JP4430869B2 - 宿主細胞の分離した生産及び異化経路 - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
連邦政府の委託研究の下でなされた発明の権利の陳述
本発明はアメリカ合衆国商務省によって授与された授与番号70NANB5H1138に基づいてアメリカ合衆国政府の支援の下でなされたものである。合衆国政府は本発明において権利の一部を有する。
技術分野
本発明は宿主細胞の代謝経路の工学技術に関し、宿主細胞における生成物の生成に関する方法及びシステムを提供するものである。特に、本発明は分離した生産及び異化経路を有するように遺伝子組換えされた宿主細胞における生成物を生成する方法を提供する。
背景技術
宿主炭水化物代謝、すなわち解糖の初期段階において、各グルコース分子が細胞質ゾル中2つのピルビン酸化合物分子に変換される。グルコースをピルビン酸化合物に変換する化学反応はエムデン・マイエルホーフ経路と呼ばれる。初期炭水化物と最終生成物であるピルビン酸化合物の間における代謝中間物の全てはリン酸化合物である。また、炭水化物酸化の最終段階であるクエン酸回路は細胞質ゾル中に起こる一連の複雑な反応である。エムデン・マイエルホーフ経路及びクエン酸回路における反応は、NADのNADH分子への還元及びATPの生成と同時に、結果として炭水化物分子をCO分子に変換する。
中心となる代謝ルートはNADHまたはNADPHを生成する。一般にNADPHは生合成反応において利用され、NADHは2通りの方法で素早く再酸化される:
(1)有機代謝生成物の直接還元による醗酵経路において。
(2)呼吸鎖から最終電子受容体への電子伝達による呼吸器官工程において。この受容体は通常Oであるが、硝酸塩や硫酸塩などの生産性イオンの場合もある。全ての呼吸器官工程でATPが発生する。いくつかの細菌は細胞外で基質を酸化する能力を有し、L−ソルボース、D−グルコン酸塩、ケト−グルコン酸塩等のような有用な酸化生成物を生成する。このような酸化反応は、不完全な基質酸化に関与して成長培地中に大量のそれによる酸化生成物の蓄積を伴うので、生産醗酵という。酸化反応は微生物の呼吸鎖に結合する(Bacterial Metabolism 第2版(1985)Springer−Verlag、ニューヨーク)。
腸内細菌科及びビブリオ科に属する細菌のようなエムデン・マイエルホーフ経路を通じてグルコースを醗酵させる細菌は、BouvetらのInternational Journal of Systematic Bacteriology、39:61−67(1989)に記載されている。エルビニア属におけるケトアルドン酸の代謝経路はTruesdellらのJournal of Bacteriology、173:6651−6656(1991)に記載されている。
解糖に関与する酵素に変異を有する宿主細胞も既に説明されている。グルコキナーゼに変異を有する酵母はHarrodらのJ.Ind.Microbiol.Biotechnol.18:379−383(1997);WedlockらのJ.Gen.Microbiol.135:2013−2018(1989);及びWalshらのJ.Bacteriol.154:1002−1004(1983)に記載されている。グルコキナーゼが欠損した細菌も既に説明されている。グルコキナーゼが欠損したペディオコッカス属は特開平4−267860号に記載されている。グルコキナーゼ欠損バチルス・スフェリクスはRussellらのAppl.Environ.Microbiol.55:294−297(1989)に記載されている。グルコキナーゼ欠損ペニシリウム・クリソゲナムはBarredoらのAntimicrob.Agents−Chemother32:1061−1067(1988)に記載されている。ザイモモナス菌のグルコキナーゼ欠損変異体はDiMarcoらのAppl.Environ.Microbiol.49:151−157(1985)に記載されている。
多くの細菌は、そのリン酸化へ炭素源の輸送をつなぐホスホトランスフェラーゼ・トランスポート・システム(PTS)として知られる活性輸送系を有する。この系において、ホスホリル基はホスホエノールピルビン酸塩(PEP)から酵素I、及び酵素Iからタンパク質HPrに連続して輸送される。実際の転座段階は膜結合酵素(酵素IIとする)の系統によって触媒され、これらの各々は1または数種の炭素源に特異的である。PTSが炭素源をリン酸化するためにPEPを消費すること、及びPEPが多くの生合成反応において使用される中心的な代謝産物であることを考慮すれば、炭素源を所望の生成物に転換する効果を減少させる可能性がある。この輸送系は、ParkerらのMol.Microbiol.15:795−802(1995)に記載されているように異種起源またはFloresらがNat.Biotechnol.14:620−623(1996)で報告したように同種起源のパーミアーゼ及びグルコキナーゼによって置換される。これら2例の両方において、グルコース輸送及びリン酸化のためのPTS系の機能はグルコースパーミアーゼ及びグルコキナーゼ活性によって置換される。
L−アスコルビン酸;1,3−プロパンジオール;グリセロール;D−グルコン酸;芳香族アミノ酸;3−デオキシ(deozy)−D−アラビノ−ヘプツロン酸7−リン酸(DAHP);及びカテコールの中間体などは遺伝子改変宿主細胞において生物触媒的に生成される生成物として関心が持たれている。
L−アルコルビン酸(ビタミンC、ASA)は医薬品及び食料品業界においてビタミン及び酸化防止剤としての使用が見出されている。ASAの合成は、かなり大きな市場であること、及び特製薬品としての高い価値のため何年間も相当の注目を受けている。
ライヒシュタイン−グラスナー法、すなわちグルコースからASAへの化学合成経路は1934年に最初に開示された(Helv.Chim.Acta17:311−328)。Lazarus et al.(1989、“Vitamin C:Bioconversion via a Recombinant DNA Approach”、Genetics and Molecular Biology of Industrial Microorganisms、米微生物学会、ワシントンD.C.、C.L.Hershberger編)は、ASAに化学的に変換できるASA、2−ケト−L−グロン酸(2−KLG、KLG)の中間体の生成のための生物変換法を開示している。炭素源からKLGへのこの生物変換は種々の中間体を伴い、酵素プロセスは共同因子依存2,5−DKGレダクターゼ活性(2,5−DKGRまたはDKGR)に関連する。
多くの細菌種はDKGRを含むことがわかっており、特にコリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属及びアルスロバクター属などのコリネ型細菌である。コリネバクテリウム属株SHS752001から得たDKGRはGrindley et al.(1988、Applied and Environmental Microbiology 54:1770−1775)に記載されている。植物葉腐細菌(Erwinia herbicola)由来のDKGRはAndersonらの米国特許第5,008,193号に開示されている。その他の還元酵素は米国特許第5,795,761号;5,376,544号;5,583,025号;4,757,012号;4,758,514号;5,004,690号;及び5,032,514号に開示されている。
1,3−プロパンジオールはポリエステル繊維の生成及びポリウレタン及び環式化合物の製造における中間体である。1,3−プロパンジオールの生成は米国特許第6,025,184号及び第5,686,286号に記載されている。1,3−プロパンジオールはグリセロールの醗酵によって生成できる。グリセロールの製造はWO99/28480及びWO98/21340において記載されている。
D−グルコン酸及びその誘導体は織物漂白剤及び洗剤として商業的に使用されてきた。グルコキナーゼ活性を欠損しており、高いグルコース・デヒドロゲナーゼ活性を有するバチルス種におけるD−グルコン酸の生成はWO92/18637に記載されている。
アミノ酸のアスパラギン酸塩系統の生成は米国特許第5,939,307号に記載されている。リボフラビン(ビタミンB2)の生成はWO99/61623に記載されている。
多くの環式及び芳香族代謝生成物はチロシン、トリプトファン及びフェニルアラニンを含むDHAPから得られる。DAHPの生成は米国特許第5,985,617号に記載されている。カテコールは医薬、農薬、調味料、香料及び重合防止剤の合成のための出発物質である。カテコールの生成は米国特許第5,272,073号に記載されている。
しかしながら、これらの生成方法に関連する問題が依然として残っている。このような問題の1つは所望の生成経路から異化経路への炭素基質の流用である。このような流用は所望の生産経路生成物への変換のための有用な炭素基質物質の損失、及び異化経路での使用のための基質の輸送またはリン酸化に伴い、結果としてのエネルギーコスト、ATPまたはNADPHの損失となる。
宿主細胞により生成物を生成することの利点はあるにしても、所望の生成物生成に使用するための宿主細胞の改善の必要性が依然として残っている。本発明はこの必要性に取り組むものである。
概要
生成の全過程またはその一部において生産及び異化経路が分離したものとなるように遺伝子的に改変された組換え宿主細胞において生成物を生成するための方法を提供する。本発明はまた、生成の間分離され、または調節できる、生産経路及び/または異化経路を含むように遺伝子的に改変された組換え宿主細胞及びそれらの調整方法も提供する。
従って、本発明は組換え宿主細胞において生成物を生成するための方法を提供し、前記生成物の生成に適した条件において炭素源の存在下前記生成物を生成できる宿主細胞を培養することを含み、前記宿主細胞は生産経路及び異化経路を含み、両経路は前記培養の全過程またはその一部の間において分離されている。いくつかの実施形態において、生産経路及び異化経路は前記培養の全過程において分離されている。いくつかの実施形態において、生成される生成物は生産経路または宿主細胞の構成成分である。他の実施形態において、生成される生成物は宿主細胞の異化経路の構成成分である。別の実施形態において、生成される生成物は組換えにより宿主細胞に導入された核酸によってエンコードされる。
いくつかの実施形態において、生産経路は宿主細胞膜中にある。別の実施形態において、異化経路は細胞内にある。さらに別の実施形態において、生産経路及び異化経路は前記炭素源の最初のリン酸化段階において分離している。さらに別の実施形態において、生産経路及び異化経路は炭素代謝生成物のリン酸化段階において分離している。
さらに別の実施形態において、生産経路及び異化経路の分離は炭素源及び/または炭素代謝生成物を培養中リン酸化する少なくとも1つの酵素活性の阻害を含む。他の実施形態において、生産経路及び異化経路の分離は炭素源及び/または炭素代謝生成物を培養中の全過程またはその一部の間リン酸化する少なくとも1つの酵素活性の不活性化を含む。
別の実施形態において、宿主細胞は異化経路と生産経路を結合する酵素活性をエンコードするポリヌクレオチドの全部または一部において欠失または変異を含む。さらに別の実施形態において、宿主細胞は、炭素源及び/または炭素代謝生成物をリン酸化する酵素活性のためのコードが欠如している少なくとも1つのポリヌクレオチドを含み、ここでポリヌクレオチドは調節プロモーターに動作可能に結合する。
いくつかの実施形態において、低減または不活性化される酵素活性は6位置のD−グルコースをリン酸化するものである。他の実施形態において、低減または不活性化される酵素活性は6位置のD−グルコン酸をリン酸化するものである。さらに別の実施形態において、6炭素位置のD−グルコースをリン酸化する酵素活性はグルコキナーゼ、ホスホエノールピルビン酸シンターゼ(PEP)またはホスホトランスフェラーゼ・システム(PTS)を含む。追加の実施形態において、6炭素位置のD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性はグルコキナーゼを含む。
いくつかの実施形態において、生成物は再生物であり、他の実施形態において、生成物は第2の生成物に変換される。宿主細胞はグラム陰性またはグラム陽性宿主細胞を含む。いくつかの実施形態において、宿主細胞はエルビニア、エンテロバクター、グルコノバクター、酢酸菌、コーンバクテリア(Coyrnebacteria)、エシェリキアまたはパンテアを含む腸内細菌科宿主細胞である。別の実施形態において、宿主細胞はバチルス及びシュードモナスを含む。
他の実施形態において、宿主細胞は天然または適当な遺伝子組換え後に、炭素源が1以上の商業上利益のある生成物に変換される一方、例えば限定されないが、NAD、FADHまたはNADPHの形で還元力を生じるような特定の細胞機能を維持するために他の炭素源を利用できる任意の細菌であってよい。
いくつかの実施形態において、生産経路及び異化経路の分離により一般に異化経路から得られる化合物の生成が可能となり、ここで一般に生産経路から得られる生成物は宿主細胞の代謝要求を満足するために利用される。他の実施形態において、生産経路及び異化経路の分離により一般に生産経路から得られる化合物の生成が可能となり、これに対して一般に異化経路に存在する化合物由来の生成物は宿主細胞の代謝要求を満足する。
いくつかの実施形態において、生成物は一般に異化経路から得られる生成物を含み、フルクトース、ペントース経路及びTCA回路由来のものを含む。別の実施形態において、生成物は一般に生産経路から得られるものを含み、例えばGA、KDG、DKG、KLGまたはIAを含むアスコルビン酸中間体である。
また、本発明は生産経路及び異化経路を含む宿主細胞を提供し、該生産経路及び該異化経路は分離している。いくつかの実施形態において、宿主細胞は酵素活性が低減または不活性化されるように該酵素活性をエンコードするポリヌクレオチドの変異を含む。そのような変異の1つは宿主細胞が6炭素位置のD−グルコースをリン酸化することを防ぎ、及び/または宿主細胞が6炭素位置のD−グルコン酸をリン酸化することを防ぎ、ここで前記ポリヌクレオチドの1つまたは両方が変異されている。いくつかの実施形態において、不活性化された酵素経路はヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ;グルコノキナーゼ;ホスホエノールピルビン酸シンターゼ(PEP);またはホスホトランスフェラーゼ・システム(PTS)の経路等を含む。
また、本発明は変異されたレベルの酵素活性を有する宿主細胞の生成方法を提供する。また、本発明は6炭素位置のD−グルコースをリン酸化する酵素活性及び6炭素位置のD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性が欠損した新規な核酸及びアミノ酸配列を提供する。
発明の詳細な説明
