JP4428275B2 - 直接噴射式内燃機関およびその混合気形成方法 - Google Patents

直接噴射式内燃機関およびその混合気形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、火花点火方式の直接噴射式内燃機関またはその燃焼方法の改良に関する。
成層燃焼による希薄空燃比運転を行うようにした筒内直接噴射式内燃機関として特許文献1に示したようなものが知られている。この種の機関ではピストンに設けたボウル状のキャビティに向けて燃料を噴射供給し、キャビティ内に混合気塊を保持させることにより成層状態を形成して希薄空燃比運転を行うようにしている。
特開平11-82028号公報
成層運転領域における成層混合気濃度は、キャビティの大きさにより影響をうける。すなわち、キャビティ内で理論空燃比またはその付近の成層混合気を生成できるような負荷においては燃焼安定性がよく、燃費のよい成層運転を実現できる。しかしながら、キャビティ内の成層混合気は、前記負荷よりも低負荷域ではリーンとなって燃焼安定性が悪化し、前記負荷よりも高負荷域ではリッチとなって燃焼安定性が悪化することに加えて、未燃HCやスモークが排出される不具合を生じる。
本発明は、広範囲の運転域にて良好な燃焼安定性を確保し、未燃HCやスモークを排出しない好ましい成層燃焼を実現するためには、燃焼室内での混合気塊の位置のみならず、その大きさをも制御する必要があるという本出願人の知見に基づき前記従来の問題点を解消するものである。
このために本発明では、ピストン冠面に形成されたキャビティに向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と点火栓とを燃焼室に臨むように備えた直接噴射式内燃機関を前提として、次のような構成を要旨とするものである。
・機関運転状態を検出する運転状態検出装置と、前記検出運転状態に基づいて前記燃料噴射弁による燃料噴射時期、燃料噴射量、および前記点火栓による点火時期を制御する制御装置とを備え、前記燃料噴射弁を、その噴射燃料が前記キャビティ底面に衝突するように該底面に対向してかつその燃料噴霧の中心がシリンダ中心線に対して平行となるように設け、前記キャビティを、それぞれ円形状の外側キャビティと、この外測キャビティの内側に形成した内側キャビティとから構成し、前記外側キャビティの側壁の高さを、成層運転域内での高負荷状態での噴射燃料量を基準として、該噴射燃料が該外側キャビティよりも外側に溢れないように設定し、前記内側キャビティを、その中心と前記燃料噴霧の中心とが一致するように設け、前記制御装置を、前記成層運転域内での機関負荷状態に応じて燃料噴射時期を制御することで、前記噴射燃料の前記キャビティ底面への衝突位置を変化させると共に、前記成層運転域内での機関負荷が大きいほど前記内側キャビティ中心よりも離れたキャビティ底面に向けて燃料を噴射し、この噴射燃料と前記内側キャビティの側壁の位置関係及び燃料噴射量に基づいて、前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の着火時における溢れ量を調整する
前記本発明による直接噴射式内燃機関によれば、内側キャビティにより、キャビティ内での噴射燃料の広がりが抑制される。ただし燃料噴射量ないし負荷状態によっては、内側キャビティから外側への燃料の移動、すなわちキャビティ内での燃料の溢れを促すことで、負荷状態に応じた燃料噴霧の広がりが許容される。前記燃料の溢れ量は、同一噴射時期では燃料噴射量が増大するほど多くなり、同一燃料噴射量では噴射時期を進めて早期に噴射するほど多くなる。また、同一噴射時期、同一噴射量であっても、キャビティまたは内側キャビティの形状や寸法に応じて調節することができる。
