JP4427921B2 - マイクロホンの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話機等の電子機器で使用するマイクロホンの取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
昨今、携帯電話機をはじめとするマイクロホン内蔵型の電子機器は小型、軽量化が主流となってきており、マイクロホンの取付空間を小さくすることが要望されている。
従来のマイクロホンの取付構造は、マイクユニット底面の電極を、プリント基板に半田付けされた弾性を有する電極端子に接圧する構造であるため、電子機器筐体のフロントケースとプリント基板との間に一定の空間を確保し、前記空間内にマイクユニットを配設して、マイクロホンをプリント基板に電気的に接続するようにしている。
また、厚みを薄くできるように、マイクロホンユニットをプリント基板に直接半田付けしたり、マイクロホンユニットを電子機器筐体のフロントケースに固定し、マイクロホンからのリード線をプリント基板に固定するという手法も採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記いずれの方法においても、少なくともマイクロホン及びプリント基板を重ねた厚みが必要になり、電子機器本体の厚みをそれ以下に薄くすることは困難であった。
【0004】
本発明は、マイクロホンの取付空間を薄くすることが可能なマイクロホンの取付構造を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、電極及び集音部を有するマイクロホンと、前記集音部が露出するように前記マイクロホンを保持する保持体とを有し、前記マイクロホンを前記保持体に保持した状態でプリント基板に取付けて成るマイクロホンの取付構造において、前記プリント基板に設けられた貫通孔又は切り欠きを有し、前記保持体を前記貫通孔又は切り欠きに挿入した状態で取付けて成ることを特徴とするマイクロホンの取付構造が提供される。保持体は、プリント基板に設けられた貫通孔又は切り欠きに挿入した状態で取り付けられる。
【0006】
ここで、前記保持体は、前記マイクロホンの集音部が露出するように前記マイクロホンを収容して成り、前記集音部と反対側の前記保持体の部分が前記プリント基板から突出しないように配設されているように構成してもよい。
また、前記保持体は、軟材料で形成され前記マイクロホンの集音部及び電極が露出するように覆うマイクケースと、弾性を有する電極端子が一体的に形成され前記集音部が露出するように前記マイクロホンとともに前記マイクケースを収容するマイクホルダとを有して成り、前記マイクロホン及びマイクケースを前記マイクホルダに収容した状態で、前記マイクロホンの電極と前記電極端子の一方側が当接し、前記電極端子の他方側は前記プリント基板に半田付けされているように構成してもよい。
【0007】
また、前記マイクケースに一体的に形成された第1の係合部と、前記マイクホルダに一体形成された第2の係合部とを有し、前記マイクケースを前記マイクホルダに収容した状態で、前記第1の係合部と第2の係合部が係合して、前記マイクケースの脱落が防止されるように構成してもよい。
また、前記マイクホルダは、前記マイクロホンの集音部を露出する開口を有し桶状に形成されているように構成してもよい。
【0008】
また、前記マイクホルダに一体的に形成されたフック部と、前記プリント基板に形成され、前記フック部に嵌合する貫通孔を備えて成るように構成してもよい。
また、前記フック部は、前記電極端子の他方側の周囲を取り囲むように構成してもよい。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施の形態に係るマイクユニットの取付構造について説明する。
図1は本発明の実施の形態に使用する構成部品を示す分解斜視図である。図2は本発明の実施の形態に使用するマイクユニットの外観図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正断面図、同図(c)は底面図である。図3は本発明の実施の形態に使用するマイクホルダの外観図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正断面図、同図(c)は底面図である。また、図4は本発明の実施の形態に係るプリント基板実装状態を示す正断面図である。
【0010】
