スチーム相Sでの加熱量を精度良く制御することが可能となる。
次に制御系を説明する。
低温液体Waの供給ライン19には、低温液体の流量調節計(Fic−1)30と流量調節弁(Fcv−1)31とが接続され、流量調節計30で設定された流量(100〜25%)になるように流量調節弁31が制御される。
低温液体Waの排出ライン20には、低温液体の出口温度計32が接続され、加熱流体Wsの供給ライン21には、加熱流体の流量(圧力)を設定する流量調節計(Fic−2)33と流量調節弁(Fiv−2)34とが接続される。出口温度計(Tic−1)32の検出値(低温液体の出口温度)は流量調節計33に入力され、その検出値に基づいて、流量調節計33が加熱流体の流量値(一次圧力Ps2)を設定し、その設定した流量値となるように流量調節弁34を調節する。
外胴11には、ガス相Gの圧力Ps2を検出する圧力調節計(Pic−1)35が接続され、不活性ガスWnの供給ライン27には不活性ガス注入弁(Pcv−1)36が接続され、圧力調節計35で検出された圧力値に基づいて、所定の最低運転圧力より低くなる時は、不活性ガス注入弁36の開度を調整し、ガス相G内の圧力Ps2(=ガス相温度Ts)を制御するようになっている。
外胴11には、外胴11内の凝縮水28の液面Lを検出する液面調節計(Lic−1)37が設けられ、凝縮水排出ライン23には、液面調節弁(Lcv−1)38が接続されて液面調節手段が構成され、液面計37の検出値に応じて液面Lが一定となるように液面調節弁38の開度が制御される。
以上において、先ずアンモニア液(−33℃)等の低温液体Waが供給ライン19より、入口チャネル15に供給され、上部伝熱管12aを通して、中間チャネル16、下部伝熱管12bを通し、出口チャネル17から排出ライン20に排出される。
この際、低温液体Waの供給量(100〜25%)が流量調節計(Fic−1)30で設定され、設定流量となるように流量調整弁31の開度が調整される。
外胴11の上部伝熱管12aの往路側上流には、供給ライン21よりスチームWsが供給されると共に往路側下流には供給ライン27より不活性ガスWnが供給される。
この際、スチームWsの供給量を調整することにより、ガス相Gにスチーム相Sと不活性ガス相Nが形成され、不活性ガスが往路側伝熱管12aを覆ったり或いは裸管にしたりして、スチーム相Sでのスチームによる伝熱面積を縮小・拡大するので、一定の伝熱管12aの露出(液面一定)面積でもスチ−ムWsで直接加熱する場合よりも、巾広い流量域(伝熱量範囲)で、且つガス相Gの圧力をプラス圧力で、温度の制御が可能となる。
低温流体Waによる伝熱管12a表面でのスチームの凝縮水による氷結を防止するために、低温流体Waの殆どの加熱を高温のスチームの凝縮熱で行なう。このようにして伝熱管外表面を0℃以上にして凝縮水を氷結させないようにしたものである。従って、低温流体Waは熱交換器10の上部のガス相Gから伝熱管12aに流入し下部伝熱管12bに流下する構造である(一般の熱交換器の流し方と逆となる)。
低温流体Waをガス相Gで加熱して凝縮した水は外胴11内に凝縮水28として溜めるようにし、この凝縮水28でも低温流体Waを加熱できるように伝熱管12bを凝縮水中に水没した構造となっている。
凝縮水28の液面位置を適切にすることにより、スチ−ムWsが流れるガス相の断面積(伝熱管に垂直な断面)を狭めてスチームの断面を流れる流速を適切な速度以上にし、不活性ガスのスチーム相Sへの拡散と伝熱管12a上への拡散を防止する。
このようにすることにより、スチーム相Sでは、伝熱管12aにスチームWsが直接接触するので、高い伝熱量となり伝熱面積を小さくでき、また、負荷に対応して不活性ガスにより伝熱面が自動的に縮小・拡大するので、限られたスチーム温度(圧力)範囲のスチ−ム条件に対して巾広い安定した伝熱量の制御が可能となる。
