JP4424649B2 - 被覆電線の表面処理方法及び被覆電線の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フッ素系樹脂材料等で形成された絶縁体層を有する被覆電線の表面処理方法及び被覆電線の製造方法に関する。なお、被覆電線は、各種電気ケーブルの他、耐屈曲性シールド付きケーブルなどに好適に利用される。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、被覆電線は、所定の直径を有する単線又は多心線からなる導体の表面に絶縁体層を施したものであり、絶縁体層としては、耐屈曲性用途にフッ素樹脂が用いられている。
【0003】
また、このような被覆電線は、導体に絶縁体層を連続的に押出成形することにより製造されるが、使用時に製品を識別できるように、製造時に絶縁体層表面に識別標識となる文字等を印字する。
【0004】
このようなマーキングを行う場合、インクジェット式記録ヘッドを用いて非接触で印字する試みがされている。しかしながら、このようなインクジェット式記録ヘッドで用いられるインクは一般的には、メチルエチルケトンのような溶剤にインク顔料や染料と接着剤とを溶解又は分散したものであるが、低付着性のフッ素系樹脂材料からなる絶縁体層には容易には印字できないという問題がある。
【0005】
一方、絶縁体層に直接金属メッキを施してシールドとしたものが提案されている。例えば、導体の外周に設けた紫外線硬化型樹脂からなるエナメル層上に、無電解メッキによる金属メッキシールドを設けた金属メッキシールドエナメル線が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、導体上にフッ素樹脂からなる絶縁体、絶縁体上に無電解金属メッキによる金属層、この上にさらに電解メッキによる金属層を設けた同軸ケーブルが開示されている(例えば、特許文献2参照)。さらに、導体上にフッ素樹脂からなる絶縁体、絶縁体上に塗布したABS樹脂被覆層、この被覆層上に設けられた無電解金属メッキによる金属層、この上にさらに電解メッキによる金属層を設けた同軸ケーブルが開示されている(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
しかしながら、何れも細線のシールド付きケーブルを高生産性で製造するものではなく、構造が複雑であり、また、シールドの耐屈曲性に問題がある。すなわち、フッ素系樹脂材料からなる絶縁体層と金属メッキ層との密着性が悪く、シールドが剥離し易いという問題がある。
【0007】
そこで、印字やメッキを施した場合の密着性を向上させるために、絶縁体層の表面をあらして濡れ性を向上させるなどの処理が必要となる。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−119824号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2000−138013号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開2000−138014号公報 (特許請求の範囲)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように絶縁体層の表面をあらすためには、微粒子を照射して行う物理的な表面処理や、酸やアルカリで処理する化学的な表面処理などが考えられるが、何れも、表面処理スピードが遅い上、絶縁体層を被覆した被覆電線を連続的に処理する方法としては好ましくない。すなわち、被覆電線の搬送速度を上げて表面処理を行うと、その表面に対する印字や金属メッキ層の密着性が低下し、絶縁体層の表面から印字や金属メッキ層が剥離し易くなるという問題がある。特に、インクジェット式記録ヘッドにより絶縁体層の表面に印字を行う場合には、フッ素系樹脂材料からなる絶縁体層に対するインクの密着性が悪いため容易に印字することができず、印字が剥離し易くなるという問題がある。なお、インクジェット印字手段での印刷を高温環境下で行うことが考えられるが、高品位の印刷が難しいという問題がある。
【0010】
また、フッ素樹脂材料からなる絶縁体層への印字方法に関しては、YAGレーザ等による印字も考えられるが、維持コストが高いという問題がある。
【0011】