前記特性に基づき、本発明によれば、成層運転領域内の比較的負荷の低い運転域では主として燃料移動抑制手段の内側域に燃料を保持することにより、少量の燃料が拡散して希薄化するのを防止し、燃料量に応じた適度な大きさの成層混合気塊を維持することができ、これにより燃焼安定性を向上させることができる。成層運転領域内の比較的負荷の高い運転域では、燃料移動抑制手段よりも外側域へと燃料を溢れさせることで、燃料量に応じた、より大きな成層混合気塊を形成して燃焼に適した空燃比を維持させることができる。前記燃料溢れ量が相当に大になったとしても、燃料および混合気はキャビティ内には保持されるので、高負荷運転時に成層混合気塊がシリンダ壁面等に接触して未燃HCを発生するような不具合は生じない。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお各図において共通する部分には互いに同一の符号を付して示すこととする。図1は本発明が適用可能な内燃機関の概略構成を示している。図中の1は内燃機関本体、2は吸気通路、3はスロットル弁、4は排気通路、5は触媒コンバータ、6は吸気弁、7は排気弁、8は燃料噴射弁、9は点火栓である。10はコントロールユニット、11は吸入空気量センサ、12はアクセル開度センサ、13はクランク角センサ、14は冷却水温センサ、15は排気酸素センサである。17はカム駆動により燃料を燃料噴射弁8に圧送する燃料ポンプであり、16はその燃料圧力を検出する圧力センサである。また、21は燃焼室、24はピストンを示している。
コントロールユニット10は、本発明における制御装置に相当するもので、CPUおよびその周辺装置からなるマイクロコンピュータにより構成されており、前記運転状態検出装置としての各種センサ11〜16からの入力に基づいて内燃機関の運転状態を判断し、燃料の噴射時期、噴射量、点火時期がそれぞれ所定の目標値に一致するように燃料ポンプ17、燃料噴射ノズル8および点火栓9の作動を制御する。
この内燃機関は吸気弁6と排気弁7をそれぞれ2個ずつ備えた4弁形式であり、燃料噴射弁8と点火栓9はそれぞれ前記4弁に包囲された燃焼室中央付近に配設してある。燃料噴射弁8は、その燃料噴霧の中心がシリンダ中心線対して略平行となるように取り付けてある。
図2−1、図2−2または図3に示したように、ピストン24の冠面には、前記燃料噴射弁8と対向するように、比較的小径の円形凹形状の内側キャビティ31と、これを包囲するように比較的大径の環状をした外側キャビティ32とを形成してある。この実施形態では、前記内側キャビティ31が本発明の燃料移動抑制手段に相当し、前記燃料噴射弁から噴射された燃料噴霧と、キャビティ31の外周部に立ち上がる側壁31bとの間の相対位置関係が調節される。なお、燃料移動抑制手段としては、前記内側キャビティ31に代えて、例えばじゃま板ないし壁面をキャビティ底面32a上に立ち上げた構成としてもよい。
前記内側キャビティ31の底面31aは平坦面からなり、その外周部に立ち上がる側壁31bはシリンダ中心線に対して平行な直円筒面状に形成してある。前記側壁31bはその上端部外周域がそのまま外側キャビティ32の底面32aとなっている。前記外側キャビティ底面32aは、外側域ほど深くなるように緩いテーパ面状に形成してあり、その外周部に立ち上がる側壁32bは内側キャビティ31と同様に直円筒面状としてある。前記側壁31aまたは31bの部分で測ったキャビティ深さは、内側キャビティ31よりも外側キャビティ32のほうが深くなるようにしてある。具体的には、例えば小型自動車用内燃機関に適用する場合、内側キャビティ側壁31aの高さh1は1〜4mm、外側キャビティ側壁32aの高さh2は5〜10mmとする。より詳細には、外側キャビティ32は、高負荷状態での燃料噴射量を基準として、該噴射燃料がシリンダ壁側に溢れ出ないように前記側壁高さh2を含む寸法諸元を実験的に決めるのであり、これにより高負荷で燃料量が多いときの成層混合気塊をシリンダ中央付近に維持して排気エミッションの悪化をより確実に回避する。
前記内側キャビティ31および外側キャビティ32の中心と燃料噴射弁8の中心とは互いにほぼ一致するように位置設定してあり、これにより燃料噴射弁8からの燃料噴霧がキャビティ31の中心部に衝突するようにしている。一方、点火栓9については、その放電電極部9aが、燃料噴射弁8からの燃料噴霧に近接して位置するスプレーガイド配置としてある。
