JP4426272B2 - バイオ燃料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、バイオ燃料の製造方法に関するもので、より詳細には廃白土中の油脂由来の脂肪酸と、低級アルコールとのエステル化反応を軽油等の中で行うバイオ燃料の製造方法に関する。
近年、油脂を利用した環境に優しい燃料が、バイオ燃料、バイオディーゼルなどの名称で知られている。
このバイオディーゼルの典型的な例は、使用済みの天ぷら油に苛性ソーダ及びメチルアルコールを作用させてメチルエステルとしたものである。
バイオ燃料の従来技術として、特許文献1には、植物油原油にアルカリ水溶液を加えて加熱し、攪拌後水洗して脱酸処理することにより、ディーゼルエンジン用として使用可能な燃料油を低コスト及び高収率で得ることが記載されている(特許文献1参照)。
特開昭58−138796号公報
しかしながら、上記従来技術に見られるように、油脂類をアルカリで鹸化し、次いで酸で中和して脂肪酸を遊離させる方法では、工程数が多く、用いたアルカリや酸が反応系に残留するため、これを除去するための煩雑な操作が必要となるという問題がある。
一方、油脂精製の分野においては、多量の油脂を包蔵した廃白土が副生しており、その有効な処理が求められているが、ポルトランドセメント製造時の混和焼成処理が行われているにすぎない。また、廃白土に含有されている油分をヘキサン等の有機溶媒で抽出除去することも試みられているが、白土の細孔内に存在する油分を除去することは困難であり、未だ有効な処理手段は見出されるに至っていない。
そこで、本発明の課題は、廃白土を原料として、少ない工程数でしかも材料の取り扱いが容易である、バイオ燃料の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、廃白土中の油脂を該廃白土から分離することなく酵素により脂肪酸に分解し、生成した脂肪酸に低級アルコールを反応させてエステルとするバイオ燃料の製造方法において、前記脂肪酸と前記低級アルコールとのエステル化反応を軽油等の溶媒中で行った後、ろ過して廃白土残渣を分離することにより、上記課題を解決することができることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明の第1の発明は、廃白土中の油脂を該廃白土から分離することなく酵素により脂肪酸に分解し、生成した脂肪酸に低級アルコールを反応させてエステルとするバイオ燃料の製造方法であって、少なくとも前記脂肪酸と前記低級アルコールとのエステル化反応を、軽油、灯油、及び炭素数が10から20であるアシル基を有する脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種の溶媒中で行った後、ろ過して廃白土残渣を分離することを特徴とするバイオ燃料の製造方法である。
本発明の第2の発明は、油脂が植物油であり、酵素がリパーゼであり、低級アルコールが炭素数8以下のものである第1の発明に記載のバイオ燃料の製造方法である。
本発明の第3の発明は、脂肪酸と低級アルコールとのエステル化反応において、低級アルコールを、廃白土と酵素を混合した、軽油、灯油、及び炭素数が10から20であるアシル基を有する脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種の溶媒中に、段階的に添加することを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載のバイオ燃料の製造方法である。
このように発明を特定することで、過剰のアルコールによる酵素の失活を防止し、脂肪酸とアルコールからのエステルへの転換率を高めることが可能となる。




本発明の第4の発明は、前記バイオ燃料を分離した後の酵素を含む廃白土残渣を、第1の発明から第3の発明のいずれか1つに記載のバイオ燃料の製造工程に循環させることを特徴とするバイオ燃料の製造方法である。
本発明のバイオ燃料の製造方法は、エステル化反応の溶媒として軽油等を用いることにより、1)溶媒を除去する必要がないので、最終生成物をそのままバイオ燃料として使え、工程数が少なくなる、2)エステル化の反応速度が速いので、製造時間を短縮できる、3)溶媒の揮発性が低く、製造時に材料の取り扱いが容易である、という効果がある。
