JP4427605B1 - 接着剤の滴下制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実際のシール形成前にシール線幅を自動調節すること。
【解決手段】 予行試験工程では、滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性を予め抽出しておき、その後のワーク製造過程では、滴下径Xの測定値より、滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性に基づき、両板状ワーク1が所定のギャップGで重ね合わされたことによる伸展後のシール線2bの線幅Bを推定することで、滴下ピッチPを制御変数として伸展後のシール線幅Bを制御することにより、ワーク製造過程の途中にディスペンサ3からの点状接着剤2aの滴下径Xが微妙に変化しても、その滴下径Xの測定値から予行試験工程の測定結果に基づいて、ディスペンサ3からの滴下ピッチPを自動的に修正し、その後は修正した滴下条件でシール線2bが形成される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば液晶ディスプレイ(LCD)や有機ELディスプレイ(OLED)やプラズマディスプレイ(PDP)やフレキシブルディスプレイなどのフラットパネルディスプレイ(FPD)に用いられるガラス製基板、又はPES(Poly-Ether-Sulphone)などのプラスチックフィルムや合成樹脂製基板からなる二枚の板状ワークを着脱自在に保持して貼り合わせる基板貼り合わせ機などに用いられる、貼り合わせ構造体を作成するための接着剤の滴下制御方法に関する。
詳しくは、一対の板状ワークの少なくともいずれか一方に、接着剤を定量ずつ等間隔おきに滴下して点状接着剤を定ピッチで配置し、これら板状ワークの貼り合わせにより、点状接着剤を伸展させ相互に繋いでシール線が形成される接着剤の滴下制御方法に関する。
従来、この種の液晶表示パネルの製造方法として、第1の基板に紫外線硬化樹脂とギャップ材とを混入したギャップ制御材を形成し、第2の基板に紫外線接着剤がディスペンサーを用いた滴下描画法を用い、所定のパターンで線状のシール材が形成され、第1の基板と第2の基板とを貼り合わせて加圧しながら、紫外線を照射して、液晶表示パネルのギャップ材制御材とシール材とを硬化させるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開平07−225384号公報(第2−4頁、図2−8)
このような従来の方法を利用して、一対の板状ワークのいずれか一方に、ディスペンサから接着剤を定量ずつ等間隔おきに滴下して点状接着剤を定ピッチで配置し、その後、両板状ワークの貼り合わせにより各点状接着剤を夫々伸展させ相互に繋ぐことで、所定幅のシール線が両板状ワーク間の封止空間を囲むように形成されるように制御することが考えられる。
しかし乍ら、ディスペンサから点状に滴下される接着剤は、ディスペンサーのノズル性能だけでなく、粘度や配合比などの材料固有の違いや、温度又は湿度などの滴下環境変化によって、ディスペンサから滴下される一滴当たりの量(滴下量)が変化し、それにより板状ワークに滴下された点状接着剤の径を一定に保つことが困難であった。
特に、使用する接着剤が変ってディスペンサから初めて滴下させる時や接着剤の滴下を開始する始業時には、接着剤の滴下量が安定し難いため、伸展して繋がったシール線の線幅にバラツキが発生し易く、それにより封止空間の容積が頻繁に変動して、高精度な貼り合わせ構造体を安定的に製造できないという問題があった。
そこで、この問題点を解決するため、始業時に先ず実ワークでテスト運転してディスペンサからの点状接着剤の滴下径を安定させ、次に点状接着剤が相互に繋がった実際のシール線の線幅を実測して、目的とするシール線幅との差を求め、これらの差に基づいてディスペンサからの滴下量を調整することが考えられる。
しかし、この場合には、始業時においてテスト運転開始から線幅の実測値に基づきディスペンサからの滴下量を調整し終わるまで、その間に作成した板状ワーク及び貼り合わせ構造体が全て不良品となってしまうため、歩留まりが悪いという問題もあった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、実際のシール形成前にシール線幅を自動調節すること、シール線幅の自動調節精度を更に向上させること、を目的としたものである。
前述した目的を達成するために、本発明は、一対の板状ワークのいずれか一方に、接着剤をディスペンサから所定量ずつ等間隔おきに滴下して点状接着剤を所定ピッチで配置し、該点状接着剤を挟むように前記両板状ワークが所定のギャップで重ね合わされて、前記点状接着剤を伸展させ相互に繋いでシール線が形成されるワーク製造過程に用いる接着剤の滴下制御方法であって、先ず前記ワーク製造過程とは別に、所定条件下で、前記ディスペンサから滴下される前記点状接着剤の滴下径を変化させ、これら滴下径に対応した複数の滴下ピッチで滴下して前記シール線の試作を行い、試作された前記シール線の線幅を測定する予行試験工程を有するものである。そして、この予行試験工程において、前記滴下径及び前記滴下ピッチの変化と前記シール線の線幅とのデータ群の関連性を予め抽出しておくものである。なお、理解の煩雑さを避けるため以下の記述において、前記「予行試験工程において予め抽出された、前記滴下径及び前記滴下ピッチの変化と前記シール線の線幅とのデータ群の関連性を、「BXP関連性」と記述することがある。次に、前記ワーク製造過程において、前記一方の板状ワークに向け、前記ディスペンサから前記接着剤を所定の滴下ピッチで定量滴下して、前記点状接着剤の滴下径を測定し、該滴下径の測定値より、前記「BXP関連性」に基づき、前記両板状ワークが所定のギャップで重ね合わされたことによる伸展後の前記シール線の線幅を推定することで、前記滴下ピッチを制御変数として前記伸展後のシール線幅を制御することを特徴とするものである。
