[第1実施形態]
以下、本発明の遊技機をパチンコ機10に具体化した第1実施形態を図1〜図18に基づき詳細に説明する。
(1)パチンコ機10全体の概略構成
図1には、パチンコ機10の機表側が略示されている。このパチンコ機10は機体の外郭をなす縦長方形状の外枠11を備えている。この外枠11は、外枠11の下部を構成する合成樹脂製の腰板ユニット11aを備えている。外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形状の中枠12が、開閉及び着脱自在に組み付けられている。また、中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視保護するためのガラス枠を備えたガラス保持枠14と、上球皿15とが、それぞれ横開き状態で開閉可能に組み付けられている。ガラス保持枠14の上部前面には、パチンコ機10の各種遊技の演出態様(大当り、リーチなど)に応じて点灯(点滅)・消灯などの発光装飾を行うトップランプ16が前面側に向けて突出している。このトップランプ16は、図示しない発光体(発光ダイオードなど)を備え、同発光体にレンズ部材を覆い被せて構成されている。また、腰板ユニット11aの前面側における左右両側部には、遊技の演出状態に応じて各種音声(効果音、言語音声など)を出力するスピーカ17が互いに離間して形成されている。中枠12の前面側において上球皿15の下方には、下球皿19、操作ハンドル20及び灰皿23などが装着されている。
図1に示されるように、遊技盤13の遊技領域13aの略中央部には、矩形状開口部を有する枠状の大型装飾部材21が装着されている。大型装飾部材21の奥側には、可視表示部H(表示画面)を備えた図柄表示装置18が配設されている。なお、可視表示部Hは矩形状開口部から露出しており、視認可能とされている。この図柄表示装置18では、変動画像(または画像表示)に基づく遊技演出(表示演出)が行われるようになっている。また、図柄表示装置18では、始動入賞条件の成立に基づいて、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを導出させる図柄組み合わせゲームが行われるようになっている。なお、本実施形態の図柄表示装置18は液晶式であるが、ドットマトリクス式、エレクトロルミネッセンス素子式、7セグメント式の図柄表示装置18であってもよい。
図1に示されるように、図柄表示装置18の下方には、普通電動役物22aが一体的に構成された始動入賞口22(始動入賞装置)が配設されている。普通電動役物22aは、一対の羽根部材からなり、図示しないソレノイドの励磁作用により開閉するようになっている。始動入賞口22の奥方には、通過した遊技球を検知する『入賞検知手段』としての始動入賞口スイッチSW1(図2参照)が設けられている。ここで、本実施形態の始動入賞口スイッチSW1としては、電磁式スイッチ(近接スイッチ)が用いられている。始動入賞口スイッチSW1は、通過する遊技球を検知している間、オン状態となり、主制御基板31のメインCPU31a(図2参照)に対して第1検知信号(検知信号)を出力するようになっている。一方、始動入賞口スイッチSW1は、遊技球が通過していないときにオフ状態となり、メインCPU31aに対して第1検知信号を出力しなくなる。
なお、前記操作ハンドル20の操作によって前記遊技領域13aに打ち出された遊技球が始動入賞口22へ入賞し、始動入賞口スイッチSW1から第1検知信号が出力されると、始動保留球数の記憶値(始動入賞記憶数)が加算される。そして、始動入賞記憶数に基づき、図柄表示装置18にて図柄組み合わせゲームが行われるとともに、賞球の払い出しが行われる。
ここで、「始動入賞記憶数」とは、図柄の変動中に始動入賞口22に入賞した遊技球の数を所定の最大値(本実施形態では4)の範囲で記憶した値である。始動入賞記憶数は、始動入賞口22への遊技球の入賞により「+1」され、図柄組み合わせゲームの開始により「−1」される。
図1に示されるように、始動入賞口22の下方には、大入賞口扉24a(可動球受部材)を有する大入賞口24(変動入賞装置)が配置されている。大入賞口扉24aは、『電気的駆動源』であるソレノイド(図示略)のプランジャと連動するアーム(図示略)により、打球を受け入れない閉状態(第1状態)、及び、打球を受け入れやすい開状態(第2状態)に変換可能になっている。大入賞口24の奥方には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2参照)が設けられている。ここで、本実施形態のカウントスイッチSW2としては、電磁式スイッチ(近接スイッチ)が用いられている。カウントスイッチSW2は、通過する遊技球を検知している間、オン状態となり、前記メインCPU31aに対して第2検知信号を出力するようになっている。一方、カウントスイッチSW2は、遊技球が通過していないときにオフ状態となり、メインCPU31aに対して第2検知信号を出力しなくなる。
また、図1に示される大入賞口24の奥方には、『検出手段』としての入賞口拡大検知センサ25(図2参照)が設けられている。ここで、本実施形態の入賞口拡大検知センサ25としては、発光素子及び受光素子を有するフォトセンサが用いられている。入賞口拡大検知センサ25は、大入賞口扉24aが閉状態及び開状態のいずれの状態であるかを検出するようになっている。入賞口拡大検知センサ25は、発光素子からの光を受光素子が受光可能である場合に、大入賞口扉24aが閉状態であると検出してオン状態となり、メインCPU31aに対してHレベルの状態信号を出力するようになっている。一方、入賞口拡大検知センサ25は、発光素子からの光を前記アームが遮断して受光素子が受光不能となる場合に、大入賞口扉24aが開状態であると検出してオフ状態となり、メインCPU31aに対してLレベルの状態信号を出力するようになっている。なお、大入賞口扉24aが閉状態である場合に入賞口拡大検知センサ25とメインCPU31aとをつなぐ経路が遮断されると、状態信号は、開状態である場合にメインCPU31aに出力される状態信号と同一のLレベルとなる。
(2)パチンコ機10の電気的構成
図2に示されるように、このパチンコ機10は、『主制御装置』としての主制御基板31を備えている。また、パチンコ機10は、表示制御基板33、ランプ制御基板34、音声制御基板32及び統括制御基板37を備えている。主制御基板31には統括制御基板37が電気的に接続され、統括制御基板37には、表示制御基板33、ランプ制御基板34及び音声制御基板32が電気的に接続されている。
(2−1)主制御基板31の電気的構成
主制御基板31は、パチンコ機10全体を制御するメインCPU31aを備えており、当該メインCPU31aには入力ポート28が電気的に接続されている。前記始動入賞口スイッチSW1からの前記第1検知信号、前記カウントスイッチSW2からの前記第2検知信号、及び、前記入賞口拡大検知センサ25からの前記状態信号は、入力ポート28を介してメインCPU31aに入力されるようになっている。また、メインCPU31aには、メインROM31b及びメインRAM31cが電気的に接続されている。メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームに係る各種抽選に用いる大当り判定用乱数、大当り図柄用乱数、リーチ判定用乱数、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数、ハズレ右図柄用乱数、変動パターン振分乱数などの各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、メインCPU31aは、更新後の値をメインRAM31cの乱数記憶領域に設定して更新前の値を書き換えている。メインRAM31cのフラグ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のフラグが記憶(設定)されるようになっている。メインRAM31cのタイマ記憶領域には、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種のタイマが記憶(設定)されるようになっている。メインRAM31cの始動入賞記憶領域には、前記始動入賞記憶数が記憶(設定)されるようになっている。メインRAM31cの大入賞口開放回数記憶領域には、前記大入賞口扉24aが開状態に変換される回数が記憶(設定)されるようになっている。
図2に示されるメインROM31bには、図柄組み合わせゲーム用の変動パターンが振り分けられた変動パターン振分テーブルが記憶されている。本実施形態の変動パターン振分テーブルには、ハズレ演出用の変動パターン、ハズレリーチ演出用の変動パターン及び大当り演出用の変動パターンが振り分けられている。なお、各変動パターンには、遊技演出の時間及び内容が対応付けられている。また、各変動パターンには、変動パターン振分乱数の値が振り分けられている。なお、ハズレ演出用の変動パターンは、ハズレ図柄組み合わせ(大当りまたはリーチとなる図柄組み合わせが導出されない図柄組み合わせ)を導出するハズレ演出のベースとなるパターンを示している。ハズレリーチ用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄とは異なる図柄で停止するハズレリーチ演出のベースとなるパターンを示している。大当り演出用の変動パターンは、中図柄が、左図柄及び右図柄と同一の図柄で停止する大当り演出のベースとなるパターンを示している。なお、ハズレ演出、ハズレリーチ演出及び大当り演出の時間(図柄変動時間)は、変動パターンごとに異なっている。
また、図2に示されるメインROM31bには、遊技状態プログラムが記憶されている。遊技状態プログラムとは、メインCPU31aを『遊技状態判定手段』として機能させるためのプログラムである。以下、遊技状態プログラムに基づいて実行される各種処理(大当り判定、リーチ判定、停止図柄、変動パターンの決定など)を説明する。
図2に示されるメインCPU31aは、始動入賞条件の成立(前記始動入賞口スイッチSW1からの前記第1検知信号の入力)を契機として、所定の周期毎に更新される前記大当り判定用乱数の値及び前記大当り図柄用乱数の値を前記メインRAM31cから読み出し、それらの値をメインRAM31cの乱数記憶領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、図柄組み合わせゲームの開始直前に、メインRAM31cの乱数記憶領域に格納されている大当り判定用乱数の値とメインROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較して大当りか否かの大当り判定(当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、大当りを決定し、大当り遊技状態(第2遊技状態)を選択する。大当り遊技状態は、全図柄が大当りの組み合わせで確定停止した後の状態であり、前記大入賞口扉24aが閉状態から開状態に変換されることにより多数の遊技球を獲得できるチャンスが付与されるようになっている。なお、本実施形態では、大当り判定用乱数の採りうる数値を0〜946(全947通りの整数)としている。そして、メインCPU31aは、大当り判定用乱数の採りうる数値の中からあらかじめ定めた3個の大当り判定値を用いて、大当りの抽選確率を947分の3(=315.7分の1)として大当り判定を行う。