[廃白土]
本発明の方法に用いる廃白土は、脱色乃至精製用白土を油脂類の脱色乃至精製に用い、この工程で分離副生するものであり、油分を包蔵しており、これを廃棄することは環境汚染の点から許されず、その有効利用が熱望されていたものである。
即ち、脱色乃至精製すべき油脂に、酸性白土のごときモンモリロナイト族粘土鉱物や、これらの粘土鉱物を酸処理及び/又はアルカリ処理して得られる活性白土を、粉末の状態で脱色剤乃至精製剤として添加し、両者を均一に攪拌することにより、油脂中に含有される着色成分や不純物成分を白土粒子中に吸着させる。脱色乃至精製処理後分離される白土中には、用いた白土の吸油量に相当する量の油脂が保持されている。
油脂の脱色処理は、それ自体公知の条件であり、例えば油脂当たり重量基準で0.1乃至5%の白土類を脱色乃至精製剤として添加し、90乃至150℃の温度で5乃至30分間、両者の組成物を撹拌することにより、脱色乃至精製処理を完了することができる。
脱色乃至精製処理を終えた混合物は、これを任意の濾過機、例えばフィルタープレス、ベルトフィルター、オリバーフィルター、アメリカンフィルター、遠心濾過機等の減圧乃至は加圧式濾過機に供給して、精製油脂と使用済みの脱色乃至精製剤である所謂廃白土が得られる。この廃白土には、精製する原料油の種類にもよるが、粒子に保持されている油分を、一般に20乃至60重量%程含有している。
本発明に用いる廃白土は、酸性白土(モンモリロナイト)、ベントナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチブンサイト等のスメクタイト粘土鉱物やアタパルジャイトなどの鎖状粘土鉱物、或いはこれらの酸処理物を脱色乃至精製用白土として用いたものである。
これらの粘土鉱物の内でも、モンモリロナイト族粘土鉱物やその酸処理物が油脂類の脱色、精製に広く使用されているものである。
酸性白土のようなモンモリロナイト族粘土鉱物は、二つのSiOの四面体層がAlO八面体層を間に挟んでサンドイッチされた三層構造を基本単位としており、この基本単位の三層構造がさらにC軸方向に多数積層されて層状結晶構造を構成しているアルミノケイ酸塩である。この層状結晶構造はモンモリロナイト族粘土鉱物類に共通している。
モンモリロナイトの内でも本邦において広く産出する酸性白土は、風化により、モンモリロナイトの基本単位である三層構造中のAlO八面体層のAl原子の一部がマグネシウムやカルシウム等のアルカリ土類金属で置換され、その原子価を補うように水素イオンが結合している。したがって、酸性白土を食塩水溶液中に懸濁させてそのpHを測定すると、前記水素イオンがナトリウム(Na)イオンで置換され、酸性を示す。一方、ベントナイトは交換性陽イオンが大部分ナトリウム(Na)であるため、pHも中性から微アルカリ性を示し、水膨潤性も大きいのに対して、酸性白土ではナトリウムイオンがアルカリ土類金属で置換され、アルカリ金属成分が少なく、しかも水膨潤性も低下しており、またケイ酸分の含有量も高いため、吸着性の点で極めて有利である。かくして、モンモリロナイトとしては、本邦で産出する任意の酸性白土が広く使用されており、また、所謂サブベントナイト(Ca型ベントナイト)と呼ばれるモンモリロナイト族粘土鉱物も使用されている。
下記表1に酸性白土(100℃乾燥品)の一般的化学組成の一例を示す。
Figure 0004426272
酸性白土を用いるに際して、その中に含有される岩石類のクリストバライト、石英、長石等は、比重差を利用した分離方法(水簸や風簸等の分級手段)で容易に分離することができる。また、この中で結晶性ケイ酸のクリストバライトはアルカリと容易に反応してケイ酸アルカリに転化できるので、この方法でも除去することができる。これらの方法によって、層状結晶構造物の純度を向上させることができる。
