JP4432306B2 - 精製易重合性化合物の製造方法 - Google Patents
精製易重合性化合物の製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4432306B2 JP4432306B2 JP2002004318A JP2002004318A JP4432306B2 JP 4432306 B2 JP4432306 B2 JP 4432306B2 JP 2002004318 A JP2002004318 A JP 2002004318A JP 2002004318 A JP2002004318 A JP 2002004318A JP 4432306 B2 JP4432306 B2 JP 4432306B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polymerizable compound
- easily polymerizable
- distillation column
- pressure
- exhaust gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Landscapes
- Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、精製易重合性化合物の製造方法に関し、詳しくは、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の易重合性化合物の粗製物から蒸留手段により精製物を製造する方法に関する。なお、上記の「(メタ)アクリル酸」の表記は、アクリル酸とメタクリル酸の一方または両方を意味する。
【0002】
【従来の技術】
アクリル酸は例えば次の様な方法で製造されている。すなわち、先ず、原料のプロピレンを気相接触酸化し、得られた酸化反応混合物を水で吸収してアクリル酸の水溶液を回収し、次いで、得られた水溶液を共沸剤の存在下に濃縮して粗アクリル酸を得、次いで、粗アクリル酸を減圧蒸留塔で精製して高純度のアクリル酸を回収する。
【0003】
アクリル酸エステルの場合は、先ず、酸性触媒の存在下にアクリル酸とアルコールとを反応させ、次いで、得られた反応混合物を減圧蒸留塔で精製して高純度のアクリル酸エステルを回収する。そして、メタクリル酸とメタクリル酸エステルの場合は、原料としてイソブチレンを使用し、上記と同様のプロセスによって製造される。
【0004】
ところで、減圧蒸留塔の運転においては、減圧装置によって形成される蒸留塔内の減圧度を一定範囲に制御する必要があり、圧力制御は、蒸留塔の圧力に基づいて圧力調節弁の作動を制御することにより行なわれる。
【0005】
ところが、上記の様な易重合性化合物の場合、その凝縮液中での重合により圧力調節弁が閉塞し、蒸留塔の圧力制御に支障を来すという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、粗製易重合性化合物を減圧条件下に蒸留処理して精製易重合性化合物を製造する方法において、圧力調節弁の閉塞が防止され、しかも、減圧発生装置の排ガスに同伴された易重合性化合物を容易に回収し得る様に改良された精製易重合性化合物の製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明の要旨は、粗製易重合性化合物を減圧条件下に蒸留処理して精製易重合性化合物を製造する方法において、蒸留塔と減圧発生装置との間の連結配管に減圧発生装置の排ガス配管が圧力調節弁を介して接続されて成る蒸留装置を使用し、そして、蒸留塔の圧力に基づいて圧力調節弁の作動を制御することにより、排ガスの導入量を調節して蒸留塔の圧力を一定範囲に制御することを特徴とする精製易重合性化合物の製造方法に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を添付図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の製造方法で使用する蒸留装置の一例を示す説明図、図2は本発明の製造方法で使用する蒸留装置の他の一例を示す説明図、図3は本発明の製造方法で使用する蒸留装置の更に他の一例を示す説明図である。なお、図示した例においては、減圧発生装置として蒸気駆動式エジェクターが使用されている。
【0009】
本発明の製造方法は、粗製易重合性化合物を減圧条件下に蒸留処理して精製易重合性化合物を製造する方法である。粗製易重合性化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等が挙げられ、これらは、前述した公知の製造方法によって粗製物として得られる。
【0010】
図示する様に、蒸留塔(1)はその上部にコンデンサー(2)と還流槽(3)とを備えている。図1及び図2に示す蒸留装置の場合、1基のコンデンサー(2)が設けられ、当該コンデンサーにより、蒸留塔(1)の塔頂からの留出ガスの必要な冷却が行なわれる。これに対し、図3に示す蒸留装置の場合、気相部同士が配管(99)で接続された2基のコンデンサー(2)及び(21)が設けられ、高温側のコンデンサー(2)により蒸留塔(1)の塔頂からの留出ガスの大部分の冷却が行なわれ、低温側のコンデンサー(21)によりコンデンサー(2)で凝縮し得なかったガスの冷却が行われる。斯かる再冷水方式によれば、コンデンサーの冷凍負荷の軽減が図られる。
【0011】
蒸留塔(1)の塔頂からの留出ガスは、配管(91)によりコンデンサー(2)に導かれて凝縮される。得られた凝縮液は還流槽(3)に導かれる。還流槽(3)内の凝縮液は、配管(92)により2分され、その一部は還流液として蒸留塔(1)に循環され、残部は製品として取り出される。
【0012】
蒸留塔(1)に付帯された還流槽(3)の気相部は、配管(93)によりエジェクター(4)に連結され、当該エジェクターにより蒸留塔(1)は所定の減圧状態に維持される。
【0013】
エジェクター(4)は、その下流にコンデンサー(5)と液シールタンク(6)とを備えている。エジェクター(4)の駆動用蒸気は配管(94)から導入される。エジェクター(4)から排出される蒸気は、配管(95)によりコンデンサー(5)に導かれて凝縮される。得られた凝縮液は配管(96)により液シールタンク(6)導かれる。配管(96)の先端は液シールタンク(6)の液中に位置し、これにより、液シールが達成されている。液シールタンク(6)の気相部からの排ガスは、配管(98)から図示を省略した焼却炉に導かれて処理される。