大当りの決定がなされると、図2に示されるメインCPU31aは、大当りフラグとして01Hを設定(メインRAM31cの前記フラグ記憶領域に記憶)するようになっている。また、メインCPU31aは、前記図柄表示装置18に最終的に停止させる図柄(停止図柄左、中、右)を、全列が同一種類の図柄となるように決定する。具体的には、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された大当り図柄用乱数の値に基づいて、停止図柄左、停止図柄中及び停止図柄右(各停止図柄は同一種類)を決定する。この決定された停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右が、図柄表示装置18に最終的な図柄組み合わせとして導出される。本実施形態では、大当り図柄用乱数の採りうる数値を0〜5の6通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている(例えば、図柄「3」には大当り図柄用乱数の値「3」が対応付けられている)。そして、メインCPU31aは、決定した停止図柄左、停止図柄中、停止図柄右に対応したデータを、次回の図柄組み合わせゲームに係る処理を行うまでの間、メインRAM31cに記憶する。また、メインCPU31aは、メインRAM31cから前記変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記大当り演出用の変動パターンを決定する。
また、前記大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と前記大当り判定値とが不一致)の場合、図2に示されるメインCPU31aは、ハズレ遊技状態(第1遊技状態)を選択する。ハズレ遊技状態では、前記大入賞口扉24aが閉状態に維持されるようになっている。そして、メインCPU31aは、大当りフラグとして00Hを設定(メインRAM31cのフラグ設定領域に記憶)するようになっている。メインRAM31cから読み出した前記リーチ判定用乱数の値と前記メインROM31bに記憶されているリーチ判定値とを比較してハズレリーチを実行するか否かのリーチ判定を行う。リーチ判定の判定結果が肯定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが一致)の場合、メインCPU31aは、ハズレリーチを決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、左列と右列が同一種類の図柄で、中列が左右2列とは異なる種類の図柄となるように決定する。具体的には、前記ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左及び停止図柄右(両停止図柄は同一種類)を決定する。そして、前記ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定する。ハズレ中図柄用乱数の値とハズレ左図柄用乱数の値(または前記ハズレ右図柄用乱数の値)とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄中と停止図柄左(または停止図柄右)とが一致しないように停止図柄中を決定する。本実施形態では、大当り図柄用乱数の値と同様に、ハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数及びハズレ右図柄用乱数の各乱数の採りうる数値を0〜5の6通りの整数とし、図柄の種類ごとに1つの数値が対応付けられている。また、メインCPU31aは、メインRAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレリーチ演出用の変動パターンを決定する。
また、リーチ判定の判定結果が否定(リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値とが不一致)の場合、図2に示されるメインCPU31aは、ハズレ(リーチを伴わないハズレ)を決定する。そして、メインCPU31aは、停止図柄左、中、右を、全列が同一種類の図柄とならないように決定する。具体的には、ハズレ左図柄用乱数の値に基づいて停止図柄左を決定し、ハズレ中図柄用乱数の値に基づいて停止図柄中を決定し、ハズレ右図柄用乱数の値に基づいて停止図柄右を決定する。ハズレ左図柄用乱数の値とハズレ右図柄用乱数の値とが一致していた場合、メインCPU31aは、停止図柄左と停止図柄右とが一致しないように停止図柄右を決定する。そして、メインCPU31aは、メインRAM31cから変動パターン振分乱数の値を読み出し、該値に基づき、前記ハズレ演出用の変動パターンを決定する。
そして、各停止図柄及び変動パターンを決定したメインCPU31aは、前記統括制御基板37の統括制御CPU37aに対して制御を指示する際、制御コマンドなどを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を出力ポート29及び出力バッファ30を介して所定のタイミングで出力する。具体的に言えば、メインCPU31aは、最初に、変動パターンを指定するとともに図柄の変動開始を指示する変動パターン指定コマンドを生成し、制御コマンドとして出力する。次に、メインCPU31aは、停止図柄左を指定する停止図柄左指定コマンド、停止図柄右を指定する停止図柄右指定コマンド及び停止図柄中を指定する停止図柄中指定コマンドを、制御コマンドとして出力する。その後、メインCPU31aは、各列の図柄の停止を指示する全図柄停止コマンドを、制御コマンドとして出力する。
また、メインCPU31aは、制御信号の出力タイミングにあわせて、統括制御基板37に対し制御信号を構成する制御コマンドの読み込みを指示するための読込信号(INT信号、または、ストローブ信号)を出力ポート29及び出力バッファ30を介して出力するようになっている。
前記全図柄停止コマンドが出力されると、図2に示されるメインCPU31aは、前記メインRAM31cの前記フラグ記憶領域に記憶された前記大当りフラグを確認する。記憶されている大当りフラグが01Hの場合、メインCPU31aは、大当り遊技状態中を示すシステムフラグとして01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)するようになっている。一方、記憶されている大当りフラグが00Hの場合、メインCPU31aは、ハズレ遊技状態中を示すシステムフラグとして00Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)するようになっている。即ち、メインCPU31aは、『システムフラグ設定手段』としての機能を有している。
なお、大当り遊技状態(システムフラグとして01Hが設定された状態)においては、ラウンド期間(図3のA3参照)のような大入賞口扉24aが開状態となる期間だけでなく、オープニング期間(図3のA1,A2参照)、ラウンドインターバル期間(図3のA4,A5参照)、エンディング期間(図3のA6,A7参照)のように、前記大入賞口扉24aが閉状態となる期間が存在する。そこで、本実施形態のメインCPU31aは、オープニング期間である場合に、電動役物処理フラグ(第1電動役物処理フラグ)として00Hまたは01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)するようになっている。また、メインCPU31aは、ラウンドインターバル期間である場合に、電動役物処理フラグ(第1電動役物処理フラグ)として01Hまたは03Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)するようになっている。さらに、メインCPU31aは、エンディング期間である場合に、電動役物処理フラグ(第1電動役物処理フラグ)として03Hまたは04Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)するようになっている。一方、大当り遊技状態中において大入賞口扉24aが開状態となる期間(図3のA3参照)である場合、メインCPU31aは、電動役物処理フラグ(第2電動役物処理フラグ)として02Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)するようになっている。即ち、メインCPU31aは、『電動役物処理フラグ設定手段』としての機能を有している。
また、図2に示される前記メインROM31bには、状態信号検出プログラム、可動球受部材変換プログラム、状態信号判定プログラム、信号出力プログラムなどが記憶されている。
状態信号検出プログラムとは、図2に示されるメインCPU31aを『状態信号検出手段』として機能させるためのプログラムである。メインCPU31aは、状態信号検出プログラムに基づいて、前記入賞口拡大検知センサ25からの前記状態信号の入力レベルを割込み周期ごと(4msごと)に確認するようになっている(図8のステップDN3、図15のステップDK1、図18のステップS1参照)。
前記可動球受部材変換プログラムとは、メインCPU31aを『可動球受部材変換手段』として機能させるためのプログラムである。この可動球受部材変換プログラムに基づいて、メインCPU31aは、大当り遊技状態(前記システムフラグとして01Hが設定された状態)である場合に、前記大入賞口24のソレノイドを駆動させて大入賞口扉24aを閉状態及び開状態に変換するようになっている。一方、メインCPU31aは、ハズレ遊技状態(システムフラグとして00Hが設定された状態)である場合に、大入賞口扉24aを閉状態に維持するようになっている。
前記状態信号判定プログラムとは、図2に示されるメインCPU31aを『状態信号判定手段』として機能させるためのプログラムである。メインCPU31aは、状態信号判定プログラムに基づいて、前記入賞口拡大検知センサ25から入力された前記状態信号の入力レベルが、現在の遊技状態に適合する信号レベルであるか否かを判定するようになっている。詳述すると、ハズレ遊技状態(システムフラグが00H)である場合、メインCPU31aは、状態信号がHレベルであるか否か、即ち、大入賞口扉24aが閉状態であるか否かを判定する。また、大当り遊技状態(システムフラグが01H)であって、前記電動役物処理フラグが00H,01H,03H,04Hのいずれか1つである場合、メインCPU31aは、状態信号がHレベルであるか否か、即ち、大入賞口扉24aが閉状態であるか否かを判定する。一方、大当り遊技状態であって電動役物処理フラグが02Hである場合、メインCPU31aは、状態信号がLレベルであるか否か、即ち、大入賞口扉24aが開状態であるか否かを判定する。
前記信号出力プログラムとは、図2に示されるメインCPU31aを『信号出力手段』として機能させるためのプログラムである。メインCPU31aは、信号出力プログラムに基づいて、状態信号の入力レベルが遊技状態に適合する信号レベルではないと判定された場合に、報知信号を出力するようになっている。詳述すると、ハズレ遊技状態において、状態信号がLレベルである、即ち、大入賞口扉24aが開状態であると判定された場合、メインCPU31aは報知信号を出力する。また、電動役物処理フラグが00H,01H,03H,04Hのいずれか1つである場合において、状態信号がLレベルである、即ち、大入賞口扉24aが開状態であると判定された場合、メインCPU31aは報知信号を出力する。さらに、電動役物処理フラグが02Hである場合において、状態信号がHレベルである、即ち、大入賞口扉24aが閉状態であると判定された場合、メインCPU31aは報知信号を出力する。