一方、酸性白土の酸処理物は、一般に油脂類等の精製剤である活性白土として知られている。この酸処理物は、酸性白土を硫酸や塩酸等の鉱酸溶液で処理して、含有する塩基性成分の一部を溶出せしめ、洗浄することによって容易に調製される。この酸処理によって、本来酸性白土が持っていた層状結晶構造の一部は破壊されるが、ケイ酸(SiO)の含有率は増加し、このことによって、比表面積は増大し、吸着能等の物性は向上する。酸性白土の酸処理物、一般に市販されている活性白土ならびにその製造中間品は、優れた特性を有する精製剤となる。
この酸処理物の化学組成は、原料酸性白土の種類や酸処理条件等によっても相違するが、一般に下記表2に示す組成を有する。
Figure 0004426272
また、アタパルジャイトなどの鎖状粘土鉱物は、タルク(滑石)レンガを交互に積み重ねたような三次元の鎖状構造を有しており、この鎖状の隙間に形成された空孔は表面積が大きい。従って、このような鎖状粘土鉱物も吸着作用や吸収作用を示し、油脂を包蔵し得るものであり、本発明において使用可能である。
上述した粘土鉱物及びその酸処理物は、植物油を吸蔵した所謂廃白土の形で本発明に用いる。
本発明で、廃白土中に含有される油脂は植物油、動物油、魚油のいずれであってもよい。
植物油としては、天然の植物界に広く存在し、脂肪酸とグリセリンとのエステルを主成分とするものであり、例えばサフラワー油、大豆油、菜種油、パーム油、パーム核油、綿実油、ヤシ油、米糠油、ゴマ油、ヒマシ油、亜麻仁油、オリーブ油、桐油、椿油、落花生油、カポック油、カカオ油、木蝋、ヒマワリ油、コーン油などが挙げられる。この植物油は、少なくとも一部が不飽和である脂肪酸とグリセリンとのエステルを主体とするものが好ましい。
動物油としては、肝油、鯨油、牛脂、牛酪脂、馬油、豚脂、羊脂等が挙げられる。
魚油としては、鮪油、鰯油、鰊油、イカ油、秋刀魚油等が挙げられる。
[酵素]
本発明において、酵素としては、油脂を加水分解し、脂肪酸を生成するものであれば、何れを用いてもよく、一般にはリパーゼが用いられる。リパーゼとしては、その由来等は特に限定されず、微生物由来のリパーゼ、植物由来のリパーゼ、動物膵臓由来のリパーゼ等が使用される。また、用いるリパーゼは適切な担体に固定化されたものであってもよい。
リパーゼの具体的な例として、
Candida cylindracea由来のリパーゼOF(商品名、名糖産業(株))、
Candida rugosa由来のリパーゼTypeVII(商品名、シグマ(株))、
Rhizopus arrhizus由来のリパーゼType11(商品名、シグマ(株))、
Rhizopus oryzae由来のリパーゼF−AP15(商品名、天野エンザイム(株))、
Rhizopus japonicus NR400由来のリパーゼA−10FG(商品名、ナガセ(株))、
Aspergillus niger由来のSumizymeNLS(商品名、新日本化学(株))、
Phycomyces nitens NRRL 2444由来のリパーゼPN(商品名、和光純薬(株))、
Porcine pancreas由来のリパーゼTypeII(商品名、シグマ(株))、
Pseudomonas cepacia由来のリパーゼ(商品名、シグマ(株))、
Mucor javanicus由来のリパーゼ(商品名、シグマ(株))、
アルカリリパーゼ(商品名、NOVO社(株))
などを挙げることができるが、これらは説明のための例示であり、如何なる意味でもこれに限定されない。
本発明に用いるリパーゼとしては、Candida cylindracea由来のリパーゼOF(商品名、名糖産業(株))が好ましい。
本発明のバイオ燃料の製造方法においては、エステル化反応の溶媒として軽油、灯油、ガスタービン燃料、脂肪酸エステルのいずれを用いてもよい。中でも、軽油が好適に用いられる。
[軽油]
本発明に用いられる軽油は、通常使用されるものを用いればよく、JIS規格で定められる特1号、1号、2号、3号、特3号のいずれを用いてもよい。通常のバイオ燃料であれば、引火点のより高い特1号、1号、2号を用いるのがよく、寒冷地で用いるバイオ燃料であれば、流動点(℃)、目詰まり点(℃)の低い3号、特3号を用いればよい。
[灯油]
本発明に用いられる灯油は、通常使用されるものを用いればよく、JIS規格で定められる1号(白灯油)、2号(茶灯油)のいずれを用いてもよい。1号は、主に冷暖房用、厨房用のバイオ燃料に、2号は石油発電用、機械洗浄用のバイオ燃料に用いるとよい。
