JP4425212B2 - 小径縞鋼板製鋼管 - Google Patents
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Description
なお、鋼管杭や鋼管矢板の本体に縞鋼板の鋼管を用いたもの(特許文献1、2)では、地盤に対する摩擦を増大させる作用を利用している。
また、コンクリート杭を繋ぐ継手用鋼管として用いたもの(特許文献3参照)では、縞鋼板の凹凸面を鋼管の内面にしており、鋼管内に充填したコンクリートとの結合力が確保されることを利用している。
また、鋼管杭や鋼管矢板に用いる大径管の場合と異なり、小径の鋼管は、仮設テントの骨組みに用いたり、組立棚を構成する支柱に用いたりするなど、管どうしあるいは他の部材と結合させて構築する構築物における枠材として用いる場合も多いが、そのような場合に、管どうしの結合部や管と他の部材との結合部に滑りが生じて構築物が安定しない場合もある。
また、仮設足場に限らず、駅舎の階段等に設置した手摺やその他手で掴むことのあるものに用いる場合に、手が滑り易いことが不都合な場合も多い。
請求項2は、請求項1の小径縞鋼板製鋼管が、パイプを枠材として構築される枠組構築物における枠材として用いられたことを特徴とする。
請求項3は、請求項1の小径縞鋼板製鋼管が、パイプを枠材として構築される仮設用の足場における枠材として用いられたことを特徴とする。
請求項4は、請求項3における小径縞鋼板製鋼管が、仮設用の足場における支柱として用いられたことを特徴とする。
請求項5は、請求項3における小径縞鋼板製鋼管が、仮設用の足場における手摺として用いられたことを特徴とする。
請求項6は、請求項1の小径縞鋼板製鋼管が、建設物に設置した階段に沿って設けた手摺として用いられたことを特徴とする。
請求項7は、請求項1の小径縞鋼板製鋼管が、梯子の横桟として用いられたことを特徴とする。
請求項8は、請求項1の小径縞鋼板製鋼管が、パイプ支柱と水平材とを結合部材で結合し棚板を取り付けて組み立てる組立棚におけるパイプ支柱として用いられたことを特徴とする。
請求項9は、請求項1の小径縞鋼板製鋼管が、地面や路面などに設置される標識板取付用などのポストとして用いられたことを特徴とする。
請求項10は、請求項1〜9のいずれか1項に記載の小径縞鋼板製鋼管の断面形状が丸形又は角形であることを特徴とする。
また、本発明の小径縞鋼板製鋼管どうしあるいは小径縞鋼板製鋼管と他の部材とを結合する必要がある場合には、表面の多数の突起部により、結合部の相互の滑りを防止することができ、安定した結合状態が維持されたる。
なお、通常の表面が平坦な鋼管に対して、滑り防止対策として表面に凹凸を設けるとすれば、繁雑でありきわめて工数がかかりコストが極めて高いものとなるが、本発明では素材として縞鋼板を用いて電縫鋼管製造設備で製造することができるので、容易であり殆ど工数が増すこともなく、コストが高くなることもない。
表面に、互いに直交する向きの二種の短い突条態様の突起部を多数、規則的分布状態で形成した縞鋼板を素材として電縫管製造設備により製造されたものである。表面に多数形成した突起部を符号2で示す。
縞鋼板とは、上記の通り、溝を刻んだ圧延ロールを通す熱間圧延により表面に、互いに直交する向きの二種の短い突条態様の突起部を多数、規則的分布状態で形成した縞鋼板であり、その突起部配列の模様としては、図18に示した縞鋼板3Aのように斜めの短い突条(突起部)2が互いに直交する向きで規則的に配列された不連続の格子模様をなすものが一般的であり、図1の縞鋼板製鋼管1はこの縞鋼板3Aを用いたものである。
電縫管製造設備は、冷間ロール成形法による電縫管成形機で帯板を円形に湾曲成形した後、突き合わされた素材エッジを通電加熱しスクイズロールで加圧して圧接する設備であり、一般的な電縫管製造設備を用いることができる。なお、成形ロールとしては、特に縞鋼板専用のロールを用いる必要はなく、通常の丸鋼管成形用のロールを用いることができる。
例えば、図2において、階段(昇降桟橋)15に沿って設けた手摺16や、足場板14に沿って設けた枠形の手摺17として上記の縞鋼板製鋼管1を用いることができる。また、図3において、通路端(枠組足場10の側端)に設ける水平な保護枠18として上記の縞鋼板製鋼管1を用いることができる。
また、建枠11の支柱部分(建地部分)11aも手で掴むことがあるので、この支柱部分11aを縞鋼板製鋼管1とすることも有効である。