なお、図2に示されるメインCPU31aは、外部接続基板(図示略)を介して、『遊技機外部の機器』であるホールコンピュータ90に対して報知信号を出力するようになっている。また、メインCPU31aは、前記統括制御基板37の前記統括制御CPU37aに対して報知信号を示すエラーコマンドを出力するようになっている。詳述すると、メインCPU31aは、エラーコマンドを制御信号(8ビット信号)とし、その信号を前記出力ポート29及び前記出力バッファ30を介して出力するようになっている。
また、メインCPU31aは、遊技者による遊技が行われていない状況下(本実施形態では電源投入時)で、前記大入賞口24のソレノイドを駆動させて、前記大入賞口扉24aを閉状態から開状態、及び、開状態から閉状態に変換させるようになっている。このとき、メインCPU31aは、前記入賞口拡大検知センサ25から出力される前記状態信号を監視して、その状態信号の入力レベルが正常であるか否かを判定するようになっている。具体的には、大入賞口24のソレノイドを閉状態から開状態に変換させた際に、メインCPU31aは、状態信号がHレベルからLレベルに変換されたか否かを判定する。また、大入賞口24のソレノイドを開状態から閉状態に変換させた際に、メインCPU31aは、状態信号がLレベルからHレベルに変換されたか否かを判定する。即ち、メインCPU31aは、『状態信号監視手段』としての機能を有している。また、電源投入時にメインCPU31aを状態信号監視手段として機能させる状態信号監視プログラムは、メインROM31bに記憶されている。そして、状態信号の入力レベルが異常であると判定した場合、メインCPU31aは、統括制御基板37の統括制御CPU37aにエラーコマンドを出力し、前記ホールコンピュータ90に報知信号を出力する。
なお、統括制御CPU37aへのエラーコマンドは、状態信号の入力レベルの異常が検知された際に1回のみ出力される。これにより、トップランプ16及びスピーカ17による報知、即ち、遊技者や遊技店の店員への報知は所定時間のみ行われるため、無駄に報知し続けることにより、周りの遊技者に不快な思いをさせなくて済む。一方、ホールコンピュータ90への報知信号は、状態信号の入力レベルの異常が検知されている間継続して出力される。これにより、実際にどのくらいの間、不正が行われていたかを知ることができる。
(2−2)統括制御基板37の電気的構成
図2に示されるように、統括制御基板37は統括制御CPU37aを備えており、統括制御CPU37aには統括ROM(図示略)及び統括RAM(図示略)が接続されている。統括制御CPU37aは、前記遊技演出の決定のために用いる各種乱数の値を所定の周期ごとに更新している。そして、統括制御CPU37aは、更新後の値を統括RAMの設定領域に設定して更新前の値を書き換えている。
また、前記メインCPU31aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、統括制御CPU37aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを統括RAMに記憶するようになっている。そして、統括制御CPU37aは、メインCPU31aから入力された変動パターン指定コマンドを、前記表示制御基板33の表示制御CPU33a、前記ランプ制御基板34のランプ制御CPU34a、及び、前記音声制御基板32の音声制御CPU32aに出力するようになっている。これにより、表示制御基板33、ランプ制御基板34及び音声制御基板32が実行する遊技演出の具体的な内容が、統括制御基板37によって統括的に制御される。
さらに、図2に示される統括制御CPU37aは、メインCPU31aから前記停止図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄左を統括RAMに記憶するようになっている。同様に、統括制御CPU37aは、メインCPU31aから前記停止図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄右を統括RAMに記憶し、前記停止図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄中を統括RAMに記憶するようになっている。そして、統括制御CPU37aは、停止図柄左指定コマンド、停止図柄右指定コマンド及び停止図柄中指定コマンドを、表示制御CPU33aに出力するようになっている。
その後、メインCPU31aから前記全図柄停止コマンドが入力されると、統括制御CPU37aは、入力された全図柄停止コマンドを表示制御CPU33aに出力するようになっている。
また、図2に示されるメインCPU31aから前記エラーコマンドが入力されると、統括制御CPU37aは、入力されたエラーコマンドを、前記ランプ制御CPU34a及び前記音声制御CPU32aに出力するようになっている。
(2−3)表示制御基板33の電気的構成
表示制御基板33は前記表示制御CPU33aを備えており、表示制御CPU33aには表示ROM(図示略)及び表示RAM(図示略)が接続されている。表示RAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、表示ROMには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の表示演出データが記憶されている。各表示演出データは、前記変動パターンごとに対応付けて記憶されている。表示演出データとは、表示制御CPU33aが、前記図柄表示装置18の表示内容(図柄変動など)を制御するための情報、即ち、図柄表示装置18に表示演出の実行を指示するための情報である。
そして、図2に示される前記統括制御CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記表示RAMに記憶するようになっている。
また、表示制御CPU33aは、統括制御CPU37aから前記停止図柄左指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄左を表示RAMに記憶するようになっている。同様に、表示制御CPU33aは、統括制御CPU37aから前記停止図柄右指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄右を表示RAMに記憶し、前記停止図柄中指定コマンドが入力されると、同コマンドが指定する停止図柄中を表示RAMに記憶するようになっている。
その後、統括制御CPU37aから前記全図柄停止コマンドが入力されると、表示制御CPU33aは、変動開始時に入力された表示RAMに記憶された前記停止図柄左、右、中に基づいて、前記図柄表示装置18に全図柄の停止を指示するようになっている。これにより、指定された図柄が停止して、図柄表示装置18に表示される。このとき、全図柄が停止して大当りの表示結果となると、前記大当り遊技状態に移行する。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、図2に示される表示制御CPU33aは、前記表示ROMに記憶された複数種類の前記表示演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した表示演出データを表示RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、表示制御CPU33aは、変動パターン指定コマンドや表示演出データに基づいて表示制御を行うようになる。より詳しくは、表示制御CPU33aは、表示RAMに記憶されている表示演出データを図柄信号に変換し、図柄表示装置18に出力する。その結果、図柄表示装置18は、図柄信号に基づき所定の表示を行うことができるようになる。
(2−4)ランプ制御基板34の電気的構成
ランプ制御基板34は前記ランプ制御CPU34aを備えており、ランプ制御CPU34aにはランプROM(図示略)及びランプRAM(図示略)が接続されている。ランプRAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。
また、ランプROMには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の発光演出データと、遊技者による不正行為を報知する際に用いられる報知用発光演出データとが記憶されている。発光演出データは、それぞれ前記変動パターンごとに対応付けて記憶されている。また、発光演出データとは、ランプ制御CPU34aが、前記トップランプ16の発光出力態様を制御するための情報である。
そして、図2に示される統括制御CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、ランプ制御CPU34aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記ランプRAMに記憶するようになっている。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、ランプ制御CPU34aは、ランプROMに記憶された複数種類の前記発光演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した発光演出データをランプRAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、ランプ制御CPU34aは、変動パターン指定コマンドに対応する発光演出データに基づいて発光制御を行うようになる。より詳しくは、ランプ制御CPU34aは、ランプRAMに記憶されている発光演出データを発光制御信号に変換し、前記トップランプ16に出力する。その結果、トップランプ16は、発光制御信号に基づき所定の発光動作(点灯、点滅など)を行うことができるようになる。
なお、図2に示される統括制御CPU37aから前記エラーコマンドが入力されると、ランプ制御CPU34aは、ランプROMに記憶された前記報知用発光演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した報知用発光演出データをランプRAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、ランプ制御CPU34aは、報知用発光演出データに基づいて発光制御を行うようになる。より詳しくは、ランプ制御CPU34aは、ランプRAMに記憶されている報知用発光演出データを報知用発光制御信号に変換し、トップランプ16に出力する。その結果、トップランプ16は、報知用発光制御信号に基づき不正が行われている旨の報知(10秒間点灯など)を行うことができるようになる。即ち、トップランプ16及びランプ制御基板34は、『報知手段』としての機能を有している。
(2−5)音声制御基板32の電気的構成
図2に示されるように、音声制御基板32は前記音声制御CPU32aを備えており、音声制御CPU32aには音声ROM(図示略)及び音声RAMが接続されている。音声RAMには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が一時的に記憶(設定)されるようになっている。音声ROMには、各種の制御プログラムなどが記憶されている。