[ガスタービン燃料]
本発明に用いられるガスタービン燃料は、JIS規格で定められる1号、2号、3号のいずれを用いてもよい。1号は長距離航空機用バイオ燃料に、2号は短・中距離航空機用バイオ燃料に、3号は一般航空機用バイオ燃料に用いるとよい。
[脂肪酸エステル]
本発明に用いられる脂肪酸エステルは、炭素数が10から20のアシル基を有するものを用いればよく、それらの混合物でもよい。中でも植物油脂から変換された脂肪酸メチルエステルが好適に用いられる。
[低級アルコール]
本発明において、脂肪酸のエステル化に用いる低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec-ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール、n-アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルアルコール、へプチルアルコール、オクチルアルコール等の炭素数8以下のアルコールを挙げることができるが、特に炭素数7以下が好ましく、中でも反応性及びコストの点でメタノールが好ましく、得られるバイオ燃料の性能の点ではブタノ−ルが好ましい。
低級アルコールは、脂肪酸に対して当量以上の量で用いるのがよく、特に脂肪酸:アルコール(モル比)が1:1乃至1:2、好ましくは1:1乃至1:1.33の量がよい。
[製造方法]
本発明のバイオ燃料の製造方法は、廃白土中の油脂を酵素により脂肪酸に分解する第1の工程と、生成した脂肪酸に低級アルコールを反応させてエステルとする第2の工程からなり、少なくとも第2の工程の脂肪酸と低級アルコールのエステル化反応は軽油、灯油、ガスタービン燃料、又は脂肪酸エステル(以下、軽油等と記載することがある)の存在下で行うものである。第1の工程は、軽油等の存在下で行ってもよく、廃白土と酵素を機械的に混ぜてもよい。油脂の酵素反応はそれ自体公知の条件下で行うことができる。
酵素の使用量は、廃白土中に含有される油脂量に応じて、従来酵素分解に用いられる量であってよく、酵素粉末で換算した場合、廃白土中の油脂100重量部当たり30重量部以下とされる。無論、この使用量より多くても構わないが、製造コストが掛かるため好ましくない。バイオ燃料の製造コストを低くするためには、好ましくは、10重量部以下、より好ましくは、5重量部以下とされる。
脂肪酸への分解反応は、酵素が活性を保つ温度範囲で行えばよく、例えば一般に10乃至50℃、特に20乃至40℃の温度で行われる。酵素反応の際の適切なpHは、酵素の種類や廃白土の種類によっても相違するが、一般に5.0乃至8.0のpHの範囲にあるのが好ましい。そのために緩衝液を用いてもよい。
酵素反応の時間は、特に限定されず、所望の分解率が達成される時間でよく、例えば0.1乃至10時間程度でよい。
第1の工程を軽油等の溶媒中で行う場合、反応系に存在させる溶媒の量は、特に限定されず、廃白土と酵素が流動化する量で充分であり、例えば廃白土中の油脂100重量部当たり50乃至500重量部とするのがよく、好ましくは、100乃至200重量部の量で使用する。
油脂の脂肪酸への分解に際して、軽油等の溶媒が上記範囲よりも少ない場合には、反応混合物の流動性が悪くなり、また多い場合には1バッチ当たりの収量が低下し、経済性を損なう。
一方、廃白土そのものに酵素を作用させ、使用済み白土と油脂との共存下に酵素反応を行う場合には、廃白土と酵素を混合すればよく、油脂と酵素の接触効率を高めるため、ミキサーなどで粒子を小さくしてもよい。
第2の工程においては、脂肪酸のエステル化を軽油等の溶媒中で行うことが、エステルの収量を増大させるために有効である。また、このように脂肪酸のエステル化反応を軽油等の溶媒中で行うことにより、反応物から溶媒を除去する必要がなく、最終反応物をそのままバイオ燃料とすることができるので、工程を減少させることができる。この点において、ヘキサン等を溶媒とする場合に比べて有利である。
エステル化に際して使用する軽油等の溶媒の量は、廃白土中の油脂100重量部当たり、50乃至500重量部の範囲がよい。特に、100乃至200重量部の量で使用することが一層好適である。
