JP4431548B2 - 光ディスク及び光ディスクへの視認可能な図形の書き込み方法 - Google Patents

光ディスク及び光ディスクへの視認可能な図形の書き込み方法 Download PDF

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Description

本発明は、光ディスク上に肉眼で視認可能な文字や絵等の図形を書き込む方法及びそれに適した光ディスクに関する。
光ディスクは、記録媒体(ディスク)を記録再生装置から外せることと、記録媒体が安価であることが大きな特徴になっている。装置から取り外し可能なため、光ディスクは、ラベルを貼りつけたり、ペンで文字を記入することによって記録内容を表示し、他のディスクと識別することになる。こうしたラベルや記入された文字等は、ディスクの最表面にあるため、取り扱っているうちに汚れたり、剥れたりし、判別しにくく、また美しさが低減する。
そこで、ラベルや書き込み文字に代わる表示技術が開発されている。例えば、特許文献1及び非特許文献1,2には、光ディスクに記録された小さなビットは肉眼では見ることが出来ないが、小さなビットが多数集まることにより肉眼で見ることの出来る反射率変化になることを利用し、文字や絵を描く(書き込む)技術が記載されている。特許文献2には、回折格子を用いた、見る角度によって色が変化する技術が記載されている。
特開2003-016649号公報 特開2004-171605号公報 ISOM/ODS2005 Technical Digest,MA4 (LightScribe) http://www.fujifilm.co.jp/news_r/nrj1423.html[「記録型DVDドライブのデータ記録用レーザでディスクレーベル面への描画を実現した『LabelflashTM 技術』共同開発」(2005.10.19)
従来の方法では、肉眼で視認できる文字や絵は単色であったり、角度により色が変化したりした。
本発明は、光ディスクに視認可能な多色の情報を書き込む新規な方法、及びそれに適した光ディスクを提供するものである。
本発明の光ディスクは、データを記録するためのデータ記録層に加えて視認可能な図形を書き込むための図形書き込み層を有する。データ記録層へのユーザデータの記録も図形書き込み層への視認可能な図形の書き込みも、同じ光ディスクドライブを用いて行われる。図形書き込み層は、反射膜及びその反射膜に対してデータ記録層と反対側の領域に保護膜を介して形成された複数層のエネルギー照射により原子配列が変化する膜の構造としてもよいし、一対の電極層に挟まれた反射率のピーク波長が異なる複数のエレクトロクロミック層の構造としてもよい。図形書き込み層を構成する複数の膜に、基本色ごとに色分解した図形データをそれぞれ書き込むことにより、多色の図形を視認できるようになる。
前記複数層のエネルギー照射により原子配列が変化する膜からなる図形書き込み層を有する光ディスクに視認可能な図形を書き込む際には、上位装置から図形書き込み用の図形データを読み込み、読み込んだ図形データを書き込み用座標系に展開し、図形データを基本色ごとに色データを分離し、前記書き込み用座標系を光ディスク上の座標に変換し、光ディスク上の座標に展開された形状データと色データに基づいてトラック毎のレーザ駆動パターンを生成し、そのレーザ駆動パターンに基づいてレーザ光源を駆動し、光パルスを光ディスクの図形書き込み層に照射することによって視認可能な図形を書き込む。
また、前記一対の電極層に挟まれた反射率のピーク波長が異なる複数のエレクトロクロミック層からなる図形書き込み層を有する光ディスクに視認可能な図形を書き込む際には、上位装置から図形書き込み用の図形データを読み込み、その図形データから基本色ごとに形状データと色データを分離し、図形データを基本色ごとに色データを分離し、読み込んだ形状データを書き込み用座標系に展開し、書き込み用座標系を光ディスク上の座標に変換し、ディスク上の座標に展開された形状データと色データに基づいてトラック毎のレーザ駆動パターンを生成し、第1のエレクトロクロミック層に電圧を印加し、第1のエレクトロクロミック層に対するトラック毎のレーザ駆動パターンに基づいてレーザ光源を駆動して光パルスを図形書き込み層に照射し、第1のエレクトロクロミック層への電圧印加を停止して第2のエレクトロクロミック層に電圧を印加し、第2のエレクトロクロミック層に対するトラック毎のレーザ駆動パターンに基づいてレーザ光源を駆動して光パルスを図形書き込み層に照射することにより、視認可能な図形を書き込む。
本発明によると、光ディスクに、その光ディスクを識別するための多色の視認可能な情報を書き込むことが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明による光ディスクの構成例を示す模式図である。この光ディスク201は、視認図形を書き込むための図形書き込み層104と、通常のユーザデータを記録するためのデータ記録層102とを有し、図形書き込み層104は、融点及び結晶化温度の異なる、相変化により原子配列変化を生じる3層の膜207,208,209、各相変化膜を挟むように設けられた保護層214,215,216,217、光入射側反射層213、及び奥側反射層218から構成されている。図1は、図形書き込み層104に視認可能な図形書き込みを行ったあとの状態を模式的に示している。
