JP4433256B2 - 搬送仕分け装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品を搬送方向の側方に選択的に仕分ける搬送仕分け装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の搬送仕分け装置としては、例えば、特開平6−115680号公報に記載の搬送仕分け装置が知られている。
【0003】
この特開平6−115680号公報に記載の搬送仕分け装置は、搬送方向に移動しながら物品を搬送するスラット等の搬送体を備えているとともに、この搬送体の移動方向と交差するスライド方向へのスライドにより物品を側方に選択的に押し出すスライドシュー等の押出し体を備えている。
【0004】
そして、搬送体の下面側には、凸状の被嵌合部が押出し体のスライド方向に長手方向を有する細長形状に形成され、押出し体の下部には、被嵌合部に間隙をもって遊嵌する凹状の嵌合部が形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の特開平6−115680号公報に記載の搬送仕分け装置のように、スラット等の搬送体の被嵌合部に対してスライドシュー等の押出し体の嵌合部を間隙をもって遊嵌する構成では、搬送体と押出し体との間のがたつきにより、衝撃音等の騒音が発生し、静音化を実現できないおそれがある。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、衝撃音等の騒音の発生を防止でき、静音化を実現できる搬送仕分け装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の搬送仕分け装置は、搬送方向に移動しながら、物品を搬送する搬送体と、この搬送体にこの搬送体の移動方向と交差するスライド方向にスライド可能に取り付けられ、前記スライド方向へのスライドにより物品を側方に選択的に押し出す押出し体と、前記搬送体に形成され、前記スライド方向に長手方向を有する細長形状の被嵌合部と、前記押出し体に形成され、前記被嵌合部に嵌合する嵌合部と、前記搬送体と前記押出し体との間に位置し、前記被嵌合部との当接により前記嵌合部が前記被嵌合部に対して前記スライド方向と交差する方向に相対的に移動することを規制する当接部とを備え、前記被嵌合部は、互いに離間対向する略円柱状の一対の凸状部を有し、前記嵌合部は、互いに離間対向し、前記凸状部にこの凸状部の長手方向に沿ってスライド可能に嵌合する略C字状の一対の凹状部を有し、前記当接部は、前記凹状部の上端部にこの凹状部と一体に成形され、復元作用により前記凸状部を前記凹状部に対してスライド許容の押圧力をもって常時押し付ける弾性変形部であり、前記弾性変形部の下部が、前記凹状部の内面の上部から下方に突出しており、前記弾性変形部の前記凹状部の内面より内方に位置する下端面が、前記凸状部の外面一部に圧接する摺接当接面にて形成されているものである。
【0008】
請求項2記載の搬送仕分け装置は、請求項1記載の搬送仕分け装置において、押出し体の嵌合部は、凹状部の上端部中央部に形成された切欠き段部と、この切欠き段部を介して互いに離間対向する対向面とを有し、弾性変形部は、細長形状に形成され、その長手方向の両端部が前記対向面に連続しているものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の搬送仕分け装置の一実施の形態の構成を図面を参照して説明する。
【0010】
図6および図7において、1は搬送仕分け装置で、この搬送仕分け装置1は、例えば、物品Wを搬送方向イに載置状態で搬送するとともに、物品Wを選択して側方の仕分けコンベヤ2に仕分けるものである。なお、仕分けコンベヤ2は、例えば搬送仕分け装置1の一側部である右側部に搬送方向イに向って広がるように所定の角度、例えば30°の角度をもって傾斜状に連設されている。
【0011】
この搬送仕分け装置1は、図6および図7に示すように、所定の間隔を介して互いに離間対向した左右一対のフレーム4,4を備え、各フレーム4は搬送方向イに沿った前後方向に長手方向を有する細長形状に形成されている。
【0012】
また、フレーム4の前端部間には、左右方向の駆動回転軸5が軸受6を介して回転可能に架け渡され、フレーム4の後端部間には、左右方向の従動回転軸7が軸受8を介して回転可能に架け渡されている。これら前後一対の駆動回転軸5および従動回転軸7間には、所定の間隔を介して互いに離間対向した左右一対の無端体としてのチェーン9,9が、回転体であるスプロケット10を介して回行可能に巻き掛けられている。