この実施形態では、燃料噴射弁8としてそのノズル部を頂点とする仮想的な円錐面に沿って燃料を噴射するマルチホール(またはアウトワード型)のノズルを適用する。このような燃料噴射弁8を適用した場合、ピストン24が上死点付近に位置するときには小径の内側キャビティ31にのみ燃料が噴射供給され、ピストン24の位置が低くなるほど相対的に燃料噴霧の径が拡大することから噴射燃料のうち比較的大径の外側キャビティ32に供給される割合が増えることとなる。本発明では、基本的に燃料の噴射時期によりキャビティ内での燃料の広がりを制御するので、燃料噴射弁の種類は問わないが、前記のような燃料噴射弁8を適用することで、燃料の広がりをより的確に制御することが可能となる。なおマルチホールノズルによる燃料噴霧は、圧縮行程後半における筒内圧力上昇時においても噴霧塊の窄まりまたは形状変化が小さいという利点もある。
次に、前記構成下での燃焼過程につき説明する。一般に直接噴射式内燃機関では、圧縮行程中に燃料を噴射供給して混合気を成層化し、希薄空燃比による運転を行わせる成層燃焼運転のモードと、吸気行程中に燃料を噴射供給して理論空燃比近傍の比較的濃い予混合気による運転を行わせる均質燃焼運転のモードとを運転状態に応じて切り換えるようにしている。本発明による運転モードは、基本的に圧縮行程以降に燃料噴射を行う成層燃焼運転(以下「成層運転」という。)である。
図4−1〜図4−3は、本実施形態の内側キャビティ31を用いる成層運転領域における燃料噴霧および燃焼挙動を示す。図4−1は成層運転領域内での中負荷領域、図4−2は同じく低負荷領域、図4−3は同じく高負荷領域である。
中負荷領域では、まず図4−1の(a)〜(b)に示したように燃料噴射弁8から内側キャビティ31に向けて燃料を噴射する。図の(b)は噴射時期後半ないし噴射終了直後の状態である。燃料噴霧は、内側キャビティ底面31aの比較的外側寄り、すなわち側壁31b付近に衝突するように噴射時期を設定してある。こうすることにより中負荷以上の負荷域にて内側キャビティ31から外側への燃料の溢れ出しを容易にしている。また、点火栓の放電電極部9aを燃料噴霧に近接した位置に設けたことにより、放電電極部9aの周辺に、噴霧から蒸発した燃料によって可燃混合気が生成される。したがって、この時期(噴射時期後半ないし噴射終了直後)に点火時期を設定することにより、良好な着火が可能になる。
図4−1の(c)〜(d)は前記点火後の成層混合気の形成過程を示している。図示したように、内側キャビティ底面31aに衝突した燃料噴霧は、一部が該底面31aに沿って広がり、一部は底面31aから跳ね返るようにして内側キャビティ31から上方に広がり、一部は内側キャビティ側壁31bを乗り越えて外側キャビティ32内に広がる。また、燃料噴射時期後半ないし噴射終了直後に点火された噴霧から火炎伝播が伝わり、外側キャビティ32内で噴霧が広がり過ぎない状態で、燃焼室ないしシリンダ中心付近で燃焼が進む。内側キャビティ側壁31bを乗り越えて外側キャビティ32内に広がった噴霧は、徐々に勢いが弱くなり、外側キャビティ側壁32bかその手前の領域で留められる。このようにして、成層運転領域内の中負荷域では、内側キャビティ31と外側キャビティ32の一部を用いて、適切な濃度の成層混合気が生成されながら、燃焼が進行する。
成層運転領域内の低負荷域では、前記中負荷域に比較して燃料の噴射時期を遅らせる。これにより、図4−2の(a)〜(b)に示したように、内側キャビティ31の中心部寄りに燃料が供給され、外側キャビティ32への燃料の溢れが抑制される。この場合、燃料噴霧は図の(c)〜(d)に示したように内側キャビティ31の内側域にコンパクトな成層混合気塊を形成し、燃料噴射時期後半ないし噴射終了直後に点火されるので、少量の燃料であっても混合気塊の空燃比が希薄化することなく、安定燃焼が可能となる。
成層運転領域内の高負荷域では、前記中負荷域に比較して燃料の噴射時期を進める。これにより、図4−3の(a)〜(b)に示したように、ごく一部の燃料は、外側キャビティ32にも直接供給されるようになり、内側キャビティ31から外側キャビティ32への燃料の溢れ量が多くなり、外側方向への燃料の広がりが生じる。この場合、燃料噴霧は図の(c)〜(d)に示したように外側キャビティ32の領域に比較的大きな成層混合気塊を形成し、かつ燃料噴射時期後半ないし噴射直後に点火されるので、高負荷時の燃料量であっても混合気塊の空燃比が過濃化することなく、良好な燃焼状態が得られて未燃HCやスモークの発生を回避できる。