本発明は生産経路及び異化経路を含む組換え宿主細胞を含有する生成物を生成する方法を提供するものであり、該経路は該方法の全過程または一部の間宿主細胞中で分離されており、すなわち、該経路はD−グルコースまたはD−グルコン酸のような初期炭素源の獲得のために争わず、または例えば共同因子及びATPのような細胞構成要素を該方法の全または一部過程の間で獲得のために争わない。本発明は、生産及び/または異化経路に存在する酵素活性の変異及び/または調節によって生産及び異化経路が分離されている方法を包含する。
本発明は、例えば前記培養の初期の間であって、宿主細胞源を構築する宿主細胞バイオマス(生物資源)へ結合または導くことが望ましい場合は前記培養の一部過程の間は生産及び異化経路が連結し、かつ例えば宿主細胞バイオマスが生成された後、または細胞源を生成物の生成に結合または直接導くことが好ましい時には前記培養の一部過程の間生産及び異化経路が分離している方法を包含する。本発明は培養の全過程の間分離している生産経路及び異化経路を有する組換え宿主細胞を培養する工程を含む方法を包含する。
本発明は炭素源の最初のリン酸化反応の段階において生産経路及び異化経路が分離している方法を包含し、該炭素源はこのようなリン酸化反応をエンコードするゲノム配列を変異させることにより、細胞によって用いられる。
生産経路及び異化経路の分離は、生産経路及び/または異化経路中の初期炭素源及び/または炭素代謝産物をリン酸化する少なくとも1の酵素活性の阻害を包含する。生産経路及び異化経路の分離は、例えば初期炭素源及び/または炭素代謝産物をリン酸化する酵素活性をエンコードするポリヌクレオチドの一部または全部を変異または欠失することにより、生産経路及び/または異化経路中の初期炭素源及び/または炭素代謝産物をリン酸化する少なくとも1の酵素活性の不活性化を包含する。生産経路及び異化経路の分離は、生産経路及び/または異化経路中の初期炭素源及び/または炭素代謝産物をリン酸化する少なくとも1の酵素活性を調節することを包含する。
本発明の利点の1つは生産経路及び異化経路の分離を含む宿主細胞において、該経路が一方の経路が他方の経路にとって不都合を生じずに同時に機能することができるということである。ここで開示するいくつかの実施形態において、グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼの欠失を有する宿主細胞はD−グルコースの存在下で培養される。D−グルコースは異化経路に道がそれることなく生産経路を通過する。従って、生成物を生じる望ましい生産経路へ変換される利用可能な炭素基質の量が増加する。フルクトース、またはその他の非グルコース炭素源は宿主細胞に供給することができ、及び宿主細胞の代謝必要物を満たすために使用され、所望の生成物を産出する生産経路によって使用されるD−グルコースを必要としない。この実施形態において、生産経路及び異化経路は宿主細胞中で同時に、競争することなく機能する。
本発明の他の利点は分離した生産経路及び異化経路を含む宿主細胞において、どちらの経路も宿主細胞の代謝必要物を提供するために使用することができ、生成物を特定の経路を通して生成するために使用されるその他の経路を必要としない。ここに開示されるいくつかの実施形態において、結合酵素の欠失を有する宿主細胞は生産経路の生成物が宿主細胞の代謝必要物を満たすことを可能とし、生成物を発生する異化経路を通して発生するエネルギーに通常関係する経路を必要としない。従って、フルクトースまたはその他の非グルコース炭素源は、宿主細胞の代謝必要物が生産経路生成物から宿主細胞中の代謝必要物に変化されることにより満たされる一方、宿主細胞に供給することができ、及び誘導体または所望の生成物を生成するために使用される。
その他の実施形態において、D−グルコースまたはD−グルコースの代謝産物、例えばD−グルコン酸塩を異化経路において使用する宿主細胞の能力、すなわちD−グルコースまたはD−グルコン酸塩をそれぞれの6炭素位置においてリン酸化する宿主細胞の能力を調節する。酵素活性の発現調節は、D−グルコースまたはその他の炭素源が細胞バイオマスを構築することが望ましい培養の初期段階において異化経路に利用される方法を可能にし、細胞に使用されるためにATP生成を最大限にすることが望ましい、または所望の生成物を生成するために細胞に異なる炭素源を供給することが望ましい培養の後期においては利用されない、すなわちリン酸化されない方法を可能にする。
これらの実施形態において、本発明が提供する際立った利点は生成物の生成のための連続的な醗酵方法を利用することができるということである。
本発明が提供する他の利点は基質の細胞外の酸化をこれらの酸化生成物を利用する代謝経路から分離することである。
本発明が提供する別の利点は、基質の最終生成物への変化の増加を直接測定した際またはO消費量またはCO生成量を間接的に測定した際の、野生型宿主細胞と比較して変異宿主細胞による生成物の生成における効果の増加である。
本発明が提供するさらなる別の利点は、宿主細胞が2つの異なる炭素源を複数の生成物を生成するために同時に利用することができるということである。
技術の概要
本発明の実践手段は、特に示さない限り、分子生物学(組換え技術を含む)、微生物学、細胞生物学及び生化学の当業界の範囲である従来技術を用いる。このような技術は文献において十分に説明されており、例えば、分子クローニング(Molecular Cloing):A Laboratory Manual、第2版(Sambrook et al.、1989);Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.編、1987及び年間最新版);オリゴヌクレオチド合成(Oligonucleotide Synthesis)(M.J.Gait、編、1984);及びPCR;ポリメラーゼ鎖反応、(Mullis et al.、1994)である。Mannual of Industrial Microbiology and Biotechnology、第2版(A.L.Demain et al.編、1999)。
定義
ここで用いられる“分離(uncoupled)”の語は、宿主細胞の生産経路及び異化経路について言及する場合、基質及び生成された生成物を含む宿主細胞の生産経路において基質が宿主細胞の異化経路へ転用されることが低減されていることを意味する。転用の低減により、野生型の産出量が変異宿主細胞の産出量よりも少ないことを意味する。
ここで用いられる、“宿主細胞の生産経路”は、宿主細胞が炭素源、例えばD−グルコース及び/またはその代謝産物を所望の生成物または中間体へ変換する少なくとも1の酵素を含むことを意味する。宿主細胞の生産経路は限定されないが、宿主細胞の酸化経路を含む。
ここで用いられる、“宿主細胞の酸化経路”とは、宿主細胞がD−グルコース及び/またはその代謝産物のような炭素源を酸化する少なくとも1つの酸化酵素を含むことを意味する。宿主細胞における“膜”または“膜結合型”グルコース生産経路とは、少なくとも1の膜結合型生成酵素活性によって、D−グルコース及び/またはその代謝産物のような炭素源を酸化する宿主細胞をいう。いくつかの実施形態において、宿主細胞の酸化経路は1の酵素活性を含む。他の実施形態において、宿主細胞の酸化経路は2以上の酵素活性を含む。
ここで用いられる、“宿主細胞の異化経路”は、宿主細胞が、例えばD−グルコース及び/またはその代謝産物のような炭素源をリン酸化することにより、ATPまたはNADPHを生じる少なくとも1つの酵素活性を含むことを意味する。宿主細胞の“細胞内(intracellular)”異化経路とは、宿主細胞が宿主細胞細胞質ゾル中において少なくとも1つの該酵素活性を含むことを意味する。いくつかの実施形態において、宿主細胞中の異化経路は1の酵素活性を含む。他の実施形態において、宿主細胞中の異化経路は2以上の酵素活性を含む。
ここで用いられる、“D−グルコースを6炭素位置においてリン酸化する酵素活性”の表現は、D−グルコースの6番目の炭素にリン酸塩を付加する酵素活性をいい、酵素活性グルコキナーゼ(EC−2.7.1.2);及びホスホトランスフェラーゼ・システム(PTS)(E.C.−2.7.1.69)を含む。ここで用いられる“D−グルコン酸塩を6炭素位置においてリン酸化する酵素活性” の表現は、その6炭素位置でD−グルコン酸塩をリン酸化する酵素活性をいい、酵素活性グルコノキナーゼ(E.C.−2.7.1.12)を含む。
ここで用いられる、宿主細胞によって生じる酵素活性のレベルの“変性(modifying)”または宿主細胞の酵素活性の“変異レベル”は培養の間生じる酵素活性のレベルを制御することをいい、従って該レベルは所望により増加または減少される。酵素活性のレベルにおける所望の変化は一般に1または両方の酵素活性において同時にまたは順次、任意の順番で起こるように遺伝子組換えすることができる。酵素活性のレベルを制御するために、宿主細胞は一般に酵素活性をエンコードする核酸が転写または翻訳によって制御されるように遺伝子組換えされる。
ここで用いられる、核酸またはポリヌクレオチドに言及する際の“変性(変異)された(modified)”とは、核酸が野生型核酸と比較して何らかの方法で変化されたことを意味し、例えば核酸の一部または全部の欠失による変異、または転写制御領域へ動作可能に結合することによるものである。ここで用いられる、核酸について言及する際の“変異(mutation)”とは核酸におけるいかなる変化をも指し、従ってそのような核酸の生成物は部分的にまたは全体的に不活性化または削除されている。変異体の例としては、限定されないが、点変異、フレームシフト変異及び酵素活性をエンコードする遺伝子の一部または全部の欠失である。例えば酵素活性は、細胞膜を横切って基質を輸送する酵素活性、例えば6炭素位置のD−グルコースをリン酸化し、または6炭素位置のD−グルコン酸塩をリン酸化する酵素活性である。
本発明に従う“変異細菌株”とは一般に、本質的に同じ成長条件下で成長させて、対応する非変異宿主細菌株の同じ最終生成物の生成レベルを超える、高められた生成レベルを有する遺伝子組換え細菌微生物である。“非変異細菌株”または宿主は、細菌微生物であり、迂回酵素経路をコードする配列が不活性化されていない、または依然として酵素的に活性であるものをいう。高められた生成レベルは1以上の染色体遺伝子の不活性化に起因する。第1の実施形態において、高められた発現レベルは1以上の染色体遺伝子の欠失に起因する。第2の実施形態において、高められた発現レベルは1以上の染色体遺伝子の挿入不活性化に起因する。好ましくは、不活性化遺伝子は本明細書で述べるような望ましい不活性な酵素をエンコードする遺伝子から選択される。例えば、1の実施形態において、1以上の染色体遺伝子がglk及びgntkからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、変異細菌株は2つの不活性化遺伝子、3つの不活性化遺伝子、4つの不活性化遺伝子、5つの不活性化遺伝子、6つの不活性化遺伝子またはそれ以上の不活性化遺伝子を発現し得る。該不活性化遺伝子は互いに隣接していてもよく、または染色体の別領域に位置していてもよい。不活性化染色体遺伝子は特定の条件下において必要な機能を有し得るが、該遺伝子は実験室の条件下においては微生物株の存続に必要なものではない。好ましい実験室条件は限定されないが、醗酵器、振動プレート、プレート膜(plate media)等において成長するような条件が挙げられる。
ここで用いるように、酵素活性に言及する際の“不活性化”または“不活性化する”とは、酵素活性をエンコードする核酸の一部または全てにおける変異または欠失などの手段を用いて該活性が取り除かれることを意味する。“不活性化”または“不活性化する”の語は1以上の所望の染色体遺伝子の機能的発現を阻止するいかなる方法も含むものであり、該遺伝子または遺伝子産物はその既知の機能を発揮することができない。所望の染色体遺伝子は不活性化しようとする酵素活性によって決まる。例えば、グルコキナーゼ及び/またはグルコノキナーゼ活性の不活性化はglk及び/またはgntk染色体遺伝子がコードする領域を不活性化することにより達成できる。不活性化は核酸遺伝子配列における欠失、変異、阻害または挿入などの方法が挙げられる。1の実施形態において、不活性化遺伝子の発現産物は非変異コード領域の生物活性を示さないトランケート型タンパク質と同じくらい短いトランケート型タンパク質であってもよい。本発明に従った変異細菌株において、1以上の遺伝子の不活性化は安定かつ不可逆的な不活性化であることが好ましい。
好ましい実施形態において、好ましくは遺伝子は相同組換えによって欠失される。例えば、図9に示すように、欠失する遺伝子がglkである場合、クロラムフェニコール耐性遺伝子をグルコキナーゼ遺伝子中にある固有の制限酵素認識部位へクローンする。PstI部位における遺伝子の構造コード領域へCm遺伝子を挿入する。それから変異を非複製R6Kベクターを用いて相同組換えによりパンテア属(P.citrea)glkAの染色体へ転移させる。続いてCm遺伝子をコード領域中の阻害スペーサーから離脱してglkコード領域から取り除き、コード領域を不活性化する。他の実施形態において、コード領域の一部を交換してCm遺伝子を該コード領域へ挿入する。コード領域の一部から交換されたものが元に戻ることなくCm遺伝子が続いて除去されることにより、コード領域の一部に欠失をもたらし、該領域を不活性化する。
ここで用いる遺伝子の欠失は、コード配列全体の欠失、コード領域の一部の欠失、またはフランキング領域を含むコード領域の欠失が挙げられる。染色体に残る配列が遺伝子の生物活性にとって短すぎるものであれば、欠失は部分的であってもよい。コード配列のフランキング領域は5’及び3’末端において約1bp〜約500bpを含む。フランキング領域は500bpよりも大きくてもよいが、好ましくは本発明に従って不活性化または欠失する領域中に他の遺伝子を含まないほうがよい。最終的に、欠失遺伝子は事実上機能しないものである。
他の好ましい実施形態において、不活性化は挿入によるものである。例えば、不活性化される遺伝子がglkである場合、DNAの構成には選択マーカーによって阻害されたglk遺伝子を有する入来配列を含む。選択マーカーはglkコード配列部分で両脇が固められる。DNAの構成は、glk遺伝子が選択マーカーの挿入によって不活性化されるダブルクロスオーバー結合点(event)及び宿主染色体におけるglk遺伝子の本質的に同一である配列と協調する。
他の実施形態において、不活性化はベクターとしてのプラスミドを用いたシングルクロスオーバー結合点における挿入によるものである。例えば、glk染色体遺伝子は配列または選択マーカーをコードする遺伝子またはその一部を含むプラスミドと協調する。選択マーカーは配列をコードする遺伝子内または遺伝子と離れたプラスミドの一部の上に位置する。ベクターはバチルス染色体内に組み込み、遺伝子はコード配列中のベクターの挿入により不活性化する。