本発明はこのような事情に鑑み、絶縁体層の表面処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができる被覆電線の表面処理方法及び被覆電線の製造方法を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、導体の周囲に絶縁体層を有する被覆電線の表面処理方法において、前記被覆電線の所定の側方に当該被覆電線の長手方向に沿ってノズル先端同士の間隔が20mm〜160mmの間隔を置いて配置された少なくとも一対の大気圧プラズマノズルを用い、前記大気圧プラズマノズルのそれぞれは、その先端と前記被覆電線との間隔が9〜20mmの範囲となるように配置されると共に当該被覆電線の搬送方向に対して異なる方向で且つプラズマの照射方向を相対向する方向に前記被覆電線の搬送方向に対して50〜70°傾斜させて配置されるようにし、当該大気圧プラズマノズルからプラズマを照射することにより表面処理を行うことを特徴とする被覆電線の表面処理方法にある。
【0013】
かかる第1の態様では、一対の大気圧プラズマノズルをその先端同士が相対向するように異なる方向に所定量傾斜させて被覆電線側に対向して配置してプラズマ処理を行うことにより、絶縁体層表面のプラズマ処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができる。
【0022】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記一対の大気圧プラズマノズルを前記被覆電線に沿った異なる位置で且つ前記所定の側方とは異なる側方に複数配置して当該被覆電線の周囲の複数方向からプラズマの照射を行うことを特徴とする被覆電線の表面処理方法にある。
【0023】
かかる第2の態様では、プラズマの照射を被覆電線の周囲の複数方向から行うことにより、絶縁体層表面のプラズマ処理の効率を向上させることができる。
【0024】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記表面処理の後、濡れ性を向上させる対象の溶媒中に浸漬することを特徴とする被覆電線の表面処理方法にある。
【0025】
かかる第3の態様では、被覆電線の表面処理をした後、経時変化による濡れ性の低下が抑えられる。
【0026】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様の表面処理方法により表面処理を行う表面処理工程と、前記表面処理を施した後に、表面処理された被覆電線の絶縁体層表面にインクジェット印字手段を用いてマーキングを行う工程を具備することを特徴とする被覆電線の製造方法にある。
【0027】
かかる第4の態様では、一対の大気圧プラズマノズルをその先端部同士が相対向するように異なる方向に所定量傾斜させて被覆電線側に対向して配置してプラズマ処理を行うことにより、絶縁体層表面のプラズマ処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができる。そして、被覆電線の絶縁体層の濡れ性が改善されているので、絶縁体層表面とその表面上に形成される印字との密着性が向上する。
【0028】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様の表面処理方法により表面処理を行う表面処理工程と、前記表面処理を施した後、表面処理された被覆電線の絶縁体層表面に金属メッキ層を形成する工程を具備することを特徴とする被覆電線の製造方法にある。
【0029】
かかる第5の態様では、一対の大気圧プラズマノズルをその先端部同士が相対向するように異なる方向に所定量傾斜させて被覆電線側に対向して配置してプラズマ処理を行うことにより、絶縁体層表面のプラズマ処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができる。そして、被覆電線の絶縁体層の濡れ性が改善されているので、絶縁体層表面とその表面上に形成される金属メッキ層との密着性が向上する。
【0030】
本発明によると、少なくとも一対の大気圧プラズマノズルを、被覆電線の絶縁体層表面をプラズマ処理するのに最適な条件で配置することで、絶縁体層表面のプラズマ処理を高速で行うことができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができる。
【0031】
すなわち、本発明では、一対の大気圧プラズマノズルをその先端同士が相対向するように異なる方向に所定量傾斜させて被覆電線側に対向して配置してプラズマ処理を行うことにより、絶縁体層表面のプラズマ処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができる。特に、本発明では、大気圧プラズマノズルとしてプラズマトリーターを用いることで、比較的細い被覆電線に対しても効率よくプラズマ処理を施すことができる。また、従来の被覆電線の製造ラインに表面処理工程を容易に組み込み、効率よく表面処理を行うことができる。また、プラズマを発生するための処理ガスは特に限定されず、空気で行えばよいが、適宜ヘリウムなどの他の処理ガスを用いてもよい。