この光ディスク201は、次のようにして作製した。トラッキング用の溝又はパターンを有する基板101上に、ZnS−SiO2、Ge−Sb−Te、ZnS−SiO2からなるデータ記録層102を形成した。一方で、トラッキング用の溝又はパターンを有する保護基板105上に、Ag−Pd−Cuからなる奥側反射層218を10nm、ZnS−SiO2からなる保護層217を80nm、Ge5Sb90Te5からなる相変化膜209を15nm、ZnS−SiO2からなる保護層216を5nm、Ge5Sb80Te15からなる相変化膜208を10nm、ZnS−SiO2からなる保護層215を40nm、Ge5Sb70Te25からなる相変化膜207を5nm、ZnS−SiO2からなる保護層214を20nm、Ag−Pd−Cuからなる光入射側反射層213を10nm成膜し、図形書き込み層104を形成した。その後、スペーサ層103を介して両者を貼り合わせて組み立て、光ディスク201を作製した。相変化膜207の融点はTr=560℃、結晶化温度Tcr=220℃、相変化膜208の融点はTg=580℃、結晶化温度Tcg=240℃、相変化膜209の融点はTb=600℃、結晶化温度Tcb=260℃であった。なお、保護基板105の屈折率と保護層217の屈折率の差が十分大きい場合には、その界面が反射層としての役割を果たすため、奥側反射層218を省略することもでできる。
図2は、本実施例の光ディスクへの視認図形書き込み方法と、書き込まれた図形の視認方法を示す概略図である。
視認可能な情報を書き込むには、基板101、データ記録層102、スペーサ層103を通して、図形書き込み層104にレーザ光106をフォーカスし、書き込み開始位置へトラッキングする。図形書き込み層は保護基板105にて保護されている。次に、書き込み情報に応じた書き込みパターンに従い、レーザパワーを変調し、非晶質から結晶化し、原子配列を変化することにより図形書き込み層104の反射率変化を生じさせる。書き込んだ図形や記号は、保護基板105を通して種々の方向107,108から肉眼で見ることが出来る。この場合、書き込み面に対して垂直方向107から見ても、斜め方向108から角度を変えてみても、同様な色を示しており、図形や記号だけでなく色の情報もディスクの識別に利用できる。図形書き込み層へのレーザ光照射はデータ記録層を通して行うため、データ記録と視認可能な情報の書き込みの間に、光ディスクを裏返す必要がない。
3層の相変化膜207,208,209を変化させることが出来る温度について見ると、融点Tr,Tg,Tbの間にはTr<Tg<Tb、結晶化温度Tcr,Tcg,Tcbの間にはTcr<Tcg<Tcbと、入射側反射層213に近い相変化膜ほど融点と結晶化温度が低く、奥側反射層218に近い相変化膜ほど融点と結晶化温度が高い関係にある。そのため、データ記録層102を通して図形書き込み層104に照射するレーザパワーと照射時間を制御することにより、図形書き込み層の要素領域毎に各相変化膜を非晶質状態あるいは結晶状態に制御できる。本媒体では、高いレーザパワーを照射し、結晶状態から非晶質状態にすることにより、書込み後の図形や記号を消去することも可能である。
図1に示した、図形書き込み層104に書き込みを行った後の光ディスクでは、レーザパワーと照射時間を制御することにより、要素領域毎に所望の相変化膜207,208,209を非晶質状態から結晶状態210,211,212へ変化させている。例えば、図形書き込み層104の領域Aは、温度がTcrより高くTcgより低くなるように照射エネルギーを制御した結果、低い結晶化温度Trを有する相変化膜207のみが結晶状態に変化し、相変化膜208,209は非晶質状態のままになっている。領域Bは、温度がTcgより高くTcbより低くなるように照射エネルギーを制御した結果、相変化膜207,208が結晶状態に変化している。また、領域Cは、温度がTcbより高くなるように照射エネルギーを制御した結果、3層の相変化膜207,208,209の全てが非晶質状態から結晶状態に変化している。
その結果、領域Aでは、保護基板105側から入射した白色光は奥側反射層218と相変化膜207の間で強く干渉し、短い波長で吸収、長い波長で反射する。反射スペクトルは800nm付近にピークが生じるため赤色を示す。強く干渉する層間の光路長DL(nm)がピーク波長付近にある場合、すなわちその間の層の平均屈折率Naと距離D(nm)の関係が、式(2)の場合、赤色または赤色に近い色を示す。光路長DL(nm)は式(1)に基づき算出される。
DL=2×Na×D (1)
本媒体の赤色の例では、DLr=2×2.3×(80+15+5+10+40)=690となった。
650≦DLr≦800 (2)
領域Bでは、保護基板105側から入射した白色光は奥側反射層218と相変化膜208の間で強く干渉し、350nm付近の短波長や700nm付近の長波長で吸収、450〜500nm付近の中間の波長域で反射する。反射スペクトルは480nm付近に反射ピークが生じるため緑色を示す。式(3)の場合、緑色または緑色に近い色を示す。本媒体の緑色の例では、DLg=2×2.3×(80+15+5)=460となった。
450≦DLg≦550 (3)
領域Cでは、保護基板105側から入射した白色光は奥側反射層218と相変化膜209の間で強く干渉することにより、長波長で吸収し、反射スペクトルは410nm付近に反射ピークが生じるため青色を示す。式(4)の場合、青色または青色に近い色を示す。本媒体の青色の例では、DLb=2×2.2×(80)=352となった。
350≦DLg≦430 (4)
また、領域Dは3層とも非晶質状態のままであり、弱い干渉はあるが、ほぼ可視光全域の波長で吸収や反射の違いがみられないため、反射スペクトルは特定の波長にピークを持たず、黒色を示している。
図3に、各領域における光学特性を示した。反射率ピークの現れる波長により、色が異なることがわかる。上記式(1)〜(4)で示した光路長DLの条件は、強く干渉する層の影響だけ考慮している。しかし、書き込み後の書き込み層の反射スペクトルは、強く干渉する層の影響だけでなく、その他の干渉の影響も含んでおり、光路長DLの条件と波長範囲がずれる。反射スペクトルにおけるピーク波長と色の関係は、ピーク波長が400nm以上520nm以下のとき青色、ピーク波長が480以上550nm以下のとき緑色、ピーク波長が700nm以上のとき赤色が強くなった。このように、エネルギー照射により原子配列が変化する膜のうち、所望数の膜の光学条件を変化させることにより、複数色での図形や文字の書き込みが行えることがわかった。