不活性化は遺伝子の変異によっても起こる。遺伝子の変異導入方法は当業界に公知であり、限定されないが、化学的変異誘発、部位特異的変異導入、ランダム変異導入、及びgapped−duplex法が挙げられる(米国特許第4,760,025号;Moring et al.、Biotech.2:646(1984);及びKramer et al.、Nucleic Acids Res.12:9441(1984))。
不活性化は上述の不活性化方法を所望のゲノム領域の各々のプロモーター領域に適用することによっても起こすことができる。
“転写調節”または“転写制御”とは、ポリヌクレオチド配列、通常はDNA配列の転写が、転写の開始または促進に寄与する元素に動作可能に結合することに依存することを示すということは当業界でよく認識されていることである。“動作可能に結合する”とは、元素が機能できるように配列している配置をいう。
ここで用いるように、“調節プロモーター”とは活性または機能が調節できるプロモーター因子をいう。この調整は様々な方法により達成でき、最も一般的にはRNAポリメラーゼ酵素の能力を阻害または増加させて転写を開始するタンパク質の相互作用により達成できる。
当業界に公知の“転写調節”はmRNAが生成された後に起こる調整プロセスを指す。
ここで用いるように、“バッチ(batch)”とは、動作(run)の開始と同時に最初に加える固体または濃縮液状の基質に対するバッチセル培養である。バッチ培養は培地への細胞接種により開始されるが、フェッドバッチ培養とは対照的に、濃縮栄養物供給の手段を用いるなどの、その後の栄養物の流入がない。連続培養とは対照的に、バッチセル培養においては、培養液または培養地からの細胞の系統的な付加、または系統的な除去を行わない。培地における濃縮栄養物及び代謝物はバッチ内の最初の濃度に依存し、続く栄養物供給の組成物の交換は醗酵作用によるものなので、培養地へ種々の検体を続いて添加することができない。
ここで用いるように、“フェッドバッチ”とは、動作(run)中周期的にまたは連続的に添加される固体または濃縮液状の基質に対するバッチセル培養をいう。バッチ培養と同様、フェッドバッチ培養は培地への細胞接種により開始されるが、バッチ培養とは対照的に、濃縮栄養物供給の手段を用いるなどの、その後の栄養物流入を行う。培養地中の栄養物及び代謝物の濃度は供給栄養物の組成を変化させることにより容易に制御または左右することができるので、連続培養とは対照的に、培養地中の様々な検体のレベルを観測及び操作に関する適用において有利な培養液またはフェッドバッチ培養からの細胞の系統的な除去を行わない。フェッドバッチ培養に供給される栄養物は一般に、例えば炭化水素のようなエネルギー源を含む濃縮栄養素溶液である;任意で、フェッドバッチ培養に供給される濃縮栄養素溶液はアミノ酸、脂質前駆体及び/または塩を含むことができる。フェッドバッチ培養において、該供給栄養物は細胞成長を継続させるために十分な栄養物を供給する一方、通常は培地体積の増加を最小限にするためにかなり濃縮する。
“連続細胞培養”または単に“連続培養”の語は、液体供給栄養物の連続的な流入及び連続的な液体流出の両方により特徴付けられる培養についてここでは用いる。供給栄養物は、必ずしもそうではないが、濃縮供給栄養物であるのがよい。使用済み媒体によって反応装置から細胞が洗い流される速度と大体同じ速度で連続的に栄養物溶液を供給することにより、培養の安定した増加及び成長の状態を維持できる。恒成分培養槽として知られる特定のバイオリアクターにおいて、細胞培養に連続的に新しい栄養物媒体が供給され、媒体、細胞が消費され、排出された細胞産物を連続的に流出する。あるいは、連続培養は“灌流培養”を構成し、この場合、液体流出は実質的に細胞を含まない、または実質的に細胞濃度がバイオリアクターにおける細胞濃度よりも低い培養地を含む。灌流培養では、細胞は、例えばろ過、遠心分離または沈殿により保持できる。
ここで用いる“培養”とは、反応器内において炭素基質を所望の最終産物へ醗酵的に生物変換することをいう。ここで用いるように、生物変換とは、炭素基質と微生物の接触により、炭素基質を所望の最終産物へ変換することをいう。
ここで用いるように、“時間あたりの酸素消費量”または“OUR”とは、反応容器内の具体的な酸素消費を決定するものである。酸素消費は種々のオンライン測定を用いて測定できる。1の実施形態において、OUR(mmol/(L・時間))は以下の式により測定される:((気流(基準1分当たり1リットル)/醗酵重量(醗酵培養液の重さkg))×O供給量×培養液密度×(標準20.0Cの代わりに21.1Cのおける気流目盛りを較正する定数)−([気流/醗酵重量]×[発生気体O/発生気体N]×N供給量×培養液密度×定数)。
ここで用いるように、“炭素発生量”または“CER”とは、醗酵中どのくらいのCOが反応容器内に発生したかの測定をいう。通常、COは最初またはその後、反応容器に加えないので、反応容器内で起こる醗酵プロセスによってCOは発生しないと推測される。“排出(Off−gas)CO”とは、反応容器内で測定されるCOの量をいい、通常当業界に公知の質量分光法によって測定される。
ここで用いるように、“収量”とは生成物の量を基質の量で割ったものである。収量は重量%(生成物gm/基質gm)または生成物のモル数/基質のモル数として表すことができる。例えば、基質の量は、例えばグルコースは供給量及び添加したグルコースの濃度によって測定できる。存在する生成物の量は種々の分光学的分析または分析的方法によって測定できる。そのような方法の1つとしては、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)である。増加した収量とは、野生型有機体を用いた変換の収量と比較して増加した収量をいい、例えば、野生型の収量を10%、20%または30%越えた増加である。
ここで用いられる“酸化酵素系”の語は、所定の酸化状態の基質を基質よりも高い酸化状態にある生成物への変換に触媒できる酵素または酵素系をいう。“還元酵素系”とは所定の酸化状態の基質を基質よりも低い酸化状態にある生成物への変換に触媒できる酵素または酵素系をいう。ここに開示する具体例において、D−グルコースの生体触媒作用に関連する生産酵素またはASA中間体を生成するために改変されたパンテア細胞におけるその代謝産物は、例えばD−グルコースデヒドロゲナーゼ、D−グルコン酸デヒドロゲナーゼ、及び2−ケト−D−グルコン酸デヒドロゲナーゼである。ここに開示する他の具体例は、D−グルコースの生体触媒作用に関連する還元酵素系またはASA中間体を生成するために改変されたパンテア細胞におけるその代謝産物は、ここに記載するように、例えば2,5−ジケト−D−グルコン酸レダクターゼ、2−ケトレダクターゼ、及び5−ケトレダクターゼである。そのような酵素は宿主株によって天然に生成されたもの、または組換え手段を用いて取り込まれたものを含む。
ここで用いるように、炭素源の語は6炭糖のような微生物によって通常使用される適当な炭素源を包含し、限定されないが、グルコース、グロース、ソルボース、フルクトース、イドース、ガラクトース及びマンノースのDまたはL型のすべて、またはグルコース及びフルクトースのような6炭糖の組合わせ、及び/または6炭糖酸が挙げられ、限定されないが、2−ケト−L−グルコン酸、イドン酸、グルコン酸、6−ホスホグルコン酸、2−ケト−D−グルコン酸、5−ケト−D−グルコン酸、2−ケトグルコン酸リン酸、2,5−ジケト−L−グルコン酸、2,3−L−ジケトグルコン酸、デヒドロアスコルビン酸、エリスロアスコルビン酸、エリソルビン酸、及びD−マンノン酸またはこれらの酵素誘導体である。
ここで用いるように以下の定義を適用する:D−グルコースまたはグルコース(G);D−グルコン酸塩またはグルコン酸塩(GA);2−ケト−D−グルコン酸塩(2KDG);2,5−ジケト−D−グルコン酸塩(2,5DKGまたはDKG);2−ケト−L−グルコン酸(2KLGまたはKLG);L−イドン酸(IA);エリソルビン酸(EA);アスコルビン酸(ASA);グルコースデヒドロゲナーゼ(GDH);グルコン酸デヒドロゲナーゼ(GADH);2,5−ジケト−D−グルコン酸レダクターゼ(DKGR);2−ケト−D−グルコン酸レダクターゼ(KDGDH);D−リボース(R);2−ケトレダクターゼ(2KRまたはKR);及び5−ケトレダクターゼ(5KRまたはKR)。
ここで用いる“炭素代謝産物”とは、ATP、NADPHを生成するための異化経路において利用され、及び/または細胞中へ輸送するためにリン酸化される化合物をいう。
“非変異細菌宿主株におけるアスコルビン酸中間体の生成と比較して前記アスコルビン酸中間体の生成が高められた状態において、炭素源由来のアスコルビン酸中間体の生成を可能にする”とは基質、例えば炭素源と改変細菌株とを接触させて所望の最終生成物を得ることを意味する。本発明者はゲノム発現を不活性化することにより、特定の酵素活性を変化させて、微生物が最終産物生成の向上を示したことを発見した。
ここで“望ましい最終生成物(産物)”とは、炭素源から生物変換される所望の化合物をいう。望ましい最終産物は求める実際の化合物または他の経路に従う中間体である。典型的な望ましい最終産物は図3の右側にリストした。
ここで“細菌”とは原核生物、すなわち膜結合型核及び細胞小器官がない微生物の種類をいう。全ての細菌は細胞から出入りする物質の流れを調節する脂質膜で囲まれている。堅い細胞壁が細菌を完全に取り囲み、膜の外側に位置する。様々な種類の細菌が存在し、そのうちのいくつかは、限定されないが、腸内細菌属、バチルス属、ストレプトマイセス属、シュードモナス属及びエルビニア属の細菌株が挙げられる。
ここで“腸内細菌科”とは、グラム陰性の一般的な特徴を有し、通性嫌気性である細菌株をいう。ASA中間体の生成のために、好ましい腸内細菌株は、D−グルコースまたは細菌株によりD−グルコースへ変換される炭素源から2,5−ジケト−D−グルコン酸を生成できるものである。D−グルコース溶液から2,5−ジケト−D−グルコン酸を生成できる腸内細菌科も含まれ、例えばエルビニア属、エンテロバクター属、グルコノバクター属及びパンテア属である。炭素源からASAへの細菌経路の中間体は、限定されないが、GA、KDG、DKG、DKG、KLG及びIAが挙げられる。本発明において、ASA中間体生成のための好ましい腸内細菌醗酵株はパンテア属であり、特にPantoea citreaである。
ここで“バチルス”属とは、グラム陽性である一般的特徴を有し、特定の周囲条件下において胞子を生成できる桿菌様の細菌株をいう。ASA中間体を生成するその他の腸内細菌株は、限定されないが、大腸菌及びグルコノバクターである。
ここで“組換え体”の語は、例えば生物に天然に生じたものではない核酸の付加、または宿主細胞に天然に起こった核酸改変による、ゲノム改変を有する宿主細胞をいい、組換え手段を用いて取り込まれた内生核酸のコピーの付加を有する宿主細胞を含む。
ここで“異種”の語は、宿主細胞に天然に生じない核酸またはアミノ酸配列をいう。ここで“内生”の語は、宿主に天然に生じる核酸をいう。
ここで“単離された”または“精製された”とは、酵素または核酸またはタンパク質またはペプチドまたは共同因子が自然に結合している少なくとも1の成分から取り除かれることをいう。本発明において、単離された核酸は該核酸を含むベクターを含むことができる。
溶液、または溶液から調製される固体形態において、糖類の酸性誘導体がそれらを取り囲む媒体に依存して様々なイオン化状態で存在できるということは当業界に公知である。そのような分子を表すために、例えばイドン酸のような語の使用は言及した生物分子の全てのイオン化状態を含むものとする。従って、例えば、“イドン酸”、その環化形態である“イドノラクトン(idonolactone)”及び“イドン酸塩”とは、同じ有機成分をいい、具体的に特定のイオン化状態または化学式を示すものではない。
ここで“ベクター”とは、1以上の細胞タイプの形質導入/トランスフェクションのために設計されたポリヌクレオチド構成をいい、例えば挿入した核酸の単離、増殖及び複製のために設計された“クローニングベクター”または宿主細胞における核酸配列の発現のために設計された“発現ベクター” を含み、パンテア属(Pantoea citrea)または大腸菌宿主細胞などがある。
ここで交換可能に用いられる“ポリヌクレオチド”及び“核酸”の語は、ヌクレオチドの重合体形状、リボヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドをいい、いかなる長さであってもよい。これらの語は一本鎖、二本鎖または三本鎖DNA、ゲノムDNA、cDNA、RNA、ハイブリッドDNA−RNA、またはプリン及びピリミジン基を含むポリマー、またはその他の天然、化学的、生物学的に改変されたヌクレオチド基、非天然ヌクレオチド基、または誘導体化ヌクレオチド基を含む。ポリヌクレオチドの基幹は(一般にRNAまたはDNAに見られるような)糖及びリン酸基を含むことができ、または改変または置換糖若しくはリン酸基を含むことができる。もしくは、ポリヌクレオチドの基幹はホスホルアミデートのような合成サブユニットのポリマーを含むことができ、従ってオリゴデオキシヌクレオシドホスホルアミデート(P−NH)または混合ホスホルアミデート−ホスホジエステルオリゴマーとなることができる。(Peyrottes et al.(1996)Nucleic Acids Res.24:1841−8;Chaturvedi et al.(1996)Nucleic Acids Res.24:2318−23;Schultz et al.(1996)Nucleic Acids Res.24:2966−73。)ホスホロチオエート結合はホスホジエステル結合の代わりに用いることができる。(Braun et al.(1988)J.Immunol.141:2084−9;Latimer et al.(1995)Molec.Immunol.32:1057−1064。)さらに、二本鎖ポリヌクレオチドは、相補鎖を合成して適当な条件下で該鎖をアニーリングするか、または適当なプライマーを含むDNAポリメラーゼを用いて新規に相補鎖を合成することによる一本鎖ポリヌクレオチド産物の化学的合成から得られる。また、ポリヌクレオチド配列の言及については(配列番号(SEQ.ID NO)に言及する際など)相補的配列も含む。
以下はポリヌクレオチドの非限定的な例である:遺伝子または遺伝子断片、エクソン、イントロン、mRNA、tRAN、rRNA、リボザイム、cDNA、組換え体ポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、配列の単離DNA、配列の単離RNA、核酸プローブ及びプライマー。ポリヌクレオチドは変性ヌクレオチドを含んでもよく、メチル化ヌクレオチド及びヌクレオチド類似体、ウラシル、その他の糖、及びフルオロリボース及びチオアートのような結合基、及びヌクレオチド分枝などを含む。ヌクレオチド配列は非ヌクレオチド成分により阻害される。ポリヌクレオチドは標識成分との結合などにより、重合後さらに修飾されてもよい。本定義に含まれるその他の修飾としてはキャップ、1以上の天然ヌクレオチドの類似体との置換、及びタンパク質、金属イオン、標識成分、その他のポリヌクレオチドまたは固体担体へのポリヌクレオチドの結合手段の導入がある。好ましくは、ポリヌクレオチドはDNAである。ここで“DNA”はA、T、C及びGの塩基だけでなく、これらの塩基のいかなる類似体または修飾体をも含み、例えばメチル化ヌクレオチド、非荷電型結合及びチオアートのようなヌクレオチド内修飾、糖類似体の使用、及びポリアミドのような修飾及び/または別の基幹構造である。
