JP4424883B2 - 薄型ヒートパイプおよびその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明は薄型ヒートパイプおよびその製造方法に関し、特に作動液の受熱部における蒸発潜熱、放熱部における凝縮潜熱、温度差により生じる大きな蒸気圧力差に伴なう蒸気の高速移動を主たる熱輸送原理とする薄型ヒートパイプおよびその製造方法に関する。
近年、情報機器、移動体通信機器、放送機器などの電子機器のデジタル化、広帯域化、大容量に伴ない、電子回路のより高集積化、信号増幅器の低歪み要求に応えるために、大電力信号分部にも多数の半導体素子を集中して実装する要求が多くなっている。また、大電力が要求される移動体通信衛星、レーダーなどは、フェーズドアレーアンテナが利用されるが、このようなアンテナに実装される数多くの増幅器は、信号周波数により増幅器の実装間隔が制限されることから、密集して実装される。このような密集部から効率良く排熱が可能な、薄く、幅広で姿勢依存性が少なく、排熱長さが確保でき、かつ温度変動に対する反応速度の速い薄型ヒートパイプが期待されている。
背景技術
従来より、細管ヒートパイプが知られている。細管ヒートパイプは、作動液を沸点近傍、つまり作動液が液相、気相が混在したバブルの状態で、ループ状の管内を循環させ、バブルの生成、消滅による作動液の振動および受熱部、放熱部の温度差により生じる作動液の密度から作動液の循環を生じさせ、これにより熱交換を行う。このような細管ヒートパイプは、ウイックを持たないことから構造的に細管化が可能である。また、細管を蛇行させることにより平面化も原理的に可能である。
しかし、従来の細管ヒートパイプは、蒸気の相変換で熱を伝達する通常のヒートパイプより大きなエネルギーが必要であため、発熱の大きな熱源にしか適用できず、速度の速い温度変動には対応できないという問題点がある。また、作動液の循環も受熱部および放熱部にある程度の温度差(約10℃以上)がないと作動液の活性が低下し、熱伝達効率が悪くなる傾向がある。
また、作動液を循環させるウイックをパイプ内部に備えたヒートパイプも知られている。このようなウイックタイプのヒートパイプは、ヒートパイプの管内壁に、メッシュまたは焼結金属を配置し、あるいはグルーブスリットを形成している。このようなウイックをパイプ内に設けることにより、放熱部で凝縮した作動液を表面張力で、受熱部に循環させている。しかし、メッシュまたは焼結金属を配置したものは、それらを管内壁に保持する機構が必要になるため、構造的にヒートパイプの小型化、薄型化は困難である。
図12は従来のグルーブウイックタイプの薄型ヒートパイプの構成概念を示す図であって、(A)はその概観を示す部分破断平面図、(B)はx−x矢視断面図、(C)はy−y矢視断面図である。
このグルーブウイックタイプのヒートパイプ1は、中央に蒸気伝達管路部2を有し、パイプの内壁面には複数のスリットからなるグルーブウイック3が一体に形成された構造を有している。パイプの両端は封止され、その一端には、作動液を注入するための作動液注入口4が設けられている。このヒートパイプ1は、その長手方向の一端が受熱部を構成し、他端が放熱部を構成している。
この構造を有するヒートパイプ1は、一般に、大径のパイプの内側に押し出し加工が可能な大きさを持つ凹凸状のスリット構成部を押し出し加工で構成し、その後、そのパイプをスエージング加工などで細く伸ばすことで、相対的に幅の狭いスリットを構成し、さらに、パイプを偏平につぶすことで薄型化し、(B)に示すような断面を有するようにしている。
なお、スリット構成部は、パイプの内壁面に均等配置されるのではなく、パイプを偏平に加工することを考慮して、幅方向の両端に位置する内壁部分には形成しないようにしている。