このように噴射時期後半から終了直後の時期に点火時期を設定した場合、いわゆるスプレーガイド構成により良好な着火性が得られることに加えて、成層混合気塊が過剰に拡散する前に着火燃焼を行わせることができることから、希薄空燃比による成層燃焼を効果的に行わせて排気エミッションおよび燃費をより改善することができる。さらに、このような点火時期設定によると、点火によって生じた火炎の伝播によりさらに混合気塊の保持が確実になるという利点がある。成層混合気塊が拡散しすぎない最適な点火時期は、すなわちキャビティ内で燃料噴霧が広がりすぎない程度の時期であり、このタイミングの点火によって生じた火炎伝播の圧力が混合気を押圧することで、キャビティ内で図示したような適度な混合気保持状態が実現される。
図5は、前記本発明の燃焼過程による負荷毎のキャビティ内の混合気濃度分布を前記従来技術と対比して示したものである。従来の技術では、図示したように仮に中負荷域でキャビティ33内の燃料分布が可燃空燃比域内になるものとすると、燃料噴射量が多くなる高負荷域ではキャビティ33の容量が相対的に過小となって混合気が過濃となり、燃料噴射量が減少する低負荷域ではキャビティ33の容量が相対的に過大となって混合気が過薄となってしまい、燃焼安定性や排気エミッションの点で問題を生じる。これに対して本発明によれば、前述したように内側キャビティ31からの燃料の溢れ量を加減することで負荷状態に応じた大きさの成層混合気塊を形成するようにしたことから、図示したように負荷状態にかかわらず、キャビティ内の中心付近から外側域にわたるまで、混合気濃度を可燃空燃比域内に制御することができる。
本発明によれば、前述したように成層運転領域での燃焼を改善することが可能であるが、さらに成層運転領域の高負荷限界域もしくは均質燃焼運転領域との境界領域において良好な成層燃焼を行わせて燃費および排気エミッションを改善することが可能である。この点を図6に基づいて説明する。前記運転域では、図6の(a)に示したように、図4−3(成層運転域内の比較的高負荷の領域)よりもさらに早期に燃料を噴射供給し、噴射燃料の大部分が外側キャビティ32に供給されるように図る。この場合、燃料噴霧はまず外側キャビティ底面32aに衝突し、その傾斜に沿ってシリンダ中心から外側に向かって付勢されたのち、側壁32bにより上方向に誘導される。高負荷時には噴霧の貫徹力が強いので、図の(b)〜(c)に示したように、混合気全体がシリンダヘッド下面との間の燃焼室空間内で渦のように旋回する循環流動を生起する。この循環流動により周囲の空気を巻き込み、キャビティ32の上方空間内に生成される混合気は濃度むらの少ない均質な混合気場を形成する。また、この条件下での点火時期としては、前記外側キャビティ32からの混合気塊が点火栓の放電電極部9aに到達する時期に設定することが好ましい。これにより、燃料噴射から点火までの時間を十分にとって、燃料噴射量が多い運転条件においても未燃HCやスモークの少ない成層燃焼を実現することができる。また、このことは成層運転が可能な運転領域を高速高負荷側に拡大できることを意味しており、したがってそれだけ機関の排気エミッション性能および燃費の改善が図れる。
次に、前記実施形態に固有の構成とその作用効果について述べる。この実施形態では、燃料噴射弁8はシリンダ中心線に対して傾斜して取り付けてあるが、そのノズルは燃料噴霧が内側キャビティ底面31aの中心部に向かってまっすぐに、かつ噴霧中心がシリンダ中心線に対して平行となるように設定してある。また、内外2個のキャビティ31,32は互いにその中心を一致させて同心円状に配置してある。これらの構成は、前述したようにしてシリンダ内で形成される成層混合気塊の位置と混合気濃度の偏り、およびこのような偏りに原因する排気エミッションの悪化を回避するうえで効果的である。