【0013】
さらに、これら左右一対のチェーン9間には、チェーン9の回行に伴って搬送方向イに移動しながら物品Wを載置状態で水平に搬送するスラット等の搬送体15,15…が複数並設されている。
【0014】
そして、搬送体15,15…には、それぞれスライドシュー等の押出し体16,16…が、搬送体15の移動方向と交差する左右水平方向であるスライド方向にスライド可能でかつがたつかないように嵌合により取り付けられており、各押出し体16は、搬送体15上をこの搬送体15に沿ってスライド方向にスライドすることにより物品Wを側方に選択的に押し出す。すなわち、例えば、各押出し体16は、一のスライド方向へのスライドにより、図示しない制御部からの仕分け信号に対応する物品Wを右側の仕分けコンベヤ2に仕分ける。
【0015】
ここで、搬送体15は、図1および図2に示すように、左右水平方向に長手方向を有する細長略矩形板形状の本体部21を有し、この本体部21の上面にて物品Wを搬送する搬送面22が形成されている。また、本体部21の後端部には、突出板部23が斜め下方に向って一体に突出形成されている。
【0016】
さらに、本体部21の下面の前後方向中央部には、左右方向一端側から左右方向他端側にわたって位置する細長形状の被嵌合部25が下方に向って一体に突出形成されている。
【0017】
この被嵌合部25は、例えば、互いに離間対向した前後一対の凸状部26,26を有し、各凸状部26は略円柱状に形成されている。また、各凸状部26の両端面にはチェーン連結用の孔部27が開口形成されており、この孔部27内に、チェーン9に設けられた図示しない連結軸が嵌挿されている。
【0018】
押出し体16は、図1および図2に示すように、平面視で前端部に底辺を有し後端側の頂角が切り欠かれた略二等辺三角形状をなす本体部31を備え、この本体部31の左右両側面にて物品Wを押し出す押出し面32,32が形成されている。この押出し面32には上下方向に細長い突条部33が複数並設されている。また、本体部31の前側上面は、下方に向って傾斜した傾斜面34にて形成されている。
【0019】
さらに、本体部31の前端部下面には、被嵌合部25に嵌脱可能に嵌合する嵌合部35が、斜め下方に向って突出した連絡板部37を介して一体的に設けられており、この嵌合部35と本体部31との間に搬送体15が位置している。
【0020】
この嵌合部35は、例えば、連絡部40を介して互いに離間対向した前後一対の凹状部41,41を有しており、各凹状部41は、円周の一部が切り欠かれた略円筒状つまり略C字状に形成され、各凸状部26に対して嵌脱可能に嵌合している。
【0021】
この嵌合部35の略C字状をなす凹状部41は、それぞれ、図3ないし図5に示すように、凹状部41の上端部中央部に、切欠き段部42が形成されている。そして、この切欠き段部42を介して左右方向に互いに離間対向した対向面43,43間に、搬送体15の被嵌合部25を押出し体16の嵌合部35に対してスライド許容の押圧力をもって常時押し付け、搬送体15と押出し体16との間のがたつきを防止するばね機構等のがたつき防止手段としての当接部である弾性変形部45が設けられている。
【0022】
この弾性変形可能な弾性変形部45は、例えばPOM樹脂等の合成樹脂を用いて金型等で嵌合部35と一体成形したもので、撓みやすいに細長形状に形成され、長手方向の両端部が対向面43に連続している。この弾性変形部45の長手方向中央上部には、切欠き段部46が形成されている。
【0023】
また、この弾性変形部45の下部は、図4に示されるように、略C字状の凹状部41の内面41a上部から下方に突出しており、この弾性変形部45の凹状部41の内面41aより内方に位置する下端面は、略円柱状の凸状部26外面に対応した曲面状の摺接当接面47にて形成されている。なお、摺接当接面47の長手方向両端側は上方に向ってやや傾斜した傾斜面48,48となっている。
【0024】
また一方、略C字状の凹状部41の内面41a下部には、平面状の摺接当接面51aを有した第1突条51が、凹状部41の長手方向に沿って一体に突出形成されている。また、凹状部41の内面41a側部には、平面状の摺接当接面52aを有した第2突条52が、第1突条51の平行に凹状部41の長手方向に沿って一体に突出形成されている。