ポリヌクレオチドまたはポリヌクレオチド領域は、配列したとき塩基の比率が2つの配列で比較して同じであること意味する、他の配列に対する“配列同一性”が特定比率を有する(例えば、80%、85%、90%、95%、97%または99%)。この配列及び相同性比率または配列同一性は当業者に公知のソフトウェアプログラムを用いて測定できる。例えば、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubel et al.、編集、1987)補遺30、セクション7.7.18に記載されている。好ましい配列プログラムはALIGN Plus(サイエンティフィック・アンド・エデュケイショナルソフトウェア、ペンシルバニア)であり、好ましくは以下の初期設定パラメーターを用いる:ミスマッチ=2:オープンギャップ=0;エクステンドギャップ=2。
配列番号に“表されている”ポリヌクレオチド配列とは、該配列番号中の同一の連続した配列として表されている配列を意味する。該語は配列番号内に含まれる全体の配列だけでなく、配列番号の一部または領域も包含する。
“発現”とは、転写及び/または翻訳を含む。
ここで用いられる“含む(comprising)”及びその同語源の語は包括的な意味で用いる;すなわち、“含有する(including)”及びその対応する同語源の語等と同義である。
単数で示したものは、文脈上明確に記載したものでなければ、複数の例も含むものとする。
宿主細胞の生産経路及び異化経路
図2及び図3はいくつかの代謝経路から得られる代謝産物のいくつかを記載したものである。図3の左側の生成物の大部分(グルコース−6−リン酸、グルコース−1−リン酸;フルクトース−6−リン酸、マンノース−6−リン酸、ジヒドロアセトン−リン酸;ジヒドロアセトン;グリセロール;1,2−プロパンジオール;1,3−プロパンジオール;乳酸;琥珀酸;シュウ酸;クエン酸;フマル酸;リンゴ酸;アミノ酸;グリコーゲン;トレハロース;及びUDP−グルコース)は異化またはTCA回路から得られる。これに対して、右側の化合物は、本発明の目的において望ましい最終産物であって(グルコン酸、2−ケト−D−グルコン酸、2,5−ジ−ケト−グルコン酸;エリソルビン酸;5−ケト−D−グルコン酸;酒石酸;D−リボース;リボフラビン;デオキシリボヌクレオチド;芳香族アミノ酸;芳香族化合物;[例えば、P−ヒドロキシ安息香酸;キノン;カテコール;インドール;インディゴ;没食子酸;ピロガロール;メラニン、アジピン酸、p−アミノ安息香酸];ピリドキシン及びアスパルテーム)、そのほとんどの炭素がペントース経路及び/またはグルコースからケト酸への酸化により生じる。多くの場合において、これらの生成物は特定の細胞の天然代謝産物ではないが、特定の酵素機能を付加または取り除くことによって生成できる。
一般に、図3の左側の生成物は宿主細胞の異化必要物を維持するために使用される。左側と右側の化合物との相互作用を切り離すことにより、宿主細胞の代謝必要物が右側で生成する産物によって満たされ、より多くの炭素基質を所望の生成産物へ変換することができる。実施形態の1つにおいて、生産経路を異化経路から分離することにより、右側で生成される化合物の収量が増加する。他の実施形態において、生産経路によって生成される生成物を用いて宿主細胞の代謝必要物を維持することにより、異化経路におけるこれらの反応に異化経路内のこれらの生成物由来の生成物の収量を増加させるために利用できるということが考えられ、例えば1,3−プロパンジオール、DHAP、乳酸がある。
また本発明は、ここに開示された変異核酸配列の機能が保存された、核酸の置換、付加及び/または欠失を含む変異体を含む。実施形態の1つにおいて、変異体はグルコキナーゼ及びグルコノキナーゼをエンコードする変異配列を含み、グルコースをグルコース−6−リン酸に変換し、グルコン酸塩をグルコン酸−6−リン酸に変換する酵素経路を不活性し、生産経路が異化経路から分離しており、異化経路に流用される炭素基質の量を減少し、所望の生成物、例えば2−KLGへ変換するために利用できる炭素基質の量を増加させる。遺伝子組換えは望ましい生成物を合成するために必要な酵素反応と異化機能の間の連絡を排除するために用いられる。本明細書は様々な改変について記載しているが(図17〜24参照)、同様な分離酸化経路、異化経路の分離を達成するためにその他の酵素ステップも改変できる。
リン酸のエステルはトリオース(三炭糖)、テトロース(四炭糖)、ペントース(五炭糖)、ヘキソース(六炭糖)及びヘプトース(七炭糖)と接触する。全ての糖においてリン酸化反応は代謝の初期段階である。従って、グルコースはグルコース−6−リン酸にリン酸化される。グルコースを代謝できる全細胞は以下の反応を触媒するいくつかの形態のヘキソキナーゼを含有する。
Figure 0004430869
図9はD−グルコースを表し、“第6の炭素”を説明している。典型的なヘキソキナーゼとしてはヘキソキナーゼ(Frohlich、et al.、1985、Gene36:105−111)及びグルコキナーゼ(Fukuda、et al.、1983、J.Bacteriol.156:922−925)が挙げられる。パンテア属(P.citrea)由来グルコキナーゼ構造遺伝子のDNA配列を図4に示す。制限酵素Ncol(CCATGG)及びSnaBI(TACGTA)の認識部位は強調して表示する。図5はパンテア属(P.citrea)由来グルコキナーゼ遺伝子のタンパク質配列を表す。ヘキソキナーゼの大部分はいくぶん非特異的であり、マンノース、フルクトース及びガラクトースの6−リン酸エステルの構造を触媒する能力を示す。さらに、その他のヘキソース誘導体はヘキソキナーゼによってリン酸化される。例えばグルコン酸(図3)はキナーゼ、特異的にはグルコノキナーゼによってもリン酸化される(引用)。パンテア属(P.citrea)由来グルコノキナーゼ構造遺伝子の配列は図6に表す。制限酵素PstI(CTGCAG)の認識部位を強調して表す。パンテア属(P.citrea)由来グルコノキナーゼ遺伝子のタンパク質配列は図7(配列番号4)に表す。グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼの遺伝子のいくつかを図8に示す。
図17は異化経路及び生産(酸化)経路間の相互関係を示す。グルコースはグルコキナーゼ(Glk)によるグルコースからグルコース−6−リン酸へのリン酸化により、解糖経路を通って異化経路に入ることができる;及びグルコノキナーゼ(Gntk)によるグルコン酸からグルコン酸−6−リン酸へのリン酸化によりペントース経路を通って異化経路に入ることができる。同じもの(glkまたはgntk)をエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えることによってグルコキナーゼ及びグルコノキナーゼのレベルを不活性化または改変することにより、望ましい生成物、例えばアスコルビン酸中間体の収量が結果として増加する。ここで用いるアスコルビン酸中間体は、グルコースから、限定されないが、グルコン酸、2KGD、2,5−DKG、2−KLG及び5−DKG等の2KLGへの酸化経路内で生成されるそれらの糖酸を含む。
他の実施形態において、異化経路はリボースの生成を増加させるために生産経路から分離したものである。図18に示すように、グルコースは解糖経路を通って異化経路に入ることができ、例えばグルコース−6−リン酸、フルクトース−6−リン酸、及び/またはグリセルアルデヒド−3−リン酸を経る。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、グルコノキナーゼ、リブロース−5−リン酸エピメラーゼ、トランスケトラーゼ及びトランスアルドラーゼのレベルを不活性化または改変することにより、例えばリボースのような望ましい生成物の収量が結果として増加する。
他の実施形態において、異化経路はリボフラビンの生成を増加させるために生産経路から分離されたものである。図19に示すように、グルコースは例えばグルコース−6−リン酸及びペントース経路を経て、解糖経路を経て、異化経路に入ることができる。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、リブロース−5−リン酸エピメラーゼ及びリボース−5−リン酸イソメラーゼのレベルを不活性化または改変することにより、例えばリボフラビンのような望ましい生成物の収量が結果として増加する。
他の実施形態において、異化経路はヌクレオチドの生成を増加させるために生産経路から分離されたものである。図20に示すように、グルコースは例えばグルコース−6−リン酸、フルクトース−6−リン酸、及び/またはグルセルアルデヒド−3−リン酸を経て、解糖経路を通って、異化経路に入ることができる。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、リブロース−5−リン酸エピメラーゼ、トランスアルドラーゼ及びトランスケトラーゼのレベルを不活性化または改変することにより、例えばヌクレオチドのような望ましい生成物の収量が結果として増加する。
他の実施形態において、異化経路は5−KDG及び/または酒石酸の生成を増加させるために生産経路から分離されたものである。図21に示すように、グルコースは例えばグルコース−6−リン酸、ペントース経路を経て、グルコン酸−6−リン酸及びイドン酸や2−KLGのようなその他のアスコルビン酸副生成物を経て、解糖経路を通って、異化経路に入ることができる。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、グルコノキナーゼ、2,5−DKGレダクターゼ、及びイドン酸デヒドロゲナーゼのレベルを不活性化または改変することにより、例えば5−DKG及び/または酒石酸のような望ましい生成物の収量が結果として増加する。
他の実施形態において、異化経路はグルコン酸の生成を増加させるために生産経路から分離されたものである。図22に示すように、グルコースは例えばグルコース−6−リン酸及びペントース経路を経て、グルコン酸−6−リン酸を経て、解糖経路を通って、異化経路に入ることができる。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、グルコノキナーゼ及びグリセルアルデヒドヒドロゲナーゼのレベルを不活性化または改変することにより、例えばグルコン酸のような望ましい生成物の収量が結果として増加する。
他の実施形態において、異化経路はエリソルビン酸の生成を増加させるために生産経路から分離されたものである。図23に示すように、グルコースは例えばグルコース−6−リン酸;ペントース経路を経て、グルコン酸−6−リン酸を経て、解糖経路を通って;及び2−KDG及び2,5−KDGを細胞質へ輸送する酵素輸送系によって、異化経路に入ることができる。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、グルコノキナーゼ、グリセルアルデヒドヒドロゲナーゼ及び細胞質への2−KDGの輸送系のレベルを不活性化または改変することにより、例えばエリソルビン酸のような望ましい生成物の収量が結果として増加する。
他の実施形態において、異化経路は2,5−DKGの生成を増加させるために生産経路から分離されたものである。図24に示すように、グルコースは例えばグルコース−6−リン酸;ペントース経路を経て、グルコン酸−6−リン酸を経て、解糖経路を通って;及び2−KDG及び2,5−KDGを細胞質へ輸送する酵素輸送系によって、異化経路に入ることができる。同じものをエンコードする核酸またはポリペプチドを組換えすることによってグルコキナーゼ、グルコノキナーゼ、及び2−KDGヒドロゲナーゼ;及び2−KDGの酵素輸送系のレベルを不活性化または改変することにより、例えば2,5−DKGのような望ましい生成物の収量が結果として増加する。ここで、本発明者はいくつかの例となるアミノ酸配列及びゲノムコード領域のヌクレオチド配列及び/または問題となるタンパク質を提供するが、当業者であればここで具体的に記載されていないゲノム位置が既知の配列を組み込んだプローブまたはハイブリッド配列、及び(例えばBLASTの)ホモロジー配列(実施形態の1つとしては、少なくとも30%または少なくとも50%、他の実施形態においては、既知のコード領域配列)を構築することにより容易に確かめられるということを理解するであろう。他の実施形態において、少なくとも60%、70%、75%、80%、90%、95%、97%または98%の公知の配列のホモロジー配列は望ましい効果を得るための適用が本明細書で記載されている不活性化技術に対してコード領域を識別する。当業界で公知の特定酵素のコード領域を決定するための他の方法はいくつかの公知の配列を取得し、保存領域を測定するために配列を並べるためのものであり、その後、所望のゲノム領域を確認するための構造残基(framing residues)間における接続領域のPCR増幅に従って変性オリゴマー(degenerate oligomer)を設計する。
外来宿主に酵素発現をもたらす組換え技術が利用可能となることで望ましい生成物の生成を想定する本発明の特徴を達成することが可能となり、例えばリボフラビン、酒石酸塩、5−KDG、リボース、ヌクレオチド、グルコン酸塩、エリソルビン酸、2,5−DKG、その他のアスコルビン酸中間体、または容易に利用できる炭素基質から異化経路へ流用される炭素基質の量が減少されたその他の望ましい最終産物である。本方法は異化経路へ転換される基質量を減少させる特徴を有する点で従来用いられてきた方法よりも著しい利点を有する。従って、例えばアスコルビン酸中間体のような望ましい酸化最終産物への変換には利用されない。このことにより結果として醗酵効率が増加し、野生型生物を用いる醗酵において収量が増加する。特定の野生型生物は例えば2−KLGのようなアスコルビン酸中間体を生成するが、生成レベルは経済的実用性を満たすものではない。野生型パンテア属(P.citrea)は自身の細胞質グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼを有し、該生物がグルコースをその中心代謝経路、及び必要な消費エネルギー、ATPの生成に使用するためのリン酸化誘導体へ変換することを可能にしており、より多くの炭素が非2−KLG生産経路へ費やされる原因となっている。同様の制御条件下、本明細書に記載した2つの阻害プラスミド(interruption plasmid)において後述の本発明の方法を用いて、グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼをP.citreaゲノムから取り除くことができ、変性P.citreaはグルコースからDKGを増加して生成することができるようになり、野生型を越えた増加したレベルとなる。例えば63%収量〜約97〜98%収量のレベルである(実施例6参照)。