幅の狭いスリットが形成されたウイック3は、ヒートパイプ1に封入した作動液との表面張力を大きくする作用をし、その表面張力により放熱部で凝縮した作動液を受熱部に循環させることになる。
この構成のヒートパイプ1によれば、ウイック3がパイプの厚み方向内壁面に対向配置されていることから、蒸気伝達管路部2を確保する必要性と押し出し加工の寸法的な制約とにより、ヒートパイプ1の高さは2〜3ミリメートル、幅は6〜7ミリメートルが限界である。
また、より幅の広いヒートパイプを必要とする場合、所望の幅のヒートパイプを単一のパイプで作ることはできないので、複数のパイプを並べてパネル状にすることになる。
図13は従来の幅広の薄型ヒートパイプの構成例を示す断面図である。この構成例によれば、3つの薄型ヒートパイプ5a,5b,5cを横に並べ、これらの上下を板6a,6bで保持して一体化することにより、幅広化したヒートパイプを実現している。各薄型ヒートパイプ5a,5b,5cは、図12の薄型化したヒートパイプ1で構成することができる。各薄型ヒートパイプ5a,5b,5cには、それぞれ作動液注入口7a,7b,7cを介して作動液が注入される。
しかしながら、このような従来のグルーブウイックタイプのヒートパイプは、パイプの受熱部から放熱部にわたりスリットの開放面が蒸気伝達管路部に面しているために、受熱、放熱部以外の部分で作動液の凝縮、蒸発が起こり、受熱部から放熱部への熱伝達効率が悪くなるという問題点がある。また、その作動液を循環させるウイックが片側が蒸気伝達管路部に開放しているため、表面張力による循環路の性能が十分に得られない。そのため、ヒートパイプの受放熱部の重力位置、姿勢依存性が大きく、特に、受熱部の重力位置が放熱部より高くなると、熱伝達能力が低下する影響が大きい。
さらに、複数の薄型ヒートパイプを並置して構成した幅広のヒートパイプでは、各薄型ヒートパイプにそれぞれ作動液を注入し、注入後は作動液注入口を封止するが、薄型ヒートパイプ自体を小型化することにより作動液注入口の間隔も狭くなるため、作動液注入および封止の作業性が悪くなるという問題点がある。
発明の開示
本発明はこのような問題点および情報機器、移動体通信機器、放送機器などの電子機器などにおける技術的要求に鑑みてなされたものであり、作動液の循環能力を向上させたウイック部を有すること、ヒートパイプ受放熱部の重力位置、姿勢依存性が少ないこと、連結した複数のヒートパイプ構造であっても、1ヶ所の作動液注入口で所望の作動液注入、封止が可能なことなどを目的とした作動液の潜熱を利用する薄型で幅広のヒートパイプを提供することを目的とする。
図1は上記目的を達成する本発明の原理図である。本発明による薄型ヒートパイプ10は、受熱部11、断熱部12および放熱部13によって構成される。なお、受熱部11および放熱部13は、それぞれ内部構成が同じであるため、機能的な差はない。それぞれ別の構成とすることはさまたげない。
受熱部11は、中に作動液蒸発部14を有している。その作動液蒸発部14は、その短手方向の対向する内壁面に開放型スリット15を構成している。開放型スリット15は、所定の深さおよび微小な幅を有し長手方向に延びる複数の溝穴であるスリットから構成されている。この作動液蒸発部14は、また、断熱部12の中央部を長手方向に延びる蒸気伝達管路部16に連通するよう接続され、さらに、この蒸気伝達管路部16を挟んで両側に配置された複数の作動液伝達管路部17に連通するよう接続穴18を介して接続されている。この接続穴18は、開放型スリット15における各スリットの断熱部側底部近傍に図面の面に対して垂直な方向、すなわち薄型ヒートパイプ10の高さ方向に延びており、開放型スリット15の各スリットおよび各作動液伝達管路部17に開口している。
