JP4433258B2 - ヒトc−ペプチド測定法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はヒトC-ペプチドの測定方法およびヒトC-ペプチド測定用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒトC-ペプチドは31個のアミノ酸からなるペプチドであり、インスリン前駆物質であるプロインスリンの構成成分である。詳しくは、C-ペプチドはプロインスリンがエンドペプチダーゼにより切断されインスリンが血中へ放出される際に、分解産物として同時に放出されるポリペプチドである。ヒトプロインスリンとヒトC-ペプチドの一次構造を配列表1と2に示す。
ヒトプロインスリンは、86アミノ酸からなるポリペプチドで、主として1〜30番目のインスリンB鎖、33〜63番目のC-ペプチド、66〜86番目のインスリンA鎖で構成され、C-ペプチドとインスリンは31、32番目のArg、64番目Lys、65番目Argを経てそれぞれ結合している。前述したように、C-ペプチドはプロインスリンがプロセッシングを受けてインスリンが放出されると同時に血中に放出される。従って、C-ペプチドはインスリンの分泌動態の指標としての役割を果たし、血中C-ペプチドの動態は糖尿病患者等の内因性インスリンの分泌能を調べるために重要な指標となり得るものである。実際、C-ペプチドの測定は糖尿病の診断または治療に利用されており、更にはインスリノーマ、インスリン自己免疫症候群などの診断にも有用である。
【0003】
通常、C-ペプチドとプロインスリンの比は、健常者で1:0.6〜1.3、肥満者で1:0.3〜0.5、ランゲルハンス氏島腺腫患者で1:5程度であって、更に病態や食事によって変動し、C-ペプチド過剰状態とプロインスリン過剰状態が存在し得ることが報告されている(P.N.A.S., 67,148-155,1970)。一般に、交叉反応性物質の量が少量の場合にはたとえ測定系の交叉反応性が高くても大きな問題とならないこともあるが、交叉反応性物質(C-ペプチドの場合はプロインスリン)の存在量が多く、また両者の存在比が大きく変動する場合には、測定値の病態や健康状態の指標としての信頼性に問題が生じていた。例えば、定期的な診断によってC-ペプチドの血中濃度をモニターして治療に結びつける場合などには、交叉反応性物質であるプロインスリンの存在の影響が無視できない。従って、プロインスリンに対する交叉反応性の低いC-ペプチド測定系が強く望まれている。
【0004】
従来、C-ペプチドの測定にはポリクローナル抗体を使用した競争反応原理に基づく方法が主として用いられてきた。例えば、特公昭57-44663には放射ラベルしたC-ペプチドを用いた競合法による測定法が記載されており、また、特開平1-165962には酵素ラベルしたC-ペプチドを用いた競合法による測定法が記載されている。しかしながら、これらの方法におけるC-ペプチドの検出感度は高くなく、プロインスリンとの交叉反応も高く再現性も低い等、更なる改善が必要とされていた。このような競合法を使用した測定系の改善として、モノクローナル抗体を使用したサンドイッチ法によるC-ペプチド測定系が特開平4-177166に記載されており、この方法によって検出感度は若干改善されたものの十分ではなかった。また、交叉反応性の改善は試みられておらず、交叉反応性の依然として高い測定系しか存在していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、プロインシュリンとの交叉反応性が低く、再現性が高く、かつ高感度でヒトC-ペプチドを測定し得る方法、および、その方法に従った測定に適したキットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
本発明はヒトC-ペプチド分子の異なるエピトープを認識する第1及び第2の抗ヒトC-ペプチド抗体を用いたサンドイッチ免疫測定方法である。
【0006】
インスリン非依存型の糖尿病、インスリノーマ、家族性高プロインスリン血症などの疾患では、プロインスリンや31-32番目、または64-65番目のアミノ酸のいずれか一方が欠失したスプリット型プロインスリンがしばしば血流中へ放出されることが知られている。C-ペプチドの一次構造はプロインスリンの一次構造に完全に包含されているため、C-ペプチド免疫測定系では高いプロインスリン交叉反応性を避けることが困難であると考えられてきた。しかし抗原分子の末端部分が露出しており、これによって分子末端周辺を識別できる抗体が存在する場合は、C-ペプチドとC-ペプチド配列を含むポリペプチドを区別する測定系を確立することが可能である。というのはこのような抗体の場合、C-ペプチド分子が完全に内包されるような配列、たとえば天然に存在するプロインスリンや修飾が施されたC-ペプチドでは認識部位周辺の構造および電荷の変化が生じ、結果として認識性の著しい低下を生じさせ、または全く認識されなくなるためである。
本発明者らは、この点に注目し、第1および第2の抗体は異なるエピトープを認識し、同時にヒトC-ペプチドを認識することが出来る抗体であって、ヒトC-ペプチドN末端のアミノ酸残基1番〜10番からなる領域に存在するエピトープを認識する第1の抗ヒトC-ペプチド抗体と、固相上に固相化したヒトC-ペプチドN末端のアミノ酸残基1番〜16番からなる領域に存在するエピトープを認識する第2の抗ヒトC-ペプチド抗体を用いてサンドイッチ免疫測定法を使用することにより、 ヒトプロインスリンの交叉反応を回避してヒトC-ペプチドを特異的に測定しうる測定系を見出し、本発明を成すに至った。また、本発明によりそのような測定を行うためのキットが提供される。
【0007】
すなわち、本発明の方法は、
(i)試料中のヒトC-ペプチドと、第1の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片と、固相上に固定化された第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片との3者で免疫複合体を形成させること、
(ii)(i)で形成された免疫複合体を、未反応の抗体および/又はその抗原結合性断片および試料から分離すること、
(iii)前記免疫複合体を定量すること、
を含むヒトC-ペプチドの測定方法であって、