その他の変異体としては、限定されないが、ジヒドロアセトン−リン酸、DHAP;エリソルビン酸;及び酒石酸の生成を増加するためのギャップ遺伝子の不活性化が挙げられる。
ここに開示される配列の変異体は、例えばALIGN(サイエンティフィック・アンド・エデュケイショナルソフトウェア、ペンシルバニア)で測定して、80%、85%、90%、95%、98%、99%以上の同一性を有し、ここに開示されるいかなる酵素配列に対しても、好ましくは初期設定パラメーターとして以下の値を用いる:ミスマッチ=2;オープンギャップ=0;エクステンドギャップ=2。グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼ配列の変異体は高ストリンジェンシーな状態で、すなわち68℃及び0.1×SSCにおいて、ここに開示されるグルコキナーゼ及びグルコノキナーゼ配列にハイブリダイズしてもよい。
ハイブリダイゼーション条件に関して、より高い配列同一性が要求されるほど、該配列が配列番号1または配列番号3の配列をハイブリダイズできるかを測定する場合、ハイブリダイゼーション条件はより高ストリンジェンシーなものとなる。従って、本発明は配列番号1または配列番号3の少なくとも約15の連続したヌクレオチド(またはそれ以上、例えば約25、35、50、75または100の連続したヌクレオチド)を含む配列に対してハイブリダイズできるポリヌクレオチドを含む。該ハイブリダイゼーション条件はストリンジェントなものである。すなわち、80℃(またはそれ以上)及び6M SCC(またはそれ以下の濃縮SSC)である。他のハイブリダイゼーション条件は68℃及び0.1×SSCである。ハイブリダイゼーション反応に関する議論は以下を参照されたい。
ハイブリダイゼーション反応は様々な“ストリンジェンシー”条件下で行うことができる。ハイブリダイゼーション反応のストリンジェンシーを高める条件は周知であり、当業界で発表されている。例えば、Sambrook et al.(1989)の7.52頁を参照されたい。関連する条件の例としては以下を含む(ストリンジェンシーが高くなる順に):25℃、37℃、50℃及び68℃の培養温度;10×SSC、6×SSC、1×SSC、0.1×SSCのバッファー濃度(ここでSSCは0.15M NaCl及び15mMクエン酸バッファー)及びその他のバッファーシステムを用いるこれらの同等物;0%、25%、50%及び75%のホルムアミド濃度;培養時間5分〜24時間;1、2またはそれ以上の洗浄回数;洗浄培養時間1、2または15分;及び6×SSC、1×SSC、0.1×SSCの洗浄溶液または脱イオン水。
“Tm”は、実験条件下、分離した一本鎖を対にしてワトソンとクリックが示した逆平行方向に塩基に結合する相補鎖水素からできた50%のポリヌクレオチド二本鎖における摂氏温度である。Tmは以下の一般式に従って予測できる:

Tm=81.5+16.6log[X]+0.41(%G/C)−0.61(%F)−600/L

ここで[X]はmol/Lで表されるカチオン濃度である(通常はナトリウムイオン、Na);(%G/C)は二本鎖における総残基の比率としてのG及びC残基の数である;(%F)は溶液中のホルムアミド比率である(wt/vol);及びLは二本鎖の各鎖におけるヌクレオチド数である。
1.ASA中間体の生成
また、本発明は宿主細胞におけるアスコルビン酸中間体の生成方法を提供するものである。本発明は、例えば6位置炭素でD−グルコースをリン酸化し、及び/または6炭素位置でリン酸化D−グルコン酸をリン酸化する生産経路と異化経路を結合させる酵素活性のレベルを培養の全過程または一部の過程において減少させる方法を包含する。本発明は、酵素活性レベルがD−グルコースをその6炭素位置でリン酸化する、及び/または酵素活性レベルが6炭素位置におけるリン酸化D−グルコン酸を培養の全過程または一部の過程において増加させる方法を包含する。また、本発明は、酵素活性レベルがD−グルコースをその6炭素位置でリン酸化する、及び/または酵素活性レベルが培養の初期において、成長を促進するために6炭素位置におけるリン酸化D−グルコン酸を変性しないで、または増加して、細胞バイオマスを生成し、培養の後半は望ましい生成物の蓄積を促進するために該リン酸化D−グルコン酸が減少する、方法を包含するものである。
ASA中間体はさらに、ASAまたはエリソルビン酸塩のような望ましい最終生成物へ変換される。ASA中間体の生成のために、炭素源をDKGへ変換できるいかなる宿主細胞も使用できる。好ましい腸内細菌株はD−グルコース溶液から2,5−ジケト−D−グルコン酸を生成するものであり、Kageyama et al.(1992)International Journal of Systematic Bacteriology vol.42、p.203−210に記載されているパンテアが挙げられる。好ましい実施形態において、宿主細胞は内生グルコキナーゼ(配列番号1で表される核酸によってエンコードされる)をエンコードするポリヌクレオチドの全てまたは一部に欠失を有する、及び内生グルコノキナーゼ(配列番号3で表される核酸によってエンコードされる)をエンコードするポリヌクレオチドの全てまたは一部に欠失を有するパンテア属(Pantoea citrea)である。
ASA中間体の生成は醗酵性環境、すなわちin vivo環境において進めることができ、または非醗酵性環境、すなわちin vitro環境において進めることができる;または組合わせたin vivolin vitro環境で進めることができる。さらに後に記載する方法において、宿主細胞またはin vitro環境はDKGからKLGへの変換を触媒する異種DKGレダクターゼをさらに含む。
A.in vivo 生体触媒環境
本発明は、6炭素位置でD−グルコースをリン酸化する内生酵素活性をエンコードするポリヌクレオチドにおける変異、及び/またはASA中間体のin vivo生成中に6炭素位置においてD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性をエンコードするポリヌクレオチドにおける変異を含む宿主細胞の使用を包含するものである。生体触媒は、例えばグルコースのような六炭糖または六炭糖酸または六炭糖及び/または六炭糖の組合わせのような酸腸内細菌株によって通常使用される適当な炭素源を含む環境において宿主細胞の培養を開始する。その他の炭素源としては、限定されないが、ガラクトース、ラクトース(乳糖)、フルクトース(果糖)またはこれらの酵素誘導体が挙げられる。適当な炭素源に加えて、醗酵媒体は、望ましい最終生成物の生成のために必要である培地の成長及び酵素経路の促進に関する当業者に公知の適当な鉱物、塩、共同因子、バッファー(緩衝物)、及びその他の成分を含まなければならない。
具体的なin vivoのパンテア経路において、D−グルコースは酵素変換を経て一連の膜生成工程を通り、限定されないがGA、KDG及びDKG等の中間体を与える酵素D−グルコースデヒドロゲナーゼ、D−グルコン酸デヒドロゲナーゼ及び2−ケト−D−グルコン酸デヒドロゲナーゼが挙げられ、図1を参照されたい。これらの中間体は酵素変換を経て一連の細胞内還元工程を通り、限定されないがKLG及びIA等の望ましい最終生成物を与える酵素2,5−ジケト−D−グルコン酸レダクターゼ(DKGR)、2−ケトレダクターゼ(2−KR)及び5−ケトレダクターゼ(5−KR)が挙げられる。SAS中間体生成のためのin vivo環境の好ましい実施形態において、5−KR活性をIAの消費を防止するために除去する。
KLGが望ましい中間体である場合、DKGRをエンコードする核酸をパンテア醗酵株中へ組換え導入する。多くの種においてDKGR、特にコリネバクテリウム属、ブレビバクテリウム属及びアルスロバクター属等のコリネ型細菌の種類を含むことがわかっている。
本発明の実施形態において、コリネバクテリウム属株SHS752001由来の2,5−DKGR(Grindley et al.、1988、Applied and Environmental Microbiology 54:1770−1775)はパンテア株に組換え導入される。エルビニア属(Erwinia herbicola)による組換え2,5−DKGレダクターゼの生成は米国特許第5,008,193号(Anderson et al.)に記載されている。DKGレダクターゼのその他の源は表1に示す。
醗酵はバッチ処理または連続処理により行う。バッチ処理において、添加物が何であるかに関わらず、全ての培養液を同時に回収する。連続系においては、新しい基質が添加される間は、培養液を定期的に下流処理のために取り除く。生成中間体はイオン交換樹脂、吸収またはイオン遅滞樹脂、活性炭素、凝集結晶化、膜透過等の種々の方法により醗酵培養液から再生される。
B.in vitro生体触媒環境
本発明はin vitroまたはバイオリアクターのような非醗酵性環境において、炭素源からKDG、DKG及びKLGのようなASA中間体を生成する生体触媒生成を提供する。細胞を成長のため最初に培養し、そして非醗酵性プロセスにおいて成長に利用される炭素源は除去し、pHは約4〜約9に維持し、酸素を存在させる。
生成する所望の中間体に応じて、該方法は酵素共同因子(enzymatic co−factor)の存在を必要とする。ここに記載する好ましい実施形態において、酵素共同因子は再生される。いくつかの実施形態において、KDGは望ましい生成ASA中間体である。バイオリアクターは、6炭素位置においてD−グルコースをリン酸化する内生酵素活性をエンコードするポリヌクレオチド中の変異及び/または6炭素位置でD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性をエンコードするポリヌクレオチド中に変異を含む生存能力のあるまたは生存能力のないパンテア属宿主細胞を含む。また本実施形態において、宿主細胞は2−ケト−D−グルコン酸デヒドロゲナーゼ活性をエンコードする遺伝子における変異を有する。本実施形態において、炭素源は2つの生産工程を経て生体触媒的にKDGに変換される。本実施形態において、共同因子を再生する必要はない。
DKGが望ましいASA中間体である場合、バイオリアクターは6炭素位置でD−グルコースをリン酸化する内生酵素活性をエンコードするポリヌクレオチド中に変異を含む及び/または6炭素位置でD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性をエンコードするポリヌクレオチド中に変異を含む生存能力のあるまたは生存能力のないパンテア属宿主細胞、及び3つの生産工程を経てDKGに生体触媒的に変換される炭素源を含むものとして提供される。本実施形態において、共同因子を再生する必要はない。
KLGが望ましいASA中間体である場合、バイオリアクターは6炭素位置でD−グルコースをリン酸化する内生酵素活性をエンコードするポリヌクレオチド中に変異を含む及び/または6炭素位置でD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性をエンコードするポリヌクレオチド中に変異を含む生存能力のあるまたは生存能力のないパンテア属宿主細胞、及び3つの生産工程及び1つの還元工程を経てKLGに生体触媒的に変換されるD−グルコースのような炭素源を含むものとして提供される。本実施形態において、レダクターゼ活性はパンテア属宿主細胞内に含まれる核酸または外因性核酸によってエンコードされる。本実施形態において、最初の生産酵素活性は共同因子の酸化物を必要とし、還元酵素活性は共同因子の還元物を必要とする。ここに記載される好ましい実施形態において、パンテア属細胞は天然GDH活性を除去するために変性され、古細菌(T.acidophilum)、クリプトコッカス(Cryptococcus uniguttalatus)またはバチルス種から得られるいずれかのような異種GDH活性及びNADPHに特異性を持つことは、1つの共同因子を必要とし、再生する共同因子再生系を備えるためにパンテア属に導入される。本実施形態において、宿主細胞はさらに2,5−DKGレダクターゼ活性をエンコードする核酸を含み、または2,5−DKGレダクターゼを外因的にバイオリアクターに付加する。
KLGを作成する他の実施形態において、バイオリアクターは6炭素位置でD−グルコースをリン酸化する内生酵素活性をエンコードする核酸中、及び/または6炭素位置でD−グルコン酸をリン酸化する酵素活性をエンコードする核酸に変異を含むパンテア属細胞の役割を果たし、膜結合型GDH、適当な酵素及び共同因子をエンコードする核酸をさらに含み、DKGに変換されるD−グルコン酸を添加する。反応混合物はそれから嫌気性の状態となり、グルコースを添加する。共同因子が再循環する間、GDHはグルコースをGAへ変換し、レダクターゼはDKGをKLGへ変換する。これらの反応が完了した時、GAをDKGに変換するために酸素を添加し、サイクルを続ける。
in vivo生体触媒プロセスにおいて、炭素源及びそれらの代謝物は宿主細胞細胞内環境の外で起こり、宿主細胞に付随する酵素活性を利用する酵素酸化工程または酵素酸化及び酵素還元工程を経て進行し、所望のASA中間体を生成する経路を通って進行する。酵素工程はバイオリアクター内で順次または同時に進行し、所望のASA中間体を生成するために共同因子を必要とするものもある。本発明はin vitroプロセスも包含し、ここで宿主細胞は、生存可能ではないが、所望の炭素源及びそれらの代謝物が炭素源からASA中間体への生体触媒において酸化還元に依然として利用可能であるように、有機基質と共に処理される。
バイオリアクターはバッチ処理または連続処理において実施される。バッチ処理系において、添加物が何であるかに関わらず、全ての培養液を同時に回収する。連続系において、新しい基質が添加される間、下流処理のために培養液は定期的に除去する。生成中間体はイオン交換樹脂、吸収またはイオン遅滞樹脂、活性化炭素、凝集結晶化、膜透過等の種々の方法によって醗酵培養液から再生される。
いくつかの実施形態において、炭素源またはそれらの誘導体を変換するために必要な酵素活性が利用可能であり続ける限り、宿主細胞は膜透過または凍結乾燥される(Izumi et al.、J.Ferment.Technol.61(1983)135−142)。酵素活性を安定化または増加させる溶媒または長鎖ポリマーが提供される環境において、バイオリアクターは外因性酵素活性を進行させることができる。いくつかの実施形態において、メタノールまたはエタノールはレダクターゼ活性を増加させるために使用される。他の実施形態において、Gafquatはレダクターゼを安定化させるために使用する(Gibson et al.、米国特許第5,240,843号を参照)。