【0032】
ここで、本発明は、一対の大気圧プラズマノズルから照射されるプラズマが被覆電線の絶縁体層表面に効率よく接触する最適な条件について、例えば、絶縁体層の材質、表面改質をどの程度まで行うかなどを考慮しつつ、プラズマの照射角度、ノズル先端同士の間隔、あるいは各ノズル先端と被覆電線との間隔等を適宜検討した結果、以下に示す条件で一対の大気圧プラズマノズルを配置すれば、絶縁体層の表面処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善できることが明確となった。
【0033】
例えば、各大気圧プラズマノズルからプラズマを照射する際には、被覆電線に対して50°〜70°傾斜した方向から照射するのが好ましい。表面処理を効率よく行うためである。特に、各大気圧プラズマノズルの照射角度を60°とするのが好ましい。これは、上述した角度の範囲において、プラズマ効果が最大、すなわち、絶縁体層表面の濡れ性を示す接触角が最も小さい角度となるからである。また、このような照射角度の範囲を外れた場合にも効率は低下するが、表面処理を行うことができる。さらに、本発明では、各大気圧プラズマノズルの照射角度のそれぞれは、上述した角度の範囲を満たしていれば特に限定されないが、±60°とするのが最も有効である。プラズマ効果が最大となる角度だからである。なお、このような照射角度は、表面処理を施す絶縁体層の材料によって有利な角度が異なるので、材料によって適宜有利な角度とすればよい。
【0034】
また、本発明では、一対の大気圧プラズマノズルは、各大気圧プラズマノズルのノズル先端同士の間に、被覆電線に対するプラズマの照射領域が緩衝しない程度の間隔を設けて配置するのが好ましい。これは、各大気圧プラズマノズルの照射領域が相互に緩衝してしまうと、プラズマ処理後の絶縁体層の表面状態にバラつきが生じ、その後の印字等に悪影響を及ぼす虞があるからである。したがって、例えば、ノズル先端同士の間隔を約20mm以上とするのが好ましい。これにより、各大気圧プラズマノズルから被覆電線に対して照射されるプラズマの照射領域が相互に緩衝することはない。また、各大気圧プラズマノズルの照射領域は、被覆電線に沿って相互に緩衝せずに実質的に連続しているのが特に好ましい。これにより、被覆電線のプラズマ処理を連続的に且つ効率よく行うことができる。
【0035】
さらに、各大気圧プラズマノズルのノズル先端と被覆電線との間には、約9〜20mmの間隔を設けるのが好ましく、好適には、10mm前後の間隔を設けるのがよい。これは、ノズル先端が被覆電線に対して近すぎると、表面処理後の絶縁体層の接触角が大きくなり好ましくないからである。反対に、ノズル先端を被覆電線から遠ざけすぎると、プラズマ処理を有効に行うことができないからである。
【0036】
また、各大気圧プラズマノズルからのプラズマの出力は、例えば、1.2mmφの電線を処理する場合には、電圧を450V以下とするのが好ましく、好適には、電圧を440〜400Vの範囲とするのがよい。このように、本発明では、プラズマの出力を電圧450V以下と比較的低出力に設定しても、絶縁体層の濡れ性を改善することができる。また、プラズマ処理を低出力で行えるので、コストの削減を図ることができるという効果もある。なお、プラズマの出力は、使用する機械によっても異なり、処理対象の電線の直径、照射されるプラズマの量、さらには、プラズマノズルから電線までの距離、処理速度などによっても異なるので、これに限定されるものではない。
【0037】
そして、このような各大気圧プラズマノズルの照射領域が緩衝しない条件を考慮して、上述した条件の範囲内で最も好適な条件としては、例えば、各大気圧プラズマノズルの照射角度を±60°、ノズル先端と被覆電線との間隔を10mm前後とし、ノズル先端同士の間隔を20mmとするのがよい。勿論、本発明は、これに限定されず、上述したように、絶縁体層の材質、表面改質をどの程度まで行うかなどを考慮しつつ、最適な条件を適宜選択すればよい。
【0038】
このように、本発明では、上述した条件で一対の大気圧プラズマノズルを配置することで、被覆電線の絶縁体層表面をプラズマ処理する際、例えば、被覆電線の搬送速度(処理速度)を従来速くて10m/min程度であったものを、その4倍の速さの40m/minに設定しても、絶縁体層表面に対する印字や金属メッキ層との密着性は良好である。また、絶縁体層の濡れ性は、例えば、蒸留水に対する接触角で測定すると、直径によっても異なるため、相対比較できるよう、直径を1.2mmとして統一評価したところ、約75°以下とすることができる。したがって、本発明の表面処理方法によれば、被覆電線の表面処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層表面の濡れ性を改善することができる。特に本発明によれば、フッ素系樹脂等からなる絶縁体層表面の濡れ性を有効に改善することができ、表面処理後の絶縁体層表面とその表面上に形成される印字や金属メッキ層との密着性が向上する。