また、音声ROMには、図柄組み合わせゲームが行われる際に用いられる複数種類の音声演出データと、遊技者による不正行為を報知する際に用いられる報知用音声演出データとが記憶されている。音声演出データは、それぞれ前記変動パターンごとに対応付けて記憶されている。また、音声演出データとは、音声制御CPU32aが、前記スピーカ17の音声出力態様(効果音の種類、言語音声の種類、音声出力時間など)を制御するための情報である。
そして、図2に示される統括制御CPU37aから前記変動パターン指定コマンドが入力されると、音声制御CPU32aは、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンを前記音声RAMに記憶するようになっている。
また、変動パターン指定コマンドが入力されると、音声制御CPU32aは、前記音声ROMに記憶された複数種類の前記音声演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した音声演出データを音声RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声制御CPU32aは、変動パターン指定コマンドに対応する音声演出データに基づいて音声制御を行うようになっている。より詳しくは、音声制御CPU32aは、音声RAMに記憶されている音声演出データを音声信号に変換し、前記スピーカ17に出力するようになっている。その結果、スピーカ17は、音声信号に基づき所定の出力動作(音声の出力)を行うことができるようになる。
なお、図2に示される統括制御CPU37aから前記エラーコマンドが入力されると、音声制御CPU32aは、音声ROMに記憶された前記報知用音声演出データのうちいずれか1つを設定(生成)して、設定した報知用音声演出データを音声RAMの記憶領域に記憶させるようになっている。これにより、音声制御CPU32aは、報知用音声演出データに基づいて音声制御を行うようになる。より詳しくは、音声制御CPU32aは、音声RAMに記憶されている報知用音声演出データを報知用音声制御信号に変換し、スピーカ17に出力する。その結果、スピーカ17は、報知用音声制御信号に基づき不正が行われている旨の報知(エラー音を10秒間出力など)を行うことができるようになる。即ち、スピーカ17及び音声制御基板32は、『報知手段』としての機能を有している。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(入力処理)について説明する。なお、この処理を行うためのプログラムは、メインCPU31aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図6に示されるステップN1の処理(ポート入力処理)において、メインCPU31aは、検知信号(始動入賞口スイッチSW1からの第1検知信号及びカウントスイッチSW2からの第2検知信号)の前回の入力状態と今回の入力状態とに基づき、入力エッジフラグを設定する(図5参照)。具体的には、前回及び今回の両方でオフ状態(またはオン状態)の検知信号が入力される場合や、前回においてオン状態の検知信号が入力され、今回においてオフ状態の検知信号が入力される場合、メインCPU31aは、入力エッジフラグとして00Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)する。一方、前回においてオフ状態の検知信号が入力され、今回においてオン状態の検知信号が入力される場合、メインCPU31aは、入力エッジフラグとして01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)する。即ち、入力エッジフラグは、各検知信号がオフ状態からオン状態に切り替わったことを示すフラグである。
次に、ステップN2の処理(図柄入力処理)において、メインCPU31aは、図7に示すサブルーチンを実行する。図7のサブルーチンは、ステップTN1〜TN6の処理からなる。なお、図柄入力処理では、始動入賞口22への入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合に始動入賞記憶数の加算と大当り判定用乱数及び大当り図柄用乱数の取得・格納とを行う。即ち、ステップTN1において、メインCPU31aは、ステップN1にてメインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶された第1検知信号に対応する入力エッジフラグを確認し、ステップTN2の処理へ移行する。ステップTN2において、メインCPU31aは、始動入賞口22に遊技球が入賞したか否か、即ち、入力エッジフラグが01Hであるか否かを判定する。始動入賞口22に遊技球が入賞していない場合(ステップTN2:N)、メインCPU31aは、ステップTN3〜TN6の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。一方、始動入賞口22に遊技球が入賞した場合(ステップTN2:Y)、メインCPU31aは、ステップTN3の処理へ移行する。
ステップTN3において、メインCPU31aは、メインRAM31cの始動入賞記憶領域に記憶されている始動入賞記憶数を確認して、ステップTN4の処理へ移行する。ステップTN4において、メインCPU31aは、始動入賞記憶数が最大値(本実施形態では4)よりも小さいか否かを判定する。始動入賞記憶数が最大値である場合(ステップTN4:N)、始動入賞記憶数をこれ以上加算する必要がないため、メインCPU31aは、ステップTN5,TN6の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。一方、始動入賞記憶数が最大値ではない場合(始動入賞記憶数が0,1,2,3のいずれかである場合)、始動入賞記憶数をまだ加算できるため、メインCPU31aは、ステップTN5の処理へ移行する。
ステップTN5において、メインCPU31aは、始動入賞記憶数を「+1」して、ステップTN6の処理へ移行する。ステップTN6において、メインCPU31aは、大当り判定用乱数の値及び大当り図柄用乱数の値を更新し、更新後の値をメインRAM31cの乱数記憶領域に格納(記憶)する。そして、メインCPU31aは、本サブルーチンを終了する。
ここで、図7に示されるサブルーチンが終了すると、メインCPU31aは、図6に示されるステップN3の処理(電動役物入力処理)へ移行する。ステップN3において、メインCPU31aは、図8,図9に示すサブルーチンを実行する。図8,図9のサブルーチンは、ステップDN1〜DN12の処理からなる。なお、特別電動役物入力処理は、大入賞口24への入賞があった場合に行われる処理である。
即ち、ステップDN1において、メインCPU31aは、メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶されているシステムフラグを確認する。そして、ステップDN2において、メインCPU31aは、フラグ記憶領域に記憶されているシステムフラグが00H(ハズレ遊技状態)であるか否かを判定する。システムフラグが01H(大当り遊技状態)である場合(ステップDN2:N)、メインCPU31aは、ステップDN6の処理へ移行する。一方、システムフラグが00Hである場合(ステップDN2:Y)、メインCPU31aは、ステップDN3の処理へ移行する。
ステップDN3において、メインCPU31aは、入賞口拡大検知センサ25からの状態信号を確認し、ステップDN4の処理へ移行する。ステップDN4において、メインCPU31aは、入賞口拡大検知センサ25から入力された状態信号がLレベルであるか否か、即ち、大入賞口24の大入賞口扉24aが開状態であるか否かを判定する。入力された状態信号がLレベルではなくHレベルである場合(ステップDN4:N)、大入賞口扉24aは閉状態にあるため、メインCPU31aは、ステップDN5の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。一方、入力された状態信号がLレベルである場合(ステップDN4:Y)、ハズレ遊技状態であるにもかかわらず大入賞口扉24aが開状態にある(即ち、遊技者による不正が行われている)ため、メインCPU31aは、ステップDN5の処理へ移行する。
ステップDN5では、異常であると判定されているため、メインCPU31aは、メインRAM31cのフラグ記憶領域に異常を示すフラグを記憶する。なお、異常を示すフラグは、異常状態が解除されたと判定された際に解除される。そして、メインCPU31aは、異常を示すフラグが記憶されていることに基づいて、不正である旨を報知するためのエラーコマンドを作成する。このエラーコマンドは、図示しない出力処理において統括制御基板37の統括制御CPU37aに出力される。また、異常を示すフラグが記憶されている期間中、メインCPU31aは、ホールコンピュータに報知信号を出力し続ける。そして、メインCPU31aは、本サブルーチンを終了する。
前記ステップDN6において、メインCPU31aは、メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶されている大入賞口出力フラグを確認し、ステップDN7の処理へ移行する。なお、大入賞口出力フラグは、大入賞口24の大入賞口扉24aを開状態とさせるか否かを判定するために用いられるフラグである。大入賞口出力フラグとして00Hが設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)されている場合、即ち、大入賞口出力フラグが『第1可動球受部材出力フラグ』である場合、メインCPU31aは、ソレノイドを消磁し、大入賞口扉24aを閉状態に変換する。一方、大入賞口出力フラグとして01Hが設定(フラグ記憶領域に記憶)されている場合、即ち、大入賞口出力フラグが『第2可動球受部材出力フラグ』である場合、メインCPU31aは、ソレノイドを励磁し、大入賞口扉24aを開状態に変換する。
ステップDN7において、メインCPU31aは、大入賞口出力フラグが01Hであるか否かを判定する。大入賞口出力フラグが01Hである場合、即ち、大入賞口扉24aが開状態にある場合(ステップDN7:Y)、メインCPU31aは、ステップDN8の処理へ移行する。一方、大入賞口出力フラグが00Hである場合、即ち、大入賞口扉24aが閉状態となるオープニング期間中、ラウンドインターバル期間中、エンディング期間中など(図3のA1,A2,A4,A5,A6,A7参照)である場合(ステップDN7:N)、大入賞口24への入賞数を加算する必要がない。このため、メインCPU31aは、ステップDN8〜DN12の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。
ステップDN8において、メインCPU31aは、カウントスイッチSW2の入賞確認を行う。具体的には、メインCPU31aは、前記ステップN1にてメインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶されたカウントスイッチSW2に対応する入力エッジフラグを確認して、ステップDN9の処理へ移行する。ステップDN9において、メインCPU31aは、大入賞口24に遊技球が入賞したか否か、即ち、入力エッジフラグが01Hであるか否かを判定する。大入賞口24に遊技球が入賞していない場合(ステップDN9:N)、メインCPU31aは、ステップDN10〜DN12の処理を行わずに、本サブルーチンを終了する。一方、大入賞口24に遊技球が入賞した場合(ステップDN9:Y)、メインCPU31aは、ステップDN10の処理へ移行する。