さらに前述した特徴に加えて、前記一方の板状ワークに対し、前記ディスペンサから滴下ピッチで前記接着剤を定量滴下して前記点状接着剤の滴下径を測定する調整用滴下工程と、前記調整用滴下工程の結果に基づいて前記ディスペンサから前記接着剤を定量滴下するシール用滴下工程と、前記点状接着剤を挟むように前記他方の板状ワークが重ね合わされて前記シール線を形成する接着剤伸展工程とを順次実行するワーク製造過程において、前記調整用滴下工程における前記点状接着剤の滴下径の測定値と前記滴下ピッチから、前記「BXP関連性」に基づき、前記両板状ワークが所定のギャップで重ね合わされたことによる伸展後の前記シール線の線幅を推定し、該推定値が規格外である時には、前記「BXP関連性」に基づいて、前記シール用滴下工程における滴下ピッチを修正することを特徴とする。
またワーク製造過程によっては、前記調整用滴下工程を有さない場合もあり得る。その場合は、前記一方の板状ワークに対し、少なくとも前記ディスペンサから前記接着剤を定量滴下するシール用滴下工程と、前記一方の板状ワークに前記他方の板状ワークが前記点状接着剤を挟むように所定のギャップで重ね合わされて前記シール線を形成する接着剤伸展工程とを順次実行するワーク製造過程において、前記シール用滴下工程にて、前記点状接着剤の滴下径を測定し、前記接着剤伸展工程にて、前記シール線の線幅を測定し、該シール線幅の定値が規格外である時には、前記「BXP関連性」に基づいて、目標とするシール線幅を与える、前記点状接着剤の滴下径の実測値に対する滴下ピッチを推定し、次のワーク製造過程で前記シール用滴下工程における滴下ピッチを修正することを特徴とする。
前述した特徴を有する本発明は、予行試験工程では、滴下径及び滴下ピッチの変化とシール線の線幅とのデータ群の関連性を予め抽出しておき、その後のワーク製造過程では、滴下径の測定値より、滴下径及び滴下ピッチの変化とシール線の線幅とのデータ群の関連性(前記「BXP関連性」)に基づき、両板状ワークが所定のギャップで重ね合わされたことによる伸展後のシール線の線幅を推定することで、滴下ピッチを制御変数として伸展後のシール線幅を制御することにより、ワーク製造過程の途中にディスペンサからの点状接着剤の滴下径Xが微妙に変化しても、ディスペンサの滴下ピッチを自動的に修正し、その後は修正した滴下条件でシール線が形成される。
したがって、実際のシール形成前にシール線幅を自動調節することができる。
その結果、使用する接着剤が変ってディスペンサから初めて滴下させる時や接着剤の滴下を開始する始業時に接着剤の滴下量が安定し難い従来の方法に比べ、シール線幅を一定に維持して封止空間の容積を定量化でき、それにより精度の高い接着封止構造体を安定して歩留まり良く製造できるとともに、使用する接着剤が変ってディスペンサから初めて滴下させる時や接着剤の滴下を開始する始業時における調整作業の効率化を図ることができる。
また、伸展して繋がったシール線の線幅を自動的に監視しているので、板状ワークの貼り合わせ不良の発生をも防止できる。
また、調整用滴下工程における点状接着剤の滴下径の測定値と滴下ピッチから、予行試験工程で抽出された滴下径及び滴下ピッチの変化とシール線の線幅とのデータ群の関連性(前記「BXP関連性」)に基づき、両板状ワークが所定のギャップで重ね合わされたことによる伸展後のシール線の線幅を推定し、該推定値が規格外である時には、前記「BXP関連性」に基づいて、シール用滴下工程における滴下ピッチを修正するので、ディスペンサからの点状接着剤の滴下径が微妙に変化しても、調整用滴下工程における滴下径の測定値と滴下ピッチから前記「BXP関連性」に基づいて、シール用滴下工程におけるシール線の形成直前にディスペンサからの滴下ピッチを自動的に修正し、この修正した滴下条件でシール線が形成される。
したがって、シール線幅の自動調節精度を更に向上させることができる。
その結果、シール線幅が更に一定化され、それ伴い封止空間の容積の定量化も向上し、より精度の高い接着封止構造体を安定して歩留まり良く製造できる。
また、シール用滴下工程にて、点状接着剤の滴下径を測定し、接着剤伸展工程にて、シール線の線幅を測定し、該シール線幅の定値が規格外である時には、予行試験工程で抽出された滴下径及び滴下ピッチの変化とシール線の線幅とのデータ群の関連性(前記「BXP関連性」)に基づいて、目標とするシール線幅を与える、点状接着剤の滴下径の実測値に対する滴下ピッチを推定し、次のワーク製造過程でシール用滴下工程における滴下ピッチを修正する場合には、ある板状ワークの重ね合わせが終わった段階で、シール線の線幅に狂いが生じても、予行試験工程の測定結果に基づいて、次のシール用滴下工程におけるシール線の形成前にディスペンサからの滴下ピッチを自動的に修正し、この修正した滴下条件でシール線が形成される。
