JP4425371B2 - 廃棄物減容梱包装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、廃プラスチック、ビニール袋等の廃棄物をロール状に減容してベールを成形する作業と、該ベールをラップ梱包する作業とを、ベールのハンドリング操作を行うことなく一連の工程で連続して行えるようにした廃棄物減容梱包装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
日本国は勿論のこと、世界各国において、産業、或いは家庭から出る廃棄物の処理は、大きな問題となっている。その問題とは、廃棄場所の確保と、廃棄物容積の減容化である。なお、日本国においては、廃棄物の運搬には、これを密封して行うことが義務付けられている。従来より、後者の問題に対処するために、上記した廃棄物をロール状に減容してベールを成形する装置と、該ベールをラップ梱包する装置とを備えた廃棄物減容梱包装置は、既に知られている。
【0003】
しかし、従来の減容梱包装置は、設置型のみであって、ベール成形装置で成形されたベールをハンドリングして、ラップ梱包装置の部分まで搬送して、該梱包装置に載せる等していた。このため、ベールのハンドリング装置が必要になると共に、ベール成形装置とラップ梱包装置とを主体とする全体装置が大掛かりなものとなる問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、廃棄物を減容成形したロール状のベールを重力を利用して搬送することにより、ベールのハンドリングを不要にして、該ベールを減容成形する作業と、該ベールをラップ梱包する作業とを一連の工程で連続して行える装置の提供を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、廃棄物を半径方向及び軸方向の双方から圧縮・減容してロール状のベールに成形するベール減容成形装置と、前記ベールの全面を梱包フィルムで密封梱包するラップ梱包装置とを備え、前記ラップ梱包装置は前記ベール減容成形装置の後方に、直列にして、しかも当該ラップ梱包装置の方が低くなるように所定の段差を設けて配設され、前記ベール減容成形装置の後方から放出された前記ベールを、その転動により前記ラップ梱包装置にそのまま載せて、ベール成形作業と、ラップ梱包作業とを一連の工程で連続して行う構成であり、しかも前記ラップ梱包装置には、ベール減容成形装置から放出されたベールが転動して、回転テーブルに載せられたことを検出するベール検出センサーが設けられ、該センサーによるベールの検出により、ベール減容成形装置の駆動制御回路をリセットするように構成した廃棄物減容梱包装置であって、前記ラップ梱包装置は、前記ベールを、その軸心をほぼ水平にして回転テーブルに支持して、該ベールを低速自転させながら、前記回転テーブルを垂直軸を中心にして連続回転させて、前記ベールの全面を梱包フィルムで巻回して密封梱包する構成であり、前記ラップ梱包装置を構成するベースフレームの後方に延出して設けられた後方延出部材の後端部には、センサーバー支柱が立設され、当該センサーバー支柱の上端部に、センサーバーの長手方向の略中央部が回動可能に支持され、前記センサーバーの後端部には、当該センサーバーの配置状態で長手方向と直交する略上下方向に沿って長孔が形成されていると共に、当該長孔の上端部に臨んでベール検出センサーが取付けられ、前記センサーバーの後端部と前記後方延出部材の後端部とは、衝撃吸収用シリンダを介して連結されて、当該衝撃吸収用シリンダのロッドの先端部は、前記長孔の形成方向に移動可能なように、当該長孔に係合状態で連結され、前記ラップ梱包装置の回転テーブルにベールが載せられて、前記センサーバーは、その先端部が上方に持ち上げられるように回動することにより、前記ベール検出センサーが前記衝撃吸収用シリンダのロッドの先端と接触して、前記回転テーブルにベールが載せられたことが検出されると共に、転動して前記回転テーブルに載せられるベールの衝撃は前記衝撃吸収用シリンダにより吸収される構成であることを特徴としている。