ステップDN10において、メインCPU31aは、大入賞口入賞数と大入賞口入賞数最大値(本実施形態では9)とを比較し、ステップDN11の処理へ移行する。ステップDN11において、メインCPU31aは、大入賞口入賞数が大入賞口入賞数最大値よりも小さいか否かを判定する。大入賞口入賞数が大入賞口入賞数最大値に達している場合(ステップDN11:N)、メインCPU31aは、大入賞口入賞数をこれ以上加算する必要がないため、本サブルーチンを終了する。一方、大入賞口入賞数が大入賞口入賞数最大値よりも小さい場合(ステップDN11:Y)、メインCPU31aは、ステップDN12の処理へ移行する。ステップDN12において、メインCPU31aは、大入賞口入賞数を「+1」して、本サブルーチンを終了する。
ここで、図8,図9に示されるサブルーチンが終了すると、メインCPU31aは、図6に示されるステップN4の処理(入賞記憶数設定処理)へ移行する。入賞記憶数設定処理では、今回の割込みで入賞検出した賞球数の設定を行う。ステップN4において、メインCPU31aは、図10に示すサブルーチンを実行する。図10のサブルーチンは、ステップSS1〜SS4の処理からなる。ステップSS1において、メインCPU31aは、前記ステップN1にて設定した各スイッチSW1,SW2の入賞確認、即ち、各スイッチSW1,SW2に対応する入力エッジフラグの確認を行い、ステップSS2の処理へ移行する。
ステップSS2において、メインCPU31aは、始動入賞口22または大入賞口24に遊技球が入賞したか否か、即ち、各スイッチSW1,SW2に対応する入力エッジフラグが01Hであるか否かを判定する。始動入賞口22または大入賞口24に遊技球が入賞した場合(ステップSS2:Y)、メインCPU31aは、ステップSS3の処理へ移行する。一方、始動入賞口22にも大入賞口24にも遊技球が入賞していない場合(ステップSS2:N)、メインCPU31aは、ステップSS3,SS4の処理を行わずに、本サブルーチンを終了し、図6に示される入力処理を終了する。
ステップSS3において、メインCPU31aは、各入賞口22,24に対応する入賞記憶数をそれぞれ「+1」して、ステップSS4の処理へ移行する。なお、メインCPU31aは、それぞれの入賞記憶数に基づき、図示しない払出処理において払出制御手段(図示略)に賞球の払い出しを指示する。ステップSS4において、メインCPU31aは、各入賞口22,24に対応する賞球数を賞球総数に加算する。例えば、大入賞口24に1個の遊技球が入賞した場合、賞球総数は「+15」され、始動入賞口22に1個の遊技球が入賞した場合、賞球総数は「+5」される。なお、賞球総数は、払出装置(図示略)から賞球が1球払い出される度に、1減算される。そして、メインCPU31aは、本サブルーチンを終了し、図6に示される入力処理を終了する。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(図柄開始処理)について説明する。図柄開始処理は、入力処理(図6参照)後であって、図柄の変動が開始される直前に行われる処理である。この図柄開始処理では、大当り判定が行われるとともに、停止図柄や変動パターンの決定が行われる。なお、この処理を行うためのプログラムは、メインCPU31aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図11に示されるステップTK1において、メインCPU31aは、前記ステップTN5(図7参照)またはステップTK3で書き換えられた始動入賞記憶数を確認する。そして、ステップTK2において、メインCPU31aは、ステップTK1にて確認した始動入賞記憶数が0よりも大きいか否かを判定する。始動入賞記憶数が0よりも大きい場合、即ち、始動入賞記憶数が1,2,3,4のいずれかである場合(ステップTK2:Y)、メインCPU31aはステップTK3の処理へ移行する。一方、始動入賞記憶数が0である場合(ステップTK2:N)、始動入賞口22への遊技球の入賞がないため、メインCPU31aは、ここでの処理を終了する。
ステップTK3において、メインCPU31aは、始動入賞記憶数を「−1」して、ステップTK4の処理へ移行する。ステップTK4において、メインCPU31aは、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶された大当り判定用乱数と、メインROM31bに記憶されている大当り判定値とを比較し、ステップTK5の処理へ移行する。ステップTK5において、メインCPU31aは、ステップTK4にて比較した結果が一致するか否かを判定する。比較結果が一致して大当りと判定された場合(ステップTK5:Y)、メインCPU31aは、ステップTK6の処理へ移行する。一方、比較結果が一致せずにハズレと判定された場合(ステップTK5:N)、メインCPU31aは、ステップTK9の処理へ移行する。
ステップTK6において、メインCPU31aは、大当りフラグとして01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ステップTK7の処理へ移行する。ステップTK7において、メインCPU31aは、前記ステップTN6(図7参照)にてメインRAM31cの乱数格納領域に記憶された大当り図柄用乱数の確認を行い、確認した大当り図柄用乱数に基づいて大当り図柄を決定する。なお、決定した大当り図柄は、後の出力処理(図示略)で統括制御CPU37aに出力される。
さらにステップTK8において、メインCPU31aは、変動パターンを決定し、ここでの処理を終了する。なお、決定した変動パターンは、後の出力処理(図示略)にて統括制御CPU37aに出力される。それと同時に、メインCPU31aは、変動パターンに対応する変動時間(タイマ)を設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)するとともに、図柄が変動中であることを示す図柄処理フラグとして01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)する。そして、メインCPU31aは、設定したタイマを減算し、タイマが0になった場合に全図柄停止コマンドの設定を行うとともに、図柄処理フラグとして02Hを設定(フラグ記憶領域に記憶)する。ここで設定した全図柄停止コマンドは、後の出力処理(図示略)にて統括制御CPU37aに出力される。なお、図柄処理フラグが02Hの場合、メインCPU31aは、図12に示される図柄表示処理へ移行する。
一方、前記ステップTK9において、メインCPU31aは、大当りフラグとして00Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ステップTK10の処理へ移行する。ステップTK10において、メインCPU31aは、リーチ判定を行った後、メインRAM31cの乱数記憶領域に記憶されているハズレ左図柄用乱数、ハズレ中図柄用乱数及びハズレ右図柄用乱数に基づいてハズレ図柄(停止図柄左、中、右)を決定し、ステップTK11の処理へ移行する。ステップTK11において、メインCPU31aは、変動パターンを決定し(即ち、ステップTK8と同様の処理を行い)、ここでの処理を終了する。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(図柄表示処理)について説明する。図柄表示処理は、全図柄の停止時に行われる処理であり、大当りの場合には、図柄組み合わせゲームから大当り遊技状態に移行することを示すフラグを設定する。なお、この処理を行うためのプログラムは、メインCPU31aにおいて所定の割込み周期ごとに(4msごとに)実行される。
図12に示されるステップTH1において、メインCPU31aは、前記ステップTK6,TK9にて設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)した大当りフラグを確認し、ステップTH2の処理へ移行する。ステップTH2において、メインCPU31aは、ステップTH1にて確認した大当りフラグが01H(大当り遊技状態)であるか否かを判定する。大当りフラグが01Hの場合(ステップTH2:Y)、メインCPU31aは、ステップTH3の処理へ移行する。一方、大当りフラグが00Hの場合(ステップTH2:N)、メインCPU31aは、ステップTH4の処理へ移行する。
ステップTH3において、メインCPU31aは、大当りフラグを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)する。また、全図柄が確定停止しているため、メインCPU31aは、図柄処理フラグとして00Hを設定(フラグ記憶領域に記憶)する。さらに、メインCPU31aは、システムフラグとして01Hを設定(フラグ記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。この場合、図柄処理フラグが00Hとなるとともに、システムフラグが01H(大当り遊技状態)となり、メインCPU31aは、図13に示される大当り設定処理へ移行する。
一方、前記ステップTH4において、全図柄が確定停止しているため、メインCPU31aは、図柄処理フラグとして00HをメインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶し、ここでの処理を終了する。この場合、図柄処理フラグが00Hとなるとともに、システムフラグが00H(ハズレ遊技状態)となり、メインCPU31aは、再びステップTK1(図11参照)の処理へ移行する。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(大当り設定処理)について説明する。大当り設定処理は、大当り遊技状態開始時(図3,図4のA1参照)にて行われる処理である。ところで、大当り遊技状態中の処理(システムフラグが01Hである場合の処理)としては、大当り設定処理、大入賞口閉鎖2処理(図14参照)、大入賞口開放処理(図15参照)、大入賞口閉鎖1処理(図16参照)、大当り終了処理(図17参照)の5つの処理がある。メインCPU31aは、所定の割込み周期ごと(4msごと)に、前記電動役物処理フラグの値に基づいて、上記5つの処理から1つの処理を選択して実行する。
図13に示されるステップOS1において、メインCPU31aは、大当りになったということで、オープニング信号を設定し、ステップOS2の処理へ移行する。なお、ここで設定したオープニング信号は後の出力処理(図示略)で、統括制御CPU37aに出力される。ステップOS2において、メインCPU31aは、電動役物タイマを設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)し、ステップOS3の処理へ移行する。なお、ここで設定する電動役物タイマの時間は、図14に示す大入賞口閉鎖2処理の時間(9400ms=2350割込み)に対応している。ステップOS3において、メインCPU31aは、電動役物処理フラグとして01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)して、ステップOS4の処理へ移行する。なお、電動役物処理フラグは、システムフラグが01H(大当り中)である場合に、次にどの処理を実行するかを示している。例えば、電動役物処理フラグが00Hの場合、メインCPU31aは、図13に示す大当り設定処理を実行する。電動役物処理フラグが01Hの場合、メインCPU31aは、図14に示す大入賞口閉鎖2処理を実行する。電動役物処理フラグが02Hの場合、メインCPU31aは、図15に示す大入賞口開放処理を実行する。電動役物処理フラグが03Hの場合、メインCPU31aは、図16に示す大入賞口閉鎖1処理を実行する。電動役物処理フラグが04Hの場合、メインCPU31aは、図17に示す大当り終了処理を実行する。