【0039】
ここで、本発明では、プラズマをノズルから照射して被覆電線の周囲全体を表面処理する場合、あるいはプラズマ処理を複数回に分けて行う場合には、被覆電線の周囲の複数方向からプラズマを照射するのが好ましい。この場合には、例えば、一対の大気圧プラズマノズルを一組とし、これを被覆電線に沿って複数組配置して、被覆電線の長手方向に沿って異なる位置で且つ異なる方向からプラズマを照射するのが好ましい。表面処理を効率よく行うためである。このように被覆電線全体を表面処理することにより、その外周に設ける印字や金属メッキ層との密着性を改善することができる。
【0040】
ただし、連続的にマーキングを行う場合、少なくとも周方向の一方向の表面のみを表面処理すればよいので、この場合には、一方向からプラズマ処理を行えばよい。さらに、プラズマ処理の効率を上げるために、プラズマトリーターを搬送方向に複数箇所に配置してプラズマ処理を行ってもよい。
【0041】
また、本発明では、絶縁体層の表面処理を行った後、濡れ性を改善したい溶媒中、例えば、水中に浸漬しておくのが好ましい。これにより経時変化による濡れ性の低下を防止することができる。
【0042】
ここで、本発明の被覆電線に含まれる導線等の導体は、所定の直径を有する単線、例えば、直径30μm〜0.8mm程度の線材を単独で用いたものでもよいし、多心線、例えば、直径10〜120μm程度の極細線を複数本集合させたものでもよい。
【0043】
また、導体の周囲に絶縁体層を施した被覆電線の構造としては、単線に絶縁体層を被せた構造でも、多心線に絶縁体層を被せた構造でもよく、さらに、同軸線構造として中心の導体の周りに設けた絶縁体層上に導体を設けてさらに絶縁体層を設けた構造としてもよい。
【0044】
本発明では、導体としては、例えば、電気用軟銅、電気用硬銅、スズ含有銅合金、クロム−ジルコニウム含有銅合金又はその場繊維強化銅合金からなるものを挙げることができるが、その場繊維強化銅合金からなる導体が耐屈曲性の点では好ましい。
【0045】
ここで、その場繊維強化銅合金からなる導体は、繊維で強化された銅マトリックスであり、特に、繊維をその場で、すなわち、線材を形成する工程で形成した線材をいう。例えば、銅マトリックス中に、最大径2.5μm以下で平均径が1.0μm以下のその場形成繊維状クロムを含む線材等をいう。
【0046】
かかるその場繊維強化銅合金からなる導体は、例えば、クロム含有率1〜25重量%で残部が実質的に銅からなる合金材料を、必要に応じてスエージ加工し、続いて第1の冷間伸線加工を施し、次いで溶体化処理し、しかる後に第2の冷間伸線加工を施すことにより、銅マトリックス中で繊維状クロムをその場形成して線材を得、該線材を少なくとも一本用いて導体を形成することにより得られる。なお、材料となる合金材料としては、上述したものに限定されず、例えば、クロム含有率1〜25重量%で、銀又はジルコニウムの含有率が0.01〜8重量%で残部が実質的に銅からなる合金材料も用いることができる。
【0047】
このような複合材料からなる線材は、高導電性は電流が銅マトリックス中を流れることで確保でき、且つ機械的強度は繊維強化で確保でき、高機械的強度と高導電率の特性を併せもつ。
【0048】
本発明の被覆電線の絶縁体層としては、例えば同軸ケーブル用として、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂などを挙げることができる。しかしながら、低誘電率で細径化に好ましく且つ耐屈曲性の点ではフッ素系樹脂又はポリエチレンが好適であり、フッ素系樹脂が最も好適である。
【0049】
フッ素系樹脂としては、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、フルオロエチレンヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などを挙げることができる。このようなフッ素系樹脂は、例えば、撥水性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性、耐屈曲性等に優れ、低誘電率であり、樹脂の中でも物性に優れている。特に、ETFEはコスト面及び表面処理の容易性から総合的に優れている。
【0050】
導体に絶縁体層を形成して被覆電線を製造する方法は、特に限定されず、例えば、導体の製造工程と絶縁体層の製造工程とを連続的に行ってもよいし、別工程としてもよいが、被覆工程の後、連続的に表面処理工程を行い、さらに、インクジェット印字手段によるマーキングを行うのが好ましい。