【0006】
ラップ梱包装置は、ベール減容成形装置の後方に直列にして、しかも該ラップ梱包装置の方が低くなるように所定の段差を設けて配設されていて、ベール減容成形装置が上記したベール成形体を有しているので、ベールの減容成形後に、その後部チャンバーを開くと、ロール状のベールが転動しながら後方に放出され、そのままラップ梱包装置に載せられる。ラップ梱包装置が上記した回転テーブルを有しているので、梱包終了後において、ベールを載せている回転テーブルの一端部が高くなるように、該テーブルの全体を装置側方に向けて傾斜させると、該ベールを装置側方に排出させられる。
これにより、廃棄物の減容梱包装置全体をそれ程大きくすることなく、しかもベールのハンドリング装置を一切不要にして、ベールを減容成形する作業と、該ベールをラップ梱包する作業とを一連の工程で連続して行える。
また、ラップ梱包装置に、ベール減容成形装置から放出されたベールが転動して、その回転テーブルに載せられたことを検出するベール検出センサーが設けられているので、該センサーによるベールの検出により、ベール減容成形装置の駆動制御回路をリセットさせられて、直ちに、次のベールの成形を行える。この結果、ベールの成形作業を連続して行えて、廃棄物の減容梱包作業の能率が向上する。
【0007】
【0008】
【0009】
また、ベールが転動しながら回転テーブルに載せられることにより、センサーバーの先端部が上方に持ち上げられるように回動して、当該センサーバーの後端部に取付けられた前記ベール検出センサーが前記衝撃吸収用シリンダのロッドの先端と接触して、前記回転テーブルにベールが載せられたことが検出されると共に、転動して前記回転テーブルに載せられるベールの衝撃は、前記衝撃吸収用シリンダにより吸収される。
【0010】
また、請求項2の発明は、ベール減容成形装置の前方に、廃棄物を落下投入させるホッパーが配設されて、該ホッパーの排出口と、前記ベール減容成形装置の減容圧縮室の下部の送込み口との間に、前後方向に沿って送込みコンベアが配設されているので、ホッパーに投入された廃棄物は、そのまま送込みコンベアにより、減容圧縮室の下部の送込み口の部分まで搬送されて、そのまま、減容圧縮室の内部に送り込まれる。
【0011】
また、ベールの減容成形時、及びその放出時においては、ロール状に成形されたベールから廃棄物片が下方にこぼれ落ちるので、請求項3の発明のように、ベール減容成形装置の後部に横方向に搬出コンベアを設けることにより、前記廃棄物片は、装置の下部に落下して溜まることなく、装置の側方に搬出させられる。
【0012】
また、請求項4の発明のように、ラップ梱包装置に、ロードセルを設けておくと、ラップの梱包時において、その重量測定も同時に行える。
更に、請求項5の発明のように、ベール減容成形装置とラップ梱包装置とを、牽引桿を備えた台車に積載して、動力車により牽引する構成にすると、廃棄物処分場において、作業が必要な場所に装置全体を随時移動させられて、処理すべき大量の廃棄物を処理装置(廃棄物減容梱包装置)の部分まで搬送する必要がなくなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、実施形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。最初に、本発明に係る設置型の廃棄物減容梱包装置(以下、単に「減容梱包装置」と略す)の全体構成について説明し、その後に、該減容梱包装置を構成する各装置について詳細に説明する。図1は、本発明に係る減容梱包装置の全体側面図であり、図2は、図1のベール減容成形装置Aの部分の拡大図であり、図3は、減容梱包装置の全体平面図である。図1なし図3において、ベース板1に設けられた機台2には、ベール減容成形装置Aが架設され、該成形装置Aの後方には、ラップ梱包装置Bが直列となり、しかも該ラップ梱包装置Bの方が低くなるような所定の段差Hを有して配設されて、前記ベース板1に固定されている。ベール減容成形装置Aは、その減容圧縮室21に収容されたばら状態の廃棄物Wを半径方向及び軸方向の双方から圧縮してロール状のベールV’に成形するための装置である。また、ラップ梱包装置Bは、前記ベールV’の全外周面を梱包フィルムFで梱包して、内部のベールV’を密封して梱包ベールVにするための装置である。