又、拡散境界面Bに対するスチームWsの速度を適切な速さ以上にすると、境界面Bを垂直に近く形成できるので、不活性ガスが伝熱管12上を過度に覆うことが無いために伝熱管を有効に使用でき、伝熱面積を少なくすることができる。
熱交の各負荷に対する拡散境界面Bの位置と形状を効果的に制御し熱交換が出来る構造の加熱器である。
効果的な拡散境界面Bの位置は100%負荷の時に往路側上部伝熱管12aを殆ど覆わなくなる位置であり、これは許容スチーム圧力に対して初期不活性ガス充填量を適切にすることにより決る。
拡散境界面Bの形は垂直に近くして伝熱管12a上を不活性ガスが無駄に覆わなくすることが必要である。境界面の形は同圧下ではスチ−ムが境界面に衝突する時の速度が早い程垂直に近づくので、100%負荷時の伝熱管の末端(折り返し部)での凝縮量(伝熱量)と、伝熱管に垂直な気相の断面積の比を適切な値以上にしてスチーム速度を確保することが必要である。このために熱交換器の構造と凝縮水面の位置が適切になるように設計する。
伝熱管12内の低負荷に対応して管内流速が低下するために管内の伝熱境膜係数も減少する。拡散界面に近い先端の伝熱管の単位長さ当りの伝熱量から必要なスチーム量を算出し、この部分の伝熱管に垂直な気相断面積からスチームの流速を求めて拡散境界面の形状を確認し、出来る限り100%流量と同様に垂直に近い形状にするスチーム速度になるような気相断面積の構造にする。
このようにすると、拡散境界面が負荷に対応して伝熱管上を垂直に近い形状で移動するので、直接スチームに接触する伝熱管の有効長さが自動的に素早く形成されて加熱温度を精度良く制御することになる。
加熱スチームの使用可能圧力を有効に使用(高圧使用)するためには、不活性ガスがスチームで圧縮されてもスチームの使用圧力以上にならないようにしなければスチームの必要量が流入しない。このためには常温の起動前に充填した不活性ガスが、100%流量時に不活性ガスが占める体積に収縮しても、その圧力がスチームの最高使用圧力以下になるような体積の構造を持つ加熱器(熱交換器)である。不活性ガスが過度に充填された場合は、安全弁39(或いは圧力逃がし弁)で外部に排気される。
気相部は加熱量の約90〜95%の熱伝達を行い、残りの熱量は凝縮水から熱伝達される。
加熱量の殆どを伝熱する気相部の体積は比較的小さいので、調節弁(スチーム、液面、流体、流量等)の変動により圧力(凝縮温度)が変動し易いこと、及び気相の熱容量も小さいために圧力(温度)が変化し易く流体への熱伝達が安定しない。気相の温度変化を緩和するために熱交換器の下部に熱容量の大きい凝縮水を溜めて、気相での加熱温度が標準値より降下した場合は加熱し、高くなった場合は冷却して流体の温度変化を緩和する働きをする。
熱交換器の下部に瑠まった凝縮水は液面制御弁(LCV−1)38により、設定された液面になるように調節されて熱交換器外に排出される。
熱交換器に溜まる凝縮水の液面は液面調節弁(LCV−1)38の設定値を変えることにより、気相と液相の伝熱面積の比を必要に応じて変えることができる。但し、不活性ガスの拡散が少なくするスチーム速度範囲内で気相断面積を変えることができる。これにより低温流体の出口温度の制御性の改善、或はスチームの消費量を減少させる等の調整が可能となる。
温度計の感知遅れによるスチ−ム流量調節弁(FCV−2)34の振れ、或は液面調節弁(LCV−1)38の関度の振動等により熱交換器の出口温度の制御値が、流量100%に較べて25%の場合に大きく変動する場合がある。
低温のアンモニア液(−33℃)を加熱する場合、凝縮水中の伝熱面積と気相中の伝熱面積の比を1:3〜5程度にすると、流量25〜100%の流量範囲でも出口温度を精度よく制御することが可能である。
熱交換器の気相部(シェル側スチーム相)に不活性ガス(窒素ガス等)が注入できるように不活性ガス供給ラインが設置されている。ラインにより熱交換器の気相圧力がプラス圧力になるように不活性ガスを供給する。液面の設定と不活性ガスの共存により、低温流体の流量変動に対して巾広く柔軟に対応することができる。