【0051】
なお、インクジェット印字手段は、被覆電線の表面にインク滴を吐出させて印字するものであれば特に限定されず、インクの種類も、水溶性インク、油溶性インクなど特に限定されない。
【0052】
本発明の被覆電線は、例えば、複数本撚りあわせ等したものにシールドを形成してシールド付きケーブルとしてもよいし、複数本を撚りあわせ等したものにさらに絶縁体層を設けた後、シースを設けたシールド付きケーブルとしてもよい。
【0053】
また、本発明の被覆電線は絶縁体層の濡れ性が改善されているので、その上に金属メッキ層を容易に形成することができる。すなわち、例えば、0.5μm〜6μmの厚さの金属メッキ層を形成するとシールドとして十分に作用し且つ耐屈曲性の面でも問題とならないシールドが得られ、剥離しがたいという利点がある。なお、このような金属メッキ層は、無電解メッキのみで形成しても、無電解メッキと電気メッキとを併せてもよい。また、スパッタリング、CVD、真空蒸着などの乾式法により形成してもよい。また、かかる金属メッキ層としては、銅、銀、ニッケル、金など、又はこれらの複合メッキや合金メッキを挙げることができる。
【0054】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る被覆電線の表面処理方法及び被覆電線の製造方法について実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0055】
(実施形態1)
図1には、本実施形態で製造する被覆電線の断面構造を示す。図1に示す被覆電線1は、単線の導体2に絶縁体層3を施したものである。すなわち、被覆電線1は、その場クロム繊維強化銅合金(クロム含有量約10%)からなる導体2にフッ素系樹脂からなる絶縁体層3を設けたものである。
【0056】
このような被覆電線1の製造工程を示す概略構成を図2に示す。図2に示すように、図示しない送出機から送られた導体11には、押出機12で絶縁体層3が形成されて被覆電線11Aとされた後、第1の冷却槽13、引取機14、水平ガイド15、垂直ガイド16を経て第2の冷却槽17へ導かれ、さらに、水平ガイド18、垂直ガイド19、引取機20を介して巻取機21へ巻き取られる。
【0057】
本実施形態では、第1の冷却槽13の直前に一対のプラズマトリーター31を配置し、第2の冷却槽17の前にロータリーエンコーダ32及びインクジェット印字ヘッド33を配置した。
【0058】
これによると、被覆電線11Aは、一対のプラズマトリーター31のプラズマにより表面処理され、その後、ロータリーエンコーダ32で測定された所定位置毎にインクジェット印字ヘッド33によりマーキングが施される。
【0059】
ここで、プラズマトリーター31を配置する位置は特に限定されず、少なくともインクジェット印字ヘッド33の上流側に設ければよく、例えば、図3に示すように、第1の冷却槽13と引取機14との間に配置してもよい。
【0060】
また、一対のプラズマトリーター31からのプラズマの照射方向は、後述する試験例に示すように、被覆電線11Aの搬送方向に対して±60°傾斜した方向から行うのが好ましい。すなわち、図4(a)に示すように、一対のプラズマトリーター31と被覆電線11Aとの成す角θを±60°とするのが好ましい。また、本実施形態では、各プラズマトリーター31のプラズマが照射されるノズル先端同士の間隔xを20mmとし、また、これら各ノズル先端と被覆電線11Aとの間隔yを10mmとした。
【0061】
このように、一対のプラズマトリーター31を配置することで、図4(b)に示すように、各プラズマトリーター31からの照射領域A,Bのそれぞれは相互に緩衝することなく、被覆電線11Aに沿ってほぼ連続的となる。このように、各照射領域A,Bを実質的に連続して設けることで、各照射領域の間に非照射領域が形成されることはなく、絶縁体層の表面状態がバラつくのを有効に防止でき、被覆電線11Aに沿ってプラズマ処理を効率よく行うことができる。
【0062】
また、プラズマトリーター31は、二台を一組として配置すれば、例えば、図5に示すように、被覆電線11Aの周方向に異なり且つ搬送方向に亘って異なる位置に、二組設けるようにしてもよい。勿論、三組又はそれ以上設けるようにしてもよい。これにより、絶縁体層表面の全周に亘ってさらに効率的にプラズマ処理を行うことができる。
【0063】
一方、インクジェット印字ヘッド33の配置も特に限定されず、印字後、少なくとも1秒程度乾燥させることができればよく、例えば、図6に示すように、第2の冷却槽17の後にロータリーエンコーダ32を設け、水平ガイド18及び垂直ガイド19の間にインクジェット印字ヘッド33を配置してもよい。