したがって、シール線幅の自動調節精度を更に向上させることができる。
その結果、シール線幅が更に一定化され、それ伴い封止空間の容積の定量化も向上し、より精度の高い接着封止構造体を安定して歩留まり良く製造できる。
本発明の接着剤の滴下制御方法の概略を説明する工程図で、(a)が滴下時の縦断側面図、(b)が同平面図、(c)がワーク重ね合わせ時の縦断側面図、(d)が貼り合わせ時の縦断側面図、(e)が同横断平面図である。 本発明の接着剤の滴下制御方法の一実施形態を示す説明図で、(a)が接着剤の滴下状態を示す平面図であり、(b)が接着剤の伸展途中を実線で示すとともに伸展後を二点鎖線で示す横断平面図である。 シール線幅と滴下径と滴下ピッチとの関連を示すグラフで、(a)がシール用滴下ピッチの補正過程を説明するB−X−P線図であり、(b)が調整用滴下ピッチの補正過程を説明するB−X−P線図である。 テスト滴下の一例を示す説明図で、平面図及び横断平面図で、(a)が接着剤の滴下状態を示す平面図であり、(b)が(b)が接着剤の伸展後を示す横断平面図である。 予行試験工程のフローチャートである。 テスト滴下工程のフローチャートである。 理想的な滴下ピッチを求めるための説明図である。 調整用滴下工程のフローチャートである。 シール用滴下工程のフローチャートである。 接着剤伸展工程のフローチャートである。
本発明の実施形態に係る接着剤の滴下制御方法の概略を説明すると、図1(a)〜(e)に示す工程図のように、それに用いるワーク製造過程として、一対の板状ワーク1の対向面の少なくともいずれか一方に接着剤2をディスペンサ3から所定量ずつ等間隔おきに滴下して点状接着剤2aを所定ピッチで配置し、これら一対の板状ワーク1を重ね合わせ、必要に応じ加圧して両者の間隔が所定のギャップGとなるように貼り合わすことにより、各点状接着剤2aを潰して拡張伸展させ相互に繋いで、シール線2bが形成される。
接着剤2としては、低粘度(200Pa・s=20万cP程度以下)で伸展し易いものを使用することが好ましい。
また、板状ワーク1の表面1aへ向けてディスペンサ3から定量滴下された直後の接着剤2は、その表面張力によってある径を保ち、その直径を以下「滴下径」という。
さらに詳細に説明すると、本発明の実施形態に係る接着剤の滴下制御方法は、前述したワーク製造過程とは別に予行試験工程を有し、該ワーク製造過程として、少なくともシール用滴下工程、接着剤伸展工程を有し、これらの工程を順次実行することで、一対の板状ワークがシール線2bを介して重ね合わされ、それにより貼り合わせ構造体Aが製造されるようにしている。
また必要に応じて、ワーク製造過程に調整用滴下工程を有するようにすることも可能である。以下、調整滴下工程を実行する場合について説明する。
予行試験工程は、例えば図1(a)(b)に示すように、温度などの条件を十分に管理した所定条件下で、一方の板状ワーク1の表面1aに向け接着剤2をディスペンサ3から滴下し、ディスペンサ3から滴下される接着剤2の一滴当たりの滴下量Wを変えるなどして、滴下径Xが異なる複数の点状接着剤2aを作成可能にしている。
そして、これら滴下径Xに対応した複数の異なる滴下ピッチPで滴下を行い、その後、図1(c)(d)に示すように、他方の板状ワーク1を所定のギャップGで重ね合わせて、図1(e)に示すように、各点状接着剤2aを潰し伸展させ繋げることにより、複数の異なる滴下径X及び滴下ピッチPからなるシール線2bの試作を行い、これら試作された各シール線2bの線幅Bを測定し、それぞれの滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性を抽出する。
調整用滴下工程は、ディスペンサ3から滴下される接着剤2の滴下ピッチP1及び滴下径X1を設定するか、又は予め設定された滴下ピッチP1及び滴下径X1で接着剤2を、例えば図2(a)に示すように、一方の板状ワーク1に向け定量滴下し、その後、これら滴下された点状接着剤2aの少なくとも滴下径X1を測定している。
シール用滴下工程は、調整用滴下工程の結果に基づいてディスペンサ3から滴下される接着剤2の少なくとも滴下ピッチP2を設定し、例えば図2(a)に示すように、ディスペンサ3から滴下ピッチP2で接着剤2を一方の板状ワーク1に定量滴下する。
接着剤伸展工程は、接着剤2が滴下された一方の板状ワーク1に対して、点状接着剤2aを挟むように他方の板状ワーク1を所定のギャップGで重ね合わせることにより、例えば図2(b)に示すように、各点状接着剤2aを潰して拡張伸展させ相互に繋いで、シール線2bを形成し、その後、少なくともシール線2bの線幅B2を測定している。
さらに、板状ワーク1としては、例えば図1に示すように、貼り合わせ構造体Aの一部を構成する例えばガラス基板や合成樹脂基板などの本ワーク11を用意するだけなく、少なくとも表面が本ワーク11と同じ材質で同形状形成される、貼り合わせ構造体Aと別なテストワーク12を用意することが好ましい。
そして、前述した調整用滴下工程及びシール用滴下工程では、例えば図2(a)(b)に示すように本ワーク11を使用し、それ以外の予行試験工程などでは、テストワーク12を使用することが好ましい。