加熱源のスチーム圧力が0.6MPaの場合、気相のプラスゲージのスチーム圧力(温度)変化だけで加熱できる低温流体の流量範囲は、大体100%から65%程度と推算される。更に低流量領域の加熱を行うためには、スチ−ムの凝縮温度を下げて伝熱温度差を小さくして伝熱量を減少させなければならないが、このためにガス相Gが負圧となり、凝縮水が排出できなくなる。これを防止するために凝縮温度が低下しても、気相のゲージ圧力が負にならないようにするために不活性ガス(窒素ガス等)をスチーム中に入れる。
気相全体はスチームの混合した不活性ガスのためにプラスのゲージ圧力となる。
スチーム量は加熱に必要な量に流量調節弁(FCV−2)34で制御することにより、伝熱量に合致した凝縮温度(分圧)に自動的に自己バランスする。
不活性ガスは凝縮水に微量溶解するために徐々に失われて気相圧力が低下するので、圧力下限値に達したら不活性ガスを気相に供給しなければならない。このために不活性ガス注入装置が設置されている。
気相をプラスのゲージ圧力にすることにより液面調節弁(LCV−1)38の作動が安定し、スチ−ムの流量調節弁(FCV−2)34も円滑に作動するために、装置全体が安定して運転できる。
気相部の伝熱管が複数のパスと複数の段数で構成されている場合、液面位置によってはパスごとにスチーム相への接触の状態が異なるために加熱された温度も異なる。このためにスチーム相を通過した伝熱管内の流体は熱交換器の中間で集めてほぼ均一な温度とし、その後凝縮水中での加熱を均一に行ない、最終出口での混合による温度のバラッキを少なくしている。
気相部の圧力を不活性ガスでプラス圧力に保つために、運転中及び停止中にバキュームになって空気及び水を吸込むことが無く、酸素の供給が無いために腐食防止に有効となる。
以下にアンモニア液(−33℃)を1℃にするシェル&チューブ型の熱交換器において、不活性ガスとして窒素ガス(N2 ガス)を使用し、スチ−ムを凝縮させた場合の実施例について説明する。この場合、管内をアンモニア液、シェル側をスチ−ムを流す。
A.N2 ガスの熱交換器内の挙動
(1)伝熱管の長手方向に流れるスチームと封入N2 ガスの境界面の状態の推察
熱交換器内のN2 ガスの挙動について、N2 ガスの拡散境界モデルにより伝熱管を被覆する拡散境界厚みの計算法を使用して推算する。
1)拡散境界モデル
図2は、拡散境界厚みを説明するN2 ガスの拡散境界モデルを示したものである。
図2は、図1とは、スチーム相SとN2 ガス相Nの向きは逆であるが、供給ライン21から入口スチーム流速Uvin でスチーム相Sに供給されるスチーム流速Uv に逆らってN2 ガスが分子拡散する簡易モデルとして計算する。このモデルは不活性ガスを封入したヒートパイプ等で一般に使用されているものである。
今、N2 ガス相Nとスチーム相Sのガス拡散面Bの座標原点をXO とし、N2 ガスに対してスチームの比重が軽いため、図示のようにN2 ガス質量分布Dが生じ、そのN2 ガス拡散流をWg、座標原点をXO におけるN2 ガス拡散流の微小N2 ガス質量分率Wg0 =1、拡散境界厚みをldif とし、伝熱管中スチーム相Sに位置した伝熱管の凝縮管全長をldef としたときの物質収支を以下に説明する。
2)モデルをベースにした推算式
スチームとN2 ガスの界面でのN2 ガスの物質収支は次式で示される。
(−Uvin/(ldeft×Ddif))×x2 /2=ln(wg)
v =Uvin×x/ldeft x点でのスチーム流速 m/s
x :座標 m
vin:入口スチ−ム流速 m/s
wg :N2 ガス質量分率 --
dif:拡散係数 m2/s
deft:凝縮管実長 m
wg=exp((−Uvin/ldeft ×Ddif )×x2/2)
x=((2×(−Ddif ×ldeft/Uvin)×ln(wg))1/2
2質量分率がほぼ零となる拡散境界厚み
dif=sqrt(2×(−Ddif×ldeft/Uvin)×ln(wg0))