【0025】
また、嵌合部35の連絡部40には、図1および図3に示されるように、複数の取付孔53が形成されており、この取付孔53へのボルト等の取付具54の装着により、嵌合部35を構成する合成樹脂製のシューガイド部材55が連絡板部37に着脱可能に取り付けられている。
【0026】
さらに、嵌合部35の下面の中央部からは、被ガイド部56が下方に向って突出しており、この被ガイド部56は、例えば上下方向のピン57、このピン57に回転自在に取り付けられたローラ58等にて構成されている。
【0027】
一方、搬送仕分け装置1は、図6に示すように、押出し体16の被ガイド部56との係合により、この押出し体16の搬送体15に対するスライド動作を制御するガイド機構60を備えている。
【0028】
このガイド機構60は、例えば、左側のチェーン9の往路部近傍に位置する第1のガイドレール61を有しており、この搬送始端側の第1のガイドレール61には、切換機65を介して第2のガイドレール62および第3のガイドレール63が連設されている。
【0029】
第2のガイドレール62は、第1のガイドレール61と同様、左側のチェーン9の往路部近傍に位置している。また、第3のガイドレール63は、右側のチェーン9に向って傾斜した傾斜レール部66、この傾斜レール部66に連通して右側のチェーン9の往路部近傍に位置する右側レール部67等にて構成されている。
【0030】
そして、図示しない制御部からの仕分け信号に応じて切換機65の図示しないシリンダのロッドが進退し、第1のガイドレール61と第2のガイドレール62とが連通した状態である非押出し状態になったり、第1のガイドレール61と第3のガイドレール63とが連通した状態である押出し状態になったりする。
【0031】
非押出し状態では、押出し体16は、搬送体15上をスライドすることなく、左側のフレーム4近傍位置を第1のガイドレール61および第2のガイドレール62に沿って移動する。
【0032】
一方、押出し状態では、押出し体16は、第1のガイドレール61通過後に、被ガイド部56と第3のガイドレール63の傾斜レール部66との係合により搬送体15上を右方にスライドし、その結果、物品Wが右側方の仕分けコンベヤ2に押し出される。なお、図示しないが、チェーン9の復路部側には、物品Wを押し出して右側にスライドした押出し体16をもとの左側に戻すための戻し用ガイドレールが配設されている。
【0033】
次に、上記一実施の形態の搬送仕分け装置1の動作等を説明する。
【0034】
搬送仕分け装置1の搬送方向イ上流からの物品Wは、搬送仕分け装置1の搬送始端位置で搬送体15の搬送面22上に乗り移り、この搬送面22にて搬送方向イに搬送される。
【0035】
そして、物品Wが仕分けコンベヤ2に仕分けるものでない場合には、切換機65によりガイド機構60が非押出し状態にあるため、物品Wは、押出し体16の押出し面32にて側方に押し出されることなく、搬送体15の搬送面22にてそのまま搬送方向イに搬送されていく。
【0036】
一方、物品Wが仕分けコンベヤ2に仕分けるものである場合には、切換機65によりガイド機構60が押出し状態にあるため、図6に示すように、押出し体16が、搬送体15上をこの搬送体15の沿って右方のスライド方向にスライドし、物品Wが押出し体16の押出し面32にて右側方の仕分けコンベヤ2上に押し出される。
【0037】
ここで、押出し体16は、従来とは異なり、搬送体15に対してスライド可能でかつがたつかないように取り付けられている。
【0038】
すなわち、搬送体15の被嵌合部25の凸状部26と押出し体16の嵌合部35の凹状部41とが互いに嵌合した状態では、嵌合部35と一体成形した弾性変形部45が、やや撓み変形した状態で被嵌合部25の凸状部26の外面一部に圧接し、その結果、弾性変形部45の復元作用により、被嵌合部25の凸状部26が嵌合部35の凹状部41に対して第1突条51および第2突条52を介して所定の押圧力をもって常に押し付けられている。なお、凸状部26外面26aと凹状部41内面41aとの間にはスライド確保のためのクリアランス70が存在している。
【0039】
このため、押出し体16の嵌合部35の凹状部41は、搬送体15の被嵌合部26の凸状部26の長手方向に沿って円滑にスライド可能であるが、その凸状部26に対してスライド方向と交差する方向、すなわち略円柱状の凸状部26の径方向に相対的に移動不能とされた状態にある。