前記第1の抗体は前記ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜10番からなる領域に存在するエピトープを認識し、前記第2の抗体は前記ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜16番からなる領域に存在するエピトープを認識し、かつ、前記第1および第2の抗ヒトC-ペプチド抗体は異なるエピトープを認識し、前記ヒトC-ペプチドに同時に結合できる、ことを特徴とする前記ヒトC-ペプチドの測定方法である。
【0008】
また、本発明のキットは、
(a)標識された第一の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片を含む第1の容器、および
(b)固相に固定化された第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片を有する固相または固相を含む第2の容器、
を含み、
前記第1の抗体はヒトC-ペプチド分子のN末端のアミノ酸残基1番〜10番からなる領域に存在するエピトープを認識し、前記第2の抗体は前記ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜16番からなる領域に存在するエピトープを認識し、前記第1および第2の抗ヒトC-ペプチド抗体は異なるエピトープを認識し、前記ヒトC-ペプチドに同時に結合できることを特徴とする、ヒトC-ペプチド測定用キットである。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の方法においては、ヒトC-ペプチドの異なるエピトープを認識する2種類の抗体を使用した免疫測定法、特にサンドイッチ法を使用する。本発明の方法においては、測定対象試料に2種類の抗体(例えば以下に述べる固定化抗体および標識抗体)を同時に反応させる1段階の反応(1ステップサンドイッチ法、以下、1ステップ法という)あるいは、測定対象試料と第1の抗ヒトC-ペプチド抗体(例えば固定化抗体)を反応させ、一定時間インキュベーションして免疫複合体を形成させた後に第2の抗ヒトC-ペプチド抗体(例えば標識抗体)と反応させる2段階の反応(2ステップサンドイッチ法、以下、2ステップ法という)のいずれも使用することができる。
【0010】
本発明の測定法に用いられる第1の抗ヒトC-ペプチド抗体は、ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜10番領域に存在するエピトープを認識する。この第1の抗体はアミノ酸残基1番〜8番領域に存在するエピトープを認識することが好ましく、少なくともアミノ酸残基1番〜3番の一部を含む1番〜8番の領域に存在するエピトープを認識することがより好ましい。本明細書において、「エピトープを認識する」とは、抗体がエピトープと結合することにより、エピトープと抗原−抗体反応することをいう。第1の抗体は、好ましくはヒトC-ペプチドのN末端に結合したArg−Arg−配列を有するヒトC-ペプチド(以下「Arg−Arg−C-ペプチド」ということがある。)を実質的に認識しない。この「実質的に認識しない」とは、Arg−Arg−C-ペプチドへの第1の抗体の交叉反応性が、Arg−Arg−C-ペプチドの濃度が5ng/mlの時、10%以下であることを意味する。交叉反応性は5%以下であることが好ましく、さらに1%以下であることがより好ましい。
【0011】
Arg−Arg−C-ペプチドへの第1の抗体の交叉反応性は、まず試料として既知の異なった濃度のヒトC-ペプチド溶液を用い、従来の手法で本発明の方法に従って標準曲線を作成し、実際の5ng/ml濃度に設定されたArg−Arg−C-ペプチド溶液で測定して決定される。Arg−Arg−C-ペプチドへの免疫測定の交叉反応性は、実際のArg−Arg−C-ペプチド濃度に対する標準曲線に基づき、測定された測定濃度の百分率である。但し、実際の濃度は実際の濃度に分子量比を掛けることによってヒトC-ペプチドとArg−Arg−C-ペプチド間の分子量の違いを補正している(以下実施例4を参照)。Arg−Arg−C-ペプチドに対する第1の抗体の交叉反応性は、C側末端にLys−Arg−が結合したArg−Arg−C-ペプチド(下記実施例3に示される「修飾C-ペプチド」)を用いることにより測定できることに注目すべきである。というのは第1の抗体がアミノ酸残基1番〜10番に存在するエピトープを認識し、そしてペプチドのC側末端の明確な構造が第1の抗体の結合に影響を及ぼさないことからである。第1の抗体は、第1の抗体は、再現性と特異性の観点からモノクローナル抗体であることが好ましい。第1の抗体のFabやF(ab’)2のような抗原結合性断片は、第1の抗体に代わって使用することができる。第1の抗体又はその抗原結合性断片は、固定化さず、結合しない状態で使用される。
【0012】
第1の抗体はこの技術分野で知られた方法によって製造することができる。例えば、抗ヒトC-ペプチド抗体(好ましくはモノクローナル抗体)は、この技術分野で一般的に知られた方法によって製造することができ、製造された抗体は対応するエピトープとの結合が試験された。対応する抗体のエピトープは、下記実施例5に例示されようにヒトC-ペプチドの一連の断片を用い、阻害反応によって決定することができる。もし試験された抗体とヒトC-ペプチドとの間の抗原−抗体反応が、既知の量のポリペプチド断片を加えることにより濃度依存的に阻害されるならば、試験した抗体は加えられたポリペプチド断片に存在するエピトープを認識する。
【0013】
このように、阻害試験の競合物として、ヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜10番の領域の少なくとも5個の連続するアミノ酸からなるポリペプチド断片を用いることにより、第1の抗体として使用可能な抗体を選択することができる。抗ヒトC-ペプチド抗体の中からヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜10番の領域に存在するエピトープを認識する抗体が前記方法に従い選択され、本願発明の方法における第1の抗体として使用することができる。
N側末端に結合したArg−Arg−を有するヒトC-ペプチドを認識しない第1の抗体も同様な方法で選択することができる。即ち、このような抗体は、Arg−Arg−がヒトC-ペプチドのN側末端に結合したポリペプチド断片を競合物質として使用し、前記競合免疫測定法でN側末端に結合したArg−Arg−を有するヒトC-ペプチドを認識する抗体を排除することによって選択することができる。更に、第1の抗体は,KLHやBSAなどのタンパク質担体を結合したアミノ酸残基1番〜10番の領域中の連続した少なくとも5個のアミノ酸を有する免疫原ペプチドを使用し、免疫原として使用したペプチド断片を認識する抗体を選択することにより取得できる。