【0014】
また、ベール減容成形装置Aとラップ梱包装置Bとの間には、複数本(実施形態では2本)のベールガイドバー3が、後方側が低くなるように前後方向Pに沿って設けられている。また、機台2の最前部には、ホッパー4が設けられて、廃棄物コンベア5の先端部は、前記ホッパー4の投入口4aの直上部に配置され、該コンベア5の先端部からホッパー4内に、ばら状態の廃棄物Wが落下投入されるようになっている。また、前記ベール減容成形装置Aの減容圧縮室21の手前側の下部には、ばら状態の廃棄物Wが送り込まれる送込み口22(図5参照)が設けられ、該送込み口22と、ホッパー4の下端の排出口4bとの間には、廃棄物Wをベール減容成形装置Aの減容圧縮室21に送り込むための送込みコンベア6が前後方向Pに沿って水平に配設されている。
【0015】
引き続いて、ベール減容成形装置Aについて詳細に説明する。図4は、ベール減容成形装置Aの模式的斜視図であり、図5は、減容圧縮室21に廃棄物Wが送り込まれる状態を示す図である。図1ないし図4において、ベール減容成形装置Aは、機台2に固定された前部チャンバー11と、開閉シリンダ12の作用によって、前記前部チャンバー11の後上端部に開閉可能にヒンジ連結された後部チャンバー13とから成り、後部チャンバー13を閉じた状態では、前部及び後部の両チャンバー11,13によって、全体が一つのチャンバー(部屋)が形成される。また、図1、図4及び図5に示されるように、前部チャンバー11の両側板14の後半部と、後部チャンバー13の両側板15との各内側面には、それぞれ多数のチェーン歯車16a〜16fが支持され、前記各側板14,15の内側面には、それぞれ円弧状のガイド板17a,17bが連続した状態で取付けられている。
【0016】
また、ベール成形体Dは、無端状となって配置された多数本の成形バー18の両端部が無端チェーン19で連結された構成であって、前記各チェーン歯車16a〜16fと前記各ガイド板17a,17bとの間に前記無端チェーン19が掛装されている。このため、円弧状の各ガイド板17a,17bの部分は、その一部が欠落された環状走行路となって、該環状走行路を走行する前記ベール成形体Dによって、減容圧縮室21の周壁が構成される。また、前部及び後部の各チャンバー11,13の側板14,15によって、減容圧縮室21の内側壁が構成される。そして、環状走行路の前方下部に設けられた欠落部分は、前記送込みコンベア6から前記減容圧縮室21の内部にばら状態の廃棄物Wを送り込むための送込み口22となっている。
【0017】
このため、チェーン歯車16fに駆動力が供給されて、無端状のベール成形体Dが周回走行している状態において、送込みコンベア6の走行により、ホッパー4内に投入されたばら状態の廃棄物Wが前記送込み口22から減容圧縮室21に送り込まれると、該廃棄物Wは、多数本の成形バー18の走行によって周方向に連れ回りさせられながら、その体積が徐々に増大され、減容圧縮室21に廃棄物Wが充満されて、該廃棄物Wは、その半径方向及び軸方向の双方に沿って圧縮されることにより、ロール状に減容成形されたベールV’となる。
【0018】
また、ベールV’の成形後においては、トワイン繰出装置23によってトワイン束24からトワイン25が繰り出され、成形後のベールV’の回転中において、その外周にトワイン25が螺旋状となって巻き掛けられて、ベールV’の全体が結束される(図14参照)。その後に、図1で2点鎖線で示されるように、開閉シリンダ12によって、後部チャンバー13が開かれることにより、成形されたベールV’は、減容圧縮室21から後方に向けて転動して放出される。