脂肪酸のエステル化に際して、軽油等の溶媒の量が上記範囲よりも少ない場合には、反応混合物の流動性が悪くなり、また多い場合には1バッチ当たりの収量が低下し、経済性を損なう。
脂肪酸のエステル化反応は、エステル化反応温度範囲で行えばよく、例えば一般に10乃至50℃、特に20乃至40℃の温度で行われる。エステル化反応の時間は、特に限定されず、所望のエステルの収量が達成される時間でよく、例えば1乃至300時間程度でよい。
脂肪酸のエステル化反応においては、低級アルコールの全量を一時に添加してもよいが、少なくとも2回に分けて段階的に添加することが好ましい。このようにすることで、低級アルコールによる酵素の失活を防止することができ、脂肪酸への分解反応及びエステル化の反応が阻害されることが防止できる。
本発明においては、第1の工程(酵素反応)と第2の工程(エステル化反応)とを、ワンポット反応として、同一の反応系で継続的に実施することができる。
即ち、ワンポット反応では、反応系に、廃白土、酵素、軽油等及び低級アルコールを仕込み、反応系から生成するエステルを回収する。
また、第1の工程(酵素反応)と第2の工程(エステル化反応)とを二段反応で実施することもできる。二段反応では、反応系に、廃白土と酵素、軽油等を仕込み、次いで反応系に低級アルコールを仕込んで、エステル化反応を行い、反応系から生成するエステルを回収する。
反応物は濾過により濾液をそのまま回収することで、バイオ燃料とすればよく、生成した脂肪酸のエステルを、蒸留、抽出、油水分離等の手段により分離回収する必要はない。このように、本発明は、溶媒を除去する工程が省略できる点において、ヘキサン等を溶媒とする場合に比べて有利である。
バイオ燃料を分離した後の廃白土残渣には酵素が残留する。残留酵素を再利用するため、酵素を含む廃白土残渣を前記バイオ燃料の製造工程に循環させることができる。
また、油脂含有廃白土に更に油脂又は廃食用油を加え、それに酵素を作用させて脂肪酸に分解させ、生成した脂肪酸と低級アルコールとを反応させてエステルとすることもできるし、更には、廃白土中の油脂に、油脂を脂肪酸に分解させる酵素を生成させる菌を作用させて脂肪酸に分解させ、生成した脂肪酸と低級アルコールを反応させてエステルとすることも可能である。
本実施形態におけるバイオ燃料の製造方法は、第1の工程で油脂の酵素による脂肪酸への分解反応を、油脂と酵素を直接作用させるか、軽油等の溶媒中で行い、第2の工程で脂肪酸と低級アルコールのエステル化反応を軽油等の溶媒中で行うことにより、1)溶媒を除去する必要がないので、最終生成物をそのままバイオ燃料として使え、工程数が少なくなる、2)エステル化の反応速度が速いので、製造時間を短縮できる、3)溶媒の揮発性が低く、製造時に材料の取り扱いが容易である、という効果がある。この点において、ヘキサン等を溶媒とする場合に比べて有利である。
また、廃白土中の油脂を脂肪酸に分解する酵素の量を少なくすることにより、バイオ燃料の製造コストを低くすることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
[実施例1]
油脂含有率35重量%のパーム油廃白土500gとリパーゼ(リパーゼOF、名糖産業(株)製)50g(廃白土中の油脂100重量部当たり28.6重量部)をポリ袋に計り採り、15分間凝集物を解しながら混合した。
この混合物を撹拌機付きのステンレス製1リットルオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製)に移し、自動車燃料用軽油((株)ジャパンエナジー製)250mlを加え、300rpmで15分間撹拌した。
次いで、メタノール(一級試薬、和光純薬工業(株)製)14.75mlを加え、1時間撹拌した後、さらにメタノール14.75mlを加え、室温下で所定時間撹拌した。
反応終了後、反応物を濾過し、そのまま濾液を回収した。
[比較例1]
前記実施例1における溶媒の軽油の代わりに、ヘキサンを用い、反応終了後、重量減少が見られなくなるまで減圧を続けてヘキサンを除去した後、反応物を回収した。