【0064】
ここで、以下に示すように、絶縁体層の表面処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善できる一対のプラズマトリーターの配置について検討した。
【0065】
具体的には、まず、一つのプラズマトリーターから照射されるプラズマが被覆電線の絶縁体層表面に効率よく接触する最適な条件について、以下に示すように、プラズマの照射角度、プラズマの出力、ノズル先端と被覆電線との間隔y、プラズマトリーターの本数のそれぞれについて検討した。
【0066】
(プラズマの照射角度)
プラズマの出力を電圧424V、電流12.8A、ノズル先端と被覆電線との間隔yを10mm、被覆電線の搬送速度を10m/minにそれぞれ設定し、プラズマの照射角度を±60°、±45°とし、それぞれの条件で、被覆電線の表面処理を施した。そして、被覆電線の表面処理後の接触角をメニスカス法による接触角測定器により、被覆電線のプラズマが照射された部分を0°とし、被覆電線の周方向に90°間隔で接触角(°)を測定した。その結果を図7に示す。なお、図7は、プラズマの各照射角度における回転角度と接触角との関係を示すグラフである。
【0067】
図7に示すように、プラズマの照射角度は、±45°とするよりも±60°とすることで、絶縁体層表面の接触角を小さくできることが分かった。すなわち、プラズマトリーターのプラズマ照射角度を60°と設定することにより、絶縁体層表面の濡れ性を改善できることが分かった。
【0068】
(プラズマの出力)
プラズマの出力を電圧430V:電流12.7A、450V:14.4A、470V:16.5A、495V:18.5Aと変えて、ノズル先端と被覆電線との間隔yを10mm、被覆電線の搬送速度を10m/minにそれぞれ設定し、プラズマの照射角を60°として、被覆電線の表面処理を施した。そして、表面処理後の接触角をメニスカス法による接触角測定器により、被覆電線のプラズマが照射された部分を0°とし、被覆電線の周方向に90°間隔で接触角(°)を測定した。その結果を図8に示す。なお、図8は、プラズマの出力の変化に伴う回転角度と接触角度との関係を示すグラフである。
【0069】
図8に示すように、プラズマの出力を電圧495V、すなわち、電圧を大きく設定すれば、接触角を比較的小さくできるのは明らかであるが、これよりも、電圧を430Vと比較的低電圧に設定することで、絶縁体層表面の接触角を平均的に小さくできることが分かった。すなわち、プラズマトリーターからのプラズマ出力を低電圧条件に設定しても、絶縁体層表面の濡れ性を改善できることが分かった。
【0070】
(ノズル先端と被覆電線との間隔)
プラズマの出力を電圧424V、電流12.8A、処理速度を10m/min、プラズマの照射角度を90°とし、プラズマトリーターのプラズマが照射されるノズル先端と被覆電線との間隔yを5〜28mmと変化させて、被覆電線の表面処理を施した。そして、表面処理後の接触角(ここでは後退角)をメニスカス法による接触角測定器により、被覆電線のプラズマが照射された部分(回転角度0°)における接触角を測定した。その結果を図9に示す。なお、図9は、ノズル先端と被覆電線との間隔と、後退角との関係を示すグラフである。
【0071】
図9に示すように、ノズル先端と被覆電線との間隔yを10mm前後とした場合に後退角が最も小さいことが分かった。また、プラズマ未処理の場合の後退角を測定した結果、約75.2°であったことから、これを基準として評価したところ、ノズル先端と被覆電線との間隔yを9〜20mmの範囲とすることで、後退角を小さく、すなわち、絶縁体層表面の濡れ性を改善できることが分かった。
【0072】
(プラズマトリーターの本数)
プラズマトリーターを二本用意し、各プラズマトリーターを被覆電線の搬送方向と同一方向、すなわち、平行にそれぞれ60°傾斜させて、被覆電線の表面処理を施した。また、比較のため、一本のプラズマトリーターを同様に、被覆電線の搬送方向に60°傾斜させて、被覆電線の表面処理を施した。なお、プラズマトリーターの数以外の表面処理条件は同一とした。そして、表面処理後の接触角(ここでは後退角)をメニスカス法による接触角測定器により、被覆電線のプラズマが照射された部分を0°とし、被覆電線の周方向に90°間隔で接触角(°)を測定した。その結果を図10に示す。なお、図10は、ノズル先端と被覆電線との間隔と後退角との関係を示すグラフである。
【0073】
図10に示すように、プラズマトリーターを二本用いることで、絶縁体層表面の後退角を平均2°小さくすることができることが分かった。すなわち、プラズマトリーターを複数本用いることで、絶縁体層表面の濡れ性を改善できることが分かった。
【0074】
(ノズル先端同士の間隔)