さらに、図4に示したように、ピーク反射率及び/または平均反射率が高いほど鮮やか、低いほど鈍く感じられ、特にピーク反射率が50%以上の場合鮮やかさが強く、30%以下の場合鈍く見える。
図5は、本発明による図形書き込み機能を有する光ディスク装置の一例を示す概略ブロック図である。なお、説明の便宜上、装置には光ディスク201が装着されている様子が示されている。情報を書き込みするためには光ディスク201は必須であるが、光ディスク201は必要に応じて光ディスク装置から取り外され、或いは取りつけられる。
光ディスク装置は、半導体レーザ311、光検出器312及び対物レンズ313を備えて光ディスク201の半径方向に移動可能な光ヘッド310、光ディスク201を回転駆動するモータ320、半導体レーザ311をパターン生成回路340にて生成されたパターンに従って駆動するレーザドライバ330、装置全体の制御を行うシステムコントローラ350、及びオペレーティングシステム360、アプリケーションソフト370、データ記録情報や図形書き込み情報を入力する入力手段380を備えている。なお、図示しないが、光ヘッド310にはオートフォーカスやトラッキングのために対物レンズ313の光軸方向位置及び光軸に垂直な方向の位置を制御するためのアクチュエータが設けられ、光ヘッド310による検出信号をもとにアクチュエータ駆動信号を発生するサーボコントローラが設けられている。
図形書き込み機能を有する光ディスク装置に光ディスクが取りつけられ、入力手段380を介してアプリケーションソフト370、オペレーティングシステム360等の上位コントローラから図形書き込みの指示及び書き込むべき図形の情報が送られてきた場合、システムコントローラ350は、光ヘッド310から発生されるレーザ光の焦点を光ディスク201の上の図形書き込み層の適切な位置に位置決めし、書き込みパターンに従ってレーザドライバ330を駆動して図形の書き込みを行なう。
図6に、本装置のヘッド部の概略図を示した。媒体201には、データを記録するためのデータ記録層102と図形などの視認情報を書き込むための図形書き込み層104が形成されている。実線1703は、データを記録・再生するためのデータ記録層102にフォーカスした際の光の経路を示し、点線1704は、その際の図形書き込み層104から漏れこむ光の経路を示している。
図形書き込み層104に文字や絵等を書き込んだ後も安定にデータ記録層からデータ再生が出来るように、本発明の光ディスク装置のヘッド部には、データの記録再生を行う際に図形書き込み層104からの光の漏れ込みを除去する機能が搭載されている。図6(a)及び図6(b)はその一例を示すものである。図6(a)に示すように、検出器の検出面を、中央部1705と周辺部1706に分割し、周辺部1706から得られる信号から漏れ込み量を演算し、それを中央部で受光した信号から差し引くことにより、図形書き込み層104からの光の漏れ込みの影響を除去する。具体例としては、中央部1705から得られる信号をIa,Ib,Ic,Id,周辺部1706から得られる信号をIe,If、Ig、Ihとしたとき、信号Iは、式(5)のように演算される。ここで、αは漏れ込み係数であり、信号品質が良くなるように選ぶことで漏れ込みの影響を除去できる。
I=(Ia+Ib+Ic+Id)-α×(Ie+If+Ig+Ih) (5)
ここでは簡単のため検出面を8分割としたが、本発明の媒体では、図形書き込み領域からの漏れ込みパターンは、領域がA〜Dのいずれかで異なることから、4種類あるため、精度良く除去するにはさらに4分割されていると良い。
図6(c)は、図形書き込み層104からの光の漏れ込みを除去する機構の別の例を示すものである。本例では、検出器312の手前に可動式の開口制限機構1708を設けている。開口時の信号は、データ層102からの信号1703に図形書き込み層104から漏れ込み成分1704がのっているが、制限時には、漏れ込み成分1704が制限される。開口条件と開口時と制限時の信号量差から、検出器に入る漏れ込みの影響を小さくするように開口条件を選び、除去する。開口パターンは、漏れ込みに応じて3段階以上設けるとさらに精度良く、影響を除去できるため好ましい。
図7は、装置全体の制御を行うシステムコントローラ350の説明図である。入力手段380からの入力信号は、アプリケーションソフト370、オペレーティングシステム360を経て、システムコントローラ350のファイルシステム411に渡され、デバイスドライバ412を経てバッファ420に蓄積される。図7中の波線410で囲んだアプリケーションソフト370、オペレーティングシステム360、ファイルシステム、及びデバイスドライバ412の機能はソフトウェアによって実現される。このソフトウェアは、データの記録・再生のみを行なう通常の光ディスク装置のソフトウェアと比べて“データ記録エリアと図形書き込みエリアを区別し管理する機能”が追加されている点が異なる。この“データ記録エリアと図形書き込みエリアを区別管理する機能”は、ファイルシステム411あるいはデバイスドライバ412が受け持つ。
本発明の図形書き込み機能を有する光ディスク装置は、ディスクの図形書き込み層/書き込み領域のフォーマットの種類ごとにセクタの配置情報と図形書き込み用座標との対応表をもつ、又は最初の書き込み時のフォーマット情報を作成する。
図8は、セクタの配置と図形書き込み用座標の関係の一例を示す説明図であり、この例によると、セクタ1101は座標(R105,T201)〜(R105,T210)に対応し、セクタ1102は座標(R105,T211)〜(R105,T220)に対応する。図形書き込み用のデータに基づく図形は、この図形書き込み用座標に展開された上で光ディスク上のセクタに対応づけられ、それをもとにしてレーザ駆動用のパターンが生成される。