放熱部13は、受熱部11と同様の内部構成を有している。すなわち、放熱部13の中に、蒸気伝達管路部16と連通する蒸気凝縮部19を有し、蒸気伝達管路部16に接する内壁面に開放型スリット20が形成されている。そして、開放型スリット20の各スリットが接続穴18を介して各作動液伝達管路部17に連通されている。
また、図示の例では、薄型ヒートパイプ10の受熱部11の端面に作動液注入口21が設けられている。
上記構成において、断熱部12における作動液伝達管路部17は、密閉された毛細管の構造を有し、放熱部13の蒸気凝縮部19にて凝縮された作動液を受熱部11の作動液蒸発部14へ循環させるウイックを構成している。このウイックは、蒸気伝達管路部16から隔離されているため、従来に比べて循環途中で蒸気と接触する可能性は十分に低滅され、作動液の循環能力を大幅に向上させている。このため、薄型ヒートパイプ10は、受熱部11および放熱部13の重力位置および設置姿勢に影響されることが少ない。しかも、このような薄型ヒートパイプ10を複数横に連結してさらに幅広化した構造とした場合に、隣接する作動液蒸発部14および蒸気凝縮部19から接続穴を介して連通する作動液伝達管路部17を1つの作動液伝達管路部17で共用する構造とすることで、隣接する薄型ヒートパイプ10同士を連通することができる。これにより、作動液注入口は1ヶ所に設置すればよく、作動液注入および封止作業が容易になる。
本発明の上記および他の目的、特徴および利点は本発明の例として好ましい実施の形態を表す添付の図面と関連した以下の説明により明らかになるであろう。
発明を実施するための最良の形態
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明による薄型ヒートパイプの第1の実施の形態を示す部分破断平面図、図2は図1のa−a矢視断面図、図3は図1のb−b矢視断面図、図4は図1のc−c矢視断面図である。これらの図は、単体の薄型ヒートパイプ10の概念的な構成を示したものであり、説明のために、特にその厚さ方向の寸法は、誇張して示してある。この薄型ヒートパイプ10は、受熱部11、断熱部12および放熱部13によって構成される。なお、受熱部11および放熱部13は、それぞれ内部構成が同じであるため、機能的な差はなく、いずれを受熱部にしても放熱部にしてもよい。
受熱部11は、中に作動液蒸発部14を有している。その作動液蒸発部14は、図2、図3および図4の断面図から明らかなように、内壁面に開放型スリット15が設けられている。開放型スリット15は、所定の深さおよび微小な幅を有し長手方向に延びる複数の溝穴であるスリットから構成されている。この作動液蒸発部14は、また、断熱部12の中央部を長手方向に延びる蒸気伝達管路部16に連通され、さらに、その蒸気伝達管路部16を挟んで両側に配置された複数の作動液伝達管路部17に接続穴18を介して連通されている。この接続穴18は、開放型スリット15における各スリットの断熱部側底部近傍に図面の面に対して垂直な方向、すなわち薄型ヒートパイプ10の高さ方向に延びており、開放型スリット15の各スリットおよび各作動液伝達管路部17に開口している。
放熱部13は、受熱部11と同様の内部構成を有している。すなわち、放熱部13の中に、蒸気伝達管路部16と連通する蒸気凝縮部19を有し、蒸気伝達管路部16に接する内壁面に開放型スリット20が形成されている。そして、開放型スリット20の各スリットが接続穴18を介して各作動液伝達管路部17に連通されている。
また、図示の例では、薄型ヒートパイプ10の受熱部11の端面に作動液注入口21が設けられている。この作動液注入口21は、必要量の作動液を注入した後、封止される。注入される作動液としては、水、アンモニア、フロンなどが用いられる。