次に、二本のプラズマトリーターから照射されるプラズマが被覆電線の絶縁体層表面に効率よく接触する最適な条件について、ノズル先端同士の間隔xについて検討した。また、ここでは、被覆電線の搬送速度を従来の4倍程度速くした場合におけるマーキングの耐久性についても検討した。
【0075】
具体的には、プラズマの出力を電圧400Vで電流13.8A、プラズマトリーターの傾斜角度を±60°、被覆電線の搬送速度を40m/min、ノズル先端と被覆電線との間隔yを10mmに設定して、二本のプラズマトリーターをそのノズル先端が相対向する位置に配置(図4参照)して、ノズル先端同士の間隔xを0、10、20、40、80、120、160mm(短い間隔から順番に、比較例1,2及び実施例1〜5)と変化させて、ETFEからなる絶縁体層により導体が被覆された被覆電線の表面処理を施した。そして、表面処理後の接触角(前進角及び後退角)をメニスカス法による接触角測定器により、被覆電線の周方向に90°間隔で測定した。その結果を下記表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
上記表1に示すように、実施例1〜5は、比較例1,2と比べて、前進角及び後退角を比較的小さくできることが分かった。特に後退角を小さくできることが分かった。このことから、ノズル先端同士の間隔xを20mm以上とすることで、絶縁体層の濡れ性を改善できることが分かった。
【0078】
(耐久試験)
プラズマトリーターを二本用意し、各プラズマトリーターを被覆電線の搬送方向と同一方向にそれぞれ60°傾斜させて、各プラズマトリーターを搬送方向に5cmずらして相対向する位置に平行に配置した。なお、プラズマの出力を電圧400Vで電流13.8A、プラズマトリーターの傾斜角度を±60°、ノズル先端と被覆電線との間隔yを10mmに設定した。そして、被覆電線の搬送速度を3.5m/min(比較例3)、10.5m/(比較例4)、40m/min(比較例5)に変えて、それぞれ、被覆電線の表面処理を施した。そして、上述した実施例1〜5及び比較例1〜5の条件で表面処理した絶縁体層の表面上にインクジェット印字ヘッド33でマーキングした印字の耐久性をピールテストで評価した。その結果を下記表2に示す。
【0079】
ピールテストでは、セロファンテープを印字の上に指腹で強く貼り付け、貼り付け面と45°の方向に瞬時に剥離し、印字がセロファンテープに移らなかったものを○、一部移ったものを△、全部移ったものを×として評価した。
【0080】
【表2】
【0081】
上記表2に示すように、実施例1〜5は、ピールテストにおいて印字がセロファンテープに移らず、被覆電線の絶縁体層表面に残った。このことから、絶縁体層の濡れ性が改善されて、その絶縁体層表面と印字との密着性を向上できることは明らかである。
【0082】
また、実施例1〜5は、被覆電線の搬送速度を40m/minと設定しても、比較例3,4と同等、すなわち、搬送速度を3.5m/min,10.5m/minとした場合と同等の耐久性、すなわち、絶縁体層表面と印字との密着性が十分に得られることが分かった。また、比較例5は、全ての印字がセロファンテープに移ったが、これは、被覆電線の搬送速度が速すぎて、絶縁体層の表面を有効にプラズマ処理できなかったためと考えられる。
【0083】
この結果から、実施例1〜5のように二本のプラズマトリーターを配置することで、被覆電線の搬送速度を40m/minと比較的高速に設定しても、絶縁体層表面と印字との密着性を十分に確保できることが明らかとなった。
【0084】
また、比較例1,2においては、印字がセロファンテープに一部移ったが、全部は移らなかった。これは、各プラズマトリーターのノズル先端同士の間隔xが短かすぎて、プラズマの照射領域が緩衝し、絶縁体層の表面を有効に改善できなかったためと考えられる。なお、これら比較例1,2に関しては、ノズル先端同士の間隔x以外の条件を実施例1〜5と同じように最適化したので、絶縁体層表面と印字との密着性をある程度確保できたため、全ての印字がセロファンテープに移らなかったものと考えられる。
【0085】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、勿論、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0086】