【0014】
抗ヒトC-ペプチドモノクローナル抗体は市販されたものを用いることができる。市販されたモノクローナル抗体の中で、ヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜10番のエピトープを認識する抗体が本願発明の第1の抗体として都合よく用いられる。本発明の方法で第1の抗体として用いられる市販されたモノクローナル抗体としては、メディックス バイオケミカ社製の抗ヒトC-ペプチドモノクローナル抗体9101が例示される。
第1の抗体の抗原結合性断片は、この技術分野で一般に知られた方法によって製造することができる。即ちFab断片は第1抗体をパパインによって消化することによって、F(ab’)2断片は第1抗体をペプシンで消化することにより製造することができる。
【0015】
本願発明のサンドイッチ免疫測定法に使用される第2の抗体は、ヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜16番に存在するエピトープを認識する。下記実施例に示される通り、ヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜16番に存在するエピトープを認識する抗体を使用することによって、第2の抗体としてヒトC-ペプチドのC側末端半分に存在するエピトープを認識する抗体である場合と比べ、ヒトプロインスリンとの交叉反応性を極めて減少させることができる。この現象は本願発明者等がはじめて見出したものである。第2の抗体は再現性と特異性の観点からモノクローナル抗体を用いることが好ましい。
サンドイッチ免疫測定法を実施するために、第2の抗体は第1の抗体によって認識されるエピトープとは異なったエピトープを認識し、第1の抗体と第2の抗体とはヒトC-ペプチドと同時に結合できることが必要である。もし、2個の抗体がヒトC-ペプチドに同時に結合できるのであれば、2個の抗体がエピトープ領域のそれぞれがたとえ一部重複することはあっても異なるエピトープを認識しているとみなされる。
【0016】
第1の抗体のFab断片やF(ab’)2断片のような抗原結合性の断片は第2の抗体に換えて使用することができる。その断片は上記したようにこの技術分野で知られる方法に従い製造することができる。
第2の抗体は以下に従い取得できる。まず、ヒトC-ペプチド分子のアミノ酸残基1番〜16番に存在するエピトープを認識する抗体が得られる。これらの抗体は、阻害反応の結合への競合物質として、又はタンパク質担体に結合した免疫原として、ヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜16番の領域中の連続した少なくとも5個のアミノ酸からなるポリペプチド断片を使用することによって、第1の抗体を取得するための前記と同様な手法で得ることができる。エピトープは正確に決定する必要はなく、第2の抗体の候補抗体は単にアミノ酸残基1番〜16番の領域を抗体が認識するかどうかを決定することにより選択することができる。更に、これらの候補抗体から第1の抗体と同時にヒトC-ペプチドに結合することができる抗体を第2の抗体として選択することができる。これは、例えば、ヒトC-ペプチドについて第1の抗体と第2の抗体としての候補の抗体とを用いる通常のサンドイッチ免疫測定法を測定し、比較することにより行うことができる。
【0017】
市販された入手可能なモノクローナル抗体の中でヒトC-ペプチドのアミノ酸残基1番〜16番のエピトープを認識し、第1の抗体と同時にヒトC-ペプチドと結合する抗体が本願発明の方法における第2の抗体として都合よく用いることができる。例えば、第1の抗体がメディックス バイオケミカ社から市販される抗ヒトC-ペプチドモノクローナル抗体9101であるとき、メディックス バイオケミカ社から市販される抗ヒトC-ペプチドモノクローナル抗体9103とダコ社から市販される抗ヒトC-ペプチドモノクローナル抗体CPT3F11とを第2の抗体として用いることができる。
上記した第1の抗体と第2の抗体の使用が特徴的であり、それ以外本願発明のサンドイッチ免疫測定法は通常の方法に従い実施することができる。以下の記述(下記実施例を除く)において、特別の記述のほか又は文脈から明確であるもののほか、「抗体」は抗体と抗原結合性の断片とを含む。
第2の抗体は固相に固定化される。下記実施例に示される通り、ヒトインスリンの免疫測定の交叉反応性は、第1の抗体が固定化され第2の抗体が結合していない場合よりも、第2の抗体が固定化され、第1の抗体が結合していない場合のほうがより小さい。
【0018】
また、本発明の方法で使用する2種類の抗体の一方は適切な固相に固定化されているのが好ましい。このような固定化抗体は既知の適切な方法で作製することができる。固相としてはポリスチレン、ポリエチレン、セファロース(ファルマシア社)、セルロース等が使用でき、その物理的形状は本質的でない。使用する固相は、その表面への抗体の固定化が容易で、測定中に形成される免疫複合体と未反応のサンプル成分および抗体を容易に分離できるものであることが好ましい。特に、通常の免疫測定法に使用されるプラスチックプレートや磁性粒子が好ましい。取り扱い、保存、および分離の容易性等の観点から、前述のような材質の磁性粒子を使用することが最も好ましい。
【0019】
また、一般には固定化されていないもう一方の抗体は検出を容易とするため標識されている。標識方法は特に限定されないが、一般には放射性同位元素、酵素、蛍光色素等が使用される。放射性同位元素としては例えば125I、131I等を使用することができ、酵素としてはペルオキシダーゼ、β-ガラクトシダーゼ、アルカリホスファターゼ等が使用でき、基質としては、O-ニトロフェニル-β-D-ガラクトピラノシド、p-ニトロフェニルフォスフェート、AMPPD((3-2'-スピロアダマンタン)-4-メトキシ-4-(3''-フォスフォリロキシ)フェニル-1,2-ジオキセタン)等が使用できる。蛍光色素としてはフルオレッセインチオシアネート(FITC)等が使用できる。これらの標識を検出する方法は使用する標識に依存するが、この技術分野で一般に知られた方法を利用することができる。本発明の好ましい実施態様においては、酵素標識抗体としてアルカリホスファターゼ結合抗体および基質として化学発光物質AMPPDが使用される。