上記構成において、断熱部12における作動液伝達管路部17は、密閉された毛細管の構造を有し、放熱部13の蒸気凝縮部19にて凝縮された作動液を受熱部11の作動液蒸発部14へ循環させるウイック(毛細管)を構成している。作動液伝達管路部17が蒸気伝達管路部16から隔離されていることにより、断熱部12での作動液の蒸発が防止され、作動液の循環能力が大幅に向上されている。
ここで、受熱部11に電子機器などから発生した熱を受けると、作動液蒸発部14の開放型スリット15に供給された作動液は蒸発する。一方、放熱部13では、蒸気が冷却されることにより、蒸気凝縮部19の開放型スリットに蒸気が吸着し凝縮する。作動液の受熱部11における蒸発潜熱、放熱部13における凝縮潜熱、作動液蒸発部14と蒸気凝縮部19との温度差により生じる大きな蒸気圧力差が作動液蒸発部14で発生した蒸気を蒸気伝達管路部16を介して蒸気凝縮部19へ高速移動させる。また、凝縮された作動液は、複数の作動液伝達管路部17を通じてその毛細管表面張力により蒸気凝縮部19から作動液蒸発部14へ移動され、開放型スリット15に供給される。このように毛細管現象により作動液が循環し、受熱部11から放熱部13へ熱が伝達される。
また、受熱部11と放熱部13との間の断熱部12では、作動液伝達管路部17による作動液の循環能力が向上したことにより、この薄型ヒートパイプ10は、受熱部11および放熱部13の重力位置および設置姿勢に影響されることが少ない。
次に、このような薄型ヒートパイプ10の作り方について説明する。
図5は単体の薄型ヒートパイプの構成部材の分解斜視図、図6は薄型ヒートパイプの構成部材の積層状態を示す斜視図である。薄型ヒートパイプ10は、複数の加工パターンを有する構成板部材を複数枚組み合わせて積層状態にすることにより構成される。なお、積層状態とは、複数部材の貼り合わせにより形成されるものの状態を示す。
第1の構成板部材31は、何も穴加工されていない板で、最も上および最も下に配置され、蓋として使用される。第2の構成板部材32は、長手方向中央に蒸気伝達管路構成穴32aがあけられ、その両端側に開放型スリット構成穴32b,32cがあけられた加工パターンを有している。第3の構成板部材33は、長手方向中央に蒸気伝達管路構成穴33aがあけられ、蒸気伝達管路構成穴33aの両側に平行に作動液伝達管路構成穴33b,33cがあけられた加工パターンを有している。第2の構成板部材32の開放型スリット構成穴32b,32cと第3の構成板部材33の作動液伝達管路構成穴33b,33cとは、積層したときに一部が重なり合うように形成され、開放型スリットと作動液伝達管路部との間を結ぶ接続穴を構成するようにしている。
この第2の構成板部材32および第3の構成板部材33を交互に複数積層し、上下を第1の構成板部材31で蓋をすることにより、図6に示したように、1つの積層体が構成される。なお、作動液を注入するための作動液注入穴が必要であり、これは第2の構成板部材32および第3の構成板部材33のいずれかに設けられる。図示の例では、たとえば第2の構成板部材32の加工パターンを有する構成板部材34に作動液注入穴34aが設けられている。
このようにして積層された構成板部材は、相互に接合することによって薄型ヒートパイプを構成する。この構成板部材の材料を適宜選択することにより、圧接による拡散接合またはろう付けによる接合が行われる。この接合により作られた薄型ヒートパイプは、さらに、圧延することにより、より薄型化することができる。
なお、ろう材を使って接合するときには、どうしてもろう材がスリットに漏れ込んでスリットを埋めてしまうことがあるが、圧延によりさらなる薄型化を図る製造方法では、接合前の構成板部材は、表面張力性能を高める所望の構成板部材の厚さより厚い板の適用が可能である。このため、ろう材の漏れ込みによるスリットの潰れが起きないような十分な厚さを有する構成板部材を選択することができる。たとえば、構成板部材をアルミ合金で構成すれば、これらをろう付けにより接合した後、圧延することによって、薄型化、軽量化を図ることができる。また、本実施の形態で例示した垂直方向の積層方向に限らず、水平方向その他の貼り合わせにより、ヒートパイプを作ることができる。