マイクユニット3は、図2に示すように、マイクロホン4及びマイクロホン4を収容するマイクケース5によって構成されている。マイクロホン4は、一方の面(表面:筐体外側の面)には音声を拾う集音部としての音孔面19が設けられ、前記一方の片面とは反対側の他方の面(裏面:筐体内側の面)には電気的な接続を担う電極が配設された導電面10が設けられており、全体として円柱形状に構成されている。
【0011】
マイクケース5は柔らかい軟材料で形成され、マイクロホン4への振動の吸収作用や、マイクホルダ7に対するマイクケースの装着性向上などを図っている。また、マイクケース5は、円柱形状のマイクロホン4の外周を覆うように構成されている。これにより、マイクケース5は、マイクロホン4の集音部及び電極が露出するように、マイクロホン4を覆っている。尚、マイクケース5は、後述するマイクホルダ7とともに、マイクロホン4を保持するための保持部を構成している。
【0012】
マイクユニット3は、図3のマイクホルダ7に収容されるように構成されている。
また、マイクホルダ7は図3に示すように、マイクロホン4を収容した際にマイクロホン4の集音部を露出するための開口を有する桶型形状の構造となっている。
マイクホルダ7と一体的に複数(本実施の形態では2つ)の電極端子が設けられている。電極端子の一方の側は、弾性を有する構造(例えば板バネ構造部20)となっており、マイクロホン4の導電面10に当接して電気的な接続がなされる。マイクユニット3をマイクホルダ7内に収容したときに、板バネ構造部20がマイクロフォンの電極に当接するように、板バネ構造部20はマイクホルダ7内に配設されている。
【0013】
前記電極端子の他方側は、マイクホルダ7の側部外方向に鈎状に突出して、端子部6が形成されている。マイクホルダ7の端子部6は、プリント基板8の半田付け部15にて半田付けされ、これにより、端子部6とプリント基板8との電気的な接続が行なわれる。
尚、マイクロホン4とマイクロホルダ7の電気的接続については、板バネ構造部20に制約されるものではなく、導電ゴムコネクタ等の導電性弾性体により行っても何ら問題はない
【0014】
また、マイクホルダ7にはマイクユニット3をマイクホルダ7に固定するための部位として、前記マイクロホンユニットのマイクケース5の側部全周にわたって設けてある円周状の圧入凹部13に嵌合するようにマイクホルダ7内に任意数成形されている突起型の圧入リブ14を備えている。ここで、凹部13は第1の係合部を構成し、リブ14は第2の係合部を構成しており、凹部13とリブ14が係合することによって、マイクホルダ7からマイクロホン4が脱落することを防止している。
【0015】
図1、図4に示すように、プリント基板8には、マイクホルダ7を貫通するための略円形の貫通孔9が設けられている。貫通孔9の大きさは、マイクホルダ7を挿入可能な十分な大きさに形成されている。尚、貫通孔9は、マイクホルダ7をプリント基板8の厚み方向に挿入可能な形状のものであれば足りるため、貫通孔9の代わりに、プリント基板8の端部に切り欠きを形成しておき、マイクホルダ7が前記切り欠きに潜り込むように挿入した状態、即ち、マイクホルダ7をプリント基板8の厚み方向に潜り込むようにマイクホルダ7を配設するようにしてもよい。
また、電気機器筐体のフロントケース1には、プリント基板8に固定されたマイクホルダ7の中に嵌め込まれているマイクユニット3の音孔面19側を固定し覆う押さえ凹部2を有するフロントケース1が形成されている。
【0016】
以上のように構成されたマイクロホンの取付構造に関し、図1乃至図4を用いて、その製造方法について説明する。
製造工程は、基本的に全3工程にて実施される。
先ず工程1として、図1に示すように、板バネ構造部20が円筒部内に位置するように組み込まれているマイクホルダ7を、プリント基板8に設けてある貫通孔9に挿入し、図4に示すように、マイクホルダ7から横に突出している2つの端子部6を、プリント基板8に設けてある貫通孔の半田付け部15に挿入し、半田付けを行なう。このとき、マイクホルダ7の底面(集音部と反対側のマイクホルダ7の部分)はプリント基板8の底面より突出しないように配設される(図4参照)。これにより、プリント基板8底面側の部品実装に影響を与えることがない。
【0017】
次に、工程2として、前記の如くしてプリント基板8上に固定されているマイクホルダ7の凹状の収容部に、マイクユニット3を、マイクユニット3内のマイクロホン4の導電面10方向から円周状の凹部13に、マイクホルダ7の任意数ある突起型のリブ11が係合して嵌まり込むまで押し込む。この時、マイクユニット3内の円柱状のマイクロホン4の導電面10とマイクホルダ7の収容部内に入り込んでいる板バネ構造部20とが圧接することにより電気的な接続が行われる。
【0018】