【0020】
よく知られるように、第1の抗体の標識は免疫複合体の定量を達成するための要求事項ではない。免疫複合体は、固相上の免疫複合体と標識された第3の抗体とを反応させることにより定量することができる。この第3の抗体は固定化されていない、第1の抗体を認識する。
前記した第1の抗体と第2の抗体とを用いて、サンドイッチ免疫測定法が通常の方法で実施される。サンドイッチ法は1ステップ法又は2ステップ法のいずれかで実施することができる。1ステップ法においては、第1及び第2の抗体と試料中に含まれるヒトC-ペプチドが同時に反応させられる。洗浄した後、固相に結合した免疫複合体を定量する。この方法は免疫反応が1ステップであり、その結果、操作が簡便で免疫測定に要する時間も短時間である利点を有する。2ステップ法では、試料中に含まれるヒトC-ペプチドを最初に固定化された第2の抗体と反応させる。洗浄後、次いで結合されていない第1の抗体が第2の抗体によって固相に結合したヒトC-ペプチドに反応する。洗浄後、固相に結合した免疫複合体を定量する。この2ステップ法は1ステップ法に比べヒトプロインスリンとの交叉反応性が低い利点を有する。
【0021】
サンドイッチ法におけるインキュベーション時間および温度は、上記のことから分かるとおり、抗体の一つとヒトC-ペプチドとが免疫複合体を形成するに十分な時間および温度であればよく、例えば37℃または室温にて約5分以上、好ましくは15分〜30分間、あるいは4℃にて一晩など必要に応じて設定することができる。また、タンパク質の分解が有意におこらない限り更に長時間でもよい。
上記インキュベーションおよび他の操作においては、免疫測定法において通常使用される緩衝液を使用することができる。そのような緩衝液には、例えば、PBS、ウシ血清アルブミン(BSA)を含有するまたはしない50mMトリス緩衝液(pH7.2)若しくは50mMメス緩衝液(pH6.8)が含まれる。これらの緩衝液はバクテリアの増殖を防止するため約0.1%程度のアジ化ナトリウムを含むことがある。
【0022】
本発明によるサンドイッチ免疫測定法は、ヒトC-ペプチドの検出感度が高く、ヒトプロインシュリンやスプリット型プロインスリン(プロインスリンの31〜32番のアミノ酸又は64〜65番のアミノ酸が欠損したプロインスリン)との交叉反応性の低い方法を提供する。ヒトプロインスリンに対するこのサンドイッチ免疫測定法の交叉反応性は、ヒトプロインスリン濃度が50ng/mlの時、10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、1%以下であることが更に好ましい。ヒトプロインスリン免疫測定法の交叉反応性は、検体として種々の既知濃度のヒトプロインスリン溶液を用いることにより本発明に記載した周知の方法に従い標準曲線を作成し、所定のヒトプロインスリン濃度(50ng/ml)を測定して求めることができる。ヒトプロインスリンの免疫測定における交叉反応性は、ヒトプロインスリン濃度に対する標準曲線に基づき本発明の方法で測定した濃度の百分率である。但し、実際の濃度は実濃度に分子量比を掛けることによって、ヒトC-ペプチドとヒトプロインスリン間の分子量の違いを補正した(下記実施例4参照)。本発明によるサンドイッチ免疫測定法の検出感度は、0.05ng/ml以下、好ましくは0.02ng/ml以下である。
【0023】
本明細書において検出感度とは、2S/Nの値を意味する。2S/Nとは抗原濃度0mg/mlにおけるシグナル(ノイズシグナル)の2倍のシグナルを生じさせる抗原濃度である。
また、交叉反応性とは、交差反応物質がC-ペプチドとして測定される割合を意味し、交叉反応性物質が見かけ上C-ペプチドとして測定される濃度を実際の交差反応物質濃度で除した百分率で表すものとする。交差反応物質とは、C-ペプチドでないにもかかわらず、抗体がC-ペプチドとして認識してしまう物質をいう。
本発明の方法が適用できる検体としては、通常C-ペプチドが分泌される分泌物あるいは排泄物が挙げられ、例えば、血清等の体液由来の試料や尿が含まれる。
【0024】
また、本発明を簡便に実施するために、予め前述した適切な抗体の組合わせを含むキットが提供される。本発明のキットは、第1の抗ヒトC-ペプチド抗体を含む容器および第2の抗ヒトC-ペプチド抗体を含む別の容器を含む。更に、本発明のキットは上述したようなアッセイ用または希釈用の適切な1以上の緩衝液またはその濃縮ストック溶液、測定用の基質あるいはその溶液、標準サンプルとしてのヒトC-ペプチドあるいはその溶液およびアッセイ用または希釈用容器を含んでいてもよい。そのような緩衝液としては、抗ヒトC-ペプチド抗体結合粒子用の緩衝液として、BSA、150mM塩化ナトリウム及び0.1%アジ化ナトリウムを含有する50mMトリス緩衝液pH7.2が挙げられ、標識抗ヒトC-ペプチド抗体のための緩衝液としては、前記緩衝液に塩化亜鉛0.3mMを添加したものが挙げられる。
【0025】
本キットにおいて、第1の抗体は固相に固定化されていることが好ましく、磁性粒子に固定化されていることが特に好ましい。第2の抗体は標識されており、特に酵素標識されていることが好ましい。第1および第2の抗体は適切な緩衝液中に溶液として存在していてもよく、凍結乾燥品として存在していてもよい。本キットに含まれる各試薬は、1試料測定分毎に容器に分注されて提供されていてもよく、複数試料測定分が各試薬毎に纏めて個々の容器に含まれて提供されてもよい。後者の場合は、用時に各試薬を所定の測定用容器に分注して使用する。試薬が1試料測定分毎に提供される場合は、各試薬を含む容器はカートリッジとして一体成形されてもよく、そのカートリッジの異なる区画に各試薬が格納されていてもよい。第1および第2の抗体が凍結乾燥品としてキットに含まれる場合は、これらを溶解するために適した上述のような緩衝液が更にキットに含まれることがある。これらの抗体が含まれる、あるいはキットに含まれることのあるアッセイ用のその他の容器は抗体および抗原と相互作用せず、アッセイに利用される反応、例えば酵素反応、化学発光反応を妨害しない材料であればどんな材質のものでもよい。必要であればそのような相互作用を起こさないように表面を予め処理して提供されてもよい。そのような処理方法は当業者にはよく知られたものである。本キットには、通常取り扱い説明書が添付される。
【0026】
【実施例】
実施例1:材料および測定方法
(1) 抗ヒトC-ペプチド抗体結合粒子の作製