次に、以上のような単体の薄型ヒートパイプ機能を複数組み合わせて一体化することによりさらに幅広化した薄型幅広ヒートパイプについて説明する。
図7は本発明による薄型幅広ヒートパイプの第2の実施の形態を示す部分破断平面図、図8は図7のd−d矢視断面図、図9は図7のe−e矢視断面図である。図7〜図9に示した薄型幅広ヒートパイプ40は、単体の薄型幅広ヒートパイプを3つ組み合わせて構成したものである。
この薄型幅広ヒートパイプ40のウイック構造に関し、その放熱部および受熱部では、蒸気伝達管路部41に面した側が開放スリット42となっており、断熱部では、作動液伝達管路部43が蒸気伝達管路部41と隔離された密閉型ウイック構造となっていて、受熱部および放熱部の開放スリット42と断熱部の密閉された作動液伝達管路部43とが、それらの重ね合わせる部分に接続口44が設けられている構造は同じである。
ただし、単体の薄型ヒートパイプを単に並列に並べて一体構造とするのではなく、隣接する作動液伝達管路部43aは1つにして共用化することにしている。これにより、並置された複数の蒸気伝達管路部41がその共用化された作動液伝達管路部43aを介して連通することになる。したがって、作動液を注入する作動液注入口は、各蒸気伝達管路部41にそれぞれ設ける必要がなく、1ヶ所にあればよい。図示の例では、中央に配置された蒸気伝達管路部41の1ヶ所にのみ、作動液注入口45が設けられている。これにより、作動液注入および封止作業が容易になる。
図10は薄型幅広ヒートパイプの構成部材を示す図である。薄型幅広ヒートパイプ40も、第1の実施の形態の場合と同様、穴加工された複数の構成板部材を積層して接合することにより構成される。構成板部材は、4種類用意される。
図示しない第1の構成板部材は、上下の蓋として使用される、穴加工されていない板である。第2の構成板部材51は、長手方向に3条の蒸気伝達管路構成穴51aがあけられ、各蒸気伝達管路構成穴51aの両端側に開放型スリット構成穴51b,51cがあけられた加工パターンを有している。第3の構成板部材52は、長手方向に3条の蒸気伝達管路構成穴52aと4条の作動液伝達管路構成穴52bとがあけられた加工パターンを有している。第4の構成板部材53は、第2の構成板部材51の加工パターンに加え、作動液注入口構成穴53aを有している。
薄型幅広ヒートパイプ40は、作動液注入口構成穴53aを有する第4の構成板部材53を中心にして、その両面側に第3の構成板部材52と第2の構成板部材51とを交互に配置し、最後に蓋となる第1の構成板部材を両端に配置して接合することにより、構成される。
以上のようにして構成された薄型幅広ヒートパイプ40は、圧延することにより、さらに、薄型化を図ることができる。
図11は本発明による薄型ヒートパイプの第3の実施の形態を示す分解斜視図である。この実施の形態によれば、上下の蓋を構成する2つの第1の構成板部材61と、第2の構成板部材62と、第3の構成板部材63と、第4の構成板部材64とから構成される。
第2の構成板部材62は、中央に蒸気伝達管路構成穴62aがあけられ、一方の面に作動液伝達管路構成溝62bが形成され、他方の面に開放型スリット構成溝62cが形成され、さらに、作動液伝達管路構成溝62bと開放型スリット構成溝62cとの重なり合った部分に接続穴62dがあけられている。第3の構成板部材63は、中央に蒸気伝達管路構成穴63aがあけられている。第4の構成板部材64は、中央に蒸気伝達管路構成穴64aがあけられ、一方の面に開放型スリット構成溝64bが形成され、他方の面に作動液伝達管路構成溝64cが形成され、開放型スリット構成溝64bと作動液伝達管路構成溝64cとの重なり合った部分に接続穴64dがあけられ、さらに、開放型スリット構成溝64bの1つに作動液注入管路構成溝64eが形成されている。すなわち、この第4の構成板部材64は、第2の構成板部材62に作動液注入管路構成溝64eを形成し、表裏を反転させた形になっている。