次に、光ディスクの記録面に文字、図形、あるいは絵を書き込む場合の処理例について説明する。ここでは、光ディスクに画像データ等のデータと、そのインデックスとしてキーボード等から入力した文字を視認可能な形で書き込む例について説明する。インデックスデータは、使用者が入力してもよいし、画像等の記録データに付属したデータでもよいし、システムで決められたデータでもよい。写真等の画像データを例にとると、画像のタイトル、日時、代表的な写真の一部などをインデックスとして書き込むことが可能である。例えば図9に示したように、図形書き込み層に画像701とともにそのタイトル702を視認可能な文字として書き込み、その後又はその前に画像データをデータ記録層に記録することも出来る。この他、インデックスではなく、単にユーザの選んだタイトルや画像を書き込むような使用法も可能である。
図10は、光ディスクに視認可能な図形の書き込みを行なう場合の処理例を示すフローチャートである。ディスクを投入/装置電源投入すると、始めに図形書き込み可能なディスクかどうかの判別処理を行なう(ステップ11)。ROMディスク、装置の規格外のディスク等が投入された場合、書き込み可能でないとしてエラー処理を行なう(ステップ12)。ディスクが図形を書き込み可能であれば、次にディスク種別の判別処理を行なう(ステップ13)。ディスク種別の判別処理では、図8にて説明したように図形書き込み用座標と光ディスクのセクタ配置との対応付けを行う。次に、図形書き込みデータを入力する(ステップ14)。データが入力されると、書き込み準備(ステップ15)を経て図形データの書き込みが行われる(ステップ16)。図形書き込み処理が終了した後、さらに入力データがあればステップ17からステップ14に戻って処理を反復し、入力データがなければ処理を終了する。
図11を用いて、書き込み工程を詳しく説明する。書き込み開始になると、上位装置から図形書き込み用の図形データを読み込む(ステップ21)。次に、読み込んだ図形データを書き込み用座標系に展開し(ステップ22)、前記図形データを基本色ごとに色データを分離する(ステップ23)。前記書き込み用座標系を光ディスク上の座標に変換し(ステップ24)、前記ディスク上の座標に展開された形状データと色データに基づいてトラック毎のレーザ駆動パターンを生成する(ステップ25)。レーザ駆動パターンは基本色ごとにレーザ照射エネルギーが異なり、かつ色の彩度や色相に応じて照射エリアの面積が変るように生成される。さらに、前記レーザ駆動パターンに基づいてレーザ光源を駆動し、光パルスを光ディスクの前記図形書き込み層に照射し(ステップ26)、光ディスクへの視認可能な図形書き込みが行われる。このなかで、ステップ22とステップ23の順番は、入れ替えても書き込みは行えるが図11に記載した順番の方が処理が早い。
図形書き込み準備及び書き込み処理は、システムコントローラ350の制御下に行われる。図形書き込み準備とは、光ディスク上の図形書き込み位置への光ヘッドの移動、書き込み内容及び書き込み色調を符号化し、書き込み手段へ伝達する処理である。図7に示したように、システムコントローラ350に書き込み内容と光ディスクへの書き込み始めの場所等を示したアドレス情報を含む入力信号が送られると、バッファ420にその情報が蓄えられ、コントローラ440に送られる。コントローラ440では同期回路430から出力される同期信号とバッファ420からの入力信号を、タイミングを合わせて符号器450へ送る。
図12は、符号器450における処理の詳細を示す説明図である。キーボードから入力された図形書き込みデータ(図示の例では文字“H”)はフォントサイズ情報を追加された後、図形書き込み用座標に展開され、ディスク上に設定された実際の図形書き込み座標への変換が行なわれる。例えば、“H”はX座標軸には1〜20、Y座標軸には1〜20に展開される。この中の(X5,Y5)、(X5,Y6)、(X5,Y7)にあたるエリアに書き込みが行なわれる。この書き込み情報と図8に示したようなセクタと図形書き込み座標の対応表に基づき、図形書き込みパターンが形成される。図示した例の場合は、ディスク上の図形書き込み座標の書き込み開始点(R101,T101)を図形書き込み用座標の(X1,Y1)に対応させるため、(X5,Y5),(X5,Y6),(X5,Y7)はそれぞれ,(R105,T105),(R105,T106),(R105,T107)に変換される。
図13は、図形書き込み用座標とその上に展開された文字“H”の拡大図である。変換後に(R117,T105)となる領域(X17,Y5)は、図13の下方に拡大して示したように、複数の結晶領域から形成されている。ここでは簡略化のために、8トラックで形成してあるが、実際視認されるためには、図形書き込み用座標の一つの座標点で示されたエリアは約0.01mm×0.01mm以上の面積が必要とされるため、例えばトラック幅が約0.6μm幅の光ディスクの場合には、約17トラック以上、長さ0.01mm以上に対応づける必要がある。0.01mm×0.01mm以上の領域の形状は正方形でも、長方形でも、台形、六角形、三角形でもまたそれらに近い形状でもよい。また、書き込まれた図形が視認可能であるためには、幅約0.01mm×0.01mm以上の領域に可視波長(350〜800nm)のいずれかで周囲に比較して5%以上の反射率変化を生じさせることが必要である。反射率変化は、領域内の平均反射率をいう。反射率変化を生じている領域の面積が小さくても、反射率変化が少なくても書き込まれた図形を視認することは困難であった。