本発明のいくつかの実施形態において、炭素源は共同因子再生を伴う方法においてKLGに変換される。この酵素の共同因子再生方法において、GDHの触媒活性により、D−グルコースの同等物はD−グルコン酸の同等物に酸化され、NADPの同等物はNADPHの同等物に還元される。GDHによって生成されるD−グルコン酸同等物は、それぞれ膜結合デヒドロゲナーゼGADH及びKDGDHの働きによって、次に2−KDG同等物に酸化され、それから2,5−DKG同等物に酸化される。生成した2,5−DKG同等物は2,5−DKGレダクターゼの働きによって、次に2−KLGに還元され、NADPHは元のNADPの同等物に酸化され、効果的に共同因子の同等物を再循環してD−グルコース酸化の第2の同等物を利用可能なものとする。共同因子再生のその他の方法は化学的、光化学的、及び電気化学的手段を含み、酸化NADPの同等物は化学的、光化学的、または電気化学的手段によってNADPH同等物に直接還元される。
C.ASAを生成する宿主細胞
例えばKDG、DKGまたはKLGのようなASA中間体へ宿主細胞炭化水素経路を導くために必要な生産または還元酵素は、もしこれらの酵素が宿主細胞に天然に生じるものでなければ、当業界に公知の組換えDNA技術によって取り込むことができる。もしくは、望ましい経路を阻害する酵素は組換えDNA方法によって不活性化できる。本発明はいかなる酵素または所望経路を達成するために必要な中間体の組換導入または不活性化をも包含するものである。
いくつかの実施形態において、潜在性プラスミド(cryptic plasmid)を回復させる腸内細菌株はASAの生成において使用される(PCT出願番号、WO98/59054を参照)。
いくつかの実施形態において、ASA中間体の生成に使用される宿主細胞はパンテア属(Pantoea citrea)であり、例えばATCC受入番号39140である。パンテア属においてASA中間体の生成に使用できる生産または還元酵素をエンコードする核酸の源は以下を含む:
Figure 0004430869
D.ASA中間体の再生
一旦生成すると、ASA中間体を再生させることができ、及び/または凍結乾燥、結晶化、噴霧乾燥及び電気透析等の当業界に公知の任意の手段によって精製することができる。ASA及びKLGのようなASA中間体を精製するための電気透析法は、例えば1998年5月5日に発行された米国特許第5747306号及び1998年8月30日に発行された米国特許第4767870号に記載されている。あるいは、中間体は醗酵培養液またはバイオリアクターから直接構築でき、粉状にするか液剤中に入れることができる。
本発明の方法によって生成されるKLGはさらにアスコルビン酸に変換でき、当業者に公知の方法でKDGからエリソルビン酸に変換できる。例えばReichstein及びGrussnerの、Helv.Chim.Acta.、17、311−328(1934)を参照されたい。アスコルビン酸の4つの立体異性体が可能である:L−アスコルビン酸、ビタミンC活性を示すD−アラボアスコルビン酸(エリソルビン酸)、L−アラボアスコルビン酸及びD−キシロアスコルビン酸。
E.分析条件
ASA中間体、ASA及びASA立体異性体の検出方法としては2,6ジクロロインドフェノール(Burton et al.、1979、J.Assoc.Pub.Analysis 17:105)またはその他の適当な試薬を用いる酸化還元滴定;陰イオン交換を用いる高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)(J.Chrom.1980、196:163);及び電気的な酸化還元手順(Pachia、1976、Anal.Chem.48:364)の利用が挙げられる。当業者はこれらの検出方法を利用する際の適用の制御について十分に認識しているであろう。
本発明における醗酵媒体は適当な炭素基質を含んでいなければならず、限定されないが、グルコースのような単糖類、ラクトース(乳糖)またはスクロースのようなオリゴ糖、デンプンまたはセルロースのような多糖類、及び再生可能原料由来の非精製混合物であって、例えば透過乳清(cheeze whey permeate)、コーンスティープリカー(浸漬液濃縮物)、甜菜糖液及び大麦麦芽である。さらに、炭素基質は炭素のような一炭素基質であってもよい。本発明で利用される炭素源は様々な炭素含有基質を包含し、選択は有機物にのみ限定されることが考えられるが、好ましい炭素基質としてはグルコース及び/またはフルクトース(果糖)及びそれらの混合物が挙げられる。本明細書に記載された改変ゲノムと組合わせたグルコース及びフルクトースの混合物を用いることにより、宿主細胞の代謝要求を満たすためにフルクトースを利用しながら、異化経路から分離した酸化経路は収量の向上のためのグルコースの使用及び望ましいアスコルビン酸中間体への変換を可能にする。
上述の全ての炭素基質は本発明において適していると考えられるが、好ましくは炭化水素グルコース、フルクトースまたはスクロースである。炭素基質の濃度は重量/重量に基づいて約55%〜約75%である。好ましくは、濃度は重量/重量に基づいて約60%〜約70%である。本発明者は最も好ましい60%または67%のグルコースを用いた。
適当な炭素源に加えて、醗酵媒体は適当な鉱物、塩、ビタミン、共同因子及び成長または培養及びアスコルビン酸中間体の生成に必要な酵素経路の促進に適したバッファーを含まなければならない。
培養条件:
前培養(precultures):
通常、細胞培養は適当な媒体中25〜32℃で成長させ、好ましくは約28または29℃である。実施例は使用した成長媒体について記載するが、本発明に有用なその他の典型的な成長媒体はルリア栄養培地(Luria Bertani(LB) broth)、サブローデキストロース培地(SD)またはYM(Yeast medium)培地のような一般的な市販媒体である。その他の規定のまたは合成成長媒体も使用でき、特定の微生物の成長に適当な媒体は微生物学または醗酵科学の分野の当業者に公知であろう。
醗酵に好ましい適当なpHの範囲はpH5〜pH8である。ここでシードフラスコ(seed flasks)はpH7〜pH7.5であり、反応容器はpH5〜pH6である。
本出願人は本発明の方法の実施可能性を示したので、醗酵プロセスに影響を与える多数の因子がアスコルビン酸中間体の生成を最大限にするために最適化され、制御されなければならないということが醗酵微生物学の当業者によって理解されるであろう。pH、炭素源濃度及び溶解酸素レベルのようなこれらの多くの因子は、アスコルビン酸中間体の生成に使用される細胞タイプに依存しながら酵素プロセスに影響を与える。
バッチ及び連続醗酵:
本発明の方法は培養系としてフェッドバッチ醗酵法を用いる。伝統的なバッチ醗酵は媒体の組成物が醗酵の開始時にセットされ、醗酵の間は人工的な改変を行わない閉鎖系である。従って、醗酵の開始時に、媒体に所望の生物を接種し、系へ何も加えることなく醗酵を起こすことが可能である。一般に、しかしながら、“バッチ”醗酵は炭素源添加に関するバッチであり、pHや酸素濃度のような因子を制御しながら行われる。バッチ系において、該系の代謝産物及びバイオマス組成物は醗酵が止まる時まで絶えず変化している。バッチ培養地内において、細胞は静電誘導相から高成長ログ相(log phase)、そして最終的には成長速度が減少または停止した固定相へ抑制される。もし放置した場合、固定相中の細胞は最終的には死滅する。ログ相中の細胞は一般的に最終生成物または中間体のバルク生成を引き起こす。
標準的なバッチ系の種類としてはフェッドバッチ系がある。フェッドバッチ醗酵法も本発明に適しており、醗酵が進むにつれて基質が添加される場合を除いた一般的なバッチ系を含む。フェッドバッチ系は異化抑制が細胞の代謝を阻害する傾向にある場合に有用であり、媒体中に限られた量の基質を有することが望ましい。フェッドバッチ系における実際の基質濃度の測定は困難であるので、pH、溶解酸素及びCOのような排ガスの分圧等の測定可能な因子の変化を基準に評価する。バッチ及びフェッドバッチ醗酵は一般的であり当業界に公知である。またBrock,supraに例が記載されている。
本発明はバッチ型において実施されるが、該方法は連続醗酵法にも適用されると考えられる。連続醗酵は開放系であり、所定の醗酵媒体をバイオリアクターへ継続的に添加し、同量の調整媒体が処理のために同時に除去される。連続醗酵は細胞が主にログ相で成長する場合、一般に培地を一定の高密度に維持する。
連続醗酵は細胞成長または最終生成物濃度に影響を与える1の因子または数種類の因子の調節が可能である。例えば、ある方法では炭素源または定率窒素レベルのような栄養制限物質を維持し、その他全てのパラメーターの調節が可能である。他の系においては、媒体濁度によって測定される細胞濃度が一定に保たれている間、成長に影響を与える多数の因子を継続的に変化させることができる。連続系は成長条件の定常状態を維持しようとする。従って、流出媒体に起因する細胞損失は醗酵における細胞の成長速度に対して均衡が取れていなければならない。栄養物質を調節する方法及び連続醗酵法の成長因子は生成物生成速度を最大化させる技術と同様、工業的微生物学の当業界において公知であり、Brock,supraが様々な方法を詳述している。
本発明はバッチ、フェッドバッチまたは連続方法のいずれを用いても実施でき、さらに公知の任意の醗酵法も適していると考えられる。さらに、細胞は細胞触媒の全体が基質上に固定されてもよく、アスコルビン酸中間体生成のために醗酵条件に供することができる。
アスコルビン酸中間体の同定及び精製:
醗酵媒体からの望ましいアスコルビン酸中間体の精製方法は公知である。
特定のアスコルビン酸中間体は媒体を高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)分析に供することにより直接同定できる。好ましくは本発明は醗酵媒体が0.01N硫酸の移動相を用いて定組成状態でイオン交換カラム上で分析される方法である。
実施例
一般的方法
細菌培地の維持及び成長に適した物質及び方法はManual of Methods for General Bacteriology(Phillip Gerhardt,R.G.E.Murray,Ralph N.Costilow,EugeneW.Nester,Willis A.Wood,Noel R.Kreig andG.Briggs Phillip編集)、210〜213頁、米国微生物学会(ワシントンDC)またはThomas D.Brock 生命工学:工業微生物学テキスト(Textbook of Industrial Microbiology)、第2版(1989)(Sinauer Associates,Inc.、Sunderland、Mass)に記載されている。成長のために使用される試薬及び物質及び細菌細胞試薬及び物質は、特に示さない限りディフコ研究所(Diffco)(デトロイト、ミシガン州)、Aldrich Chemicals(ミルウォーキー、ウィスコンシン州)またはシグマ・ケミカル社(セントルイス、ミズーリ州)から得た。
前培養または接種材料(inoculuum)用の成長媒体は市販されており、ルリア栄養培地(LB)、サブローデキストロース培地(SD)またはYM培地のような調合液はGIBCO/BRL(ゲイサーズバーグ、メリーランド州)から入手できる。LB−50ampは50mu.g/mlアンピシリンを含むルリア栄養培地である。
醗酵媒体:
2つの基本的な醗酵媒体を以下の実施例で使用するために調製し、シードフラスコ媒体及び醗酵媒体として同定した。これらの基本的な媒体は炭素源を変換することにより、または亜硫酸塩剤のようなその他の試薬を添加することにより変性した。それぞれの媒体に有用な試薬はKHPO、KHPO、MgSO・7HO、ディフコ社製ソイトーン(Difco Soytone)、クエン酸ナトリウム、フルクトース、(NHSO;ニコチン酸、FeCl・6HO及び微量の塩であって、限定されないがZnSO・7HO、MnSO・HO及びNaMoO・2HO;KHPO、MgSO・7HO、(NHSO、グルタミン酸一ナトリウム、ZnSO・7HO、MnSO・HO、NaMoO・2HO、FeCl・6HO、塩化コリン、Mazu DF−204(消泡剤)、ニコチン酸、パントテン酸カルシウム及びHFCS(42DE)を含むものが挙げられる。HFCSはグルコースとフルクトースの所望の比に従って生成することができる。例えば、フルクトース/グルコース溶液は27.3g/L粉末フルクトース、25.0g/L粉末グルコースから作られる。
細胞:
以下の実施例において使用される全ての市販の細胞はATCCから得たものであり、本文中ATCC番号によって特定される。組換えパンテア属(P.citrea)細胞(ATCC39140)をアスコルビン酸中間体生産者として用い、実施例4及び5に記載されるように構築した。酵素分析及びゲノム分析によってMDP41及びDD6株がグルコキナーゼ、グルコノキナーゼ及び両酵素をエンコードする遺伝子を持たないことが明らかになり、それに対して、野生型株はグルコキナーゼ及び/またはグルコのキナーゼ酵素をエンコードする遺伝子を含むということが示された。
アスコルビン酸中間体分析:
アスコルビン酸中間体、例えば2−KLGの存在はHPLC分析を行うことにより実証した。醗酵反応容器サンプルを貯蔵槽から流出させ、ウォーターズ2690分離モジュール及び/またはウォーターズ410示差屈折率検出器(ミルフォード、マサチューセッツ州)に接続したDionex社(サニーベール、カリフォルニア州、製造番号043118番)Ion Pac AS 10カラム(4mm times 250mm)に充填した。
アスコルビン酸中間体生成の分析方法
収量、OUR及びCERの測定方法は定義の段落において既に記載した。
組換え方法
ベクター配列
本発明の方法で使用される発現ベクターは酵素に関連する少なくとも1のプロモーターを含み、該プロモーターは宿主細胞中で働く。本発明の1の実施形態において、プロモーターは選択酵素の野生型プロモーターであり、他の実施形態において、プロモーターは酵素に対して非相同性であるが、宿主細胞中で働くことができるのものである。本発明の1の実施形態において、酵素をエンコードする核酸は微生物ゲノム中に安定して組み込まれる。
いくつかの実施形態において、発現ベクターは好ましくはベクターに固有の少なくとも1の制限エンドヌクレアーゼ部位を含む多重クローニング部位カセットを含み、核酸操作を容易にする。好ましい実施形態において、ベクターは1以上の選択マーカーも含む。ここで用いるように、選択マーカーの語はベクターを含むこれらの宿主の選択を容易にできる宿主微生物内の発現を可能にする遺伝子をいう。このような選択マーカーの例としては、限定されないが、エリスロマイシン、アクチノマイシン、クロラムフェニコール及びテトラサイクリンのような抗生物質が挙げられる。
非天然酵素または中間体の腸内細菌株中への組換え導入のための好ましいプラスミドは固定化できるが、グラム陰性及びグラム陽性細菌等の広範囲の細菌宿主において複製する能力を有する自己遺伝性プラスミドではない、RSF1010である。(Frey et al.、1989、The Molecular biology of IncQ Plasmids.:Thomas(編)、Promiscuous Plasmids of Gram Negative Bacteria、アカデミック・プレス、ロンドン、79〜94頁)Frey et al.(1992、Gene 113:101−106)はRSF1010の固定化特性に影響を与えることがわかった3つの領域を報告している。