このような接着剤の滴下制御方法を実施するために使用する接着剤の滴下制御装置の実施形態は、図1(a)に示すように、板状ワーク1(本ワーク11又はテストワーク12)の表面1aに向けて接着剤2を間欠的に定量ずつ滴下するディスペンサ3と、このディスペンサ3からの滴下量や滴下ピッチを制御する滴下コントローラ4と、ディスペンサ3から定量滴下した点状接着剤2aの大きさや、一対の板状ワーク1が所定のギャップGで重ね合わされたことにより各点状接着剤2aが潰され拡張伸展して相互に繋がったシール線2bの線幅を計測する計測部5と、この計測部5の計測データなどを保存する記憶部6と、この記憶部6に保存された計測データなどに基づいて滴下コントローラ4を作動制御する制御部7とを備えている。
板状ワーク1とディスペンサ3は、前述した予行試験工程、調整用滴下工程及びシール用滴下工程において、これら板状ワーク1及びディスペンサ3のいずれか一方又は両方を相対的に移動させながら、この板状ワーク1の表面1aへ向けてディスペンサ3から接着剤2を定量ずつ等間隔おきに滴下することにより、図1(b)及び図2(a)に示すように、点状接着剤2aが定ピッチで配置される。
滴下コントローラ4は、ディスペンサ3から滴下される接着剤2の一滴当たりの滴下量Wを変えることにより、板状ワーク1(本ワーク11又はテストワーク12)の表面1aに滴下された点状接着剤2aの滴下径Xを調整可能にするとともに、その滴下する間隔を時間的に変えることにより、点状接着剤2aの滴下ピッチPを調整可能にしている。
計測部5は、カメラなどからなり、図1(b)及び図2(a)に示すように、ディスペンサ3から板状ワーク1(本ワーク11又はテストワーク12)の表面1a上に滴下した各点状接着剤2aの少なくとも滴下径Xと滴下ピッチPを測定するとともに、図1(c)〜(e)及び図2(b)に示すように、一対の板状ワーク1が所定のギャップGで重ね合わされたことにより各点状接着剤2aが潰され伸展して繋がったシール線2bの線幅Bを計測している。
さらに、計測部5は、各点状接着剤2a間の隙間寸法なども一緒に計測することも可能である。
記憶部6は、計測部5により計測した点状接着剤2aの滴下径X及びシール線2bの線幅Bなどが、ディスペンサ3から滴下される接着剤2の一滴当たりの滴下量Wと関係付けして保存されるとともに、予め可変可能に設定される予定のシール線幅Bなども保存している。
制御部7は、滴下コントローラ4、計測部5及び記憶部6と夫々電気的に接続したコントローラであり、前述した予行試験工程を実行して、滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性を予め抽出している。勿論、この抽出作業には上位のより能力の高いコンピュータの助力を得る場合もある。
これに続き、ワーク製造過程において、一方の板状ワーク1に向け、ディスペンサ3から接着剤2を所定の滴下ピッチPで定量滴下して、点状接着剤2aの滴下径Xを測定し、該滴下径Xの測定値より、前述した滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性に基づき、両板状ワーク1が所定のギャップGで重ね合わされたことによる伸展後のシール線2bの線幅Bを推定することで、滴下ピッチPを制御変数として伸展後のシール線幅Bを制御している。
その一例としては、前述した調整用滴下工程を実行して、ディスペンサ3から滴下ピッチP1で定量滴下し、点状接着剤2aの滴下径X1を測定して、該滴下径X1の測定値と滴下ピッチP1から、予行試験工程で抽出された滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性に基づき、両板状ワーク1が所定のギャップGで重ね合わされたことによる伸展後のシール線2bの線幅Bを推定し、該推定値が規格外である時には、予行試験工程で抽出された滴下径X及び前記滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性に基づいて、前述したシール用滴下工程における滴下ピッチP2を修正するように制御している。
また、その他の例としては、一方の板状ワーク1に対し、少なくともシール用滴下工程と接着剤伸展工程とを順次実行するワーク製造過程において、シール用滴下工程にて点状接着剤2aの滴下径X2を測定し、接着剤伸展工程にてシール線2bの線幅B2を測定し、該シール線幅B2の定値が規格外である時には、予行試験工程で抽出された滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性に基づいて、目標とするシール線幅Bを与える、点状接着剤2aの滴下径X2の実測値に対する滴下ピッチP2を推定し、次のワーク製造過程でシール用滴下工程における滴下ピッチP2を修正するように制御することも可能である。
これまでの制御を具体例に沿ってより詳しく説明する。
予行試験工程では、滴下径X及び滴下ピッチPの変化とシール線2bの線幅Bとのデータ群の関連性を抽出して、例えば図3(a)に示すようなシール線幅B−滴下径X−滴下ピッチPの関連を示す線図(以下「B−X−P線図」という)を作成する。
調整用滴下工程では、同工程の実行により測定された点状接着剤2aの滴下径X1を、予行試験工程で作成されたB−X−P線図に挿入して、それにより作成されるシール線2bの線幅B1を予測し、それに基づき、その後に実行されるシール用滴下工程及び接着剤伸展工程を経て実際に形成されるシール線2bの線幅B2が、予定する線幅となるように、該シール用滴下工程における滴下ピッチP2を補正するようにしている。