例えば、上述した実施形態1では、導体2に絶縁体層3を施した被覆電線1を例示して説明したが、勿論これに限定されず、図11に示すように、絶縁体層42の表面に金属メッキをシールド44として設けたシールド付きケーブル40,40Aの製造に本発明の表面処理方法を適用してもよい。なお、図11は、他の実施形態に係るシールド付きケーブルの断面図である。具体的には、図11(a)に示すように、シールド付きケーブル40は、単線の導体41に絶縁体層42を施した被覆電線43に、シールド44を設け、シールド44上にETFEからなる外被覆層45を施し、外径約0.4mmとしたものである。被覆電線43は、その場クロム繊維強化合金(クロム含有量10%)からなる外径0.1mm(断面積0.008mm2)の導体41に絶縁体層42を設けたものである。また、シールド44は、絶縁体層42の表面に大気圧プラズマ処理を施した後、無電解メッキにより銀からなる2μm厚の金属メッキを形成したものである。なお、図11(b)に示すように、その場クロム繊維強化銅合金からなる外径0.08mm(断面積0.005mm2)の線を多心とした導体41Aを有する被覆電線43Aの絶縁体層42の外周にシールド44を設け、このシールド44の外周に外被覆層45を同様に設けたシールド付きケーブル40Aに本発明の表面処理方法を適用してもよい。
【0087】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、被覆電線の所定の側方にその被覆電線の長手方向に沿って所定間隔を置いて配置されると共に被覆電線の搬送方向に対して異なる方向で且つ照射方向が相対向する方向に所定量傾斜させて配置された少なくとも一対の大気圧プラズマノズルからプラズマを照射することにより被覆電線の表面処理を行うようにしたので、絶縁体層の表面処理の高速化を図ることができ、且つ高生産性で絶縁体層の濡れ性を改善することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る被覆電線の断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る被覆電線の製造工程の概略を示す図である。
【図3】本発明の実施形態1に係る被覆電線の他の製造工程の概略を示す図である。
【図4】本発明の実施形態1に係るプラズマトリーターの配置例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態1に係るプラズマトリーターの他の配置例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る被覆電線の他の製造工程の概略を示す図である。
【図7】本発明の実施形態1に係るプラズマの照射角度の変化に伴う回転角度と接触角との関係を示すグラフである。
【図8】本発明の実施形態1に係るプラズマの出力値の変化に伴う回転角度と接触角との関係を示すグラフである。
【図9】本発明の実施形態1に係るノズル先端と被覆電線との間隔と、後退角との関係を示すグラフである。
【図10】本発明の実施形態1に係るノズル先端と被覆電線との間隔と後退角との関係を示すグラフである。
【図11】本発明の他の実施形態に係るシールド付きケーブルの断面図である。
【符号の説明】
1 被覆電線
2 導体
3 絶縁体層
11 導体
11A 被覆電線
31 プラズマトリーター
33 インクジェット印字ヘッド
Claims (5)
- 導体の周囲に絶縁体層を有する被覆電線の表面処理方法において、前記被覆電線の所定の側方に当該被覆電線の長手方向に沿ってノズル先端同士の間隔が20mm〜160mmの間隔を置いて配置された少なくとも一対の大気圧プラズマノズルを用い、前記大気圧プラズマノズルのそれぞれは、その先端と前記被覆電線との間隔が9〜20mmの範囲となるように配置されると共に当該被覆電線の搬送方向に対して異なる方向で且つプラズマの照射方向を相対向する方向に前記被覆電線の搬送方向に対して50〜70°傾斜させて配置されるようにし、当該大気圧プラズマノズルからプラズマを照射することにより表面処理を行うことを特徴とする被覆電線の表面処理方法。
- 請求項1において、前記一対の大気圧プラズマノズルを前記被覆電線に沿った異なる位置で且つ前記所定の側方とは異なる側方に複数配置して当該被覆電線の周囲の複数方向からプラズマの照射を行うことを特徴とする被覆電線の表面処理方法。
- 請求項1又は2において、前記表面処理の後、濡れ性を向上させる対象の溶媒中に浸漬することを特徴とする被覆電線の表面処理方法。
- 請求項1〜3の何れかの表面処理方法により表面処理を行う表面処理工程と、前記表面処理を施した後に、表面処理された被覆電線の絶縁体層表面にインクジェット印字手段を用いてマーキングを行う工程を具備することを特徴とする被覆電線の製造方法。
- 請求項1〜4の何れかの表面処理方法により表面処理を行う表面処理工程と、前記表面処理を施した後、表面処理された被覆電線の絶縁体層表面に金属メッキ層を形成する工程を具備することを特徴とする被覆電線の製造方法。
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