変換
一般的な変換手順はCurrent Protocols In Molecular Biology(vol.1、Ausubel et al.編集、John Wiley&Sons,Inc.1987、第9章)に教示されており、リン酸カルシウム法、DEAE−デキストランを用いる変換及びエレクトロポレーションが挙げられる。所定の宿主細胞において所望のタンパク質をエンコードする核酸を導入するための様々な変換手順が当業界に公知である。様々な宿主細胞は酵素が外因的に加えられる経路を組換えによって生成するために使用でき、細菌、菌類、哺乳類、昆虫及び植物細胞が挙げられる。
本方法のいくつかの実施形態において、宿主細胞は腸内細菌科である。腸内細菌科に含まれるものとしては、エルビニア、エンテロバクター、グルコノバクター及びパンテア属が挙げられる。本発明において、ASA中間体生成のために好ましい腸内細菌醗酵株はパンテア属、特にPantoea citreaである。いくつかの実施形態において、宿主細胞は炭素源をKLGに変換できる酵素経路を含むPantoea citreaである。
形質転換体の同定
宿主細胞が変換されたかどうかは、目的の核酸が存在するかどうかを提示できるマーカー遺伝子発現の存在/不存在により検出できる。しかしながら、その発現は追認すべきものである。例えば、経路の酵素をエンコードする核酸をマーカー遺伝子配列内に挿入した場合、該挿入を含む組換え体細胞はマーカー遺伝子機能の不存在により同定できる。もしくは、マーカー遺伝子は単一プロモーターの制御下において、経路の酵素をエンコードする核酸と並行して位置することができる。導入または選択に対して反応したマーカー遺伝子の発現は通常同様に酵素の発現も示す。
あるいは、経路酵素のコード配列を含み、酵素を発現する宿主細胞は当業界に公知の様々な手順によって同定できる。これらの手順としては、限定されないが、DNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーション及びタンパク質バイオアッセイまたは免疫学的検定技術が挙げられ、核酸またはタンパク質の検出及び/または定量化のための膜ベース、溶液ベースまたはチップベース技術がある。
さらに、宿主微生物中の酵素ポリヌクレオチドの存在は、DNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーションまたはプローブ、酵素ポリヌクレオチド配列の一部または断片を用いる増幅によって検出できる。
本発明を実施する様式及び方法は以下の実施例を参照することにより当業者により十分に理解されるであろう。該実施例はいかなる手段においても本発明の範囲またはその請求項を限定する趣旨のものではない。ここに言及した全ての参考文献及び特許文献は本明細書に引用するものとする。
実施例
実施例1
P.citrea 139−2a由来のゲノムライブラリーの構築
P.citreaゲノムDNAをDNA−Pure TMゲノムDNA単離キット(CPG、リンカーン、ニュージャージー州)を用いて調製した。50μgの該DNAをメーカーの説明に従って(ロシュ(Roche Molecular Biochemicals)、インディアナポリス、インディアナ州)制限酵素Sau3Aを用いて部分的に消化した。消化生成物を1%アガロースゲル上に分離し、3−5キロベースのDNA断片をQiaquick Gel extraction kit(キアゲン社、バレンシア、カリフォルニア州)を用いてゲルから精製した。最終DNAをBamH1−線形プラスミド pBK−CMV(Stratagene、ラ・ホーヤ、カリフォルニア州)と連結させた。10××異なるプラスミド周囲のライブラリーを該方法において得た。
実施例2
グルコキナーゼ酵素の構造遺伝子の単離
P.citrea由来のグルコキナーゼ遺伝子を運ぶプラスミドを選択するために、ゲノムライブラリー(上述を参照)をグルコキナーゼ遺伝子(glkA)及びPTS輸送系、NF9株、glk(Flores et al.、Nat.Biotech.14、620−623)を欠いている大腸菌株に変換する。変換後、該細胞をM9媒体上に成長させるために唯一の炭素源としてグルコースと一緒に選出した。この方法を用いて、glkまたはpts変異体に相補的となることができるプラスミドを選出した。
37℃での培養の48時間後、多くのコロニーが見られた。これらのコロニーのいくつかをさらに精製し、そのプラスミドを単離し、制限分析により特定した。全プラスミドは共通のDNA断片を含んでいることが分かった。
再変換後、これらのプラスミドをNF9、glkへ戻し、これらを全てM9−グルコース媒体上で成長させ、NF9、glk中に存在する変異の少なくとも1つに相補的となることができるということを裏付けた。
プラスミドpMD4を該方法で単離し、約3.9kbの挿入を含ませた。該プラスミドにおける挿入をシーケンシングし、約1010bpの領域において大腸菌glkA遺伝子に高い類似点を有する遺伝子が存在することがわかった(SEQ ID4)。
相同組換えによるグルコキナーゼ遺伝子の不活性化
自殺ベクターを用いて相同組換えにより遺伝子を不活性化する一般的な方法は、以前に説明されている(Miller and Mekalaons.、J.Bacteriol.170(1988)2575−2583)。この方法によりP.citrea由来のglk遺伝子を不活性化するために、2つのプラスミドを構築した:pMD5及びpMD6。
pMD5を構築するために、製造仕様書に従ってプラスミドpMD4をNcol及びSnaB1制限酵素を用いて消化した(ロシュ社)。これらの酵素によって生じた付着末端を標準的な技術を用いてT4ポリメラーゼを含む平滑末端とした。このDNAをSpel−EcoRV DNA断片としてpLoxCat2から単離したloxP−Cat−loxPカセットと連結した(Palmeros et al.、Gene(2000)247、255−264)。該カセットはクロラムフェニコール耐性をコードする。連結(ライゲーション)混合物をTOP10コンピテントセル(インビトロジェン社(Invitrogen)、カールズバッド、カリフォルニア州)へ形質転換し、クロラムフェニコール10μg/ml上で成長させるために選出した。コロニーを37℃の培養18時間後に得た。これらのコロニーのうちいくつかのプラスミドを精製し、制限分析によって特定した。loxP−Cat−loxPの存在及びglk遺伝子中のNcolとSnaB1部位間のDNA領域の欠失が確認された。これらの特性を有するプラスミドをpMD5と名付けた。
pMD6を構築するために、プラスミドpMD5をBamH1及びCel11制限酵素を用いて消化した。loxP−カセットで阻害されるglk遺伝子を含むDNA断片をプラスミドpR6Kori1から単離したEcoRV−Bsa1 DNA断片に連結した(結果は記載せず)。該断片は複製のR6K起源及びカナマイシン耐性遺伝子を含む。連結混合物をSY327株へ形質転換し(Miller and Mekalaons.、前述と同箇所)、形質転換体をカナマイシン及びクロラムフェニコール(それぞれ、20及び10μg/ml)を含んだプレート上で選出した。コロニーを37℃の培養24時間後に得た。これらのコロニーのうちいくつかのプラスミドを精製し、制限分析によって特定した。loxP−Cat−loxPの存在及びR6K起源が確認された。これらの特性を有するプラスミドをpMD6と名付けた。
一般的なpMD6及びR6K誘導体の特性の1つは、それらがR6Kプラスミド由来のpir遺伝子を運ぶ株においてのみ複製できるということである(Miller and Mekalaons.、前述と同箇所)。P.citreaはpir遺伝子を含まず、またはpMD6の複製を持続しない。pMD6からP.citrea 139−2aへの形質転換及びCm(R)株の選出後、相同組換えによる適切な遺伝子置換が得られた。グルコキナーゼ遺伝子の不活性化をFukudaらによって説明されたグルコキナーゼ−グルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ結合分析(Fukuda Y.、Yamaguchi S.、Shimosaka M.、Murata K.及びKimura A.J.Bacteriol.(1983)vol.156:pp.922−925)を用いてグルコキナーゼ活性を分析することにより確認した。グルコキナーゼの不活性化が確認されたP.citrea株をMDP4と名付けた。グルコキナーゼ遺伝子の不活性化の確認をさらに、139−2aまたはMDP4株由来クロラムフェニコールDNA及びグルコキナーゼ構造遺伝子をハイブリダイズするプライマー(SEQ.ID.8、SEQ.ID.9)を用いて得たPCR生成物のサイズと比較することにより行った。この方法により、loxP−Cat−loxPカセットをグルコキナーゼ構造遺伝子においてクローニングするということをPCR生成物のサイズは反映すべきである。
実施例4
MDP4におけるクロラムフェニコール耐性マーカーの除去
30℃におけるYENB媒体上における一晩の成長後(0.75%酵母抽出物、0.8%栄養ブイヨン)、水懸濁液中のP.citreaMDP4をプラスミドpJW168を用いて電気形質転換を行った(Palmeros et al.、Gene(2000)247、255−264)。該プラスミドは、バクテリオファージP1 Creリコンビナーゼ遺伝子(IPTG−誘導性)、温度感受性pSC101レプリコン及びアンピシリン耐性遺伝子を含む。30℃でSOC媒体における結果物において、形質転換体を30℃(pJW168複製の許容温度)のカルベニシリン(200μg/ml)及びIPTG(1mM)で補ったLB寒天培地上で回収した。回収したコロニーを、Creリコンビナーゼにより仲介されたloxP部位において組換えによりクロラムフェニコール耐性遺伝子の切除をできるようにするためにカルベニシリン及びIPTGで補った新しいLB寒天培地上で2晩連続35℃で形質転換を行った(Hoess and Abremski,J.Mol.Biol.、181:351−362)。結果として生じたコロニーをカルベニシリン及びIPTGで補ったLB寒天培地及びクロラムフェニコール(12.5μg/ml)で補ったLB寒天上へレプリカ培養し、カルベニシリン耐性を有し及びクロラムフェニコール感受性を有する30℃でコロニーを同定し、マーカー遺伝子の除去を示した。このようなコロニーの1つを30℃で一晩中培養させたものを10mlのLB媒体に接種させるために用いた。0.6のOD(600nm)で30℃での成長において、培地を35℃で一晩中培養した。いくつかの希釈物を前もって温めておいたLB寒天培地上にプレートし、そのプレートを35℃で一晩中培養した(pJW168複製の非許容温度)。結果として生じたコロニーをLB寒天培地及びカルベニシリン(200μg/ml)で補ったLB寒天培地上へレプリカ培養し、カルベニシリン感受性を有する30℃でコロニーを同定し、プラスミドpJW168の損失を示した。このような1つのglk変異体である、MDP41を、配列番号5及び配列番号6のプライマーを用いてゲノムPCRによってさらに分析し、予想通りのPCR生成物を生じた(データは示していない)。
実施例5
相同組換えによるグルコン酸キナーゼ遺伝子の不活性化
図9に表した、P.citreaのグルコン酸キナーゼ遺伝子を不活性化させるために利用される一般的な方法は、グルコキナーゼ遺伝子を不活性化させるために実施例3に記載したものと実質的には使用するものは同じである。簡潔に言えば、唯一の炭素源としてグルコン酸を用いて(データには示していない)大腸菌株gntKまたはidnKの成長を可能にするプラスミドを単離及びシーケンシングした後;グルコン酸キナーゼ遺伝子の構造遺伝子を含むDNA断片を配列番号10及び配列番号11のプライマーを用いてPCRによって生成させた。この約3kbPCR生成物をR6K複製起源を含む多コピー型プラスミド中にクローニングした。配列番号2に示すようにグルコン酸キナーゼ構造遺伝子中にある固有PstI制限部位はloxP−Cat−loxPカセットを挿入するために利用した。この構造を相同組換えによりP.citrea株MDP41の染色体に移した。loxP−Cat−loxPカセットを含むグルコン酸キナーゼの正確な阻害を配列番号11及び配列番号12のプライマーを用いてPCRによって確認した。
不活性化されたグルコース及びグルコン酸キナーゼの両方を含む新しい株をMDP5と名付けた。この株はグルコン酸キナーゼ構造遺伝子中に挿入されたCatマーカーを依然として含んでいる。実施例4に記載した手順を繰り返すことにより、マーカーを含まない株が得られ、DD6と名付けた。
実験6
以下はO需要に関して2つの欠失(グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼが欠失したパンテア宿主細胞)を有する宿主細胞の利点を説明する。
種トレイン(Seed Train):
液体窒素中に保管された培養ビンを空気中で解凍し、0.75mLを500mLの種媒体を含んだ殺菌2−Lのエレンマイヤーフラスコへ加えた。フラスコを29℃、250rpmで12時間培養した。移動基準は.5より大きいOD550である。
種フラスコ媒体
媒体組成物は以下に従って生成した:

成分 量
KHPO12.0g/L
HPO4.0g/L
MgSO・7HO 2.0g/L
ディフコ・ソイトーン 2.0g/L
クエン酸ナトリウム 0.1g/L
フルクトース 5.0g/L
(NHSO 1.0g/L
ニコチン酸 0.02g/L
FeCl・6HO (0.4g/L原液の)5mL/L
微量の塩 5mL/L(の以下の溶液:0.58g/L ZnSO・7HO、0.34g/L MnSO・HO、0.48g/L NaMoO・2HO)

媒体溶液のpHを20%NaOHを含む7.0±0.1単位に調節した。テトラサイクリンHClを20mg/L(10g/L原液の2mL/L)の最終濃度に加えた。最終的な媒体溶液をそれから0.2ろ過単位でフィルター消毒した。媒体をそれからオートクレーブで処理し、500mLの前もってオートクレーブ処理した媒体を2−Lのエレンマイヤーフラスコに加えた。
生成醗酵タンク
殺菌消毒の前に反応容器に加えるもの

成分 量
KHPO3.5g/L
MgSO・7HO 1.0g/L
(NHSO 0.92g/L
グルタミン酸一ナトリウム 15.0g/L
ZnSO・7HO 5.79mg/L
MnSO・HO 3.44mg/L
NaMoO・2HO 4.70mg/L
FeCl・6HO 2.20mg/L
塩化コリン 0.112g/L
Mazu DF−204 0.167g/L

上記構成成分からなる媒体を121℃で45分間殺菌消毒した。
タンク消毒の後、以下の添加物を醗酵タンクへ加えた:

成分 量
ニコチン酸 16.8mg/L
パントテン酸カルシウム 3.36mg/L