つまり、このB−X−P線図によれば、滴下ピッチPが長くなるとシール線幅Bは細くなり、滴下径Xが大きくなるとシール線幅Bは太くなることが容易に解る。
例えば、滴下径XがXiの時、滴下ピッチPを変えることで得られる線幅Bは、曲線Siに従う。
この関係は、点状接着剤2aの質量と、潰すという物理的に単純な作用による関係のみであるので、温度や湿度などの滴下条件を滴下時のものに一定に保ちながら、ディスペンサ3から滴下される一滴当たりの滴下量Wを一定に保てば再現性が高くなり、温度や湿度などによる滴下環境の影響は無視できないが温調室内であれば無視できるため、再現性に優れる。
調整用滴下工程やシール用滴下工程における実際の本ワーク11への滴下では、ディスペンサー3のノズル性能及び周囲の条件管理の限界から、材料使用開始後のポットライフ(劣化)に起因して、例えば接着剤2の粘度が変化した場合には、接着剤2の一滴当たりの滴下量Wも完全には一定ではなく、図2(a)に示す調整用滴下工程における滴下径X1の測定値も粘度や環境温度等によって変る可能性が高い。
すなわち、それらの影響を制御して、予定の線幅を確保する必要がある。
例えば、連続的に多数枚の本ワーク11に接着剤2の滴下が行われており、i枚目において、図3(a)に示すB−X−P線図ように、前回の本ワーク11に滴下された点状接着剤2aの滴下径X1はXiであったが、今回、調整用滴下工程で滴下して滴下径X1を測定したところXjになったとする。
Xj−Xiが規定値(例えば±10%程度)を超えた場合には、このまま本ワーク11に接着剤2の滴下を行って、一対の本ワーク11を所定のギャップGで重ね合わせることにより押し潰すと、図2(b)に示す線幅B1はBjとなるはずであり、接着剤伸展後の目標線幅Bs(≒Bi)を大幅に超えることになる。
その場合には、図2(a)に示すシール用滴下工程における滴下ピッチP2を変えて対応する。
X座標=XjでPB平面と平行な平面で、BXP曲面を切った表面の曲線をSjとする。
B座標=BsでPX平面に平行な平面で、BXP曲面を切った等高線をSsとする。
曲線Sjと等高線Ssの交点をQとすると、Q点のP座標=Pjが求めるものである。
すなわち、この滴下ピッチPjで滴下すれば、線幅Bsが得られるはずである。
また、Xj−Xiが規定値(例えば±10%程度)以内の場合は、シール用滴下工程における滴下ピッチP2はPiのままでよい。
その後、図2(a)に示すシール用滴下工程では、前述した調整用滴下工程において指定された滴下ピッチP2=Pjでシール滴下を行なう。
この時点で、その滴下径X2を測定し、この測定値X2≒Xjであれば問題はなく、その測定値を次回のXiとする。
その後、図2(b)に示す接着剤伸展工程では、シール用滴下工程で滴下された点状接着剤2aを潰すことで作成されたシール線2bの線幅B2を測定し、この測定値B2≒線幅Bsであれば問題ない。
この許容誤差は、予定するシール線幅の規定誤差と同じである。
規定線幅Bmm±0.5mmなど図3(b)に示したように、測定値B2と線幅Bsが大幅に違う場合は、Sj線に従わない現象が生じたということである。
例えば、B2−Bsが基準値(規定量)を超えて小さい場合、測定値はX2≒Xjであったので、これによってピッチPjで滴下した結果、予測された線幅B(≒Bs)は得られず、小さいB2という値が得られた訳である。
線幅B2は、ディスペンサ3から滴下される一滴当たりの滴下量Wと滴下ピッチPによって決まるものであり、滴下ピッチPが正確だとすれば、本来の条件であれば、滴下径はXkと計測されるべきものであるのに、例えば周囲の温度が上がって接着剤2の粘度が下がったために、点状接着剤2aの滴下径Xが広がり易くなり、一滴当たりの滴下量Wは変らないのに滴下径が大きめにXjと計測されていた。この場合の点状接着剤2aは見掛けほど質量がなかったことになる。
そのため、次回には、滴下径Xkによって滴下ピッチPを変えて線幅Bを予測する曲線Skに沿ってピッチを決めればよく、接着剤伸展工程を経て実際に作成されるシール線幅Bsを得るには、曲線Skと等高線Ssの交点に対応する滴下ピッチPkが相応しい。
すなわち、調整用滴下工程における滴下ピッチP1を前回のものに対し、△=Pk−Pjだけ補正することになる。
なお、この補正量は、前述した実施形態では、B−X−P線図で求めたが、ある程度の固定値でも実用は可能である。予測したシール線幅Bよりも大きな線幅B2が計測された場合も、同様な方法で対処することが可能である。
このような実施形態では、ワーク製造過程の途中にディスペンサ3からの点状接着剤2aの滴下径Xが微妙に変化しても、その滴下径Xの測定値から予行試験工程の測定結果に基づいて、シール用滴下工程におけるシール線2bの形成直前にディスペンサ3からの滴下ピッチPが自動的に修正され、その後は修正した滴下条件でシール線2bが形成されるので、実際のシール形成前にシール線幅を自動調節することができる。
なお、前示の実施形態では、ワーク製造過程に調整用滴下工程を有する場合を示したが、これに限定されず、ワーク製造過程によっては、調整滴下工程がなく、シール用滴下工程から実行する場合もあり得る。
この場合には、前述したように調整用滴下工程における滴下ピッチP1を補正するのに代えて、シール用滴下工程における滴下ピッチP2を補正するものとする。
それにより、シール用滴下工程におけるシール線2bの形成直前にディスペンサ3からの滴下ピッチPが自動的に修正され、その後は修正した滴下条件でシール線2bが形成されるので、実際のシール形成前にシール線幅を自動調節することができる。