拡散係数の温度、圧力依存性
dif=Ddif0×((Tg+273.15)/273.15)1.75/(P/101325)
dif0 :基準拡散係数 m2/s
Tg :温度 ℃
P :圧力 Pa
wg0 :微小N2 ガス質量分率 --
dif :拡散境界厚み m
dact=ldeft−ldif :凝縮管実効長 m
3)拡散境界厚み計算
熱交換器について拡散境界面長をスチーム圧力と流速別に求め、伝熱管の有効長さと利用率を算出する。(利用率=有効長さ/実長)
熱交換器の下部には凝縮水を溜めて液面を作り、スチームは伝熱管上部のバッフルプレート切り欠き部分を流れる場合について計算する。
実機熱交換器の仕様を下記に示す。
形式 シェル&チューブ
胴内径 m 0.5
胴長さ m 5.25
水位 m 0.35
伝熱管外径 m 0.045
伝熱管内径 m 0.038
(a)アンモニア液流量25%の場合
アンモニア液流量 25% kg/h 3,125
スチーム圧力 Pa 157,000
vin :入口スチーム流速 m/s 0.1 0.5 1 1.5
v :拡散境界面付近速度m/s 0.020 0.100 0.200 0.300
dif :拡散境界厚み m 1.10 0.49 0.35 0.28
dact=ldeft−ldif: m 3.90 4.51 4.65 4.72
伝熱管利用率 % 78.0 90.2 93.1 94.3
deft : 伝熱管実長 m 5 5 5 5
dif0 :基準拡散係数 m2/s 0.000022 0.000022 0.000022 0.000022
Tg:温度 ℃ 34.35 34.35 34.35 34.35
P :圧力 Pa 157000 157000 157000 157000
dif:拡散係数 m2/s 1.75E-05 1.75E-05 1.75E-05 1.75E-05
g0:微小N2ガス質量分率 -- 1.0E-300 1.0E-300 1.0E-300 1.0E-300
(b)アンモニア液流量100%の場合
アンモニアァ液流量100% kg/h 12,500
スチーム圧力 Pa 299,000
vin:入口スチーム流速 m/s 0.1 0.5 1 1.5
v:拡散境界面付近速度 m/s 0.020 0.100 0.200 0.300
dif:拡散境界厚み m 0.87 0.39 0.27 0.22
dact=ldeft−ldif: m 4.13 4.61 4.73 4.78
伝熱管利用率 % 82.6 92.2 94.5 95.5
deft:伝熱管実長 m 5 5 5 5
dif0 :基準拡散係数 m2/s 0.000022 0.000022 0.000022 0.000022
Tg:温度 ℃ 66.9 66.9 66.9 66.9
P :圧力 Pa 299000 299000 299000 299000
dif:拡散係数 m2/s 1.09E-05 1.09E-05 1.09E-05 1.09E-05
g0:微小N2ガス質量分率 -- 1.0E-300 1.0E-300 1.0E-300 1.0E-300
4)伝熱管の有効長の選定
10%流量で伝熱管を約95%以上の効率で伝熱を利用するためには、上記の計算に示したように、熱交換器入口のスチームの流速(Uvin )を1m以上(Uv>1m)にすることが必要である。
(2)伝熱管に垂直な断面のN2 ガスの境界面
図3は、熱交換器の断面図であり、凝縮水相28Pの制御液面28L上に、N2 ガス相Nが形成され、その上部にスチーム相Sが形成され、スチーム相Sのスチームは往路側の伝熱管12aに対して図示の矢印のように流れて凝縮し、凝縮水相28Pに溜まる。
従って、伝熱管12aの底部より下のガス相Gでは凝縮によるスチームの流れはないので、N2 ガス拡散境界面の水平位置はほぼ伝熱管12aの底部となる。
(3)N2 ガス相内の状態
伝熱管12aの底部より下のガス相ではスチ−ムの凝縮による流れはないので、伝熱管12a上で凝縮した液の温度に平衡な蒸気圧のスチームと圧縮されたN2 ガスが混在している。