HFCS(42DE) 95.5g/L(特定の出発基質として所望によりグルコン酸またはグルコース)
殺菌消毒後の最終体積及び消毒後成分の添加は6.0Lであった。準備したタンク及び媒体を、前述の通り調製して6.5Lの体積を有するシードフラスコの内容物全部と接種させた。
成長条件は29℃及びpH6.0である。攪拌速度、逆圧及び気流は溶解酸素を0以上に維持するため必要に応じて調節する。
結果
アスコルビン酸中間体の酸化経路を図10に表す。二酸化炭素生成量(CER)を測定することにより、異化経路に利用される炭素量が計算でき、従って唯一の源であるCOの炭素は炭素基質から得られ、反応容器中にそれ以上の追加のCOは供給されないので、異化経路と生産(酸化)経路の分離を測定できる。野生型生物を醗酵プロセス中利用する場合、異化生成物に対してCERで測定して63%のグルコースがアスコルビン酸中間体に変換され、37%が変換されなかった(図12)。研究の第2段階において、グルコキナーゼ発現をエンコードする核酸を野生型の条件下で実験を行った。図13に示すように、CO発生量はCERで測定して約18%に減少した。従って、グルコース異化は減少した。しかし、完全に分離しているわけではない。供給源、すなわち炭素基質が異化経路に流用される経路の確認を試みると、グルコン酸が唯一の炭素源として与えられていた。図13Bに示すように図13Aと比較すると、グルコン酸はグルコースが炭素基質となったかのように、大体同じ量で異化されている。(83%のグルコン酸塩がアスコルビン酸中間体へ変換された。17%のグルコン酸が異化経路へ変換した(CERで測定して)。)表2も参照されたい。
Figure 0004430869
研究の最終段階を、宿主細胞ゲノムから欠失したグルコキナーゼ及びグルコノキナーゼのゲノムコードを有する宿主細胞のOUR及びCERを調べることにより行った。図14は3%のグルコースがCOに変換されたことを表し、それに対し対照(野生型)が43%のグルコースからCOが得られたことを示す。結果として、野生型は異化経路によってグルコースの高い異化作用を示すようであり、結果として低収量及び高酸素要求を生じた。しかしながら、グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼの二重欠失は実質的に異化作用を初期の炭素基質の10%以下、5%以下、特に3%以下まで不活性化した。
結論
グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼの二重変異はほとんど全ての(約98%)グルコースから2,5−DKG経路をそれるようである。
実施例7
フルクトースからグリセロールの生成
P.citreaがフルクトース由来の化学化合物を生成するために使用できることを説明するために、グリセロールをEmpatageらによって記載された手段を用いて生成した[Empatage,M.、Haynie,S.、Laffend,L.、Pucci,J.及びWhited,G.Process for the biological production of 1,3−propanediol with high titer.(高滴定量の1,3−プロパンジオールの生物学的生成のためのプロセス)、特許:国際公開番号WO0112833−A 41 2001年2月22日;E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY;ジェネンコア・インターナショナル社。]。簡潔に言うと、この方法は酵母由来の2つの酵素を用い、以下の反応に示すようにジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)をグリセロールに変換する。
GPD1及びGPP2酵素の遺伝子をTrcプロモーター(Empatage et al.、2001)の制御下において多コピー型プラスミドpTrc99中でクローニングした。このプラスミド(pAH48)は高濃度の両酵素を生成できる。本発明者はP.citreaにおいてグリセロールを生成するために、株のグルコースを吸収する元来の能力を取り除くか低減させることが望ましいということを認識した。多くの細菌における一般的なグリセロール異化経路はグリセロールキナーゼの働きによるものである[Lin E.C..Ann.Rev.Microbiol.1976。30:535−578、Glycerol dissimilation and its regulation in bacteria(グリセロール異化作用及び細菌におけるその調整)]。本発明者はP.citreaが唯一の炭素源としてグリセロールを含む媒体中において成長できるということを発見した。さらに、P.citreaゲノム配列の調査はそれが大腸菌由来のglkA遺伝子に非常に類似しているグリセロールキナーゼ遺伝子を含むことを示した。
従って、グリセロールキナーゼ活性を取り除くために、該酵素の構造遺伝子(遺伝子glpK)を不活性化した。このことは実施例3及び5に記載したように達成された(グルコキナーゼ及びグルコノキナーゼ遺伝子の不活性化)。簡潔に言うと、glpK遺伝子及びフランキング配列を含む2.9kbDNA断片をP.citrea由来の染色体DNA及び配列番号glpK1及び配列番号glpK2に開示したプライマーを用いてPCRにより得た。この2.9kbDNA断片を実施例3及び5に示したようにR6Kベクターにおいてクローニングした。glpK遺伝子のDNA配列を配列番号 に示し、glpKのタンパク質配列を配列番号 に示した。
glpK DNA配列の調査はHpa1部位の存在を示し、loxP−Cat−LoxPカセットを挿入するために選択した。一旦望ましいプラスミド構築が得られると、実施例3及び5に記載した相同組換えによりglpK阻害をP.citrea株139−2a ps−の染色体に移した。最終的なP.citrea glpK::Cm株をMDG1と名付けた。
P.citreaゲノムのglpK遺伝子の阻害が一旦確認されると、この変異の効果を評価した。この目的のために、株MDG1は唯一の炭素源として0.4%のグリセロールを含んだ最小のM9媒体において成長させた。30℃、48時間の細胞培養後、株MDG1が炭素源としてグリセロールを利用する能力を失ったことを示し、成長は見られなかった。
株MDG1をプラスミドpAH48(Emptage et al.、2001)を用いて形質転換し、結果として生じた株MDG2は唯一の炭素源としてフルクトースを用いてグリセロールを生成する能力を測定した。このことは唯一の炭素源として2%フルクトースを含む最小の媒体中で該株を培養することにより達成した。30℃、24時間の細胞培養後、サンプルを収集し、Emptageら(2001)によって説明されたHPLCによって分析した。これにより、株MDG2は1.36g/Lのグリセロールを生成したが、株MDG1がグリセロールを生成しなかったことがわかった。これらの結果は、P.citreaがフルクトースの大半をグリセロールの生成に流用することができるということを示した。
前述の記述のその他の多くの例及び変更及び実施例は本発明の範囲及び概念を逸脱することなく、本開示の内容を読んだ当業者に明らかなことであり、このような全ての実施例または変更は本願特許請求の範囲の範囲内に含むものである。ここに記載される全ての刊行物及び特許はその全体を本願明細書中に引用するものとする。
図1はパンテア属(P.citrea)のグルコース吸収に関する代謝経路のいくつかを概略図で説明するものである。本発明で説明する遺伝子改変によって影響を受ける酵素段階はXで示す。箱で囲んだTは推測上のトランスポーターを示す。 グルコースを細胞代謝に導くために使用できる可能な異化経路のいくつかである。矢印は少なくとも1つの酵素段階を示す。 図3は表示した市販ルートから得られる生成物を示す。左側にリストした化合物を合成するために使用される炭素の大部分は異化経路またはTCA回路から得られる。それに対して、右の化合物はペントース経路及び/またはグルコースからケト酸への酸化によりその炭素のほとんどが得られる。 図4はP.citreaグルコキナーゼの核酸(SEQ ID NO:1)を表す。 図5はP.citreaグルコキナーゼのアミノ酸(SEQ ID NO:2)配列を表す。 図6はP.citreaグルコノキナーゼの核酸(SEQ ID NO:3)を表す。 図7はP.citreaグルコキナーゼのアミノ酸(SEQ ID NO:4)配列を表す。 図8は遺伝子glk30、glk31、gnt1、gnt2、pcgnt3及びpcgnt4のアミノ酸(SEQ ID NO:8−13)を表す。 図9はD−グルコース、D−グルコン酸及びそれらの誘導体のいくつかを表す。グルコース上の炭素の標準の番号は1及び6の数字によって示す。2−KDG=2−ケト−D−グルコン酸;2,5−DKG=2,5−ジケトグルコン酸;2KLG=2−ケト−L−グルコン酸。 図10はP.citrea由来のグルコン酸キナーゼ遺伝子を阻害するために使用される一般的な方法を表す。 図11はアスコルビン酸の生成に関する酸化経路を表す。E1はグルコースデヒドロゲナーゼを意味し;E2はグルコン酸デヒドロゲナーゼ;E3は2−ケト−D−グルコン酸デヒドロゲナーゼ;及びE4は2,5−ジケト−D−グルコン酸レダクターゼを意味する。 図12はアスコルビン酸中間体を生成することができる宿主細胞の醗酵の間の正味の反応を表す。 図13はグルコースへ曝露後の野生型生物の醗酵の炭素発生率(CER)及び酸素消費率(OUR)を表す。 図14は一方が欠損している(グルコキナーゼ)醗酵のCER及びOURを表す。 図15は一方が欠損している(グルコノキナーゼ)醗酵のCER及びOURを表す。 図16はグルコキナーゼ及びグルコノキナーゼの両方を含む宿主細胞を用いた醗酵のCER及びOURを表す。 図17は種々の代謝経路(解糖回路、TCA回路及びペントース経路を含む)及び酸化経路の相互関係を概略図で説明するものである。Glk=グルコキナーゼ;Gntk=グルコノキナーゼ;IdnO=5−ケト−D−グルコン酸5−レダクターゼ;IdnD=L−イドネート(Idonate)5−デヒドロゲナーゼ;TKT=トランスケトラーゼ;TAL=トランスアルドラーゼ、2KR=2−ケトレダクターゼ;2,5DKGR=2,5−ジケトグルコン酸レダクターゼ。 図18は種々の中央代謝経路及びリボースの生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xはリボース収量の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素段階を示す。 図19は種々の中央代謝経路及びリボフラビンの生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xはリボース収量の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素段階を示す。 図20は種々の中央代謝経路及びヌクレオチドの生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xはヌクレオチド収量の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素段階を示す。 図21は種々の中央代謝経路及び酒石酸塩の生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xはリボース生成の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素段階を示す。IdnO=5−ケト−D−グルコン酸5−レダクターゼ;IdnD=L−イドネート5−デヒドロゲナーゼ。 図22は種々の中央代謝経路及びグルコン酸リボースの生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xはグルコン酸生成の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素段階を示す。 図23は種々の中央代謝経路及びエリソルビン酸の生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xはエリソルビン酸生成の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素段階を示す。 図24は種々の中央代謝経路及び2,5−DKGの生成を増加させるであろう変異の相関関係を概略図で説明するものである。Xは2,5−ジケトグルコン酸生成の望ましい増加をもたらすために変異されるであろう酵素または輸送経路を示す。 図25はジヒドロキシアセトンリン酸(DHAP)がグリセロールに変換される経路を概略図で説明するものである。 図26は実施例7で記載したglpk遺伝子を含む2.9kbDNA断片をPCRで増幅するために使用するプライマーのDNA配列を表す。 図27は実施例7で記載したP.citrea由来グリセロールキナーゼの構造遺伝子のDNA配列を表す。該遺伝子を阻害するために使用するHpal部位の配列に下線を引いた。 図28は実施例7で記載したP.citrea由来グリセロールキナーゼのタンパク質配列を表す。

Claims (5)

  1. 変異されたパンテアシトレア(Pantoea citrea)宿主細胞においてグルコースから2,5−ジケト−D−グルコン酸を生産する方法であって、
    a)i)相同組換えにより内性グルコキナーゼ酵素をコードする酵素失活させる工程と、
    ii)相同組換えにより内性グルコノキナーゼ酵素をコードする酵素を失活させる工程とを含む、パンテアシトレア宿主細胞を変異させる工程、
    b)前記変異パンテアシトレア宿主細胞を、DKGの生産に好適な条件下で培養する工程、
    c)前記変異パンテアシトレア宿主細胞の存在下でグルコースからDKGを生産させる工程を含み、
    前記変異パンテアシトレア宿主細胞におけるDKGの生産が、同じ培養環境で育成した場合、対応する変異されていないパンテアシトレア宿主細胞と比較して高められていることを特徴とする方法。
  2. DKGを回収する工程を更に含む請求項1の方法。
  3. 前記宿主細胞を用いて内部酵素転換により、DKGから2−ケトLグルコン酸に転換する工程を更に含む請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記内性グルコキナーゼ酵素が配列番号2番で定義されるアミノ酸配列を含み、前記内性グルコノキナーゼ酵素が配列番号4で定義されるアミノ酸配列を更に含むことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記内性グルコキナーゼ酵素が配列番号1番で定義される核酸配列を有し、前記内性グルコノキナーゼ酵素が配列番号3で定義される核酸配列を有することを特徴とする、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
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