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、本発明の実施形態に係る接着剤の滴下制御方法が液晶ディスプレイの基板貼り合わせ機で実施される場合を示すものであり、先ず前述した予行試験工程を行い、その後、前述したワーク製造過程として図4(a)(b)に示すように、テストワーク12に向けてテスト滴下工程を行い、次に調整用滴下工程を行い、この調整用滴下工程では、図2(a)(b)に示すように、本ワーク11の本シール形成領域S1よりも外側の余白領域S2に向けて接着剤2を試し打し、その後のシール用滴下工程では本ワーク11の本シール形成領域S1に向けて接着剤2を本打ちして、接着剤伸展工程の実行により、本シール2cが封止空間S0を囲むように形成されるようにしている。
テスト滴下工程では、記憶部6に保存された目標とするシール線2bの理想線幅Baに対応する理想滴下ピッチPaを算定し、この理想滴下ピッチPaでディスペンサ3から接着剤2をテストワーク12の表面1aに滴下してシール線2bの試作を行い、この試作されたシール線2bの線幅Bとシール線2bの線幅目標値Baと比較して判定し、これにより、前述した調整用滴下工程における調整用滴下ピッチP1を決定している。
図示例の場合には図2(a)に示すように、調整用滴下工程では、一方の本ワーク11の余白領域S2として、後述するダミーシール2dが形成される箇所に向け滴下させ、また、一方の本ワーク11の封止空間S0が形成される領域には、液晶などの封入材8を滴下注入法により、複数個所に同量ずつ分散させて夫々点状又は線状に配置し、図2(b)に示すように、一対の本ワーク11が所定のギャップGで重ね合わされたことに伴い、これら点状の封入材8を潰して拡張伸展させ相互に繋いで、シール線2bの内側に気密封止する場合を示している。
その他の例として、封入材8の充填に代えて、本ワーク11に形成された電子回路やチップなどの封止部材を気密封止することも可能である。
さらに、図2(a)(b)に示すように、所定サイズの本ワーク11から小型の液晶ディスプレイを一度に多数製造する場合で、該板状ワーク1の四隅部分のみを部分拡大して示しており、各小型の液晶ディスプレイの封入材8として液晶を封止するための本シール2cと、その外側に配置されて本ワーク11間のギャップGを所定の膜厚に保持のためのダミーシール2dが配置されている。
また、その他の例として、本ワーク11の最外周を囲むように気密保持用シールを追加配置したり、ダミーシール2dが形成される箇所に代えて、調整用滴下工程で気密保持用シールが形成される箇所に向けディスペンサ3から接着剤2を定量滴下させることも可能である。
そして、前述した予行試験工程、テスト滴下工程、調整用滴下工程、シール用滴下工程、接着剤伸展工程を図5,図6,図8〜図10に示すフローチャートに従って説明する。
[予行試験工程]
予行試験工程では、図5に示すフローチャートのように、シール線幅B−滴下径X−滴下ピッチPが異なるシール線2bを複数試作して、これら試作されたシール線2bの線幅をそれぞれ測定し、これら関連するデータを抽出してB−X−P線図を作成する。
[テスト滴下工程]
テスト滴下工程では、図6に示すフローチャートのように、先ずディスペンサ3から滴下される接着剤2の一滴当たりの滴下量Wを設定する。
滴下量Wの設定方法の一例としては、ディスペンサ3からテストワーク12に向けて滴下される接着剤2の一滴当たりの滴下量W(μg)を計量する。
この一滴当たりの滴下量Wを該接着剤2の比重で除法して体積Vを求める。
この一滴当たりの体積Vは、図1(d)(e)に示すように、一対のテストワーク12が所定のギャップGで重ね合わされることにより、各点状接着剤2aが伸展した時の円柱状の体積と等しくなるから、この伸展半径をRとすれば以下の式が成立する。
V=G×πR22=V/π・G
ところで、目標とする理想的な線幅値Baに対応する理想的な滴下ピッチPaは、図7に示す説明図において、両板状ワーク1が所定のギャップGで重ね合わされたことにより伸展した一対の点状接着剤の伸展円2a′が相互に繋がって帯状に連結する際に、この連結部分の伸展先端を直線化させて直線状の境界面2a″が形成されるように、点状接着剤の伸展円2a′の重合箇所で図中、破線で囲まれた枠内の封止面積(P×R)が、2つ伸展径の1/4半円の和と同等でなければなない。
ゆえに、P×R=(πR2/4)×2
よって、理想的な滴下ピッチPaは、下記の制約を受ける。
Pa=πR/2
このように得られた理想的な滴下ピッチPaに基づいて、後述する調整用滴下工程における調整用の滴下ピッチP1を作成する。
しかし、理想的な滴下ピッチPaでディスペンサ3から接着剤2を定量滴下し、これらテスト用の点状接着剤2aを伸展させてテスト用のシール線2bを作成しても、接着剤2の粘度や配合比などの材料固有の違いや、温度又は湿度などの滴下環境変化によって、その線幅が必ずしも目標とする理想的な線幅値Baになるとは限らない。
例えば、接着剤2の粘度が高い場合には、粘度が低い接着剤に比べ、滴下径が小さめになって小さく測定され、伸展後におけるシール線2bの線幅が、該滴下径の測定値から予想される幅寸法に比べて太くなる。またこれと逆に、接着剤2の粘度が低い場合には、滴下径が大きめになって大きく測定され、シール線2bの線幅が該滴下径の測定値から予想される幅寸法に比べて細くなる。