拡散境界面以後のN2 ガス相Nは下部で凝縮水面と接しているので、凝縮水温度に平衡した飽和蒸気圧力でスチ−ムが気化する。N2 ガス相Nには伝熱管12aの一部が入ってN2 ガス相を冷却するが、この伝熱量は不活性ガス中の伝熱のために伝熱境膜係数が非常に小さくなるので、N2 ガス中のスチームの冷却凝縮が少なく、余りスチーム量は減少しない。従って、N2 ガス中のスチームは凝縮水の飽和圧力に近い圧力(分圧)で混在している。
(4)N2 ガス充填量
2 ガスの初期充填量は、所定の気相体積に対してアンモニア液の低流量(25%)でもプラス圧にし、最高流量(100%)ではN2 ガスがスチームで圧縮されてもスチーム供給圧力よりも低い圧力で伝熱が可能な量とする。
上記のN2 ガス組成をベースにして、垂直と水平の拡散境界面の位置からN2 ガスの体積を求め、N2 ガスの許容充填圧力を決める。
2 ガス初期充填圧力;
rc=(Vn +Vs )/Vn ×Pi× Tr/Ti <Ps
rc:運転圧力
i :初期N2 充填圧力
s :スチーム相体積
n :N2 ガス相体積
r :N2 ガス運転温度
i :N2 ガス充填時温度
s :スチ−ム利用可能圧力
B.スチ−ム凝縮圧力と熱交換器:
(1)N2 ガスの存在下におけるアンモニア加熱用の熱交換器の実施例の仕様を表1に示す。
2ガスの存在下での低温のアンモニア液の流量別のN2 ガス圧力、スチ−ム圧力加熱器入口スチーム速度(Uvin )、スチーム凝縮管長(ldact)、気相全体積(Vt )、負荷別N2 ガス体積(Vr )等の計算値及び期待値と運転結果値を比較する。
表1
実施例の熱交換器仕様
アンモニア負荷率 % 100 25
アンモニア液流量 kg/h 12,1500 3,125
入口温度 ℃ −32 −32
出口温度 ℃ 1 1
不活性ガス注入圧力(常温) MPa 0.11 0.11
スチーム圧 MPa 0.299 0.157
飽和温度 ℃ 133.4 112.7
総伝熱面積 m2 5.65 5.65
気相部伝熱面積(伝熱管1段)m2 1.41 1.41
凝縮水部伝熱面積(3段水没)m2 4.24 4.24
伝熱管寸法内径 m 0.038 0.038
外径 m 0.045 0.045
パス数 2 2
段数 4 4
胴内径 m 0.5 0.5
胴長さ m 5.25 5.25
水位 70% m 0.35 0.35
スチーム凝縮部管長 ldact m/1本 3.43 2.02
スチーム凝縮部管面積 m2 0.97 0.57
全気相体積 Vt3 0.22 0.22
負荷別N2ガス収縮体積Vr3 0.150 0.179
スチーム流路断面積 m2 0.045 0.045
運転時N2 ガス計算圧力 Prc MPaG 0.301 0.181
スチームの加熱器入口速度Uvin m/s 2.340 1.260
拡散境界厚み m 0.139 0.185
実運転気相運転圧力 Pr MPaG 0.299 0.157
凝縮水相加熱量分担率 % 11.5 8.4
アンモニア液の出口温度 ℃ ±0.01 ±0.15
アンモニア液出口温度制御目標値℃ ±1 ±1
(2)実機の特徴
上記実施例での気相部伝熱の利用率は100%流量で68.6%となり、31.4%の余裕がある。
t 、Vr 及びPi から計算されたPrcと実際の運転圧力Pr は100%運転では略一致するが、25%運転では少し差がある。これは100%運転を長時間した後の記録のために、N2 ガスが凝縮水に溶解して気相から失われたために実機の運転ではPr <Prcになったものである。
結果はアンモニア液の制御温度は目標値をクリアーし、精度良く制御することが出来た。
(3)実施形態のシステムの説明
図3の熱交換器システムフローシートに基づいて熱交換器の運転と機能について説明する。
1)起動準備
凝縮水槽24に水(水道水)を所定液面迄溜める。