ステップOS4において、メインCPU31aは、大入賞口開放回数最大値(0EH)を設定(メインRAM31cに記憶)して、ステップOS5の処理(大当り時不正検知処理)へ移行する。ステップOS5において、メインCPU31aは、図18に示すサブルーチンを実行する。図18のサブルーチンは、ステップS1〜S3の処理からなる。ステップS1において、メインCPU31aは、入賞口拡大検知センサ25からの状態信号を確認し、ステップS2の処理へ移行する。ステップS2の処理において、メインCPU31aは、状態信号がHレベルであるか否か、即ち、大入賞口扉24aが閉状態であるか否かを判定する。状態信号がHレベルである場合(ステップS2:Y)、大入賞口扉24aが閉状態であるため、メインCPU31aは、ステップS3の処理を行わずに、本サブルーチンを終了し、図13に示される大当り設定処理を終了する。一方、状態信号がLレベルである場合(ステップS2:N)、大入賞口扉24aが閉状態となる期間(図3,図4のA1参照)であるにもかかわらず、開状態であるため、メインCPU31aは、ステップS3の処理(前記ステップDN5と同様の処理)を行った後、本サブルーチンを終了し、図13に示される大当り設定処理を終了する。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(大入賞口閉鎖2処理)について説明する。大入賞口閉鎖2処理は、大当り遊技状態のオープニング演出期間(図3,図4のA2参照)と、ラウンドインターバル期間(図3,図4のA5参照)とで行われる処理である。
図14に示されるステップDH1の処理(大当り時不正検知処理)において、メインCPU31aは、図18に示されるサブルーチンを実行し、大入賞口扉24aが閉状態となる期間(図3,図4のA2,A5参照)であるにもかかわらず、開状態であれば、不正である旨を報知する処理を行う。そして、ステップDH2において、メインCPU31aは、大当り設定処理(図13参照)または大入賞口閉鎖1処理(図16参照)にて設定した電動役物タイマを更新(減算)し、ステップDH3の処理へ移行する。ステップDH3において、メインCPU31aは、ステップDH2にて減算された電動役物タイマが0msであるか否かを判定する。電動役物タイマが0msである場合(ステップDH3:Y)、メインCPU31aは、ステップDH4の処理へ移行する。一方、電動役物タイマが0msではない場合(ステップDH3:N)、メインCPU31aは、ステップDH4〜DH10の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。なお、ステップDH1〜DH3の処理は、電動役物タイマが0msとなるまで繰り返し行われる。
ステップDH4において、メインCPU31aは、メインRAM31cの大入賞口開放回数記憶領域に記憶された大入賞口開放回数と、大入賞口開放回数最大値(0EH)とを比較して、ステップDH5の処理へ移行する。なお、大当り遊技状態となった直後である場合、大入賞口開放回数は00Hとなっている。その他の場合は、ラウンド期間(図3のA3参照)の実行回数が該当する。具体的には、1〜2ラウンドの場合に01Hとなり、2〜3ラウンドの場合に02Hとなる。ステップDH5において、メインCPU31aは、大入賞口開放回数が最大値以上であるか否かを判定する。大入賞口開放回数が最大値以上である場合(14ラウンド終了時である場合)、メインCPU31aは、ステップDH6の処理へ移行する。一方、大入賞口回数が最大値未満である場合(0〜13ラウンド終了時である場合)、メインCPU31aは、ステップDH7の処理へ移行する。
ステップDH6において、メインCPU31aは、最終ラウンドであることを示す最終ラウンド指定信号を設定(メインRAM31cに記憶)し、ステップDH8の処理へ移行する。なお、最終ラウンド指定信号は、後の出力処理(図示略)によって統括制御CPU37aに出力される。一方、ステップDH7において、メインCPU31aは、大入賞口開放回数+1回のラウンドを指定するラウンド指定信号を設定(メインRAM31cに記憶)し、ステップDH8の処理へ移行する。なお、ラウンド指定信号は、後の出力処理(図示略)によって統括制御CPU37aに出力される。
ステップDH8において、メインCPU31aは、電動役物タイマを設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)し、ステップDH9の処理へ移行する。なお、ここで設定する電動役物タイマの時間は、図15に示す大入賞口開放処理の時間(25000ms=6250割込み)に対応している。ステップDH9において、メインCPU31aは、電動役物処理フラグとして02Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ステップDH10の処理へ移行する。ステップDH10において、メインCPU31aは、大入賞口出力フラグとして01Hを設定(フラグ記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。即ち、メインCPU31aは、『可動球受部材出力フラグ設定手段』としての機能を有している。これにより、大入賞口24のソレノイドが励磁され、大入賞口扉24aが開状態に変換される。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(大入賞口開放処理)について説明する。大入賞口開放処理は、大当り遊技状態のラウンド期間(図3,図4のA3参照)にて行われる処理である。
図15に示されるステップDK1において、メインCPU31aは、入賞口拡大検知センサ25からの状態信号を確認し、ステップDK2の処理へ移行する。ステップDK2において、メインCPU31aは、状態信号がLレベルであるか否か、即ち、大入賞口扉24aが開状態であるか否かを判定する。状態信号がLレベルである場合(ステップDK2:Y)、大入賞口扉24aが開状態であるため、メインCPU31aは、ステップDK3の処理を行わずに、ステップDK4の処理へ移行する。一方、状態信号がLレベルではない場合(ステップDK2:N)、メインCPU31aは、ステップDK3の処理(前記ステップDN5,S2と同様の処理)を行い、ステップDK4の処理へ移行する。
ステップDK4において、メインCPU31aは、大入賞口入賞数と大入賞口入賞数最大値(9)とを比較し、ステップDK5の処理へ移行する。具体的にいうと、メインCPU31aは、電動役物入力処理(図8,図9参照)で加算した大入賞口入賞数と規定の大入賞口入賞数最大値とを比較する。ステップDK5において、メインCPU31aは、大入賞口入賞数が最大値以上であるか否かを判定する。大入賞口入賞数が最大値以上である場合(ステップDK5:Y)、メインCPU31aは、ステップDK6,DK7の処理を行わずに、ステップDK8の処理へ移行する。一方、大入賞口入賞数が最大値未満である場合(ステップDK7:N)、メインCPU31aは、ステップDK6の処理へ移行する。
ステップDK6において、メインCPU31aは、大入賞口閉鎖2処理(図14参照)にて設定した電動役物タイマを更新(減算)し、ステップDK7の処理へ移行する。ステップDK7において、メインCPU31aは、電動役物タイマが0msであるか否かを判定する。電動役物タイマが0msの場合(ステップDK7:Y)、メインCPU31aは、ステップDK8の処理へ移行する。一方、電動役物タイマが0msではない場合(ステップDK7:N)、メインCPU31aは、ステップDK8〜DK9の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。なお、ステップDK1〜DK7の処理は、電動役物タイマが0msとなるまで繰り返し行われる。
ステップDK8において、メインCPU31aは、電動役物タイマを設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)し、ステップDK9の処理へ移行する。なお、ここで設定する電動役物タイマの時間は、図16に示す大入賞口閉鎖1処理の時間(2000ms=500割込み)に対応している。ステップDK9において、メインCPU31aは、電動役物処理フラグとして03Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ステップDK10の処理へ移行する。ステップDK10において、メインCPU31aは、大入賞口入賞数として00Hを設定(メインRAM31cに記憶)し、ステップDK11の処理へ移行する。即ち、メインCPU31aは、電動役物入力処理(図8参照)にてカウントした大入賞入賞数をクリアする。ステップDK11において、メインCPU31aは、大入賞口出力フラグとして00Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。なお、大入賞口フラグは大入賞口扉24aの閉状態への変換を指示するために用いられ、大入賞口出力フラグが00Hの場合は大入賞口扉24aが閉状態であることを示している。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(大入賞口閉鎖1処理)について説明する。大入賞口閉鎖1処理は、大当り遊技状態のラウンドインターバル期間(図3,図4のA4,A6参照)にて行われる処理である。
図16に示されるステップDS1の処理(大当り時不正検知処理)において、メインCPU31aは、図18に示されるサブルーチンを実行し、大入賞口扉24aが閉状態となる期間(図3,図4のA4,A6参照)であるにもかかわらず、開状態であれば、不正である旨を報知する処理を行う。そして、ステップDS2において、メインCPU31aは、大入賞口開放処理(図15参照)にて設定した電動役物タイマの更新(減算)を行い、ステップDS3の処理へ移行する。ステップDS3において、メインCPU31aは、ステップDS2にて減算された電動役物タイマが0msであるか否かを判定する。電動役物タイマが0msである場合(ステップDS3:Y)、メインCPU31aは、ステップDS4の処理へ移行する。一方、電動役物タイマが0msではない場合(ステップDS3:N)、メインCPU31aは、ステップDS4〜DS11の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。なお、ステップDS1〜DS3の処理は、電動役物タイマが0msとなるまで繰り返し行われる。
ステップDS4において、メインCPU31aは、メインRAM31cの大入賞口開放回数記憶領域に記憶された大入賞口開放回数と、大入賞口開放回数最大値(0EH)とを比較し、ステップDS5の処理へ移行する。なお、1ラウンド終了時のラウンドインターバル期間の際、大入賞口開放回数は00Hとなっている。また、2ラウンド終了時のラウンドインターバル期間の際、大入賞口開放回数は01Hとなり、15ラウンド(最終ラウンド終了時)のラウンドインターバル期間の際、大入賞口開放回数は0EH(=大入賞口開放回数最大値)となる。