さらに、滴下を開始する作業始業時などは、接着剤2の配合比が一定しないが、滴下を繰り返すことで徐々に一定に近づく。配合が硬めになると、滴下径は、正常配合に比べ小さめになって小さく測定され、線幅は、滴下径の測定値から予想される幅寸法に比べ大きくなる。
そこで、本実施例の場合には、理想的な滴下ピッチPaに微小変化量ΔPを加減した複数のテスト用滴下ピッチP(i)を求め、これらテスト用滴下ピッチP(i)で接着剤2を実際に定量滴下し、それにより得られるデータに基づいて後述する調整用滴下工程における調整用の滴下ピッチP1の初期値を決めている。
これらテスト用の滴下ピッチP(i)は、以下の式となる。
P(i)=Pa−i×ΔP i=0,±1,±2,・・・,N N:サンプル数
次いで、図4(a)に示す如く、このように求めたテスト用滴下ピッチP(i)ごとにディスペンサ3から接着剤2をテストワーク12の表面1a上に定量滴下して、テスト用の点状接着剤2aを夫々配置する。
この際、ディスペンサ3から滴下される接着剤2の一滴当たりの滴下量Wは、一定に設定されるため、テスト用の点状接着剤2aの滴下径も一定(X0)である。
その後、図4(b)に示す如く、もう一枚のテストワーク(図示しない)を所定のギャップGで実際に貼り合わせることにより、各テスト用の点状接着剤2aを夫々伸展させ相互に繋いでテスト用のシール線2bを形成し、夫々の線幅を測定する。
この際、テスト用滴下ピッチP(i)が理想的な滴下ピッチPaよりも小さいPa−△Pの場合には、一対のテストワーク12が所定のギャップGで重ね合わされたことにより各テスト用の点状接着剤2aを潰して伸展させると、その量が必要以上に多くなるため、これら点状接着剤2a同士の境界面2a″が突出し易く、それによりシール線2bが全体的に太くなる傾向がある。
また逆に、テスト用滴下ピッチP(i)が理想的な滴下ピッチPaよりも大きいPa+△Pの場合には、テストワーク12が所定のギャップGで重ね合わされたことにより各テスト用の点状接着剤2aを潰して伸展させると、その量が不足するため、これら点状接着剤2a同士の境界面2a″が凹み易く、それによりシール線2bが全体的に細くなる傾向がある。
これら微小変化量ΔPだけ異なるテスト用のシール線2bの線幅と、予め設定された目標とする理想的なシール線2bの線幅値Baとを比較して、この理想的な線幅値Baに近く、しかも該テスト用のシール線2bの境界線2a″が直線に近いものを、後述する調整用滴下工程における調整用滴下ピッチP1の初期値として決定する。
図示例では、調整用滴下ピッチP1として、P(−1)=Pa−ΔPを採用している。
[調整用滴下工程]
調整用滴下工程では、図8に示すフローチャートのように、先ず前述したテスト滴下工程で決定された調整用滴下ピッチP1を設定し、図2(a)に示すように、該調整用滴下ピッチP1でディスペンサ3から一方の本ワーク11の余白領域S2(ダミーシール2dが形成される箇所)に向けて接着剤2を定量滴下する。
次に、この滴下された点状接着剤2aのパターンの特徴として、少なくとも滴下径X1などを計測する。
そして、滴下径X1と予行試験工程で抽出されたB−X−P線図とから、それにより作成されるシール線2bの線幅B1を予測し、それに基づき、その後に実行されるシール用滴下工程及び接着剤伸展工程を経て実際に形成されるシール線2bの線幅B2が、予定の線幅となるように、該シール用滴下工程における滴下ピッチP2を補正している。
[シール用滴下工程]
予行試験工程では、図9に示すフローチャートのように、調整用滴下工程で決定されたシール用ピッチP2を設定し、図2(a)に示すように、このシール用ピッチP2でディスペンサ3から、一方の本ワーク11の本シール形成領域S1に向けて接着剤2を定量滴下する。
その後、必要に応じて、この滴下された点状接着剤2aのパターンの特徴として、滴下径X2などを計測する。
[接着剤伸展工程]
接着剤伸展工程では、図10に示すフローチャートのように、接着剤2が滴下された一方の本ワーク11に対して、該点状接着剤2aを挟むように他方の本ワーク11が所定のギャップGで重ね合わされたことにより、例えば図2(b)に示すように、滴下された各点状接着剤2aを潰して拡張伸展させ相互に繋いで、シール線2bを形成する。
その後、少なくともシール線2bの線幅B2を測定している。
そして、このシール線幅B2が予測と違う時には、予行試験工程で抽出されたB−X−P線図より、その後に繰り返して実行される調整用滴下工程、シール用滴下工程及び接着剤伸展工程を経て実際に形成されるシール線2bの線幅B2が、予定の線幅となるように、該調整用滴下工程における滴下ピッチP1の補正量を計算する。
つまり、シール線2bの線幅B2の測定値が、目標値Bsより太い場合には、前述したように「接着剤2の粘度が高い」、「接着剤2の配合が硬めになっていた」などの原因により、調整用滴下工程で測定した滴下径X1の測定値が小さめになって、滴下した一滴当たりの実質量が過度であったことになる。
このような場合には、滴下量を疎にするため、次回の滴下ピッチP1が大きくなるように補正される。
それによって、次回のシール線2bの線幅B2は細くなる。