【0019】
引き続いて、ラップ梱包装置Bについて説明する。図6は、ラップ梱包装置Bの斜視図であり、図7は、図1においてベルト駆動37が横方向Qに沿ったラップ梱包装置Bを矢印Xの方向から見た図であり、図8は、梱包されたベールVを側方に放出する状態を示す図であり、図9は、ラップ梱包装置Bの概略平面図である。ベースフレーム31には、ダンプシリンダ32の作用によって、ダンプ支点軸33を支点としてダンプフレーム34が垂直面内において回動可能に支持されている。ダンプフレーム34には、これに取付けられた油圧モータ30(図9参照)の作用によって垂直回転軸35を中心にして回転テーブル36が回転可能に支持されている。回転テーブル36は、平面視において方形状をしていて、その対向する各辺部に近い部分には、それぞれベルト駆動軸37及びベルト被動軸38が互いに平行に支持されていて、各軸37,38の間には、ロール状のベールV’を支持するための一対の支持ベルト39が所定の弛みを有して支持されている。
【0020】
また、回転テーブル36におけるベルト被動軸38の外側には、転動によって、ラップ梱包装置Bに対して梱包前のベールV’を搬入させたり、或いは梱包後のベールVを排出(放出)させたりする際において、転動中の前記ベールV’或いはベールVを支持案内するための支持案内ローラ41が、前記ベルト被動軸38と平行に設けられている。また、方形状をした回転テーブル36におけるベルト駆動軸37及びベルト被動軸38が設けられている各辺部と隣接する別の対向する各辺部には、該回転テーブル36の支持ベルト39に支持されたベールV’の端面側を支持するための一対の端面側支持ローラ42が垂直線に対して外方に傾斜した状態で相対向して設けられている。
【0021】
また、ベースフレーム31の側方には、側方延出部材43を介して支柱44が立設され、該支柱44の上端部には、軸心を垂直にしたフィルムロール45から梱包フィルムFを引き出すためのフィルム引出装置46が装着されている。前記フィルムロール45の高さは、回転テーブル36に支持されたベールV’の軸心とほぼ同一となっている。回転テーブル36におけるベルト駆動軸37の近傍には、ラップ梱包の開始時及び終了時において、前記フィルムロール45から引き出された梱包フィルムFを所定時間だけ掴んで開放したり、或いは切断するためのタイアンドカット装置47が設けられている。このため、回転テーブル36の一対の支持ベルト39によってベールV’を、その軸心を水平にして支持した状態において、該一対の支持ベルト39の走行によって、該ベールV’を低速で自転させながら、回転テーブル36を垂直回転軸35を中心にして回転させて、該ベールV’の全体を該垂直回転軸35を中心にして回転させると、図15に示されるように、ベールV’の全面に前記梱包フィルムFが巻回されて、ラップ梱包される。この梱包フィルムFは、ベールV’の外周面においては、その軸方向に沿って巻回され、その端面においては、半径方向に沿って巻回される。なお、ラップ梱包装置Bには、ベースフレーム31に対する回転テーブル36の回転方向の固定位置を設定通りに定めて、固定できる装置を備えている。
【0022】
また、ベースフレーム31の後方に向けて延出された後方延出部材48には、センサーバー49を支持するためのセンサーバー支柱51が立設され、該支柱51の上端部に前記センサーバー49の略中央部が支持されて、その後端部は、衝撃吸収用のシリンダ52を介して前記後方延出部材48に回動可能に支持されている。センサーバー49の後端部には、当該センサーバー49の長手方向と直交する幅方向(配置状態で略上下方向)に沿って長孔49aが形成され、回転テーブル36にベールV’が載せられたことを検出して、ベール減容成形装置Aの駆動制御回路をリセットさせるためのセンサーSが、前記長孔49aの上端部に臨んで取付けられている。