[実施例2〜3、比較例2〜3]
実施例1におけるリパーゼを5g(廃白土中の油脂100重量部当たり2.86重量部)としたものを実施例2、2.5g(廃白土中の油脂100重量部当たり1.43重量部)としたものを実施例3とした。また、比較例1におけるリパーゼを5g(廃白土中の油脂100重量部当たり2.86重量部)としたものを比較例2、2.5g(廃白土中の油脂100重量部当たり1.43重量部)としたものを比較例3とした。
[実施例4]
実施例2において、溶媒を暖房用灯油((株)ジャパンエナジー製)としたものを実施例4とした。
[実施例5]
実施例2において、溶媒を比較例1で得た脂肪酸エステル(脂肪酸メチルエステル)としたものを実施例5とした。
本実施例、比較例において、メチルエステル転換率の算出法は以下の通りである。
1.クロロフォルムで希釈した試料について、ガスクロマトグラフィーで脂肪酸メチルエステルのピークプロファイルを得る。
2.脂肪酸エステルの各ピーク面積を、クロロフォルムのピーク面積比(測定試料ピーク面積を基準のピーク面積で割った値)で割って補正する。
3.補正した脂肪酸エステルの各ピーク面積値を合計する。
4.化学的合成法で調整した標準試料のメチルエステル転換率を100%とし、ピーク面積比よりそれぞれの試料の溶媒を含む見かけのメチルエステル転換率を算出する。
5.廃白土中の油脂重量と加えた溶媒重量との比から油脂重量基準のメチルエステル転換率を算出する。
実施例1について、脂肪酸メチルエステルのガスクロマトグラフィーのピークプロファイルを図1に示し、実施例1及び比較例1におけるメチルエステル転換率の時間変化を表3及び図2に示す。なお、図1においてR.T.とは、保持時間(retention time)のことをいう。
同様に、実施例2及び比較例2におけるメチルエステル転換率の時間変化を表4及び図3に示す。
実施例3及び比較例3におけるメチルエステル転換率の時間変化を表5及び図4に示す。
実施例4及び実施例5におけるメチルエステル転換率の時間変化を表4及び図3に示す。
Figure 0004426272
Figure 0004426272
Figure 0004426272
いずれの例においても、軽油、灯油、又は脂肪酸エステルを溶媒とした場合、ヘキサンを溶媒とした場合に比べてメチルエステル転換速度が速かった。
本発明のバイオ燃料の製造方法は、エネルギー関連産業、環境関連産業等において広く利用することができる。
本発明の実施に係る脂肪酸メチルエステルのピークプロファイルを示す図である。 本発明の実施に係るメチルエステル転換率の時間変化の一例を示す図である。 本発明の実施に係るメチルエステル転換率の時間変化のもう一つの例を示す図である。 本発明の実施に係るメチルエステル転換率の時間変化のさらにもう一つの例を示す図である。

Claims (4)

  1. 廃白土中の油脂を該廃白土から分離することなく酵素により脂肪酸に分解し、生成した脂肪酸に低級アルコールを反応させてエステルとするバイオ燃料の製造方法であって、少なくとも前記脂肪酸と前記低級アルコールとのエステル化反応を、軽油、灯油、及び炭素数が10から20であるアシル基を有する脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種の溶媒中で行った後、ろ過して廃白土残渣を分離することを特徴とするバイオ燃料の製造方法。
  2. 油脂が植物油であり、酵素がリパーゼであり、低級アルコールが炭素数8以下のものである請求項1記載のバイオ燃料の製造方法。
  3. 脂肪酸と低級アルコールとのエステル化反応において、低級アルコールを、廃白土と酵素を混合した、軽油、灯油、及び炭素数が10から20であるアシル基を有する脂肪酸エステルからなる群から選ばれる1種の溶媒中に、段階的に添加することを特徴とする請求項1又は2記載のバイオ燃料の製造方法。
  4. 前記バイオ燃料を分離した後の酵素を含む廃白土残渣を、請求項1から3のいずれか1項記載のバイオ燃料の製造工程に循環させることを特徴とするバイオ燃料の製造方法。
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