最後に工程3として、フロントケース1をプリント基板8より突出している、マイクホルダ7内に収納されているマイクユニット3の音孔面19方向から前記フロントケース1の押さえ凹部2をあわせ込むように設置する。
尚、音声については、フロントケース1の音孔11の凹部2の反対方向(表側)より、マイクユニット3内のマイクロホン4に音孔面19より伝えられ、板バネ構造部20、端子部6を介して信号としてプリント基板8に送られる。
【0019】
以上述べたように本実施の形態によれば、マイクホルダ7をプリント基板8に設けた貫通孔9又は切り欠きにプリント基板8の厚み方向に潜り込ませて、プリント基板8にマイクユニット3を固定させる構造としているので、マイクロホンの取付空間をプリント基板8の略厚み分だけ薄くすることができ、プリント基板8の面からのマイクユニット3及びマイクホルダ7を含む取付高さより低く押さえることが可能になる。
したがって、マイクユニット3の取付がその厚みに制約されることなく行なえ、携帯電話機やPHS等のマイク内蔵型電子機器において、マイクを取付けた部分の電子装置の厚さをより薄くすることが可能となる。
【0020】
また、予めマイクホルダ7をプリント基板8に設置する時点で、バネ端子を固定し、マイクユニット3を圧入する際に該ユニットの導電面12とマイクホルダ7の内側に入り込んだ端子20とが接圧されることにより電気的な接続を可能にしているため、プリント基板8に設置した状態で、試験や点検を行うことが可能になる。
【0021】
図5乃至図7は、本発明の他の実施の形態を示す図である。図5は本他の実施の形態に使用する構成部品を示す分解斜視図である。図6は本他の実施の形態に使用するマイクホルダの外観図で、同図(a)は平面図、同図(b)は正断面図、同図(c)は底面図である。図7は本他の実施の形態に係るプリント基板実装状態を示す正断面図である。尚、図5乃至図7において、図1乃至図4と同一部分には同一符号を付している。以下、図5乃至図7を参照して説明する。
【0022】
先ず、図6に示すフック付きマイクホルダ12の構造について説明すると、マイクホルダ12は、マイクホルダ12は円筒状の桶型に形成されており、マイクユニット3内の円柱状マイクロホン4の導電面10と電気的な接続を接圧することにより行えるように、マイクホルダ12の凹部状の収容部内に板バネ構造部20が入り込んでおり、マイクホルダ12の側部外方向に突出するように成形されている任意数の弾性的なフック構造部16が一体的に設けられている。フック構造部16は、板バネ構造部20とつながっている2つの端子部6の周囲を取り囲むように形成されている。これにより、端子部6と他の電子部品との短絡等が防止できる。
【0023】
また、前記した実施の形態と同様に、マイクユニット3を覆うように軟材料にて成形されているマイクケース5の圧入凹部13に嵌め込むように任意数の圧入リブ14を有する構造となっている。
また、図5、図6に示すように、マイクホルダ12を挿入し、取付けるための円形状の貫通孔9を有するプリント基板8には、マイクホルダ12の弾性的なフック部16と嵌合するように、フック部16と同数のフック用貫通孔17が設けられている。フック16を貫通孔17に嵌入することによりマイクホルダ12をプリント基板8に固定し、プリント基板8上のマイクホルダ12の端子部方向に設けられた導電部18と端子部6との接触により電気的な接続を行うような構造となっている。
【0024】
また、フロントケース1は、プリント基板8に設置したマイクユニット3を、マイクユニット3内のマイクロホン4の音孔面より押さえつけて固定するための浅い溝押さえ凹面2と、発せられた音声を拾いその情報をマイクロホン4の音孔面より伝えるための音孔11を有している。尚、マイクユニット3は図2に示したものと同じ構造とする。
【0025】
次に、本他の実施例の製造方法について図5乃至図7を用いて説明する。
本他の実施の形態は図5に示すように、全3工程にてマイクユニット3の取付を行なう。
先ず工程1として、プリント基板8に設けられた円形状の貫通孔9に桶状のフック付きマイクホルダ12を挿通し、マイクホルダ12の側部に突出し、端子部6を包み込むように設置された弾性のあるフック16を、プリント基板8に設けたフック16と同数のフック用貫通孔17に嵌め込む。
【0026】
尚、本構造によれば、SMTによる自動搭載は不要であるため、前述した実施の形態のようにマイクホルダ12の底面が、プリント基板8に設けてある貫通孔9の底面をはみ出てはいけないというような制約は受けない。
次に工程2として、マイクユニット3をプリント基板8に前述のようにして固定されているマイクホルダ12の収容凹部内に、マイクユニット3の凹部12にマイクロホルダ12の任意数ある突起型のリブ11が嵌まり込むように押し込む。