即ち、図10ないし図12に示されるように、衝撃吸収用のシリンダ52のロッド52aの先端部が、前記長孔49aの方向に移動可能なように当該長孔49aに係合されて、図10及び図11に示されるように、回転テーブル36にベールV’が載せられると、先端部が上方に移動するように前記センサーバー49がセンサーバー支柱51の上端部を支点にして回動して、衝撃吸収用のシリンダ52のロッド52aの先端部がセンサーSに接触するようになっている。このセンサーバー49は、衝撃吸収用のシリンダ52と協働して、前方から転動してくるベールV’が回転テーブル36に載せられる際に、その衝撃を吸収する作用も有している。また、ラップ梱包装置Bの全体は、ロードセルを用いた計重計53(図1、図7及び図9参照)に載せられていて、回転テーブル36にベールV’が載せられる毎に、その重量を測定可能にしている。なお、前記計重計53を構成するロードセルに荷重が作用したことを検出して、回転テーブル36にベールV’が載せられたことを検出することも可能である。
【0023】
また、図1ないし図3に示されるように、ベール減容成形装置Aの後部の直下には、ベールV’の減容成形時、及びその放出時において、こぼれ落ちる廃棄物片を機台2の側方に排出させるための排出コンベア54が横方向Qに沿ってほぼ水平に設けられている。排出コンベア54の幅方向の両側には、落下する廃棄物片を該コンベア54に集めるためのシュート55,56がそれぞれ傾斜して設けられている。ベールV’の減容成形時においては、成形途中の廃棄物片がベール成形体Dを構成する成形バー18の間から落下することがあり、ベールV’の放出時においては、その外周部の廃棄物片が転動中において落下することがある。
【0024】
また、装置全体の駆動系の概略は、以下のようである。ベール減容成形装置Aのベール成形体Dは、チェーン歯車16fに第1電動モータ(図示せず)からの駆動力が供給されて、周回走行する。送込みコンベア6は、別の第2電動モータ(図示せず)によって駆動される。この第1及び第2の各電動モータは、機台2の前部に設けられたステップ57における作業者が乗るのに支障とならない位置である平面中央部(長手方向中央部)近辺にそれぞれ載せられている。ベール成形体Dは、作業中において連続駆動されているが、送込みコンベア6は、ベールV’の成形中においてのみ作動し、該ベールV’の成形を終えた直後に停止するようになっている。一方、ラップ梱包装置Bの回転テーブル36は、油圧モータ30によって駆動され、該装置Bを構成するダンプシリンダ32及びベルト駆動軸37、並びにベール減容成形装置Aを構成する開閉シリンダ12は、いずれも油圧により駆動される。なお、前記ステップ57は、トワイン束24の交換等の装置の保守・点検時において、作業者が乗るのに使用される。
【0025】
次に、上記した廃棄物減容梱包装置の作用について説明する。図1、図2及び図5において、ホッパー4の投入口4aに投入された廃棄物Wは、そのまま下端の排出口4bの部分に達して、送込みコンベア6に載せられて、後方のベール減容成形装置Aの側に向けて搬送される。図5に示されるように、該送込みコンベア6により後方に搬送された廃棄物Wは、送込み口22から減容圧縮室21の内部に送り込まれて、該減容圧縮室21を構成する多数本の成形バー18の走行によって周方向に連れ回りさせられながら、その体積が徐々に増大され、減容圧縮室21に廃棄物Wが充満されて、該廃棄物Wは、その半径方向及び軸方向の双方に沿って圧縮されることにより、ロール状に減容成形されたベールV’となる。そして、送込みコンベア6のみが停止して、トワイン繰出装置23によってトワイン束24からトワイン25が繰り出され、成形後のベールV’の回転中において、その外周にトワイン25が螺旋状となって巻き掛けられて、ベールV’の全体が結束される。その後に、開閉シリンダ12によって、図1で2点鎖線で示されるように、後部チャンバー13が開かれることにより、成形されたベールV’は、減容圧縮室21から後方に向けて転動して放出される。