抗ヒトC-ペプチド抗体1mgを2.5mlの50mMリン酸緩衝液pH3.0に溶解し、感作液とした。次いで、50mMリン酸緩衝液pH3.0にて超音波洗浄処理を施した磁性粒子(フェライトがコーティングされたラテックス粒子、粒径2μm、日本ペイント社製)50mgに感作液を添加し十分混和後、ローテーターで25℃にて1時間回転反応した。終了後、反応容器の外側から磁力によって粒子を引きつけ、反応液を吸引除去し50mMメス緩衝液pH5.5にて洗浄した。感作磁性粒子を再度50mMメス緩衝液pH5.5に懸濁し、5mg/mlの1-エチル-3-(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(ナカライテスク社製)水溶液を1ml添加した後、25℃で30分間回転反応した。再び粒子を磁力にて引きつけ洗浄し、0.1%アジ化ナトリウムを含有する50mMトリス緩衝液pH7.2で懸濁し、使用時まで低温にて保存した。抗体結合粒子は、用時BSA、150mM塩化ナトリウム及び0.1%アジ化ナトリウムを含有する50mMトリス緩衝液pH7.2で0.03%(w/v)に懸濁し、粒子液として測定に使用した。感作のために、N認識抗体として9101(メディックスバイオケミカ社製)、9103(メディックスバイオケミカ社製)またはCPT-3-F11(ダコ・ジャパン社製)を使用し、C-ペプチド分子の中央よりC末端側領域を認識する抗体としてPEP-001(ダコ・ジャパン社製)を使用した。
【0027】
(2) アルカリフォスファターゼ標識抗ヒトC-ペプチド抗体
(1)に記載した抗ヒトC-ペプチド抗体とアルカリホスファターゼ(オリエンタル酵母社製)を、ヨシタケらの方法(Yoshitake et al., J Biochem. 1982,92(5), 1413-1424)により結合し、酵素標識抗体とした。酵素標識抗体は、1% BSA、150mM塩化ナトリウム、0.3mM塩化亜鉛及び0.1%アジ化ナトリウムを含有する50mMメス緩衝液pH6.8を用いて0.2μg/mlに希釈し、標識抗体液とした。
【0028】
(3) 標準液
標準液は、ヒトC-ペプチド(自家製)をルミパルス検体希釈液(富士レビオ株式会社製;以下検体希釈液と記載する)により任意の濃度に希釈し測定に用いた。
【0029】
(4) 測定法
測定機器には全自動化学発光免疫測定システムルミパルスフォルテ(富士レビオ株式会社製;以下ルミパルスフォルテと記載する)を使用し、1ステップ法と2ステップ法によって測定した。測定は以降の手順で実施した。
4−1)1ステップ法による測定
測定のための反応容器には全自動化学発光免疫測定システムルミパルスに専用の免疫反応カートリッジを用いた。免疫反応カートリッジの免疫反応槽に粒子液50μl、試薬分注槽に標識抗体液120μlをそれぞれ注入しアルミシールを施して試薬を密封後、カートリッジをセットする専用カセットに並べた。10mMトリス及び0.1%ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルより構成されるルミパルス洗浄液(富士レビオ株式会社製;以下洗浄液と記載する)、化学発光基質AMPPDを主成分とするルミパルス基質液(富士レビオ株式会社製;以下基質液と記載する)、カセットをルミパルスフォルテ所定の装着位置にセットし、一連の動作及び計測を測定機器付属のコンピュータプログラムにより実施した。詳細は以下に示す。
【0030】
標準液または測定対象サンプルを専用の検体ラックにセットする。検体ラック設置場所に検体ラックをセットし、プログラム上の測定動作開始の指令を入力する。測定はプログラムで指定した測定方法、測定検体数、試薬分注量、測定順序などの指示に従って進行する。始めに検体ラックは測定開始と共に装置内の検体分注位置まで移動する。併せて免疫反応カートリッジが専用カセットから取り出され37℃に保たれた直線の反応ラインに移動する。反応ラインの途中には、反応液の吸引、洗浄液の分注、粒子を磁力によって引きつける磁石、および反応液を攪拌するミキサー、さらに標識抗体液や基質液を分注するためのポートがあり、プログラムに応じて各動作が実行される。
【0031】
検体分注用のアーム先端に装着されたサンプリングチップが測定対象サンプル20μlを吸引し、続いて免疫反応カートリッジ内の試薬分注槽へ移動し標識抗体50μlを吸引する。チップは免疫反応カートリッジ免疫反応槽へ移動し、測定対象サンプルおよび試薬を粒子液内へ吐出する。続いて同じチップで吸引・吐出を繰り返して液を混合する。試薬は槽内で16分間37℃でインキュベートされる。その間、免疫反応カートリッジは30秒ごとに免疫反応ライン上を順次移動して洗浄部へ進む。洗浄部の手前では磁石がライン両脇に設置されており、粒子を引きつける。次に試薬吸引ノズルが反応槽に移動し槽内の反応残液を吸引し、粒子と反応液を完全に分離する。
【0032】
反応液から分離された粒子は磁石から離れ、一方洗浄液注入ノズルから洗浄液が注入される。粒子は洗浄液と攪拌により十分混和された後、再度磁力により引きつけられ、洗浄液と分離される。磁力による粒子引きつけ、残液除去、洗浄液の注入、攪拌、粒子引きつけの一連の動作を7回繰り返し洗浄操作を終了する。洗浄ステップ完了後、基質液200μlを分注し、粒子とよく混和後37℃の反応ライン上でさらに4分30秒間反応する。カートリッジはカウンティング部へ移動し、30秒間の発光量を測定する。測定対象サンプルの測定値は標準抗原の発光量から作成された標準曲線に基づき算出した。
【0033】
4−2)2ステップ法
測定のための反応容器には全自動化学発光免疫測定システムルミパルスに専用の免疫反応カートリッジを用いた。免疫反応カートリッジの免疫反応槽に粒子液50μl、試薬分注槽に標識抗体液120μlをそれぞれ注入しアルミシールを施して試薬を密封後、カートリッジをセットする専用カセットに並べた。洗浄液、基質液、カセットをルミパルスフォルテ所定の装着位置にセットし、一連の動作及び計測を測定機器付属のコンピュータプログラムにより実施した。詳細は以下に示す。
【0034】