仮に、出来上がった単なる丸鋼管の表面に滑り防止対策として多数の突起部を形成するとすれば、極めて繁雑で工数がかかりコストが極めて高いものとなるが、本発明では素材として縞鋼板を用いて電縫鋼管製造設備で製造するので、表面に多数の突起部を持つ鋼管を製造することが容易であり殆ど工数が増すこともなく、コストが高くなることもない。
また、溝を刻んだロールを通す圧延により突起部を形成する方法によれば、シャープな角を持つ突起ではなく角に比較的丸みのある突起部を形成することができるので、手で掴むパイプの表面に設ける突起として、適切な突起が得られる。
さらに、ロール成形機の成形ロールとして通常の丸管用成形ロールを用いるので、縞鋼板を円形に湾曲成形する際、縞鋼板の突起部は、ロール面で押し込まれて、鋼管の平滑面に対する高さ(突起部の背の高さ)が僅かではあるが低くなる。このように突起部が若干押し込まれる形となり僅かに背が低くなるので、手で掴まれる管表面として適度の摩擦を与える凹凸面が形成される。また、ロール成形に際して縞鋼板の突起部の角がロールの圧力を受けて若干潰れることにもなるので、この点でも突起部の角が比較的丸みのある角部となり、手で掴むパイプの表面に設ける突起として、一層適切な突起が得られることになる。
梯子20の登り降りに際して、縞鋼板製鋼管1からなる横木20aは、上述と同様に滑り防止に有効である。
なお、梯子20の柱材20b部分を手で掴むこともあるので、柱材20bに縞鋼板製鋼管1を用いてもよい。
この場合、例えば手で掴むことも多い支柱部分(建地)に用いた場合、上述と同様に滑り防止に有効であるが、さらに、例えば単管どうしをクランプを介して連結する場合に、クランプは、単管(縞鋼板製鋼管1)の表面の突起部2があることで、単管1を滑らないように堅固に把持することが容易である。
この場合も、表面に多数の突起部を持つ縞鋼板製鋼管1(手摺31)が滑り防止を有効に果たすことができる。
適用可能な手摺としては、建築物の手摺に限らず、土木構造物を含めて種々の建設物に設置される手摺を含む。また、必ずしも階段に沿って設置される手摺に限らず、種々の手摺に適用できる。例えば公園や広場等で平坦地に設置されるフェンス的な手摺等も含む。
また、貨物自動車や鉄道貨車等で手摺ないし囲いを設ける場合に、それらの手摺や囲いに縞鋼板製鋼管1を用いることもできる。さらに、手押しタイプの台車における取っ手部分に用いることもできる。
また、手摺の形状としては特に限定されず、種々の形態が可能である。
結合部材42は、図7に示すように、縞鋼板製鋼管1であるパイプ支柱44を嵌入させる円筒状をなしており、結合部材42にあけたネジ穴42aに螺合させた固定用ボルト45をねじ込み締め付けると、棚板43がパイプ支柱44に水平に固定される。この場合、パイプ支柱44(縞鋼板製鋼管1)の表面の突起部2が固定用ボルト45に対する滑り止めとなり、係合部材42がパイプ支柱44に堅固に係合し、棚板43がずり落ちる恐れはない。
このように、パイプ支柱44に縞鋼板製鋼管1を用いるという単純構造で、堅固な結合機構を簡単かつ安価に実現できる。
なお、図示の係合部材42は単なる一例であり、種々の構造の係合部材を採用することができる。
また、棚板43を水平部材41や係合部材42と別部材としてもよい。
固定用ボルト55による固定機構は図7の固定機構と概ね同じである。上部支柱53(縞鋼板製鋼管1)の表面の突起部2が固定用ボルト55に対する滑り止めとなり、上部支柱53は、固定用ボルト55を介して下部支柱52に堅固に係合し、ずり落ちる恐れはない。
この固定用ボルト65による固定機構は図7の固定機構(あるいは図8の固定機構)と概ね同じである。小径管63(縞鋼板製鋼管1)の表面の突起部2が固定用ボルト65に対する滑り止めとなり、小径管63は、固定用ボルト55を介して下部支柱52に堅固に係合し、伸縮長が一定に維持される。
この伸縮ポール60は種々の用途に用いることができる。
作用は上記の図6〜図9の実施例と概ね同様である。
この場合、縞鋼板製鋼管1(支柱81)の表面の突起部2がコンクリート82に対する一体化の作用をするので、別途抜け止め部を設ける必要がない。
この場合、縞鋼板製鋼管1(支柱91)の表面の突起部2が締め付けバンド93に対して摩擦を大きくする作用をし、締め付けバンド93が支柱91に堅固に結合し標識板92がずり落ちる恐れはない。但し、締め付けバンド93は、上下に隣接する突起部2間に入る程度に幅の狭いものを用いるのがよい。
この場合、縞鋼板製鋼管1(サポート杭101及び横木102)の表面に突起部2があるので、相互の接触摩擦は大きく、サポート杭101に紐で縛り付けた横木102が抜ける恐れは少ない。