ステップDS5において、メインCPU31aは、大入賞口開放回数が最大値以上であるか否かを判定する。大入賞口開放回数が最大値以上である場合(ステップDS5:Y)、メインCPU31aは、ステップDS6の処理へ移行する。一方、大入賞口開放回数が最大値未満である場合(ステップDS5:N)、メインCPU31aは、ステップDS9の処理へ移行する。
ステップDS6において、メインCPU31aは、エンディングであることを示すエンディング指定信号を設定(メインRAM31cに記憶)し、ステップDS7の処理へ移行する。なお、エンディング指定信号は、後の出力処理(図示略)で、統括制御CPU37aに出力される。ステップDS7において、メインCPU31aは、電動役物タイマを設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)し、ステップDS8の処理へ移行する。なお、ここで設定する電動役物タイマの時間は、図7に示す大当り終了処理の時間(10400ms=2600割込み)に対応している。ステップDS8において、メインCPU31aは、電動役物処理フラグとして04Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。
一方、前記ステップDS9において、メインCPU31aは、最終ラウンドでなく、ラウンド期間の継続条件を満たしているため、大入賞口開放回数を「+1」して、ステップDS10の処理へ移行する。ステップDS10において、メインCPU31aは、電動役物タイマを設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)し、ステップDS11の処理へ移行する。なお、ここで設定する電動役物タイマの時間は、図14に示す大入賞口閉鎖2処理の時間(12ms=3割込み)に対応している。ステップDS11において、メインCPU31aは、電動役物処理フラグに01Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。
次に、主制御基板31のメインCPU31aによって行われる処理(大当り終了処理)について説明する。大当り終了処理は、大当り遊技状態のエンディング期間(図3,図4のA7参照)にて行われる処理である。
図17に示されるステップ001の処理(大当り時不正検知処理)において、メインCPU31aは、図18に示されるサブルーチンを実行し、大入賞口扉24aが閉状態となる期間(図3,図4のA7参照)であるにもかかわらず、開状態であれば、不正である旨を報知する処理を行う。そして、ステップ002において、メインCPU31aは、電動役物タイマの更新(減算)を行い、ステップ003の処理へ移行する。ステップ003において、メインCPU31aは、ステップ002にて減算された電動役物タイマが0msであるか否かを判定する。電動役物タイマが0msである場合(ステップ003:Y)、メインCPU31aは、ステップ004の処理へ移行する。一方、電動役物タイマが0msではない場合(ステップ003:N)、メインCPU31aは、ステップ004〜008の処理を行わずに、ここでの処理を終了する。なお、ステップ001〜003の処理は、電動役物タイマが0msとなるまで繰り返し行われる。
ステップ004において、メインCPU31aは、状態指定信号を設定(メインRAM31cに記憶)し、ステップ005の処理へ移行する。なお、状態指定信号は、大当り終了後の各状態(例えば、通常遊技状態や、大当りの抽選確率が高確率に変動する確率変動状態など)に応じて設定され、後の出力処理(図示略)によって統括制御CPU37aに出力される。ステップ005において、メインCPU31aは、大入賞口開放回数として00Hを設定(メインRAM31cの大入賞口開放回数記憶領域に記憶)し、ステップ006の処理へ移行する。即ち、大当り遊技状態の終了ということで、大入賞開放回数のクリアを行う。ステップ006において、メインCPU31aは、大当り設定処理(図13参照)にて設定した大入賞口開放回数最大値として新たに00Hを設定(大入賞口開放回数記憶領域に記憶)し、ステップ007の処理へ移行する。ステップ007において、メインCPU31aは、電動役物フラグとして00Hを設定(メインRAM31cのフラグ記憶領域に記憶)し、ステップ008の処理へ移行する。ステップ008において、メインCPU31aは、システムフラグとして00Hを設定(フラグ記憶領域に記憶)し、ここでの処理を終了する。
従って、本実施形態によれば以下のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のパチンコ機10では、大入賞口扉24aの状態が遊技状態に適合しない場合(即ち、大入賞口扉24aに異常がある場合)に、メインCPU31aが統括制御CPU37aにエラーコマンドを出力するとともに、ホールコンピュータ90に報知信号を出力する。これにより、トップランプ16及びスピーカ17による報知が行われるため、大入賞口扉24aを不正に開状態に変換させる不正行為を防止できる。また、大当り遊技状態のラウンド期間(図3,図4のA3参照)において、大入賞口扉24aが開状態に変換されない場合にも報知信号(エラーコマンド)が出力されるため、大入賞口24に発生したトラブルの早期発見に寄与できる。
(2)本実施形態では、大入賞口扉24aが閉状態である場合に入賞口拡大検知センサ25とメインCPU31aとをつなぐ経路が遮断されると、大入賞口扉24aの状態を示す状態信号の入力レベルが、開状態を示す状態信号の入力レベルと同一のLレベルとなる。これにより、大入賞口扉24aの状態が遊技状態に適合しなくなるため、メインCPU31aは、大入賞口扉24aに異常がある場合と同様に、報知信号(エラーコマンド)を出力する。従って、入賞口拡大検知センサ25とメインCPU31aとをつなぐ経路の遮断を報知できる上、この経路を遮断し、大入賞口扉24aの変換をメインCPU31aが検知できないようにして行われる不正行為も防止できる。
(3)ところで、特公平4−11233号公報に記載の遊技機では、大入賞口扉24aの異常判定をハード的な回路を用いて行うことが提案されている。即ち、大入賞口24のソレノイドへの信号と、大入賞口扉24aが開状態であることを示す信号とに基づいて、報知信号を出力する回路を形成することが提案されている。しかし、上記の方法では、大入賞口24のソレノイドに信号が出力されてソレノイドが駆動してから、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの開状態を検知するまでの間に、時間差が生じる。その結果、ソレノイドの駆動直後において、大入賞口扉24aが開状態になっていないということで、不正が行われていないにもかかわらず、不正が報知されるおそれがある。この問題をハード的な回路を用いて解決しようとしても、ソレノイドの個体差によってバラツキが生じるために、解決は困難である。
それに対して、本実施形態では、メインCPU31aが、大入賞口扉24aの異常判定をソフト的に行っているため、上記の時間差を考慮した制御を行うことが容易となる。例えば、図3に示すA2(またはA5)からA3への切り替わりの部分において、大入賞口扉24aが開いた直後から、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの開状態を検知するまでの間に生じる時間差を考慮して、メインCPU31aによる制御を行うことが容易となる。また、図3に示すA3からA4(またはA6)への切り替わりの部分において、大入賞口扉24aが閉じた直後から、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの閉状態を検知するまでの間に生じる時間差を考慮して、メインCPU31aによる制御を行うことが容易となる。具体的には、状態信号が適合しない場合でも、上記の時間差となる区間では、異常を報知しないような制御を行うことができる。ゆえに、遊技者の不正行為を正確に検知でき、しかも無実の遊技者を報知に基づいて疑わなくて済む。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のパチンコ機10を図19,図20に基づき説明する。なお、第1実施形態と共通している構成については、同一の番号を付す代わりに、その詳細な説明を省略する。
本実施形態は、入賞口拡大検知センサ25から出力される状態信号を検知するとともに、入賞口拡大検知センサ25と主制御基板31とをつなぐ経路が遮断されたことを示す状態信号(経路遮断信号)を検知する回路を有する点が、前記第1の実施形態と異なる。なお、経路遮断信号は、入賞口拡大検知センサ25のコネクタ93(図19参照)が主制御基板31側のコネクタ94a,94b(図19参照)から抜けるなどしたことを示している。
ここで、状態信号及び経路遮断信号を検知するための回路について説明する。図19に示されるように、入賞口拡大検知センサ25は、大入賞口扉24aの開状態を検知した際にオン状態となるスイッチ95を備えている。スイッチ95は一対の接点を有し、各接点はそれぞれコネクタ93に接続されている。各コネクタ93は、主制御基板31側のコネクタ94a,94bにそれぞれ接続されている。また、スイッチ95の両接点間には、抵抗95aが介在している。
一方、主制御基板31は、一対のコネクタ94a,94bと、従来公知のウィンドウコンパレータ回路96とを備えている。一方のコネクタ94aとウィンドウコンパレータ回路96とをつなぐ経路には、電源が供給されるようになっている。この経路と電源との間には抵抗97aが介在し、各コネクタ94a,94b間には抵抗97bが介在されている。なお、抵抗97aの抵抗値は、抵抗95aの抵抗値と等しくなるように設定されており、抵抗97bの抵抗値は、抵抗97aの抵抗値の10倍に設定されている。また、ウィンドウコンパレータ回路96は、オペアンプIC1及びオペアンプIC2を備えている。オペアンプIC1は、入力された信号の電圧が閾値上限Vref1(図20参照)よりも高いか否かをチェックする。オペアンプIC2は、入力された信号の電圧が閾値下限Vref2(図20参照)よりも低いか否かをチェックする。そして、入力された信号の電圧が閾値上限よりも高い場合や閾値下限よりも低い場合、ウィンドウコンパレータ回路96は、メインCPU31aに対して「L」レベルの信号を出力するようになっている。一方、入力された信号の電圧が閾値上限と閾値下限との間である場合のみに、ウィンドウコンパレータ回路96は、メインCPU31aに対して「H」レベルの信号を出力するようになっている。
次に、メインCPU31aによる状態信号及び経路遮断信号の検知方法を説明する。例えば、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの開状態を検知した場合、スイッチ95がオン状態となることにより、コネクタ94a,94bとウィンドウコンパレータ回路96とをつなぐ経路上の点Aにおける電圧は、0Vとなる(図20参照)。この場合、オペアンプIC2によって、入力された信号の電圧が閾値下限よりも低いと判定されるため、NOR回路98とメインCPU31aとをつなぐ経路上の点Bにおける信号は、「L」レベルの信号となる。従って、メインCPU31aに入力される状態信号は、「L」レベルの信号となる。
また、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの閉状態を検知した場合、スイッチ95がオフ状態となる。その結果、抵抗95aと抵抗97aとの分圧比によって点Aにおける電圧が1/2Vとなる(図20参照)。この場合、入力された信号の電圧は閾値上限と閾値下限との間であると判定されるため、点Bにおける信号は「H」レベルの信号となる。これにより、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの開状態を検知する場合と大入賞口扉24aの閉状態を検知する場合とで異なる信号がメインCPU31aに入力されるため、メインCPU31aは状態信号を検知することができる。
さらに、入賞口拡大検知センサ25のコネクタ93が主制御基板31側のコネクタ94a,94bから抜けた場合、抵抗97aと抵抗97bとの分圧比によって点Aにおける電圧が10/11Vとなる(図20参照)。この場合、オペアンプIC1によって、入力された信号の電圧が閾値上限よりも高いと判定されるため、点Bにおける信号は「L」レベルの信号となる。これにより、入賞口拡大検知センサ25が大入賞口扉24aの閉状態を検知する場合であっても、コネクタ93が抜けた場合と抜けてない場合とで異なる信号がメインCPU31aに入力されるため、メインCPU31aは経路遮断信号を検知することができる。なお、経路遮断信号は状態信号と同じ「L」レベルの信号である。
従って、本実施形態のパチンコ機10においても、大入賞口扉24aの状態が遊技状態に適合しない場合(即ち、大入賞口扉24aに異常がある場合)に、メインCPU31aが統括制御CPU37aにエラーコマンドを出力するとともに、ホールコンピュータ90に報知信号を出力する。これにより、トップランプ16及びスピーカ17による報知が行われるため、大入賞口扉24aを不正に開状態に変換させる不正行為を防止できる。
なお、本発明の実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、大当り遊技状態における、大入賞口扉24aが開状態となる期間と閉状態となる期間との判別は、電動役物処理フラグに基づいて行われていた。しかし、大入賞口扉24aが開状態となる期間と閉状態となる期間との判別を、大入賞口出力フラグに基づいて行ってもよい。具体的には、大入賞口出力フラグが01Hである場合に、大入賞口扉24aが開状態であると判定し、大入賞口出力フラグが00Hである場合に、大入賞口扉24aが閉状態であると判定する。このようにすれば、大入賞口扉24aが閉状態及び開状態のいずれの状態にあったとしても、大入賞口扉24aの異常を正確に検知することができる。
・上記実施形態では、図15のステップDK1〜DK3の処理において大入賞口扉24aが開状態となる期間での不正検知を行い、図18に示される大当り時不正検知処理(ステップS1〜S3)において大入賞口扉24aが閉状態となる期間での不正検知を行っていた。しかし、図18に示される大当り時不正検知処理に、大入賞口扉24aが開状態となる期間であるのか閉状態となる期間であるのかを、電動役物処理フラグを用いて判定する処理を追加し、図15のステップDK1〜DK3の処理を省略するようにしてもよい。
また、上記実施形態では、システムフラグが00Hの場合と01Hの場合とで、不正検知の処理が異なっていた。例えば、システムフラグが01Hの場合、大当り設定処理(図13参照)、大入賞口閉鎖2処理(図14参照)、大入賞口開放処理(図15参照)、大入賞口閉鎖1処理(図16参照)、大当り終了処理(図17参照)のいずれかにおいて不正検知が行われていた。一方、システムフラグが00Hの場合、電動役物入力処理(図8,図9参照)において不正検知が行われていた。しかし、割込み周期ごと(4msごと)に、システムフラグの値に関係なく不正検知を実行させる共通の処理を設けてもよい。
・上記実施形態では、状態信号の入力レベルが遊技状態に適合しない異常状態であると判定した場合(即ち、大入賞口扉24aに異常がある場合)に、メインCPU31aは、メインRAM31cのフラグ記憶領域に異常を示すフラグを記憶して、異常の報知を行っていた。しかし、異常を示すフラグの記憶と同時に所定時間(外的要因による発生するノイズの時間よりも長い時間)を設定(メインRAM31cのタイマ記憶領域に記憶)し、所定時間が経過した場合にはじめて、メインCPU31aが異常の報知を行うようにしてもよい。
このようにすれば、偶然発生したノイズに基づく無駄な報知を防止できる。即ち、トップランプ16及びスピーカ17による報知や、ホールコンピュータ90への報知は、実際に不正行為が行われた場合のみとなる。以上により、遊技者が行う不正行為を検知でき、しかも無実の遊技者をノイズに起因した報知に基づいて疑わなくて済む。
・上記実施形態では、パチンコ機10に設けられた報知手段としてトップランプ16やスピーカ17が用いられていたが、図柄表示装置18などを報知手段として用いてもよい。なお、図柄表示装置18により不正が行われている旨を報知する具体例としては、図柄表示装置18の可視表示部Hに「ゴト」という文字を10秒間表示させることなどが挙げられる。なお、報知手段は、1種類のみであってもよいし、複数種類あってもよい。
次に、前述した実施形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
(1)請求項1乃至3のいずれか1項において、前記可動球受部材を前記第1状態に変換させるための第1可動球受部材出力フラグ、または、前記可動球受部材を前記第2状態に変換させるための第2可動球受部材出力フラグを設定する可動球受部材出力フラグ設定手段を備え、前記状態信号判定手段は、前記第1可動球受部材出力フラグが設定されている場合に、前記状態信号検出手段で検出した前記状態信号の入力レベルが、前記第1状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルであるか否かを判定するとともに、前記第2可動球受部材出力フラグが設定されている場合に、前記状態信号検出手段で検出した前記状態信号の入力レベルが、前記第2状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルであるか否かを判定し、前記信号出力手段は、前記第1可動球受部材出力フラグが設定されている場合であって、前記状態信号の入力レベルが前記第1状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルではないとき、及び、前記第2可動球受部材出力フラグが設定されている場合であって、前記状態信号の入力レベルが前記第2状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルでないときに、前記報知手段及び前記遊技機外部の機器の少なくとも一方に報知信号を出力することを特徴とする遊技機。
(2)請求項5において、前記状態信号監視手段による前記状態信号の入力レベルの判定は、電源投入時に実行されることを特徴とする遊技機。
(3)始動入賞装置に入賞した遊技球を検知して検知信号を出力する入賞検知手段と、電気的駆動源により可動球受部材を、打球を受け入れにくい又は打球を受け入れない第1状態、及び、打球を受け入れやすい第2状態のいずれかに変換可能な変動入賞装置と、前記入賞検知手段からの前記検知信号に基づいて前記可動球受部材の制御を行う主制御装置とを備えた遊技機において、前記可動球受部材が前記第1状態及び前記第2状態のいずれの状態であるかを検出し、前記主制御装置に前記可動球受部材の状態を示す状態信号を出力する検出手段を前記変動入賞装置に設け、前記主制御装置は、メインCPUと、前記メインCPUに電気的に接続されるメインROMと、前記メインCPUに電気的に接続されるメインRAMとを具備しており、前記メインCPUは、前記メインROMに記憶されている状態信号検出プログラムに基づいて、前記状態信号の入力レベルを検出する状態信号検出手段として機能し、前記メインROMに記憶されている遊技状態判定プログラムに基づいて、前記可動球受部材を前記第1状態に維持する第1遊技状態、及び、前記入賞検知手段からの前記検知信号の入力を契機として、前記可動球受部材を前記第1状態から前記第2状態に変換する第2遊技状態のうち、いずれの遊技状態を選択するかを判定する遊技状態判定手段として機能し、前記メインROMに記憶されている可動球受部材変換プログラムに基づいて、前記遊技状態判定手段の判定結果に基づいて、前記可動球受部材を前記第1状態または前記第2状態に変換する可動球受部材変換手段として機能し、前記遊技状態判定手段の判定結果に基づいて、前記第1遊技状態中を示すシステムフラグまたは前記第2遊技状態中を示すシステムフラグを前記メインRAMに設定するシステムフラグ設定手段として機能し、前記システムフラグ設定手段によって前記第2遊技状態中を示すシステムフラグが設定された場合に、前記第2遊技状態中において前記可動球受部材が前記第1状態となる期間であることを示す第1電動役物処理フラグ、または、前記第2遊技状態中において前記可動球受部材が前記第2状態となる期間であることを示す第2電動役物処理フラグを、前記メインRAMに設定する電動役物処理フラグ設定手段として機能し、かつ、前記メインROMに記憶されている状態信号判定プログラムに基づいて、前記第1電動役物処理フラグ及び前記第2電動役物処理フラグが設定されていない場合に、前記状態信号検出手段で検出した前記状態信号の入力レベルが、前記第1状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルであるか否かを判定し、前記第1電動役物処理フラグが設定されている場合に、前記状態信号検出手段によって検出される前記状態信号の入力レベルが、前記第1状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルであるか否かを判定し、前記第2電動役物処理フラグが設定されている場合に、前記状態信号検出手段によって検出される前記状態信号の入力レベルが、前記第2状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルであるか否かを判定する状態信号判定手段として機能し、前記メインROMに記憶されている信号出力プログラムに基づいて、前記第1電動役物処理フラグ及び前記第2電動役物処理フラグが設定されていない場合であって、前記状態信号の入力レベルが前記第1状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルではないとき、前記第1電動役物処理フラグが設定されている場合であって、前記状態信号の入力レベルが前記第1状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルではないとき、及び、前記第2電動役物処理フラグが設定されている場合であって、前記状態信号の入力レベルが前記第2状態を示す前記状態信号の入力レベルと同一のレベルでないときに、前記遊技機に設けられた報知手段及び遊技機外部の機器の少なくとも一方に報知信号を出力する信号出力手段として機能するとともに、前記第1状態を示す前記状態信号が前記状態信号検出手段によって検出されている状態で、前記検出手段と前記主制御装置とをつなぐ経路が遮断された場合、前記状態信号検出手段によって検出される前記状態信号の入力レベルが、前記第2状態である場合に前記状態信号検出手段によって検出される前記状態信号の入力レベルと同一のレベルになることを特徴とする遊技機。