標準液または測定対象サンプルを専用の検体ラックにセットする。検体ラック設置場所に検体ラックをセットし、プログラム上の測定動作開始の指令を入力する。測定はプログラムで指定した測定方法、測定検体数、試薬分注量、測定順序などの指示に従って進行する。始めに検体ラックは測定開始と共に装置内の検体分注位置まで移動する。併せて免疫反応カートリッジが専用カセットから取り出され37℃に保たれた直線の反応ラインに移動する。反応ラインの途中には、反応液の吸引、洗浄液の分注、粒子を磁力によって引きつける磁石、および反応液を攪拌するミキサー、さらに標識抗体液や基質液を分注するためのポートがあり、プログラムに応じて各動作が実行される。検体分注用のアーム先端に装着されたサンプリングチップが測定対象サンプル30μlを分取し、うち20μlを吐出しボルテックス攪拌により粒子液と十分に混合する。試薬は槽内で8分間37℃でインキュベートされる。その間、免疫反応カートリッジは30秒ごとに免疫反応ライン上を順次移動して洗浄部へ進む。
【0035】
洗浄ステップ完了後、標識抗体液分注ノズルが試薬分注槽から50μlの標識抗体液を吸引し免疫反応槽に注入する。ボルテックス攪拌によって粒子と標識抗体を十分に混和し8分間免疫反応を行う。その間、免疫反応カートリッジは30秒ごとに免疫反応ライン上を順次移動して洗浄部へ進む。洗浄ステップ完了後、基質液200μlを分注し、粒子とよく混和後37℃の反応ライン上でさらに4分30秒間反応する。カートリッジはカウンティング部へ移動し、30秒間の発光量を測定する。測定対象サンプルの測定値は標準抗原の発光量から作成された標準曲線に基づき算出した。
【0036】
実施例2: C- ペプチド応答性と検出感度
実施例1(1)に記載の4種類の抗体から調製した抗体結合粒子と標識抗体から同じ抗体同士の組合せを除く12通りを使用して1ステップ法と2ステップ法の合計24通りの免疫測定を行った。各々の場合に得られた結果を2S/Nの値として表1および2に示した。2S/Nとは前述したように、抗原未添加条件、すなわち抗原濃度0ng/mlにおけるシグナル(ノイズシグナル)の2倍のシグナルを生じさせる抗原濃度のことで、これを検出感度の指標とし各組み合わせの応答性を比較する指標とした。
【表1】
表1.2S/N感度(1ステップ法)
Figure 0004433258
−:未実施、 ND:低応答または検出感度以下
【0037】
【表2】
表2.2S/N感度(2ステップ法)
Figure 0004433258
−:未実施、 ND:低応答または検出感度以下
【0038】
実施例3 修飾 C- ペプチドに対する反応性
C-ペプチド分子末端の識別性が高い抗体を使用して確立された系では、プロインスリンやスプリット型プロインスリンに対する応答が低下することが予測される。そこで実施例1と同様の組み合わせと手順によってC-ペプチドのN末端には2分子のArgを、C末端にはLysとArgをそれぞれ付加したポリペプチド(以下、単に修飾C-ペプチドと記載する)を測定した。検体希釈液を用いて修飾C-ペプチド(シグマ社製)を5ng/mlに調製して測定した。見かけ上C-ペプチドとして測定された濃度をサンプル中の実際の修飾C-ペプチド濃度で除した百分率として交叉反応率を求め、その結果を表3および4に示した。
【0039】
【表3】
表3.修飾C-ペプチドの交叉反応性(1ステップ法)
Figure 0004433258
単位:% −:未実施
【0040】
【表4】
表4.修飾C-ペプチドの交叉反応性(2ステップ法)
Figure 0004433258
単位:% −:未実施
【0041】
表3および4に示されているように、N末端領域を認識する抗体である9101を使用した組み合わせでは修飾C-ペプチドの交叉反応性は0.5%未満〜9.3%であり、両者を明確に識別した。
【0042】
実施例4.プロインスリンとの交叉反応性
実施例1同様の組み合わせと手順でプロインスリンをサンプルとして測定し、交叉反応性を求めた。
それぞれの標準曲線は以下の方法に従い作成した。ヒトC-ペプチド濃度が0、0.8、8と20ng/mlの濃度に調整されたヒトC-ペプチド溶液を作成し、標準液として用いた。この標準液各20μlを用い、実施例1に記載の方法に従いそれぞれ免疫測定を行った。標識抗体として9101抗体、第2の抗体としてCPT3F11抗体を用いた1ステップ法と2ステップ法の標準曲線を図8に示す。
【0043】
ヒトプロインスリンは50、200、400ng/mlの濃度に検体希釈液で希釈した。試料としてこれらの溶液を用い、実施例1に記載された方法に従い免疫測定を行った。例えば濃度50、200、400ng/mlの試料の化学発光カウントを標識抗体として9101抗体、第2の抗体としてCPT3F11抗体を用いて測定した。その結果1ステップ法の結果は、それぞれ4139、51,337、118,126であり、2ステップ法の結果は、それぞれ4401、42,493、99,434であった。この濃度はそのカウントを標準曲線から読み出し算出した。
検体として使用したプロインスリンは、ヒトC-ペプチドとの分子量比よりヒトC-ペプチドに相当する濃度を算出した。例えば、プロインスリンの分子量は9494、ヒトC-ペプチドのそれは3019であるため、50ng/mlのプロインスリン試料は15.9ng/mlのヒトC-ペプチド濃度に相当した。標準曲線より算出された測定値を測定に用いたプロインスリンのヒトC-ペプチド相当濃度で除し、百分率を求め、交叉反応率とした。表5および6にその結果を示す。
【0044】
【表5】
表5.ヒトプロインスリンとの交叉反応性(1ステップ法)
Figure 0004433258
単位:% −:未実施
【0045】
【表6】
表6.ヒトプロインスリンとの交叉反応性(2ステップ法)
Figure 0004433258
単位:% −:未実施
【0046】
表5および6に示される通り、9101を抗体結合粒子か標識抗体のいずれかに使用する場合、組み合わせにより数値は上下したが、交叉反応率は最大0.4%まで低下した。
表5および6に示される通り、交叉反応率は1ステップ法に比べて2ステップ法が一般的に小さかった。
【0047】
実施例5 合成ヒト C- ペプチド断片を用いた抗ヒト C- ペプチド抗体反応性確認
抗体の抗原認識部位を確認する手段として、ELISA法を採用した。ヒトC-ペプチドを固相化したELISAプレートを作製し、以下の手順にしたがって実施した。
(1) ヒトC-ペプチド抗原感作プレートの作製
ヒトC-ペプチドを0.1Mリン酸緩衝液pH7.0に溶解し、0〜10μg/mlの濃度に調製した。次いでマイクロウェルモジュール(Nunc社製)に上記各濃度の溶液を1ウェルあたり0.1mlづつ分注し、4℃に一晩放置した。翌日ウェル内C-ペプチド溶液を廃棄後、ルミパルス洗浄液にてよく洗浄し、2%BSA、0.1%アジ化ナトリウムを含有する50mMトリス緩衝液(pH7.0)0.3mlを用いてウエル内を満たし37℃に一晩放置後、使用時まで4℃に保存した。
【0048】