【0026】
ベール減容成形装置Aの後方には、所定の段差Hを有してラップ梱包装置Bが配設されているので、ベール減容成形装置Aから後方に向けて放出されたベールV’は、前記段差Hによって、そのまま後方に転動して、ラップ梱包装置Bの回転テーブル36の上に載せられる。なお、ラップ梱包装置Bの回転テーブル36は、その支持案内ローラ41が横方向Qに沿うように配置されているために、転動中のベールV’は、図1で2点鎖線で示されるように、機台2の後端部と支持案内ローラ41との間で瞬間的に支持された状態を経て、回転テーブル36に載せられる。
【0027】
また、図10ないし図12に示されるように、ラップ梱包装置Bの回転テーブル36にベールV’が載せられることにより、センサーバー49は、その先端部が上方に持ち上げられるように回動する。これにより、センサーバー49の後端部のセンサーSが衝撃吸収用シリンダ52のロッド52aの先端部に接触して、回転テーブル36にベールV’が載せられたことが検出される。この検出信号により、ベール減容成形装置Aの開閉シリンダ12が作動して、後部チャンバー13が閉じられると共に、第2電動モータが起動して、送込みコンベア6が走行し、ベール減容成形装置Aによる次のベールV’の成形が開始される。なお、センサーバー49は、転動して回転テーブル36に載せられるベールV’の衝撃を吸収する作用も有していることは、上述の通りである。そして、センサーSによってベールV’が検出された後には、図12に示されるように、シリンダ52の作用によって、センサーバー49は、ベールV’の外周面から斜後上方に退避させられて、ベールV’のラップ梱包が可能となる。
【0028】
上記のようにして、回転テーブル36の一対の支持ベルト39にベールV’が支持された状態において、ベルト駆動軸37の駆動回転により、一対の支持ベルト39を走行させて、ベールV’を低速で自転させながら、回転テーブル36を所定方向に回転させると、フィルムロール45から梱包フィルムFが引き出されて、ベールV’の全面に梱包フィルムFが数層に巻回される。この梱包フィルムFは、ベールV’の外周面では、その軸方向に巻回されると共に、ベールV’の両端面では、その半径方向に巻回される。
【0029】
次に、図7、図8及び図13に示されるように、回転テーブル36のベルト駆動軸37及びベルト被動軸38が前後方向Pに沿うように、ベースフレーム31に対して回転テーブル36をほぼ90°回転させ、この位置において、ベースフレーム31に対して回転テーブル36を固定する。この状態において、ダンプシリンダ32によって、ダンプフレーム34をダンプ支点軸33を中心にして垂直面内において側方に回動させると、図7に示されるように、回転テーブル36に載せられている梱包ベールVは、そのまま側方に転動して、ラップ梱包装置Bから排出される。この梱包ベールVの排出時において、フィルムロール45の回転が阻止された状態となっているフィルム引出装置46と、回転テーブル36に装着されたタイアンドカット装置47との間隔が広くなると共に、タイアンドカット装置47と梱包ベールVとの間隔を広くなって、これらの間に掛けられている梱包フィルムFは、前記タイアンドカット装置47の部分で、梱包ベールV側がカットされて、梱包フィルムFの端部は、前記タイアンドカット装置47で掴まれたままとなっている。そして、次のラップ梱包の際に、回転テーブル36が数回転すると、前記タイアンドカット装置47で掴まれていた梱包フィルムFの端部は開放されて、そのまま梱包中のフィルムF内に巻き込まれる。
【0030】
そして、梱包ベールVの排出後においては、ダンプシリンダ32の作用によって、回転テーブル36が梱包位置に戻されると共に、回転テーブル36のベルト駆動軸37及びベルト被動軸38が横方向Qに沿うように、ベースフレーム31に対して回転テーブル36が上記と逆方向にほぼ90°回転されて、ラップ梱包装置Bは、次のベールV’のラップ梱包の準備態勢を整える。ベール減容成形装置A及びラップ梱包装置Bの双方において、上記した各作用が反復されて、ばら状態の廃棄物Wは、減容されてロール状のベールV’に成形された後に、その全外周面が梱包フィルムFによって密封状態となってラップ梱包される。