熱交換器10が所定の液面になるように液面調節計(LiC−1)37の設定値(70%)をセットする。
熱交換器10に所定液面(約70%)迄水を溜める。
ガス相Gに圧力調節計(Pic−1)35と不活性ガス注入弁(PCV−1)36により所定の圧力(0.1MPaG)迄N2 ガス(Wn)をいれる。入れ方は自動或は手動でもよい。
アンモニア液の加熱制御温度(1℃)に出口温度計(TiC−1)32の制御値をセットする。
2)運転
アンモニア液は流量調節計(Fic−1)30と流量調節弁(FCV−1)31により流量を制御されて、熱交換器10の上部(ガス相G)に設置されている伝熱管12aの上部入口から流入する。
アンモニア液を流量調節計30と流量調節弁31により所定流量になるまで徐々に流量を増やす。
この時、通常は出口温度計32の温度は外気温度などのために、加熱制御温度(1℃)よりも高くなっているのでスチームの流量調節弁(FCV−2)34は閉じている。
熱交換器10からアンモニア液が流出しはじめると徐々に温度が低下し、制御温度以下になると流量調節弁(FCV−2)34が開き熱交換器10のガス相Gにスチームを供給して、温度を所定の温度(1℃)にするように制御する。
ガス相Gの伝熱管12aに流入したアンモニア液Waは、スチームで加熱される。ガス相G(スチーム)での加熱量はクールダウン後の定常状態では約85%〜95%となる。加熱により凝縮したスチームは下部に溜まっている水面に落下して比重差のために層状に蓄積する。
ガス相Gで加熱されたアンモニア液Waは、熱交換器下部の貯蔵水(凝縮水28)中に設置されている伝熱管12bに流入し、凝縮水28により加熱される。凝縮水28はガス相G中のスチ−ムの圧力(分圧)と平衡した温度で凝縮するので水面は高い温度(約30〜l00℃)状態にある。一方、ガス相Gからのアンモニア液は0℃以下であり、凝縮水28は熱伝達に充分な温度となっている。
凝縮水28中の伝熱管12bは液面から下方に向って配列されているので、伝熱管12b中のアンモニア液は液面から下方に流れて凝縮水28を冷却する。従って、凝縮水28の温度は表面から下方に向って低くなり、安定した温度勾配の層流となるので安定した伝熱となる。
起動時は、出口温度計32に到達する迄に、アンモニア液は熱交換器10の貯蔵水をク−ルダウンしながら流出するので、クールダウン完了後に制御温度に収斂する。
ガス相Gに流入したスチ−ムは不活性ガスと混合して伝熱量に必要な温度(分圧)でバランスする。不活性ガスがプラスのゲージ圧力となっているのでガス相Gの圧力はマイナスのゲージ圧力とならない。
このために流量が少ない場合でも100%の流量に比較して、表1からも明かなように流量調節弁34の差圧は大きくならないので、広範囲の流量領域で安定した弁の開度が得られる。
スチ−ム相の伝熱係数は大きく、スチーム条件(圧力、温度)が変ると伝熱量も大きく変るために加熱温度が変動する。熱交換器10のガス相Gの体積は通常非常に小さいので、制御系その他の変化でスチーム量が小変動しても圧力変化を緩和できない。このガス相Gの温度変化を緩和するために設けられたのが熱交換器10の下部の凝縮水溜である。凝縮水は単位体積当りの熱容量が大きいのでスチームに比較して大きな熱を保存できる。この特性を利用してガス相Gで加熱されたアンモニア液温度の微小変動を少量の凝縮水で吸収させる。短時間のアンモニア液の温度変化では凝縮水の温度はほとんど変らないので、伝熱の温度差がアンモニア液の入口温度の変化だけ対応して変化するので、緩和のための温度差が素早くできるために加熱或は冷却を効果的に行なえる。
この場合、ガス相Gの伝熱面と凝縮水中の伝熱面の比を1:3〜5程度にすると、広範囲の流量域でアンモニア液を安定した温度に加熱できる。
入口チャネル15からのアンモニア液は上段の伝熱管12aを通過した後、一旦中間チャネル16に集められ、各伝熱管12aのアンバランスな加熱温度を混合により平準化して次の伝熱管12bに送られる。これにより次の伝熱管12bでの加熱のばらつきを少なくして精度のよい出口温度を得る。