図14は、書き込み波形の生成についての説明図である。システムコントローラ350の符号器450では、セクタと図形書き込み座標の対応表に基づき、図形書き込み座標に展開された図形をもとに、記録順に従いトラックごとに同期信号に対応してタイミングをとった基本書き込みパターンが形成される。図14には、ディスク上の図形書き込み座標(R105,T105)に対応する書き込みパターンを例示的に示した。パターン生成回路340では、これに色相に応じた書き込みパターンを追加して最終的な書き込み波形を生成し、バッファに蓄える。色相については後述する。
図5を参照すると、パターン生成回路340から出力された書き込み波形によってレーザドライバ330を駆動することにより、半導体レーザ311が発光し、光ヘッド310から書き込むべき情報に応じて時間的に変調されたレーザ光が光ディスク201に照射され、光ディスク201上に文字や絵からなる図形が書き込まれる。半導体レーザ311の駆動電流は光ヘッド310の周方向の同期信号又は書き込みクロック基本波に同期して変化される。
ここで、色相について説明する。図15は、図1の一つの要素中のレーザ光を変調して光ディスクの結晶状態の記録膜801を結晶化(802)した様子を示したものである。これらの図15(a)〜(c)に対応したパワーレベル(記録波形)を、図16(a)〜(c)に示した。図16(a)、図16(b)、図16(c)の順に照射レーザ光のパワーレベルが大きくなっている。こうして、各レベルの高いパワーを光ディスクの記録膜に照射して記録膜を結晶化すると、図15に示されるように、複数の色の異なる結晶化領域が形成され、視認できるようになる。図15(d)は、図16(b)と図16(a)のパワーレベル(記録波形)を記録列ごとに交互に組合せることにより、記録膜を結晶化する。この場合、肉眼ではこのような細かい色の分布は判別できず、両者の中間色に呈して見える。図15(e)、図15(f)も同様に、複数のパワーレベルを記録列ごとに変え、中間色をつくりだす例である。色の色相は、ほぼ面積に比例するため、図15(f)の場合は、面積の広い緑に近い、緑と赤の中間色を呈する。
このように、本発明によると複数色の図形や記号の書き込みを行うことが出来た。これにより、単色の場合に比べ、色情報が加わったため、識別しやすさが格段に向上した。また、カラーバーコード用のコードが書き込めるなどのメリットもある。さらに、3色の間の色も使用できるように図形書き込み層の相変化膜を増やせば、色の微妙な組合せも可能となり、より美しさが増すが、媒体の構成、書き込み時のエネルギー制御は、より複雑になる。このうちの、2色の組合せにすれば、フルカラーには出来ないが、構成がさらに簡単になる。
上記の例では、表面に直接、トラッキング用の溝を有するポリカーボネート基板を用いているが、トラッキング用の溝を有する基板とは、基板表面全面又は一部に、記録・再生波長をλとしたとき、λ/15n(nは基板材料の屈折率)以上の深さの溝を持つ基板である。溝は一周で連続的に形成されていても、途中分割されていてもよい。溝深さが約λ/12nの時、トラッキングとノイズのバランスの面で好ましいことがわかった。また、その溝幅は場所により異なっていてもよい。溝部とランド部の両方に記録・再生が行えるフォーマットを有する基板でも、どちらか一方に記録を行うフォーマットの基板でも、間歇的にトラッキング用サーボマークを設けたサンプルサーボフォーマットの基板でもよい。
記録・再生光を張り合わせ基板側から入射させる場合、張り合わせ基板を0.1mm程度に薄くして、絞込みレンズのNAを0.85と大きくしても良い。そうすればトラックピッチは約3/4程度にできる。
本発明の別の実施例として、電圧層選択型の図形書き込み層を有する光ディスクを用いた視認図形の書き込み例について説明する。
図17(b)に、本実施例で用いる光ディスクの図形書き込み層の部分の断面模式図を示す。図形書き込み層は、反射率のピーク波長が各々異なる3種類のエレクトロクロミック層1010,1014,1018と、それに給電する透明電極層1009,1011,1013,1015,1017,1019を有する。電極間に透明な絶縁層1012,1016を設けたが、絶縁層を省略して、電極1011と1013、電極1015と1017を共通化してもよい。この他、本媒体はデータ記録層1022、スペーサ層1020、基板1008を有する。
ここでは、一例として、エレクトロクロミック層1010にCu−V膜を、エレクトロクロミック層1014にAu−V膜を、エレクトロクロミック層1014に WO膜を用いた。エレクトロクロミック層1010,1014,1018は電圧を印加しない状態では透明であり、電圧を印加すると反射率と透過率にピーク波長の違いを反映して、それぞれ赤色、緑色、青色に着色して見える。
エレクトロクロミック層の場合は、透過率が大きいため、反射率成分Rと透過率成分Tを合わせた、合成スペクトルのピークが異なって見える。実施例1では、図3、図4で反射率として説明したが、これを反射率の透過率の合成スペクトルに置き換えた場合、ピーク波長と色の関係は同様である。
書き込み時には、給電機構1005,1006,1007により電極層間に反射率変化を起こす最適電圧を給電し、所望のエレクトロクロミック層を着色させて、レーザ1021を照射する。最適電圧は、電圧印加、停止を繰り返した際に、着色、消色の状態が可逆的に生じる範囲の電圧のことを言う。ここでは、1.5から6Vの範囲が最適電圧であった。
このように、図形書き込みに当たっては、選択したエレクトロクロミック層に給電機構から給電して電圧印加し、反射率が高くなったのち、エネルギー照射を行う。これにより、図形書き込み層に色が着かない領域が形成される。3種類のエレクトロクロミック層1010,1014,1018に対して、各層ごとに順に電圧印加し、書き込みを繰り返すことにより、複数色用の図形書き込みを行う。こうして、同時に電圧印加することにより、3色の領域が視認できた。