なお、負荷状態に応じた成層混合気塊の形成に関して、中負荷域以上の運転域にて燃料噴霧を内側キャビティ側壁31b付近に衝突するように噴射時期を設定することにより、内側キャビティ31から外側への燃料の溢れ出しを容易にしているが、このように噴射燃料が内側キャビティ側壁付近に衝突するような燃料噴射態様を実現するための構成には、燃料の噴射時期のみならず、内側キャビティ31の寸法や燃料噴霧の特性(マルチホールノズルではその噴霧角)なども影響する。したがって、実際の機関への適用にあたっては、これらの要素を考慮して燃焼状態が最良となる構成を実験等に基づいて設定するものとする。このことは燃料移動抑制手段としての内側キャビティ31からの燃料の溢れ量をどのように設定するかという点についても同様であり、該内側キャビティ31の大きさまたは側壁高さに基づいて、外側への燃料の溢れ量を調節する。さらに、成層運転領域内での高負荷運転時の混合気塊の形成に関しては、外側キャビティ32の側壁高さを含む寸法諸元による。一般的には、前記内側キャビティ31内にて移動を抑制された燃料により形成される内側の成層混合気塊と、内側キャビティ31から溢れた燃料により外側キャビティ32内にて形成される略環状の外側の成層混合気塊の空燃比は、各々前記キャビティの側壁高さを含む寸法により、望ましくは理論空燃比付近となるように調節するものとする。
本発明を適用した直接噴射式内燃機関の全体構成図。 本発明の第1の実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造の詳細を示す正面縦断面図。 本発明の第1の実施形態に係る内燃機関の燃焼室構造の詳細を示す側面縦断面図。 前記実施形態のピストン冠面の上面図。 前記実施形態の中負荷成層運転時の燃料噴霧の挙動を示す説明図。 前記実施形態の高負荷成層運転時の燃料噴霧の挙動を示す説明図。 前記実施形態の低負荷成層運転時の燃料噴霧の挙動を示す説明図。 前記各負荷での成層運転時の混合気濃度分布を従来技術との比較において示す説明図。 前記実施形態の均質運転域との境界領域での成層運転時の燃料噴霧の挙動を示す説明図。
符号の説明
1 直接噴射式内燃機関の本体
2 吸気通路
3 スロットルバルブ
4 排気通路
5 触媒コンバータ
6 吸気弁
7 排気弁
8 燃料噴射弁
9 点火栓
9a 点火栓の放電電極部
10 コントロールユニット
21 燃焼室
24 ピストン
31 内側キャビティ
31a 内側キャビティの底面
31b 内側キャビティの側壁
32 外側キャビティ
32a 外側キャビティの底面
32b 外側キャビティの側壁

Claims (11)

  1. ピストン冠面に形成されたキャビティに向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と点火栓とを燃焼室に臨むように備え、機関運転状態を検出する運転状態検出装置と、前記検出運転状態に基づいて前記燃料噴射弁による燃料噴射時期、燃料噴射量、および前記点火栓による点火時期を制御する制御装置とを備えた直接噴射式内燃機関において、
    前記燃料噴射弁を、その噴射燃料が前記キャビティ底面に衝突するように該底面に対向してかつその燃料噴霧の中心がシリンダ中心線に対して平行となるように設け
    前記キャビティを、それぞれ円形状の外側キャビティと、この外測キャビティの内側に形成した内側キャビティとから構成し、
    前記外側キャビティの側壁の高さを、成層運転域内での高負荷状態での噴射燃料量を基準として、該噴射燃料が該外側キャビティよりも外側に溢れないように設定し、
    前記内側キャビティを、その中心と前記燃料噴霧の中心とが一致するように設け、
    記制御装置を、前記成層運転域内での機関負荷状態に応じて燃料噴射時期を制御することで、前記噴射燃料の前記キャビティ底面への衝突位置を変化させると共に、前記成層運転域内での機関負荷が大きいほど前記内側キャビティ中心よりも離れたキャビティ底面に向けて燃料を噴射し、この噴射燃料と前記内側キャビティの側壁の位置関係及び燃料噴射量に基づいて、前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の着火時における溢れ量を調整すること
    を特徴とする直接噴射式内燃機関。