以上の各構成板部材を図示の並びで積層し、接合することにより薄型ヒートパイプを構成することができる。
以上説明したように本発明では、作動液の潜熱による熱伝達を主たる熱輸送原理とするヒートパイプにおいて、蒸気伝達管路部と、この蒸気伝達管路部の両端に設けられた開放型スリットと、この開放型スリットと接続穴を介して連通され蒸気伝達管路部とは隔離されて遮断部に形成された作動液伝達管路部と、蒸気伝達管路部の一方に設けられた作動液注入口とを備える構成にした。これにより、放熱部から作動液伝達管路部を介して受熱部への作動液の循環が蒸気と接触することなく行われ、熱伝達効率が向上する。また、作動液の循環能力が向上したことにより、受放熱部の重力位置および姿勢の依存性が改善される。
さらに、蒸気伝達管路部、開放型スリット、接続穴、作動液伝達管路部、および作動液注入口を、薄板にそれらを構成する穴をあけた薄板を積層・接合することで形成することにより、ヒートパイプの薄型化および幅広化を実現することができる。
上記については単に本発明の原理を示すものである。さらに、多数の変形、変更が当業者にとって可能であり、本発明は上記に示し、説明した正確な構成および応用例に限定されるものではなく、対応するすべての変形例および均等物は、添付の請求項およびその均等物による本発明の範囲とみなされる。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明による薄型ヒートパイプの第1の実施の形態を示す部分破断平面図である。
図2は、図1のa−a矢視断面図である。
図3は、図1のb−b矢視断面図である。
図4は、図1のc−c矢視断面図である。
図5は、単体の薄型ヒートパイプの構成部材の分解斜視図である。
図6は、薄型ヒートパイプの構成部材の積層状態を示す斜視図である。
図7は、本発明による薄型幅広ヒートパイプの第2の実施の形態を示す部分破断平面図である。
図8は、図7のd−d矢視断面図である。
図9は、図7のe−e矢視断面図である。
図10は、薄型幅広ヒートパイプの構成部材を示す図である。
図11は、本発明による薄型ヒートパイプの第3の実施の形態を示す分解斜視図である。
図12は、従来のグルーブウイックタイプの薄型ヒートパイプの構成概念を示す図であって、(A)はその概観を示す部分破断平面図、(B)はx−x矢視断面図、(C)はy−y矢視断面図である。
図13は、従来の幅広の薄型ヒートパイプの構成例を示す断面図である。
Claims (13)
- 作動液の潜熱による熱伝達を主たる熱輸送原理とする薄型ヒートパイプにおいて、
受熱部と放熱部との間に設けられた蒸気伝達管路部と、
前記受熱部および放熱部に設けられ前記蒸気伝達管路部に接する管壁側が開放されていて作動液蒸発部および蒸気凝縮部をなす開放型スリットと、
前記受熱部と放熱部との間に設けられ、前記蒸気伝達管路部と分離された作動液伝達管路部と、
前記作動液伝達管路部の両端部と前記受熱部および放熱部における前記開放型スリットとを連通させる接続穴と、
を備えていることを特徴とする薄型ヒートパイプ。 - 前記作動液伝達管路部は、前記蒸気伝達管路部を挟んで両側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の薄型ヒートパイプ。
- 前記接続穴は、前記作動液伝達管路部の両端部と前記開放型スリットの断熱部側における各スリットの底部とを接続していることを特徴とする請求項1記載の薄型ヒートパイプ。