図18は、図形書き込みを行う手順を示すフローチャートである。エレクトロクロミック層を有する図形書き込み層に視認可能な図形を書き込むにあたっては、まず上位装置から図形書き込み用の図形データを読み込む(ステップ31)。次に、読み込んだ図形データから基本色ごとに形状データと色データを分離する(ステップ32)。次に、読み込んだ図形データを書き込み用座標系に展開し(ステップ33)、書き込み用座標系を光ディスク上の座標に変換する(ステップ34)。そして、ディスク上の座標に展開された形状データと色データに基づいてトラック毎のレーザ駆動パターンを生成する(ステップ35)。具体的には、エレクトロクロミック層が3層ある場合は、第1のエレクトロクロミック層に振り分けられた形状データに基づいて第1のエレクトロクロミック層に対するトラック毎のレーザ駆動パターンを生成し、第2のエレクトロクロミック層に振り分けられた形状データに基づいて第2のエレクトロクロミック層に対するトラック毎のレーザ駆動パターンを生成し、第3のエレクトロクロミック層に振り分けられた形状データに基づいて第3のエレクトロクロミック層に対するトラック毎のレーザ駆動パターンを生成する。レーザ駆動パターンは、基本色ごとにレーザ照射エネルギーが異なり、かつ色の彩度や色相に応じて照射エリアの面積が変るように生成される。
次に、nを1として、第n層のエレクトロクロミック層に電圧印加し(ステップ36)、第nのエレクトロクロミック層に対するトラック毎のレーザ駆動パターンに基づいてレーザ光源を駆動し、光パルスを光ディスクの前記図形書き込み層に照射する(ステップ37)。エレクトロクロミック層が3層ある場合は、nは1,2,3となり、ステップ36とステップ37を繰返し行い、各層に書き込みを行う。ステップ38では、書き込みを行った層をカウントし、全ての層への書き込みが終了したら、処理を終了する。ステップ36の電圧印加工程では、別の層に電圧が印加されている場合は、その層への電圧印加を停止したのち当該層へ電圧を印加、または、電圧印加されている層へ逆電圧をかけてから電圧印加を停止し、当該層へ電圧を印加することによって層切替えを行う。
図17(a)に電圧層選択型の図形書き込み層を有する光ディスクへの書き込みを行った例を示す。電圧を印加すると赤色に着色するエレクトロクロミック層1010に対しては領域1001を残して残りの領域にレーザ照射した。同様に、電圧を印加すると緑色に着色するエレクトロクロミック層1014に対しては領域1002以外の領域にレーザ照射し、電圧を印加すると青色に着色するエレクトロクロミック層1018対しては領域1003以外の領域にレーザ照射した。
この光ディスクの図形書き込み層は、電圧を印加していない状態では無色であるが、給電機構1005,1006,1007から3種類のエレクトロクロミック層1010,1014,1018に同時に電圧印加すると視認可能な多色の図形が現れる。すなわち、エレクトロクロミック層1010のうちレーザ照射されていない領域1001は赤色に着色し、エレクトロクロミック層1014のうちレーザ照射されていない領域1002は緑色に着色し、エレクトロクロミック層1018のうちレーザ照射されていない領域1003は青色に着色する。膜厚方向に重なり合う3種類のエレクトロクロミック層1010,1014,1018が全てレーザ照射された領域1004は、電圧を印加しても無色のままである。こうして3色のドットによって描かれた視認可能な多色図形が出現する。
電圧層選択型の図形書き込み層を有する光ディスクを用いて、電圧を印加しなくても図形書き込み層に書き込んだ文字や図形を見えるようにすることも可能である。そのためには、上記のようにして視認可能な多色図形を書き込んだ後、エレクトロクロミック層1010,1014,1018に、最適電圧より2V以上高い電圧を5分以上継続して印加する。これにより、エレクトロクロミック層1010,1014,1018に非可逆的な変化が生じ、電圧を切った後も、着色領域に色が残った状態を保つことが出来、エレクトロクロミック層1010,1014,1018に電圧を印加しなくとも、図形書き込み層に書き込んだ多色図形を視認することができるようになる。
WO3、Au−V25、Cu−V25に代わるエレクトロクロミック材料としては鉄のシアン化物であるプルシャンブルー(KxFeII yFeIII z(CN)6),MoO3,Nb25,V25,TiO2,NiOOH,CoOOH,Rh23,IrOx(xは1未満の正の数)、ZrNCl,InN,SnN(xは1未満の正の数)、MnO(xは2未満の正の数),WO3−MoO3複合(混合)薄膜なども使用可能である。これらにAu、Ag,Cuなどを添加したもの、IrSnOx、NiOOH,CoOOH、タングステンシュウ酸錯体、有機物系エレクトロクロミック材料、無機と有機の混合系エレクトロクロミック材料も用いることが出来る。基本色に合ったものを選び使用すれば良い。これらの材料は保護層としても用いることもできる。
ここで特に触れなかった書き込み方式、媒体構成、材料、情報記録方法及び情報再生方法、装置等については、実施例1と同様である。
次に、本発明の別の実施例として、電圧層選択型の図形書き込み層を有する光ディスクにおいて電極数が少ない例について説明する。
図19に、電圧層選択型の図形書き込み層を有する光ディスク1801の構造と、図形書き込み層への図形書き込みを行った例を示した。図形書き込み層は、反射率ピークが異なる3種類のエレクトロクロミック層1803,1804,1805とそれに給電する電極層1802,1807、及び電解質層1806から形成されている。3層のエレクトロクロミック層1803,1804,1805と電解質層1806とは積層され、それを一対の電極層1802,1807で挟んだ構造である。エレクトロクロミック層1803にはWO3膜、エレクトロクロミック層1804にはMoO3膜、エレクトロクロミック層1805にはTiO2膜、電解質層にはTa25膜、電極層にはITO膜を用いた。トラッキング用の溝又はパターンを有する保護基板1811上に形成された上記図形書き込み層と、別途トラッキング用の溝又はパターンを有する基板1810上に形成されたデータ記録層1809とは、スペーサ層1808を介して貼り合わされて光ディスク1801が構成されている。