【0014】
本発明においては、蒸留塔(1)とエジェクター(4)との間の連結配管(93)にエジェクター(4)の排ガス配管(97)が圧力調節弁(8)を介して接続されて成る蒸留装置を使用する。蒸気駆動式エジェクターが使用されている図示した蒸留装置の場合、エジェクター(4)の排ガス配管(97)の基端は、コンデンサー(5)の気相部に接続されている。すなわち、エジェクターの排ガスはコンデンサー(5)の気相部から取出される。
【0015】
なお、排ガス配管(97)には、図示する様に、蒸留塔(1)のリボイラー(図示せず)に導入される酸素含有ガス(重合禁止ガス)を抜き出すための分岐排ガス配管(97b)が接続されている。
【0016】
圧力調節弁(8)の作動は、具体的には、圧力調節器(PC)(81)からの信号に基づいて行なわれる。図1に示す蒸留装置の場合、圧力調節器(81)の検出管(82)はコンデンサー(2)の入口側の配管(91)に接続され、図2及び図3に示す蒸留装置の場合、圧力調節器(81)の検出管(82)は還流槽(3)の気相部に接続されている。
【0017】
本発明において、圧力調節器(81)の検出管(82)は、コンデンサー(2)の出口側の配管(91)又は還流槽(3)の気相部に接続するのが好ましく、特には還流槽(3)の気相部に接続するのが好ましい。斯かる構成により、易重合性化合物の凝縮液の重合による検出管(82)自体の閉塞が防止される。
【0018】
また、本発明においては、図示した様に、蒸留塔(1)とエジェクター(4)との間の連結配管(93)に逆止弁( 7)を設けるのが好ましい。逆止弁( 7)は、エジェクター(4)のトラブルによる駆動停止の際に液シールタンク(6)内の液が還流槽(3)に逆流するのを防止する。この場合、逆止弁( 7)が設けられる連結配管(93)は水平に設置するのが好ましい。斯かる構成により、易重合性化合物の凝縮液の滞留が防止され、その結果、逆止弁( 7)における易重合性化合物の凝縮液の重合による閉塞が防止される。
【0019】
本発明においては、上記の様に構成された蒸留装置を使用し、そして、蒸留塔(1)の圧力に基づいて圧力調節弁(8)の作動を制御することにより、排ガスの導入量を調節して蒸留塔(1)の圧力を一定範囲に制御する。従って、圧力調節弁(8)においては、エジェクター(4)からの排ガスの流れにより、易重合性化合物の凝縮液の滞留が防止され、その重合による閉塞が防止される。また、易重合性化合物が含有されたエジェクター(4)からの排ガスが利用されるため、易重合性化合物の損失が防止される。更に、エジェクター(4)からの排ガス中の重合性化合物は液シールタンク(6)に回収される。なお、制御すべき蒸留塔(1)の圧力は、粗製易重合性化合物の蒸留条件として適宜選択される。
【0020】
本発明において、減圧発生装置としては、図1〜3に示した蒸気駆動式エジェクター(4)の他、液駆動式エジェクターや液封式ポンプを使用することも出来る。液駆動式エジェクターを使用した場合、コンデンサー(5)は必要なく、減圧発生装置の排ガスとしては液シールタンク(6)の気相部からの排ガスが使用される。また、液封式ポンプを使用した場合は、駆動液(水)の回収・循環用密閉タンクの気相部からの排ガスが使用される。
【0021】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、粗製易重合性化合物を減圧条件下に蒸留処理して精製易重合性化合物を製造する方法において、圧力調節弁の閉塞が防止され、しかも、減圧発生装置の排ガスに同伴された易重合性化合物を容易に回収し得る様に改良された精製易重合性化合物の製造方法が提供され、本発明の工業的価値は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法で使用する蒸留装置の一例を示す説明図
【図2】本発明の製造方法で使用する蒸留装置の他の一例を示す説明図
【図3】本発明の製造方法で使用する蒸留装置の更に他の一例を示す説明図
【符号の説明】
1:蒸留塔
2:コンデンサー
21:コンデンサー
3:還流槽
4:エジェクター
5:コンデンサー
6:液シールタンク
7:逆止弁
8:圧力調節弁
81:圧力調節器
82:検出管
97:排ガス配管
Claims (3)
- 粗製易重合性化合物を減圧条件下に蒸留処理して精製易重合性化合物を製造する方法において、蒸留塔と減圧発生装置との間の連結配管に減圧発生装置の排ガス配管が圧力調節弁を介して接続されて成る蒸留装置を使用し、そして、蒸留塔の圧力に基づいて圧力調節弁の作動を制御することにより、排ガスの導入量を調節して蒸留塔の圧力を一定範囲に制御することを特徴とする精製易重合性化合物の製造方法。
- 減圧発生装置が蒸気駆動式エジェクターである請求項1に記載の製造方法。
- 易重合性化合物が(メタ)アクリル酸またはそのエステルである請求項1に記載の製造方法。
Priority Applications (9)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004318A JP4432306B2 (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 精製易重合性化合物の製造方法 |
CNB2004100453794A CN1330625C (zh) | 2001-08-22 | 2002-08-21 | 容易聚合化合物用蒸馏装置 |
PCT/JP2002/008428 WO2003018162A1 (fr) | 2001-08-22 | 2002-08-21 | Materiel de distillation de compose du type en lase de polymerisation |
CNB2004100453760A CN1274659C (zh) | 2001-08-22 | 2002-08-21 | 容易聚合化合物用蒸馏装置 |
CN200410045378A CN100589861C (zh) | 2001-08-22 | 2002-08-21 | 容易聚合化合物用蒸馏装置 |