(2)固相化ヒトC-ペプチド結合阻害の確認試験
(1)で用いたプレートに1%BSA, 1mM MgCl2および0.1%NaN3を含有する50mM メス緩衝液を用いて0〜10μg/mlのヒトC-ペプチドを調製し、各ウエルに0.1mlずつ分注した。続いて同緩衝液を用いて0〜1.0μg/mlに調製した9101またはCPT3F11の標識抗体液を各ウエルに0.1mlずつ分注した。軽くプレートを震とうして溶液を混和後25℃で1時間インキュベートした。反応終了後ルミパルス洗浄液でウエル内をよく洗浄し、10mM 4ニトロフェニルリン酸及び1mM MgCl2を含有する1.0Mジエタノールアミン緩衝液pH10.0を0.1mlずつ各ウエルに添加、25℃で30分インキュベート後、波長405nmにおける吸収を測定した。得られた吸光度から、標識抗体の固相への結合率を求めた(表7)。結合率とは反応時に共存した抗原量の多寡に伴って生じた固相抗原に結合した標識抗体量の変化を表した数値で、0.1〜10μg/mlの抗原添加条件で得られた吸光度を0μg/ml添加条件において得られた吸光度で除した百分率のことである。C-ペプチドを固相化したプレートでは十分な発色が得られ、各標識抗体の結合が確認された。さらに標識抗体液と共にヒトC-ペプチドを添加したウェルでは添加濃度依存的に結合率が低下し、ヒトC-ペプチドの添加による固相化C-ペプチドへの結合阻害が確認された。
【0049】
【表7】
表7.固相化ヒトC-ペプチド結合阻害の確認試験
Figure 0004433258
【0050】
【表8】
表7(続き)
Figure 0004433258
【0051】
(3)ヒトC-ペプチド断片による固相化ヒトC-ペプチドの結合阻害試験1
(1)で用いたプレートに1%BSA, 1mM MgCl2および0.1%NaN3を含有する50mM メス緩衝液を用いて7種類のヒトC-ペプチド断片(自家製)を0〜1mg/ml濃度に希釈調製し、各ウエルに0.1mlずつ分注した。使用したヒトC-ペプチド断片のアミノ酸配列はN-1:2残基+1〜8番(ヒトC-ペプチドN末端に2アミノ酸残基Arg-Argを付加した配列)、N-2:1〜8番、N-3:3〜8番、N-4:5〜12番、N-5:2番〜8番、N-6:3番〜10番、N-7:4番〜10番(図1)、C-1:24〜31番目+2残基(ヒトC-ペプチドC末端に2アミノ酸残基Lys-Argを付加した配列)、C-2:24〜31番、C-3:24〜29番(図2)、に相当する断片である。これらのペプチド断片のヒトC-ペプチドにおける位置は図1および図2に示した。
続いて同緩衝液を用いて0.1μg/mlに調製した9101、CPT3F11、PEP-001または9103の標識抗体液を各ウエルに0.1mlずつ分注した。以後(2)と同様に操作し、波長405nmにおける吸収を測定した。各断片に対する抗体の結合能が高いほど同一のペプチド断片における405nmの吸収が低くなる。測定結果を図3から図6に示す。
9101標識抗体液を使用した場合は、N-2、N-3およびN-6の添加により、吸収が低下した(図4A)。これらはN末端の3〜8番目までのアミノ酸を含む配列であることより、9101は本断片によって提示される配列を認識すると考えられる。
【0052】
(4) ヒトC-ペプチド断片による固相化ヒトC-ペプチドの結合阻害試験2
(1)で用いたプレートに1% BSA, 1mM MgCl2および0.1% NaN3を含有する50mM メス緩衝液を用いて7種類のヒトC-ペプチド断片(自家製)を0〜1mg/ml濃度に希釈調製し、各ウエルに0.1mlずつ分注した。ヒトC-ペプチド断片のアミノ酸配列はN-4:5〜12番、N-8:7〜14番、N-9:9〜16番、N-10:7〜13番、N-11:7〜12番、N-12:8〜14番、N-13:9〜14番、N-14:10〜14番(図1)に相当する断片である。これらのペプチド断片のヒトC-ペプチドにおける位置は図1および図2に示した。
続いて同緩衝液を用いて0.1μg/mlに調製したCPT3F11標識抗体液を各ウエルに0.1mlずつ分注した。以後(2)と同様に操作し、波長405nmにおける吸収を測定した。各断片に対する抗体の結合能が高いほど同一のペプチド断片における405nmの吸収が低下する。測定結果を図7に示した。
連続する5残基以上の配列からなるN-8〜N-14の各断片のうち、末端残基が10番または12番の何れかからなるN-11とN-14では吸収が低下せず、それ以外では大きく低下した。このことよりCPT3F11の認識部位は少なくとも9〜13番の連続する5残基であって、9101とは異なる配列を認識する抗体であることが示された。
【0053】
実施例7. C- ペプチド免疫測定用キット
以下の組成の試薬1〜5のそれぞれを含む容器を格納したC-ペプチド免疫測定用キットを構成した。
1.抗体結合粒子液:50mMトリス、150mM塩化ナトリウム、2%BSA、0.1%アジ化ナトリウムからなる緩衝液(pH7.2)に抗ヒトC-ペプチド抗体結合粒子を0.03%(w/v)で含む。
2.標識抗体液:50mMメス、100mM塩化ナトリウム、0.3mM塩化亜鉛、0.1%アジ化ナトリウムからなる緩衝液(pH6.8)にアルカリホスファターゼ標識抗C-ペプチド抗体を0.2μg/mlの濃度で含む。
3.標準液:50mMトリス、150mM塩化ナトリウム、2%BSA、0.1%アジ化ナトリウムからなる緩衝液(pH7.2)にC-ペプチドを含む。
4.基質液:50mMシエタノールアミン、0.02%AMPPD、0.1%アジ化ナトリウムからなる緩衝液(pH10.0)。
【0054】
【発明の効果】
本発明の方法により、ヒトC-ペプチドを極めて高感度かつ特異的に検出することができる。特に、本発明によれば、ヒトプロインスリンとの交叉反応に起因するヒトC-ペプチド測定系の信頼性の低さを克服することができる。また、本発明のキットを使用することにより、簡便に本発明を実施することができる。
【0055】
【配列表】
Figure 0004433258
Figure 0004433258

【図面の簡単な説明】
【図1】 合成N側領域ヒトC-ペプチド断片のヒトC-ペプチドにおける位置と長さを示した図である。アミノ酸残基番号は天然のC-ペプチド断片のN末端を1番とした。
【図2】 合成C末端領域ヒトC-ペプチド断片のヒトC-ペプチドにおける位置と長さを示した図である。アミノ酸残基番号は天然のC-ペプチド断片のN末端を1番とした。
【図3】 ヒトC-ペプチド断片を用いた、CPT3F11とヒトC-ペプチドとの結合阻害試験の結果を示す。