図形書き込み層への図形書き込み時には、給電機構により電極層1802,1807間にエレクトロクロミック層が反射率変化を起こす最適電圧を給電し、レーザ照射を行う。最適電圧は、電圧印加、停止を繰り返した際に、着色、消色の状態が可逆的に生じる範囲の電圧のことを言う。ここでは、1.5から6Vの範囲が最適電圧であった。電極層1802,1807間に印加する電圧を選択することによって、3種類のエレクトロクロミック層1803,1804,1805のちの1つを選択的に着色させることができる。
図形書き込み時に、図形書き込み層用電極層1802,1807に電圧印加し、所望のエレクトロクロミック層の反射率が高くなったのち、エネルギー照射を行った。このタイプの図形書き込み層は、書き込みをしていない場合は、透明である。これにより、エレクトロクロミック膜の熱変化により図形書き込み層に色が着かない領域が形成される。熱変化の起こる温度は、エレクトロクロミック膜ごとに異なり、エレクトロクロミック層1803は805℃、エレクトロクロミック層1804は860℃、エレクトロクロミック層1805は970℃であった。このように、各層を形成する膜の変化温度が異なる関係にあると、レーザパワーと時間の制御により、各層を非晶質化状態か結晶状態にコントロールできる。このようにし、数色用の書き込みが行えた。その後、同時に電圧印加することにより、3色の領域が視認できた。
なお、本実施例においても、電圧を印加しなくても図形書き込み層に書き込んだ文字や図形を見えるようにすることも可能である。そのためには、視認可能な多色図形を書き込んだ後、エレクトロクロミック層1803,1804,1805に、最適電圧より2V以上高い電圧を5分以上継続して印加する。これにより、電圧を切った後も、着色領域に色が残った状態を保つことが出来、エレクトロクロミック層1803,1804,1805に電圧を印加しなくとも、図形書き込み層に書き込んだ多色図形を視認することができるようになる。
ここで特に触れなかった書き込み方式、媒体構成、材料、情報記録方法及び情報再生方法、装置等については、実施例1と同様である。
図20は、本発明による光ディスクの他の構成例、及びその光ディスクの図形書き込み層に書き込みを行った例を示す模式図である。
本実施例の光ディスク201は、データ記録層102と図形書き込み層104を備える。図形書き込み層104は、同じ融点を有する3層の相変化膜1607,1608,1609、保護層1614,1615,1616,1617、光入射側反射層1613、奥側反射層1618を有する。各相変化膜は上下の保護層に挟まれている。
この光ディスク201は、次のようにして作製された。トラッキング用の溝又はパターンを有する基板101上に、ZnS−SiO2、Ge−Sb−Te、ZnS−SiO2からなるデータ記録層102を形成した。一方で、トラッキング用の溝又はパターンを有する保護基板105上に、Ag−Pd−Cuからなる奥側反射層1618、SnO2からなる保護層1617、Ge5Sb70Te25からなる相変化膜1609、SnO2からなる保護層1616、Ge5Sb70Te25からなる相変化膜1608、SnO2からなる保護層1615、Ge5Sb70Te25からなる相変化膜1607、SnO2からなる保護層1614、Ag−Pd−Cuからなる光入射側反射層1613を順次形成した。その後、スペーサ層103を介して両者を貼り合わせて組み立て、光ディスク201を作製した。相変化膜1607,1608,1609の融点は560℃、結晶化温度は220℃であった。
この媒体は、保護層が熱伝導率の高い材料で形成されているため、熱の伝導に差が生じ、光入射側へ行くほど熱が広がり、結晶化される領域が狭くなるという特徴がある。このため、相変化膜の組成が同じでも、レーザパワーと時間を制御することにより、非晶質状態(1607,1608,1609)から結晶状態(1610,1611,1612)へ変化を生じさせることが出来る。
図20に示した、図形書き込み層104に書き込みを行った後の光ディスクでは、レーザパワーと照射時間を制御することにより、要素領域毎に所望の相変化膜1607,1608,1609を非晶質状態から結晶状態1610,1611,1612へ変化させている。例えば、図形書き込み層104の領域Aは、温度が低くなるように照射エネルギーを制御した結果、光入射側にある相変化膜1607のみが結晶状態に変化し、相変化膜1608,1609は非晶質状態のままになっている。領域Bは、温度がさらに高くなるように照射エネルギーを制御した結果、相変化膜1607,1608が結晶状態に変化している。また、領域Cは、温度が一番高くなるように照射エネルギーを制御した結果、3層の相変化膜1607,1608,1609の全てが非晶質状態から結晶状態に変化している。
その結果、領域Aでは、保護基板105側から入射した白色光は奥側反射層1618と相変化膜1607の間で強く干渉し、短い波長で吸収、長い波長で反射する。反射スペクトルは800nm付近にピークが生じるため赤色を示す。領域Bでは、保護基板105側から入射した白色光は奥側反射層1618と相変化膜1608の間で強く干渉し、350nm付近の短波長や700nm付近の長波長で吸収、450〜500nm付近の中間の波長域で反射する。反射スペクトルは480nm付近に反射ピークが生じるため緑色を示す。領域Cでは、保護基板105側から入射した白色光は奥側反射層1618と相変化膜1609の間で強く干渉することにより、長波長で吸収し、反射スペクトルは410nm付近に反射ピークが生じるため青色を示す。また、領域Dは3層とも非晶質状態のままであり、弱い干渉はあるが、ほぼ可視光全域の波長で吸収や反射の違いがみられないため、反射スペクトルは特定の波長にピークを持たず、黒色を示している。 ここで特に触れなかった書き込み方式、媒体構成、材料、情報記録方法及び情報再生方法、装置等については、実施例1と同様である。