CNB2004100453775A CN1307145C (zh) | 2001-08-22 | 2002-08-21 | 容易聚合化合物用蒸馏装置 |
CNB028193032A CN1305544C (zh) | 2001-08-22 | 2002-08-21 | 容易聚合化合物用蒸馏装置 |
US10/781,986 US7288169B2 (en) | 2001-08-22 | 2004-02-20 | Distillation apparatus for readily polymerizable compound |
US11/188,710 US7473338B2 (en) | 2001-08-22 | 2005-07-26 | Distillation apparatus for readily polymerizable compound |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002004318A JP4432306B2 (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 精製易重合性化合物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005230585A JP2005230585A (ja) | 2005-09-02 |
JP4432306B2 true JP4432306B2 (ja) | 2010-03-17 |
Family
ID=35014091
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002004318A Expired - Lifetime JP4432306B2 (ja) | 2001-08-22 | 2002-01-11 | 精製易重合性化合物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4432306B2 (ja) |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002004318A patent/JP4432306B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2005230585A (ja) | 2005-09-02 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7511172B2 (en) | Method for production of (meth)acrylic acid | |
JP5934155B2 (ja) | イソブテンの部分酸化による気相生成物においてメタクリル酸からメタクロレインを分離する方法 | |
CN107428659B (zh) | 改进的(甲基)丙烯酸制备方法 | |
JPS6121603B2 (ja) | ||
JP2001131116A (ja) | 易重合性物質含有液の蒸留方法 | |
EA000005B1 (ru) | Способ и установка очистки газового потока, содержащего акролеин | |
JPS6059891B2 (ja) | メタクロレインおよびメタクリル酸の分離方法 | |
JP4432306B2 (ja) | 精製易重合性化合物の製造方法 | |
TW201439073A (zh) | 環氧乙烷的製造方法 | |
JP2000290226A (ja) | 易重合性物質含有物の精製方法およびその装置 | |
US7038081B2 (en) | Method for producing polyacrylic acid | |
JP2018115155A (ja) | アクリル酸の製造方法 | |
WO2003050069A1 (en) | Process for producing (meth)acrolein or (meth)acrylic acid | |
JPS63170206A (ja) | 高純度二酸化炭素の回収方法 | |
JP2618589B2 (ja) | エチレンの回収方法 | |
JP6368117B2 (ja) | エチレンオキシドの製造方法 | |
JPH10204030A (ja) | (メタ)アクリル酸エステルの精製方法及び製造方法並びにその製造装置 | |
JP4948158B2 (ja) | (メタ)アクリル酸溶液を得るためのシステムおよび(メタ)アクリル酸の製造方法 | |
JPH1015334A (ja) | 炭酸ガス精製方法とその装置 | |
JP6538922B2 (ja) | エチレンオキシドの製造方法 | |
JPH08127573A (ja) | 酸化エチレンの回収方法 | |
JPS6217580B2 (ja) | ||
JP5153137B2 (ja) | (メタ)アクリル酸の製造方法 | |
JP2003267917A (ja) | 蒸留塔の運転停止方法 | |
JPS5826895B2 (ja) | メタクロレイン含有ガス混合物から水蒸気を除去する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080401 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090818 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20091201 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20091214 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4432306 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130108 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140108 Year of fee payment: 4 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |