JP4426360B2 - 診療報酬債権・債務に関する紛争の調停システムおよび方法ならびにプログラム - Google Patents
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Description
レセプトによって請求される医療保険保険給付分については、上述したように審査支払機関を介した支払いが一般的であった。これに対して、近年、規制緩和に合わせIT(情報技術)を利用することで、審査支払機関を介さずに直接、医療機関と保険者との間でレセプトによる請求・支払い情報をやりとりするシステムが構築されてきている。例えば、医療機関と保険者間の大量のレセプト情報の送受信を仲介する機関において、保険者で支払いを留保したレセプトを医療機関に差し戻すための仕組みを採用したものがある(例えば、特許文献1)。あるいは、仲介機関における情報の漏洩等を防止するため、医療機関と保険者に各情報を暗号化するための手段を設けたものがある(例えば、特許文献2)。
更に、本発明によれば、過去の事例に反する調停案情報を受信したときに、審査委員の端末に対して特別な付加情報の入力を求めることで、代表委員は、事例との差異を認識することができ、調停決定情報を提示するときの参考になる。また、本発明によれば、過去の事例に反する調停決定情報を受信したときに警告を発すると共に、代表審査委員の端末に対して関連する情報の提示を求めることで、当事者は、調停決定情報の詳細を知ることができる。
図1において、符号100は、レセプト請求決済システムであり、医療機関1が持つ医療機関端末10と、保険者2が持つ保険者端末20とは、レセプト集配信サーバ30を介して接続されている。レセプト集配信サーバ30は、請求先毎にデータ仕分けがなされたレセプト集配信DBを備え、医療機関端末10との間でレセプトのオンライン請求処理を実行し、保険者端末20との間で支払い金確定処理ならびに支払い処理を実行する。医療機関端末10、保険者端末20とは、それぞれ、ネットワーク40、50を介して接続される。
なお、会員3および代表を含む審査委員4は、本発明システムを運営する事業者(ADR)によって任命された有識者とする。
また、システムサーバ70は、各種ボード(掲示板)71〜74と各種DB群75を備える。各種ボードとして、争点整理ボード71、公開情報ボード72、公開議論ボード73、審査ボード74が例示されており、また、各種DB群75として、それぞれのボードに対応して争点整理DB、公開情報DB、公開議論DB、審査DBがある。それぞれの詳細は後述する。
なお、符号76は外部DBであり、ここでは、過去の事例や、争点パターンが割り付けられ保持される。これについても詳細は後述する。
システムサーバ70は、紛争情報受信部701と、論点情報書き込み部702と、論点情報送信部703と、調停案情報受信部704と、調停案情報送信部705と、調停決定情報送信部706で構成される。
論点情報送信部703は、論点情報記憶部751から論点情報を読み出して予め定めた審査委員が持つ審査委員端末80に対して送信する機能を持つ。また、調停案情報受信部704は、審査委員端末80から、調停案情報を受信して各種DB群75の調停案情報記憶部752へ保持する機能を持つ。
また、争点パターンDB762には、争点となるパターン、ならびにその調停案情報が予め情報として保持されており、このため、調停案情報送信部705は、受信した紛争情報に応じて争点パターンとの整合をとってその調停案情報を代表審査委員端末90へ送信する機能も併せ持つ。更に、調停案情報受信部704は、過去の事例に反する調停案情報を受信したときに、審査委員端末80に対して特別な付加情報の入力を求め、また、調停決定情報受信部706は、過去の事例に反する調停決定情報を受信したときに警告を発すると共に、審査委員端末90に対して関連する情報の提示を求める機能も併せ持っている。
図3に示されるように、ここでは、[申請情報]、[申請理由]、[争点箇所]、[保険者側の主張]、[ADR受付番号]、[医療機関側の主張]、[公開議論内容]、[調停案]、[調停決定]の各データフィールドで構成される。
相手側の主張([医療機関側の主張]または[保険者側の主張])のフィールドは、通知を受けた相手側が書き込むこととする。争点整理期間中は、[保険者側の主張]、[医療機関側の主張]ともに追記が可能とする。また、[公開議論内容]のフィールドは、会員3によって匿名で書き込まれ、会員3は、公開情報ボード72の情報を事由に閲覧でき、公開議論に参加できるものとする。[調停案]のフィールドは、各審査委員4によって書き込まれることとし、各審査委員4は、全データを閲覧し、調停案の提案およびその理由を書き込むものとする。[調停決定]のフィールドは、代表審査委員4により書き込まれるもので、代表審査委員4は、審査ボード74を閲覧することにより各審査委員4の提案を参照して調停を決定することとする。
以下、図4〜図8を参照しながら、図1〜図3に示す本発明実施形態の動作について詳細に説明する。
これを、紛争情報受信部701を介して受信したADRシステム200は、申請内容の形式チェック(S404)を行って申請受付を行い(S405)、受付登録の結果、ADR受付け番号を自動採番する(S406)。続いて、その内容に関し、論点情報書き込み部702を介して争点整理ボード71(論点情報記憶部751)に掲示する(S407)。そして、その受付け通知を、紛争当事者である保険者2(医療機関1)と医療機関1(保険者2)へ通知し(S408)、それぞれにおいて通知内容の確認が行われる(S409、S410)。以降、争点整理期間中は、当事者のみが争点整理ボード71上の当事者分にアクセスでき、自由に閲覧し、主張のための書き込みが可能になる。
なお、図5において、申請者側で追加主張がある場合、申請者である保険者2(医療機関1)は、争点整理ボード71上の当事者分にアクセスし(S417)、主張を追加書き込みする(S418)。追加書き込み受付けを受信したADRシステム200は(S419)、受付け通知を発行し(S420)、保険者2(医療機関1)、医療機関1(保険者2)の双方で通知内容の確認が行われる(S421、S422)。
そして、ADRシステム200は、争点整理期間が終了すると(S429)、争点整理ボード71を閉鎖する(S430)。なお、ここで、争点整理ボード71は、書き込み禁止状態になるが、閲覧は可能である。
これを受けたADRシステム200は(S506)、公開議論ボード73に書き込まれた意見に関し、論点情報送信部703を介して各会員3に公開する。論点情報送信部703は、受信した紛争情報に応じてそれに適合した事例を外部DB76の事例DB761から検索して会員の端末80へ送信することもできる。
なお、公開議論期間中、会員3は、公開議論ボード73に自由に意見を書き込める。続いて、ADRシステム200は、公開議論の終了を待って公開議論ボードを閉鎖する(S508、S509)。ここで、公開議論ボードは、書き込み禁止となるが、閲覧は可能である。
次に、審査委員4は、審査委員端末90を操作することによって、争点整理ボード71、公開情報ボード72、公開議論ボード73、各種DB群75を自由に閲覧して(S603)、調停案、およびその理由を審査ボード74に書き込む(S604)。
ここで、調停案情報送信部705は、争点となるパターン、ならびにその調停案情報を予め情報として保持しているため、受信した紛争情報に応じてパターンとの整合をとってその調停案情報を送信することができる。このことにより、審査委員の調停案作成にかかる負担が軽減される。また、調停案情報受信部は、過去の事例に反する調停案情報を受信したときに、審査委員端末90に対して特別な付加情報の入力を求めることで、過去の事例との差異を明確化できる。
なお、調停決定情報受信部706は、過去の事例に反する調停決定情報を受信したときに警告を発すると共に、代表審査委員が持つ審査委員端末90に対して関連する情報の提示を求めることができる。このことにより、当事者は、調停決定情報に現れない詳細を知ることができる。
なお、調停内容に不服の場合は、司法による解決となる。また、以降、調停終了分についても案件毎の公開情報ボード72、公開議論ボード73、審査ボード74の検索、閲覧は可能である。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組合せで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
Claims (7)
- 医療機関の端末または保険者の端末から、前記医療機関が受け取るべき診療報酬に関する紛争の紛争情報を受信する紛争情報受信手段と、
前記紛争情報に基づき、医療機関の端末または保険者の端末から送信される前記紛争に関する論点情報を争点整理期間中については論点情報記憶手段にアクセスして書き込む論点情報書き込み手段と、
前記論点書き込み手段によって書き込まれた論点情報を、前記論点情報記憶手段から読み出して予め定めた審査委員の端末に対して送信する論点情報送信手段と、
前記論点情報送信手段によって送信された論点情報を受信した前記審査委員の端末から、調停案情報を受信する調停案情報受信手段と、
前記受信した調停案情報を記憶する調停案情報記憶手段と、
前記調停案情報受信手段によって受信され前記調停案情報記憶手段に書き込まれた前記調停案情報を読み出して、予め定められた代表審査委員の端末に送信する調停案情報送信手段と、
前記調停案情報送信手段によって送信された調停案情報を受信した前記代表審査委員の端末から、調停決定情報を受信する調停決定情報受信手段と、
を有し、
前記争点整理期間中については、追加主張として医療機関の端末または保険者の端末から送信された場合には当該追加主張として送信された論点情報を前記論点情報記憶手段にアクセスして書き込み、争点整理期間が終了すると、紛争情報の論点情報記憶手段への書き込みについては禁止して閲覧については閲覧可能に公開し、
前記論点情報送信手段が審査委員の端末に対する論点情報の送信については、前記争点整理期間が終了した後である
ことを特徴とする診療報酬債権・債務に関する紛争の調停システム。 - 前記論点情報送信手段は、
受信した紛争情報に応じてそれに適合した事例を過去の事例から検索して前記審査委員の端末もしくは代表委員の端末へ送信することを特徴とする請求項1に記載の診療報酬債権・債務に関する紛争の調停システム。 - 争点となるパターン、ならびにその調停案情報を予め情報として保持しておき、前記調停案情報送信手段は、受信した紛争情報に応じて前記パターンとの整合をとってその調停案情報を送信することを特徴とする請求項1に記載の診療報酬債権・債務に関する紛争の調停システム。
- 前記調停案情報受信手段は、
過去の事例に反する調停案情報を受信したときに、前記審査委員の端末に対して特別な付加情報の入力を求めることを特徴とする請求項1に記載の診療報酬債権・債務に関する紛争の調停システム。 - 前記調停決定情報受信手段は、
過去の事例に反する調停決定情報を受信したときに警告を発すると共に、前記代表審査委員端末に対して関連する情報の提示を求めることを特徴とする請求項1に記載の診療報酬債権・債務に関する紛争の調停システム。 - 医療機関の端末と保険者の端末と審査委員の端末とはネットワークを介して接続されるコンピュータによる診療報酬債権・債務に関する紛争の調停方法であって、
紛争情報受信手段が、医療機関の端末または保険者の端末から、前記医療機関が受け取るべき診療報酬に関する紛争の紛争情報を受信し、
論点情報書き込み手段が、前記紛争情報に基づき、医療機関の端末または保険者の端末から送信される前記紛争に関する論点情報を争点整理期間中については論点情報記憶手段にアクセスして書き込み、
論点情報送信手段が、前記論点書き込み手段によって書き込まれた論点情報を、前記論点情報記憶手段から読み出して予め定めた審査委員の端末に対して、前記争点整理期間が終了した後に送信し、
調停案情報受信手段が、前記論点情報送信手段によって送信された論点情報を受信した前記審査委員の端末から、調停案情報を受信し、受信した調停案情報を調停案情報記憶手段に記憶し、
調停案情報送信手段が、前記調停案情報受信手段によって受信され前記調停案情報記憶手段に書き込まれた前記調停案情報を読み出して、予め定められた代表審査委員の端末に送信し、
調停決定情報受信手段が、前記調停案情報送信手段によって送信された調停案情報を受信した前記代表審査委員の端末から、調停決定情報を受信し、
前記論点情報書き込み手段がさらに、前記争点整理期間中については、追加主張として医療機関の端末または保険者の端末から送信された場合には当該追加主張として送信された論点情報を前記論点情報記憶手段にアクセスして書き込み、
書き込みを禁止する手段が、争点整理期間が終了すると、紛争情報の論点情報記憶手段への書き込みについては禁止し、
公開をする手段が、閲覧については閲覧可能に公開し、
ことを特徴とする診療報酬債権・債務に関する紛争の調停方法。 - 医療機関の端末と保険者の端末と審査委員の端末とはネットワークを介して接続されるコンピュータを、
前記医療機関の端末または保険者の端末から、前記医療機関が受け取るべき診療報酬に関する紛争の紛争情報を受信する手段、
前記紛争情報に基づき、医療機関の端末または保険者の端末から送信される前記紛争に関する論点情報を争点整理期間中については論点情報記憶手段にアクセスして書き込む手段、
前記書き込まれた論点情報を、前記論点情報記憶手段から読み出して予め定めた審査委員の端末に対して前記争点整理期間が終了した後に送信する手段、
前記論点情報を受信した前記審査委員の端末から、調停案情報を受信する手段と、
前記受信した調停案情報を調停案情報記憶手段に記憶する手段、
前記調停案情報記憶手段に書き込まれた前記調停案情報を読み出して、予め定められた代表審査委員の端末に送信する手段、
前記調停案情報を受信した前記代表審査委員の端末から、調停決定情報を受信する手段、
前記争点整理期間中については、追加主張として医療機関の端末または保険者の端末から送信された場合には当該追加主張として送信された論点情報を前記論点情報記憶手段にアクセスして書き込み、争点整理期間が終了すると、紛争情報の論点情報記憶手段への書き込みについては禁止して閲覧については閲覧可能に公開する手段、
として機能させるためのプログラム。
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