【0031】
また、上記実施形態は、廃棄物処分場において、装置全体を設置して使用する設置型のものであるが、図16に示されるように、牽引桿61を備えた台車62の荷台63に装置全体を積載させて使用する被牽引型にすることもできる。被牽引型の場合には、廃棄物処分場において、廃棄物の減容梱包処理が必要な場所に装置全体を移動させて使用することが可能となって、処理すべき大量の廃棄物を処理装置の部分まで搬送する必要がなくなる。また、図17に示されるように、トラックTの荷台64に装置全体を積載して使用することも可能であって、この場合には、装置全体を廃棄物処分場に搬入・搬出させることまでもが容易となる利点がある。
【0032】
【発明の効果】
本発明に係る廃棄物減容梱包装置は、ベール減容成形装置の後方にラップ梱包装置を、直列にして、しかも該ラップ梱包装置の方が低くなるように両装置の間に所定の段差を設けて配設してあるので、ベール減容成形装置で成形されたベールをそのまま後方に放出させて、ラップ梱包装置に載せて梱包し、その後に、梱包ラップを側方に排出することができる。このため、廃棄物の減容梱包装置全体をそれ程大きくすることなく、しかもベールのハンドリング装置を一切不要にして、ベールを減容成形する作業と、該ベールをラップ梱包する作業とを一連の工程で連続して行える。
また、ラップ梱包装置に、ベール減容成形装置から放出されたベールが転動して、その回転テーブルに載せられたことを検出するベール検出センサーが設けられているので、該センサーによるベールの検出により、ベール減容成形装置の駆動制御回路をリセットさせられて、直ちに、次のベールの成形を行える。この結果、ベールの成形作業を連続して行えて、廃棄物の減容梱包作業の能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る廃棄物減容梱包装置の全体側面図である。
【図2】 図1のベール減容成形装置Aの部分の拡大図である。
【図3】 本発明に係る廃棄物減容梱包装置の全体平面図である。
【図4】 ベール減容成形装置Aの模式的部分斜視図である。
【図5】 減容圧縮室21に廃棄物Wが送り込まれる状態を示す作用説明図である。
【図6】 ラップ梱包装置Bの斜視図である。
【図7】 図1においてベルト駆動軸37が横方向Qに沿ったラップ梱包装置Bを矢印Xの方向から見た図である。
【図8】 梱包されたベールVが側方に放出される状態を示す図である。
【図9】 ラップ梱包装置Bの概略平面図である。
【図10】 ロール状のベールV’が載せられる直前の状態を示すラップ梱包装置Bの側面図である。
【図11】 ロール状のベールV’が載せられた状態を示すラップ梱包装置Bの側面図である。
【図12】 ロール状のベールV’が載せられて、センサーバー49が斜後上方に退避した状態を示すラップ梱包装置Bの側面図である。
【図13】 梱包ベールVの側方への排出時における廃棄物減容梱包装置の全体平面図である。
【図14】 ロール状に減容成形されたベールV’の斜視図である。
【図15】 ベールV’の全外周面が梱包された梱包ベールVの斜視図である。
【図16】 本発明に係る廃棄物減容梱包装置を牽引桿61を備えた台車62の荷台63に積載させて使用する状態を示す側面図である。
【図17】 本発明に係る廃棄物減容梱包装置をトラックTの荷台64に積載させて使用する状態を示す側面図である。
【符号の説明】
A:ベール減容成形装置
B:ラップ梱包装置
D:ベール成形体
F:梱包フィルム
H:段差
S:ベール検出センサー
V:梱包ベール
V’:ベール
W:廃棄物
4:ホッパー
4b:ホッパーの排出口
6:送込みコンベア
21:減容圧縮室
22:減容圧縮室の送込み口
35:回転テーブルの垂直回転軸