アンモニア液の熱交換器出口温度は出口温度計32で検知し、制御温度から乖離する場合はスチ−ム量を適正な流量に制御するために、流量調節計33にフィードバックして流量調節弁34を制御することにより適性な温度を得る。
凝縮水28は液面調節計37により液面を検知して一定設定液面(通常50〜80%)になるように液面調節弁(LCV−1)38を制御する。
液面調節計37の設定値を可変にすることにより、必要に応じてガス相Gの伝熱面と凝縮水28中の伝熱面の比を選定できるようにする。
ガス相Gのイナーガスは少しずつ凝縮水28中に溶解して凝縮水28と共に失われてガス相Gの圧力が低下するので、圧力調節計35でガス相圧力を検知し圧力が下限値迄低下(通常約0.1MPa)した時、不活性ガス注入弁36で所定の圧力(約0.2MPa)まで不活性ガス(窒素ガス等)を自動或は手動で補給する。
凝縮水は凝縮水槽Tに排出されて一旦貯蔵されてから廃棄される。
本発明の一実施の形態を示す図である。 本発明において、N2 ガスの拡散境界モデルを説明する図である。 図1における熱交換器の断面図である。
符号の説明
10 熱交換器
11 外胴
12 伝熱管
12a 上部伝熱管
12b 下部伝熱管
28 凝縮水
G ガス相
N 不活性ガス相
S スチーム相
Wa 低温液体
Ws 加熱流体

Claims (4)

  1. 横型の外胴内に多数の伝熱管を、その外胴内の上方から下方にかけて折り返すように設けた熱交換器を用い、その上部伝熱管からアンモニア液等の低温液体を流し、外胴内にスチームを供給して下部の伝熱管から排出される低温液体を0℃以上に加熱するための低温液体加熱方法において、上部伝熱管の上流側の外胴内にスチームの凝縮水相とガス相とを形成し、その下流側の外胴内のガス相に窒素などの不活性ガスを供給して、上部伝熱管に沿ったガス相内にスチーム相と不活性ガス相とを形成し、伝熱管を流れる低温液体がスチーム相から不活性ガス相を通り凝縮水相を通って排出されるようになし、伝熱管出口の低温液体温度に応じてスチームの供給量を調整すると共に、凝縮水相の凝縮水面が一定となるように制御し、さらにスチーム相内の圧力を検出してガス相の圧力が一定となるように不活性ガスを供給して、スチーム相温度を制御し、これによりスチーム相と不活性ガス相の拡散境界面に対するスチーム相内のスチーム流速を制御して上部伝熱管がスチーム相に接する伝熱面積を制御することを特徴とする低温液体加熱方法。
  2. 低温液体の供給量が100〜25%で調整され、凝縮水相中とガス相中の伝熱面積の比が1:3〜1:5に設定される請求項1記載の低温液体加熱方法。
  3. 外胴内のゲージ圧力が常にプラス圧力になるように不活性ガス相に供給する不活性ガスの供給量を調整する請求項記載の低温液体加熱方法。
  4. 横型の外胴内に多数の伝熱管を、その外胴内の上方から下方にかけて折り返すように設けた熱交換器を用い、その上部伝熱管からアンモニア液等の低温液体を流し、外胴内にスチームを供給して下部の伝熱管から排出される低温液体を0℃以上に加熱するための低温液体加熱装置において、外胴上部でかつ上部伝熱管の上流側に位置してスチームの供給ラインを接続し、低温液体の排出ラインに出口温度計を接続し、スチームの供給ラインに、出口温度計の出口温度でスチームの流量(圧力)を設定する流量調節計を接続すると共にその流量調節計で制御される流量調整弁を接続し、上記外胴に、凝縮水を排出して加熱流体の凝縮水面を制御する液面調節手段を設け、さらに外胴の上部でかつスチームの供給ラインの下流側に位置して不活性ガス供給ラインを接続し、上記外胴にスチーム相の圧力を検出する圧力調整計を接続し、上記不活性ガス供給ラインに圧力調整計で制御される不活性ガス注入弁を接続したことを特徴とする低温液体加熱装置。
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