  2. 前記成層運転域内での機関負荷に応じて燃料噴射時期を進遅し、前記成層運転域内の低負荷域では前記内側キャビティの中央部寄りに燃料を供給することで前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の溢れを抑制し、前記成層運転域内の中負荷城では前記内側キャビティ底面の比較的外側寄りに燃料を供給することで前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の溢れ出しを容易にし、前記成層運転域内の高負荷域では前記内側キャビティの側壁付近の底面に燃料を供給すると共に一部の燃料を前記外側キャビティにも直接供給することで前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の溢れ量が多くなる請求項1に記載の直接噴射式内燃機関。
  3. 前記制御装置は、燃料噴射時期の後半から噴射終了直後までの期間内に点火時期を設定する請求項1または請求項2に記載の直接噴射式内燃機関。
  4. 前記点火栓を、その放電電極部が前記燃料噴射弁からの燃料噴霧に近接して位置するように設け、前記燃料噴射弁近傍の燃料噴霧によって形成される可燃混合気に着火するようにした請求項に記載の直接噴射式内燃機関。
  5. 前記内側キャビティと外側キャビティの中心を互いに一致させた請求項1から請求項4までのいずれか一つに記載の直接噴射式内燃機関。
  6. 前記燃料噴射弁は、そのノズル部付近に頂点が位置する仮想的な円錐面に沿って放射状に燃料を噴射するマルチホールノズルである請求項1から請求項5までのいずれか一つに記載の直接噴射式内燃機関。
  7. 前記制御装置は、前記成層運転域内の高負荷域で、点火時期を、キャビティからの混合気塊が点火栓の放電電極部に到達する時期に設定する請求項に記載の直接噴射式内燃機関。
  8. ピストン冠面に形成したキャビティに向けて燃料を噴射供給する燃料噴射弁と点火栓とを燃焼室に臨むように備え、
    前記燃料噴射弁を、その噴射燃料が前記キャビティ底面に衝突するように該底面に対向してかつその燃料噴霧の中心がシリンダ中心線に対して平行となるように設け、
    前記キャビティを、それぞれ円形状の外側キャビティと、この外側キャビティの内側に形成した内側キャビティとから構成し、
    前記外側キャビティの側壁の高さを、成層運転域内での高負荷状態での噴射燃料量を基準として、該噴射燃料が該外側キャビティよりも外側に溢れないように設定し、
    前記内側キャビティを、その中心と前記燃料噴霧の中心とが一致するように設けた直接噴射式内燃機関の混合気形成方法であって、
    前記成層運転域内での機関負荷状態に応じて燃料噴射時期を制御することで、前記噴射燃料の前記キャビティ底面への衝突位置を変化させると共に、前記成層運転域内での機関負荷が大きいほど前記内側キャビティ中心よりも離れたキャビティ底面に向けて燃料を噴射し、この噴射燃料と前記内側キャビティの側壁の位置関係及び燃料噴射量に基づいて、前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の着火時における溢れ量を調整するようにした直接噴射式内燃機関の混合気形成方法
  9. 前記内側キャビティの大きさまたは側壁高さに基づいて前記内側キャビティから前記外側キャビティへの燃料の着火時における溢れ量を調節する請求項8に記載の直接噴射式内燃機関の混合気形成方法
  10. 前記燃料噴射時期を、前記成層運転域内での機関負荷状態に応じて、高負荷時ほど進角させる請求項8または9に記載の直接噴射式内燃機関の混合気形成方法
  11. 前記内側キャビティ内にて移動を抑制された燃料により形成される内側の成層混合気塊と、前記内側キャビティから溢れた燃料により前記外側キャビティ内にて形成される略環状の外側の成層混合気塊の空燃比を、各々前記キャビティの側壁高さを含む寸法により調節するようにした請求項に記載の直接噴射式内燃機関の混合気形成方法
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