36:回転テーブル
49:センサーバー
49a:センサーバーの長孔
51:センサーバー支柱
52:衝撃吸収用シンリダ
52a:衝撃吸収用シンリダのロッド
53:計重計(ロードセル)
54:排出コンベア
61:牽引桿
62:台車
Claims (5)
- 廃棄物を半径方向及び軸方向の双方から圧縮・減容してロール状のベールに成形するベール減容成形装置と、前記ベールの全面を梱包フィルムで密封梱包するラップ梱包装置とを備え、
前記ラップ梱包装置は前記ベール減容成形装置の後方に、直列にして、しかも当該ラップ梱包装置の方が低くなるように所定の段差を設けて配設され、
前記ベール減容成形装置の後方から放出された前記ベールを、その転動により前記ラップ梱包装置にそのまま載せて、ベール成形作業と、ラップ梱包作業とを一連の工程で連続して行う構成であり、
しかも前記ラップ梱包装置には、ベール減容成形装置から放出されたベールが転動して、回転テーブルに載せられたことを検出するベール検出センサーが設けられ、該センサーによるベールの検出により、ベール減容成形装置の駆動制御回路をリセットするように構成した廃棄物減容梱包装置であって、
前記ラップ梱包装置は、前記ベールを、その軸心をほぼ水平にして回転テーブルに支持して、該ベールを低速自転させながら、前記回転テーブルを垂直軸を中心にして連続回転させて、前記ベールの全面を梱包フィルムで巻回して密封梱包する構成であり、
前記ラップ梱包装置を構成するベースフレームの後方に延出して設けられた後方延出部材の後端部には、センサーバー支柱が立設され、当該センサーバー支柱の上端部に、センサーバーの長手方向の略中央部が回動可能に支持され、前記センサーバーの後端部には、当該センサーバーの配置状態で長手方向と直交する略上下方向に沿って長孔が形成されていると共に、当該長孔の上端部に臨んでベール検出センサーが取付けられ、
前記センサーバーの後端部と前記後方延出部材の後端部とは、衝撃吸収用シリンダを介して連結されて、当該衝撃吸収用シリンダのロッドの先端部は、前記長孔の形成方向に移動可能なように、当該長孔に係合状態で連結され、
前記ラップ梱包装置の回転テーブルにベールが載せられて、前記センサーバーは、その先端部が上方に持ち上げられるように回動することにより、前記ベール検出センサーが前記衝撃吸収用シリンダのロッドの先端と接触して、前記回転テーブルにベールが載せられたことが検出されると共に、転動して前記回転テーブルに載せられるベールの衝撃は前記衝撃吸収用シリンダにより吸収される構成であることを特徴とする廃棄物減容梱包装置。 - ベール減容成形装置の前方に、廃棄物を落下投入させるホッパーが配設され、該ホッパーの排出口と、前記ベール減容成形装置の減容圧縮室の送込み口との間に、該減容圧縮室に廃棄物を送り込むための送込みコンベアが前後方向に沿って配設されていることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物減容梱包装置。
- ベール減容成形装置の後部には、ベールの減容成形時、及びその放出時において、こぼれ落ちる廃棄物片を側方に搬出させるための搬出コンベアが前後方向と直交する方向に配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の廃棄物減容梱包装置。
- ラップ梱包装置には、これに載せられたベールの重量を測定するロードセルが設けられていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の廃棄物減容梱包装置。
- ベール減容成形装置とラップ梱包装置とは、牽引桿を備えた台車に載せられて、動力車により牽引される構成にしたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の廃棄物減容梱包装置。
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