なお、樹木のサポートの態様としては、例えば、樹木を囲む4本のサポート杭を立てたり、3本のサポート杭を上部で交差するように斜めに立てる等、種々の態様があるが、それらの種々の場合に適用できる。
参考例として示した図14(ロ)の縞鋼板製鋼管1”の突起部2の配列パターンは、短い突条の突起部2の長さ方向が円周方向のみであるパターンである。この縞鋼板製鋼管1”は参考例として示した図20の配列パターンの突起部2を持つ縞鋼板3Cを用いたものである。
例えば、仮設用の足場の枠材に用いる場合であれば、外径が42.7mmφ、48、6mmφ等が一般的であり、50mmφ以下が好適である。
手摺などの手で掴む箇所に用いる場合も、通常は50mm程度以下のものが用いられが、特に21.7〜48.6mmφが好適である。
また、組立用棚の支柱等に用いる場合であれば、さらに細く例えば34.0mmφ以下が好適である。
現在市販されている縞鋼板の板厚は2.3mmが最薄厚である。これに対して、本発明の縞鋼板製鋼管は主として軽荷重の用途に用いるので、板厚tは2.3mm以下が好適である(但し外径にもよる)が、やや荷重の掛かる箇所に用いる場合には、板厚3.2mmも考えられる。仮設用の足場の枠材に用いる場合であれば、2.0〜2.5mm程度、特に2.3mmが好適である。また、手摺や組立棚等で外径42.7mmφ以下程度の場合には、板厚tは1.2〜2.0mm程度が好適である。また、特に小荷重の使用箇所であれば、板厚0.8〜1.2mm程度も考えられる。なお、さらに荷重の掛かる箇所に用いる場合には最大で板厚6.0mmも考えられる。
なお、参考例としては、完全に閉じた筒状断面でなく、開放の筒状断面形状も考えられ、その開放部を広くした場合には例えば図17に示すようなC型断面のいわゆる軽量形鋼となる。
2 突起部
3A、3B、3C 縞鋼板
5 小径縞鋼板製角形鋼管
10 枠組足場
11 建枠
11a 支柱部分
13 交差筋交い
14 足場板
15 階段(昇降桟橋)
16、17 手摺
18 保護枠
20 梯子
20a 横木
20b 柱材
30 階段
31 手摺
40 組立棚
41 水平材
42 係合部材
42a ネジ穴
43 棚板
44 パイプ支柱
45 固定用ボルト
50 コートハンガー
51 支柱
52 下部支柱
52a ネジ穴
53 上部支柱
55 固定用ボルト
60 伸縮ポール
62 大径管
62a ネジ穴
63 小径管
65 固定用ボルト
70 (高さ調節機能付き)椅子
71 脚部
72 大径管状の下部軸
72a ネジ穴
73 小径管状の上部軸
75 固定用ボルト
80 コンクリート台付き物干し台
81 支柱
82 コンクリート
90 道路標識
91 支柱
92 標識板
93 締め付けバンド
95 ボルト
100 樹木サポート
101 サポート杭
102 横木
Claims (10)
- 外径が85mm以下であって、不連続格子模様の溝を刻んだロールを通す熱間圧延により表面に不連続格子模様をなす多数の突条態様の突起部を形成した縞鋼板を素材として電縫管製造設備により製造されたことを特徴とする小径縞鋼板製鋼管。
- パイプを枠材として構築される枠組構築物における枠材として用いられたことを特徴とする請求項1記載の小径縞鋼板製鋼管。
- パイプを枠材として構築される仮設用の足場における枠材として用いられたことを特徴とする請求項1記載の小径縞鋼板製鋼管。
- 前記足場における支柱として用いられたことを特徴とする請求項3記載の小径縞鋼板製鋼管。
- 前記足場における手摺として用いられたことを特徴とする請求項3記載の小径縞鋼板製鋼管。
- 建設物に設置した階段に沿って設けた手摺として用いられたことを特徴とする請求項1記載の小径縞鋼板製鋼管。
- 梯子の横桟として用いられたことを特徴とする請求項1記載の小径縞鋼板製鋼管。
- パイプ支柱と水平材とを結合部材で結合し棚板を取り付けて組み立てる組立棚におけるパイプ支柱として用いられたことを特徴とする請求項1記載の小径縞鋼板製鋼管。
- 地面や路面などに設置される標識板取付用などのポストとして用いられたことを特徴とする請求項1記載の小径縞鋼板製鋼管。
- 断面形状が丸形又は角形であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の小径縞鋼板製鋼管
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