【0027】
最後に工程3として、フロントケース1の押さえ凹面2を、プリント基板8より突起しているマイクホルダ12内のマイクユニット3の音孔面19方向からあわせ込むように設置する。
なお、音声については、フロントケース1の音孔11よりマイクユニット3内のマイクロホン4の音孔面より伝えられ、2つの板バネ構造部20、ならびに端子部6を介して信号として導電部18よりプリント基板8に送られる。
【0028】
本他の実施の形態においても、前述した実施の形態と同様の効果を奏するばかりでなく、フックによって、プリント基板への取り付けが容易に行いうるという効果を奏する。
尚、マイクケース5及びマイクホルダ7によって構成される保持体は、プリント基板8の貫通孔9の表面側から裏面側まで挿入した状態で取付けるようにしてもよく、又、プリント配線基盤8の貫通孔9の表面側と裏面側の中間位置まで挿入した状態で取り付けるようにしてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、マイクロホンの取付空間を薄くすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に使用する構成部品を示す分解斜視図である。
【図2】 本発明の実施の形態に使用するマイクユニットの外観図である。
【図3】 本発明の実施の形態に使用するマイクホルダの外観図である。
【図4】 本発明の実施の形態に係るプリント基板取付例を示す断面図である。
【図5】 本発明の他の実施の形態に使用する構成部品を示す分解斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態に使用するフック付きマイクホルダの外観図である。
【図7】 本発明の他の実施の形態に係るプリント基板取付例を示す断面図である。
【符号の説明】
1・・・フロントケース
2・・・押さえ凹部
3・・・マイクユニット
4・・・マイクロホン
5・・・マイクケース
6・・・端子部
7・・・マイクホルダ
8・・・プリント基板
9・・・貫通孔
10・・・導電面
11・・・音孔
12・・・導電面
13・・・凹部
15・・・半田付け部
16・・・フック
17・・・フック用貫通孔
18・・・導電部
19・・・音孔面
20・・・板バネ構造部
Claims (5)
- 電極及び集音部を有するマイクロホンと、前記集音部が露出するように前記マイクロホンを保持する保持体とを有し、前記マイクロホンを前記保持体に保持した状態でプリント基板に取付けて成るマイクロホンの取付構造において、
前記プリント基板に設けられた貫通孔又は切り欠きを有し、前記集音部と反対側の前記保持体の部分が前記プリント基板から突出しないように前記保持体を前記貫通孔又は切り欠きに挿入した状態で取付けて成り、
前記保持体は、軟材料で形成され前記マイクロホンの集音部及び電極が露出するように覆うマイクケースと、弾性を有する電極端子が一体的に形成され前記集音部が露出するように前記マイクロホンとともに前記マイクケースを収容するマイクホルダとを有し、前記マイクロホンの集音部が露出するように前記マイクロホンを収容し、
前記マイクロホン及びマイクケースを前記マイクホルダに収容した状態で、前記マイクロホンの電極と前記電極端子の一方側が当接し、前記電極端子の他方側は前記プリント基板に半田付けされていることを特徴とするマイクロホンの取付構造。 - 前記マイクケースに一体的に形成された第1の係合部と、前記マイクホルダに一体形成された第2の係合部とを有し、前記マイクケースを前記マイクホルダに収容した状態で、前記第1の係合部と第2の係合部が係合して、前記マイクケースの脱落が防止されるように構成されて成ることを特徴とする請求項1記載のマイクロホンの取付構造。
- 前記マイクホルダは、前記マイクロホンの集音部を露出する開口を有し桶状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のマイクロホンの取付構造。
- 前記マイクホルダに一体的に形成されたフック部と、前記プリント基板に形成され、前記フック部に嵌合する貫通孔を備えて成ることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載のマイクロホンの取付構造。
- 前記フック部は、前記電極端子の他方側の周囲を取り囲むように構成されていることを特徴とする請求項4記載のマイクロホンの取付構造。
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