【図4】 ヒトC-ペプチド断片を用いた、9101とヒトC-ペプチドとの結合阻害試験の結果を示す。
【図5】 ヒトC-ペプチド断片を用いた、PEP-001とヒトC-ペプチドとの結合阻害試験の結果を示す。
【図6】 ヒトC-ペプチド断片を用いた、9103とヒトC-ペプチドとの結合阻害試験の結果を示す。
【図7】 ヒトC-ペプチド断片を用いたCPT3F11とC-ペプチドとの結合阻害試験の結果を示す。
【図8】 1ステップ法および2ステップ法において使用した標準曲線を例示する。

Claims (19)

  1. (i)試料中のヒトC-ペプチドと、第1の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片と、固相上に固定化された第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片との3者で免疫複合体を形成させること、
    (ii)(i)で形成された免疫複合体を、未反応の抗体および/又はその抗原結合性断片および試料から分離すること、
    (iii)前記免疫複合体を定量すること、
    を含むヒトC-ペプチドの測定方法であって、
    前記第1の抗体又はその抗原結合性断片は前記ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜10番からなる領域に存在するエピトープを認識し、前記第2の抗体又はその抗原結合性断片は前記ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜16番からなる領域に存在するエピトープを認識し、かつ、前記第1および第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片は異なるエピトープを認識し、前記ヒトC-ペプチドに同時に結合できる、ことを特徴とする前記ヒトC-ペプチドの測定方法。
  2. 前記第1の抗ヒトC-プチド抗体又はその抗原結合性断片が、N末端にArg−Arg−配列が付加されたヒトC-ペプチドを実質的に認識しないことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記固相が磁性粒子である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記(i)が、試料中の前記ヒトC-ペプチドと、前記第1の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片と、前記第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片とを、同時に反応させる1段階の反応を特徴とする請求項1記載の方法。
  5. 前記(i)が、最初に試料中の前記ヒトC-ペプチドと、前記固相上で前記ヒトC-ペプチドと免疫複合体を形成させるよう固定化された、前記第2の抗ヒトC-ペプチド抗体またはその抗原結合性断片とを反応させ、前記固相に結合しなかったヒトC-ペプチドを洗浄して除き、次いで前記第1の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片と固相に結合させた前記ヒトC-ペプチドとを反応させる2段階の反応を特徴とする請求項1記載の方法。
  6. 前記第1の抗体又はその抗原結合性断片は標識され、前記(iii)で未反応の標識された抗体またはその抗原結合性断片を洗浄して除いた後、前記固相に結合した標識物を定量することを特徴とする請求項1記載の方法。
  7. 前記第1の抗体と前記第2の抗体を用いることを特徴とする請求項1記載の方法。
  8. ヒトプロインスリンとの交叉反応性が10%以下である請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. ヒトプロインスリンとの交叉反応性が5%以下である請求項8記載の方法。
  10. ヒトプロインスリンとの交叉反応性が1%以下である請求項9記載の方法。
  11. ヒトC-ペプチドの検出感度が0.05ng/ml以下であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  12. (a)標識された第1の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片を含む第1の容器、および
    (b)固相に固定化された第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又は固相に固定化されたその抗原結合性断片を含む第2の容器、
    を含み、
    前記第1の抗体又はその抗原結合性断片はヒトC-ペプチド分子のN末端のアミノ酸残基1番〜10番からなる領域に存在するエピトープを認識し、前記第2の抗体又はその抗原結合性断片は前記ヒトC-ペプチド分子N末端のアミノ酸残基1番〜16番からなる領域に存在するエピトープを認識し、前記第1および第2の抗ヒトC-ペプチド抗体又はその抗原結合性断片は異なるエピトープを認識し、前記ヒトC-ペプチドに同時に結合できることを特徴とする、ヒトC-ペプチド測定用キット。
  13. 前記第1の抗ヒトC-ペプチド抗体またはその抗原結合性断片が、N末端にArg-Arg-配列が付加されたヒトC-ペプチドを実質的に認識しないことを特徴とする、請求項12に記載のキット。
  14. 前記第1と第2の容器が、一体成形されたカートリッジの異なる区画に格納されている、請求項12に記載のキット。
  15. 前記第1の抗ヒトC-ペプチド抗体を含む第1の容器と、抗前記第2の抗ヒトC-ペプチド抗体を含む第2の容器とを含む請求項12〜14のいずれか1項に記載のキット。
  16. 前記キットを使用して行われるイムノアッセイでヒトプロインスリンとの交叉反応性が10%以下である請求項12〜14のいずれか1項に記載のキット。
  17. 前記キットを使用して行われるイムノアッセイでヒトプロインスリンとの交叉反応性が5%以下である請求項16記載のキット。
  18. 前記キットを使用して行われるイムノアッセイでヒトプロインスリンとの交叉反応性が1%以下である請求項17記載のキット。
  19. ヒトC-ペプチドの検出感度が0.05ng/ml以下であることを特徴とする、請求項12〜14のいずれか1項に記載のキット。
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