本発明による光ディスクの構成例を示す模式図。 光ディスクへの視認図形書き込み方法と、書き込まれた図形の視認方法を示す概略図。 図形書き込みされた媒体の各領域の光学特性を示す図。 図形書き込みされた媒体の彩度の異なる領域における光学特性を示す図。 図形書き込み機能を有する光ディスク装置の一例を示す概略ブロック図。 書き込み装置のヘッド部の概略図。 システムコントローラの説明図。 セクタの配置と図形書き込み用座標の関係の一例を示す説明図。 図形書き込みを行ったディスクの例を示す図。 本発明による書き込み処理例を示すフローチャート。 書き込み工程の例を示すフローチャート。 符号器における処理の詳細を示す説明図。 図形書き込み用座標とその上に展開された文字の拡大図。 書き込み波形の生成についての説明図。 色相について説明する要素内の拡大図。 書き込み波形例を示す図。 電圧層選択型の図形書き込み層を有する光ディスクの書き込み例を示す図。 図形書き込みを行う手順を示すフローチャート。 図形書き込みを行った光ディスクの概略図。 図形書き込みを行った光ディスクの概略図。
符号の説明
101:基板、102:データ記録層、103:スペーサ層、104:図形書き込み層、105:保護基板、106:レーザ光、201:光ディスク、207,208,209:相変化膜、213:光入射側反射層、214,215,216,217:保護層、218:奥側反射層、310:光ヘッド、311:半導体レーザ、312:光検出器、313:対物レンズ、1005〜1007:給電機構、1009:透明電極層、1010:エレクトロクロミック層、1011:透明電極層、1012:絶縁層、1013:透明電極層、1014:エレクトロクロミック層、1015:透明電極層、1016:絶縁層、1017:透明電極層、1018:エレクトロクロミック層、1019:透明電極層

Claims (11)

  1. データを記録するためのデータ記録層と、
    視認可能な図形を書き込むための図形書き込み層とを有し、
    前記図形書き込み層は、反射膜と、前記反射膜に対して前記データ記録層と反対側の領域に保護膜を介して形成された複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜とを備え、
    光照射によって前記データ記録層へのユーザデータの記録又は前記図形書き込み層への視認可能な図形の書き込みが行われることを特徴とする光ディスク。
  2. 請求項1記載の光ディスクにおいて、前記複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜はそれぞれ異なる温度で変化を起こすことを特徴とする光ディスク。
  3. 請求項2記載の光ディスクにおいて、前記複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜は光入射側に近い層ほど低い温度で変化を起こすことを特徴とする光ディスク。
  4. 請求項1記載の光ディスクにおいて、前記複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜は同じ融点を有することを特徴とする光ディスク。
  5. 請求項1記載の光ディスクにおいて、前記図形書き込み層への図形書き込みは、光照射によって前記複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜のうちの所望数の膜の光学条件を変化させることにより行うことを特徴とする光ディスク。
  6. 請求項1記載の光ディスクにおいて、前記データ記録層は前記図形書き込み層に対して図形書き込み光の入射側に設けられていることを特徴とする光ディスク。
  7. 請求項1記載の光ディスクにおいて、前記図形書き込み層に書き込まれた図形は多色図形として視認されることを特徴とする光ディスク。
  8. ユーザデータを記録するデータ記録層と、一対の反射膜に挟まれた領域に保護膜を介して複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜が形成された図形書き込み層とを備える光ディスクに視認可能な図形を書き込む方法であって、
    上位装置から図形書き込み用の図形データを読み込む工程と、
    読み込んだ図形データを書き込み用座標系に展開する工程と、
    前記図形データを基本色ごとに色データを分離する工程と、
    前記書き込み用座標系を光ディスク上の座標に変換する工程と、
    前記光ディスク上の座標に展開された形状データと色データに基づいてトラック毎のレーザ駆動パターンを生成する工程と、
    前記レーザ駆動パターンに基づいてレーザ光源を駆動し、光パルスを光ディスクの前記図形書き込み層に照射する工程と
    を含むことを特徴とする光ディスクへの視認可能な図形書き込み方法。
  9. 請求項記載の視認可能な図形書き込み方法において、前記図形書き込み層へのエネルギー照射は、前記データ記録層を透過して行われることを特徴とする視認可能な図形書き込み方法。
  10. 請求項記載の視認可能な図形書き込み方法において、前記基本色の数と前記図形書き込み層に形成された複数層のエネルギー照射により結晶状態と非晶質状態との間で相変化する膜のうち状態変化が生じる膜の数とが対応していることを特徴とする視認可能な図形書き込み方法。
  11. 請求項記載の視認可能な図形書き込み方法において、前記色データに応じて前記レーザ光源から発生するレーザ光のパワーレベルを変化させることを特徴とする視認可能な図形書き込み方法。
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