【0040】
このように、搬送体15と押出し体16との間に位置する弾性変形部45により、搬送体15の被嵌合部25と押出し体16の嵌合部35との嵌合状態が、スライド可能な非がたつき状態に設定されている。
【0041】
したがって、上記一実施の形態の搬送仕分け装置1によれば、搬送仕分け作業時に、搬送体15と押出し体16との間のがたつきが発生することがなく、衝撃音等の騒音の発生を防止でき、静音化を実現できる。
【0042】
また、搬送体15や押出し体16が、使用環境の温度変化等に基づいて膨張や収縮したとしても、この膨張や収縮に応じて弾性変形部45が変形し、被嵌合部25と嵌合部35との嵌合状態がスライド可能な非がたつき状態に維持されるため、衝撃音等の騒音の発生を引き続き防止でき、静音化を保持できる。
【0043】
さらに、弾性変形部45は、POM樹脂等の合成樹脂で押出し体16の嵌合部35と一体に成形したので、弾性変形部45と嵌合部35とを別体に成形した場合に比べて、部品点数が少なく、組立て作業を容易にでき、製造コストを低減できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、搬送体と押出し体との間に位置する当接部が、被嵌合部との当接により、嵌合部が被嵌合部に対してスライド方向と交差する方向に相対的に移動することを規制するので、搬送体と押出し体との間のがたつきが発生せず、衝撃音等の騒音の発生を防止でき、静音化を実現でき、また、当接部である弾性変形部で、搬送体や押出し体の温度変化等に基づく膨張、収縮に適切に対応でき、搬送体と押出し体との間のがたつきを確実に防止でき、さらに、弾性変形部を押出し体の嵌合部と一体に成形したので、弾性変形部と嵌合部とを別体に成形した場合に比べて、部品点数が少なく、組立て作業を容易にでき、製造コストを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の搬送仕分け装置の搬送体および押出し体の側面図である。
【図2】 同上搬送仕分け装置の押出し体の平面図である。
【図3】 同上押出し体の嵌合部の平面図である。
【図4】 同上押出し体の嵌合部の側面図である。
【図5】 図4のA方向からみた弾性変形部を示す図である。
【図6】 同上搬送仕分け装置全体の平面図である。
【図7】 同上搬送仕分け装置全体の側面図である。
【符号の説明】
1 搬送仕分け装置
15 搬送体
16 押出し体
25 被嵌合部
26 凸状部
35 嵌合部
41 凹状部
42 切欠き段部
43 対向面
45 当接部である弾性変形部
47 摺接当接面
Claims (2)
- 搬送方向に移動しながら、物品を搬送する搬送体と、
この搬送体にこの搬送体の移動方向と交差するスライド方向にスライド可能に取り付けられ、前記スライド方向へのスライドにより物品を側方に選択的に押し出す押出し体と、
前記搬送体に形成され、前記スライド方向に長手方向を有する細長形状の被嵌合部と、
前記押出し体に形成され、前記被嵌合部に嵌合する嵌合部と、
前記搬送体と前記押出し体との間に位置し、前記被嵌合部との当接により前記嵌合部が前記被嵌合部に対して前記スライド方向と交差する方向に相対的に移動することを規制する当接部とを備え、
前記被嵌合部は、互いに離間対向する略円柱状の一対の凸状部を有し、
前記嵌合部は、互いに離間対向し、前記凸状部にこの凸状部の長手方向に沿ってスライド可能に嵌合する略C字状の一対の凹状部を有し、
前記当接部は、前記凹状部の上端部にこの凹状部と一体に成形され、復元作用により前記凸状部を前記凹状部に対してスライド許容の押圧力をもって常時押し付ける弾性変形部であり、
前記弾性変形部の下部が、前記凹状部の内面の上部から下方に突出しており、
前記弾性変形部の前記凹状部の内面より内方に位置する下端面が、前記凸状部の外面一部に圧接する摺接当接面にて形成されている
ことを特徴とする搬送仕分け装置。 - 押出し体の嵌合部は、
凹状部の上端部中央部に形成された切欠き段部と、
この切欠き段部を介して互いに離間対向する対向面とを有し、
弾性変形部は、細長形状に形成され、その長手方向の両端部が前記対向面に連続している
ことを特徴とする請求項1記載の搬送仕分け装置。
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