また、このような実施例では、予行試験工程及びテスト滴下工程において接着剤2がテストワーク12上で試し打ちされ、その後、調整用滴下工程において接着剤2が本ワーク11の本シール形成領域S1よりも外側の余白領域S2で試し打ちされ、その後、シール用滴下工程において接着剤2が本ワーク11の本シール形成領域S1に本打ちされ、これらの点状接着剤2aが本ワーク11上で重複することなく配置されるので、接着剤2の試し打ちを本シール2cと干渉せずに高性能に行うことができる。
さらに、シール線2bが両本ワーク11間の封止空間S0を囲むように形成されるので、封止空間に形成される例えば配線パターンなどに悪影響を与えることなく、シール線幅を自動調節できる。
なお、前示実施例では、滴下制御方法を液晶ディスプレイの基板貼り合わせ機で実施する場合を示したが、これに限定されず、他の貼り合わせ装置で実施しても良い。
さらに、前示実施例においても、ワーク製造過程に調整用滴下工程を有する場合を示したが、これに限定されず、ワーク製造過程によっては、調整滴下工程がなく、シール用滴下工程から実行する場合もあり得る。
この場合には、前述したように調整用滴下工程における滴下ピッチP1を補正するのに代えて、シール用滴下工程における滴下ピッチP2を補正するものとする。
1 板状ワーク 11 本ワーク
12 テストワーク 1a 表面
2 接着剤 2a 点状接着剤
2b シール線 3 ディスペンサ
A 貼り合わせ構造体 B 線幅(シール線幅)
P 滴下ピッチ S1 本シール形成領域
S2 外側の領域 X 滴下径

Claims (3)

  1. 一対の板状ワーク(1)のいずれか一方に、接着剤(2)をディスペンサ(3)から所定量ずつ等間隔おきに滴下して点状接着剤(2a)を所定ピッチで配置し、該点状接着剤(2a)を挟むように前記両板状ワーク(1)が所定のギャップで重ね合わされて、前記点状接着剤(2a)を伸展させ相互に繋いでシール線(2b)が形成されるワーク製造過程に用いる接着剤の滴下制御方法であって、
    前記ワーク製造過程とは別に、所定条件下で、前記ディスペンサ(3)から滴下される前記点状接着剤(2a)の滴下径(X)を変化させ、これら滴下径(X)に対応した複数の滴下ピッチ(P)で滴下して前記シール線(2b)の試作を行い、試作された前記シール線(2b)の線幅(B)を測定する予行試験工程を有し、
    この予行試験工程において、前記滴下径(X)及び前記滴下ピッチ(P)の変化と前記シール線(2b)の線幅(B)とのデータ群の関連性を予め抽出しておき、
    前記ワーク製造過程において、前記一方の板状ワーク(1)に向け、前記ディスペンサ(3)から前記接着剤(2)を所定の滴下ピッチ(P)で定量滴下して、前記点状接着剤(2a)の滴下径(X)を測定し、該滴下径(X)の測定値より、前記滴下径(X)及び前記滴下ピッチ(P)の変化と前記シール線(2b)の線幅(B)とのデータ群の関連性に基づき、前記両板状ワーク(1)が所定のギャップで重ね合わされたことによる伸展後の前記シール線(2b)の線幅(B)を推定することで、前記滴下ピッチ(P)を制御変数として前記伸展後のシール線幅(B)を制御することを特徴とする接着剤の滴下制御方法。
  2. 前記一方の板状ワーク(1)に対し、前記ディスペンサ(3)から滴下ピッチ(P1)で前記接着剤(2)を定量滴下して前記点状接着剤(2a)の滴下径(X1)を測定する調整用滴下工程と、前記調整用滴下工程の結果に基づいて前記ディスペンサ(3)から前記接着剤(2)を定量滴下するシール用滴下工程と、前記点状接着剤(2a)を挟むように前記他方の板状ワーク(1)が重ね合わされて前記シール線(2b)を形成する接着剤伸展工程とを順次実行するワーク製造過程において、
    前記調整用滴下工程における前記点状接着剤(2a)の滴下径(X1)の測定値と前記滴下ピッチ(P1)から、前記予行試験工程で抽出された前記滴下径(X)及び前記滴下ピッチ(P)の変化と前記シール線(2b)の線幅(B)とのデータ群の関連性に基づき、前記両板状ワーク(1)が所定のギャップで重ね合わされたことによる伸展後の前記シール線(2b)の線幅(B)を推定し、
    該推定値が規格外である時には、前記予行試験工程で抽出された前記滴下径(X)及び前記滴下ピッチ(P)の変化と前記シール線(2b)の線幅(B)とのデータ群の関連性に基づいて、前記シール用滴下工程における滴下ピッチ(P2)を修正することを特徴とする請求項1記載の接着剤の滴下制御方法。
  3. 前記一方の板状ワーク(1)に対し、少なくとも前記ディスペンサ(3)から前記接着剤(2)を定量滴下するシール用滴下工程と、前記一方の板状ワーク(1)に前記他方の板状ワーク(1)が前記点状接着剤(2a)を挟むように所定のギャップで重ね合わされて前記シール線(2b)を形成する接着剤伸展工程とを順次実行するワーク製造過程において、
    前記シール用滴下工程にて、前記点状接着剤(2a)の滴下径(X2)を測定し、
    前記接着剤伸展工程にて、前記シール線(2b)の線幅(B2)を測定し、
    該シール線幅(B2)の定値が規格外である時には、前記予行試験工程で抽出された前記滴下径(X)及び前記滴下ピッチ(P)の変化と前記シール線(2b)の線幅(B)とのデータ群の関連性に基づいて、目標とするシール線幅(B)を与える、前記点状接着剤(2a)の滴下径(X2)の実測値に対する滴下ピッチ(P2)を推定し、次のワーク製造過程で前記シール用滴下工程における滴下ピッチ(P2)を修正することを特徴とする請求項1記載の接着剤の滴下制御方法。
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