- 作動液の潜熱による熱伝達を主たる熱輸送原理とする薄型ヒートパイプにおいて、
断熱部を介して受熱部と放熱部との間に設けられかつ幅方向に一列に配置された複数の蒸気伝達管路部と、
前記受熱部および放熱部に設けられ前記蒸気伝達管路部に接する管壁側が開放されていて作動液蒸発部および蒸気凝縮部をなす開放型スリットと、
前記断熱部を介して受熱部と放熱部との間に設けられかつ前記蒸気伝達管路部を挟んで両側に配置されていてそれぞれ毛細管の機能を有する複数の作動液伝達管路部と、
前記作動液伝達管路部の両端部と前記作動液伝達管路部に隣接した前記蒸気伝達管路部に接する前記受熱部および放熱部における前記開放型スリットとを連通させる接続穴と、
を備えていることを特徴とする薄型ヒートパイプ。 - 前記蒸気伝達管路部の1つと連通した作動液蒸発部または蒸気凝縮部に1つの作動液注入口を備えていることを特徴とする請求項4記載の薄型ヒートパイプ。
- 作動液の潜熱による熱伝達を主たる熱輸送原理とする薄型ヒートパイプの製造方法において、
蒸気伝達管路部構成穴およびその両端側に一体にあけられた開放型スリット構成穴を有する第1の板と、前記第1の板の前記蒸気伝達管路部構成穴と同じ位置にあけられた蒸気伝達管路部構成穴および部分的に前記第1の板の前記開放型スリット構成穴と重なり合うようにあけられた作動液伝達管路構成穴を有する第2の板と、蓋を構成する第3の板とを用意し、
前記第1の板および前記第2の板を複数枚交互に貼り合わせ、
上下を前記第3の板で蓋をする、
ステップからなることを特徴とする薄型ヒートパイプの製造方法。 - 前記蓋をするステップの後に、圧延して薄型化するステップをさらに有することを特徴とする請求項6記載の薄型ヒートパイプの製造方法。
- 前記第1ないし第3の板は、圧接による拡散接合で接合されることを特徴とする請求項6記載の薄型ヒートパイプの製造方法。
- 前記第1ないし第3の板は、ろう付けにより接合されることを特徴とする請求項6記載の薄型ヒートパイプの製造方法。
- 作動液の潜熱による熱伝達を主たる熱輸送原理とする薄型ヒートパイプの製造方法において、
蒸気伝達管路部構成穴およびその両端側に一体にあけられた複数の開放型スリット構成穴を有する第1の板と、前記第1の板の前記蒸気伝達管路部構成穴と同じ位置にあけられた蒸気伝達管路部構成穴および部分的に前記第1の板の前記開放型スリット構成穴と重なり合うようにあけられた作動液伝達管路構成穴を有する第2の板と、蓋を構成する第3の板とを用意し、
前記第1の板および前記第2の板を複数枚交互に貼り合わせ、
上下を前記第3の板で蓋をする、
ステップからなることを特徴とする薄型ヒートパイプの製造方法。 - 貼り合わされた前記第1の板および第2の板の少なくとも1つは作動液を注入するための作動液注入口構成穴を有することを特徴とする請求項10記載の薄型ヒートパイプの製造方法。
- 前記蓋をするステップの後に、圧延して薄型化するステップをさらに有することを特徴とする請求項10記載の薄型ヒートパイプの製造方法。
- 作動液の潜熱による熱伝達を主たる熱輸送原理とする薄型ヒートパイプの製造方法において、
蒸気伝達管路部構成穴、一方の面側にて前記蒸気伝達管路部構成穴の両端側に設けられた開放型スリット構成溝および他方の面側にて両端が前記開放型スリット構成溝に接続穴で通じている作動液伝達管路構成溝を有する第1の板と、前記第1の板の前記蒸気伝達管路部構成穴と同じ位置にあけられた蒸気伝達管路部構成穴を有する第2の板と、蓋を構成する第3の板とを用意し、
前記第2の板の両側に前記作動液伝達管路構成溝のある面を外側にして前記第1の板を配置し、
上下を前記第3の板で蓋をする、
ステップからなることを特徴とする薄型ヒートパイプの製造方法。
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